JP3173539U - ベスト - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱している病人に対し、着衣・脱衣をさせやすく、病人が寝たままの状態で保冷材の取り替えが容易に行え、さらに構造がシンプルな衣類を提供する。
【解決手段】ベスト1は、ユーザが頭を出すための孔が設けられた本体部11と、本体部11を脇腹部分で開閉するための右側連結部材12および左側連結部材13と、本体部11の前身頃部分に設けられた切れ目の左右の部分を開閉するための前側連結部材14とを有する。さらに、本体部11の肩部内側に取り付けられた右側連結紐15および左側連結紐16と、それらの連結紐に連結され脇の下に取り付けられる右側収納袋17および左側収納袋18とを備えている。右側収納袋17および左側収納袋18には、保冷材CRおよび保冷材CLをそれぞれ収納することができる。
【選択図】図1

Description

本考案は、例えば熱を冷ましたい病人などに用いられるベストに関する。
子供が風邪を引いて発熱したような場合、その子供の脇の下などに保冷材を当てて熱を下げることが有効な処置方法であるとされている。
しかし、寝ている間も寝返りなどの動きが伴うため、保冷材を身体の適切な位置に当て続けることは容易ではない。
そこで、特許文献1に開示される技術は、所定のホルダーと面ファスナーを利用することにより、ピンポイントで保冷材をユーザの身体に固定できる手段を提供している。
特開2006−110305号公報
上記の特許文献1をはじめ、発熱している病人の脇の下などに保冷材を配置するための器具や衣服は複数、提案され、それらの一部は製造・販売されている。ただし、発熱している病人に対し、看病する者が容易に着衣・脱衣をさせやすく、病人が寝たままの状態で保冷材の取り替えが容易に行え、さらに構造がシンプルで安価である、という条件を全て満たすものは市場において未だ提供されていない。
そこで、本考案は、上記の条件を満たす衣服を提供することを目的とする。
本考案は、上記の目的に鑑みて想到されたものであり、
前記ユーザに着衣された状態において、前記ユーザの背側を覆う後身頃部分と、前記後身頃部分と前記ユーザの肩上で連続し前記ユーザの腹側を覆う前身頃部分とを構成する1枚の布地である本体部
を備え、
前記本体部には、前記ユーザに着衣される際に前記ユーザの頭部を出すための孔が前記後身頃部分と前記前身頃部分の間に設けられ、
前記本体部には、前記孔の縁端上の前側の一点から前記前身頃の下縁端上の一点に至る切れ目が設けられ、
前記後身頃部分の右縁端と、前記前身頃部分の右縁端とを、前記ユーザに着衣された状態において、前記ユーザの右脇腹において互いに開閉可能に連結する右側連結部材と、
前記後身頃部分の左縁端と、前記前身頃部分の左縁端とを、前記ユーザに着衣された状態において、前記ユーザの左脇腹において互いに開閉可能に連結する左側連結部材と、
前記前身頃の前記切れ目の右側部分と左側部分を、前記ユーザに着衣された状態において、前記ユーザの前側において互いに開閉可能に連結する前側連結部材と、
被収納物を収納可能な袋であり、前記ユーザに着衣された状態において、前記本体部の前記ユーザの右肩にあたる部分から下方に垂れ下がるように前記本体部に連結される右側収納袋と、
前記右側収納袋と前記本体部とを互いに着脱可能に連結する右側連結紐と、
被収納物を収納可能な袋であり、前記ユーザに着衣された状態において、前記本体部の前記ユーザの左肩にあたる部分から下方に垂れ下がるように前記本体部に連結される左側収納袋と、
前記左側収納袋と前記本体部とを互いに着脱可能に連結する左側連結紐と
を備えるベストを提供する(第1の実施態様)。
また、上記の第1の実施態様において、
前記布地は、タオル地である
構成を採用してもよい(第2の実施態様)。
また、上記の第1または2の実施態様において、
前記右側連結紐における前記本体部との連結位置、前記右側連結紐における前記右側収納袋との連結位置、および前記右側連結紐の長さの少なくとも一つを変更可能な構造を備え、
前記左側連結紐における前記本体部との連結位置、前記左側連結紐における前記左側収納袋との連結位置、および前記左側連結紐の長さの少なくとも一つを変更可能な構造を備える
