JP3174168B2 - 変数置き換え処理装置 - Google Patents

変数置き換え処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は，変数を含むプログラ
ム，文書，各種定義体などのテキストの変数部分を，指
定された形式に変換した変数値で置き換えて出力する変
数置き換え処理装置に関する。
【０００２】計算機で扱われる各種の電子化されたテキ
ストの一部を可変項目，すなわち変数として定義してお
き，実際の使用時にはその変数部分を，その変数に対し
て指定された内容（以下，変数値という）に置き換える
処理機能が提供されている。例えば，プログラムでディ
スプレイ装置に表示する画面を，画面定義体として定義
する場合，その画面定義体の一部を任意に変えて使用す
ることができるようにするため，その定義体のテキスト
内に変数を記述し，その変数を必要な文字列等に置き換
える処理機能である。
【０００３】このようなシステムでは，変数値の表現形
式を，テキスト内で簡単に指定できるようにすることが
望まれる。
【０００４】
【従来の技術】図８は，従来の変換例を示している。変
数を利用してデータの受け渡しを行っている計算機シス
テムでは，例えば図８に示すような変数の入力８０に対
して，変換部８１は，変数管理部８２が管理している変
数の内容（変数値）で変数を置き換え，その置き換えた
データを出力結果８３として出力することを行ってい
る。
【０００５】入力８０における変数は，先頭に“＆”の
文字を付けた文字列（変数名）で表される。変数名は，
この例ではＡＢＣＤＥである。 ＜Ｌ＞は，変換形式を
指定するものであり，変数名ＡＢＣＤＥの変数の内容
を，英大文字に変換して，それを変数値とすることを指
定する変換情報である。他に例えば＜１＞というような
１文字目だけを英大文字に変換することを指定する変換
情報などがある。
【０００６】変換部８１は，入力８０の＆ＡＢＣＤＥを
もとに，変数管理部８２から変数ＡＢＣＤＥの内容“ｖ
ａｌｕｅ”を取り出し，＜Ｌ＞の変換情報により“ｖａ
ｌｕｅ”を英大文字“ＶＡＬＵＥ”に変換して，それを
出力結果８３とする。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来技術
では，変数の内容を変換して変数値とする場合，変数値
を得るために必要な変数名の他に，変換のための付加情
報として変換情報を指定しなければならなかった。その
ため，変換を必要としない場合に比べて，変数の指定方
法が複雑になるという欠点があった。また，種々の変換
を行う場合に，変換情報の種類をすべて覚えておく必要
があり，例えば変数名と変換情報が組み込まれたテキス
トを見ただけでは，変数値がどのような形式に変換され
るかが判りにくいという問題があった。
【０００８】本発明は上記問題点の解決を図り，変数値
の表現形式を，テキスト内で簡単に指定できるように
し，かつ変数名を見ただけで，変数の内容がどのように
変換されるかを容易に把握できるようにすることを目的
としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】図１は，本発明の原理説
明図である。図１において，１０はＣＰＵおよびメモリ
などからなる処理装置，１１は変換対象テキスト，１２
は変数名を変数値と置き換える変換部，１３は利用者の
端末装置，１４は変数名に対応する変数値を指定する変
数値設定部，１５は変数名，変数値およびその長さなど
の情報を管理する変数管理部，１６は変数名抽出処理
部，１７は変数値獲得処理部，１８は変数名解析処理
部，１９は変数値変換処理部，２０は変数置き換え処理
部，２１は変換結果を出力する変換結果出力部，２２は
変換結果を受け取る変換要求元プログラム，２３はディ
スプレイやプリンタなどの出力装置を表す。
【００１０】変換対象テキスト１１は，例えば画面定義
体やワードプロセッサで作成された文書やソースプログ
ラムなどのテキストであり，変数値に置き換えるべき変
