JP3173906B2 - 鋳型成型用砂組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents
鋳型成型用砂組成物及び鋳型の製造方法Info
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Description
いた鋳型成型用砂組成物、鋳型の製造方法及び鋳型成型
用硬化剤組成物に関するものである。更に詳しくは、酸
硬化性フラン樹脂を硬化させて鋳型を製造する際、成型
された鋳型中の窒素含量及びリン含量、好ましくは、窒
素含量、リン含量及び硫黄含量が一定の範囲となる様調
整することにより、また、再生砂、硬化剤中の硫黄含量
/(リン含量+硫黄含量)で表される重量比が一定の範
囲となる様調製することにより作業環境が良好でガス欠
陥のない鋳造品が得られる鋳型成型用砂組成物、鋳型の
製造方法及び鋳型成型用硬化剤組成物に関するものであ
る。
フラン樹脂を使用することは例えば特公昭39−1543号公
報等により公知であり、触媒としてリン酸等の酸水溶液
が使用できることも公知である。又、フラン樹脂の硬化
用触媒として五酸化リン(P205)を使用することも特開
昭47−16324 号公報により公知である。当初、フラン樹
脂の硬化用触媒として、このようにリン酸の濃厚溶液が
広く使用された。これらの溶液は比較的低毒性である
が、反応性が低く、鋳型へのリンの蓄積等によりしばし
ばピンホール等の鋳造欠陥を引き起こしたため、フラン
樹脂の硬化用触媒として、ベンゼンスルホン酸、トルエ
ンスルホン酸、キシレンスルホン酸のような芳香族スル
ホン酸が広く使用されるようになった。しかしながら、
芳香族スルホン酸は注湯時の熱により分解して有毒な分
解生成物を作業環境中に放出する。最近このような硫黄
含有ガス及び鋳物作業場を汚染する煙霧に関する苦情が
多発している。
砂型製造においてリン酸系の化合物を含有する触媒を用
いたフラン樹脂の硬化は、硬化速度の点、混練時の流動
性の点、吸湿劣化の点、砂中の窒素、リン又は硫黄の蓄
積に起因する鋳造品のガス欠陥の点等において一長一短
があり、全ての点で満足できるものとは言えない。とり
わけ砂中の窒素、リン又は硫黄の蓄積に起因する鋳造品
のガス欠陥の発生、砂の吸湿性及び作業環境は最も重要
な解決すべき課題であり、その改善が望まれている。
を解決すべく鋭意研究の結果、鋳物砂に酸硬化性フラン
樹脂から成る結合剤と、リン酸、縮合リン酸、リン酸エ
ステル及びリン酸塩の群から選ばれる1種又は2種以上
のリン酸系化合物又はかかるリン酸系化合物及び芳香族
スルホン酸、脂肪族スルホン酸及び硫酸よりなる群から
選ばれる1種又は2種以上のスルホン酸系化合物を含有
する触媒を添加し、フラン樹脂を硬化させて砂型を製造
する際、得られる鋳型中の窒素%、リン%を一定の範囲
内になる様調整することにより、好ましくは窒素、リ
ン、硫黄%を一定の範囲内になる様調整することによ
り、ガス欠陥のない鋳造品が得られるとの知見を得、更
に、再生砂中或いは硬化剤中の硫黄含量とリン含量の和
に対する硫黄含量の比率を一定の範囲となる様調製する
ことにより、砂の吸湿性及び作業環境の改善がなされる
との知見を得て、本発明を完成するに至ったものであ
る。
される再生砂からなるか又は再生砂90重量部以上と新砂
10重量部以下からなる砂と、酸硬化性フラン樹脂からな
る結合剤と、リン酸、縮合リン酸、リン酸エステル及び
リン酸塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のリ
ン酸系化合物を含有する触媒からなり、成型された鋳型
中の窒素含量が0.3重量%以下であり、且つリン含量が
0.8重量%以下であることを特徴とする鋳型成型用砂組
成物に関する。又本発明は、繰り返し鋳型の製造に使用
される再生砂からなるか又は再生砂90重量部以上と新砂
10重量部以下からなる砂に対し、酸硬化性フラン樹脂か
らなる結合剤と、リン酸、縮合リン酸、リン酸エステル
及びリン酸塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上
のリン酸系化合物を含有する触媒とを添加し、該フラン
樹脂を硬化させる鋳物用砂型の製造に於て、成型された