構成を採用してもよい(第3の実施態様)。
また、上記の第1乃至3のいずれかの実施態様において、
前記孔の縁端に取り付けられ、前記ユーザに着衣された状態において前記ユーザの首回りに位置する襟部を備え、
前記襟部には、被収納物を収納可能な収納袋が設けられている
構成を採用してもよい(第4の実施態様)。
また、上記の第1乃至3のいずれかの実施態様において、
前記孔の縁端に取り付けられ、前記ユーザに着衣された状態において前記ユーザの首回りに位置する襟部を備え、
前記襟部の縁端と、前記ユーザに着衣された状態において、前記本体部の前記襟部の縁端に対向する位置とを開閉可能に連結する襟部連結部材と
を備え、
前記襟部と前記本体部との間の空間に被収納物を収納可能な
構成を採用してもよい(第5の実施態様)。
本考案の第1の実施態様にかかるベストによれば、肩から脇の下へと垂れ下がる左右の収納袋に保冷材を収納することで、病人の脇の下に確実に保冷材を当て続けることができ、病人の発熱を効果的に冷ますことができる。また、ベストの脇腹部分が開閉可能であるため、脇の下に配置される収納袋に対する保冷材の出し入れも容易であり、保冷材の交換時に病人を起こす必要もない。また、本体部の基本構造が、概ね長方形状の1枚の生地に孔を開け前身頃部分を上下方向に貫くように切れ目を入れた、というシンプルな構造であるため、比較的低額で製造可能である。
また、本考案の第2の実施態様にかかるベストによれば、ベストを構成する布地がタオル地なので、病人が多量に発汗してもその汗をしっかりと吸収することができ、病人にとって寝汗による不快感が軽減される。
また、本考案の第3の実施態様にかかるベストによれば、着衣する病人の腕の太さ等に応じて、本体部と収納袋とを連結する連結紐の長さを調整することができる。その結果、着衣する病人の体格が様々であっても、収納袋に収納される保冷材の位置を、それらの病人の各々に応じた適当な位置に合わせることができる。
また、本考案の第4の実施態様にかかるベストによれば、襟部に収納袋が設けられているので、その収納袋に例えば保冷材を収納することで、首回りを冷却することもできる。
また、本考案の第5の実施態様にかかるベストによれば、襟部と本体部との間の空間に被収納物を収納可能なので、その空間に例えば保冷材を収納することで、本考案の第4の実施態様と同様に、首周りを冷却することもできる。
図1は、本考案の一具体例である実施例にかかるベスト(広げた状態)の平面図である。 図2は、本考案の一具体例である実施例にかかるベスト(着衣された状態)の正面図である。 図3は、本考案の一具体例である実施例にかかるベスト(着衣された状態)の背面図である。 図4は、本考案の一具体例である実施例にかかるベスト(着衣された状態)の右側面図である。 図5は、本考案の一具体例である実施例にかかるベスト(着衣された状態)の左側面図である。
(実施例)
以下、本考案の一実施例にかかるベスト1を、図面を用いて説明する。
図1は、平面上に広げた状態のベスト1を上から見た平面図である。また、図2〜図5はそれぞれ、ユーザに着衣された状態のベスト1の正面図、背面図、右側面図、および左側面図である。なお、本願においてベスト1の左右をいう場合、ベスト1を着衣しているユーザから見た左右をいうものとする。
ベスト1は、本体部11と、右側連結部材12と、左側連結部材13と、前側連結部材14と、右側連結紐15と、左側連結紐16と、右側収納袋17と、左側収納袋18とを備えている。
本体部11は、図1に示されるように、平面上に広げた状態で概ね長方形状をなす1枚のタオル地の生地に、ユーザが頭を出すための孔Hと、ユーザの腹側において着衣・脱衣の際に開閉するための切れ目Sとを設けた構造を備えている。
孔Hは、本体部11の長手方向(図1における上下方向)の概ね中央位置、かつ左右方向(図1における左右方向)の中央位置に設けられている。本体部11のうち、孔Hから見て後側(図1における上側)が、ユーザに着衣された状態においてユーザの背中を覆う部分、すなわち後身頃部分となり、孔Hから見て前側(図1における下側)が、ユーザに着衣された状態においてユーザの腹中を覆う部分、すなわち前身頃部分となる。
