JP3176457U - 防犯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡便な構成により、警備中の施設等への許可された者の一時的な出入りを可能にする。
【解決手段】 防犯装置101は、制御回路10、携帯電話機20、着信検出回路30、電気錠40、開閉センサ50、及び通報回路60を有する。携帯電話機20は、ユーザにより電話番号をメモリに記憶可能であり、記憶された電話番号からの着信にのみ応答して、着信音信号を出力する機能を有する。着信検出回路30は、携帯電話機20のイヤホン端子からの着信音信号により着信を検出する。通報回路60は、開閉センサ50が扉80の開扉を検出すると、警備サービス提供者の警備施設56に通報信号を伝える。着信検出回路30が着信を検出すると、制御回路10は、通報回路60を無効化した後に、扉80の電気錠40を解錠する。
【選択図】図1
【解決手段】 防犯装置101は、制御回路10、携帯電話機20、着信検出回路30、電気錠40、開閉センサ50、及び通報回路60を有する。携帯電話機20は、ユーザにより電話番号をメモリに記憶可能であり、記憶された電話番号からの着信にのみ応答して、着信音信号を出力する機能を有する。着信検出回路30は、携帯電話機20のイヤホン端子からの着信音信号により着信を検出する。通報回路60は、開閉センサ50が扉80の開扉を検出すると、警備サービス提供者の警備施設56に通報信号を伝える。着信検出回路30が着信を検出すると、制御回路10は、通報回路60を無効化した後に、扉80の電気錠40を解錠する。
【選択図】図1
Description
本考案は、防犯装置に関し、特に、警備中の施設等への許可された者の一時的な出入りを可能にする技術に関する。
資材倉庫等の施設において、警備会社等の警備サービス提供者と契約をし、警備サービスの提供を受けるということが、防犯対策上の有効な手段として広く利用されている。警備サービスを利用する場合には、夜間など、警備を解除できる施設の管理責任者が不在の時間帯には、誰であれ、警備の対象とされている扉を開くことはできなくなる。しかし、営業時間外すなわち管理責任者不在の時間帯であっても、下請け運送業者など管理権限の無い者が、資材倉庫等への出入を必要とする場合がある。そのような場合に、管理責任者が残業をして待機しておくというのは非効率である。
この問題を解消する技術として、特許文献1に記載のものが挙げられる。この防犯装置は、携帯電話等の移動体通信端末の発信者番号を登録しておき、移動体通信端末からの発信者電話番号が、登録されている電話番号と一致すると、ドアセンサ等の不正解錠検出センサを無効化した上で、解錠するものである。しかし、この装置は、発信者番号を登録する機能、及び着信した発信者番号と登録されている電話番号とを比較する機能を実現するために、コスト高とならざるを得ないという問題点があった。
本考案は上記の問題点に鑑みてなされたもので、警備中の施設等への許可された者の一時的な出入りを、簡便な構成によって可能にする防犯装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本考案のうち第1の態様に係るものは、防犯装置であって、電話機と、電気錠と、開閉センサと、通報回路と、着信検出回路と、制御回路とを備えている。電話機は、ユーザの入力により電話番号を記憶可能なメモリを有し、当該メモリに記憶された電話番号からの着信にのみ応答して、着信音信号を出力する機能を有するものである。電気錠は扉を施解錠するものである。開閉センサは、前記扉の開閉を検出するものである。通報回路は、前記開閉センサが開扉を検出すると警備施設へ通報信号を伝えるものである。着信検出回路は、前記着信音信号により着信を検出するものである。制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、前記通報回路を無効化した後に前記電気錠を解錠するものである。
この構成によれば、電話機への着信があったときに、メモリに記憶されている電話番号と着信電話番号が一致した場合にのみ、着信検出回路が着信を検出する。従って、防犯装置が設置される施設への出入りを許可された者が所有する携帯電話機などの電話番号を、防犯装置の電話機のメモリに記憶させておくことにより、着信検出回路は、許可された者からの着信のみを検出することが可能となる。着信検出回路が着信を検出すると、通報回路が無効化されることにより、警備施設への通報はなされない状態となる。その後に、電気錠が解錠される。従って、許可された者は、防犯装置が設置される施設の扉の前などにおいて、自身の携帯電話機により防犯装置へ発信することにより開扉を要求することができ、それにより、警備サービス提供者などが設置する警備施設への不用意な通報を招くことなく、扉を開いて施設へ出入りすることが可能となる。すなわち、警備サービス提供者等の警備施設による警備を利用しつつ、警備中の施設へ、許可された者の一時的な出入りが可能となる。さらに、許可された者からの着信のみを検出するのに、市販されている電話機の機能が利用されるので、防犯装置を簡便に構成することができる。
なお、制御回路は、ソフトウェアを搭載したコンピュータを含んでいてもよく、コンピュータを含まないハードウェアのみによって構成されたものであってもよい。また、制御回路だけでなく、他の回路、例えば着信検出回路も、ソフトウェアを搭載したコンピュータを含んでいてもよい。さらに、複数の回路、例えば制御回路と着信検出回路とが、共通のコンピュータを含んでいてもよい。さらに、開閉センサは電気錠に組み込まれたものであってもよい。この構成においても、防犯装置が電気錠と開閉センサを備えていることに変わりはない。また、開閉センサは、電気錠の解錠があっても開扉があったものと検出するものであってもよい。この構成においても、開扉センサは、電気錠が施錠されているときに開扉があれば、開扉を検出するのであるから、扉の開閉を検出するセンサであることに相違はない。開扉センサがこのように構成された場合であっても、開扉センサが電気錠の解錠を検出する前に、通報回路が無効化されているので、開扉センサが解錠を検出しても警備施設へ無用な通報はなされない。
本考案のうち第2の態様に係るものは、電話機に接続して使用される防犯装置であって、電気錠と、開閉センサと、通報回路と、着信検出回路と、制御回路とを備えている。電話機は、ユーザの入力により電話番号を記憶可能なメモリを有し、当該メモリに記憶された電話番号からの着信にのみ応答して、着信音信号を出力する機能を有するものである。電気錠は扉を施解錠するものである。開閉センサは、前記扉の開閉を検出するものである。通報回路は、前記開閉センサが開扉を検出すると警備施設へ通報信号を伝えるものである。着信検出回路は、前記着信音信号により着信を検出するものである。制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、前記通報回路を無効化した後に前記電気錠を解錠するものである。
