JP3173212B2 - 光学的造形方法および光学的造形装置 - Google Patents

光学的造形方法および光学的造形装置

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JP3173212B2
JP3173212B2 JP06065293A JP6065293A JP3173212B2 JP 3173212 B2 JP3173212 B2 JP 3173212B2 JP 06065293 A JP06065293 A JP 06065293A JP 6065293 A JP6065293 A JP 6065293A JP 3173212 B2 JP3173212 B2 JP 3173212B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば紫外線硬化性樹
脂などの光硬化性樹脂に光線を走査して照射することに
より所望の樹脂モデルを造形する光学的造形方法と光学
的造形装置に関し、特に、樹脂モデルの情報座標軸と光
線の走査座標軸が不一致である場合に生じる樹脂モデル
の変形を防止することができる光学的造形方法と光学的
造形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、紫外線硬化性樹脂液を収容した
槽の表面に対して、紫外線レーザをON/OFFしなが
ら走査し、これにより硬化した走査硬化層を順次積み上
げることにより、所望の樹脂モデルを造形することが試
みられている。かかる樹脂モデルは、例えば製品のマス
ターモデルとして利用されることから、造形するにあた
っては造形精度、層間接着性、および造形効率などを高
める必要がある。
【0003】従来の光学的造形方法は、紫外線レーザか
ら紫外線を発生させ、ガルバノミラーおよびシャッター
などを有する光学系によって紫外線レーザのON/OF
Fと光線の走査方向を制御しながら、紫外線硬化性樹脂
液を収容した槽の表面に対して照射する。槽内には紫外
線レーザを遮断するとともに昇降可能なエレベータが設
けられており、樹脂液表面とエレベータとの間に介在す
る樹脂液が紫外線レーザによって硬化するようになって
いる。
【0004】そして、造形工程の第1段階においてはエ
レベータを上昇させておき、樹脂液表面とエレベータと
の間に介在する樹脂液を紫外線レーザによって硬化させ
て第1層目の走査硬化層を形成したのち、エレベータを
1層分だけ下降させて、第1層目と同様の手順で第2層
目の走査硬化層を第1層目の走査硬化層の上に形成す
る。以下同様にして、順次走査硬化層を積層(以下、堆
積ともいう)し、最終層目の走査硬化層の形成が終了す
るとエレベータを上昇させて、樹脂液からモデルを取り
出したのち、さらに最終的な硬化を行うために、紫外線
ランプなどを用いてモデル全体に対して紫外線を長時間
照射する。
【0005】以下、本明細書においては、上述したエレ
ベータの同一移動ピッチ内における平面を「等高断面」
と称するが、この一つの等高断面には、目的とするモデ
ルの立体形状に応じて、樹脂液を硬化させる領域と樹脂
液を硬化させない領域とが存在することになる。
【0006】そして、紫外線レーザ発振器から発生する
紫外線ビームは、光学系によって走査方向に沿って走査
され、このとき、樹脂液を硬化させる領域では紫外線レ
ーザがON(実際にはシャッターAOMが開)、樹脂液
を硬化させない領域では紫外線レーザがOFF(実際に
はシャッターAOMが閉)となる。一つの走査線の走査
が終了すると、光学系を制御して走査ピッチ分だけ位相
させ、再び走査方向に沿って同様の走査が行われる。
【0007】なお、紫外線ビームが樹脂液内に照射され
ると、樹脂液によって光エネルギーが徐々に減少するこ
とから、微視的には、先端鋭利な照射領域(すなわち、
走査硬化層)を形成することになる。
【0008】このようにして、等高断面の走査硬化層が
形成されるが、走査硬化層を順次積層するにあたって
は、上層の走査硬化層を形成する際に、紫外線ビームを
下層にも照射されるような光線強度、すなわち、その等
高断面における硬化深さを積層厚より大きく制御し、各
層間の接着性を高めるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、1回の造形
操作によって多数の造形モデルを製造する場合には、ス
テージ上(若しくは光硬化性樹脂液槽)における歩留り
を考慮して、造形されるモデルをそれぞれ適宜角度だけ
回転して配列することが好ましいが、造形モデルの情報
