JP3173182B2 - 玄米選別機におけるグレーダ選択装置 - Google Patents

玄米選別機におけるグレーダ選択装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾燥・籾摺り後の玄米
から低質粒を除去して良質粒のみを取出す玄米選別機に
おいて、選別目合の異なる複数種類のグレーダのうちど
の目合のものを使用するかを選択するグレーダ選択装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】米の粒径と食味とに一定の対応関係があ
ること、すなわち粒径が大きい米粒ほど食味が良いとい
う性質は、経験的に知られている。この性質を利用し
て、従来の穀物乾燥調製施設では、乾燥・籾摺り後の玄
米を粒径選別機(所謂グレーダ)に供給し、粒径が一定
値以上の穀粒のみを取り出すことにより、玄米全体から
低質粒・くず米・砕米を除去し、食味の良い良質粒を得
ることが広く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、粒径と食味の
対応関係は必ずしも一様ではなく、米の品種や栽培条件
により異なる。例えば、図3に示すように、ある品種A
では選別目合を1.85mmにすれば目標の食味値Sを
得られるが、他の品種Bで同じ食味値Sを得るには、選
別目合を1.95mmにする必要がある。このように、
多様な米を選別して一定値以上の食味を確保するには、
良質粒と低質粒との判別基準すなわちグレーダの選別目
合を、米の性状に応じて適宜に変更しなければならな
い。
【0004】しかるにこの選別目合の決定は、従来、米
の品種・外観等に基く選別作業者の経験則によるところ
が大きかったため、選別目合の適切な設定は困難である
と共に、多年の経験と熟練を要していた。
【0005】そこで本発明の目的は、従来熟練を要して
いた選別目合の決定を客観化し、常に適確な選別目合を
設定できるグレーダ選択装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明の玄米選別機におけるグレーダ選択装置は、以下
のように構成した。
【0007】玄米の流路を切替装置により切替えて、前
記玄米を選別目合の異なる複数種類のグレーダのうちい
ずれか一つに供給し、所定粒径以上と以下とに選別する
玄米選別機において、前記玄米からサンプル粒を採取す
るサンプル採取手段と、前記サンプル採取手段が採取し
たサンプル粒を、所定粒径以上と以下とに選別するサン
プル粒径選別手段と、前記サンプル粒径選別手段が選別
した各階級のサンプル粒について、内部品質値をそれぞ
れ検出するサンプル内部品質検出手段と、を備えてなる
玄米選別機におけるグレーダ選択装置である。なお、前
記内部品質値とは、食味値及びタンパク質などの食味関
連成分の含有率を意味する。
【0008】
【作用】サンプル採取手段が籾摺り後の玄米からサンプ
ル粒を採取すると、そのサンプル粒をサンプル粒系選別
手段が粒径の大小に応じて少なくも2階級に選別する。
サンプル内部品質検出手段は、これら各階級のサンプル
粒について内部品質値を測定する。次に、この測定結果
に基いてグレーダを選び、それを使用して籾摺り後の玄
米を選別する。
【0009】このように本発明では、選別すべき玄米の
一部をサンプル粒として採取し、このサンプル粒の内部
品質の計測に基いて、全体の玄米の選別にどの選別目合
のグレーダを用いるかを選択指定する。従って、従来は
粒径の大小のみに基いて近似的にグレーダの選択を行っ
ていたのに対して、本発明ではグレーダの選択に現実の
内部品質値をも反映することができ、常に適確な目合の
選択が可能となる上、作業者の熟練も不要となる。
【0010】
【実施例】本発明第1実施例につき、以下に図面に従っ
て説明する。図2は本発明を実施する玄米選別機を概略
的に示す説明図である。1は乾燥・籾摺り後の玄米を荷
受けする荷受けホッパであり、2は荷受けホッパ1に供
給された玄米を上昇する昇穀機である。昇穀機2の上端
排出口には、くず米・砕米を粒径の大小により選別・除
去するためのくず米除去グレーダ3を接続する。このく
ず米除去グレーダ3の目合は、1.80mmとする。
【0011】くず米除去グレーダ3の排出側には、整粒
用計量器4及びくず米用計量器5を配置し、くず米除去
グレーダ3の残留側を整粒用計量器4に、また除去側を
くず米用計量器5にそれぞれ接続する。整粒用計量器4