この構成による防犯装置は、本考案の第1の態様に係る防犯装置と同様に動作するので、第1の態様に係る防犯装置と同様の効果を達成する。
本考案のうち第3の態様に係るものは、第1又は第2の態様に係る防犯装置であって、前記電話機は、前記着信音信号をイヤホン端子に出力する機能を有する携帯電話機であり、前記着信検出回路は、前記イヤホン端子からの前記着信音信号により着信を検出するものである。
この構成によれば、電話機が携帯電話機であるので、電話回線の架設が容易でない山中の施設などへの設置にも適する。さらに、着信の検出にイヤホン端子からの着信音信号が利用されるので、着信音信号の取り出しが容易である。
本考案のうち第4の態様に係るものは、第3の態様に係る防犯装置であって、前記携帯電話機は、所定範囲の時間にわたり互いに短絡させることにより、予め設定された電話番号への発信を当該携帯電話機に行わせる一対のピンを、前記イヤホン端子に含むものである。そして、前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出しないときに、前記開閉センサが開扉を検出したときは、前記一対のピンを前記所定範囲の時間にわたって短絡させることにより、前記携帯電話機に、前記予め設定された電話番号へ発信させる。
この構成によれば、市販の携帯電話機が広く提供するイヤホン端子の機能を利用して、着信検出回路が着信を検出しないときに、開閉センサが開扉を検出したとき、すなわち許可された者からの要求無しになされる異常な開扉があった場合に、予め設定された電話番号、例えば施設の管理責任者の携帯電話などへ、自動発信させることができる。施設にウェブカメラを設置しておくことにより、例えば当該管理責任者は、自身の携帯電話などに自動発信を受けると、インターネットを通じて扉の付近などを携帯電話の画面上に映し出すことができ、状況に応じて、警察へ直ちに通報することも可能となる。
本考案のうち第5の態様に係るものは、第4の態様に係る防犯装置であって、外部の装置を操作する1又は複数のスイッチをさらに備えるものである。そして、前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出しないときに、前記開閉センサが開扉を検出したときは、前記外部の装置を操作するように前記1又は複数のスイッチを動作させる。
この構成によれば、例えば扉の付近に設置される監視カメラあるいは警告灯を、外部の装置として1又は複数のスイッチに接続することにより、許可された者の要求無しになされる異常な開扉があった場合に、これらの監視カメラあるいは警告灯を作動させることが可能となる。特に、監視カメラとしてウェブカメラを採用することにより、異常な開扉があった場合に防犯装置からの自動発信を受信した携帯電話機などの画面上に、カメラの撮影画像を直ちに映し出すことが可能となる。受信した携帯電話機の保有者である施設の管理責任者等は、撮影画像を目視することにより、施設の状況に応じて、警察へ直ちに通報することも可能となる。ウェブカメラを常時作動させておき、スイッチの動作により撮影画像の記録が行われるように、ウェブカメラをスイッチに接続することも可能である。それにより、異常な開扉があったときの撮影画像を、限られた容量のメモリに記録することができ、後日の証拠とすることが可能となる。
本考案のうち第6の態様に係るものは、第5の態様に係る防犯装置であって、前記1又は複数のスイッチの少なくとも1つに接続された少なくとも1台のウェブカメラを、さらに備えている。そして、当該少なくとも1台のウェブカメラは、前記少なくとも1つのスイッチの動作により撮影画像の記録が行われるように、当該少なくとも1つのスイッチに接続されている。
この構成によれば、許可された者の要求無しになされる異常な開扉があった場合に、少なくとも1台のウェブカメラの撮影画像の記録が行われる。それにより、異常な開扉があった場合に、防犯装置からの自動発信を受信した携帯電話機などの画面上に、カメラの撮影画像を映し出すことができるとともに、撮影画像を後日の証拠として保存することができる。受信した携帯電話機の保有者である施設の管理責任者等は、撮影画像を目視することにより、施設の状況に応じて、警察へ直ちに通報することも可能となる。
本考案のうち第7の態様に係るものは、第1ないし第6のいずれかの態様に係る防犯装置であって、前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、発信者側がリングバックトーンを聴取可能な長さに設定された待ち時間を経て、前記電気錠を解錠するものである。
この構成によれば、電話機への着信の検出から、発信者側がリングバックトーンを聴取可能な長さに設定された待ち時間を経て、電気錠が解錠されるので、電話機を用いて発信した許可された者は、解錠までにリングバックトーンを確認することができる。すなわち、リングバックトーンを聴取する前に電気錠が解除されることによる違和感をユーザに与えないタイミングで、解錠が行われる。
本考案のうち第8の態様に係るものは、第1ないし第6のいずれかの態様に係る防犯装置であって、前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、設定された待ち時間を経て、前記電気錠を解錠するものであり、前記制御回路は、前記待ち時間をユーザの操作により可変とする待ち時間可変手段を有するものである。
この構成によれば、制御回路が待ち時間可変手段を有するので、電話機を用いて発信した許可された者が、解錠までにリングバックトーンを確認することができ、しかも過度に長く待たされることなない範囲で、適切な待ち時間をユーザの操作により設定することができる。
本考案のうち第9の態様に係るものは、第1ないし第6のいずれかの態様に係る防犯装置であって、前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、前記着信の検出から約3秒以上かつ約15秒以下に設定された待ち時間を経て、前記電気錠を解錠するものである。
