JP3172618B2 - 音波によるガス管内識別装置 - Google Patents

音波によるガス管内識別装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土壌の掘削工事などに
おいて、露出した導管がガス管か否かを識別するための
音波によるガス管内識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地中には都市ガスの供給管や上下水道管
などの導管が埋設されている。新たに土壌の掘削工事を
行うようなときには、埋設されているガス管が露出す
る。ガス管が露出したようなときには、危険防止のため
の保安処置を取る必要がある。しかしながら、掘削して
露出した導管がガス管であるか否かは識別が困難であ
る。
【0003】従来からの識別方法としては、電磁誘導
式パイプロケータによる方法と、穿孔による方法が取
られている。の方法では、ガス管に信号電流を流しな
がら、ガス管であることが確認されている地点から信号
電流によって発生する磁界を検出して、埋設管の位置を
追跡し、露出している導管に至ればガス管であると判断
する。の方法では、導管に直接孔をあけ、ガスが出て
くるか否かで確認する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】導管がガス管であるか
否かを識別するための方法としては、従来からは前述の
ように2つの方法が取られている。しかしながら、の
パイプロケータによる方法は、ガス管が他管と接触ある
いは近傍に配管されているとき、あるいは機能していな
い管が隣接しているようなときには、地図情報を基にす
るだけでは識別することができない。またの穿孔によ
る方法は、穿孔作業と、確認後の復旧作業が必要とな
り、決して効率的な方法ではない。さらに穿孔中にガス
が流出したりするので、避けたい方法である。
【0005】本発明の目的は、掘削して露出した導管が
ガス管か否かを現場で容易に識別することができる音波
によるガス管内識別装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガス管の外周
面に配置され、ガス管内に向けて音波を発信し、ガス管
内で反射された音波を受信する送受信手段と、ガス管の
外周面に、送受信手段と対向するように配置される受信
手段と、送受信手段からの受信出力に応答し、ガス管内
での音波の反射率を計測する反射率計測手段と、反射率
計測手段からの出力に応答して、反射率が最小となるよ
うに発信する音波の周波数を調整する周波数調整手段
と、受信手段からの出力に応答し、受信された音波の遅
れ時間に基づいてガス管内の媒質中での音速を算出する
音速算出手段とを含むことを特徴とする音波によるガス
管内識別装置である。
【0007】
【作用】本発明に従えば、ガス管の外周面には、送受信
手段と受信手段とが対向するように配置される。送受信
手段は、ガス管内に向けて音波を発信し、反射された音
波を受信する。反射率計測手段は、受信出力に応答し
て、ガス管内での音波の反射率を計測する。周波数調整
手段は、反射率が最小となるように発信する音波の周波
数を調整する。音速算出手段は、受信手段に受信された
音波の遅れ時間に基づいて、ガス管内の媒質中での音速
を算出する。ガス管内の音波の反射は、媒質とガス管と
の境界で起こり、反射率が最小となる条件で、媒質から
ガス管へのエネルギ透過率が最大となる。この条件は、
管の内径をL、管内の媒質中での波長をλ、管内の媒質
中での音速をc、音波の周波数をfとすると、次の第1
式で表される。
【0008】 L = mλ / 2 = mc / 2f …(1) ここで、mは正の整数である。この条件で、受信手段に
入力される音波の強度は最大となり、音速算出手段によ
って容易に遅れ時間を検出することができる。音速算出
手段は、遅れ時間に基づいてガス管内の媒質中の音速を
算出する。音速は媒質によって異なるので、算出された
音速の値から媒質を識別することができる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の概略的な構成を
示す。ガス管1の媒質2を識別するために、ガス管1の
外周面には送受波器10が配置される。送受波器10に
は、送波器11および受波器12が含まれる。ガス管1
の外周面で、軸線を挟んで対向する側には、受波器13
が配置される。送波器11は、周波数可変回路14によ
って駆動される。送波器11が駆動されると、ガス管1
に向かって音波が発信される。発信された送信波Ss
ガス管1の内周面などによって反射された反射波S
rは、受波器12に受信される。受波器12の出力およ