鋳型中の窒素含量が0.3重量%以下、且つリン含量が0.8
重量%以下となる様再生砂を処理することを特徴とする
鋳型の製造方法に関する。更に本発明は、繰り返し鋳型
の製造に使用される再生砂からなるか又は再生砂90重量
部以上と新砂10重量部以下からなる砂に対し、酸硬化性
フラン樹脂からなる結合剤と硬化剤とを添加し、該フラ
ン樹脂を硬化させて鋳物用砂型を製造する際に用いる硬
化剤であって、リン酸、縮合リン酸、リン酸エステル及
びリン酸塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の
リン酸系化合物と、芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン
酸及び硫酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の
スルホン酸系化合物を含有し、かつ硬化剤中の硫黄含量
/(リン含量+硫黄含量)で表される重量比が、0.01以
上、0.7以下であることを特徴とする硬化剤組成物に関
する。
リン酸、縮合リン酸、リン酸エステル、リン酸塩から選
ばれる1種又は2種以上のリン酸系化合物又はかかるリ
ン酸系化合物及び芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン酸
及び硫酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のス
ルホン酸系化合物を含有する触媒により硬化させて鋳物
用砂型を製造する場合、本発明で規定する鋳型成型用組
成物、鋳型の製造方法及び鋳型成型用硬化剤組成物を用
いれば、作業環境が良好でガス欠陥のない十分実用性の
ある鋳造品が得られる。従来、このような再生砂及び新
砂の比率で粘結剤を用いて一定値以下の窒素含量の鋳型
成型用砂組成物、好ましくは一定の範囲内の窒素含量、
リン含量の鋳型成型用砂組成物、更に好ましくは一定の
範囲内の窒素含量、リン含量、硫黄含量の鋳型成型用砂
組成物、また、一定範囲内の硫黄含量/(リン含量+硫
黄含量)で表される重量比の再生砂、硬化剤を使用し
て、造型、鋳込み、再生を繰り返し行う場合、作業環境
が良好でガス欠陥のない鋳造品が得られることは全く知
られていなかった。本発明の実施に当って成型された鋳
型中の窒素含量、リン含量及び硫黄含量を低下させて一
定の範囲内に窒素含量、リン含量及び硫黄含量を調整す
る様再生砂を処理する手段としては、鋳型成型に用いる
再生砂表面の機械的摩耗による再生方法、又は焙焼によ
る再生方法、又は水洗による再生方法等が公知であり、
特に限定されるものではない。
ては、フルフリルアルコール、フルフリルアルコール−
尿素樹脂、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド樹
脂、フルフリルアルコール−フェノール樹脂、フルフリ
ルアルコール−レゾルシノール樹脂、フルフリルアルコ
ール−メラミン樹脂、フルフリルアルコールポリマー等
の一種、又は二種以上が使用される。又、公知技術で知
られている種々の変性剤等と共に使用されても差し支え
ない。
ランカップリング剤を加えても差し支えない。シランカ
ップリング剤としては、例えばγ−( 2−アミノ)アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン等が挙げられる。
リン酸エステル及びリン酸塩の群から選ばれる1種又は
2種以上のリン酸系化合物又はかかるリン酸系化合物及
び芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン酸及び硫酸よりな
る群から選ばれる1種又は2種以上のスルホン酸系化合
物を含有する触媒としては各種のものが例示されるが、
リン酸、縮合リン酸、又はメチルリン酸、エチルリン酸
等のリン酸エステル、リン酸カリウム、リン酸水素カリ
ウム等のリン酸塩の群から選ばれる1種又は2種以上の
化合物の単独又はメチルスルホン酸、エチルスルホン酸
等の脂肪族スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエン
