JP3172810U - 射出成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズルハウジングの内側を圧送される溶融樹脂の温度を適正な温度域に保ち、且つ上記ハウジングの外周面に巻き付けたヒータへの給電を適切に制御できるホットランナー型の射出成形装置を提供する。
【解決手段】内側に溶融樹脂の流路5を有し且つ外周面にヒータhが螺旋形状に巻き付けられたノズルハウジング6と、ヒータhの外周面側を覆う円筒形のヒータカバー16と、ヒータカバー16の射出口10側の部分(センサー取付リング)17に形成された凹穴22に先端部25が挿入された熱電対(測温手段)24と、ノズルハウジング6における射出口10側の部分7の外周面と面接触する内周面2fを有し、且つノズルハウジング6に接続したノズルチップ8aを囲む固定側入子2aとを、備え、ノズルハウジング6とセンサー取付リング17との間には、円筒形状の隙間sが位置している。
【選択図】図2
【解決手段】内側に溶融樹脂の流路5を有し且つ外周面にヒータhが螺旋形状に巻き付けられたノズルハウジング6と、ヒータhの外周面側を覆う円筒形のヒータカバー16と、ヒータカバー16の射出口10側の部分(センサー取付リング)17に形成された凹穴22に先端部25が挿入された熱電対(測温手段)24と、ノズルハウジング6における射出口10側の部分7の外周面と面接触する内周面2fを有し、且つノズルハウジング6に接続したノズルチップ8aを囲む固定側入子2aとを、備え、ノズルハウジング6とセンサー取付リング17との間には、円筒形状の隙間sが位置している。
【選択図】図2
Description
本考案は、ノズルハウジングの内側を圧送される溶融樹脂の温度を適正な温度域に保つと共に、上記ハウジングの外周面に巻き付けたヒータの温度制御を適切に行えるホットランナー型の射出成形装置に関する。
ノズルハウジングの内側を圧送される溶融樹脂を適正な温度域に保温するに際し、上記ハウジングの外周面に巻き付けるバンドヒータの設計を単純化し且つ取り付けを容易にするため、軸方向に沿ったスリットを有する円筒形状の内部スリーブにおける外周面の円周方向に沿って設けた凹み部にヒータをコイル形状に挿入し、該ヒータおよび内部スリーブの外側を外部スリーブで包囲したホットランナー型の射出生成機に用いるバンドヒータ取付け装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、前記ヒータに供給する加熱用の電力を適正化するため、前記ノズルハウジングの射出口(ノズル)側に径方向に沿って設けた凹穴に、熱電対の先端部を挿入し、該熱電対により測定された温度に基づいて、上電力が給電されている。しかし、上記ノズルハウジングの射出口の外周面には、該ハウジングを囲み且つ内部に冷却水が循環供給される固定側入子の内周面が面接触している。そのため、上記熱電対で測定される温度は、前記溶融樹脂の実際の温度よりも低くなって、過剰な電力が前記ヒータに給電される結果、過加熱された溶融樹脂は、金型のキャビティ内に充填された際に、例えば、褐色系を呈する樹脂焼けを生じるなど、成形すべき樹脂製品の品質を損なうことがある、という問題があった。
本考案は、背景技術で説明した問題点を解決し、ノズルハウジングの内側を圧送される溶融樹脂の温度を適正な温度域に保ち、且つ上記ハウジングの外周面に巻き付けたヒータへの給電を適切に制御できるホットランナー型の射出成形装置を提供する、ことを課題とする。
本考案は、前記課題を解決するため、熱電対などの測温手段の先端部をヒータカバーの射出口側の部分に配置し、該部分とノズルハウジングの外周面との間に円筒形の隙間を配置する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本考案の射出成形装置(請求項1)は、内側に溶融樹脂の流路を有し且つ外周面にヒータが螺旋形状に巻き付けられたノズルハウジングと、前記ヒータの外周面側を覆う円筒形のヒータカバーと、該ヒータカバーの射出口側の部分に先端部が配置された測温手段と、上記ノズルハウジングの射出口側の部分の外周面と面接触する内周面を有し、且つ前記ノズルハウジングの射出口側を囲む固定側入子とを、備え、上記ノズルハウジングとヒータカバーの射出口側の部分との間には、円筒形状の隙間が位置している、ことを特徴とする。