この構成によれば、電話機への着信の検出から約3秒以上かつ約15秒以下に設定された待ち時間を経て、電気錠が解錠されるので、電話機を用いて発信した許可された者は、解錠までにリングバックトーンを確認することができ、しかも過度に長く待たされることがない。すなわち、ユーザに過度の違和感を生じさせないタイミングで、解錠が行われる。
本考案のうち第10の態様に係るものは、第9の態様に係る防犯装置であって、前記待ち時間が、約6秒以上かつ約9秒以下に設定されているものである。
この構成によれば、電話機への着信の検出から約6秒以上かつ約9秒以下に設定された待ち時間を経て、電気錠が解錠されるので、電話機を用いて発信した許可された者は、解錠までにリングバックトーンをより適切な時間にわたって確認することができる。すなわち、ユーザに違和感を生じさせないタイミングで、解錠が行われる。
本考案のうち第11の態様に係るものは、第1ないし第10のいずれかの態様に係る防犯装置であって、前記制御回路は、前記電気錠を解錠してから、設定された解錠時間の後でありかつ前記開閉センサが閉扉を検出した後に、前記電気錠を施錠し、その後に前記通報回路を有効化するものである。
この構成によれば、扉を出入りする許可された者には、解錠があった後、設定された範囲の開扉の時間が与えられ、かつ許可された者の作業の終了を待って施錠がなされ、かつ警備施設への不用意な通報がなされることなく警備状態が復活する。開閉センサが複数のセンサを有していて、例えば、通報回路は第1の開閉センサの開扉検出に基づいて警備施設へ通報するものであり、制御回路は第2の開閉センサの閉扉検出に基づいて電気錠を施錠するものであってもよい。本態様はこのような構成をも包含する。
本考案のうち第12の態様に係るものは、第1ないし第10のいずれかの態様に係る防犯装置であって、前記制御回路は、前記電気錠を解錠してから、設定された解錠時間を経たときに前記電気錠を施錠可能な状態にし、前記解錠時間の後でありかつ前記開閉センサが閉扉を検出した後に、前記通報回路を有効化するものである。
この構成によれば、電気錠は、解錠があった後、設定された解錠時間を経るまでは解錠を維持し、解錠時間を経ると施錠可能な状態、すなわち閉扉を待って施錠できる状態となる。それにより、電気錠は閉扉があったときに扉を施錠する。解錠時間を経る前に閉扉があれば、電気錠は解錠時間を待って扉を施錠する。いずれの場合であれ、施錠の後に通報回路が有効化される。従って、扉を出入りする許可された者には、解錠があった後、設定された範囲の開扉の時間が与えられ、かつ許可された者の作業の終了を待って施錠がなされ、かつ警備施設への不用意な通報がなされることなく警備状態が復活する。開閉センサが複数のセンサを有していて、例えば、通報回路は第1の開閉センサの開扉検出に基づいて警備施設へ通報するものであり、制御回路は第2の開閉センサの閉扉検出に基づいて通報回路を有効化するものであってもよい。本態様はこのような構成をも包含する。
本考案のうち第13の態様に係るものは、第1ないし第12のいずれかの態様に係る防犯装置であって、外部の装置を操作する1又は複数のスイッチをさらに備えるものである。そして、前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、前記通報回路を無効化するより前に、前記外部の装置を操作するように前記1又は複数のスイッチを動作させる。
この構成によれば、例えば扉の付近に設置される監視カメラあるいは警告灯を外部の装置としてスイッチに接続することにより、警備が解除されるより前に、これらの監視カメラあるいは警告灯を作動させることが可能となる。監視カメラとしてウェブカメラを採用し、当該ウェブカメラを常時作動させておき、スイッチの動作により撮影画像の記録が行われるように、当該ウェブカメラをスイッチに接続することも可能である。
本考案のうち第14の態様に係るものは、第13の態様に係る防犯装置であって、前記制御回路は、前記電気錠を解錠した後に、当該電気錠が施錠するときに、前記外部の装置の操作を停止させるように前記1又は複数のスイッチを動作させるものである。
この構成によれば、例えば扉の付近に設置される監視カメラあるいは警告灯を外部の装置としてスイッチに接続した場合に、電気錠が扉を再び施錠するときに、これらの監視カメラあるいは警告灯を停止させることが可能となる。すなわち、外部の装置の不必要な動作が解消される。外部の装置として監視カメラが接続され、当該監視カメラに撮影画像を記録する機能がある場合には、監視の重要性の高いときの撮影画像が選択的に記録されるので、後刻に撮影内容の確認を要する場合に、確認作業が容易となる。
本考案のうち第15の態様に係るものは、第1ないし第14のいずれかの態様に係る防犯装置であって、前記電気錠を解錠するための解錠スイッチをさらに備えているものである。そして、前記制御回路は、前記解錠スイッチが操作されると、前記通報回路を無効化した後に前記電気錠を解錠する。
この構成によれば、防犯装置を設置した施設の職員など、権限を有する者が当該施設に居るときに、顧客や他の職員など施設への出入りを許すべき者から、例えば呼び出しチャイムなどにより開扉の要求があったときに、当該権限を有する者が解錠スイッチを操作することにより、警備施設への無用な通報を招くことなく扉を開くことが可能となる。
以上のように本考案によれば、簡便な構成により、警備中の施設等への許可された者の一時的な出入りを可能にする防犯装置が実現する。
図1は、本考案の一実施の形態による防犯装置の構成を示すブロック図である。この防犯装置101は、例えば資材倉庫など警備対象とされる施設に設置されるものであり、警備保障会社などの警備サービス提供者による警備を可能にするとともに、警備がなされているときであっても、当該施設への許可された特定の者の一時的な出入りを可能にするように構成されている。このために、防犯装置101は、制御回路10、携帯電話機20、着信検出回路30、電気錠40、開閉センサ50、及び通報回路60を含んでいる。
電気錠40及び開閉センサ50は、一例として、警備対象とされる施設の出入口となる扉80に設置される。電気錠40は、制御回路10からの指示に基づいて扉80を施錠及び解錠するものである。開閉センサ50は、扉80の開閉を検出するものである。通報回路60は、開閉センサ50が扉80の開扉を検出すると、警備サービス提供者の警備施設56に通報信号を伝えるものである。これにより、施設の安全が保障される。携帯電話機20は、メモリ(図示略)を内蔵しており、ユーザの入力により電話番号をこのメモリに登録しておくことができる。そして、携帯電話機20は、登録された電話番号からの着信にのみ応答して、着信音信号を出力する動作モード、いわゆる「登録番号以外着信拒否モード」を選択することが可能となっている。このような機能を有する携帯電話機20は、我が国において既に広く市販されている。
