JPH11132896A - 浸水状態検査方法及び検査装置 - Google Patents

浸水状態検査方法及び検査装置

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JPH11132896A
JPH11132896A JP9299847A JP29984797A JPH11132896A JP H11132896 A JPH11132896 A JP H11132896A JP 9299847 A JP9299847 A JP 9299847A JP 29984797 A JP29984797 A JP 29984797A JP H11132896 A JPH11132896 A JP H11132896A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管内への機器の挿入を最小限に抑えること
ができる、配管に沿った全経路での検査が可能であると
ともに、比較的限定された検出作業で、浸水の有無確
認、浸水境界の位置確認、浸水範囲の確認等が可能な浸
水状態検査技術を得る。 【解決手段】 地中埋設管内にある浸水の状態を検出す
る浸水状態検査方法であって、埋設管所定箇所で音を発
生させて、配管1内に音波を伝播させる音伝播工程と、
この配管1内を伝播する音波を受信する受信工程とを行
い、受信工程で受信される音の状態(共鳴周波数)か
ら、例えば、この共鳴周波数が大きい場合は、受信され
る音が発生している部位に浸水が発生していると判断す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土、家屋の壁等の
被覆層により隠蔽された状態にある配管内に発生する浸
水の発生状況あるいは位置を検出する浸水状態検査技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、土中に埋設された都市ガ
ス配管に発生する浸水の検出にあたっては、以下のよう
な方法が採用されていた。 1 配管内にカメラを挿入して、配管内を画像化して目
視等によりこれを確認する方法 2 配管系の所定箇所に予め設置されている水取り器を
開いて検査する方法 3 地上供給管端部より管内騒音を検査確認し、サンド
ブラスト等が発生しているかどうかを識別して、浸水の
状況を確認する方法
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術にあっては、それぞれ以下のような問題
があった。上記1に示す方法は、現状では最も有力は手
段ではあるが、カメラの挿入操作をおこなうために通常
掘削をおこなう必要がある。さらに、この方法では、所
謂浸水境界の一方の検出をおこなうことが可能なだけで
あり、浸水範囲を特定するためには、逆側から再度検知
する必要があり、手間が掛かる。上記2に示す方法は、
水取り器に依存するため、浸水確認できる場所は、これ
が配設されている場所に限られる。即ち、一般には、水
取り器は浸水の発生しやすい箇所に設置されているが、
現実に、その位置を中心として浸水が発生するかどうか
はさだかでない。さらに、浸水の範囲特定には、多くの
水取り器の設置が必要とされ、水取り器が配設される位
置間の距離は、その下限が限られるため、配管に沿った
全位置に関して信頼性のある情報を得ることは不可能で
ある。上記3に示す方法では、サンドブラスト発生時
に、その発生を検知することは可能であるが、場所特定
をおこなうことが事実上できず、サンドブラストが治ま
った後には利用できない。本発明の目的は、配管内への
機器の挿入を最小限に抑えることができる、配管に沿っ
た全経路での検査が可能であるとともに、比較的限定さ
れた検出作業で、浸水の有無確認、浸水境界の位置確
認、浸水範囲の確認等が可能な浸水状態検査技術を得る
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による被覆層により隠蔽された配管内にある浸
水の状態を検出する浸水状態検査方法の特徴手段は、配
管所定箇所で音を発生させて、前記配管内に音波を伝播
させる音伝播工程と、前記配管内を伝播する音波を受信
する受信工程とを行い、前記受信工程で受信される音の
状態から、前記配管内の浸水の状態を判断することにあ
る。このようにして、浸水状態の検査をおこなう場合に
あって、受信工程において配管の配設方向に沿った複数
箇所で音波を受信し、受信音の周波数に応じて、浸水の
有無もしくは浸水箇所の位置を判断することが好まし
い。さらに、浸水状態の検査をおこなう場合にあって、
受信工程において配管の配設方向に沿った複数箇所で音
波を受信し、この受信音の音圧レベルに応じて、浸水の
有無もしくは浸水箇所の特定を行うことが好ましい。さ
らに、受信工程において、伝播する音波に発音位置で、
配管内から反射してくる音波を受信し、発音時と受音時
との関係から、浸水の浸水境界位置を判断することが好