座標軸と光線の走査座標軸とが一致しないと、モデルの
変形が生じるという問題があった。
【0010】これは、光硬化性樹脂は光線の走査方向に
対して大きく収縮する性質があり、そのため、一つの走
査線が長い部分と短い部分で収縮量が相違することに起
因するものである。したがって、造形モデルが基準デー
タを独立変倍で変換(縦方向の変倍率と横方向の変倍率
とを独立に設定した変倍変換)したモデルである場合に
は、特に、硬化時のモデルの変形量が顕著となった。
【0011】そのため、従来では、歩留りを犠牲にして
造形モデルの精度を考慮するか、あるいは逆に、造形モ
デルに精度が要求されない場合には、変形をある程度黙
認して歩留りを向上させるようにしており、造形モデル
の精度と歩留りとの両方を満足させ得る抜本的方策が希
求されていた。
【0012】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、造形モデルの変形を抑制し
て造形精度を高め、かつ一つの造形操作で得られる製品
数を増加させることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光学的造形装置は、複数の造形モデルを製
造するための光学的造形装置であって、光硬化性樹脂液
を入れた光硬化性樹脂液槽と、前記光硬化性樹脂液を硬
化させるのに適当な波長を含む光線を発生し、該光線を
走査させる光走査手段と、前記光硬化性樹脂液の表面に
光線が照射されたことにより生成する硬化樹脂を昇降さ
せる昇降手段と、前記光走査手段と前記昇降手段とを制
御する制御手段と、を備えた光学的造形装置において、
前記制御手段は、立体造形する少なくとも一部の立体造
形情報を記憶する立体造形情報記憶部と、前記昇降手段
を動作させない状態で前記光線を走査照射して形成され
る走査硬化層に関する情報を、前記立体造形情報記憶部
に記憶されている立体情報の中から抽出する走査硬化層
情報抽出部と、前記走査硬化層情報抽出部より得られる
走査硬化層情報を、一回の造形操作で得られるモデル数
を増加させるために設定された回転変換を少なくとも含
変換パラメータに基づいて変換し、この変換された情
報をさらに前記光線の走査方向に対する前記光硬化性樹
脂の収縮率に応じて設定された造形パラメータに基づい
て変換する情報変換部と、を有し、前記走査硬化層の光
線走査を、前記情報変換部の演算結果に基づいて行うこ
とを特徴としている。
【0014】好適には、前記それぞれの走査硬化層に対
する前記情報変換部における造形パラメータの値が、少
なくとも2種類以上設定されている。
【0015】好適には、前記情報変換部における変換パ
ラメータは、前記回転変換および変倍変換の組み合わせ
である。
【0016】上記目的を達成するために、本発明の光学
的造形方法は、光硬化性樹脂液面上に光線を走査し、硬
化した走査硬化層を順次積み上げて複数の立体樹脂モデ
ルを得る光学的造形方法において、等高断面層の造形領
域を形成するにあたり、立体造形情報を一回の造形操作
で得られるモデル数を増加させるために設定された回転
変換を少なくとも含む変換パラメータに基づいて変換処
理したのち、この情報を前記光線の走査方向に対する前
記光硬化性樹脂の収縮率に応じて設定された造形パラメ
ータに基づいて変換処理し、当該変換処理後に得られる
情報に基づいて前記光線を走査することを特徴としてい
る。
【0017】
【作用】本発明では、光線を走査して光硬化性樹脂を硬
化させるにあたり、走査硬化層情報を予め設定された少
なくとも回転変換を含む変換パラメータに基づいて変換
することを前提に、この変換された情報をさらに前記光
線の走査方向に応じた造形パラメータに基づいて変換
し、この演算結果に基づいて光線の走査を行うことを特
徴としており、特に、造形パラメータを光線の走査方向
に対する光硬化性樹脂の収縮率に応じた値に設定してい
る。
【0018】すなわち、光走査手段により光硬化性樹脂
液を硬化させるのに適当な波長を含む光線を発生し、光
硬化性樹脂液槽に収容された光硬化性樹脂液に対して光
線を走査させる。一つの等高断面における走査を終了す
ると、光線が照射されたことにより生成する硬化樹脂を
昇降手段によって昇降させ、このような手順を繰り返す
ことにより、順次走査硬化層を積層する。
【0019】この造形操作にあたり、まず最初に、立体
造形する少なくとも一部の立体造形情報を記憶している
立体造形情報記憶部から、昇降手段を動作させない状態
で光線を走査照射して形成される走査硬化層に関する情
報を走査硬化層情報抽出部によって抽出する。ついで、