従って、本体部11は、ユーザに着衣された状態において、そのままでは後身頃部分と前身頃部分とがユーザの左右の脇腹部分において分離された状態となっている。その脇腹部分の分離されている後身頃部分と前身頃部分とを開閉可能とするために、右脇腹部分に位置する本体部11の右側縁部に右側連結部材12が、左脇腹部分に位置する本体部11の左側縁部に左側連結部材13が、各々設けられている。
右側連結部材12および左側連結部材13は、各々、本体部11の右側縁端および左側縁端に縫い付けられた3対のスナップボタンである。スナップボタンはオス部材がメス部材に嵌り込むことにより、それらが取り付けられている2枚のシート状物を互いに連結する役割を果たす。この場合、例えば本体部11の前身頃部分にメス部材が、後身頃部分にオス部材が、それぞれベスト1が着衣された状態において互いに寄り添う位置に縫い付けられている。
ユーザもしくはユーザを看病する者(以下、「看護者」という)は、右側連結部材12および左側連結部材13の各対のスナップボタンのメス部材とオス部材とを互いに押し付け合って連結させることにより、それらが縫い付けられた前身頃部分と後身頃部分とを左右の脇腹において連結することができる。また、ユーザもしくは看護者は、互いに連結されたスナップボタンの各対を引き離すように力を加えることにより、メス部材からオス部材を取り外し、前身頃部分と後身頃部分とを左右の脇腹において分離することができる。
上記のように、ベスト1においては本体部11が左右の脇腹において容易に連結・分離可能であるため、ユーザに対するベスト1の着衣・脱衣が容易である。例えば、ベスト1を着衣したユーザからベスト1を脱衣させたい場合、ユーザが仰向けに寝たままの状態で右側連結部材12および左側連結部材13の連結を解いて、前身頃部分をユーザの頭の上側にはねのけた後、ユーザの背中を少し持ち上げて後身頃部分をユーザの背中と布団との間から抜くことで、その脱衣を行うことができる。着衣の場合は脱衣と逆の手順で、同じく容易にそれを行うことができる。
前側連結部材14は、切れ目Sの左右に位置する本体部11の縁端に縫い付けられた4対のスナップボタンである。前側連結部材14に用いられるスナップボタンは、上述した右側連結部材12および左側連結部材13に用いられるスナップボタンと同様の構造を備える。この場合、例えば切れ目Sの左側の縁端にメス部材が、切れ目Sの右側の縁端にオス部材が、それぞれベスト1が着衣された状態において互いに寄り添う位置に縫い付けられている。
ユーザもしくは看護者は、前側連結部材14の各対のスナップボタンのメス部材とオス部材とを互いに押しつけ合って連結したり、それらを引き離すように力を加えそれらの連結を解除したりすることで、本体部11の前身頃部分を左右方向の中央で閉じたり開いたりすることができる。
ユーザもしくは看護者は、ベスト1をユーザに対し着衣・脱衣する際に、前側連結部材14の連結を一部もしくは全て解いて前側を開くことで、孔Hに対するユーザの頭の出し入れを容易にすることができる。また、前側連結部材14の連結を全て解くことで、右側連結部材12および左側連結部材13の連結を維持し左右の脇腹を閉じたままの状態でも、通常のベストを着衣・脱衣する要領でユーザに対しベスト1を着衣・脱衣することもできる。
右側連結紐15および左側連結紐16はそれぞれ、本体部11の右肩および左肩の内側(着衣時にユーザに身体に対向する側)に、前後方向に並ぶほうに、その一方の端部が縫い付けられている2本1組の紐状体であり、本体部11と同様にタオル地で作られている。これらの2本の紐状体の各々の本体部11に縫い付けられていない側の端部付近には、例えば2センチメートルの間隔を開けて、スナップボタンのオス部材が3個、縫い付けられている。これら2本1組の紐状体は、ベスト1が着衣された状態において、それぞれユーザの肩から腕の前側および後側に垂れ下がり、右側収納袋17および左側収納袋18に連結され、それらを吊り下げる役割を果たす。
