JP4335062B2 - 地中にある埋設管の探査方法および探査装置 - Google Patents
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従ってこの方法では、地中埋設管が基本的に導電性を有しないと適用できず、地中埋設管が導電性を有さない樹脂製管などの場合には予め地中埋設管に沿って導電性を有するロケーティングワイヤを埋設しておかなければならない。しかも、何らかの理由によりロケーティングワイヤが切断されたときには探査不能になってしまう不具合があった。加えて、この電磁誘導法では近接した他の金属製埋設管を誤って探査してしまうことがある(特許文献1参照)。
また、第二の手段である地中埋設管の探査方法は、探査したい地中埋設管付近の露出した立管部分から地中埋設管に音波を伝播することにより当該地中埋設管を振動させ、該地中埋設管の振動を地表面で検知することにより当該地中埋設管を探査する地中埋設管の探査方法であって、前記地中埋設管の振動を複数個の振動センサで検知し、これら振動センサにおける検知時間の違いから当該地中埋設管が埋設されている方向と地表面における地中埋設管の直上までの距離及び地中埋設管の埋設深さを割り出すようにしたことを特徴としたものである。
また、第三の手段である地中埋設管の探査方法は、探査したい地中埋設管付近の露出した立管部分から地中埋設管に音波を伝播することにより当該地中埋設管を振動させ、該地中埋設管の振動を地表面から複数個の振動センサで検知することにより当該地中埋設管を探査する地中埋設管の深さを割り出す探査方法であって、深さを割り出したい地中埋設管の直上において前記振動センサで振動を検知した後に当該振動センサを地中埋設管に対してほぼ平行に移動させて再び振動を検知し、両者の振動レベルを比較することにより算出できる振動の減衰傾向から当該地中埋設管が埋設されている深さを割り出すようにしたことを特徴としたものである。
そして、第四の手段である地中埋設管の探査装置は、地中埋設管に音波を送入するための音波発信器と、該地中埋設管の振動を地表面で検知する複数個の振動センサを設けてなる振動検出器とを備え、前記音波発信器から地中埋設管に任意の周波数の異なる複数種類の音波を送入せしめ、送入された音波による地中埋設管の振動を前記振動検出器の振動センサで検知し検知したデータを演算処理することにより当該地中埋設管が埋設されている方向と振動検出器から地表面における地中埋設管の直上までの距離及び地中埋設管の埋設深さを割り出すように構成してなることを特徴としたものである。
この際、地中埋設管の探査装置として、前記振動検出器が、1個の基準となる振動センサと該センサを含めた複数個の振動センサを備え、前記1個の基準センサに対して残りの振動センサを外側に配置することが好ましい(第五の手段)。
また、振動センサの先端部は、鋭角な形状に形成することが好ましい(第六の手段)。
しかも、地中埋設管に伝播された振動を地表面で検知してデータ処理した時に、複数種類の音波を検知してデータとして取り込み演算処理した方が単一の振動を検知してデータとして取り込み処理した場合と比較して精度の高い処理結果が得られ、地中埋設管が埋設されている方向や距離、深さなどを高精度で割り出すことが可能となる。
従って、本発明に係る探査装置は、地中埋設管Pに音波を送入するための音波発信器2と、該地中埋設管Pに伝播された振動を地表面で検知し検知したデータを演算処理するための振動検出器3とから構成される。
但し、地中埋設管に伝播させる音波の周波数は、地中埋設管に伝播された振動を地表面で検知しその検知したデータを振動検出器3で演算処理する際にその演算処理を容易にするために、予め特定しておくことが望ましい。
ちなみに、使用する振動センサS1,S2,S3,…の最適な個数としては、実験の結果では7個であった。それ以上の振動センサを使用しても、検知データが多くなり検知データの演算処理に手間取る割にはさほど探査精度が向上せず、しかも部品コストが高くなるだけで無駄である。