即ち、本考案の射出成形装置(請求項1)は、内側に溶融樹脂の流路を有し且つ外周面にヒータが螺旋形状に巻き付けられたノズルハウジングと、前記ヒータの外周面側を覆う円筒形のヒータカバーと、該ヒータカバーの射出口側の部分に先端部が配置された測温手段と、上記ノズルハウジングの射出口側の部分の外周面と面接触する内周面を有し、且つ前記ノズルハウジングの射出口側を囲む固定側入子とを、備え、上記ノズルハウジングとヒータカバーの射出口側の部分との間には、円筒形状の隙間が位置している、ことを特徴とする。
これによれば、測温手段の先端部が挿入されているヒータカバーの射出口側の部分とノズルハウジングとの間には、円筒形状の隙間が位置してるので、冷却水の循環路を内蔵する固定側入子にノズルハウジングの射出口側が面接触して冷却されても、該測温手段に対する当該冷却による温度降下の影響を抑制ないし低減できる。その結果、上記測温手段によって、ノズルハウジング内を保温するヒータの温度を正確に測定できるので、溶融樹脂の温度を保つための前記ヒータに給電すべき電力を適正化できる。従って、上記溶融樹脂の過加熱に起因する樹脂焼けなどの不具合の少ない樹脂製品を提供することが可能となる。
尚、前記ノズルハウジングの射出口側の部分には、該ノズルハウジングにネジで接続されるノズルチップを含む場合もある。
また、前記隙間は、例えば、約0.1mm(大体0.05〜0.5mm)である。
更に、前記測温手段は、熱電対のほか、これ以外の温度センサーも含む。
加えて、前記ヒータカバーの射出口側の部分とは、該カバー自体の射出口側の端部と、該ヒータカバーの射出口側に位置するセンサー取付リングとを含む。
また、前記隙間は、例えば、約0.1mm(大体0.05〜0.5mm)である。
更に、前記測温手段は、熱電対のほか、これ以外の温度センサーも含む。
加えて、前記ヒータカバーの射出口側の部分とは、該カバー自体の射出口側の端部と、該ヒータカバーの射出口側に位置するセンサー取付リングとを含む。
また、本考案には、前記ヒータカバーは、円筒形のカバー本体と射出口側のセンサー取付リングとからなり、前記測温手段の先端部は、カバー本体の射出口側の部分および上記センサー取付リングの少なくとも一方の径方向に沿って形成された凹穴に受け入れられるか、あるいは上記センサー取付リングの外周面に固着されている、射出成形装置(請求項2)も含まれる。
これによれば、例えば、前記測温手段の一種である熱電対の先端部を受け入れる凹穴を、上記センサー取付リングのスリーブ部分とヒータカバーの先端(射出口)側の部分との重複部、または上記センサー取付リングの厚肉部において、径方向に沿って最小限の深さを確保して配置できる。あるいは、測温手段の先端部を上記センサー取付リングの外周面に固着するだけで簡単にセットが可能となる。
これによれば、例えば、前記測温手段の一種である熱電対の先端部を受け入れる凹穴を、上記センサー取付リングのスリーブ部分とヒータカバーの先端(射出口)側の部分との重複部、または上記センサー取付リングの厚肉部において、径方向に沿って最小限の深さを確保して配置できる。あるいは、測温手段の先端部を上記センサー取付リングの外周面に固着するだけで簡単にセットが可能となる。
更に、本考案には、前記センサー取付リングの射出口側には、フロントリングがネジ結合され、該フロントリングと上記センサー取付リングとに挟まれた止め輪の内周縁が前記ノズルハウジングの外周面に形成されたリング溝に進入している、射出成形装置(請求項3)も含まれる。
これによれば、前記止め輪の内周縁がノズルハウジングの外周面に形成されたリング溝に進入しているので、センサー取付リングを含むヒータカバー、ヒータ、およびフロントリングの軸方向に沿った不用意な移動を阻止することができる。
また、本考案には、前記センサー取付リングには、径方向沿ってネジ結合しつつ移動可能な止めネジが貫通しており、該止めネジの先端は、上記センサー取付リングと前記ノズルハウジングとの間に前記隙間が形成されるように、上記ノズルハウジングの外周面に当接している、射出成形装置(請求項4)も含まれる。
これによれば、比較的簡単な構造によって、前記隙間を確保しつつ、センサー取付リングを含むヒータカバー、ヒータ、およびフロントリングの軸方向に沿った不用意な移動を容易に阻止することができる。
尚、前記止めネジは、少なくとも1個を必須とする。また、該止めネジの先端が当接するノズルハウジングの外周面には、リング浅溝を円周方向に沿って形成するか、あるいは1個または複数個の浅い凹みを形成することが望ましい。
これによれば、前記止め輪の内周縁がノズルハウジングの外周面に形成されたリング溝に進入しているので、センサー取付リングを含むヒータカバー、ヒータ、およびフロントリングの軸方向に沿った不用意な移動を阻止することができる。