施設の管理責任者など防犯装置101のユーザは、施設の職員や特定の取引業者など、施設への出入りを許可された特定の者が所有する携帯電話機の電話番号を、携帯電話機20にあらかじめ登録しておく。そうして防犯装置101は、携帯電話機20を「登録番号以外着信拒否モード」に設定した状態で使用される。着信検出回路30は、携帯電話機20の着信音信号の入力を携帯電話機20のイヤホン端子(図示略)から受けることにより、携帯電話機20への着信を検出する。制御回路10は、着信検出回路30が着信を検出すると、通報回路60を無効化し、その直後に電気錠40を解錠するのである。これにより、施設への出入りを許可された特定の者は、扉80の前などにおいて、自身の携帯電話機により防犯装置101の携帯電話機20へ発信することにより開扉を要求することができ、それにより、警備サービス提供者などが設置する警備施設56への不用意な通報を招くことなく、扉80を開いて施設へ出入りすることが可能となる。すなわち、警備施設56による警備を利用したい夜間などにおいて、この警備を利用しつつ、警備中の施設へ特定の者が一時的に出入りすることが可能となる。しかも、許可された者からの着信のみを検出するのに、市販されている携帯電話機20の機能と、そのイヤホン端子に出力される着信音信号が利用されるので、防犯装置101を簡便に構成することができる。
制御回路10は、電気錠40を解錠してから、あらかじめ設定された解錠時間、例えば数十秒程度の経過を待って、しかも開閉センサ50が閉扉を検出した後に、電気錠40を施錠する。制御回路10は、その後に通報回路60を有効な状態に戻す。これにより、許可された特定の者は、解錠時間の間に扉80を開くことが可能となる。特定の者が入場あるいは退場を終えて扉80を閉めた後に施錠がなされ、その後に通報回路60が有効化されるので、特定の者による出入りが行われる間、警備施設56への不用意な通報がなされることがない。特定の者は、扉80を入場した後に、一旦閉扉することも可能である。退場する時には、自身が保持する携帯電話機を用いて、防犯装置101の携帯電話機20に再度発信することにより、再度扉80を開いて退場することが可能となる。以下に、防犯装置101の構成と動作について、より詳細に説明する。
制御回路10は、防犯装置101の各部から検出信号を受けるとともに、各部を制御する働きをなす。制御回路10は、ソフトウェアを搭載したコンピュータを含んでいても良く、ハードウェアのみで構成されても良い。また、制御回路10は他の回路と、コンピュータを共有していても良い。制御回路10には電源回路12が接続されることにより、電力が供給される。電源回路12は、例えば、100Vの商用交流電力から必要とされる低電圧の直流電圧を生成するものである。電源回路12は、停電時のための充電電池を含んでいてもよい。電源回路12は、制御回路10を通じて、あるいは通じることなく、他の回路にも必要な電力を供給する。
開閉センサ50は、図1に例示するように電気錠40と別体のものであっても良く、電気錠40に組み込まれたものであっても良い。開閉センサ50の機能が組み込まれた電気錠40も既に市販されている。
防犯装置101は、さらに、スイッチ72及び74、監視カメラ82、並びに警告灯84を含んでいる。監視カメラ82は、例えば扉80の付近に設置され、扉80及びその周辺を撮影する。監視カメラ82は動画を撮影するものであり、例えば、撮影された画像を記録装置(図示略)に記録可能なものである。監視カメラ82は、動画に代えて静止画を反復的に撮影するものであってもよい。警告灯84は、一例として扉80の付近に設置される。警告灯84には、例えば回転灯が用いられる。監視カメラ82及び警告灯84は、それぞれスイッチ72及び74に接続される。スイッチ72及び74は、制御回路10により動作するものであり、動作することにより監視カメラ82及び警告灯84を作動させる。監視カメラ82を常時作動させておき、スイッチ72が動作したときに、撮影画像が記録装置に記録されるように、スイッチ72を利用することも可能である。スイッチ72及び74は、監視カメラ82等の外部装置に電源を投入・遮断するものであっても良く、特定の信号、例えば電圧信号をオンオフするものであっても良く、信号線を短絡・開放するものであっても良く、一般に外部装置を操作するのに適した様々な形態を採り得る。
制御回路10は、許可された特定の者からの要求が無いときに、開閉センサ50による開扉の検出があると、スイッチ72及び74を動作させる。それにより、監視カメラ82が撮影あるいは撮影画像の記録を開始するとともに、警告灯84が作動する。監視カメラ82としてウェブカメラを使用することにより、インターネットを通じて撮影画像を、遠方の携帯電話機あるいはパーソナルコンピュータ等の画面上に映し出し、遠方にて観察することも可能となる。記録された撮影画像は、不法侵入等について後日の証拠とすることができる。警告灯84の点灯により、施設の周囲に異常の発生を通知することができるとともに、不法侵入者への警告ともなる。
制御回路10は、許可された特定の者からの開扉の要求が有って、着信検出回路30が着信を検出したときにも、スイッチ72及び74を動作させる。それにより、監視カメラ82及び警告灯84が、上述したところと同様に動作する。制御回路10は、通報回路60を無効化する前に、スイッチ72及び74を動作させる。従って、警備施設56に通報が伝わらない状態となったときには、監視カメラ82及び警告灯84に既に所定の動作を開始させておくことが可能となる。
警備サービス提供者は、警備対象となる施設内に警備端末装置54を設置している。警備端末装置54は、警備サービス提供者の警備施設56に接続されている。通報回路60は、警備端末装置54を通じて警備施設56に通報信号を伝える。通報回路60は無効化されないときに、開扉センサ50により開扉が検出されると、制御回路10の介在なしで通報信号を送出するものであってもよく、制御回路10の指示により通報信号を送出するものであってもよい。いずれの形態であっても、通報回路60は有効であるときに、開扉センサ50が開扉を検出すると、警備端末装置54へ通報信号を伝えるように構成されていることに変わりはない。警備端末装置54は、例えば夜間など、警備サービス提供者による警備が行われているときに通報信号を受信すると、警備施設56に通報信号を伝える。これにより、警備サービス提供者は、警備中の施設において扉80の開扉があったことを認識し、警備員を現場に急行させることが可能となる。