び周波数可変回路14からの出力は、反射率計測回路1
5に入力される。反射率計測回路15は、周波数可変回
路14からの出力に対する受波器12の受信出力を比較
し、反射率を計測する。タイマ16は、周波数可変回路
14が送波器11を駆動してから、受波器13にガス管
1を透過した透過波Stが受信されるまでの伝搬時間な
どを計時する。反射率計測回路15からの出力および受
波器13からの受信出力は、マイクロコンピュータを含
んで実現される制御回路20に入力される。制御回路2
0は、周波数可変回路14が送波器11を駆動する周波
数を制御する。制御回路20は、タイマ16によって、
透過波Stの時間遅れを計測し、媒質2内での音速を算
出する。送受波器10および受波器13は、圧電素子な
どを含むトランジューサであり、整合層21,22を介
してガス管1の外周面に接合される。
【0010】図2は、図1に示す制御回路20の動作を
示す。ステップa1から動作を開始し、ステップa2で
は周波数可変回路14を制御して、送波器11から音波
を発信させる。ステップa3では、反射率計測回路15
からの出力によって、反射率の測定値が零になったか否
かを判断する。反射率が零になっていないときは、ステ
ップa4に移り、周波数可変回路14を制御して、送波
器11から発信する音波の周波数を可変する。周波数可
変の後は、ステップa2に戻る。
【0011】ステップa3で反射率測定値が零になった
ときは、ステップa5で受波器13からの受信信号を処
理し、媒質2中の音速を算出する。ステップa6では、
算出された音速に基づいて媒質2のガスの種類を判別す
る。このようにしてステップa7で処理を終了する。
【0012】図3は、ガス管1内の音波の伝搬状態を示
す。大別して、ガス管1の内側の媒質2内を時間t1で
伝搬する音波と、ガス管1の管材質中を時間t2で伝搬
する音波とがある。たとえば、ガス管1の内径をL=1
5.5cmとし、周波数f=1096×m(Hz)とす
ると、常温での音波の伝搬時間として、次の表1の実験
結果が得られている。
【0013】
【表1】
【0014】以上のように、ガス管1の中や管の周囲を
まわりこんでくる音波の伝搬時間t2は管内の媒質2中
を伝搬する時間t1に比べて小さいので、時間的なフィ
ルタによって容易に分離することができる。また、管の
周囲や管の中をまわりこんでくる音波は、ガス管1内を
複数回巡回すれば媒質2中を伝搬する時間t1に近づ
く。しかしながら、繰返してガス管1内を伝搬する間に
減衰され、受信強度が小さくなる。ガス管1内での反射
率を最小にすれば、媒質2を伝搬した音波の方が受信強
度が大きくなり、受信レベルの違いによって容易に識別
することができる。
【0015】空気とガス管1の材料である鉄とは音響抵
抗が大きく違う。そのため通常では、外部からの音波は
ガス管1とガス表面との境界でほとんど反射してしま
う。しかし空気中での音速はほぼ3.4×102(m/
s)であり、ガスはその主体であるメタン(CH4)中
での音速4.5×102(m/s)に近い。このような
差があるので、音波を管内に伝搬させることができれ
ば、この差によって管内の媒質を識別することが可能に
なる。この識別を効率的に行うためには、外部から与え
た音波と管内の媒質とが共振を起こし、その結果音波の
透過率が大きくなる方がよい。管の内径をL、管内の媒
質であるガスあるいは空気中での波長をλ、その管内で
の音速をc、音波の周波数をfとすると、mを正の整数
として次の第2式の関係がある。
【0016】 L = mλ / 2 = mc / 2f …(2) 第2式を、周波数fについて書き直すと、次の第3式の
ようになる。
【0017】 f = mc / 2L …(3) ところが現実には音響インピーダンスが5桁程度違うた
め、透過率はLもしくはfに対して敏感であり、Lもし
くはfには同程度の精度が要求される。また、気体中で
は縦波しか存在しないけれども、固体中では横波や表面
波といった複数のモードが存在するので、信号処理が難
しくなる。このため本実施例では、第3式で求められる
周波数を中心としながら、Lの値のばらつきに対応する
ため、反射率をモニタしながら周波数を掃引することが
できる機構を備える。また、最初に受波器に到達する導
管表面を伝わってくる表面波や、導管を伝わってくる横
波を、導管の径に応じてマスクする処理や、送波と受波
との時間差から伝搬時間を算出する処理によって、媒質
2の物質の識別を行う。
【0018】図4は、図3に示す伝搬時間t1を測定す
る方法を示す。図4(a)は、周波数fが1kHz程度
であり、連続波を使用して送波と受波との位相差から伝
搬時間t1を求める。図4(b)では、1kHzよりも