右側収納袋17および左側収納袋18は各々、保冷材CRおよび保冷材CLを収納可能な小袋であり、本体部11と同様にタオル地で作られている。右側収納袋17および左側収納袋18の各々の外側(ユーザの身体に対向しない側)の面上には、横方向に並ぶようにスナップボタンのメス部材が2個、縫い付けられている。これらのメス部材には、上述した右側連結紐15および左側連結紐16の各々の、2本1組の紐状体の端部付近に取り付けられているスナップボタンのオス部材のいずれかが連結される。その結果、右側収納袋17および左側収納袋18が各々、右側連結紐15および左側連結紐16によりユーザの脇の下部分に吊り下げられることになる。
ユーザもしくは看護者は、本体部11を着衣した後、腕の前後に垂れ下がった右側連結紐15および左側連結紐16に右側収納袋17および左側収納袋18をそれぞれ取り付けることにより、保冷材CRおよび保冷材CLを容易に脇の下に配置することができる。その際、ユーザもしくは看護者は、右側収納袋17および左側収納袋18のオス部材に連結する右側連結紐15および左側連結紐16のメス部材を選択することで、右側連結紐15および左側連結紐16の本体部11から連結位置までの長さを調節することができる。従って、ユーザの腕の太さなどの体格に応じて、丁度よい位置に右側収納袋17および左側収納袋18を配置することができる。
なお、ユーザもしくは看護者が保冷材CRよび保冷材CLを右側収納袋17および左側収納袋18に収納するタイミングは、右側収納袋17および左側収納袋18を右側連結紐15および左側連結紐16に取り付ける前であっても後であってもよい。
以上のような構成を備えるベスト1を使用方法の一例を簡単に説明する。
例えば、子供が風邪を引いて発熱した場合、その子供の親は本体部11の後身頃部分の上に子供の背中が当たるように子供を寝かせる。続いて、親は孔Hに子供の頭が入るように前身頃部分の右側部分、左側部分を子供の腹の上に載せ、前側連結部材14でそれらを閉じる。
続いて親は、右側連結紐15および左側連結紐16の前側の紐状体および後側の紐状体がそれぞれ子供の腕の前側および後側を通るようにそれらの位置を直した後、保冷材CRおよび保冷材CLを収納した右側収納袋17および左側収納袋18を右側連結紐15および左側連結紐16に取り付ける。その結果、右側収納袋17および左側収納袋18が子供の右脇の下および左脇の下にそれぞれ固定される。
続いて、親は右側連結部材12および左側連結部材13で本体部11の右脇腹部分および左脇腹部分をそれぞれ閉じる。これにより、子供に対するベスト1の着衣が完了する。
親は、ベスト1を子供から脱衣させたい場合、ちょうど上述した着衣の手順と逆の手順により、それを行うことができる。
また、親は、ベスト1を脱衣させることなく、保冷材CRおよび保冷材CLを交換することもできる。具体的には、右側連結部材12および左側連結部材13の一部もしくは全てを開き、右側連結紐15および左側連結紐16から右側収納袋17および左側収納袋18を取り外し、保冷材CRおよび保冷材CLを取り替えた後、右側連結紐15および左側連結紐16に右側収納袋17および左側収納袋18を取り付け、右側連結部材12および左側連結部材13を閉じることにより、保冷材CRおよび保冷材CLの交換ができる。
以上のように、ベスト1によれば、ユーザに対する着衣・脱衣が容易で、保冷材を脇の下および首筋に容易に配置可能で、さらに保冷材の交換も容易に行える。また、ベスト1は全体的にタオル地でできているため吸汗性が高く、ユーザにとって着心地がよい。また、ベスト1は全体として、概ね長方形状の1枚のタオル地をカットし、スナップボタンや紐などを取り付けた構造をしており、例えば立体縫製などの高度な縫製技術を要さないため、比較的低コストで製造が可能である。
(変形例)
上述した実施例は、本考案の技術的思想の範囲内で様々に変形が可能である。以下にそれらの変形の例を示す。
まず、上述したベスト1の各構成要素を特定する数値、形状、素材、個数、位置などはあくまでも一例であって、特に問題がなければその他の数値、形状、素材、個数、位置などが用いられてもよい。
例えば、本体部11は、平面上に広げた状態で概ね長方形状をなすものとしたが、本考案はその点に関し限定されるものではない。従って、本体部11は、例えば平面上に広げた状態で台形など、長方形とは異なる形状を有していてもよい。