この走査硬化層情報抽出部より得られる走査硬化層情報
を情報変換部に取り込んで、予め入力された変倍や回転
などの変換パラメータを用いて変換する。
【0020】これにより、新たに造形モデルのデータを
作成しなくともCADなどに格納されているモデルの基
準データを用いて造形モデルの走査に必要なデータを作
成することができる。また、所定の回転変換を行うこと
により、エレベータに配列されるモデル数が増加するの
で、1回の造形操作で得られるモデルの歩留りが向上す
ることになる。
【0021】情報変換部にて、変換パラメータによって
走査硬化層情報を変倍や回転変換したのち、この造形モ
デルの情報座標軸と光線の走査座標軸との関係に基づい
て、さらに変換する。具体的には、光硬化性樹脂の収縮
率に応じて走査座標軸上における走査硬化層情報を変倍
する。例えば、走査座標軸上における走査線が長い部分
は樹脂の収縮量も大きいことから、この部分の走査硬化
層情報を相対的に大きく拡大する。逆に走査座標軸上に
おける走査線が短い部分は樹脂の収縮量が比較的小さい
ことから、この部分の走査硬化層情報を相対的に小さく
拡大する。
【0022】そして、この造形パラメータで変換された
情報を光走査手段に出力して、光線の走査を行う。その
結果、走査座標軸上の走査硬化層情報が得ようとする造
形モデルの形状とは相違していても、光線を走査して樹
脂が硬化したのちに適正な寸法の造形モデルとなり、上
述した歩留りの向上を実現しながら、造形モデルの精度
も確保することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。まず最初に、図1を参照しながら本発明の一実
施例に係る光学的造形装置の構成について説明する。図
1は本発明の光学的造形装置の基本構成を示すブロック
図である。
【0024】本実施例の光学的造形装置は、光硬化性樹
脂液槽2を有しており、この槽内に収容される光硬化性
樹脂液1は光を照射することにより付加重合を生じて硬
化する材料である。例えば、スチレン、メタクリル酸メ
チル、酢酸ビニルなどのビニル単量体は、光照射によっ
て、光重合の開始剤が存在しなくとも、あるいは紫外線
を吸収する増感剤や色素の存在下で、重合を起す。
【0025】ただし、本発明で用いられる光硬化性樹脂
液1の種類は特に限定されず、未硬化では液体状であっ
て硬化することにより固化する樹脂であればよい。ま
た、照射する光LBについても特に限定されず、紫外線
の他にも、用いられる光硬化性樹脂1に応じた光を選択
すればよい。
【0026】光硬化性樹脂液槽2内には、光線を遮断す
るとともに硬化させた樹脂を載置する台座を有するエレ
ベータ4aが設けられており、このエレベータ4aは、
昇降器4bにより光硬化性樹脂液槽2内を昇降可能とな
っている。昇降器4bは、機械的にエレベータ4aを昇
降させる機能と、この昇降動作の制御を司る制御機能と
を備えている。昇降器4bに対する指令信号は、制御手
段5の一般制御部5aから与えられるが、光走査手段3
への、あるいは光走査手段3からの情報に基づいて、一
般制御部5aは昇降器4bに指令信号を出力する。
【0027】例えば、一つの等高断面における走査が終
了したことを光走査手段3から検知すると、次の等高断
面の走査に移行するために、一般制御部5aから昇降器
4bに対して指令信号を出力し、これにより昇降器4b
はエレベータ4aを所定のピッチ(すなわち、このピッ
チがその等高断面における積層厚Tとなる)だけ下降さ
せる。
【0028】ちなみに、エレベータ上で造形されるモデ
ルの数は、1回の操作につき一つのモデルに限定される
ことはなく、一つのエレベータ上に多数のモデルを造形
して(いわゆる多数個取り)生産性を高めることも可能
である。特に、本発明の光学的造形方法および光学的造
形装置を用いた場合には、多数個取りを行うにあたりエ
レベータ上に配設されるモデルの数を増加させても精度
良く造形を行うことができる。
【0029】一方、本実施例に係る光走査手段3は、紫
外線レーザなどの光線を発生させるレーザ発振器3a
と、このレーザ発振器3aで発生した光線を光硬化性樹
脂液の表面に対し所定の軌跡にしたがって走査させるた
めの光学系3bと、この光学系3bを制御するための光
学系コントローラ3cから構成されている。光学系3b
には、例えば光線を通過/遮断するためのシャッター器
(AOM)や光線の方向を変動させるための電圧印加器
およびガルバノミラーなどが設けられており、光線のO
N/OFF、光線強度の変更、光路の変更、光線の走査
速度の制御などを行う機能を有している。そして、この