の排出側には、昇穀機8のホッパ7を接続し、昇穀機8
の上端排出口には一時貯留タンク9を接続する。
【0012】また、整粒用計量器4の排出側とホッパ7
との間には切替装置18を設け、この切替装置18の分
岐路には、後述するサンプル検査系6を接続する。
【0013】一方、一時貯留タンク9の排出口は、切替
装置19を介して分配コンベア10を接続する。分配コ
ンベア10の下方には、サンプル粒以外の玄米を選別す
る粒径選別機である本グレーダ11A,11B,11C
を配置すると共に、分配コンベア10の玄米が各本グレ
ーダ11A,11B,11Cのいずれか一つに選択的に
供給されるように、適宜の切替装置(図示省略)を配備
する。本グレーダ11A,11B,11Cは、それぞれ
その目合を異にし、例えば本グレーダ11Aには1.8
5mm、本グレーダ11Bには1.90mm、本グレー
ダ11Cには1.95mmの目合を用いる。
【0014】各本グレーダ11A,11B,11Cの排
出側には、良質粒コンベア12および低質粒コンベア1
3を配置し、各グレーダの残留側を良質粒コンベア12
に、また各グレーダの除去側を低質粒コンベア13に接
続する。良質粒コンベア12の終端は良質粒計量器14
に接続し、良質粒計量器14の排出側は昇穀機17に接
続すると共に、ここに切替可能な良質粒サンプル取出口
20を設け、その排出側を食味計16および成分測定器
21に接続する。低質粒コンベア13の終端は、低質粒
計量器15を介して低質米タンク(図示せず)に接続す
る。また、上記一時貯留タンク9の排出口の切替装置1
9の分岐路の他方は、良質粒コンベア12に接続する。
【0015】次に、上述した切替装置18の一方の分岐
路に接続するサンプル検査系6について説明する。この
サンプル検査系6は、玄米全体から少量のサンプル粒を
取り出して検査することにより、サンプル粒以外の玄米
につき、良質粒と低質粒との判別基準、すなわち本グレ
ーダ11A〜11Cの三種類の選別目合のいずれを用い
るかを決定するためのものである。
【0016】図1に示すように、上述した切替装置18
の一方の分岐路に、ホッパ25及びサンプル昇穀機26
を介して、サンプル粒を粒径に応じて4階級に階級分け
するためのサンプル用グレーダ27を設ける。このサン
プル用グレーダ27は、例えば回転する傾斜円筒ふるい
を使用し、その目合は始端部27Aが1.85mm、中
間部27Bが1.90mm、終端部27Cが1.95m
m、に構成する。
【0017】そしてこれら始端部27A,中間部27
B,終端部27C及び排出口27Dの下方に計量器28
A,28B,28C,28Dを配置すると共に、これら
計量器28A〜28Dの排出側には、コンベア29を配
置する。コンベア29の終端は、食味計33に接続する
と共に、食味計33の排出側は排出用昇穀機31のホッ
パ30に接続する。計量器28A,28B,28C,2
8Dおよび食味計33は、各部を後述のように制御する
ための中央処理装置32の入力側に電気的に接続する。
なお中央処理装置32の入力側には上述した各計量器、
各食味計等を、また出力側には各切替装置18,19,
20のほか、分配コンベア10の切替装置などを、それ
ぞれ電気的に接続する。
【0018】次に、第1実施例の玄米選別機の作動につ
いて説明する。まず、荷受けホッパ1に荷受けされた玄
米を、昇穀機2で上昇し、くず米除去グレーダ3でくず
米を分離する。分離したくず米は、くず米用計量器5を
経てくず米タンクに貯留する。他方、くず米除去グレー
ダ3に残留した整粒は、整粒用計量器4で計量する。そ
して切替装置18を、短時間だけホッパ7側からサンプ
ル検査系6側に切替え、計量後の整粒をサンプル粒とし
てサンプル検査系6に供給する。
【0019】図1において、切替装置18から供給され
た整粒すなわちサンプル粒を、ホッパ25から昇穀機2
6で上昇し、サンプル用グレーダ27に供給する。サン
プル用グレーダ27では、上述のように始端部27A,
中間部27B,終端部27Cでそれぞれ目合を異にして
いるため、供給されたサンプル粒のうち粒径が1.85
mm未満のものは計量器28Aへ、粒径が1.85〜
1.90mmのものは計量器28Bへ、粒径が1.90
〜1.95mmのものは計量器28Cへ、粒径が1.9
5mm以上のものは計量器28Dへとそれぞれ流出し
て、4種類の階級別に選別され、それぞれ計量される。
【0020】次に、各計量器28A〜28Dで計量され