また、本考案には、前記センサー取付リングには、径方向沿ってネジ結合しつつ移動可能な止めネジが貫通しており、該止めネジの先端は、上記センサー取付リングと前記ノズルハウジングとの間に前記隙間が形成されるように、上記ノズルハウジングの外周面に当接している、射出成形装置(請求項4)も含まれる。
これによれば、比較的簡単な構造によって、前記隙間を確保しつつ、センサー取付リングを含むヒータカバー、ヒータ、およびフロントリングの軸方向に沿った不用意な移動を容易に阻止することができる。
尚、前記止めネジは、少なくとも1個を必須とする。また、該止めネジの先端が当接するノズルハウジングの外周面には、リング浅溝を円周方向に沿って形成するか、あるいは1個または複数個の浅い凹みを形成することが望ましい。
加えて、本考案には、前記螺旋形状のヒータは、少なくとも該ヒータの前端部と後端部とが前記ヒータカバーの内周面に固着されていると共に、該ヒータの断面は、長軸が前記ノズルハウジングの軸方向に沿った長円形状、楕円形状、紡錘形状、あるいは矩形状である、射出成形装置(請求項5)も含まれる。
これによれば、前記ヒータが長円形断面などを呈し、且つ少なくとも両端部がヒータカバーの内周面に個着されているので、該ヒータが発する熱をノズルハウジングを介してその内側を流動する溶融樹脂に対し、比較的広い面積で効率良く熱伝達することができる。
これによれば、前記ヒータが長円形断面などを呈し、且つ少なくとも両端部がヒータカバーの内周面に個着されているので、該ヒータが発する熱をノズルハウジングを介してその内側を流動する溶融樹脂に対し、比較的広い面積で効率良く熱伝達することができる。
尚、前記の各固着には、例えば、ロウ付けが含まれるが、これに限定されない。
また、上記ロウ付けなどが可能のヒータは、ニクロム線などの外周側に絶縁性と耐熱性とを併有するカバー(例えば、酸化Mg、あるいはセラミック粉末を含有する金属チューブ)を被覆したものである。
更に、螺旋形状のヒータを断面長円形などにしてヒータカバーの内周面に配設するには、ステンレス鋼管などからなるヒータカバーの内側に予め長軸がノズルハウジングの軸方向に沿った断面長円形状で且つ螺旋形(コイル)状に巻き付けたヒータを挿入し、該ヒータの内側に挿入した芯金を軸方向に沿って強制的に移動させることで、各ヒータ線を更に塑性変形させて、上記ヒータの内径がノズルハウジングの外径にフィットし、且つ該ヒータの外径がヒータカバーの内周面に密着するように仕上げている。
また、上記ロウ付けなどが可能のヒータは、ニクロム線などの外周側に絶縁性と耐熱性とを併有するカバー(例えば、酸化Mg、あるいはセラミック粉末を含有する金属チューブ)を被覆したものである。
更に、螺旋形状のヒータを断面長円形などにしてヒータカバーの内周面に配設するには、ステンレス鋼管などからなるヒータカバーの内側に予め長軸がノズルハウジングの軸方向に沿った断面長円形状で且つ螺旋形(コイル)状に巻き付けたヒータを挿入し、該ヒータの内側に挿入した芯金を軸方向に沿って強制的に移動させることで、各ヒータ線を更に塑性変形させて、上記ヒータの内径がノズルハウジングの外径にフィットし、且つ該ヒータの外径がヒータカバーの内周面に密着するように仕上げている。
以下において、本考案を実施するための形態について説明する。
図1は、一形態の射出成形装置1aの概略を示す断面図、図2は、図1中における射出成形装置1aの要部を拡大した断面図である。尚、図1,2および後述する図3において、溶融樹脂が射出される射出口2c,10側を先端側と称する。
係る射出成形装置1aは、ホットランナー形式の射出成形機における固定側の装置であり、図1,図2に示すように、全体が円筒形状のノズルハウジング6と、該ハウジング6の外周面に螺旋形状に巻き付けたヒータhと、該ヒータhの外周面側を覆う円筒形のヒータカバー16と、を備えている。尚、図1中の符号hcは、上記ヒータhに電力を給電するための一対のリード線である。
前記ノズルハウジング6は、内側に円柱形を呈する溶融樹脂の流路5を有し、その中心部には、断面円形の棒状で且つ軸方向に沿って進退可能にスライドするバルブステム12が配置されている。該バルブステム12の先端側に位置する細径部14は、ノズルハウジング6の先端側7の雌ネジ部7aにネジ結合されたノズルチップ8aにおける先端側(の部分)9aの円錐形状に縮径された中心部に位置する射出口10と口述する固定側入子2aの射出口2cとの双方を開閉する。