光学系3bに対して、光学系コントローラ3cからは予
め教示された軌跡に応じた光走査条件に関する指令信号
が出力される。
【0030】なお、本発明における光走査手段3の動作
は、基本的には一般制御部5aに予め入力された基本軌
跡データに基づくが、後述する立体造形情報記憶部5
b、走査硬化層情報抽出部5c、情報変換部5dを介し
て、光学系コントローラ3cに指令信号が出力され、細
部の光走査条件が変更される。
【0031】本実施例に係る制御手段5は、目的とする
造形モデルに応じて、予め入力されたデータに基づい
て、昇降手段4と光走査手段3とを相互に関連付けなが
ら制御する一般制御部5aを有している。また、一般制
御部5a以外に、立体造形情報記憶部5b、走査硬化層
情報抽出部5c、情報変換部5dが設けられている。
【0032】なお、本実施例では、昇降器4b、光学系
コントローラ3c、および制御手段5などの情報処理装
置は、それぞれ別体に構成した具体例として図1に表わ
しているが、これは、それぞれの機能を容易に理解する
ために記載したものであって、上述した各機能を備えて
いる限り、これらを任意の組み合せで組み合わせて情報
処理装置を構成してもよいことは勿論である。
【0033】次に、本発明に係る立体造形情報記憶部5
b、走査硬化層情報抽出部5c、情報変換部5dにおけ
る各処理手順について説明するが、この処理手順の基本
的考え方の理解を容易にするために、図2に示すよう
に、ある一つの等高断面内において与えられた走査硬化
層情報(処理対象)を一旦情報座標軸上で変倍や回転変
換処理を行う具体例を説明する。
【0034】図2は本発明の一実施例に係る変換パラメ
ータによる走査硬化層情報の変換処理を示す図、図3は
同実施例に係る造形パラメータによる走査硬化層情報の
変換処理を示す図、図4は同実施例に係る情報変換部で
変換処理された走査硬化層情報に基づいて光線を走査
し、その結果得られる造形モデルを示す図である。
【0035】まず、立体造形情報記憶部5bは、造形す
べきモデルWの立体形状に関する情報が格納されたメモ
リであり、モデルWの立体形状に関する全ての情報ある
いは、少なくとも造形領域が輪郭線で囲まれる全ての等
高断面の立体形状に関する情報が記憶されている。
【0036】この造形モデルWは、図2(a)に示すよ
うに、モデルの基準情報を情報座標軸X−Y上で変倍す
ることにより得られるモデルであり、例えば、実寸大で
入力されたモデルの情報に基づいて、縦横にそれぞれ独
立変倍させた造形モデルが要求された場合などが考えら
れる。したがって、ここにいう独立変倍とは、図2
(a)〜(c)に示す情報座標軸X−Yのそれぞれに対
して、互いに独立した変倍(等倍をも含む)で変換する
意味である。
【0037】走査硬化層情報抽出部5cでは、立体造形
情報記憶部5bに記憶されている立体情報のうち、ある
一つの等高断面における造形領域である走査硬化層に関
する情報のみを抽出する。つまり、一般制御部5aで
は、一つの等高断面における硬化領域と非硬化領域とを
識別して、これにより光学系における光のON/OFF
を制御するが、走査硬化層情報抽出部5cでは、硬化領
域に関する情報のみを選択して読み出し、これを以下の
造形方法の基礎情報とする。
【0038】情報変換部5dは、走査硬化層情報抽出部
5cで抽出された硬化領域のみの情報を読み込んで、こ
の情報に基づき同一等高断面における変倍や回転などの
組み合わせからなる変換処理を行う。
【0039】例えば、図2に示す具体例では、走査硬化
層情報抽出部5cで抽出された情報W0 に情報座標軸X
−Y上における独立変倍処理を施すことにより、造形す
べきモデルの情報Wを演算し、さらに、図2(c)に示
すように、エレベータ4a上に極力多数のモデルが配列
できるように、造形モデルの情報Wに対し情報座標軸X
−Y上で所定角度だけ回転変換処理を行って、走査座標
軸X’−Y’上における造形モデルの情報WR を演算す
る。ただし、本発明の情報変換部5dでは、少なくとも
回転変換処理が施されていればよいので、図2(b)に
示す独立変倍処理は省略することができる。このような
変換は、本発明の変換パラメータに基づいて処理され
る。
【0040】また、上述した情報変換部5dは、上述し
た変換パラメータに基づいた変換処理の結果に対して、
さらに造形パラメータによる変換処理を施す。すなわ
ち、図3において、造形モデルの情報WR にのみ基づい
て主走査方向X’と副走査方向Y’のそれぞれに対して
光線を走査させると、光硬化性樹脂は走査方向に対して
収縮する性質を有する(厳密には単位体積当たりの収縮