数を含むものである。その変数は，変数の名前（変数名
という）で記述される。変数名と変数値との対応関係
は，端末装置１３からの入力または利用者プログラム等
からの指定により，変数値設定部１４によって変数管理
部１５に設定される。
【００１１】変換対象テキスト１１の変換指示がある
と，変換部１２の変数名抽出処理部１６は，変換対象テ
キスト１１を検索し，変数名を抽出する。変数値獲得処
理部１７は，変数名抽出処理部１６が抽出した変数名に
対応する変数値を，変数管理部１５から得る。
【００１２】また，変数名解析処理部１８は，変数名を
構成する文字の表現形式，例えば変数名を構成する文字
が英大文字であるか英小文字であるか，変数名の文字コ
ードがどのようなコード体系に属するものであるか，ま
たは変数名の書体などを解析する。そして，変数値変換
処理部１９は，解析した変数名を構成する文字の表現形
式に対応するように，変数値獲得処理部１７により求め
た変数値の表現形式を変換する。変数置き換え処理部２
０は，入力した変換対象テキスト１１における変数名
を，変数値変換処理部１９により変換した変数値によっ
て置き換える。
【００１３】変換結果出力部２１は，この結果を指定さ
れた出力装置２３（端末装置１３を含む）または変換要
求元プログラム２２等に出力する。
【００１４】
【作用】本発明では，変換に必要な変換情報を付加情報
として変数名に付加する必要はなく，変数値を得るため
に必要な変数名だけで，変換形式を指定する。すなわ
ち，変数名を構成する文字の表現形式によって，変数値
の変換形式が決められる。例えば，変数名の一部が英大
文字で表されていれば，変数値の対応する部分が英大文
字に変換されて出力される。したがって，変換対象テキ
スト１１における変数名が見た目のとおり変数値に置き
換わり，変換対象テキスト１１から変換結果を容易に想
像することができる。変換対象テキスト１１における変
換形式の指定も容易である。
【００１５】
【実施例】図２は，本発明の実施例による変換例を示す
図である。この例では，変数名の英大文字に対応する変
数の内容（値）を，英大文字に変換し，テキスト中の変
数と置き換える。
【００１６】変数は，“＆”の文字とそれに続く変数名
で表される。図２に示す変換対象テキスト１１の場合，
変数は，“＆Ｗｈｏ”，“＆ＡＮＩＭＡＬ”，“＆ｗｈ
ｏ”，“＆ａｎｉｍａｌ”の４個である。ここで“＆Ｗ
ｈｏ”と“＆ｗｈｏ”，また“＆ＡＮＩＭＡＬ”と“＆
ａｎｉｍａｌ”は，それぞれ同じ変数の内容（値）を指
定する変数であるが，変換形式の指定が異なる。
【００１７】変換部１２は，変換対象テキスト１１を入
力し，変数名を抽出する。変数名は，表現形式を無視す
るとＷＨＯ，ＡＮＩＭＡＬであり，変数管理部１５から
その変数名に対応する変数の内容（値）を取り出す。変
数の内容は，ｈｅとｍｏｎｋｅｙである。
【００１８】変換部１２は，変換対象テキスト１１中に
おける変数名の英大文字／英小文字の表現形式に合わせ
て，これらの変数の内容を次のように変換する。すなわ
ち，“＆Ｗｈｏ”に合わせてｈｅをＨｅに，“＆ＡＮＩ
ＭＡＬ”に合わせてｍｏｎｋｅｙをＭＯＮＫＥＹに変換
する。“＆ｗｈｏ”と“＆ａｎｉｍａｌ”は英小文字で
あるので，それぞれ変数値をｈｅ，ｍｏｎｋｅｙとす
る。変換部１２による変換結果は，図２に示す出力結果
３０のようになる。
【００１９】図３は，図２に示す変換部の実施例処理フ
ローチャートである。 (a) 変換対象テキスト１１の変換要求に対し，変換対象
テキスト１１を検索し，変数名を抽出する。すべての変
数名についての処理が終了したならば，結果を出力して
処理を終了する。
【００２０】(b) 変数名を抽出したならば，その変数名
に対応する変数の内容（値）を変数管理部１５から取り
出す。 (c) 変換長を得る。この例では，変数名の長さと変数管
理部１５に登録されている内容の長さのうち，小さいほ
うを変換長としている。例えば，内容の長さが変数名の
長さより長い場合，その長い分だけ変数の内容の後半部