スルホン酸、キシレンスルホン酸等のアルキル若しくは
アリールスルホン酸、フェノールスルホン酸等の芳香族
スルホン酸或いは硫酸との混合物が好ましい。更に、カ
ルボン酸等の有機酸、塩酸、硝酸等の無機酸との混合物
を使用してもなんら差し支えない。また、それらの使用
量は所望の硬化時間に合わせて適宜調整される。
する珪砂の他、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン
砂、アルミナサンド等の新砂若しくは再生砂が使用さ
れ、再生砂としては通常の機械的摩耗式或は焙焼式で得
られるものが使用されるが、摩耗式で再生されたものが
収率も高く、経済的に優れ、一般的であり好ましい。
て鋳型を製造するには、従来の常法に従って、まず砂 1
00部(重量基準、以下同じ)に対し、触媒 0.2〜3部を
混合し、次いでフラン樹脂 0.6〜5部を混合して成型す
るのが一般的であるが、この方法、順序に限定されるも
のではない。混合、成型、硬化温度としても特に加熱、
冷却の必要はなく、雰囲気温度により使用して差し支え
ない。また本発明の硬化触媒を使用するに際し、例えば
硬化を促進するための添加剤等従来公知の添加剤の使用
は一向に差し支えなく、本発明の範囲に含まれるもので
ある。
樹脂の三者が添加混練され、その硬化後の鋳型中の窒素
含量は、再生砂に新たに添加されたフラン樹脂中の窒素
量及び残留したフラン樹脂による再生砂中の窒素量の和
として定められる。一方、鋳型中のリン含量は、再生砂
に新たに添加された触媒中のリン量及び残留した触媒に
よる再生砂中のリン量の和として定められる。更に、鋳
型中の硫黄含量は、再生砂に新たに添加された触媒中の
硫黄量及び残留した触媒による再生砂中の硫黄量の和と
して定められる。
が必要であり、 0.002重量%以上、0.22重量%以下の範
囲が好ましい。窒素含量が 0.3重量%を越えると注入さ
れた鋳鉄溶湯が鋳型の空間を充満していく過程に於て、
溶解するアンモニウム化合物(NH X )が増加し、凝固の
際に窒素ガスとして外部に排出された時の軌跡としてピ
ンホールが発生し易いため好ましくない。また窒素含量
を 0.002重量%未満にするには、フラン樹脂中の尿素樹
脂量の低減、樹脂の添加量の低減が必要であり、実用的
な鋳型強度が得られず、また更に強力な再生或は多量の
新砂補給が必要であり、経済的でないため好ましくな
い。
中のリン含量は0.8重量%以下であり、0.008重量%以
上、0.55重量%以下の範囲が更に好ましい。鋳型中のリ
ン含量が0.8重量%を越えると鋳型溶湯界面反応によ
り、リン化鉄を生成し、鋳物表面にあばた状の欠陥が生
じ、好ましくない。またリン含量を0.008重量%未満に
するには、用いられる硬化用触媒の低減が必要であり、
実用的な硬化速度及び鋳型強度が得られず、また更に強
力な再生或は多量の新砂補給が必要であり、経済的でな
いため、好ましくない。
加えて、スルホン酸系化合物を含有する触媒を用いた場
合の鋳型中の硫黄含量は 0.005重量%以上、 0.7重量%
以下の範囲が更に好ましい。鋳型中の硫黄含量が 0.7重
量%を越えると溶湯により熱分解して生成する多量のSO
X ガスが作業環境を著しく悪化するため好ましくない。
また硫黄含量を 0.005重量%未満にするには、用いられ
る硬化剤の低減が必要であり、実用的な硬化速度及び鋳
型強度が得られず、また更に強力な再生或は多量の新砂
補給が必要であり、経済的でないため、好ましくない。
した場合の再生砂中の硫黄含量/ (リン含量+硫黄含
量) で表される重量比は、0.005 以上、 0.5以下の範囲
が好ましく、0.01以上、 0.4以下の範囲が更に好まし
い。再生砂中の上記重量比が 0.005未満であると再生砂
の吸湿が激しく著しく鋳型の硬化を阻害し、好ましくな
い。また、再生砂中の上記重量比が 0.5を越えると硫黄
系熱分解ガスが多量に生成し作業環境が著しく悪化し、
好ましくない。
量/ (リン含量+硫黄含量) で表される重量比は、0.01
以上、 0.7以下の範囲が好ましく、0.03以上、 0.6以下
の範囲が更に好ましい。硬化剤中の上記重量比が0.01未
満であると再生砂の吸湿が激しく著しく鋳型の硬化を阻
害し、好ましくない。また、硬化剤中の上記重量比が0.