複数の振動センサS1,S2,S3,…を水平方向に同一平面状に配置した場合、地中埋設管Pの振動を地表面で検知する時に、探査すべき地中埋設管Pまでの距離により音波が各振動センサS1,S2,S3,…に届くまでにタイムラグがあるので、各振動センサS1,S2,S3,…の間で検知時間の差が生じる。具体的には、複数の振動センサS1,S2,S3,…が図3(a)の位置にあった場合、基準センサS1の検知時間を基準にして、振動センサS2とS7及びS6の検知時間は早くなり振動センサS3とS4及びS5の検知時間は遅くなる。また、各振動センサS1,S2,S3,…が図3(b)の位置にあった場合には、基準センサS1の検知時間を基準にして、振動センサS2の検知時間が早く残りの振動センサS3,S4,S5,S6,S7の検知時間は遅くなる。そして、各振動センサS1,S2,S3,…が(c)の位置にあった場合には、基準センサS1の検知時間を基準にして振動センサS2とS3及びS4の検知時間が早くなり、振動センサS7とS6及びS5の検知時間が遅くなる。
そこで、これら各振動センサS1,S2,S3,…における検知時間差のデータをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶媒体に組み込まれた電子プログラムを用いて高速フーリエ変換手法(FFT)等により演算処理することにより、地中埋設管Pが埋設されている方向と距離及び深さが割り出される。
また、探査地点から地中埋設管P直上までの距離L1は、図4に示すごとく、例えば基準センサS1と振動センサS3との間の検知時間の差φ3と、基準センサS1と振動センサS7との間の検知時間の差φ7を比較(φ3-φ7=f)した時、各振動センサS1,S2,S3,…が地中埋設管Pに近づけば近づくほど検知時間差φ3,φ7の差(f)は小さくなることから、定量的な挙動を把握して振動センサS3から地中埋設管Pまでの距離L2及び振動センサS3と地中埋設管Pを結ぶ線と地表面Hとがなす角θとを求めることにより算出できる(距離L1=L2×cosθ)ので、これにより割り出される。
そして、地表面Hから地中埋設管Pまでの埋設深さDは、探査地点から地中埋設管P直上までの距離L1を求めたのと同様の手法により、振動センサS3から地中埋設管Pまでの距離L2と、振動センサS3と地中埋設管Pを結ぶ線と地表面Hとがなす角θとを求めることにより算出できる(深さD=L2×sinθ)ので、これにより割り出すことができる。
道路の地表面には、車両の走行や工事などに伴う雑音(振動)が入り混じっているが、これらの雑音(振動)の多くは横方向の振動なので、地中埋設管Pに伝播された音波(振動)を道路の地表面において振動(音圧)として高感度に検知するためには、純粋な縦方向の振動のみを検知することが望ましい。
この際、上記情報表示器16には、目標とする地中埋設管を探査した時や近づいた時にブザー音やアニメーション等で作業者に知らせる機能を持たせても良い。そうすれば、作業者自身が目標とする地中埋設管に対してどの程度の位置まで到達しているのかを直感的に把握することが可能となる。
H:地表面
S1,S2,S3,…:振動センサ
L,L1,L2:距離
D:埋設深さ
1:立管部分 2:音波発信器
3:振動検出器
5:連結パイプ 6:検出センサ
7:取付板 14:方位コンパス
15:エンコーダ 16:情報表示器
17:演算処理器(コンピュータ) 18:車輪
19:バッテリー 20:車体
Claims (5)
- 探査したい地中埋設管付近の露出した立管部分から地中埋設管に音波を伝播することにより当該地中埋設管を振動させ、該地中埋設管の振動を地表面で振動センサを用いて検知することにより導電性を有するか否かを含めて地中埋設管の材質に左右されることなく当該地中埋設管を探査できる地中埋設管の探査方法であって、前記地中埋設管に任意の周波数の異なる複数種類の音波を伝播させるようにし、前記地中埋設管の振動を複数個の前記振動センサで検知し、これら振動センサにおける検知時間の違いから当該地中埋設管が埋設されている方向と地表面における地中埋設管の直上までの距離及び地中埋設管の埋設深さを割り出すようにした地中埋設管の探査方法において、