図2は、防犯装置101のうち通報回路60の構成例を示すブロック図である。この構成例では、警備端末装置54から一対の信号線55が引き出されており、この一対の信号線55が短絡されている間は、警備端末装置54は異常の発生を警備施設56に通報しない。一方、一対の信号線55が開放されると、警備端末装置54は、通報信号を警備施設56に伝える。このように構成された警備端末装置54に対応して、通報回路60は、一対の信号線55を短絡及び開放するスイッチを有している。通報回路60は、無効化されていないときには、開閉センサ50が開扉を検出すると、制御回路10の指示に基づき、あるいは制御回路10に妨げられることなく、一対の信号線55を開放するようにスイッチを動作させる。図2に例示する通報回路60は、例えばリレー回路により構成可能である。
許可された特定の者からの開扉の要求が有って、着信検出回路30が着信を検出したときに、通報回路60は無効化されるが、それによって開閉センサ50が無効化される訳ではない。ドアセンサ等の不正解錠検出センサを無効化する特許文献1の技術とは異なり、開閉センサ50は機能を継続する。このため、一旦開扉された扉80の閉扉を開閉センサ50により検出することができるので、電気錠40を施錠状態に戻す時期あるいは通報回路60を有効化する時期を定めるのに、閉扉の検出を利用することが可能となる。
図3は携帯電話機20とその周辺の回路の構成例を示すブロック図である。図3に例示するように、防犯装置101は、接続部22及び24、並びにスイッチ70をさらに含んでいる。携帯電話機20のイヤホン端子26には、接続部22を通じて着信検出回路30及びスイッチ70が接続される。また、携帯電話機20の電源端子28には接続部24を通じて電源線14が接続される。携帯電話機20に供給すべき電力が、制御回路10を通じて、あるいは電源回路12から直接に、電源線14により電源端子28に送られる。これにより、携帯電話機20が内蔵する電池(図示略)は、常時充電されることとなる。接続部22及び24は、例えば着脱可能なコネクタである。登録された電話番号からの着信が携帯電話機20にあると、着信音信号がイヤホン端子26から接続部22を通じて着信検出回路30に入力される。着信検出回路30は、着信音信号が入力されると、この着信音信号に基づいて着信検出信号を制御回路10へ伝える。
図4は、着信検出回路30の構成例を示す回路図である。携帯電話機20の着信音信号は、入力信号線38を通じて増幅器31に入力される。増幅器31は、接地電位電源線36及び正電位電源線37を通じて電力の供給を受ける。増幅器31により増幅された着信音信号は、キャパシタ32及びダイオード33により、常時略正電位となるように正電位側にシフトされる。さらに、別のダイオード34を通じて、比較的容量の大きいキャパシタ35に電荷が蓄積される。ダイオード33及び34の順電圧が無視できないほどに正電位電源線37の電位が低い場合には、図4に例示するように、ダイオード33及び34は、順電圧が標準的ダイオードよりも低いショットキーバリアダイオードであることが、キャパシタ35の電圧を効果的に高くする上で望ましい。また、増幅器31の出力抵抗が過度に低い場合には、増幅器31の出力端子に適度な抵抗値の抵抗器を接続しても良い。電荷が蓄積されたキャパシタ35は、抵抗器16を通じて調整された早さで放電する。これにより、キャパシタ35とダイオード34との間に接続される信号線39の電位は、着信音信号の入力後から上昇し、着信音信号の強さ(振幅)に応じた定常値に落ち着く。信号線39の電位が所定の基準値を超えると、コンパレータ17は、着信の検出を示すアクティブレベル(例えば、ハイレベル)の二値信号を出力信号線18に出力する。着信音信号の入力からアクティブレベルの二値信号の出力までの時間は、例えば1秒よりも遙かに短い時間に設定される。
出力信号線18の信号は、制御回路10に入力される。コンパレータ17は、デジタル信号の入力を受けるインバータ回路、あるいはバッファ回路であってもよい。あるいは、基準電位との電位差を増幅するアナログ増幅器であってもよい。また、バイポーラ型又はMOS型などのトランジスタであってもよい。制御回路10がソフトウェアを搭載したコンピュータを含むときには、そのコンピュータの入力段がコンパレータ17を兼ねてもよい。この場合には、制御回路10と着信検出回路30とは、単一のコンピュータを共有することとなる。
着信音信号の入力が無くなると、抵抗器16の働きにより信号線39の電位は設定された速さで下降する。それにより、ある程度の遅延時間を経て、コンパレータ17は、着信検出がされなくなったことを示すノーマルレベル(例えば、ロウレベル)の二値信号を信号線18に出力する。抵抗器16を設けることなく、キャパシタ35のリーク電流、あるいはコンパレータ17の入力抵抗などを利用して、キャパシタ35を放電させてもよい。着信音としては、1秒の呼出音と2秒の休止とを反復する標準的な着信音であってもよく、音楽の音声であっても良い。防犯装置101のユーザは、携帯電話機20を操作することにより、いずれかの着信音を予め選択しておくことが可能である。着信音信号が休止しても2秒を超える時間にわたって、信号線39が基準値を超える電位を維持するように、キャパシタ35の放電の早さが設定されるのが望ましい。それにより、着信音信号が標準的な呼び出し音である場合にも、着信状態が継続している間は、アクティブレベルの着信検出信号が出力信号線18に出力される。
図3に戻って、携帯電話機20のイヤホン端子26は、イヤホン装置に付属する通話スイッチと称されるスイッチが接続されることを予定した一対のピンを有している。この一対のピンを、例えば2秒以上の時間にわたり互いに短絡させることにより、携帯電話機20に予め設定された電話番号への発信を、携帯電話機20に行わせることができる。我が国において市販されている携帯電話機の多くが、この機能を具備している。スイッチ70は、制御回路10の指示に基づいて、この一対のピンを短絡するものである。制御回路10は、許可された特定の者からの要求がないままで、開扉センサ50により扉80の開扉が検出されたとき、すなわち扉80の異常開扉があったときに、スイッチ70を2秒以上オンする。その結果、携帯電話機20は、自身の特定のメモリ領域に登録された電話番号に発信する。この電話番号として防犯装置101が設置される施設の管理責任者が保有する携帯電話機の電話番号を登録しておくことにより、扉80の異常開扉があったときに、管理責任者の携帯電話機に自動発信することが可能となる。すなわち、管理責任者は直ちに異常の発生を知ることが可能となる。