7を越えると作業環境が著しく悪化し、好ましくない。
量は要求される鋳型の強度により決定されるので、鋳型
中の窒素含量を 0.3重量%以下、リン含量を 0.8重量%
以下及び硫黄含量を 0.7重量%以下にするためには、上
記の窒素量、リン量及び硫黄量の分析により再生砂中の
窒素含有量、リン含有量及び硫黄含量を管理し、再生砂
が繰返し使用されて仮に鋳型中の窒素含量、リン含量及
び硫黄含量が限度を越えた場合には、更に繰返し再生
(1台の再生機では2パス以上で、又は数台の再生機を
直列に連結して砂を再生する)或は焙焼再生により再生
砂中の窒素含量、リン含量及び硫黄含量を低減するか、
又窒素含有量の更に低い樹脂及びリン含有量或は硫黄含
有量の更に低い触媒を用いる等により鋳型中の窒素含
量、リン含量及び硫黄含量を低減させれば良い。
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。尚、実施例及び比較例中の%は重量%を示す。自
硬性鋳型造型法において、各鋳型中の窒素含量、リン含
量、硫黄含量及びガス欠陥について評価した。実施例1 後述の再生砂の調整方法で得られた砂中窒素含量が0.12
%、リン含量が0.28%の再生砂 100重量部に対し、85%
濃度のリン酸を0.36重量部加え、次いで樹脂中の窒素含
量が 1.0%であるフラン樹脂を 0.8重量部添加混練して
なる混合砂を用い、鋳型中の窒素含量が0.13%、リン含
量が0.37%なる大同式ドーナツ型試験鋳型を作製し、こ
の鋳型に注湯して得られた鋳造品につき液体浸透探傷法
によりガス欠陥の発生個数を測定した。その結果を表1
に示す。
探傷法」の概要は、下記の通りである。 1)前処理 : 洗浄液により試験品の表面を清浄にす
る。 2)浸透処理: 試験面に浸透液のスプレーを塗布し、十
分に濡らす。 3)洗浄処理: 20分の浸透時間経過後、洗浄液により欠
陥以外の試験面に付着している余剰の浸透液を除去す
る。 4)現像処理: 洗浄処理の終わった試験面に現像液を塗
布し、欠陥中に残留している浸透液を試験面に吸い出
す。 5)観察 : 現像処理によってできた支持模様を目視
によって観察する。
所定のリン含量の触媒、及び所定の窒素含量のフラン樹
脂を添加混練してなる混合砂を用い、鋳型中の窒素含
量、リン含量を表1に示した如くの値に設定し、大同式
ドーナツ型試験鋳型を作製し、この鋳型に注湯して得ら
れた鋳造品につき実施例1と同様に液体浸透探傷法によ
りガス欠陥の発生個数を測定した。その結果を表1に示
す。
26%、リン含量が0.48%の再生砂 100重量部に対し、85
%濃度のリン酸を0.36重量部加え、次いで樹脂中の窒素
含量が 6.0%のフラン樹脂を 0.8重量部添加混練してな
る混合砂を用い、鋳型中の窒素含量が0.31%、リン含量
が0.58%なる大同式ドーナツ型試験鋳型を作製し、この
鋳型に注湯して得られた鋳造品につき液体浸透探傷法に
よりガス欠陥の発生個数を測定した。その結果を表1に
示す。
所定のリン含量の硬化剤、及び所定の窒素含量のフラン
樹脂を添加混練してなる混合砂を用い、鋳型中の窒素含
量、リン含量を表1にに示した如くの値に設定し、大同
式ドーナツ型試験鋳型を作製し、この鋳型に注湯して得
られた鋳造品につき実施例1と同様に液体浸透探傷法に
よりガス欠陥の発生個数を測定した。その結果を表1に
示す。尚、大同式ドーナツ型試験鋳型の形状は図1、図
2及び図3に示す如く、中空円状のドーナツ上に40mmφ
のゲート1と90mmφのライザー2が同心円状に取付けら
れている。
ナツ型試験鋳型を作製し、この鋳型に注湯して得られた
鋳造品について、液体浸透探傷法によりガス欠陥の発生
個数を測定した。その結果を表2に示す。
%、リン含量が0.31%及び硫黄含量が0.30%の再生砂 1
00重量部に対し、トルエンスルホン酸12.5%、ベンゼン
スルホン酸20.0%、P2O5として40.0%を含有する硬化剤
を0.36重量部加え、次いで樹脂中の窒素含量が 1.0%で
あるフラン樹脂を 0.8重量部添加混練してなる混合砂を