前記振動センサとして1個の基準センサと2個の振動センサを用い、前記1個の基準センサを中心にして前記2個の振動センサを等距離に配置し、且つ、前記1個の基準センサと前記2個の振動センサとを、地表面に対し同じ高さ位置にて同一直線状に並ぶように配置し、
前記基準センサにおける検知時間と前記振動センサの一方における検知時間の検知時間差と前記基準センサにおける検知時間と前記振動センサの他方における検知時間の検知時間差とを比較し、両検知時間差の差が小さくなるように前記振動センサを移動させることを特徴とする地中埋設管の探査方法。 - 探査したい地中埋設管付近の露出した立管部分から地中埋設管に音波を伝播することにより当該地中埋設管を振動させ、該地中埋設管の振動を地表面で振動センサを用いて検知することにより導電性を有するか否かを含めて地中埋設管の材質に左右されることなく当該地中埋設管を探査できる地中埋設管の探査方法であって、前記地中埋設管に任意の周波数の異なる複数種類の音波を伝播させるようにし、前記地中埋設管の振動を複数個の前記振動センサで検知し、これら振動センサにおける検知時間の違いから当該地中埋設管が埋設されている方向と地表面における地中埋設管の直上までの距離及び地中埋設管の埋設深さを割り出すようにした地中埋設管の探査方法において、
前記振動センサとして1個の基準センサと他の複数の振動センサを用い、前記1個の基準センサを中心にして前記他の複数の振動センサを地表面に対し同じ高さ位置にて放射方向に等距離に配置し、且つ、隣接する前記他の振動センサ同士の距離を、前記他の振動センサから前記基準センサまでの距離と同じにし、
前記基準センサにおける検知時間と前記振動センサの一つにおける検知時間の検知時間差と前記基準センサにおける検知時間と前記振動センサの他の一つにおける検知時間の検知時間差とを比較し、両検知時間差の差が小さくなるように前記振動センサを移動させることを特徴とする地中埋設管の探査方法。 - 地中埋設管に任意の周波数の異なる複数種類の音波を送入する音波発信器と、送入された音波による地中埋設管の振動を地表面で検知する複数個の振動センサを有するとともにこれら複数個の振動センサにおける検知時間差のデータを演算処理することにより当該地中埋設管が埋設されている方向と地表面における地中埋設管の直上までの距離及び地中埋設管の埋設深さを割り出す振動検出器と、を具備し、
前記振動検出器は、前記振動センサとして1個の基準センサと2個の振動センサを備え、前記1個の基準センサを中心にして前記2個の振動センサを等距離に配置し、且つ、前記1個の基準センサと前記2個の振動センサとを同一直線状に並ぶように配置し、前記基準センサにおける検知時間と前記振動センサの一つにおける検知時間の検知時間差と前記基準センサにおける検知時間と前記振動センサの他の一つにおける検知時間の検知時間差とを比較する演算処理を行うことを特徴とする地中埋設管の探査装置。 - 地中埋設管に任意の周波数の異なる複数種類の音波を送入する音波発信器と、送入された音波による地中埋設管の振動を地表面で検知する複数個の振動センサを有するとともにこれら複数個の振動センサにおける検知時間差のデータを演算処理することにより当該地中埋設管が埋設されている方向と地表面における地中埋設管の直上までの距離及び地中埋設管の埋設深さを割り出す振動検出器と、を具備し、
前記振動検出器は、前記振動センサとして1個の基準センサと他の複数の振動センサを備え、前記1個の基準センサを中心にして前記他の複数の振動センサを同一平面上における放射方向に等距離に配置し、且つ、隣接する前記他の振動センサ同士の距離を、前記他の振動センサから前記基準センサまでの距離と同じにし、前記基準センサにおける検知時間と前記振動センサの一つにおける検知時間の検知時間差と前記基準センサにおける検知時間と前記振動センサの他の一つにおける検知時間の検知時間差とを比較する演算処理を行うことを特徴とする地中埋設管の探査装置。 - 前記他の複数の振動センサを6個としたことを特徴とする請求項4記載の地中埋設管の探査装置。
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