JPH07229876A - 音波による導管内ガスの識別方法 - Google Patents

音波による導管内ガスの識別方法

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JPH07229876A
JPH07229876A JP6024489A JP2448994A JPH07229876A JP H07229876 A JPH07229876 A JP H07229876A JP 6024489 A JP6024489 A JP 6024489A JP 2448994 A JP2448994 A JP 2448994A JP H07229876 A JPH07229876 A JP H07229876A
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JP
Japan
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conduit
wave
signal
sound wave
resonance frequency
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JP6024489A
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English (en)
Inventor
Jitsuo Koyabu
実男 小▲籔▼
Yoshito Manabe
義人 真鍋
Shozo Odera
昭三 大寺
Masakazu Yokoo
雅一 横尾
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 掘削して露出した導管がガス管か否かを現場
で容易に識別する。 【構成】 信号発生装置5によって送波器3が駆動され
ると、導管1に向かって、導管1の共振周波数で振動す
る音波がパルス状に1μ秒間発信される。発信された送
信波S1のうち、一部の音波は透過波Stとして導管1
内を透過する。導管1の共振周波数から予め定める周波
数だけずれた周波数で振動する音波が同様に発信され
る。発信された送信波S2は、導管1の表面および管材
質中を伝搬する。送信波S1,S2は受波器4で受信さ
れる。受信信号は、それぞれ信号増幅器6を介して信号
解析装置7に入力される。信号解析装置7で、上記2つ
の入力結果の差がとられ、導管1内を透過する透過波S
tの信号のみが検出される。同時に、透過波Stの時間
遅れを計測し、媒質2内での音速を算出する。音速の違
いから、媒質2を特定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土壌の掘削工事などに
おいて、露出した導管がガス管として使用中か否かを識
別するための音波による導管内ガスの識別方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】地中には都市ガスの供給管や上下水道管
などの導管が埋設されている。新たに土壌の掘削工事を
行うようなときには、埋設されているガス管が露出す
る。ガス管が露出したようなときには、危険防止のため
の保安処置を取る必要がある。しかしながら、掘削して
露出した導管がガス管であるか否か、さらに使用中の活
管であるか否かは識別が困難である。
【0003】従来からの識別方法としては、電磁誘導
式パイプロケータによる方法と、穿孔による方法が取
られている。の方法では、導管に信号電流を流しなが
ら、ガス管であることが確認されている地点から信号電
流によって発生する磁界を検出して、埋設管の位置を追
跡し、露出している導管に至ればガス管であると判断す
る。の方法では、導管に直接孔をあけ、ガスが出てく
るか否かで確認する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】導管がガス管であるか
否かを識別するための方法としては、従来から前述のよ
うに2つの方法が取られている。しかし、のパイプロ
ケータによる方法は、ガス管が別の管と接触あるいは近
傍に配管されているとき、あるいは機能していない管が
隣接しているようなときには、地図情報を基にするだけ
では識別することができない。また導管の追跡中に、埋
設管の地上位置に建設物がある場合には、追跡は困難と
なる。の穿孔による方法は、穿孔作業と、確認後の復
旧作業とが必要となり、決して効率的な方法ではない。
