JP3176424B2 - 覆蓋のロック構造 - Google Patents

覆蓋のロック構造

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JP3176424B2 JP10120292A JP10120292A JP3176424B2 JP 3176424 B2 JP3176424 B2 JP 3176424B2 JP 10120292 A JP10120292 A JP 10120292A JP 10120292 A JP10120292 A JP 10120292A JP 3176424 B2 JP3176424 B2 JP 3176424B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は上下水道用施設の開口部
を、防臭,防塵または墜落防止等のために蓋覆する場合
に用いる覆蓋のロック構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上水処理場における処理池(例えば、凝
集池,フロック形成池,沈殿池,砂濾過池,珪藻土濾過
池)、下水処理場における処理池(沈殿池,曝気槽)等
においては、防臭,防塵または墜落防止等のために開口
部を蓋で覆い、この覆蓋の脱離を防止するために鍵によ
りロックしている。
【0003】図2の(イ)は上下水道用施設における従
来の蓋覆構造を示す平面図、図2の(ロ)は図2の
(イ)におけるロ−ロ断面図である。図2の(イ)並び
に(ロ)において、4’はコンクリ−ト製の躯体、4
1’は開口部であり、断面L形型材からなる受枠5’を
躯体4’の打設時に定着してある。Pは覆蓋であり、蓋
片Aと蓋片Bとを交互にして受枠に配置し、蓋片Aの巾
端部を蓋片Bの巾端部上に載置してある。従って、蓋片
Aを受枠5’にロックすれば、覆蓋全体に対する脱離防
止を行うことが可能となる。
【0004】従来、蓋片の受枠へのロック構造として、
図3の(イ)乃至(ハ)の異なる例で示すように、受枠
5’にロック用固定側ピ−ス6’を溶接固定し、蓋片A
の長さ方向両端部にロック用鍵3’を取付け、ロック用
鍵3’の操作(軸部31’の上端にプラス溝を加工して
あり、ドライバ−等で軸部31’を回転させる)により
そのロック用可動ピ−ス32’をロック用固定側ピ−ス
6’の直下に回転潜入させる構成が公知であり、図3の
(イ)に示すものにおいては、ロック用固定側ピ−ス
6’を受枠5’の断面L形型材の垂直片に溶接してあ
り、図3の(ロ)並びに図3の(ハ)に示すものにおい
ては、ロック用固定側ピ−ス6’を受枠5’の断面L形
型材の水平片に溶接してある。
【0005】図3の(イ)乃至(ハ)において、1’は
蓋片端裏面に固着した受木であり、蓋片をこの受木1’
において、受枠5’の水平片上面に支承させ、蓋片の上
面を施設躯体の上面にほぼ面一としている。2’は蓋片
Aの裏面に固着した補強材である。
【0006】上記において、図3の(イ)に示す覆蓋の
ロック構造においては、受木1’並びに補強材2’を切
欠いてロック用スペ−スを確保し、図3の(ロ)並びに
図3の(ハ)に示す覆蓋のロック構造においては、補強
材2’を切欠いてロック用スペ−スを確保している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のロック構造にお
いて、ロック用固定側ピ−ス6’の取付けには、受枠
5’にロック用固定側ピ−ス6’を溶接しておき、この
ロック用ピ−ス付受枠を施設躯体用鉄筋にアンカ−止め
し、次いで、コンクリ−トを打設する、所謂前付け方式
か、コンクリ−ト打設後、定着受枠5’にロック用固定
側ピ−ス6’を溶接する、所謂後付け方式の何れかが使
用されている。
【0008】しかしながら、先付け方式では、ロック位
置の位置合わせのための覆蓋の仮配置が不可であり、位
置ずれが生じ易く、ロックに支障をきたすことがある。
かかる不具合を排除するために、ロック用固定側ピ−ス
を長くすることが考えられるが、この場合は、ロック用