尚、前記バルブステム12は、図1,2で右側である後端側に位置する図示しないエアシリンダなどによって軸方向に沿ってスライドされる。
図1は、一形態の射出成形装置1aの概略を示す断面図、図2は、図1中における射出成形装置1aの要部を拡大した断面図である。尚、図1,2および後述する図3において、溶融樹脂が射出される射出口2c,10側を先端側と称する。
係る射出成形装置1aは、ホットランナー形式の射出成形機における固定側の装置であり、図1,図2に示すように、全体が円筒形状のノズルハウジング6と、該ハウジング6の外周面に螺旋形状に巻き付けたヒータhと、該ヒータhの外周面側を覆う円筒形のヒータカバー16と、を備えている。尚、図1中の符号hcは、上記ヒータhに電力を給電するための一対のリード線である。
前記ノズルハウジング6は、内側に円柱形を呈する溶融樹脂の流路5を有し、その中心部には、断面円形の棒状で且つ軸方向に沿って進退可能にスライドするバルブステム12が配置されている。該バルブステム12の先端側に位置する細径部14は、ノズルハウジング6の先端側7の雌ネジ部7aにネジ結合されたノズルチップ8aにおける先端側(の部分)9aの円錐形状に縮径された中心部に位置する射出口10と口述する固定側入子2aの射出口2cとの双方を開閉する。
尚、前記バルブステム12は、図1,2で右側である後端側に位置する図示しないエアシリンダなどによって軸方向に沿ってスライドされる。
また、図1,図2に示すように、ヒータカバー16の先端側には、円筒形のスリーブ18を含むセンサー取付リング(先端側の部分)17がカシメなどにより固定され、当該センサー取付リング17の先端側には、断面がL字形状のフロントリング19がネジ結合されている。上記センサー取付リング17とノズルハウジング6の先端側(の部分)7との間には、円筒形状の隙間sが位置している。係る隙間sは、約0.05〜0.5mmである。
上記フロントリング19は、ノズルハウジング6の先端側7を上記と同じ隙間sを介して囲むリング部19aと、内周面に雌ネジを有する外筒部19bとからなる。係る外筒部19bの雌ネジとセンサー取付リング17の外周面に設けた雄ネジとがネジ結合している。センサー取付リング17とフロントリング19との間には、バネ鋼の薄板からなる止め輪20が挟まれ、該止め輪20の内周縁は、ノズルハウジング6の先端側7における外周面に設けたリング溝7bに進入している。係る止め輪20は、ヒータh、ヒータカバー16、およびセンサー取付リング17が不用意に先端および後端方向に沿って移動する事態を阻止している。
上記フロントリング19は、ノズルハウジング6の先端側7を上記と同じ隙間sを介して囲むリング部19aと、内周面に雌ネジを有する外筒部19bとからなる。係る外筒部19bの雌ネジとセンサー取付リング17の外周面に設けた雄ネジとがネジ結合している。センサー取付リング17とフロントリング19との間には、バネ鋼の薄板からなる止め輪20が挟まれ、該止め輪20の内周縁は、ノズルハウジング6の先端側7における外周面に設けたリング溝7bに進入している。係る止め輪20は、ヒータh、ヒータカバー16、およびセンサー取付リング17が不用意に先端および後端方向に沿って移動する事態を阻止している。
更に、図2に示すように、前記ヒータカバー16の先端側の外周面とセンサー取付リング17のスリーブ18の中間との間には、径方向に沿った凹穴22が穿設され、係る凹穴22には、熱電対(測温手段)24の先端部25が挿入されている。係る熱電対24の先端部25には、2種類の金属からなる接点が内蔵されている。
また、図1,図2に示すように、前記ノズルハウジング6の先端(射出口)側の部分7は、射出口2cと円錐形の内周面2eと円筒形の内周面2fと大径の中空部2dとを有する固定側入子2aに包囲され、先端側の部分7の外周面と内周面2fとは、面接触している。上記固定側入子2aの内部には、冷却水が循環して供給される複数の循環路2wが内蔵されている。係る固定側入子2aの後端側には、前記ノズルハウジング6やヒータカバー16を内蔵するための中空部4を有する筒形状の固定側入子取付板3が連設されている。
また、図1,図2に示すように、前記ノズルハウジング6の先端(射出口)側の部分7は、射出口2cと円錐形の内周面2eと円筒形の内周面2fと大径の中空部2dとを有する固定側入子2aに包囲され、先端側の部分7の外周面と内周面2fとは、面接触している。上記固定側入子2aの内部には、冷却水が循環して供給される複数の循環路2wが内蔵されている。係る固定側入子2aの後端側には、前記ノズルハウジング6やヒータカバー16を内蔵するための中空部4を有する筒形状の固定側入子取付板3が連設されている。