さらに穿孔中にガスが流出したりするので、避けたい方
法である。
【0005】本発明の目的は、掘削して露出した導管が
ガス管か否かを現場で容易に識別することができる音波
による導管内ガスの識別方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、導管の管厚を
音波を用いて測定し、測定した管厚に基づいて導管の共
振周波数を算出し、共振周波数で振動する音波と予め定
める周波数だけ前記共振周波数からずれた周波数で振動
する音波とを、導管の外周面上から導管内に向けて発信
し、発信位置と対向する外周面上で音波を受信し、前記
共振周波数の信号と前記共振周波数からずれた周波数の
信号との差から導管内を伝搬した透過信号を検出し、検
出された透過信号の伝搬時間を求めて、導管内ガスの識
別を行うことを特徴とする音波による導管内ガスの識別
方法である。
【0007】また本発明は、導管の管厚を音波を用いて
測定し、測定した管厚に基づいて導管の共振周波数を算
出し、共振周波数で振動する音波と予め定める周波数だ
け共振周波数からずれた周波数で振動する音波とを、導
管の外周面上から導管内に向けて発信し、発信位置とを
対向する側の導管の内周面で反射する音波を発信位置で
受信し、前記共振周波数の信号と前記共振周波数からず
れた周波数の信号との差から導管内を伝搬した反射信号
を検出し、検出された反射信号の時間を求めて、導管内
ガスの識別を行うことを特徴とする音波による導管内ガ
スの識別方法である。
【0008】
【作用】本発明に従えば、2種類の音波を導管の外周面
上から導管内に向けて発信する。1つは、導管の共振周
波数で振動する音波であり、もう1つは前記共振周波数
から予め定める周波数だけずれた周波数で振動する音波
である。導管内の気体と鋼とは音響抵抗が大きく異なる
ため、導管外部からの音波は、管と気体との界面におい
てほとんど反射する。導管の共振周波数の音波は、導管
を共振させ、界面を透過する。前記導管の共振周波数を
求めるためには、導管の管厚を音波を用いて測定する。
測定した管厚に基づいて導管の共振周波数が算出され
る。
【0009】導管の共振周波数で振動する音波は、導管
の表面または管材質中を伝搬するとともに、導管内側の
媒質内を透過する。導管の共振周波数から予め定める周
波数だけずれた周波数で振動する音波は、導管内側の媒
質内を透過せず、導管の表面または管材質中のみを伝搬
する。前記両者の音波を発信位置と対向する導管の外周
面上で受信する。受信された前記共振周波数の信号と、
前記共振周波数からずれた周波数の信号との差をとれ
ば、音波が導管内側の媒質内を透過する透過信号を検出
することができる。検出された透過信号に対応する音波
の音速は、導管内側の媒質の種類によって異なる。透過
信号の伝搬時間を基にして、媒質中を伝搬する音波の音
速を求めることによって、導管内ガスの識別を行うこと
ができる。
【0010】また本発明に従えば、2種類の音波を導管
の外周面上から導管内に向けて発信する。1つは、導管
の共振周波数で振動する音波であり、もう1つは前記共
振周波数から予め定める周波数だけずれた周波数で振動
する音波である。導管の共振周波数で振動する音波は、
導管内側の媒質内を透過し、発信位置と対向する側の導
管の内周面で反射する。導管の共振周波数から予め定め
る周波数だけずれた周波数で振動する音波は、導管内側
の媒質内を透過せず、導管の表面または管材質中のみを
伝搬する。前記両者の音波を発信位置で受信する。受信
された前記共振周波数の信号と、前記共振周波数からず
れた周波数の信号との差をとれば、導管内側の媒質内を
通過し導管の内周面で反射される反射信号を検出するこ
とができる。検出された反射信号に対応する音波の音速
は、導管内側の媒質の種類によって異なる。透過信号の
伝搬時間を測定し、媒質中を伝搬する音波の音速を求め
ることによって、導管内ガスの識別を行うことができ
る。
【0011】また、反射信号を発信位置で受信するの
で、送受信を1ケ所で行うことができる。したがって、
導管の内周面の一部のみを露出させるだけで、導管内ガ
スの識別を行うことができる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の概略的な構成を
示す。導管1の媒質2を識別するために、導管1の外周
面には送波器3が配置される。導管1の外周面で、軸線
を挟んで対向する側には、受波器4が配置される。送波
