JP3176004U - 粉粒体ディスペンサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粉粒体コンテナの収納部12の流出部14の下面には開閉弁20が設けられている。また、軸体32には開閉弁20と連動する押し出し体21が取り付けられており流出部14の上面を開閉する。押し出し体21は下降すれば押し出し体ストッパー22に当接する。開閉機構により軸体32の上下動を制御して、流出部14の開閉を制御する。押し出し体21は下降時に粉粒体を押圧でき、押し出し体ストッパー22に当接して粉粒体の流入を閉鎖した後、さらに傘形状が潰れることにより流出部14内の粉粒体を押し出して確実に落下させる。押し出し体21と流出部14内の体積分が一種の“升目”となり、1ストロークで所定量の粉粒体を計り取る。
【選択図】 図5
Description
スクリュー押し出し方式はその構造は比較的簡単なものの、特許文献1の特開2003−157471号公報の水平方向にオーガが設けられている構造であっても、特許文献2の特開2004−251683号公報の垂直方向にオーガが設けられている構造であっても、正確な計量が難しいという問題がある。スクリューの回転角に応じて概ね分配される粉粒体の量は制御できるが、粒子径の細かい粉粒体であれば、オーガから塊状でバラバラと落ちてくるものとなり、計り取る粉粒体の分量の誤差が大きいものとなってしまう。
また、第1のスクリュー押し出し方式の場合、オーガのスクリューにより切れ目なく流出孔に向けて押し出されてゆくので、粉粒体が流出孔付近に剥き出しで露出しており、湿気等の影響、虫やゴミの付着などの不具合が発生するおそれがある。高価なオーガであれば、別途、流出孔を覆う開閉機構付きの蓋が必要となってしまう。例えば、特許文献2の特開2004−251683号公報は、粉粒体の取り出し方式はオーガによるスクリュー押し出し方式であるが、別途、流出孔にシャッターを備えている。これは、粉粒体が流出孔付近に剥き出しで露出しないようにして湿気等の影響を防止する工夫を施している。そのため、装置が複雑となり、コスト増加を招いていた。
第2の計量カップ方式には、計量という点からはかなり正確に計量できるというメリットがあるが、粉粒体の計量プロセスが複雑で計量時間が長くなり、結局、粉粒体を取り出す処理速度が遅いという問題が生じてしまう。特許文献3の特開2004−239806号公報の技術では、ベース10とピン20により形成される凹状の計量ポット14内に粉粒体を埋める第1の手順と、スクレイパー34により計量ポット14の上面を削って計量ポット14内に正確な量の粉粒体を計り取る第2の手順と、計量ポット14に残っている粉粒体を取り出すという第3の手順が必要となり、粉粒体の計量プロセスが複雑となり計量時間が長くなる。その結果、粉粒体を取り出す処理速度が遅くなる。
第3のシャッター方式では、ある程度の計量の正確さ、処理速度の速さの点からバランスのとれた有利な方式であると言える。また、粉粒体が流出孔付近に剥き出しで露出することもなく、湿気等の影響、虫やゴミの付着などの不具合が発生しにくい。しかし、シャッターを開閉駆動する駆動装置が必要であり、装置が大型化してしまうという問題が生じる。
新型の粉粒体ディスペンサーは、粉末状または顆粒状の粉粒体を貯蔵し、所定量の粉粒体を流出させて外部に排出することができる粉粒体ディスペンサーである。
その改良点は、計り取る粉粒体の嵩密度が大きく摩擦が生じやすいものである場合における更なる計量精度の向上である。
上記構成により、開閉弁の開状態への移行に応じて押し出し体が下方に移動することによって押し出し体と開閉弁の間にある粉粒体が下方に押圧され、押し出し体と開閉弁の間にある流出させるべき粉粒体を流出部に向けて確実に押し出すことができる。また、押し出し体の上方にある粉粒体は押し出し体により移動がブロックされ、流出部に向かう流れが遮蔽される。つまり、押し出し体を境にして下方にある粉粒体のみが確実に流出部から流出することにより、開閉弁の一度の開閉により所定量の粉粒体を流出させることができる。
上記構成により、粉粒体を効率よく捉えて下方に押下し、押圧する力を流出部まで伝えることができる。また、押し出し体で押圧して押し出すべき粉粒体の範囲が、本来自重で流出部から流出する粉粒体の範囲とすることができ、効率的に粉粒体の流出量の精度を向上させることができる。
上記構成により、傘の縁により粉粒体の流出部内への流入を遮断した後、引き続き傘の形が撓ることによって流出部の内部に残った粉粒体を押し出すことができ、押し出し体の下方にある粉粒体を確実に流出させることができる。
