JP3175805B2 - シリカゾル含有排水の処理方法 - Google Patents
シリカゾル含有排水の処理方法Info
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Description
いて発生するシリカゾル含有排水の処理方法に関する。
いられる水ガラス系注入材は、一般的には、水ガラスに
反応剤を添加するものが主流であったが、近年において
は、特公昭58−15519号に示されているように、
酸性反応剤の水溶液に対して水ガラスを添加した、いわ
ゆるシリカライザーや、いわゆるクリーンロックも汎用
されている。この種のシリカゾル系薬液は、酸性または
中性を示す。
設定により、ゲルタイムが大きく変化する。たとえばp
H=2に設定した場合、土中で約40分、空気中で約3
0時間でゲル化する。したがって、1ショット工法にお
ける緩結性グラウトとして好適に用いることができる。
また、pHを中性領域で作液すると、ゲルタイムが短く
なり、2ショット工法における瞬結性グラウトとしても
用いることができる。
ウト注入工事においては必然的にブロー排水が生じ、ま
た、残液の処理が問題となる。特に、いま対象とするシ
リカゾル系薬液を用いる場合には、通常は酸性を示すの
で、中和処理が必要となるとともに、約50倍の水で希
釈したとしても、水中でホモゲル化する性質を有し、こ
のまま河川や下水道等に放流すると、シリカ分が水中に
浮遊し、白濁を招く。したがって、通常は、300〜4
00倍の水により希釈して、たとえばシリカ分として1
00ppm 程度に下げて放流することが必要となる。
水による希釈は、経済的でないので、発生する排水は、
いずれゲル化しまた有害性が少ないので、バキューム車
により搬出し、埋め立て現場や産業廃棄物場に投棄する
のが一般的である。
%程度が水であるので、これをバキューム車により搬出
することは、容量的に経済的でない。
の確保の困難性に鑑み、発生する工事現場で排水を処理
して、シリカ分は除去し、中性の水のみをそのまま下水
道などに放流することにより、全体的にみた場合の処理
コストを低減するとともに、安全性に優れたものとする
ことにある。
の第1の発明は、酸性を示すシリカゾルを含有する排水
に、2価または3価の金属塩を添加するとともに、アル
カリのpH調整剤を添加して、排水中のシリカ分をフロ
ック化し、このフロックを除去することを特徴とするも
のである。
ルを含有する排水に、2価または3価の金属塩を添加す
るとともに、アルカリのpH調整剤を添加した後、さら
に高分子凝集剤を添加し、排水中のシリカ分をフロック
化し、このフロックを除去することを特徴とするシリカ
ゾル含有排水の処理方法。
グネシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸
アルミニウムを、pH調整剤として水酸化ナトリウムを
用いることができる。
8〜11とするのが好ましい。また、シリカゾルが、酸
性反応剤の水溶液に水ガラスを添加したものである排水
を対象とすることができる。
域のシリカゾル、たとえば前述のシリカライザーは、一
般式H2 SiO3 ・XH2 Oで示すヒドロゾルであり、
このヒドロゾルは模式的に図1の(A)に示すように、
シリカゾルが水に分散された状態である。
〜3価の金属塩が添加される。ここで使用する2〜3価
の金属値は、シリカ分(SiO2 )と化学的に結合する
ものと、シリカ分と化学的結合はしないが、水酸基と結
合してフロック(水酸化物)を生成して物理的にフロッ
ク中にシリカ分を取り込むものとに分けられる。化学的
結合するものは塩化カルシウムなどであり、化学結合し
ないものは塩化マグネシウムや硫酸アルミニウムなどを
代表的に例示できる。
とえば塩化カルシウムCaCl2 を添加すると下記反応
式によってフロックを生成する。このフロックの生成状
態を模式的に同図(B)に示す。すなわち、塩化カルシ
ウムの添加により、金属イオンが媒体となり、いくつか
のシリカ分が凝集により結合し、金属イオンの周りにシ
リカ分の結合団が生成し、フロックになるものである。 H2 SiO3 ・XH2 O+CaCl2 →Ca・nSiO2 (フロック)+2HCl+XH2 O…(1) この反応はアルカリ側でなくても生じ、シリカ分と化学
結合してフロックが生成されるものの、アルカリのpH
調整剤を添加することによって、次記の反応式により完
全にフロック化できる。すなわち、アルカリ添加によ
り、同図(C)に示すように、シリカ分のフロック化が
さらに進行し、一部はフロックの巨大化が生じ、結果と
してシリカ分の全量がフロック化される。 H2 SiO3 ・XH2 O+2NaOH →NaO2 ・nSiO2 ・XH2 O+2H2 O…(2) Na2 O・nSiO2 ・XH2 O+CaCl2 →CaO・nSiO2 (フロック)+2NaCl+XH2 O…(3) アルカリ添加によるpHが11を超えるとCaイオンが