器3は、信号発生装置5によって駆動される。送波器3
が駆動されると、導管1に向かって導管1の共振周波数
で振動する音波がパルス状に1μ秒間発信される。発信
された送信波S1のうち、一部の音波は横波または表面
波Shとして導管表面または管材質中を伝搬するが、一
部の音波は、透過波Stとして導管1内を透過する。受
波器4からの受信出力は、信号増幅器6で増幅される。
音波Shは、導管の管体を伝送媒体として伝わる。音波
Stは、媒質2を伝送媒体として伝送し、受波器4で受
信される。その後、マイクロコンピュータなどの演算処
理回路を含んで実現される信号解析装置7に入力され
る。
【0013】導管1の共振周波数から予め定める周波数
だけずれた周波数で振動する音波が、同様に発信され
る。発信された送信波S2は、横波または表面波Shと
して、導管1の表面および管材質中を伝搬して受波器4
に受信される。受波器4からの受信出力は、信号増幅器
6を介して信号解析装置7に入力される。信号解析装置
7では、上記2つの入力結果の差がとられ、導管1内を
透過する透過波Stの信号のみが検出される。
【0014】信号解析装置7は、透過波Stの時間遅れ
を計測し、媒質2内での音速を算出する。算出された音
速から媒質2を特定することができる。送波器3および
受波器4は、圧電素子などを含むトランジューサであ
り、シリコンゴムなどの整合層9.10を介して導管1
の外周面に接合される。送波器3および受波器4は、導
管1の外周面で軸線を挟んで対向させて配置される。し
たがって、送波器3から発信され、受波器4で受信され
る音波が導管1内を透過する経路は最短となる。こうし
て音波の減衰を最小にして、受波器4で受信される音波
の信号強度を最大にすることができる。
【0015】空気と導管1の材料である鋼とは音響抵抗
が大きく違う。そのため通常では、外部からの音波は導
管1とガス表面との境界でほとんど反射してしまう。し
かし空気中での音速はほぼ3.4×102 (m/s)で
あり、ガスはその主体であるメタン(CH4)中での音
速4.5×102(m/s)に近い。このような差があ
るので、音波を管内に伝搬させることができれば、この
差によって管内の媒質を識別することが可能になる。外
部から与えた音波と導管1とが共振を起こすとき、音波
が導管1内を伝搬する。
【0016】具体的には、導管の厚さをd、音波の波長
をλ、音波の周波数をf、導管1の管材質中での音速を
cとすると,mを正の整数とし次の第1式が成立すると
き音波が管内を透過する。
【0017】 d = mλ / 2 = mc / 2f …(1) 第1式を周波数fについて書き直すと、次の第2式のよ
うになる。
【0018】 f = mc / 2d …(2) ところが現実には音響抵抗が5桁程度違うため、透過率
はdまたはfに対して敏感であり、dまたはfには同程
度の精度が要求される。また、気体中では縦波しか存在
しないけれども、固体中では横波や表面波といった複数
のモードが存在するので、信号処理が難しくなる。この
ため本実施例では、第2式で表わされる導管の共振周波
数を求めるため、導管の厚さを音波を用いて測定する。
測定した管厚に基づいて、導管の共振周波数が第2式か
ら算出される。次に、算出された共振周波数で振動する
音波、および共振周波数から予め定める周波数だけずれ
た周波数で振動する音波を導管1内に向けて発信する。
受信された両者の音波の差をとることによって、導管1
内の透過波を検出する。送波と受波との時間差から伝搬
時間を算出する処理によって、導管1内を伝搬する透過
波の速度を求め、媒質2の物質の識別を行う。
【0019】さらに、送波器3または受波器4と導管と
の間に整合層9,10を設ける。整合層9,10には、
音響抵抗が空気よりも大きく導管の材質である鋼よりも
小さい物質を用いる。整合層9,10の物質として、た
とえば表1の物質が用いられる。
【0020】
【表1】
【0021】この中でも、シリコンゴムは固体であるた
め、整合層の厚さを特定し易いなどの利点を有し、使用
されやすい。整合層9,10を設けることによって、導
管内に入射できる音波の周波数帯域を広げることができ
る。これによって、導管の厚さdが微妙に変化しても、
音波を送波器3から導管1内に容易に入射させることが
できる。
【0022】本実施例において、整合層9,10にシリ
コンゴムを用いた場合、導管の共振周波数±3kHzで
振動する音波が導管1内を透過することができた。これ
によって、管厚が約1%変化しても音波を導管1内に透