用い、鋳型中の窒素含量が0.13%、リン含量が0.37%、
硫黄含量が0.32%なる大同式ドーナツ型試験鋳型を作製
し、この鋳型に注湯して得られた鋳造品につき液体浸透
探傷法によりガス欠陥の発生個数を測定した。その結果
を表3に示す。
の再生砂に所定量のスルホン酸系化合物及びリン酸系化
合物を含有する硬化剤、及び所定の窒素含量のフラン樹
脂を添加混練してなる混合砂を用い、鋳型中の窒素含
量、リン含量及び硫黄含量を表3に示した如くの値に設
定し、大同式ドーナツ型試験鋳型を作製し、この鋳型に
注湯して得られた鋳造品につき実施例1と同様に液体浸
透探傷法によりガス欠陥の発生個数を測定した。その結
果を表3に示す。
32%、リン含量が0.59%、硫黄含量が0.55%の
再生砂 100重量部に対し、メタンスルホン酸 5.0%、ト
ルエンスルホン酸20.0%、P2O5として40.0%を含有する
硬化剤を0.36重量部加え、次いで樹脂中の窒素含量が
6.0%のフラン樹脂を 0.8重量部添加混練してなる混合
砂を用い、鋳型中の窒素含量が0.37%、リン含量が0.65
%、硫黄含量が0.57%なる大同式ドーナツ型試験鋳型を
作製し、この鋳型に注湯して得られた鋳造品につき液体
浸透探傷法によりガス欠陥の発生個数を測定した。その
結果を表3に示す。
の再生砂に所定のスルホン酸系化合物及びリン酸系化合
物を含有する硬化剤、及び所定の窒素含量のフラン樹脂
を添加混練してなる混合砂を用い、鋳型中の窒素含量、
リン含量、硫黄含量を表3にに示した如くの値に設定
し、大同式ドーナツ型試験鋳型を作製し、この鋳型に注
湯して得られた鋳造品につき実施例1と同様に液体浸透
探傷法によりガス欠陥の発生個数を測定した。その結果
を表3に示す。
ナツ型試験鋳型を作製し、この鋳型に注湯して得られた
鋳造品について、液体浸透探傷法によりガス欠陥の発生
個数を測定した。その結果を表4に示す。
%、リン含量が0.09%、硫黄含量が0.09%の再生砂 100
重量部に対し、フェノールスルホン酸10.5%、硫酸 9.4
%、P2O5として22.9%を含有する硬化剤を0.36重量部加
え、次いで樹脂中の窒素含量が 1.0%であるフラン樹脂
を 0.8重量部添加混練してなる混合砂を用い、鋳型中の
窒素含量が0.05%、リン含量が0.13%、硫黄含量が0.11
%なるチェーンホイール試験鋳型を作製し、この鋳型に
注湯して得られた鋳造品につき液体浸透探傷法によりガ
ス欠陥の発生個数を測定した。その結果を表5に示す。
の再生砂に所定のスルホン酸系化合物及びリン酸系化合
物を含有する硬化剤、及び所定の窒素含量のフラン樹脂
を添加混練してなる混合砂を用い、鋳型中の窒素含量、
リン含量を表5に示した如くの値に設定し、チェーンホ
イール試験鋳型を作製し、この鋳型に注湯して得られた
鋳型品につき実施例1と同様に液体浸透探傷法によりガ
ス欠陥の発生個数を測定した。その結果を表5に示す。
21%、リン含量が0.17%、硫黄含量が0.14%の再生砂10
0重量部に対し、硫酸15.0%、キシレンスルホン酸29.7
%、P2O5として22.9%を含有する硬化剤を0.36重量部加
え、次いで樹脂中の窒素含量が6.0%のフラン樹脂を0.8
重量部添加混練してなる混合砂を用い、鋳型中の窒素含
量が0.26%、リン含量が0.21%、硫黄含量が0.18%なる
チェーンホイール試験鋳型を作製し、この鋳型に注湯し
て得られた鋳造品につき液体浸透探傷法によりガス欠陥
の発生個数を測定した。その結果を表6に示す。
の再生砂に所定のスルホン酸系化合物及びリン酸系化合
物を含有する硬化剤、及び所定の窒素含量のフラン樹脂
を添加混練してなる混合砂を用い、鋳型中の窒素含量、
リン含量、硫黄含量を表6に示した如くの値に設定し、
チェーンホイール試験鋳型を作製し、この鋳型に注湯し
て得られた鋳造品につき実施例1と同様に液体浸透探傷
法によりガス欠陥の発生個数を測定した。その結果を表
6に示す。尚、チェーンホイール試験鋳型の形状は図3
に示す。
タンスルホン酸2.7%、硫酸20.0%、P2O5として15.3%