はるかに高い周波数の数個の波を送波し、受波するまで
の遅れ時間として伝搬時間t1を求める。周波数が低い
ときには媒質2中での吸収が少なく、エネルギの伝達効
率が上がる。周波数が高いときには、指向性が上がり、
均一な縦波が発生するため、伝達効率が上がる。また周
波数の微調整もしやすい。これらの点を総合して、最も
効率が高くなる周波数を選ぶ。
【0019】また、媒質2がガスや空気以外の物質であ
っても、識別は可能である。むしろ水などの液体は、ガ
スや空気などの気体とは大きく物性が異なるので、音速
も異なる。したがってガス管と水道管との識別は容易で
ある。
【0020】図5は、図1の実施例の動作原理を説明す
るための図である。ガス管であるI層からガスまたは空
気の媒質が充填されている中間層であるII層を介して
ガス管であるIII層へのエネルギ透過率をTとする
と、次の第4式が導かれる。
【0021】
【数1】
【0022】ここで、Z1,Z2,Z3は、I層,II
層,III層の固有音響抵抗をそれぞれ表す。また中間
層における音速をc2、中間層の厚みをL、音波の周波
数をfとして、θ2は次の第5式で定義される。
【0023】
【数2】
【0024】第4式および第5式から、θ2は、tan
θ2の絶対値が無限大になること、すなわちθ2がπ/
2の整数倍であることが必要となり、前述の第2式の関
係が導かれる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガス管内
に音波を発信して、ガス管内の媒質中の音速を算出し、
算出された音速から媒質を識別することができる。これ
によって、ガス管がガス供給用に使用されているか、あ
るいは単に空気など他の気体が存在しているだけなのか
を容易に識別することができる。また、水道管など、ガ
スとは音速が非常に異なる物質が媒質であるときには、
さらに容易に識別することができる。このような識別の
ためには、電磁誘導式パイプロケータや配管図によるガ
ス管路の追跡や、穿孔の必要がないので、迅速に管内識
別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略的な電気的構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1の制御回路20の処理を示すフローチャー
トである。
【図3】ガス管を伝搬する音波の状態を示す断面図であ
る。
【図4】図1の実施例によって測定される音波の状態を
示すタイムチャートである。
【図5】図1の実施例の原理を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 ガス管 2 媒質 10 送受波器 11 送波器 12,13 受波器 14 周波数可変回路 15 反射率計測回路 16 タイマ回路 20 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−3659(JP,A) 特開 昭63−285463(JP,A) 特開 昭51−104891(JP,A) 特開 平4−194663(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス管の外周面に配置され、ガス管内に
    向けて音波を発信し、ガス管内で反射された音波を受信
    する送受信手段と、 ガス管の外周面に、送受信手段と対向するように配置さ
    れる受信手段と、 送受信手段からの受信出力に応答し、ガス管内での音波
    の反射率を計測する反射率計測手段と、 反射率計測手段からの出力に応答して、反射率が最小と
    なるように発信する音波の周波数を調整する周波数調整
    手段と、 受信手段からの出力に応答し、受信された音波の遅れ時
    間に基づいてガス管内の媒質中での音速を算出する音速
    算出手段とを含むことを特徴とする音波によるガス管内
    識別装置。
JP07237393A 1993-03-30 1993-03-30 音波によるガス管内識別装置 Expired - Fee Related JP3172618B2 (ja)

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JP5430533B2 (ja) * 2010-10-19 2014-03-05 株式会社神戸製鋼所 表面皮下欠陥検出方法及びその装置
JP6703775B2 (ja) * 2016-05-20 2020-06-03 国立研究開発法人産業技術総合研究所 音波伝搬長測定方法、及び音波伝搬長測定装置

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