量が定まっているが、本実施例のように光線をビーム状
に走査させると、結果的に走査方向に対して硬化する樹
脂量が相対的に大きくなる)ため、全体的に収縮する以
外に、走査線が長い部分の収縮量が大きくなり、その結
果、得られるモデルが小さく、かつ変形してしまう(図
3に「F」で示す)。
【0041】情報変換部5dにて処理される造形パラメ
ータは、かかる不具合を予めデータ上でキャンセルする
ことを目的としている。したがって、例えば本実施例で
採用する造形パラメータは、光硬化性樹脂の収縮量に応
じた値、具体的には、造形モデルの情報WR に対し、走
査座標軸X’−Y’上における走査線方向の樹脂の収縮
率の逆数分だけ拡大変換して、実際に光線LBを走査す
る情報WR ’を求めている。なお、本発明に係る造形パ
ラメータは、光硬化性樹脂の収縮率にのみ限定されるこ
とはなく、これ以外にも、光線の走査速度や強度などに
基づいた値を採用することも可能である。
【0042】なお、情報変換部5dで求められた造形情
報は、光学系コントローラ3cに出力されるが、この情
報に基づく光LBの走査は、走査座標軸X’−Y’のそ
れぞれの軸に沿うベクトル走査(図4に示す主走査X’
と副走査Y’)としている。また、特に限定はされない
が、これらのラスター走査以外にも輪郭線に沿うベクト
ル走査を行ってもよい。
【0043】次に作用を説明する。図5は同実施例の制
御手段における処理手順を示すフローチャートである。
従来の光学的造形方法では、歩留りを向上させるために
走査硬化層情報を回転変換処理した場合、得られるモデ
ルの変形にはある程度の黙認が必要であった。さもなく
ば、歩留りを犠牲にして造形モデルの変形を防止し、精
度を重視するしかなかった。
【0044】しかしながら、本実施例では、走査硬化層
情報に回転変換処理を施すことにより多数個取りを実現
し、さらに回転変換処理の結果生じていた造形モデルの
変形は、回転変換処理が施された情報に対して走査座標
軸上でさらに造形パラメータを用いて変換処理し、この
情報を実際に走査する光線の軌跡情報としている。
【0045】まず、光走査手段3a,3b,3cにより
光硬化性樹脂液1を硬化させるのに適当な波長を含む光
線LBを発生し、光硬化性樹脂液槽2に収容された光硬
化性樹脂液1に対して光線LBを走査させる。一つの等
高断面における走査を終了すると、光線LBが照射され
たことにより生成する硬化樹脂6を昇降手段4a,4b
によって昇降させ、このような手順を繰り返すことによ
り、順次走査硬化層6を積層する。
【0046】このとき、まず最初に、立体造形する少な
くとも一部の立体造形情報を記憶している立体造形情報
記憶部5bから、エレベータ4aを動作させない状態で
光線LBを走査照射することにより形成される走査硬化
層6に関する情報を走査硬化層情報抽出部5cによって
抽出する。同時に、変換パラメータおよび造形パラメー
タも取り込む(ステップ1,2)。
【0047】ついで、情報変換部5dにて、走査硬化層
情報抽出部5cより得られた走査硬化層情報W0 に対し
て、変換パラメータを用いた変倍および回転変換処理を
施し、造形モデルの情報Wおよび当該造形モデルの情報
Wの走査座標軸X’−Y’上における情報WR を求める
(図2、ステップ3〜4)。
【0048】さらに、この情報WR に対して、光硬化性
樹脂の収縮量に応じた値、具体的には、造形モデルの情
報WR に対し、走査座標軸X’−Y’上における走査線
方向の樹脂の収縮率の逆数分だけ拡大変換して、実際に
光線LBを走査する情報WR’を求める(図3、ステッ
プ5)。次に、多数個取りを行う場合には、この情報を
複製してエレベータ上に配列する(ステップ6)。
【0049】最後に、この軌跡情報を光学系コントロー
ラ3cに出力し、上述した主走査軸X’および副走査軸
Y’のそれぞれに沿ったラスター走査を実行し、モデル
を造形する(図4、ステップ7)。
【0050】なお、以上説明した各実施例は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、これ
らの発明を限定するために記載されたものではない。し
たがって、上記の各実施例に開示された各要素は、本発
明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含
む趣旨である。例えば、変換パラメータによる回転変換
の要請は、多数個取り以外にも種々に考えられることか
ら、上述した実施例で説明したように多数個取りを行う
場合にのみ限定されることはなく、その他の回転変換処