を含有する硬化剤を0.33重量部加え、次いで樹脂中の窒
素含量が2.5%のフラン樹脂を0.65重量部添加混練して
なる混合砂を用い鋳型を作製し、熔湯/鋳型の重量比が
2.5の鋳物を鋳造し回収した砂をクラッシャーにかけ、
日本鋳造(株)製M型ロータリークレーマーを用いて再
生し、次いでその再生砂95重量部と新砂5重量部に対
し、上記樹脂、硬化剤を加え鋳型の作製、鋳造、回収、
再生のサイクルを20回繰り返し、20回目の鋳造時に作業
環境を測定した。その労働安全衛生法の管理区分結果を
表7に示す。また、上記20回目の再生砂を25℃、90%RH
の環境に24時間放置後、再生砂の吸湿量を後述の再生砂
の吸湿量の測定方法に基づき測定した。更に、上記の吸
湿した再生砂を用いて鋳型の圧縮強度を測定した。その
結果を表7に示す。
及び圧縮強度を測定した。その結果を表7に示す。
た鋳型を用い、鋳造し回収した砂をクラッシャーにか
け、日本鋳造(株)製M型ロータリーリクレマーを用い
て再生した。又、各表に示すように、各種再生砂の窒素
含量、リン含量、硫黄含量の値については上記のロータ
リーリクレマーを用いてパス回数を調整して得られたも
のを使用した。
の測定方法 鋳型砂或いは再生砂を 150メッシュ以下に微粉砕したも
のを試料とし、ケルダール窒素分析法にて測定した。鋳型中及び再生砂中のリン含量 (リン%) の測定方法 鋳型砂或いは再生砂を 150メッシュ以下に微粉砕したも
のを試料とし、 ICP(誘導結合プラズマ発光分析装置)
にて測定した。鋳型中及び再生砂中の硫黄含量 (硫黄%) の測定方法 鋳型砂或いは再生砂を 150メッシュ以下に微粉砕したも
のを試料とし、燃焼中和滴定法にて測定した。
ター中で25℃まで冷却し以下の式により再生砂の吸湿量
を測定した。
造方法及び鋳型成型用硬化剤組成物は、以上述べたよう
に窒素を含有するフラン樹脂とリン酸、縮合リン酸、リ
ン酸エステル及びリン酸塩よりなる群から選ばれる1種
又は2種以上のリン酸系化合物及び/又は芳香族スルホ
ン酸、脂肪族スルホン酸等の有機スルホン酸、硫酸等の
群から選ばれる1種又は2種以上のスルホン酸系化合物
を含有する触媒を用い、且つ再生砂に残留する窒素含
量、リン含量、硫黄含量を低減させることにより、鋳型
を造型する際に新たに添加されるフラン樹脂の窒素量及
び触媒のリン量、硫黄量と、使用する再生砂中に残留し
ていた窒素量、リン量及び硫黄量との和によって決定さ
れる鋳型中の窒素含量及びリン含量、好ましくは窒素含
量、リン含量及び硫黄含量を一定の範囲内に調整してな
ることを特徴とするもので、作業環境が良好で、得られ
る鋳造品のガス欠陥の発生が大幅に減少し、健全な鋳物
が製造でき、実用上非常に有益なものとなる。
す平面図である。
す正面図である。
す右側面図である。
図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 繰り返し鋳型の製造に使用される再生砂
からなるか又は再生砂90重量部以上と新砂10重量部以下
からなる砂と、酸硬化性フラン樹脂からなる結合剤と、
リン酸、縮合リン酸、リン酸エステル及びリン酸塩より
なる群から選ばれる1種又は2種以上のリン酸系化合物
を含有する触媒からなり、成型された鋳型中の窒素含量
が0.3重量%以下であり、且つリン含量が0.8重量%以下
であることを特徴とする鋳型成型用砂組成物。 - 【請求項2】 成型された鋳型中の窒素含量が0.002重
量%以上、0.22重量%以下であることを特徴とする請求
項1記載の鋳型成型用砂組成物。 - 【請求項3】 成型された鋳型中のリン含量が0.008重
量%以上、0.55重量%以下であることを特徴とする請求
項1又は2記載の鋳型成型用砂組成物。 - 【請求項4】 触媒が芳香族スルホン酸、脂肪族スルホ
ン酸及び硫酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上
のスルホン酸系化合物を含有し、かつ成型された鋳型中