上記構成により、流出孔の開閉のために駆動体が動作して駆動体に接続されている押し出し体が振動するが、当該振動を利用して粉粒体コンテナ内での粉粒体の状態を整える効果が得られる。本来、粉粒体は流出孔に近い下方から粉粒体コンテナ外に流出してゆき、下の粉粒体が流出して上の粉粒体が次々に下方に移動してゆくはずであるが、粉粒体同士の摩擦などにより、下の粉粒体が流出しても上の粉粒体が下に移動せずに小さな空間が生じてしまうこともある。小さな空間が生じてしまうと開閉弁の開閉時間のみで制御を試みると、小さな空間が崩れてゆく時間なども影響し、想定していた分量の粉粒体が流出しないおそれがある。そこで、押し出し体の上下動のたびに押し出し体を振動させ、粉粒体に振動を与え、粉粒体コンテナ内での粉粒体の状態を整え、小さな空間などが生じることを防止する。
前記押し出し体から前記流出部の間において前記粉粒体に埋没するように吐出量調整部を備えることにより、吐出量調整部の体積増減に反比例して前記押し出し体が押圧する前記粉粒体量を増減させることができる。
つまり、吐出量調整部の体積を増加させると、押し出し体と開閉弁との間における粉粒体の量がその分少なくなり、流出部からの粉粒体吐出量が減少する。一方、吐出量調整部の体積を減少させると、押し出し体と開閉弁との間における粉粒体の量がその分多くなり、流出部からの粉粒体吐出量が増加する。このように、吐出量調整部の体積の増減調整により、流出部からの粉粒体吐出量を調整することができる。
上記構成により、粉粒体コンテナ内の粉粒体が湿気てしまう不具合を防止することができる。
また、押し出し体の素材が可撓性ある弾性体でできており、その形状が傘形状であり、その開閉機構への取り付け姿勢が、前記傘の縁を下方にした姿勢にて取り付けられているものとすることにより、粉粒体を効率よく捉えて下方に押下し、押圧する力を流出部まで伝えることができる。
また、傘の縁により粉粒体の流出部内への流入を遮断した後、引き続き傘の形が撓ることによって流出部の内部に残った粉粒体を押し出すことができ、所定量の粉粒体を確実に取り出すことができる。
図1は、本考案の実施例1にかかる粉粒体ディスペンサー100の一構成例の内部が分かりやすいように断面で示した正面図であり、図2は側面図である。
図1および図2に示すように、粉粒体ディスペンサー100は、粉粒体コンテナ10、開閉弁20、押し出し体21、押し出し体ストッパー22、開閉機構30、支持台50、ファンネル60、その他部材などを備えている。図2の側面図に示す支持台50は模式的に示しており、実際の粉粒体コンテナ10に対するアタッチメント機構などは図示を省略している。
なお、以下の実施例に出てくる図中では、内部構造が分かりやすいように収納部内壁12と収納部外壁13は断面で描いており、ハッチングが施された収納部内壁12と収納部外壁13との間には後述するように空気層が設けられており、いわゆる二重壁構造になっている。また、ファンネル60も流出孔付近が見えるように断面図で示している。
収納部内壁12と収納部外壁13との間には空気層が設けられ、いわゆる二重壁構造となっている。このように二重壁構造となっていると粉粒体コンテナと外気との断熱効果や防湿効果が高まり、結露が生じにくくなり、粉粒体が湿気を帯びることが効果的に防止できる。
流出部14は、粉粒体コンテナ10の下部に設けられている粉粒体の流出部分であり、この構成例では筒状体となっている。
開閉弁20の形状が流出部14の流出孔を塞ぐ形状となっており、両者が嵌合し合うものとなっている。開閉弁20の下部の形状が流出部14に対して開閉弁20が栓となり、上下方向に流出部14を開閉する仕組みであるので、粉粒体が流出部14付近に剥き出しで露出することがなく、粉粒体コンテナ10内部の粉粒体が湿気等の影響を受けたり、虫やゴミが付着したりするなどの不具合が起こらない。
この例においては、押し出し体21の素材は、ゴムやシリコーンなどの可撓性ある弾性体でできており、後述するように押し出し体の稼働においてその形状を可逆的に変化し得るものとなっている。
押し出し体21の配置については、開閉機構30の軸体32で開閉弁20の上方に取り付けられるともに、押し出し体21の下方に流出部14の上面開口が位置し、押し出し体の押圧力により下方へ押し出される粉粒体が流出部14を通過しやすい構造となっている。
そこで、押し出し体ストッパー22の径は押し出し体ストッパー21の傘の縁の径に相当するものであることが好ましい。