理であってもよい。また、等高断面によって造形パラメ
ータを変更することも可能である。特に、エレベータの
最下層では、上層に対して樹脂の収縮量が小さいため
(すなわち、エレベータの最下層は下層からの収縮影響
を受けないため)、造形パラメータを2種類以上設定し
ておくと、より効果的である。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、等高断
面層の造形領域を形成するにあたり、したがって、同一
等高断面における造形精度を高めながら1回の造形操作
で得られるモデル数を増加させる、すなわち歩留りを高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学的造形装置の基本構成を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る変換パラメータによる
走査硬化層情報の変換処理を示す図である。
【図3】同実施例に係る造形パラメータによる走査硬化
層情報の変換処理を示す図である。
【図4】同実施例に係る情報変換部で変換処理された走
査硬化層情報に基づいて光線を走査し、その結果得られ
る造形モデルを示す図である。
【図5】同実施例の制御手段における処理手順を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1…光硬化性樹脂液 2…光硬化性樹脂液槽 3…光走査手段 3a…レーザ発振器 3b…光学系 3c…光学系コントローラ 4…昇降手段 4a…エレベータ 4b…昇降器 5…制御手段 5a…一般制御部 5b…立体造形情報記憶部 5c…走査硬化層情報抽出部 5d…情報変換部 6…走査硬化層 LB…光線 T…積層厚

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の造形モデルを製造するための光学的
    造形装置であって、 光硬化性樹脂液を入れた光硬化性樹脂液槽と、 前記光硬化性樹脂液を硬化させるのに適当な波長を含む
    光線を発生し、該光線を走査させる光走査手段と、 前記光硬化性樹脂液の表面に光線が照射されたことによ
    り生成する硬化樹脂を昇降させる昇降手段と、 前記光走査手段と前記昇降手段とを制御する制御手段
    と、を備えた光学的造形装置において、 前記制御手段は、 立体造形する少なくとも一部の立体造形情報を記憶する
    立体造形情報記憶部と、 前記昇降手段を動作させない状態で前記光線を走査照射
    して形成される走査硬化層に関する情報を、前記立体造
    形情報記憶部に記憶されている立体情報の中から抽出す
    る走査硬化層情報抽出部と、 前記走査硬化層情報抽出部より得られる走査硬化層情報
    、一回の造形操作で得られるモデル数を増加させるた
    めに設定された回転変換を少なくとも含む変換パラメー
    タに基づいて変換し、この変換された情報をさらに前記
    光線の走査方向に対する前記光硬化性樹脂の収縮率に応
    じて設定された造形パラメータに基づいて変換する情報
    変換部と、を有し、 前記走査硬化層の光線走査を、前記情報変換部の演算結
    果に基づいて行うことを特徴とする光学的造形装置。
  2. 【請求項2】前記それぞれの走査硬化層に対する前記情
    報変換部における造形パラメータの値が、少なくとも2
    種類以上設定されていることを特徴とする請求項1に
    載の光学的造形装置。
  3. 【請求項3】前記情報変換部における変換パラメータ
    は、前記回転変換および変倍変換の組み合わせであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の光学的造形装
    置。
  4. 【請求項4】光硬化性樹脂液面上に光線を走査し、硬化
    した走査硬化層を順次積み上げて複数の立体樹脂モデル
    を得る光学的造形方法において、 等高断面層の造形領域を形成するにあたり、立体造形情
    報を一回の造形操作で得られるモデル数を増加させるた
    めに設定された回転変換を少なくとも含む変換パラメー
    タに基づいて変換処理したのち、この情報を前記光線の
    走査方向に対する前記光硬化性樹脂の収縮率に応じて設
    定された造形パラメータに基づいて変換処理し、当該変
    換処理後に得られる情報に基づいて前記光線を走査する
    ことを特徴とする光学的造形方法。
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