また、本体部11をはじめ、ベスト1を構成する構成要素の多くはタオル地であるものとしたが、特に問題がなければタオル地以外の布地がそれらに用いられてもよい。ただし、タオル地のように吸汗性が高く、洗濯における耐久性も高い生地がベスト1の主たる素材としては望ましい。
なお、上述した説明においては言及しなかったが、ベスト1の各構成要素の耐久性を高めるため、裁断面においてはそれを保護するようにバイアステープ等の保護部材が取り付けられていることが望ましい。ただし、本考案はその点に関し限定されず、十分な耐久性が確保される場合には、バイアステープ等は取り付けられていなくてもよい。
また、上述したベスト1においては、右側連結部材12、左側連結部材13、前側連結部材14、右側連結紐15と右側収納袋17を連結する部材、左側連結紐16と左側収納袋18を連結する部材として、全てスナップボタンが採用されるものとしたが、それらの連結用の部材としては、開閉可能な部材であれば、スナップボタン以外の既知のいずれの部材が採用されてもよい。そのような部材としては、例えばボタンとボタン穴、線ファスナー、面ファスナー、紐などが考えられる。
また、上述したベスト1において採用されているスナップボタンのオス部材とメス部材の配置は逆であってもよい。
また、上述したベスト1においては、右側連結紐15および左側連結紐16に取り付けられている複数のスナップボタンのオス部材のいずれかが選択され、それに対し、右側収納袋17および左側収納袋18に取り付けられているスナップボタンのメス部材が取り付けられることで、右側連結紐15および左側連結紐16の本体部11と右側収納袋17および左側収納袋18との連結位置との間の長さが調整される構成が採用されるものとしたが、本考案はその点に関し限定されず、他の構成によって本体部11と右側収納袋17および左側収納袋18との距離が調整可能とされてもよい。
例えば、右側連結紐15および左側連結紐16を本体部11側に縫い付けられるのではなく、右側収納袋17および左側収納袋18側に縫い付けられる構成が採用されてもよい。その場合、本体部11の肩部内側に例えばスナップボタンのメス部材が縫い付けられ、そのメス部材に対し右側連結紐15および左側連結紐16に縫い付けられた複数のオス部材のうちの1つが選択的に取り付けられることになる。
また、例えば右側連結紐15および左側連結紐16の各々を、本体部11の肩内側部分に縫い付けられた2本の紐状体と、右側収納袋17および左側収納袋18に縫い付けられた2本の紐状体により構成し、それらの紐状体同士をスナップボタン等で連結する構成が採用されてもよい。その場合、右側連結紐15および左側連結紐16の中間部分において連結に用いられるスナップボタンが選択されることにより、右側連結紐15および左側連結紐16の長さが調整されることになる。
また、上述のベスト1においては、右側連結紐15および左側連結紐16は各々、2本一組の紐状体で構成されるものとしたが、例えば1本の紐状体によりそれらが構成されてもよい。具体的には、本体部11の肩部分に前後に2つ紐を通すための孔を設け、それらの孔に1本の紐状体で構成される右側連結紐15もしくは左側連結紐16を通し、その紐状体の端部を各々、右側収納袋17もしくは左側収納袋18に連結する。そのような構成によっても、右側収納袋17および左側収納袋18をユーザの脇の下の適当な位置に配置することができる。
また、本体部11の肩部分に前後に2つ紐を通すための孔を設け、右側収納袋17もしくは左側収納袋18に取り付けられた2本の紐状体の各々をそれらの孔に通した後、本体部11の肩部上側でそれらの2本の紐状体を互いに結ぶことにより、右側収納袋17もしくは左側収納袋18を脇の下に吊り下げる構成が採用されてもよい。
また、上述したベスト1において、本体部11の孔Hの周りに保冷材を収納するための収納部を設けてもよい。そのような収納部の一例としては、孔Hの縁端部に2枚重ねのC字形状の帯状体を襟として縫い付け、それら2枚の帯状体の外縁部に何組かのスナップボタンを取り付けたものが考えられる。また、孔Hの周りに保冷材を収納するための収納部の他の例としては、孔Hの縁端部にC字形状の帯状体を1枚、襟として縫い付け、その襟とその下に対向する本体部11との間を開閉可能とするように何組かのスナップボタンを取り付けたものが考えられる。