また、押し出し体ストッパー22には上面から下面にかけて貫通する孔が設けられており、流出部14内に粉粒体が落下できるようになっている。
図3に示すように、押し出し体21と開閉弁20が軸体32に取り付けられ、
流出部14の上面側に押し出し体21、下面側に開閉部20が位置している。流出部14の上面付近には押し出し体ストッパー22がある。
つまり、この構成例では、押し出し体21は下方にある粉粒体を押し出すとともに、押し出し体21の上方にある粉粒体が下方に移動することをブロックする働きをする。
なお、開閉弁20と流出部14との相対距離は、開放時に粉粒体がスムーズに流出していき、閉鎖時に即座に閉鎖できる程度の距離が好ましい。開放状態において3mm〜10mm程度であれば速やかに開閉弁20が開閉できる。ただし、後述するように、粉粒体の粒径、粉粒体の嵩密度、粉粒体間の摩擦力、流出部14の断面積、流出部14と粉粒体の摩擦力、収納コンテナ10の内壁面形状、その他の様々な要素により影響されるので、それら要素を検討して決めれば良い。
なお、上記したように、押し出し体21も流出部14の上面開口に対する開閉蓋としても機能するため、押し出し体21と押し出し体ストッパー22との相対距離も、開放時(軸体32が上昇した時)に粉粒体がスムーズに流入し、閉鎖時(軸体32が下降した時)に即座に閉鎖できる程度の距離が好ましい。開放状態において3mm〜10mm程度であれば速やかに押し出し体21が開閉蓋としても機能する。ただし、後述するように、粉粒体の粒径、粉粒体の嵩密度、粉粒体間の摩擦力、流出部14の断面積、流出部14と粉粒体の摩擦力、収納コンテナ10の内壁面形状、その他の様々な要素により影響されるので、それら要素を検討して決めれば良い。
一方、押し出し体21も下方に移動し、図3(b)から図3(c)の過程において、押し出し体21の傘により粉粒体が流出部14から流出するように上から押圧することができる。なお、図3(c)の状態に至ると上記したように流出部14の上面の蓋となり、収納部12内の粉粒体の流入が防止される。
電気駆動する場合は、例えば、制御機構からの制御信号に従って電気的に上下運動を行うソレノイドなどのアクチュエーターでも良い。粉粒体をある程度正確に計り取るため、駆動体31もある程度高速に動作する必要がある。動作速度は限定されないが、開閉弁20と流出部14との相対距離にもよるが、開閉弁20を流出部14に対して1秒以内に開閉できるものが好ましい。
以上が本考案の粉粒体ディスペンサー100の構成例である。
図5は、粉粒体の取り出し時の動きを示すものであり、図3の動きに粉粒体の動きも重ねて描いた図である。
しかし、本考案の粉粒体ディスペンサー100で吐出できる量は、押下部31の一度の押下により、軸体32と押し出し体21の下降運動と上昇運動が起こり、その上下運動の中で、吐出される粉粒体の量は押し出し体21と開閉弁20の間にある粉粒体量に制御できるため、手で押下する速度に多少のムラがあっても所定量の粉粒体200の取り出しが可能となる。
ここで、図5(c)から図5(d)に示すように押し出し体21の傘形状が一時的につぶれ、さらに傘の下方にある粉粒体に対して押圧力を加えることができ、もし、摩擦力などにより流出部14内に粉粒体が滞留していても確実に下方に落下させることができ、吐出される粉粒体の量が所定量となる。
図6(a)は、図5(d)の状態と同様であるが、上記したように駆動体31により軸体32には上方へ戻ろうとする力がかかっている。軸体32が上方へ移動すると、開閉弁20と押し出し体21がともに上昇する。図6(b)は図5(c)の状態に相当するものであるが、押し出し体21のつぶれていた傘形状が弾性力により膨らむため、収納部12内の粉粒体を跳ね上げる力が加わる。
図6(d)の状態は図5(a)に相当する状態となっている。このように、図5(a)から図5(d)、図6(a)から図6(d)のストロークを繰り返して粉粒体の所定量の取り出しが可能となる。
上記のように、本考案の粉粒体ディスペンサー100で吐出できる量は、押下部31の押下と開放により、軸体32と押し出し体21の下降運動と上昇運動が起こり、その上下運動の中で、吐出される粉粒体の量は押し出し体21と開閉弁20の間にある粉粒体量に制御できる。
図7は、実施例2にかかる粉粒体ディスペンサー100aの一構成例の内部が分かりやすいように断面で示した正面図であり、図8は構成要素のうち、吐出量調整部23およびガイド24の一部の構成を分かりやすく示した図である。