た各階級のサンプル粒を、階級別に順次コンベア29で
食味計33に供給して、それぞれの食味値を検出する。
この食味計33が検出した各階級別の食味値は、中央処
理装置32に入力される。
【0021】中央処理装置32では、食味計33が検出
した各階級別の食味値に基き、荷受けした玄米について
良質粒と低質粒との判別基準となる粒径値、すなわち本
グレーダ11A〜11Cのいずれを用いるかを決定す
る。例えば粒径の各階級と食味値との関係を示すグラフ
を作成し(図3参照)、このグラフに基いて、食味値が
目標食味値Sを上回る点を、目合として求める。その結
果、例えばある品種Aの場合の目合は1.85mm、他
の品種Bの場合の目合は1.95mm、のようにして目
合が指定される。
【0022】一方、図2において、整粒用計量器4から
切替装置18を経てホッパ7側に供給された玄米は、昇
穀機8により一時貯留タンク9に張り込まれる。ここで
上記のように、中央処理装置32で目合の指定が行われ
ると、その旨が分配コンベア10の切替装置(図示省
略)に出力され、指定された目合に応じて玄米の供給路
が選択される。そして切替装置19が作動して玄米が一
時貯留タンク9から排出され、玄米は分配コンベア10
を経て、中央処理装置32の指定に応じたグレーダに供
給される。
【0023】その結果、玄米は指定された本グレーダ1
1A〜11Cの目合により選別され、本グレーダに残留
した玄米は良質粒コンベア12を経て良質粒計量器14
へ、また本グレーダ11A〜11Cから除去した玄米は
低質粒コンベア13を経て低質粒計量器15へと、それ
ぞれ分離して収容される。その後、良質粒計量器14で
計量した良質粒は、昇穀機17により次工程、例えば出
荷工程に搬出される。また計量後の玄米は、適宜に切替
装置20にて良質粒食味計16に取り出して、その食味
を検査する。
【0024】以上のように第1実施例では、選別すべき
玄米の一部をサンプル粒として採取し、このサンプル粒
の食味の計測に基いて、荷受けした玄米全体の選別目合
を指定する構成とした。従って、従来は粒径の大小のみ
により近似的に選別目合の選択を行っていたのに対し
て、第1実施例では本グレーダの選択に現実の食味値を
も反映することができるので、常に適確な目合の本グレ
ーダを選択でき作業者の熟練も不要である上、常に一定
の食味を確保でき品質を安定化できるという利点があ
る。
【0025】次に、第2実施例について説明する。この
第2実施例は、上述した第1実施例のサンプル検査系6
に代えて、図4に示すようなサンプル検査系41を構成
したものである。このサンプル検査系41以外の第2実
施例の機械的構成は、前記第1実施例と同様である。
【0026】第2実施例におけるサンプル検査系41は
以下のとおりの構成である。切替装置18(図2参照)
の一方の分岐路に、ホッパ42及びサンプル昇穀機43
を接続し、このサンプル昇穀機43の上端排出口に、切
替装置44を接続する。切替装置44の一方の取出口に
は、正逆転可能な分配コンベア45を接続し、また切替
装置44の他方の取出口には、正逆転可能な良質粒コン
ベア46の一端を接続する。分配コンベア45の下方に
は3基のサンプル用グレーダ47A,47B,47Cを
配置すると共に、分配コンベア45にはこれらの3基の
サンプル用グレーダのいずれか一つに穀粒を供給する切
替装置(図示せず)を配設する。サンプル用グレーダ4
7A,47B,47Cの目合は、例えば1.85mm、
1.90mm、1.95mmのようにそれぞれ異なるよ
うにする。これら3基のサンプル用グレーダ47A,4
7B,47Cの残留側には上述した良質粒コンベア46
を、また除去側には低質粒コンベア48を、それぞれ接
続する。
【0027】また分配コンベア45の一端には、食味計
49を接続する。良質粒コンベア46の終端は返還用昇
穀機50を介して分配コンベア45に接続する。また、
良質粒コンベア46の終端にはさらに、切替装置51を
有するホッパ52を接続し、切替装置51の一方の排出
路は排出用昇穀機53のホッパ54に、また他方の排出
路は食味計55に接続する。
【0028】しかして、第2実施例の作動について説明
する。いま、切替装置18から供給された整粒すなわち
サンプル粒を、ホッパ42からサンプル昇穀機43で上
昇し、切替装置44から分配コンベア45に移送する。
そしてまずサンプル粒を食味計49に供給して、サンプ
ル粒全体の食味値を測定する。