上記のいずれの場合も、ユーザは、例えばC字形状の保冷材を2枚重ねの襟の間、もしくは襟と本体部11との間に挟み込んだ後、スナップボタンを閉じることで、保冷材を襟に収納することができる。なお、襟の素材としては、吸汗性や洗濯時の利便性等を考慮して本体部11などと同じタオル地であることが望ましいが、他の素材が採用されてもよい。
また、上述した実施例の説明においては、右側収納袋17および左側収納袋18に収納される被収納物を保冷材であるものとしたが、本考案はこの点に関し限定されず、それらの収納スペースに、例えばカイロなどの保温材が収納されてもよい。
また、上述したベスト1の使用方法はあくまでも一例であって、ベスト1の使用方法はそれに限定されない。
本考案にかかるベストは、病気にかかり発熱をした全てのユーザにとって有用であるため、大量に製造・販売され、いわゆる製造業や、小売業などのサービス業において利用可能である。
1…ベスト、11…本体部、12…右側連結部材、13…左側連結部材、14…前側連結部材、15…右側連結紐、16…左側連結紐、17…右側収納袋、18…左側収納袋

Claims (5)

  1. 前記ユーザに着衣された状態において、前記ユーザの背側を覆う後身頃部分と、前記後身頃部分と前記ユーザの肩上で連続し前記ユーザの腹側を覆う前身頃部分とを構成する1枚の布地である本体部
    を備え、
    前記本体部には、前記ユーザに着衣される際に前記ユーザの頭部を出すための孔が前記後身頃部分と前記前身頃部分の間に設けられ、
    前記本体部には、前記孔の縁端上の前側の一点から前記前身頃の下縁端上の一点に至る切れ目が設けられ、
    前記後身頃部分の右縁端と、前記前身頃部分の右縁端とを、前記ユーザに着衣された状態において、前記ユーザの右脇腹において互いに開閉可能に連結する右側連結部材と、
    前記後身頃部分の左縁端と、前記前身頃部分の左縁端とを、前記ユーザに着衣された状態において、前記ユーザの左脇腹において互いに開閉可能に連結する左側連結部材と、
    前記前身頃の前記切れ目の右側部分と左側部分を、前記ユーザに着衣された状態において、前記ユーザの前側において互いに開閉可能に連結する前側連結部材と、
    被収納物を収納可能な袋であり、前記ユーザに着衣された状態において、前記本体部の前記ユーザの右肩にあたる部分から下方に垂れ下がるように前記本体部に連結される右側収納袋と、
    前記右側収納袋と前記本体部とを互いに着脱可能に連結する右側連結紐と、
    被収納物を収納可能な袋であり、前記ユーザに着衣された状態において、前記本体部の前記ユーザの左肩にあたる部分から下方に垂れ下がるように前記本体部に連結される左側収納袋と、
    前記左側収納袋と前記本体部とを互いに着脱可能に連結する左側連結紐と
    を備えるベスト。
  2. 前記布地は、タオル地である
    請求項1に記載のベスト。
  3. 前記右側連結紐における前記本体部との連結位置、前記右側連結紐における前記右側収納袋との連結位置、および前記右側連結紐の長さの少なくとも一つを変更可能な構造を備え、
    前記左側連結紐における前記本体部との連結位置、前記左側連結紐における前記左側収納袋との連結位置、および前記左側連結紐の長さの少なくとも一つを変更可能な構造を備える
    請求項1または2に記載のベスト。
  4. 前記孔の縁端に取り付けられ、前記ユーザに着衣された状態において前記ユーザの首回りに位置する襟部を備え、
    前記襟部には、被収納物を収納可能な収納袋が設けられている
    請求項1乃至3のいずれかに記載のベスト。
  5. 前記孔の縁端に取り付けられ、前記ユーザに着衣された状態において前記ユーザの首回りに位置する襟部を備え、
    前記襟部の縁端と、前記ユーザに着衣された状態において、前記本体部の前記襟部の縁端に対向する位置とを開閉可能に連結する襟部連結部材と
    を備え、
    前記襟部と前記本体部との間の空間に被収納物を収納可能な
    請求項1乃至3のいずれかに記載のベスト。
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