JP3174424B2 - 結晶化粉末マルチトールの製法 - Google Patents
結晶化粉末マルチトールの製法Info
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Description
ルの製法に関する。
にくく、口内細菌によって発酵し難いことから低カロリ
ー食品、ダイエット食品、低齲蝕性食品、糖尿病患者用
等に用いる甘味料として利用されている。しかしながら
マルチトールは、その乾燥品が著るしく吸湿、潮解し易
く、粉末状になり難いため、その取扱いが不便であっ
た。
結晶化あるいは粉末化のための多くの技術が提案されて
いる。具体的には例えば特公昭63−2439号公報で
はマルチトール濃厚液中に種結晶を入れて無水結晶マル
チトールを晶出させる方法を開示している。この方法は
高純度の結晶マルチトールが得られる点に特徴があるが
収率が低く、作業性が悪い。
61−180795号公報はマルトースを水素添加して
マルチトールとした後クロマトグラフィー分別により、
マルチトールの純度を上げた後、この濃縮液から結晶マ
ルチトールを分離する方法を提案している。この方法も
収率および作業性に問題がある。
トースシロップと結晶からなるマスを下方へ温度を下げ
た傾斜式晶折ゾーンを流し、折出した結晶を採取する方
法を開示している。装置は大型化し採算性が低い。
チトール溶液に高温で種結晶を加え、水分を2〜15重
量%に調節した後これを除々に冷却してマルチトールを
固化し、この固化物を必要により粗砕した後乾燥し、乾
燥後所望の粒径に粉砕して商品化している。この方法で
はマルチトールの70%水溶液を水分4%まで濃縮後粉
末マルチトールを加え、90℃から常温まで約20時間
を要して冷却、固化している。固化に際して剪断力をか
けると云う記載はない。この方法は、固化結晶化工程に
長時間を要し、得られた固形物の切削、粉砕に多大なエ
ネルギーを必要とする。
糖濃縮液をトレーに入れ、結晶を加え、十分混練して、
保温すると結晶化が進行し、可塑性が出るので、これを
細孔より押出して冷却後これを刃物で切断して粒状のマ
ルチトールを得る技術を開示している。この方法も結晶
化に時間を要し、固体マルチトールの切断に多大のエネ
ルギーを必要とする。
粒状結晶マルチトールを簡単な手段で効率よく製造する
技術を提供することを目的とする。
重量%のマルチトール水溶液に、マルチトール種結晶の
融点以下の温度でマルチトール種結晶を加え、油脂およ
び/または界面活性剤の存在下または不存在下に混練し
て混練品に剪断力を加え続けることを特徴とする粉末ま
たは顆粒状結晶マルチトールの製法に関する。
は、含水量が1〜15重量%の液状または水飴状粘稠液
体である。通常の方法で得られるマルチトールは、この
様に含水量が著るしく低くても粉末状で得ることはでき
ない。このような高濃度マルチトール水溶液は濃度の低
いマルチトール水溶液を濃縮・脱水して得られる未冷却
品(通常100℃以上の品温を有する)であっても、ある
いは非晶質状のマルチトール固化物を熱融解した後含水
率を調整したものであってもよい。また、本発明に用い
られるマルチトール水溶液はマルチトールの純度が高い
程好ましく、通常固形分中80重量%以上、好ましくは
85重量%以上のものが用いられる。
量%、より好ましくは3〜10重量%である。結晶化す
べき原料マルチトールが含水していることは必須であっ
て、これは本発明の必須条件である。含水率が0に近い
場合には剪断力をいくら加え続けても粘稠な液状を呈
し、粉末状マルチトールを得ることは不可能である。ま
た含水率が15重量%を越える場合、条件によっては粉
末化が可能となることもあるが、その場合でも粉末化は
かなりの長時間を要することになる。
(固化物の粉砕性およびニーダー等の剪断力を与える機
械の負荷)および粉末化に要する時間を考慮して3〜1
0重量%が好ましい。
に油脂および/または界面活性剤を添加するとよりスム
ーズな粉末化が可能である。この時の油脂および/また
は界面活性剤の添加量は30%以下であり、0.5〜2
0%、特に1.0〜10%が好ましい。更に含水率と油
脂および/または界面活性剤の合計量が3%以上となる
ような条件を設定することによって粉末化はより一層容
易となる。
を添加するとマルチトールと油脂類のエマルジョンが形
成され、比較的低い温度まで溶融マルチトールの流動性
を保持することができる。その結果、種結晶の投入によ
り温度が低下しても系の攪拌が容易であり、局部的な固
化を生せず、種結晶の均一分散が容易に行なわれる。ま
た多量の種結晶の使用が可能となる。
油、動物油、硬化油、鉱物油、ワックス類、(高級脂肪
酸と高級アルコールのエステル)等であるが、植物油、
特にトリグリセリドであり、具体的にはなたね油、大豆