過させることができ実用的測定ができる。
【0023】図2は、導管1の共振周波数で振動する音
波の信号強度を示すグラフである。図2は、導管の直径
600mm、管厚10mmのとき、共振周波数290k
Hzを中心に半値幅10kHzの帯域幅をもつ音波を、
パルス状に10μ秒間発信させたときの受信結果を表
す。導管1の共振周波数で振動する音波は、管内の媒質
中を透過する。しかし、前記音波には導管表面および管
材質中を伝搬する横波および表面波も含まれている。そ
のため、図2に示される信号には、管内を透過する音波
の信号以外にも、導管表面および管材質中を伝搬する音
波の信号が含まれる。
【0024】図3は、導管1の共振周波数から予め定め
る周波数だけずれた周波数で振動する音波の受信信号強
度を示すグラフである。図3は、共振周波数290kH
zに対し、予め定める周波数30kHzだけずれた周波
数320kHzを中心に半値幅10kHzの帯域幅をも
つ音波を、パルス状に10μ秒間発生させたときの受信
結果を表す。受信される音波は、導管の共振周波数で振
動していないため、導管内を透過せず、導管表面および
管材質中のみを伝搬する。
【0025】そこで、図2に示される信号から図3に示
される信号を差し引けば、図4に示されるように導管1
内を透過する信号のみが得られる。
【0026】図5は、信号解析装置7内部の構成を示す
ブロック図である。導管1の共振周波数で振動する音波
の受信信号が信号解析装置7に入力される。受信信号は
フィルタ11を透過する。フィルタ11で、共振周波数
以外の余分な周波数で振動する音波の信号が除去され
る。受信信号はアナログデジタル変換回路(「A/D変
換回路」という)12でデジタル信号に変換された後、
メモリ13に記憶される。なお、予めメモリ13には、
各物質中での音速データが記憶される。
【0027】次に、導管の共振周波数から予め定める周
波数だけずれた周波数で振動する音波の受信信号が信号
解析装置7に入力される。この受信信号も同様に、フィ
ルタ11、A/D変換回路12を介してメモリ13に記
憶される。演算処理回路14で、メモリ13に記憶され
ている両者の信号の差がとられる。この差をとることに
よって、導管1の媒質内を透過する音波の透過信号を検
出することができる。演算処理回路14では、透過信号
の検出と同時に透過波Stの時間の遅れを計測し、媒質
内での音速を算出する。ガス種判別回路15で、メモリ
13に記憶されているデータと算出された音速とが比較
され、導管1内のガス種の判別が行われる。
【0028】本実施例を用いた測定結果によれば、導管
1の媒質が空気であるときの音波の伝搬時間は約1.7
6m秒、メタンガスであるときの音波の伝搬時間は約
1.33m秒となった。この伝搬時間の違いを基に算出
した音波の導管内伝搬速度の違いから、ガス種を判別す
ることができる。
【0029】図6は、本発明の他の実施例の概略的な構
成を示す。図1に示される実施例と同一の構成部分には
同一の参照符号を付す。図1の実施例と異なる点は、導
管1の外周面上の1点で音波を発信し、導管1内を透過
して導管1の内周面で反射された音波を発信位置で受信
する点である。導管1の外周面上の1点に、シリコンゴ
ムなどの整合層9を介して信号発生装置25が接合され
る。信号発生装置25には、送波器および受波器が含ま
れる。送波器から導管の共振周波数で振動する音波が、
導管1内に向かって発信される。発信された送信波S1
のうち、一部の音波は導管1の表面および管材質中を横
波または表面波Shとして伝搬する。残りの音波は管内
を通過し、導管の内周面で反射される。この反射された
反射波Srを音波の発信位置で受波器によって受信す
る。
【0030】導管の共振周波数から予め定める周波数だ
けずれた周波数で振動する音波も、同様に信号発生装置
25内の送波器および受波器で送受信される。この音波
は、導管1の表面および管材質中を横波または表面波S
hとして伝搬し、導管をまわり込んで音波の発信位置で
受信される。2種類の周波数で振動する音波の受信信号
は、それぞれ信号増幅器6で増幅された後、信号解析装
置7に入力される。信号解析装置7で、実施例1と同様
の信号処理が行われ、反射波Srのみが検出される。同
時に、信号発生装置25では反射波Srの遅れ時間が測
定され、管内を通過する音波の音速が算出される。
【0031】本実施例を用いた測定結果によれば、導管
1内の媒質が空気であるときの音波の伝搬時間は約3.