【0029】次に、検出したサンプル粒全体の食味値に
基き、後述する目合制御を行う必要があるか否かを判定
する。すなわち、サンプル粒全体の食味値が標準的な値
の場合には、後述する目合制御を行う必要はない旨が判
定される。この場合には、サンプル粒の選別には標準的
な目合のサンプル用グレーダ、例えばサンプル用グレー
ダ47Bを使用する。
【0030】一方、サンプル粒全体の食味値が標準的な
値でない場合には、後述する目合制御を行う必要がある
旨が判定される。この場合には、まず良質米コンベア4
6及び返還用昇穀機50を使用して、サンプル粒をサン
プル用グレーダ47A,47B,47Cに、目合の小さ
いものから大きいものへと順に供給し、これによりサン
プル粒を粒径別に選別する。選別した各階級のサンプル
粒を、それぞれ返還用昇穀機50により再び上昇し、食
味計49に掛け、その各階級ごとの検出値に基いて、上
述の第1実施例と同様に、図3のような目合と食味の関
係グラフを作成する。
【0031】そして、この目合と食味の関係グラフに基
いて、目合制御、すなわちサンプル粒の選別に使用する
サンプル用グレーダの切替に関する制御を行う。この目
合制御は上述の第1実施例の制御と同様であり、サンプ
ル用グレーダの指定に基いて、中央処理装置により分配
コンベア45の切替装置に制御出力が行われ、サンプル
粒の流路が所定のサンプル用グレーダ、例えばサンプル
用グレーダ47Cに切り替わり、サンプル粒の選別が行
われる。
【0032】また、サンプル用グレーダによる選別後の
良質米は、食味計55により食味を検出し、その検出値
は所定の基準値と比較されて、サンプル用グレーダの選
択が適正であるか否かが判定される。この判定の結果
は、サンプル用グレーダの選択にフィードバックされ、
食味値が基準値より小であるときは目合を小に、食味値
が基準値より大であるときは目合を大に、というように
分配コンベア45の切替装置を切り替える制御が行われ
る。
【0033】一方、このようなサンプル検査系41にお
けるサンプル用グレーダの決定に連動して、中央処理装
置より分配コンベア10(図2参照)の切替装置に制御
信号が出力され、サンプル検査計41で決定したサンプ
ル用グレーダと同一目合の本グレーダが、玄米全体用の
本グレーダとして選択される。従って、サンプル粒以外
の玄米は、常にサンプル用グレーダと同一目合の本グレ
ーダに供給され選別される。なお、第2実施例における
以後の作動は、上記第1実施例と同様である。
【0034】以上のように第2実施例では、サンプル粒
の分析に基いてサンプル用グレーダの目合制御を行うに
あたり、予め食味計49によりサンプル粒全体の食味を
測定し、これにより目合制御を行う必要があるか否かを
判定する構成としたので、目合制御がその必要性の高い
ときにのみ実行され、制御の無駄がない。また本実施例
では、サンプル用グレーダで選別後に、食味計55によ
り良質粒の食味を測定してその結果をサンプル用グレー
ダの切替にフィードバックする構成としたので、サンプ
ル用グレーダの選択、ひいては本グレーダの選択を常に
適正に行うことができ、もって仕上米の食味の安定化、
玄米の無駄防止による歩留りの安定化を図ることができ
るという利点がある。
【0035】次に、第3実施例について説明する。
【0036】一般に、食味値と価格とはほぼ比例してい
るとみてよいため、良質米の価格を向上するには、グレ
ーダの目合を大きくして食味値を上げれば良いことにな
る。しかし、図5のグラフに示すように、同一群の玄米
では食味値を上げると歩留りが下がるという関係がある
ため、食味値の向上のみを考慮して目合を大きくしすぎ
ると、目合の大きさに達しない多くの玄米が無駄とな
り、歩留りが低下して、全体の収益は却って減ってしま
うことになる。このため、収益を向上させるには、食味
値のみでなく歩留りをも考慮して、最適な選別目合を設
定する必要がある。
【0037】そこで第3実施例の目的は、歩留りの過度
の低下を防止しつつ、最も食味の良い良質粒を得ること
により、玄米の性状・品質に応じて玄米の無駄防止を図
ることにある。第3実施例の機械的構成は、上述した第
1実施例と同様で、その制御のみが以下のように異なる
ので、ここでは図1及び図2を利用してその作動につい
て説明する。
【0038】図2において、まず荷受けホッパ1に荷受
けされた玄米を、くず米除去グレーダ3に供給してくず
米を分離した後、切替装置18を介してサンプル検査系
6に供給する。