監視カメラ82としてウェブカメラがスイッチ72(図1)に接続されておれば、管理責任者は、着信のあった自身の携帯電話機の画面上に、ウェブカメラの撮影画像を映し出すことができる。「スマートフォン」と称される近年の携帯電話機は、この機能を実現する。着信鳴動が続いている間であっても、ウェブカメラの撮影画像を映し出すことが可能である。管理責任者は、撮影画像を観察することにより、施設の状況に応じて、警察へ直ちに通報することもできる。それにより、不法侵入者を現行犯として現場で逮捕することも可能となり、防犯効果が著しく高められる。なお、2台のウェブカメラをスイッチ72及び74に接続しても良い。それにより管理責任者は、2箇所を撮影した画像を同時にあるいは切り換え自在に、自身の携帯電話機の画面上に映し出すことができる。スイッチ72及び74と同様のスイッチを増設して、3台以上のウェブカメラを接続することも可能である。また、ウェブカメラは、スイッチ72等に接続されなくても、常時撮影状態にしておくことにより、同様に、管理責任者は自身の携帯電話機の画面上にウェブカメラの撮影画像を映し出すことができる。さらに、ウェブカメラは動画を撮影しつつ、記録する画像としては反復的な静止画像を記録するものであっても良い。
図1に戻って、防犯装置101は、スイッチ76をさらに含んでいる。スイッチ76は、電気錠40を解錠するための解錠スイッチである。制御回路10は、スイッチ76が操作されると、通報回路60を無効化し、その後に電気錠40を解錠する。防犯装置101が設置された施設の職員など、権限を有する者が施設内に居るときに、顧客や他の職員など施設への出入りを許すべき者から、受け付けにて面前で、あるいは呼び出しチャイムなどにより、開扉の要求があったときに、権限を有する者は、スイッチ76を操作することにより、施設が警備中であっても警備施設56に不要な通報を伝えることなく、扉80を開扉可能な状態にすることができる。このように構成された防犯装置101は、学校、保育園など昼間でも不審者の侵入を防止する必要のある施設への設置にも適する。
次に、警備中の施設へ、出入りを許可された特定の者が防犯装置101の携帯電話機20に発信することにより、一時的に出入りするときの防犯装置101の動作を、時間の経過に沿って説明する。図5は、このような条件下における防犯装置101の各部の動作を例示するタイミングチャートである。まず、防犯装置101が設置される施設の扉80の前において、許可された特定の者が自身の携帯電話機を用いて携帯電話機20に発信する。携帯電話機20に着信があると、携帯電話機20が内蔵するメモリに登録されている電話番号からの着信であるため、携帯電話機20はイヤホン端子26に着信音信号を出力する。着信音信号の出力が始まる時刻を、時刻t1と表示する。着信検出回路30は、時刻t1の直後に着信音信号を検出する(時刻t2)。時刻t1から時刻t2までの時間は、上述した通り、例えば1秒にも満たない短時間である。発信者が発信を止めることにより、着信音信号が停止する時刻をt5と表示する。上述した通り、着信検出回路30は着信音信号が停止する時刻t5の後も、例えば2秒を超える所定時間が経過するまで(時刻t6まで)着信を検出し続ける。
着信検出回路30が時刻t2に着信を検出すると、制御回路10は、直ちにスイッチ72及び74をオンする。それにより、監視カメラ82及び警告灯84が所定の動作を開始する。その後、時刻t3に制御回路10は通報回路60を無効化する。制御回路10はさらに、時刻t3の後の時刻t4に電気錠40を解錠する。時刻t1に着信音信号の出力が始まってから、携帯電話機20の機種あるいは電話会社にも依存するが、約0〜約2秒を経た後に、発信者の携帯電話機に呼び出し音(リングバックトーン)が出力される。発信者に違和感を与えないように、発信者が呼び出し音を聴取した後に、電気錠40が解錠されるのが望ましい。このため、時刻t2から時刻t4までの遅延時間T1は、1秒の鳴動を聴取できる約3秒以上(例えば3秒以上)に設定されるのが望ましく、さらには呼び出し音を2度聴取できる約6秒以上(例えば6秒以上)に設定されるのが一層望ましい。遅延時間T1が過度に長いと、発信者のいらだち、あるいは不安感を招くことになる。このため遅延時間T1は、聴取できる呼び出し音が5回以内となる約15秒以内(例えば15秒以内)に設定するのが望ましく、さらには3回以内となる約9秒以内(例えば9秒以内)に設定するのが一層望ましい。
遅延時間T1は、例えば、制御回路10がRC時定数を利用した遅延回路を有することにより、容易に設定可能である。半固定可変抵抗器あるいは可変抵抗器によりRC時定数を可変とすることにより、遅延時間T1を可変にすることも可能である。例えば、防犯装置101の筐体(図示略)の外側に設けられたつまみ(図示略)、あるいは、筐体に設けられた孔(図示略)に挿入されるスクリュードライバーにより、これらの可変抵抗器を操作できるようにしておくと、防犯装置101のユーザ自身が、これらの可変抵抗器を操作することにより、遅延時間T1を適切な長さに調整することが可能となる。遅延時間T1は、コンピュータにより設定することも可能である。
制御回路10は、時刻t4よりも早い時刻t3に、通報回路60を無効化する。時刻t3は、例えば時刻t4よりも1〜2秒早い時刻に設定される。時間差を設けることにより、警備サービス提供者の警備施設56に開扉を報知する信号が、誤って伝えられるのを防ぐことができる。遅延時間T1の経過の1〜2秒前に通報回路60を無効化し、遅延時間T1の経過時に電気錠40を解錠するように遅延回路を構成することは、当業者に容易である。
制御回路10は、電気錠40を解錠した後、設定された解錠時間T2を経たときに、扉80が閉じられておれば、電気錠40を施錠する。扉80が閉じられていなければ、制御回路10は、扉80が閉じられるのを待って電気錠40を施錠する。すなわち制御回路10は、解錠時間T2の経過時(時刻t7)と、開閉センサ50から扉80の閉扉を示す開閉信号を受信する時刻(時刻t8)のうち、遅い方の時刻に電気錠40を施錠する。図5は、時刻t8の方が時刻t7よりも遅い例を示している。解錠時間T2は、許可された者が扉80を通過するのに要する時間として設定するのが望ましい。解錠時間T2は、例えば約10秒から約1分の間に設定される。解錠時間T2の設定も、遅延時間T1の設定と同様に、遅延回路あるいはコンピュータにより設定可能である。また、半固定の可変抵抗器などを用いて、解錠時間T2を可変にすることも可能である。それにより、防犯装置101を設置する施設に応じて解錠時間T2を設定することも可能となる。