52m秒、メタンガスであるときの音波の伝搬時間は約
2.66m秒となった。
【0032】本実施例によれば、音波の送受信を1ケ所
で行うので、測定を行うにあたり、導管表面の一部のみ
を露出するだけでよい。このため、実施例1の場合より
も測定作業を簡易なものにすることができる。
【0033】ただし、本実施例では管内の反射波Srを
受信するので、導管内を通過する音波の往復経路を計測
することになる。したがって、音波の減衰は実施例1の
場合に比べ大きい。このため、実施例1の方が信号強度
が大きい音波を受信することができる点で有利である。
【0034】図7は、本発明のさらに他の実施例の構成
を示す。前述の実施例と同一の構成部分には同一の参照
符号を付す。本実施例では、予め行っておく導管の管厚
測定と、導管内ガスの判別測定とを一時に行うことがで
きる。本実施例では、導管内ガスの識別方法として、実
施例2で示される方法を用いているが、実施例1で示さ
れる方法を用いてもよい。
【0035】ガス判別用装置31には信号発生装置と信
号増幅器と信号解析装置とが含まれる。管厚測定用装置
32は、マイクロコンピュータなどの処理回路を含んで
実現される。送波器33および受波器34は、導管1表
面上にシリコンゴムなどの整合層9を介して接合され
る。送波器33および受波器34は、導管1表面上に所
定の間隔をあけて配置される。
【0036】管厚測定用装置32からの応答に従い、ガ
ス判別用装置31内の信号発生装置は、送波器33を駆
動する。送波器33から発生された任意の周波数で振動
する音波S3は、整合層9および導管1の管材質中を通
過する。この音波S3は、入射した側の導管の内周面で
反射し、再び管材質中および整合層9を通過して受波器
34で受信される。受信された音波S3は、管厚測定用
装置32に入力される。管厚測定用装置32では、整合
層9の厚み、物質の音響抵抗、物質中での音速、整合層
9および導管1に入射する音波の屈折角などを基に、導
管1の厚みが算出される。なお、整合層9にエタノール
などの液体を用いる場合には、整合層9の厚みは実際に
は導管1の厚みに比べて薄く、その影響は小さいと考え
られる。導管1の厚みが算出されると、導管1の共振周
波数を算出することができる。この算出結果はガス判別
用装置31へ送信される。
【0037】ガス判別用装置31は送波器33を駆動し
て導管1の共振周波数で振動する音波を発信する。この
音波は、導管1内を通過し、導管1の軸線と対向する側
の導管の内周面で反射される。この反射波Srは、受波
器34で受信されガス判別用装置31に入力される。
【0038】導管1の共振周波数から予め定める周波数
だけずれた周波数で振動する音波が、同様に送波器33
から発信される。この音波は導管1の表面および管材質
中を伝搬し、導管1をまわり込んで受波器34で受信さ
れガス判別用装置31に入力される。ガス判別用装置3
1の中の信号解析装置7で、両者の音波の入力結果が処
理され、導管1の媒質中の音速が算出される。音速の違
いから、導管1内のガス種を判別することができる。
【0039】媒質2がガスや空気以外の物質であって
も、識別は可能である。むしろ水などの液体は、ガスや
空気などの気体とは大きく物性が異なるので、音速も異
なる。したがって、ガス管と水道管との識別は容易であ
る。
【0040】さらに、管厚測定装置を使い信号強度を精
度良く測定することによって、管内のガス圧力の変化に
伴う透過信号強度の変化を検出することができるので、
ガス圧力の測定にも適用できる。
【0041】また、導管1内の温度条件などを考慮すれ
ば、音速を温度補正することでより正確に本発明の測定
を行うことができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、導管内側の媒質中を透
過する音波の透過信号を検出し、検出された透過信号の
伝搬時間から、導管内側の媒質中の音速を算出する。し
たがって、算出された音速の違いから媒質を識別するこ
とができる。これによって、導管がガス供給用に使用さ
れているか、または単に空気など他の気体が存在してい
るだけなのかを容易に識別することができる。また水道
管など、ガスとは音速が非常に異なる液体などの物質が
媒質であるときには、さらに容易に識別することができ
る。このような識別のために、電磁誘導式パイプロケー
タや配管図によるガス管の追跡や、穿孔の必要がないの