の硫黄含量が0.005重量%以上、0.7重量%以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の鋳型
成型用砂組成物。 - 【請求項5】 再生砂中の硫黄含量/(リン含量+硫黄
含量)で表される重量比が、0.005以上、0.5以下である
ことを特徴とする請求項4記載の鋳型成型用砂組成物。 - 【請求項6】 再生砂中の硫黄含量/(リン含量+硫黄
含量)で表される重量比が、0.01以上、0.4以下であるこ
とを特徴とする請求項4又は5記載の鋳型成型用砂組成
物。 - 【請求項7】 繰り返し鋳型の製造に使用される再生砂
からなるか又は再生砂90重量部以上と新砂10重量部以下
からなる砂に対し、酸硬化性フラン樹脂からなる結合剤
と、リン酸、縮合リン酸、リン酸エステル及びリン酸塩
よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のリン酸系化
合物を含有する触媒とを添加し、該フラン樹脂を硬化さ
せる鋳物用砂型の製造に於て、成型された鋳型中の窒素
含量が0.3重量%以下、且つリン含量が0.8重量%以下と
なる様再生砂を処理することを特徴とする鋳型の製造方
法。 - 【請求項8】 成型された鋳型中の窒素含量が0.002重
量%以上、0.22重量%以下となる様再生砂を処理するこ
とを特徴とする請求項7記載の鋳型の製造方法。 - 【請求項9】 成型された鋳型中のリン含量が0.008重
量%以上、0.55重量%以下となる様再生砂を処理するこ
とを特徴とする請求項7又は8記載の鋳型の製造方法。 - 【請求項10】 触媒が芳香族スルホン酸、脂肪族スル
ホン酸及び硫酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以
上のスルホン酸系化合物を含有し、かつ成型された鋳型
中の硫黄含量が0.005重量%以上、0.7重量%以下となる
様再生砂を処理することを特徴とする請求項7〜9の何
れか1項に記載の鋳型の製造方法。 - 【請求項11】 再生砂中の硫黄含量/(リン含量+硫
黄含量)で表される重量比が、0.005以上、0.5以下であ
ることを特徴とする請求項10記載の鋳型の製造方法。 - 【請求項12】 再生砂中の硫黄含量/(リン含量+硫
黄含量)で表される重量比が、0.01以上、0.4以下である
ことを特徴とする請求項10又は11記載の鋳型の製造
方法。 - 【請求項13】 繰り返し鋳型の製造に使用される再生
砂からなるか又は再生砂90重量部以上と新砂10重量部以
下からなる砂に対し、酸硬化性フラン樹脂からなる結合
剤と硬化剤とを添加し、該フラン樹脂を硬化させて鋳物
用砂型を製造する際に用いる硬化剤であって、リン酸、
縮合リン酸、リン酸エステル及びリン酸塩よりなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上のリン酸系化合物と、芳香
族スルホン酸、脂肪族スルホン酸及び硫酸よりなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上のスルホン酸系化合物を含
有し、かつ硬化剤中の硫黄含量/(リン含量+硫黄含量)
で表される重量比が、0.01以上、0.7以下であることを
特徴とする硬化剤組成物。 - 【請求項14】 硫黄含量/(リン含量+硫黄含量)で表
される重量比が、0.03以上、0.6以下であることを特徴
とする請求項13記載の硬化剤組成物。
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JP32938591 | 1991-12-13 | ||
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- 1992-12-14 JP JP33313292A patent/JP3173906B2/ja not_active Expired - Lifetime
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