【0039】図1において、供給された整粒すなわちサ
ンプル粒を、サンプル用グレーダ27に供給し、その粒
径に基いて4種類の階級別に選別する。選別されたサン
プル粒は、計量器28A〜28Dでそれぞれ計量する。
これら計量器28A〜28Dの検出値は、中央処理装置
32に入力される。一方、計量した各階級のサンプル粒
は、コンベア29で順次食味計33に供給し、それぞれ
食味値を検出する。検出した各階級の食味値も、中央処
理装置32に入力される。
【0040】中央処理装置32では、まず、各階級の粒
径別の重量値に基いて、サンプル粒を取り出した荷受け
玄米用の各本グレーダ(図2中11A〜11C)を用い
た場合の歩留りを、各本グレーダごとに試算する。次
に、試算した歩留りと、食味計33から入力された各階
級の食味値に基いて、各本グレーダ11A〜11Cを用
いた場合のそれぞれについて、収益を試算する。そし
て、収益が最大値を示す本グレーダを、サンプル粒以外
の玄米の選別に使用する本グレーダとして指定し、分配
コンベア10の切替装置に向け出力する。従って、この
出力に応じて玄米の供給路が選択され、この中央処理装
置32の指定したグレーダにより、荷受け玄米が選別さ
れる。第3実施例の以後の作動は、上記第1実施例と同
様である。
【0041】以上のように第3実施例では、サンプル粒
を粒径別に選別し、選別した各階級の重量値から歩留り
を試算し、試算した歩留り及び各階級の食味値に基い
て、各本グレーダを使用した場合の収益を試算し、この
収益が最大になるように本グレーダを選択する構成とし
た。このように第3実施例では、本グレーダの選択にあ
たり、第1実施例と同様にサンプル粒の食味値を考慮す
ることに加えて、さらに歩留りをも考慮するので、食味
値のみを考慮するあまり歩留りが低下し収益が全体とし
て減少するという弊害を未然に防止でき、玄米の性状・
品質に応じて常に最大の収益を得ることができるという
利点がある。
【0042】次に、本発明の応用例について説明する。
上述した第1実施例では、サンプル粒の各階級別の食味
値に基いて、目合の異なる複数基の本グレーダのうちか
ら1つを選択し、選択した特定の本グレーダを使用して
選別することにより、食味値が一定値以上の良質粒を得
ていた。しかし、設置できる本グレーダの数には限りが
あり、きめ細かな選別目合の調節ができないので、この
本グレーダの選択は、良質粒の食味値が本来の目標食味
値よりやや高めになるように行う。従って、目標食味値
と良質粒の食味値との間に玄米の無駄が生じることがあ
りえる。そこでこの応用例の目的は、食味値が目標食味
値よりやや高めの良質粒に、食味値が目標食味値より低
い低質粒を適量だけ混入して、良質粒の食味値を本来の
目標食味値に一致させることにより、玄米全体を効率よ
く利用してその無駄防止を図ることにある。
【0043】図6に示すように、良質粒計量器14(図
2参照)に接続された昇穀機17の上端排出口に、分配
コンベア61を介して各階級の良質粒タンク62,6
3,64を接続する。しかして、本グレーダ11A〜1
1C(図2参照)で階級別に選別され食味値を計測され
た玄米を順次搬送して、各良質粒タンク62,63,6
4に階級別にそれぞれ収容する。そして基準食味値を上
回るタンク(例えばタンク64)から良質粒を取り出
す。次に基準食味値を下回るタンク62,63のうち、
粒径の大きいもの(タンク63)から順に玄米を取り出
して、先にタンク64より取り出した良質粒に配合す
る。ここで、各階級の玄米の粒径、及び各階級の玄米が
全体に占める重量割合が、例えば図7及び図8のような
分布の場合に、これに基いて基準食味値を下回るタンク
62,63からの玄米の混入量を決定すべく、中央処理
装置では以下のような演算が行われる。
【0044】いま、目標食味値を75とすると、図8の
表より、粒径1.80mm以上の玄米の平均食味値は7
7.1、重量は全体の70%である。また、粒径1.7
5mm以上の玄米の平均食味値は74.1である。このこ
とから、目標食味値75の玄米を得るには、粒径1.8
0mm以上のものに粒径1.75〜1.80mmのものを一
定割合配合させればよいことがわかる。この1.75〜
1.80mmの玄米の配合割合をχ[%]とすると、 70×77.1+χ×60=(70+χ)×75 ∴χ=9.8[%] すなわち、粒径1.80mm以上の全ての玄米に加えて、
粒径1.75〜1.80mmの玄米を、全玄米重量の9.