で、迅速に管内識別を行うことができる。
【0043】また本発明によれば、導管内側の媒質中を
通過し、導管の内周面で反射される反射信号の伝搬時間
から、導管内側の媒質中の音速を算出する。したがっ
て、算出された音速の違いから媒質を識別することがで
きる。反射信号を発信位置で受信して、送受信を1ケ所
で行うので、導管の外周面の一部のみを露出させるだけ
で、容易に導管内ガスの識別を行うことができる。この
ため、導管内ガスを識別するための作業性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略的な電気的構成を示す
ブロック図である。
【図2】導管1の共振周波数で振動する音波の受信信号
強度を示すグラフである。
【図3】導管1の共振周波数から予め定める周波数だけ
ずれた周波数で振動する音波の受信信号強度を示すグラ
フである。
【図4】導管1内を透過する音波の信号強度を示すグラ
フである。
【図5】信号解析装置7内部の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】本発明の他の実施例の概略的な電気的構成を示
すブロック図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例の概略的な電気的構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 導管 2 媒質 3,33 送波器 4,34 受波器 5,25 信号発生装置 6 信号増幅器 7 信号解析装置 8 タイマ 9,10 整合層 31 ガス判別用装置 32 管厚測定用装置
フロントページの続き (72)発明者 横尾 雅一 京都府京都市西京区山田平尾町43番1 ダ イアパレスロイヤル京都桂508号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導管の管厚を音波を用いて測定し、 測定した管厚に基づいて導管の共振周波数を算出し、 共振周波数で振動する音波と予め定める周波数だけ前記
    共振周波数からずれた周波数で振動する音波とを、導管
    の外周面上から導管内に向けて発信し、 発信位置と対向する外周面上で音波を受信し、 前記共振周波数の信号と前記共振周波数からずれた周波
    数の信号との差から導管内を伝搬した透過信号を検出
    し、 検出された透過信号の伝搬時間を求めて、導管内ガスの
    識別を行うことを特徴とする音波による導管内ガスの識
    別方法。
  2. 【請求項2】 導管の管厚を音波を用いて測定し、 測定した管厚に基づいて導管の共振周波数を算出し、 共振周波数で振動する音波と予め定める周波数だけ共振
    周波数からずれた周波数で振動する音波とを、導管の外
    周面上から導管内に向けて発信し、発信位置とを対向す
    る側の導管の内周面で反射する音波を発信位置で受信
    し、 前記共振周波数の信号と前記共振周波数からずれた周波
    数の信号との差から導管内を伝搬した反射信号を検出
    し、検出された反射信号の時間を求めて、導管内ガスの
    識別を行うことを特徴とする音波による導管内ガスの識
    別方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003066015A (ja) * 2001-08-21 2003-03-05 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd アコーステックエミッション法における信号処理方法
JP2010517025A (ja) * 2007-01-26 2010-05-20 エレクトリシテ・ドゥ・フランス ハウジング内の気体圧力及び/又はモル質量の測定法と測定アセンブリ
JP2015090281A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 超音波測定方法および装置
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JP2020106343A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 気体音速の算出方法および算出装置

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