固定側ピ−スを受容するための受木、補強材の切欠部を
長くする必要があり、蓋片の支承状態の不安定化、蓋片
の機械的強度の低下が避けられない。
【0009】また、ロック用固定側ピ−スを先付けする
と、そのピ−スが躯体形成用型枠の組立ての邪魔にな
り、型枠にロック用固定側ピ−スを逃すためのやっかい
な細工を施す必要がある。
【0010】他方、コンクリ−ト打設後、定着受枠にロ
ック用固定側ピ−スを後付けする方式では、不安定な足
場での溶接作業が余儀なくされ、ピ−スを受枠に充分な
強度で溶接し難い、また、覆蓋の仮配置によりロック用
固定側ピ−スの取付け位置の位置決めを行い得るにして
も、その覆蓋の仮配置がかなりやっかいである、等の不
具合がある。
【0011】本発明の目的は、コンクリ−ト施設におけ
る蓋覆される開口部を、断面L形型材からなる受枠を施
設躯体のコンクリ−ト打設時に定着することにより形成
し、しかも、断面L形型材の水平片上面を蓋受承面とな
し、該開口部に蓋を載置し、該蓋に取り付けたロック用
鍵を受枠にロックする覆蓋のロック構造において、受枠
へのロック用固定側ピ−スの取付けを排除して施工作業
の簡易化を図り得、確実なロック,覆蓋の支承の安定性
並びに覆蓋の機械的強度を充分に保障できる覆蓋のロッ
ク構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の覆蓋のロック構
造は、コンクリ−ト駆体における蓋覆される開口部を、
断面L形型材からなる受枠を施設躯体のコンクリ−ト打
設時に定着することにより形成し、しかも、断面L形型
材の水平片上面を蓋受承面となし、該開口部に蓋を載置
し、該蓋に取り付けたロック用鍵を受枠にロックするロ
ックのロック構造において、上記受枠の断面L形型材の
水平片先端縁部直下の上記コンクリート駆体に上記鍵の
ロック用溝を設けたことを特徴とする構成である。
【0013】
【作用】受枠における断面L形型材の水平片先端縁部
面に発泡プラスチック製シ−ト等のスペ−サを貼着して
コンクリ−トを打設し、コンクリ−トの硬化後にスペ−
サを除去することにより容易に受枠の断面L形型材の水
平片先端縁部直下のコンクート駆体にロック用溝を形成
できる。そして、このロック用溝を長くすることによ
り、受枠のどの位置においてもロックが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例を説明す
る。図1の(イ)は本発明の実施例を示す平面図、図1
の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図である。
【0015】図1の(イ)並びに(ロ)において、A及
びBは異なるタイプの蓋片であり、交互に配設され、前
述したとおり、蓋片Aの巾端部が蓋片Bの巾端部上に載
置されている。1は蓋片Aの長さ方向両端の裏面に固着
した受木、2は蓋片Aの裏面に固着した補強材である。
3は蓋片Aの長さ方向両端に取付けたロック用鍵であ
り、軸部31にロック用可動ピ−ス32を取着し、軸部
31を蓋片Aの孔aに軸支してある。33は軸部31の
上端に設けたスライダ−ヘッダ−、34は軸部31に抱
着したスライダ−止めリングである。
【0016】21はロック用可動ピ−ス32の移動スペ
−スを確保するために上記の補強材2に設けた切欠部で
ある。4は処理池等の上下水道用施設のコンクリ−ト駆
体、5はコンクリ−ト駆体4の開口部に固着した金属製
の断面L形型材からなる受枠(例えば、鋼製)であり、
断面L形型材の水平片51の上面を覆蓋に対する受承面
としている。6は受枠5における断面L形型材の水平片
51先端縁部直下のコンクリート駆体4に設けたロック
用溝であり、上記ロック用鍵3の回転操作でロック用可
動ピ−ス32が当該ロック用溝6に潜入されてロックが
行われる。
【0017】この場合、蓋片Aの長さ方向両側における
受枠辺の全長にわたりロック用溝6を設けておくことに
より、この受枠辺のどの位置においてもロックが可能と
なる。従って、ロックのためのやっかいな位置合わせが
不要となる。
【0018】また、受枠5における断面L形型材の水平