溶液中でイオンとして存在できないので、pHは11と
する。2〜3価の金属塩とアルカリとの添加順序にフロ
ック生成効果の相違はない。
ロック(水酸化物)を生成する2〜3価の金属塩におけ
る反応は、たとえば塩化マグネシウムMgCl2 を例示
して説明すると、次のとおりである。
カ分のフロック化は、反応式では表わすことができず、
明確な説明は困難であるが、およそ以下のようにして生
じるものと考えられる。塩化マグネシウムMgCl2 と
アルカリ剤として水酸化ナトリウムNaOHをシリカゾ
ル含有排水に添加すると、下記反応式により水酸化マグ
ネシウムMg(OH)2 (フロック)が生成される。そ
して、この水酸化マグネシウムMg(OH)2 (フロッ
ク)の生成過程中にシリカ分が物理的に取り込まれ、シ
リカ分を含有したフロックを生成する。 MgCl2 +NaOH→Mg(OH)2 (フロック)+2NaCl…(4) このフロックの生成のためには、アルカリ剤の添加が必
要であるが、pHが11を超えると折角生成したフロッ
クが溶解しやすくなるため、pHが11以下とされる。
同様のフロック生成機構を示すものに、硫酸アルミニウ
ムAl2 (SO4 )3 などもある。
価または3価の金属塩であり、これらは当然に併用して
添加することができる。金属塩の添加量としては、シリ
カ分が1%含有する排水を基準として、5〜40kg/
m3、特に30〜40kg/m3が好ましい。添加量は、後
に、フロックを排水から分離したときに、排水中に含有
されるシリカ分残量により決定されるが、現実には排水
基準がないので、一義的には決定されないものの、好ま
しくはシリカ分が排水中に100ppm 以下があることが
望まれ、この程度の排水を得るためには、少なくとも5
kg/m3の添加が好ましいからである。金属塩の添加量を
より多くしても、効果が飽和する。したがって、40kg
/m3を超える添加量は必要ではない。
リウムのほか、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム
など適宜のアルカリでよいことを本発明者らは確認済で
ある。アルカリ剤の添加量は、対象とするシリカゾル含
有排水のpHおよび添加後の目標pHにより決定する。
の場合には、予め水で希釈して、1%程度に調整した後
に、金属塩およびアルカリ剤の添加を行うことができ
る。この理由は、シリカ分1%以上の排水にアルカリ調
整剤を添加すると、排水全体がゲル状になってしまい、
フロックの生成が阻害されるからである。
った後に、高分子凝集剤を添加することは有効である。
この高分子凝集剤としては、アニオン系、カチオン系ま
たは非イオン系の各種のものを単独であるいは併用して
用いることができるが、特に好適にはカチオン系のもの
である。この高分子凝集剤の添加により、先に生成した
フロックを包み込んでコーティングするようになり、フ
ロックの分離または崩壊を防止できる利点がある。高分
子凝集剤の添加量としては、5〜30リットル/m3とす
るのが好ましい。
の分離を行う。この分離のために、単純でかつ容易に行
える手段としては濾過である。濾過装置としては、ドラ
ムフィルターやベルトプレスなどの適宜の装置を用いる
ことができる。たとえば、通気度が1000cc/min /
cm2 の布フィルターを用いると、シリカフロックは通過
せず、かつ目詰まりも生じない。除去したフロック分
は、ダンプトラックにより最終処分場に廃棄できる。こ
の場合、減量化されているので、対象排水をそのまま運
搬する場合に比較して、運送費用はきわめて少なくでき
る。濾液は、そのままあるいは中和処理した後、下水道
または河川に放流することができる。
にする。 <実験例1>シリカ(SiO2 )分を1%以下に希釈し
たpH3のシリカゾル含有排水に対して、表1に示す3
種類の2〜3価の金属塩を5〜40g/lの範囲内にお
いて添加量を変えて添加した後、アルカリ調整剤として
水酸化ナトリウムNaOHの48%溶液を12.5ml
/1の割合で添加しシリカ分をフロック化して、フロッ
ク分を除去した分離水の残留SiO2 濃度の変化を調べ
た。その結果を表1に示す。
価の金属塩(塩化マグネシウムMgCl2 、塩化カルシ
ウムCaCl2 )を30g/1と水酸化ナトリウムNa
OH48%溶液10ml/1を添加した後、さらに高分
子凝集剤を添加量を変えて添加し、実験例1と同様に分
離水SiO2 濃度を測定した結果を表2に示す。高分子
凝集剤はアニオン系の第一工業製薬社製の商品名「ハイ
セット」を使用して行った。結果を表2に示す。高分子
凝集剤を添加することによって、SiO2 の除去率が若
干高まることが判る。