加えて、図1,図2に示すように、ヒータhは、断面において長軸がノズルハウジング6の軸方向にほぼ沿った楕円形状または長円形状を呈し、全体が螺旋形状に巻き付けられた両端部は、ヒータカバー16の内周面にロウ付け(固着)rされている。該ヒータhは、内側の中心部を貫通するニクロム線などの周囲を絶縁性の酸化Mgの外装管で被覆したものである。係るヒータhは、予め断面が軸方向に沿って長円形で且つコイル形状に巻き付けられており、前記ヒータカバー16の内側に挿入した後、該ヒータhが形成するコイルの内側に若干大径の芯金を強制的に通過させて、長円形の断面に更に塑性変形させているので、ノズルハウジング6にフィットする内径寸法とヒータカバー16に密着する外径寸法となっている。該ヒータhの両端部は、ロウ付けrされている。断面が長円形状の上記ヒータhは、ノズルハウジング6およびヒータカバー16に広い面積で接触している。
尚、前記ノズルハウジング6、ノズルチップ8a、バルブステム12、固定側入子2a、および固定側入子取付板3は、例えば、熱間工具鋼からなり、前記ヒータカバー16やセンサー取付リング17は、例えば、ステンレス鋼からなる。
尚、前記ノズルハウジング6、ノズルチップ8a、バルブステム12、固定側入子2a、および固定側入子取付板3は、例えば、熱間工具鋼からなり、前記ヒータカバー16やセンサー取付リング17は、例えば、ステンレス鋼からなる。
前記のような射出成形装置1aにおいて、前記ノズルハウジング6の流路5を後端側に隣接するマニホールド(図示せず)から先端側のノズルチップ8aの射出口10に向かって、PETなどの溶融樹脂が圧送されると、係る溶融樹脂の温度を所要の温度域に保つため、前記ヒータhに所定の電力が給電される。その結果、上記温度域にある溶融樹脂は、バルブステム12が後端側にスライドし、該ステム12の細径部14が固定側入子2aの射出口2cとノズルチップ8aの射出口10を開放した際に、先端側に隣接している金型(図示せず)のキャビティ内に充填される。
その間において、前記熱電対24の先端部25は、ヒータhに広く接触するヒータカバー16の温度を正確に検出できると共に、内側の上記溶融樹脂を含むノズルハウジング6の温度も上記ヒータカバー16およびセンサー取付リング17を介して比較的正確に測定できる。更に、熱電対24の先端部25を受け入れているヒータカバー16の先端側とカバーリング17のスリーブ18とは、前記循環路2wに冷却水が循環して供給される前記固定側入子2aの内周面2fに面接触するノズルハウジング6の先端側の部分7との間で、前記隙間sを設けている。
その間において、前記熱電対24の先端部25は、ヒータhに広く接触するヒータカバー16の温度を正確に検出できると共に、内側の上記溶融樹脂を含むノズルハウジング6の温度も上記ヒータカバー16およびセンサー取付リング17を介して比較的正確に測定できる。更に、熱電対24の先端部25を受け入れているヒータカバー16の先端側とカバーリング17のスリーブ18とは、前記循環路2wに冷却水が循環して供給される前記固定側入子2aの内周面2fに面接触するノズルハウジング6の先端側の部分7との間で、前記隙間sを設けている。
その結果、係る隙間sによって、ノズルハウジング6の先端側の部分7過冷却による影響をなくせるか、最小限に抑制できるので、熱電対24は、ヒータhおよびヒータカバー16の温度に近似した比較的正確な温度を検出することができる。従って、ヒータhへの供給すべき電力を適正化できるので、従来のような過誤測定により過大な電力をヒータhに給電することによって、樹脂焼けなどの不具合を有する樹脂製品を成形する事態を可及的に阻止することが可能となる。
しかも、ヒータhは、前記のような長円形状あるいは楕円形状の断面を有するため、ハウジング6との広い接触面積を通じて、流路5内を圧送される溶融樹脂に対し、効率良く熱伝達を行えるので、熱経済上の観点からも良好となる。
しかも、ヒータhは、前記のような長円形状あるいは楕円形状の断面を有するため、ハウジング6との広い接触面積を通じて、流路5内を圧送される溶融樹脂に対し、効率良く熱伝達を行えるので、熱経済上の観点からも良好となる。
図3は、前記射出成形装置1aとは異なる形態(オープンノズルタイプ)の射出成形装置1bを示す断面図である。