8%だけ混入すれば、全体の食味値は目標食味値の75
になることがわかる。
【0045】また、全玄米重量の9.8%の重量が粒径
1.75〜1.80mmの玄米に占める重量割合をX
[%]とすると、 X=(9.8/15)×100=65.3[%] となる。つまり、粒径1.75〜1.8mmの玄米のうち
の65.3%を、1.80mm以上の玄米に配合させれば
よい。なお、このときの歩留りは、9.8%だけ向上し
て70+9.8=79.8[%]となる。
【0046】この算出結果に基いて、粒径1.80mm以
上の玄米を収容するタンクの全量、および粒径1.75
〜1.80mmの玄米を収容するタンク63の収容量の
9.8%を、各タンクの図示しない定量排出装置(例え
ばロータリバルブ)を制御して排出する。
【0047】このようにこの応用例では、玄米全体を粒
径別に選別してそれぞれの食味値および重量値を検出
し、それら両検出値に基いて、どの粒径の玄米をどの割
合で配合すれば目標の食味値を得られるかを算出し、そ
の算出結果に従って各階級の玄米を配合して、目標食味
値どおりの玄米を得る構成とした。従って、目標食味値
と良質粒の食味値との間における玄米の無駄を解消でき
るので、歩留りの向上により玄米をさらに効率よく利用
することができる。また、良質米の食味値が目標食味値
どおりになることから、出荷段階における食味の均質化
を図れるという利点もある。
【0048】なお、この応用例では各階級の玄米の食味
値を検出し、検出した食味値に基いて配合比を決定して
いるが、この応用として、食味値の検出に代えて成分測
定器により各階級の食味関連成分(例えば蛋白質)の含
有率を検出し、各食味関連成分の含有率が所定の基準値
どおりになるように各階級の玄米を配合する構成とすれ
ば、出荷段階における食味管理をさらに精度よく行うこ
とができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明では、選別
すべき玄米の一部をサンプル粒として採取し、このサン
プル粒の内部品質の計測に基いて、全体の玄米の選別に
どの選別目合のグレーダを用いるかを指定する。従っ
て、従来は粒径の大小のみに基いて近似的にグレーダの
選択を行っていたのに対して、本発明ではグレーダの選
択に現実の内部品質値をも反映することができ、常に適
確な目合の選択が可能となる上、作業者の熟練も不要と
なるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のサンプル検査系を概略的
に示す系統図である。
【図2】第1実施例の玄米選別機を概略的に示す系統図
である。
【図3】複数種類の玄米における粒径と食味値との関係
を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例のサンプル検査系を概略的
に示す系統図である。
【図5】特定の玄米における食味値と歩留りとの関係を
示す図である。
【図6】本発明の応用例の良質粒タンクを示す系統図で
ある。
【図7】特定の玄米における粒径別の重量割合を示す分
布図である。
【図8】特定の玄米における粒径別の重量割合及び食味
値を示す図である。
【符号の説明】
6 サンプル検査系 11A,11B,11C 本グレーダ 16 食味計 27 サンプル用グレーダ 28A,28B,28C,28D 重量検出器 32 中央処理装置
フロントページの続き (72)発明者 藤岡 定和 茨城県稲敷郡阿見町大字阿見4818 井関 農機株式会社筑波研究所内 (72)発明者 高浪 豊幸 茨城県稲敷郡阿見町大字阿見4818 井関 農機株式会社筑波研究所内 (56)参考文献 特開 平3−201941(JP,A) 特開 昭63−20080(JP,A) 実開 昭62−13585(JP,U) 実開 平4−45576(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B07C 5/00 - 5/38 B07B 1/00 B07B 1/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 玄米の流路を切替装置により切替えて、
    前記玄米を選別目合の異なる複数種類のグレーダのうち
    いずれか一つに供給し、所定粒径以上と以下とに選別す
    る玄米選別機において、 前記玄米からサンプル粒を採取するサンプル採取手段
    と、 前記サンプル採取手段が採取したサンプル粒を、所定粒
    径以上と以下とに選別するサンプル粒径選別手段と、 前記サンプル粒径選別手段が選別した各階級のサンプル
    粒について、内部品質値をそれぞれ検出するサンプル内
    部品質検出手段と、 を備えてなる玄米選別機におけるグレーダ選択装置。
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