ましい。
【0005】本願にあっては、上述のような手法を採用
するのであるが、図2を参照しながら、例えば地中に埋
設された配管内に浸水箇所が有る場合に、この浸水箇所
と浸水がない場所とに対応する位置で、音波の受信状況
がどのように変化するかについて説明する。図2は、
(イ)に配管の状況を示しており、(ロ)は受信音の周
波数を示している。ここで、受信音の周波数とは、配管
内で共鳴して配管外に漏れてくる共鳴周波数となる。
(ハ)に配管に沿った地上側の複数位置で受信される受
信音の音圧レベルを示し、さらに、(ニ)に発振位置に
おいて受信される受信音の状態を示したものである。
【0006】さて、(ロ)に示すように、配管内に浸水
がある場合と無い場合とで、配管内に充填される物質の
密度が異なるため、配管位置に対応した地上側において
受信される音波の周波数は異なる。したがって、このよ
うな周波数を検出することにより、浸水の有無を判別す
ることができ、配管に沿って移動していった場合に、周
波数が変化する位置を浸水境界として識別することがで
きる。さらに、配管に沿った位置で、一対の前記浸水境
界を検出することで、これらの浸水境界間で、その間に
於ける受音周波数が浸水に対応する周波数である部位
を、浸水部として判断することができる。
【0007】次に、(ハ)に示すように、配管内に浸水
がある場合と無い場合とで、この水の影響による音の減
衰状態が異なる。即ち、ガス中においては、音の減衰は
小さいが、水中においてはその減衰が大きい。従って、
配管方向に沿った複数箇所で受音の音圧レベルを計測す
ると、受信される音波の音圧レベルに変化を生じる。そ
して、例えば、音源、ガス側から浸水部を介して他方の
ガス部へと移動していった場合、音圧が比較的高くその
減衰率が低い領域が一時続き、音圧が小さくその減衰率
が比較的大きい領域が続き、つぎに、また、音圧の減衰
率が比較的低い位置が現れることとなる。従って、音圧
レベルを検出することにより、音圧レベルの減衰が大き
い部分を浸水部と判断することで浸水の有無を判別する
ことができ、配管に沿って移動していった場合に、音圧
が急変する位置を浸水境界として識別することができ
る。さらに、配管に沿った位置で、一対の前記浸水境界
を検出することで、これらの浸水境界間として、浸水部
を判別することができる。図2(ハ)にあっては、×印
で浸水部がある場合の音圧レベルの変化状況を、○印で
浸水部がない場合の音圧レベルの変化状況を示した。
【0008】さらに、配管内に浸水があり、ガス部と浸
水部との間に一対の浸水境界が形成されていると、これ
らの浸水境界は、配管内を伝播する音波に対して、これ
を反射する反射境界として働くこととなる。当然、この
反射境界において、音波の一部は、下流側に伝播する。
さらに、配管内に例えばベンド部がある場合は、このベ
ンド部も音波の反射源となる。例えば、図2(イ)に示
すように、ガス管の立て管の開口端部にスピーカを配設
し、このスピーカより、インパルス波を配管内に伝播さ
せると、この発音位置で観測される配管内から帰ってく
る反射波は、配管状況に応じて、(ニ)に示すようにな
る。従って、同図において4番目の信号が一番目の浸水
境界を、さらに、5番目の信号が二番目の浸水境界を代
表することとなり、一般的な意味で、配管状況が確認さ
れていると(例えばレーダ探査等で配管のベンド部の個
数、位置等が判明していると)、浸水境界の位置を特定
することができ、結果的に、浸水の有無、浸水境界の位
置、浸水部等を判別することができる。即ち、このよう
にして、配管内を伝播する音を、受信して、この受信工
程で受信される音の状態から、配管内における浸水の状
態を判断することができる。
【0009】従って、上記した、これらの方法による場
合は、配管内を伝播する音を媒体として、配管内に侵入
している水を検出することとなるため、配管内への機器
の挿入を最小限に抑えながら、配管に沿った全経路での
検査が可能となる。さらに、比較的限定された検出作業
で、浸水の有無確認、浸水境界の位置確認、浸水範囲の
確認等が可能な浸水状態検査技術を得ることができる。
【0010】さて、上記のような浸水状態検査方法を使
用する検査装置としては、管内を伝播する伝播音の周波
数により浸水部の特定をおこなう場合は、以下のような
構成を取ることが好ましい。即ち、検査装置を、少なく
とも複数の周波数成分を有する音を管内に発生させるこ
とができるスピーカと、このスピーカにより発生され管
内を伝播する伝播音を受信可能なマイクロフォンとを設
けて構成するに、マイクロフォンにより受信される伝播
音の周波数を求める周波数解析手段を備え、周波数解析
手段により求められた周波数と所定の閾値との比較に基
づいて、受信される伝播音の伝播部位の状況を判断する
伝播部位判断手段を備えて、これを、構成するのであ
る。
【0011】この装置を使用する場合は、例えば、先
ず、複数のマイクロフォンを管に沿って配設しておき、