係る射出成形装置1bは、図3に示すように、前記同様のノズルハウジング6、ノズルチップ8b、ヒータh、ヒータカバー16、センサー取付リング17a、フロントリング19、止め輪20、固定側入子2b、および中空部4を含む固定側入子取付板3を備えている。
上記ノズルハウジング6内の流路5内には、前記のようなバルブステム12がなく、且つノズルチップ8bの先端側9bの外周面には、断熱材からなる円錐形状のチップインシュレータ9cが配置されている。
係る射出成形装置1bは、図3に示すように、前記同様のノズルハウジング6、ノズルチップ8b、ヒータh、ヒータカバー16、センサー取付リング17a、フロントリング19、止め輪20、固定側入子2b、および中空部4を含む固定側入子取付板3を備えている。
上記ノズルハウジング6内の流路5内には、前記のようなバルブステム12がなく、且つノズルチップ8bの先端側9bの外周面には、断熱材からなる円錐形状のチップインシュレータ9cが配置されている。
また、前記ノズルハウジング6の先端側(の部分)7と面接触する内周面2fを有する固定側入子2bは、上記チップインシュレータ9cの射出口10に隣接して射出口2gを有し、且つその周囲に前記同様の冷却水の循環路2wを内蔵している。更に、図3に示すように、前記センサー取付リング17aは、スリーブ18との間に厚肉の円環部18aを有しているので、熱電対24の先端部25を受け入れる凹穴22を所要の深さで容易に穿設することが可能である。
以上のような射出成形装置1bにおいても、熱電対24の先端部25を受け入れているヒータカバー16の先端側およびセンサー取付リング17のスリーブ18と、冷却水が循環路2wに循環供給される固定側入子2bの内周面2fに面接触するノズルハウジング6の先端側(の部分)7との間に、前記同様の隙間sを設けているので、ノズルハウジング6の先端側7の過冷却による影響をなくせるか、最小限に抑制できる。その結果、熱電対24が、ヒータhおよびヒータカバー16の温度に近似した比較的正確な温度を検出することに起因して、ヒータhへの供給すべき電力を適正化できるため、樹脂焼けなどの不具合のない樹脂製品を成形することが可能となる。
尚、前記センサー取付リング17aは、前記射出成形装置1aにも適用できる。
以上のような射出成形装置1bにおいても、熱電対24の先端部25を受け入れているヒータカバー16の先端側およびセンサー取付リング17のスリーブ18と、冷却水が循環路2wに循環供給される固定側入子2bの内周面2fに面接触するノズルハウジング6の先端側(の部分)7との間に、前記同様の隙間sを設けているので、ノズルハウジング6の先端側7の過冷却による影響をなくせるか、最小限に抑制できる。その結果、熱電対24が、ヒータhおよびヒータカバー16の温度に近似した比較的正確な温度を検出することに起因して、ヒータhへの供給すべき電力を適正化できるため、樹脂焼けなどの不具合のない樹脂製品を成形することが可能となる。
尚、前記センサー取付リング17aは、前記射出成形装置1aにも適用できる。
図4は、前記射出成形装置1a,1bとは更に異なる形態の射出成形装置1cを示す断面図である。
係る射出成形装置1cは、図4に示すように、前記同様のノズルハウジング6、ノズルチップ8b、ヒータh、ヒータカバー16、センサー取付リング17b、固定側入子2b、および中空部4を含む固定側入子取付板3を備えている。
上記センサー取付リング17bは、前記スリーブ18と幅広の厚肉部18aとのみからなる円環体であり、スリーブ18側でヒータカバー16と接続されている。係るセンサー取付リング17bの厚肉部18aには、径方向に沿ってネジ結合しつつ移動可能な止めネジ30が貫通している。該止めネジ30の先端は、ノズルハウジング6の外周面に円周方向に沿って形成したリング浅溝7cの底面に当接することで、センサー取付リング17bとのノズルハウジング6との間に前記同様の隙間sを形成すると共に、ヒータhやヒータカバー16の軸方向に沿った不用意な移動を阻止している。尚、上記止めネジ30は、図4に示したように、1個で良いが、2個以上を放射方向で対称な位置に配置しても良い。
係る射出成形装置1cは、図4に示すように、前記同様のノズルハウジング6、ノズルチップ8b、ヒータh、ヒータカバー16、センサー取付リング17b、固定側入子2b、および中空部4を含む固定側入子取付板3を備えている。