分を切り捨てるようにする。
【００２１】(d) 変数名の英大文字に対応する変数の内
容を，英大文字に変換する。 (e) 変数名の各文字について，上記処理(d) を変換長だ
け繰り返す。 (f) 変換が終了したならば，変換対象テキスト１１にお
ける入力の変数名を，変数の内容で置き換える。その
後，処理(a) へ戻り，次の変数名について同様に処理を
繰り返す。
【００２２】図４は，本発明の実施例による他の変換例
を示す図である。この例では，変数名で指定された各１
バイトで表される英語コードまたは各２バイトで表され
る日本語コードの文字コードに対応して，変数の内容
（値）を変換し，テキスト中の変数と置き換える。ただ
し，変数名が英語コードと日本語コードの混在で指定さ
れているときは，変数の内容そのものを変数値とする。
【００２３】同じ英文字であっても，例えばＥＢＣＤＩ
Ｃコードのような場合には，各文字が１バイトで表され
（これを英語コードという），また日本語ＪＩＳコード
のような場合には，各文字が２バイトで表される（これ
を日本語コードという）。通常，ディスプレイ等では，
英語コードは半角文字で表示され，日本語コードは全角
文字で表示されて区別される。
【００２４】図４に示す変換対象テキスト１１の場合，
変数は，変数名がすべて英語コードの“＆VARIABLE”,
変数名がすべて日本語コードの“＆ＶＡＲＩＡＢＬ
Ｅ”，変数名が英語コードと日本語コードの混在した
“＆ＶＡRIＡＢＬＥ”の３個である。これらは，同じ変
数の内容（値）を指定する変数であるが，変換形式の指
定が異なる。
【００２５】変換部１２は，変換対象テキスト１１を入
力し，変数名を抽出する。変数名は，表現形式を無視す
るとＶＡＲＩＡＢＬＥであり，変数管理部１５からその
変数の内容（値）を取り出す。変数の内容は，ＶA ＬU
Ｅである。
【００２６】変換部１２は，変換対象テキスト１１中に
おける変数名が英語コードのみであるか，日本語コード
のみであるか，またはこれらの混在かによって，変数の
内容を変換するので，変換部１２による変換結果は，図
４に示す出力結果３０のようになる。
【００２７】図５は，図４に示す変換部の実施例処理フ
ローチャートである。 (a) 変換対象テキスト１１の変換要求に対し，変換対象
テキスト１１を検索し，変数名を抽出する。すべての変
数名についての処理が終了したならば，結果を出力して
処理を終了する。
【００２８】(b) 変数名を抽出したならば，その変数名
に対応する変数の内容（値）を変数管理部１５から取り
出す。 (c) 変数名が英語・日本語コードの混在で表されている
かどうかを判定する。混在している場合には，処理(g)
へ進む。
【００２９】(d) 次に，変数名が英語コードだけで表さ
れているかどうかを判定する。そうでない場合には，処
理(f) へ進む。 (e) 変数名が英語コードの場合には，変数の内容を英語
コードに変換し，処理(g) へ進む。
【００３０】(f) 変数名が日本語コードの場合には，変
数名の内容を日本語コードに変換する。 (g) 変換対象テキスト１１における変数名を，変数の内
容で置き換える。その後，処理(a) へ戻り，次の変数名
について同様に処理を繰り返す。
【００３１】図６は，本発明の実施例による他の変換例
を示す図である。この例では，変数名で指定された書体
になるように変数の内容を変換して，置き換えるべき変
数値とする。
【００３２】図６に示す変換対象テキスト１１の例の場
合，変数は“＆VARIABLE”であり，変数名は，標準書体
で表されたものと，ゴシック体で表されたものと，イタ
リック体で表されたものと，縁取り体で表されたものの
４種がある。
【００３３】変換部１２は，変換対象テキスト１１を入
力し，これらの変数名を抽出する。変数名は，表現形式
を無視するとＶＡＲＩＡＢＬＥであり，変数管理部１５
からその変数の内容（値）を取り出す。変数の内容は，
ＶＡＬＵＥである。
【００３４】変換部１２は，変換対象テキスト１１中に
おける変数名の書体に対応させて，変数の内容を変換す