なお、上記構成のうち、粉粒体コンテナ10、開閉弁20、押し出し体21、押し出し体ストッパー22、開閉機構30、支持台50、ファンネル60は実施例1に示したものと同様で良く、ここでの説明は省略する。
吐出量調整部23の取り付け位置は、押し出し体21の下方かつ開閉弁20の上方である。
ガイド24は、吐出量調整部23の体積を調整する部材である。吐出量調整部23とガイド24を組み合わすことによりその体積が変化する。
この構成例では、吐出量調整部23がガイド24を覆うものとなっており、吐出量調整部23先端のツメがガイド24に設けられている溝に嵌合することにより体積が変化する。
図9は、実施例3にかかる粉粒体ディスペンサー100bの一構成例の内部が分かりやすいように断面で示した正面図である。
11 投入口
12 収納部
14 流出孔
20 開閉弁
21 押し出し体
22 押し出し体ストッパー
30 開閉機構
31 押下部
32 軸体
33 筐体
34 振動板
35 付勢バネ
50 支持台
60 ファンネル
100 粉粒体ディスペンサー
200 粉粒体
Claims (9)
- 粉粒体を分配供給する粉粒体ディスペンサーであって、
前記粉粒体の投入部と、投入された前記粉粒体の収納空間となる収納部と、前記収納部から前記粉粒体を流出させる流出部とを備えた粉粒体コンテナと、
前記粉粒体コンテナの前記流出部を閉鎖・開放する開閉弁と、
前記開閉弁を開閉する駆動力を伝導する開閉機構と、
前記開閉弁の上方に設けられ、前記開閉機構による前記開閉弁の動きに連動して上下に移動する押し出し体を備え、
前記押し出し体が前記開閉機構による前記開閉弁の開状態への移行に応じて下方に移動する構成とし、前記押し出し体の下方にある前記粉粒体を下方に押圧するととともに、前記押し出し体の上方にある前記粉粒体の下方への移動を遮蔽することを特徴とする粉粒体ディスペンサー。 - 前記開閉機構が、押下部と、前記押下部から前記開閉弁までつながる軸体を備え、前記開閉弁の開閉が前記軸体の上下動に連動するものであることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体ディスペンサー。
- 前記押し出し体の形状が傘形状であり、素材が可撓性ある弾性体でできており、 前記押し出し体の前記開閉機構への取り付け姿勢が、前記傘の縁を下方にした姿勢にて前記軸体に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の粉粒体ディスペンサー。
- 前記粉粒体コンテナの前記流出部が前記収納部の下部に設けられている筒状体であり、前記開閉弁が前記筒状体である前記流出部の底面側を開閉し、前記押し出し体の下方に前記筒状体である前記流出部の上面開口が位置し、前記押し出し体により下方へ押し出される前記粉粒体が前記流出部に向けて押圧される構造としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粉粒体ディスペンサー。
- 前記押し出し体の下方への移動の過程において、前記押し出し体の前記傘の縁が筒状体である前記流出部の前記上面開口に接し、前記収納部内の前記粉粒体の前記流出部内への流入が遮断された後も、さらに、前記押し出し体の傘が撓んで前記押し出し体が下方へ下がることにより前記粉粒体の押圧が可能である構成としたことを特徴とする請求項4に記載の粉粒体ディスペンサー。
- 前記押し出し体が持つ前記可撓性により、前記開閉機構の前記軸体に連動した振動板としての機能を兼ね、前記駆動体により前記開閉弁を開閉させた際に前記駆動体の動作により前記押し出し体に振動が生じ、前記押し出し体の周辺にある前記粉粒体の状態を整えることができることを特徴とする請求項5に記載の粉粒体ディスペンサー。
- 前記押し出し体の下方かつ前記開閉弁の上方に、その体積が増減調整可能である吐出量調整部を備え、前記押し出し体から前記流出部の間において前記粉粒体に埋没している前記吐出量調整部の体積増減に反比例して前記押し出し体が押圧する前記粉粒体量を増減させる構成とした請求項1乃至6のいずれか1項に記載の粉粒体ディスペンサー。
- 前記粉粒体コンテナの壁面が二重壁構造となっており、前記内壁と前記外壁の間に空気層が設けられ、結露を防止せしめた構造とした請求項1乃至7のいずれか1項に記載の粉粒体ディスペンサー。
- 前記流出孔の下方に、前記流出孔から流出した粉粒体を整流するファンネルを設けた請求項1乃至8のいずれか1項に記載の粉粒体ディスペンサー。
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