上記センサー取付リング17bは、前記スリーブ18と幅広の厚肉部18aとのみからなる円環体であり、スリーブ18側でヒータカバー16と接続されている。係るセンサー取付リング17bの厚肉部18aには、径方向に沿ってネジ結合しつつ移動可能な止めネジ30が貫通している。該止めネジ30の先端は、ノズルハウジング6の外周面に円周方向に沿って形成したリング浅溝7cの底面に当接することで、センサー取付リング17bとのノズルハウジング6との間に前記同様の隙間sを形成すると共に、ヒータhやヒータカバー16の軸方向に沿った不用意な移動を阻止している。尚、上記止めネジ30は、図4に示したように、1個で良いが、2個以上を放射方向で対称な位置に配置しても良い。
更に、図4に示すように、センサー取付リング17bの厚肉部18aにおいて、前記止めネジ30が貫通する位置と径方向で反対側の位置の外周面には、熱電対24の先端部25がロウ付けrにより固着されている。
以上のような射出成形装置1cによれば、熱電対24の先端部25がセンサー取付リング17bの外周面にロウ付けrで固着され、且つ該センサー取付リング17bとのノズルハウジング6との間に前記同様の隙間sを保つように止めネジ30がセンサー取付リング17bをネジ結合しつつ貫通しているので、ノズルハウジング6の先端側7の過冷却による影響をなくすか、最小限に抑制できる。その結果、熱電対24が、ヒータhおよびヒータカバー16の温度に近似した比較的正確な温度を検出することにより、ヒータhへの供給すべき電力を適正化できるため、樹脂焼けなどの不具合のない樹脂製品を成形することが可能となる。
しかも、止めネジ30は、熱電対24の先端部25がロウ付けrされるセンサー取付リング17bの外周面とは反対側の位置で、該リング17bを貫通しているので、ノズルハウジング6の先端側7の過冷却による影響を著しく低減できる。更に、構造が簡単で且つ構成部品を減らせるので、低コストで製作が可能となる。
尚、前記センサー取付リング17b、およびその外周面に対する熱電対24の先端部25のロウ付けは、前記射出成形装置1aにも適用できる。
以上のような射出成形装置1cによれば、熱電対24の先端部25がセンサー取付リング17bの外周面にロウ付けrで固着され、且つ該センサー取付リング17bとのノズルハウジング6との間に前記同様の隙間sを保つように止めネジ30がセンサー取付リング17bをネジ結合しつつ貫通しているので、ノズルハウジング6の先端側7の過冷却による影響をなくすか、最小限に抑制できる。その結果、熱電対24が、ヒータhおよびヒータカバー16の温度に近似した比較的正確な温度を検出することにより、ヒータhへの供給すべき電力を適正化できるため、樹脂焼けなどの不具合のない樹脂製品を成形することが可能となる。
しかも、止めネジ30は、熱電対24の先端部25がロウ付けrされるセンサー取付リング17bの外周面とは反対側の位置で、該リング17bを貫通しているので、ノズルハウジング6の先端側7の過冷却による影響を著しく低減できる。更に、構造が簡単で且つ構成部品を減らせるので、低コストで製作が可能となる。
尚、前記センサー取付リング17b、およびその外周面に対する熱電対24の先端部25のロウ付けは、前記射出成形装置1aにも適用できる。
本考案は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記ヒータは、断面がほぼ長方形の矩形状や、紡錘形状でも良い。
また、前記ヒータは、軸方向に沿った巻き付けピッチが一定でなく、両端部と中間部との間で、隣接するヒータ同士間のピッチに疎密の差があっても良い。
更に、本考案は、いわゆるエッジゲートノズルタイプの射出成形装置に適用することも可能である。
例えば、前記ヒータは、断面がほぼ長方形の矩形状や、紡錘形状でも良い。
また、前記ヒータは、軸方向に沿った巻き付けピッチが一定でなく、両端部と中間部との間で、隣接するヒータ同士間のピッチに疎密の差があっても良い。
更に、本考案は、いわゆるエッジゲートノズルタイプの射出成形装置に適用することも可能である。
本考案によれば、ノズルハウジングの内側を圧送される溶融樹脂の温度を適正な温度域に保ち、且つ上記ハウジングの外周面に巻き付けたヒータへの給電を適切に制御できるホットランナー型の射出成形装置を提供できると共に、健全な樹脂製品を確実に成形することが可能となる。
1a〜1c………………射出成形装置
2a,2b………………固定側入子
2c,2g………………射出口
5…………………………溶融樹脂の流路
6…………………………ノズルハウジング
7…………………………ノズルハウジングの先端側(の部分)
7b………………………リング溝
7c………………………リング浅溝
10………………………射出口
16………………………ヒータカバー
17,17a,17b…センサー取付リング