油、綿実油、パーム油、コーン油、米ぬか油、紅花油、
落花生油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油等が例示さ
れる。
ル粉末は一般に医薬、食品分野に用いられることが多い
ため、食品添加剤あるいは医薬品原料、化粧品原料とし
て認められたもの、即ち、モノグリセリド、ジグリセリ
ド等のグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチ
レン脂肪族アルコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エ
ステル、レシチン、高級脂肪酸石けん、サポニン等が例
示される。
面活性剤の使用が可能であり、使用し得る界面活性剤の
例としてはポリオキシアルキレン脂肪族アルコール、ポ
リオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシアルキレン脂肪族アミド、ポリオキシエチレン/ポ
リオキシプロピレンランダムまたはプロック共重合体、
あるいは上記エーテル型非イオン界面活性剤の硫酸エス
テル塩、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、脂
肪酸アルカノールアミド類等が例示される。
添加してもよく、あるいは種結晶添加前にマルチトール
に加えてもよい。あるいは種結晶を油脂類に分散させて
使用してもよい。
マルチトール水溶液中のマルチトール固形分に対し、
0.5重量%以上が好ましく、特に1重量%以上の使用
により顕著な効果が認められる。30重量%以上用いて
も、それ以上の効果は発現しない。結晶マルチトールの
純度の点で効果が発現する範囲で可及的少量用いるのが
好ましいが、粉末マルチトールをすり身用添加剤に用い
るときは、油脂類自体が有用な場合であるので多量の油
脂類を用いてもよい。
マルチトール水溶液はこれを攪拌しつつマルチトール種
結晶を添加する。その際のマルチトール水溶液の温度は
マルチトール種結晶の融点以下、例えば140℃以下、
好ましくは130℃以下であり、この温度は粘度が上昇
して攪拌、混練が不可能になる迄、下げることも可能で
あるが通常20℃以上、より好ましくは50℃以上、特
に50〜120℃である。マルチトール種結晶は無水結
晶マルチトールを高含量有するものであり、通常80重
量%以上の純度が要求されるが、それ以外の成分として
ソルビトール結晶、マルトトリイトール結晶、マルトテ
トライトール結晶等を含んでいてもよい。また添加量は
粉末化に要する時間からみて本発明を達成可能な量であ
れば良いが通常結晶化された粉末状マルチトール全量の
1〜50%である。種結晶マルチトール中の含水量は1
0重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
ル水溶液にマルチトール種結晶を投入し混練した混練品
に剪断力を加え続けるだけで連続的にしかも高収量で粉
末状結晶マルチトールを得られることであって、これは
本発明の特定された条件をもって初めて達成されたもの
である。尚、本発明において剪断力を加えるには攪拌、
混練と同時に解砕機構を有する混合機が用いられる。混
合機としては、具体的にはコニーダー、双腕形ニーダ
ー、リボン形混合機、スクリュー形混合機、パドル形混
合機、マラー形混合機、放射ロッド形混合機、ピンミキ
サ、ボテータ、セルフスクリーニング形混合機、らいか
い機、速練機、万能ミキサ、カッタミキサ、シュギーミ
キサ、パグミル、ミックスマラー、マルチマル、ウェッ
トパンミル、アイリッヒミル、クラッチャー、インター
ナルミキサ等が挙げられる。その中で操作性の面から考
えて、コニーダー、双腕形ニーダーなどのいわゆるニー
ダーと称せられる混合機が好ましく用いられる。混合機
は回分式でも連続式でもどちらも使用できるが、生産性
を考慮した場合には連続式のものが好ましい。
との混練品はこの混合機中で剪断力を加え続けることに
よってペースト状、可塑性塊を経て固化し、更には粉末
化する。この間に要する時間は条件にもよるが通常1〜
120分程度である。勿論、種結晶の添加操作を同一混
合機中で行うことも可能である。粉末化された結晶マル
チトールはそのまま整粒して製品とすることも可能であ
るが、更に押出し造粒機等で望みの顆粒状にしてもよ
い。得られる粉末または顆粒状結晶化マルチトールの含
水率は通常10重量%以下、より好ましくは5重量%以
下であるが、余分な水分を乾燥によって除去することも
できる。
%)を各々所定の含水率まで脱水したもの490gを2l
容双腕型ニーダー(ジャケット温90℃)に入れ、品温約
105℃で種結晶マルチトール210gを添加し混練を