片51先端縁部直下のコンクリート駆体4に設けたロッ
ク用溝6にロック用鍵をロックしているから、受木1に
切欠部を設ける必要がなく、覆蓋の受枠への安定な支承
状態を保障できる。
【0019】上記において、補強材2には、ロック用鍵
3のロック用可動ピ−ス32の回転を可能とするスペ−
スを確保するための切欠部21を設ける必要があるが、
ロック用可動ピ−ス32の回転円弧巾の狭い巾で、かつ
補強材2の下端部20のみの比較的浅い切欠で済むか
ら、補強材2の補強効果を充分に発揮させ得、蓋片の機
械的強度をよく保障できる。
【0020】上記において、ロック用溝6の形成には、
受枠5の断面L形型材の水平片51先端縁部裏面に易崩
壊性または可塑性のスペ−サ(例えば、スチロ−ル発泡
体、硬質ウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体等)を接
着剤(例えば、アルコ−ル系、エマルジョン系)により
貼着し、常法に従い、受枠5を施設躯体用鉄筋にアンカ
−止めし〔図1の(ロ)において、71はアンカ−を、
72は鉄筋をそれぞれ示している)、型枠を組立て、モ
ルタルを注入し、硬化後、型枠を撤去し、而るのち、ス
ペ−サをナイフ等で除去するか、ガスバ−ナ加熱で溶融
除去する方法を使用できる。
【0021】この場合、受枠にロック用固定側ピ−スを
先付けしている従来例とは異なり、型枠の邪魔になる突
出物がないので、型枠の組立てが容易である。また、受
枠にロック用固定側ピ−スを後付けしている従来例とは
異なり、不安定な足場での溶接作業を必要としないの
で、作業が容易である。
【0022】
【発明の効果】本発明の覆蓋のロック構造は、上述した
通りの構成であり、蓋片の長さ方向両端側の受枠部分の
何れの位置でもロックが可能であり、ロックのためのや
っかいな位置決めを排除できる、或いは、位置ずれによ
るロック不良を回避できる。
【0023】また、受枠の鉄筋へのアンカ−止め,型枠
の組立て,コンクリ−トの打設等の施工に対し、受枠の
水平片先端縁部裏面へのスペ−サの貼着とコンクリ−ト
打設後でのスペ−サの除去の作業を追加するだけで、躯
体側を施工でき、不安定な足場での溶接作業、型枠の細
工、覆蓋の仮配設等が不要となり、その施工を簡易化で
きる。
【0024】更に、従来例において、ロック位置の位置
合わせの容易化またはロック不良の回避のためにロック
用固定側ピ−スを長尺にする場合に較べ、ロックスペ−
ス確保のための蓋片裏面の補強材の切欠寸法を充分に小
さくでき、蓋片の機械的強度をよく保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)は本発明によってロックした覆蓋
を示す平面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ
−ロ断面図である。
【図2】図2の(イ)はコンクリ−ト施設の開口部の覆
蓋を示す平面図、図2の(ロ)は図2の(イ)における
ロ−ロ断面図である。
【図3】互いに異なる従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
A,B 蓋片 3 ロック用鍵 4 コンクリ−ト 5 受枠 51 水平片 6 ロック用溝

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリ−ト駆体における蓋覆される開
    口部を、断面L形型材からなる受枠を施設躯体のコンク
    リ−ト打設時に定着することにより形成し、しかも、断
    面L形型材の水平片上面を蓋受承面となし、該開口部に
    蓋を載置し、該蓋に取り付けたロック用鍵を受枠にロッ
    クする覆蓋のロック構造において、上記受枠の断面L形
    型材の水平片先端縁部直下の上記コンクリート駆体に上
    記鍵に対するロック用溝を設けたことを特徴とする覆蓋
    のロック構造。
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