価の金属塩(塩化マグネシウムMgCl2 、塩化カルシ
ウムCaCl2 )を30g/1を添加した後、水酸化ナ
トリウムNaOHの48%溶液5〜20ml/1を添加
量を変えて添加して分離水の残留SiO2 濃度を測定す
ることによって、pH値の違いによる残留SiO2 濃度
の変化を調べた結果を表3に示す。アルカリ調整剤の添
加量(pH値の変化)によりフロック生成率が異なるこ
とが判る。
塩化マグネシウムMgCl2 30g/1と水酸化ナトリ
ウムNaOHの48%溶液10ml/1を添加して分離
水の残留SiO2 濃度を測定した結果を表4に示す。S
iO2 分1%以上の排水ではゲル化してしまい、SiO
2 分が除去できないことが判る。
場等で発生したシリカゾル含有排水を、簡易かつ効率的
に、河川等に排水できる程度にまで処理することが可能
となるなどの利点がもたらされる。
応の概念図である。
Claims (6)
- 【請求項1】酸性を示すシリカゾルを含有する排水に、
2価または3価の金属塩を添加するとともに、アルカリ
のpH調整剤を添加して、排水中のシリカ分をフロック
化し、このフロックを除去することを特徴とするシリカ
ゾル含有排水の処理方法。 - 【請求項2】酸性を示すシリカゾルを含有する排水に、
2価または3価の金属塩を添加するとともに、アルカリ
のpH調整剤を添加した後、さらに高分子凝集剤を添加
し、排水中のシリカ分をフロック化し、このフロックを
除去することを特徴とするシリカゾル含有排水の処理方
法。 - 【請求項3】金属塩として塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、硫酸アルミニウムを用いる請求項1または2記
載のシリカゾル含有排水の処理方法。 - 【請求項4】pH調整剤として水酸化ナトリウムを用い
る請求項1または2記載のシリカゾル含有排水の処理方
法。 - 【請求項5】pH調整剤の添加によりpHを8〜11と
する請求項1または2記載のシリカゾル含有排水の処理
方法。 - 【請求項6】シリカゾルが、酸性反応剤の水溶液に水ガ
ラスを添加したものである請求項1または2記載のシリ
カゾル含有排水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04208494A JP3175805B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | シリカゾル含有排水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04208494A JP3175805B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | シリカゾル含有排水の処理方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07251181A JPH07251181A (ja) | 1995-10-03 |
JP3175805B2 true JP3175805B2 (ja) | 2001-06-11 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04208494A Expired - Lifetime JP3175805B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | シリカゾル含有排水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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US20070181506A1 (en) * | 2004-03-02 | 2007-08-09 | Yoshiaki Koga | Method for treating papermaking waste water, and methods of using silica sol in papermaking |
JP4644164B2 (ja) * | 2005-08-24 | 2011-03-02 | 株式会社トクヤマ | ヒュームドシリカ含有排水の処理方法 |
CN104370391A (zh) * | 2014-11-20 | 2015-02-25 | 济南银丰硅制品有限责任公司 | 一种硅粉水解法生产硅溶胶废水的处理方法 |
-
1994
- 1994-03-14 JP JP04208494A patent/JP3175805B2/ja not_active Expired - Lifetime
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