制御回路10は、電気錠40を施錠する時刻t8に、スイッチ72及び74をオフすることにより、監視カメラ82及び警告灯84の所定の動作を停止させる。制御回路10はさらに、電気錠40を施錠した後の時刻t9に、通報回路60を有効化する。それにより防犯装置101は、開閉センサ50による開扉の検出があれば、警備施設56に通報を伝える通常の警備状態に戻る。このようにして、防犯装置101は着信の前の状態に戻る。時刻t9は、例えば時刻t8よりも1〜2秒遅い時刻に設定される。電気錠40の施錠の1〜2秒後に通報回路60を有効化するように遅延回路を構成することは、当業者に容易である。時間差を設けることにより、警備施設56に開扉を報知する信号が誤って伝えられるのを防ぐことができる。
許可された特定の者が防犯装置101の携帯電話機20に一旦発信をした後に、発信を早々に停止し、その結果、遅延時間T1が経過する前に着信検出回路30が着信の検出を停止した場合、すなわち時刻t6が遅延時間T1の経過前である場合には、制御回路10は電気錠40を解錠しないようにすることも可能である。この場合には、制御回路10は、一旦作動させた監視カメラ82及び警告灯84を停止させる。また、通報回路60が既に無効になっておれば、制御回路10は無効化を解除する。
電気錠40として、解除の後に制御回路10により施錠可能な状態とすることができ、その後に扉80の閉扉があると、制御回路10の制御を要することなく扉80を施錠する種類のものが市販されている。電気錠40がこの種のものである場合には、図5のタイミングチャートにおいて、制御回路10は解錠時間T2が経過する時刻t7に、電気錠40を施錠可能な状態にすると良い。その後に扉80の閉扉があれば、閉扉があった時刻、すなわち開閉センサ50が閉扉を検出する時刻t8に、電気錠40は扉80を施錠する。電気錠40が扉80を施錠するのに、制御回路10による制御は要しない。時刻t7より前に、扉80が既に閉扉されている場合、すなわち時刻t8が時刻t7よりも早い場合には、時刻t7に制御回路10により電気錠40が施錠可能な状態にされるときに、電気錠40は扉80を施錠する。制御回路10は、解錠時間T2が経過する時刻t7と、開閉センサ50が閉扉を検出する時刻t8の何れか遅い方、すなわち電気錠40が扉80を施錠する時刻から、例えば1〜2秒遅れた時刻t9に通報回路60を有効化する。このように、電気錠40が施錠する時期も、通報回路60が有効化される時期も、図5のタイミングチャートに示した時期と同一とすることができる。
また、開閉センサ50は、電気錠40の解錠があったときにも、開扉があったものと検出するものであってもよい。電気錠40に組み込まれた開閉センサ50の中には、そのように機能するものも市販されている。開扉センサ50がこのようなものであっても、許可された特定の者からの要求無しでなされる異常な開扉があれば、開扉センサ50はこの開扉を検出し、通報回路60の働きにより、警備施設56に通報が伝えられる。また、許可された特定の者からの要求があった場合には、通報回路60が無効化された後に電気錠40が解除されるので、開閉センサ50が開扉又は解錠のいずれを検出したときであっても、通報回路60は既に無効化されている。従って、警備施設56に無用な通報が伝えられることはない。上述の通り、電気錠40として、制御回路10により施錠可能な状態とすることができる種類のものを用いた場合には、制御回路10は、開扉センサ50の閉扉検出信号に基づいて電気錠40を施錠する必要がない。従って、この種の電気錠40は、開閉センサ50として、電気錠40の解錠があったときにも開扉があったものと検出する種類のものを使用するときに、一緒に使用するのに適している。
図6は、別の実施の形態による防犯装置のうち、開閉センサと通報回路の構成を例示するブロック図である。この防犯装置102は、防犯装置101の開閉センサ50に代えて、開閉センサ50Aを有している。この構成例では、開閉センサ50Aは、2つの開閉センサ51及び52を含んでいる。警備端末装置54から引き出された一対の信号線55には、通報回路60だけでなく、開閉センサ52が接続されている。開閉センサ52は、制御回路10を介することなく、信号線55に直接に接続されている。開閉センサ52は、スイッチを有しており、扉80の開状態を検出するとスイッチをオフさせることにより信号線55を開放し、閉状態を検出するとオンさせることにより信号線55を短絡する。通報回路60も同じく、信号線55に接続されたスイッチを有している。すなわち、開閉センサ52のスイッチと、通報回路60のスイッチとは、互いに並列関係となるように接続されている。一方のスイッチがオンすれば、一対の信号線55は短絡され、双方のスイッチがオフしたときに開放される。
通報回路60が無効化されない通常時には、通報回路60は自身のスイッチをオフ状態に維持する。このときには、開閉センサ52が扉80の開扉を検出すると一対の信号線55は開放されるので、警備端末装置54は警備施設56に通報信号を伝える。すなわち、通報回路60に妨げられることなく、開閉センサ52の検出信号により、警備施設56に通報信号が伝えられる。この構成は、開閉センサ52の開扉検出により、通報回路60が警備施設56に通報信号を伝える形態の別の一例に相当する。通報回路60が無効化されると、通報回路60は自身のスイッチをオンする。このときには、一対の信号線55は、開閉センサ52のスイッチの動作に依存することなく、短絡状態となる。従って、開閉センサ52が扉80の開扉を検出しても、警備施設56に通報信号は伝えられない。通報回路60が無効化されると、開閉センサ52から扉80の開閉状態を示す信号を取得することはできなくなる。このため制御回路10は、信号線55に接続されない別の開閉センサ51から、扉80の開閉状態を示す検出信号を受信する。開閉センサ51は、図2に例示した開閉センサ50と同一に構成されたものであってもよい。また、開閉センサ51及び52のうちの何れか、又は双方が、電気錠40に組み込まれていてもよい。
図6に示した例は、開閉センサ52と通報回路60とが、警備端末装置54に対して、互いに論理積回路をなす構成の一例に該当する。すなわち図6は、警備端末装置54にアクティブレベルの信号が入力されると、警備端末装置54は警備施設56に通報信号を伝えるように構成され、開閉センサ52は開扉を検出しているときにアクティブレベルの信号を出力し、通報回路60は有効化されているときにアクティブレベルの信号を出力するものであり、開扉センサ52の出力と通報信号60の出力の論理積が警備端末装置54に入力されるように構成された例に該当する。このような論理回路として様々な構成例を採り得ることは、当業者に自明である。