るので，変換部１２による変換結果は，図６に示す出力
結果３０のようになる。
【００３５】図７は，図６に示す変換部の実施例処理フ
ローチャートである。 (a) 変換対象テキスト１１の変換要求に対し，変換対象
テキスト１１を検索し，変数名を抽出する。すべての変
数名についての処理が終了したならば，結果を出力して
処理を終了する。
【００３６】(b) 変数名を抽出したならば，その変数名
に対応する変数の内容（値）を変数管理部１５から取り
出す。 (c) 変数名の書体を調べ，変数名から変換する書体を決
める。
【００３７】(d) 変数名の書体がゴシック体であれば，
処理(e) へ進む。そうでなければ，処理(f) へ進む。 (e) 変数名の書体がゴシック体の場合，変数の内容をゴ
シック体に変換し，処理(j) へ進む。
【００３８】(f) 変数名の書体がイタリック体であれ
ば，処理(g) へ進み，そうでなければ，処理(h) へ進
む。 (g) 変数名の書体がイタリック体の場合，変数の内容を
イタリック体に変換し，処理(j) へ進む。
【００３９】(h) 変数名の書体が縁取り体であれば，処
理(i) へ進み，そうでなければ，処理(j) へ進む。 (i) 変数名の書体が縁取り体の場合，変数の内容を縁取
り体に変換する。
【００４０】(j) 変換対象テキスト１１における変数名
を，変換した書体の変数の内容で置き換える。その後，
処理(a) へ戻り，次の変数名について同様に処理を繰り
返す。
【００４１】
【発明の効果】以上説明したように，本発明によれば，
次の効果がある。 変数値の形式を，変数名だけで簡単に指定すること
ができる。 例えば画面定義体などを定義する場合，変数値の形
式を決められた枠内で自由に指定できるため，利用者は
ニーズにあった変数値を得ることができる。 変数値の形式を変数名のフォーマットで指定するた
め，利用者は，変数名から視覚的にどのような変数値に
なるかを容易に想像することができ，変換結果を利用し
やすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の原理説明図である。
【図２】本発明の実施例による変換例を示す図である。
【図３】本発明の実施例処理フローチャートである。
【図４】本発明の実施例による他の変換例を示す図であ
る。
【図５】本発明の他の実施例処理フローチャートであ
る。
【図６】本発明の実施例による他の変換例を示す図であ
る。
【図７】本発明の他の実施例処理フローチャートであ
る。
【図８】従来の変換例を示す図である。
【符号の説明】
１０ 処理装置 １１ 変換対象テキスト １２ 変換部 １３ 端末装置 １４ 変数値設定部 １５ 変数管理部 １６ 変数名抽出処理部 １７ 変数値獲得処理部 １８ 変数名解析処理部 １９ 変数値変換処理部 ２０ 変数置き換え処理部 ２１ 変換結果出力部 ２２ 変換要求元プログラム ２３ 出力装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 変数を含むテキストの変数部分を，その
    変数の値に置き換えて出力する変数置き換え処理装置に
    おいて，指定された変換対象のテキスト(11)から変数名
    を抽出する変数名抽出処理部(16)と，抽出した変数名に
    対応する変数の値を求める変数値獲得処理部(17)と，変
    数名を構成する文字の表現形式を解析する変数名解析処
    理部(18)と，解析した変数名を構成する文字の表現形式
    に対応するように，前記変数値獲得処理部により求めた
    変数の値の表現形式を変換する変数値変換処理部(19)
    と，前記変換対象のテキストにおける変数名を，前記変
    数値変換処理部により変換した変数の値により置き換え
    る変数置き換え処理部(20)とを備えたことを特徴とする
    変数置き換え処理装置。
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