続けて経時的に状態を観察した。結果を表1に示した。
中のマルチトール純度92%)に実施例と同様に異なる
比率で種結晶マルチトールを添加して経時変化を観察し
た。結果を表2に示した。
ル水溶液(固形分中のマルチトール純度92%)にパーム
油反応モノグリ(パーム油由来の反応モノグリセライド
でモノグリ:ジグリ:トリグリ=45:40:15の混合
物)を所定量加えて分散させ、実施例1と同様にして1
0%または30%の種結晶マルチトールを添加して経時
変化を観察した。結果を表3及び表4に示した。
リコール脂肪酸エステル(リケマールPO−100:理研
ビタミン)、ナタネ水添油(ベルコートN:鐘淵化学工業)
に変えた他は同様の実験を行なった。その結果プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ナタネ水添油を使用した
場合の粉末化に要する時間は各々8分,5分であり、操
作性も秀れていた。
中のマルチトール純度92%)2400gを所定のジャケ
ット温度にした6l容双腕型ニーダーに入れ、品温約1
05℃で種結晶マルチトール600gを添加し混練を続
けて経時的に状態変化を観察した。結果を表5に示し
た。
%)を用いた以外は実施例1の処方と同様にして、経時
変化を観察した。粉末化に要する時間は約30分であ
り、操作性は良好であった。
%、含水率8.2%)36.8kgを種結晶マルチトール1
6.9kgとともに2軸連続ニーダー(ジャケット温90
℃)に5.5kg/minの速度で導入したところ滞留時間2
0分で粉末化が完了した。製品の含水率は3.3%であ
ったが良好な流動性及び安定性を示した。
送風式棚板乾燥器で4時間乾燥したところ、製品の含水
率は0.53%であった。また乾燥せずにそのまま押出
し造粒機で造粒したところ、水への分散、溶解性の良好
な顆粒が得られた。
困難であったマルチトールを、簡単かつ短時間に粉末結
晶化することができ、得られた粉末化マルチトールは吸
湿性が低く取扱い易い。
Claims (6)
- 【請求項1】 含水率1〜15重量%のマルチトール水
溶液に、マルチトール種結晶の融点以下の温度でマルチ
トール種結晶を加え、油脂および/または界面活性剤の
存在下または不存在下に混練して混練品に剪断力を加え
続けることを特徴とする粉末または顆粒状結晶マルチト
ールの製法。 - 【請求項2】 粉末または顆粒状結晶マルチトール中の
マルチトールの純度が固形分換算で80重量%以上であ
る請求項1の製法。 - 【請求項3】 マルチトール水溶液の含水率が3〜10
重量%である請求項1記載の製法。 - 【請求項4】 剪断力付与時の温度が50〜120℃で
ある請求項1の製法。 - 【請求項5】 種結晶の添加量が最終的に得られる粉末
状結晶マルチトール含量の1〜50重量%である請求項
1の製法。 - 【請求項6】 油脂または界面活性剤の量がマルチトー
ル水溶液中の固形分全量の30重量%以下である請求項
1の製法。
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JP4-60129 | 1992-03-17 | ||
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JPH067110A JPH067110A (ja) | 1994-01-18 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3174424B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6555618B1 (en) | 1999-11-05 | 2003-04-29 | Dainippon Ink And Chemicals, Inc. | Compatibilizing agent, radical polymerizable resin composition, molding material, and molded article |
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JP6147410B2 (ja) * | 2016-12-22 | 2017-06-14 | 第一工業製薬株式会社 | ショ糖カルボン酸エステルの製造方法 |
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1993
- 1993-03-17 JP JP05685793A patent/JP3174424B2/ja not_active Expired - Lifetime
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