防犯装置101を構成する回路及び機器のうち、携帯電話機20は防犯装置101のユーザが準備するものであってもよい。また、監視カメラ82及び警告灯84は、防犯装置101を設置する施設に、すでに設置されているものであってもよい。さらには、電気錠40及び開閉センサ50も、すでに設置されているものであってもよい。そうすることにより、防犯装置101をさらに低価格でユーザに提供することが可能となる。同様のことは、防犯装置102についても当てはまる。
「登録番号以外着信拒否」の機能を有し、着信音信号を出力するものであれば、携帯電話機20に代えて、固定電話機やPHS電話機など、他の形態の電話機を防犯装置101に用いることも可能である。着信音信号の出力機能は、着信音信号を外部に取り出すための特定の端子等が設けられていることを必ずしも要しない。電話機の内部において、例えばスピーカへ着信音信号を入力すべく、着信音信号が回路上に出力されておれば足りる。そのような場合であっても、電話機の筐体を開いて、特定の回路部位から着信音信号を拾い出し、信号線を用いて着信検出回路30へ導くことが可能である。
制御回路 10
携帯電話機 20
着信検出回路30
電気錠 40
開閉センサ 50、50A
警備施設 56
通報回路 60
扉 80
監視カメラ82
警告灯 84
防犯装置101、102
携帯電話機 20
着信検出回路30
電気錠 40
開閉センサ 50、50A
警備施設 56
通報回路 60
扉 80
監視カメラ82
警告灯 84
防犯装置101、102
Claims (15)
- ユーザの入力により電話番号を記憶可能なメモリを有し、当該メモリに記憶された電話番号からの着信にのみ応答して、着信音信号を出力する機能を有する電話機と、
扉を施解錠する電気錠と、
前記扉の開閉を検出する開閉センサと、
前記開閉センサが開扉を検出すると警備施設へ通報信号を伝える通報回路と、
前記着信音信号により着信を検出する着信検出回路と、
前記着信検出回路が前記着信を検出すると、前記通報回路を無効化した後に前記電気錠を解錠する制御回路と、を備える防犯装置。 - ユーザの入力により電話番号を記憶可能なメモリを有し、当該メモリに記憶された電話番号からの着信にのみ応答して、着信音信号を出力する機能を有する電話機に接続して使用される防犯装置であって、
扉を施解錠する電気錠と、
前記扉の開閉を検出する開閉センサと、
前記開閉センサが開扉を検出すると警備施設へ通報信号を伝える通報回路と、
前記着信音信号により着信を検出する着信検出回路と、
前記着信検出回路が前記着信を検出すると、前記通報回路を無効化した後に前記電気錠を解錠する制御回路と、を備える防犯装置。 - 前記電話機は、前記着信音信号をイヤホン端子に出力する機能を有する携帯電話機であり、前記着信検出回路は、前記イヤホン端子からの前記着信音信号により着信を検出するものである、請求項1又は2に記載の防犯装置。
- 前記携帯電話機は、所定範囲の時間にわたり互いに短絡させることにより、予め設定された電話番号への発信を当該携帯電話機に行わせる一対のピンを、前記イヤホン端子に含むものであり、
前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出しないときに、前記開閉センサが開扉を検出したときは、前記一対のピンを前記所定範囲の時間にわたって短絡させることにより、前記携帯電話機に、前記予め設定された電話番号へ発信させる、請求項3に記載の防犯装置。 - 外部の装置を操作する1又は複数のスイッチをさらに備え、
前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出しないときに、前記開閉センサが開扉を検出したときは、前記外部の装置を操作するように前記1又は複数のスイッチを動作させる、請求項4に記載の防犯装置。 - 前記1又は複数のスイッチの少なくとも1つに接続された少なくとも1台のウェブカメラを、さらに備え、
当該少なくとも1台のウェブカメラは、前記少なくとも1つのスイッチの動作により撮影画像の記録が行われるように、当該少なくとも1つのスイッチに接続されている、請求項5に記載の防犯装置。 - 前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、発信者側がリングバックトーンを聴取可能な長さに設定された待ち時間を経て、前記電気錠を解錠するものである、請求項1ないし6のいずれかに記載の防犯装置。
- 前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、設定された待ち時間を経て、前記電気錠を解錠するものであり、前記制御回路は、前記待ち時間をユーザの操作により可変とする待ち時間可変手段を有するものである、請求項1ないし6のいずれかに記載の防犯装置。
- 前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、前記着信の検出から約3秒以上かつ約15秒以下に設定された待ち時間を経て、前記電気錠を解錠する、請求項1ないし6のいずれかに記載の防犯装置。
- 前記待ち時間が、約6秒以上かつ約9秒以下に設定されている、請求項9に記載の防犯装置。
- 前記制御回路は、前記電気錠を解錠してから、設定された解錠時間の後でありかつ前記開閉センサが閉扉を検出した後に、前記電気錠を施錠し、その後に前記通報回路を有効化する、請求項1ないし10の何れかに記載の防犯装置。
- 前記制御回路は、前記電気錠を解錠してから、設定された解錠時間を経たときに前記電気錠を施錠可能な状態にし、前記解錠時間の後でありかつ前記開閉センサが閉扉を検出した後に、前記通報回路を有効化する、請求項1ないし10の何れかに記載の防犯装置。
- 外部の装置を操作する1又は複数のスイッチをさらに備え、
前記制御回路は、前記着信検出回路が前記着信を検出すると、前記通報回路を無効化するより前に、前記外部の装置を操作するように前記1又は複数のスイッチを動作させる、請求項1ないし12のいずれかに記載の防犯装置。 - 前記制御回路は、前記電気錠を解錠した後に、当該電気錠が施錠するときに、前記外部の装置の操作を停止させるように前記1又は複数のスイッチを動作させる、請求項13に記載の防犯装置。
- 前記電気錠を解錠するための解錠スイッチをさらに備え、
前記制御回路は、前記解錠スイッチが操作されると、前記通報回路を無効化した後に前記電気錠を解錠する、請求項1ないし14のいずれかに記載の防犯装置。
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