19………………………フロントリング
20………………………止め輪
22………………………凹穴
24………………………熱電対(測温手段)
25………………………熱電対の先端部
30………………………止めネジ
h…………………………ヒータ
s…………………………隙間
r…………………………ロウ付け/ロウ材(固着)
2a,2b………………固定側入子
2c,2g………………射出口
5…………………………溶融樹脂の流路
6…………………………ノズルハウジング
7…………………………ノズルハウジングの先端側(の部分)
7b………………………リング溝
7c………………………リング浅溝
10………………………射出口
16………………………ヒータカバー
17,17a,17b…センサー取付リング
19………………………フロントリング
20………………………止め輪
22………………………凹穴
24………………………熱電対(測温手段)
25………………………熱電対の先端部
30………………………止めネジ
h…………………………ヒータ
s…………………………隙間
r…………………………ロウ付け/ロウ材(固着)
Claims (5)
- 内側に溶融樹脂の流路(5)を有し且つ外周面にヒータ(h)が螺旋形状に巻き付けられたノズルハウジング(6)と、
上記ヒータ(h)の外周面側を覆う円筒形のヒータカバー(16)と、
上記ヒータカバー(16)の射出口(10)側の部分(16,17,17a,17b)に先端部(25)が配置された測温手段(24)と、
上記ノズルハウジング(6)の射出口(10)側の部分(7)の外周面と面接触する内周面(2f)を有し、且つ上記ノズルハウジング(6)の射出口(10)側の部分(7)を囲む固定側入子(2a,2b)とを、備え、
上記ノズルハウジング(6)とヒータカバー(16)の射出口(10)側の部分(16,17,17a,17b)との間には、円筒形状の隙間(s)が位置している、
ことを特徴とする射出成形装置(1a〜1c)。 - 前記ヒータカバー(16)は、円筒形のカバー本体(16)と射出口(10)側のセンサー取付リング(17,17a,17b)とからなり、前記測温手段(24)の先端部(25)は、カバー本体(16)の射出口側の部分および上記センサー取付リング(17,17a)の少なくとも一方の径方向に沿って形成された凹穴(22)に受け入れるか、あるいは上記センサー取付リング(17b)の外周面に固着(r)されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置(1a〜1c)。 - 前記センサー取付リング(17,17a)の射出口(10)側には、フロントリング(19)がネジ結合され、該フロントリング(19)と上記センサー取付リング(17,17a)とに挟まれた止め輪(20)の内周縁が前記ノズルハウジング(6)の外周面に形成されたリング溝(7b)に進入している、
ことを特徴とする請求項2に記載の射出成形装置(1a,1b)。 - 前記センサー取付リング(17b)には、径方向沿ってネジ結合しつつ移動可能な止めネジ(30)が貫通しており、該止めネジ(30)の先端は、上記センサー取付リング(17b)と前記ノズルハウジング(6)との間に前記隙間(s)が形成されるように、上記ノズルハウジング(6)の外周面に当接している、
ことを特徴とする請求項2に記載の射出成形装置(1c)。 - 前記螺旋形状のヒータ(h)は、少なくとも該ヒータ(h)の前端部と後端部とが前記ヒータカバー(16)の内周面に固着(r)されていると共に、該ヒータ(h)の断面は、長軸が前記ノズルハウジング(6)の軸方向に沿った長円形状、楕円形状、紡錘形状、あるいは矩形状である、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の射出成形装置(1a〜1c)。
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CN110315681A (zh) * | 2019-06-28 | 2019-10-11 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 一种燃气用高压导线散热套头的加工装置及加工方法 |
JP2022000355A (ja) * | 2021-10-05 | 2022-01-04 | 株式会社尾関ホットランナープラン | 射出成形装置 |
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