各マイクロフォンで、管内各対応部位において伝播して
いる伝播音を受信できる状態としておく。そして、スピ
ーカより複数の周波数成分を有する音を発生させ、これ
を管内伝播に伝播させる。この状態において、複数の周
波数成分を有する音が管内を伝播すると、管内におい
て、その状態に応じて共鳴が発生し、各部位の状況に応
じた音が対応する部位に配設されるマイクロフォンで検
出される。さて、これらの検出音は、周波数解析手段に
より解析され、その周波数が特定される。この特定され
た周波数は、伝播部位判断手段において、予め判明して
いる所定の閾値と比較され、例えば、この閾値より大き
い場合は管内が密度の高いもの(具体的には水)で充満
されている可能性が高い、小さい場合は管内が密度の低
いもの(具体的にはガス)で充満されている可能性が高
い等の状況として、判断される。従って、この検査装置
を使用することにより、マイクロフォンにより受信され
る音の周波数に従って、管内の音伝播部(取りも直さ
ず、この部位は管内からマイクロフォンへの音発生部と
なっている)の状態を判断することができる。
【0012】さて、上記のような浸水状態検査方法を使
用する検査装置としては、地中埋設管内を伝播する伝播
音で、地上側に伝播してくる音波に基づいた管内状況の
判断をおこなうとともに、音発生側に帰ってくる反射音
に基づいて、管内の状況を把握しようとする構成の場合
は、以下のような構成を採用することが好ましい。即
ち、検査装置の構成を、少なくとも複数の周波数成分を
有する音を地中埋設管内に発生させることができるスピ
ーカと、このスピーカにより発生され地中埋設管内を伝
播する伝播音を受信可能な複数のマイクロフォンとを設
けてこれを構成し、前記複数のマイクロフォンとして、
地中埋設管から地表側に漏れ出す音波を地中側複数箇所
で受信可能な地表側マイクロフォンと、前記スピーカの
位置で、地中埋設管内を伝播するとともに、反射されて
スピーカ位置に帰ってくるに反射音を受信可能な音源側
マイクロフォンとを備えたものとするのである。このよ
うな構成としておくと、管内を伝播する音を管外地表側
で検出して、管内の状況を地表側から把握するととも
に、発音源において受信される反射音を、音源部で音源
側マイクロフォンにより検出し、埋設管に対して、音源
部から離間する方向に伝播していく音の状態を把握する
とともに、配管内にある反射部の位置を反射音の状態か
ら把握して、両方のデータから、埋設管内の状況を推定
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本願の実施の形態例を図面に基づ
いて説明する。図1には、本願の浸水状態検査方法を適
応して、地中に埋設されたガス配管1に発生している浸
水部Aを探索している状態が示されている。この方法に
あっては、浸水部Aの探索に配管1内を伝播する音波が
利用される。
【0014】本願の浸水状態検査にあたっては、本願独
特の構成を有する検査装置2が使用される。先ず、この
検査装置2の概要に関して説明する。検査装置2は、検
査装置本体3と、スピーカ4とマイクロフォン5とを主
な構成機器として備えている。ここで、スピーカ4は防
爆型のものであり、地上に露出している管端部6に取付
可能に構成されている。このスピーカ4は、検査装置本
体側から発音指令を受けて、駆動されて所定の音波を発
生できる構成とされており、少なくとも複数の周波数成
分を有する音(具体的には青島パルス)を検査対象の管
内に発生させることができる。次にマインクロフォン5
について説明すると、マイクロフォン5は複数用意され
ており、地表側に配設されて地中から伝播してくる音を
拾う地表側マイクロフォン5aと、スピーカ4ととも
に、管端に配設されて、この位置で管内からの反射音を
拾う音源側マイクロフォン5bとが備えられている。図
1に示す例にあっては、地表側マイクロフォン5aが7
個、音源側マイクロフォン5bが単一装備されており、
これらの機器で拾われた受音情報は、検査装置本体側に
送られて、後の用に供される構成が採用されている。
【0015】次に、検査装置本体3の構成に関して説明
する。装置本体3には、スピーカ4から青島パルスを発
生するため所定情報を格納した青島パルス発生手段3
1、各マイクロフォン5により受信された音の周波数を
割り出す周波数解析手段32、音圧レベルを割り出す音
圧レベル導出手段33、さらに、周波数解析手段32に
より求められた周波数と、外部入力等により予め設定さ
れている所定の閾値との比較に基づいて、各々の周波数
に対応するマイクロフォンによって受信される管内伝播
音の管内伝播部位の状況を判断する伝播部位判断手段3
4、さらに、地表側マイクロフォン5aの位置(この位
置は別途入力装置35から入力される)と、各マイクロ
フォン5aによって受信される受音の周波数及び音圧レ
ベルとを関連つけて整理するデータ処理手段36とが備
えられている。
【0016】図1に基づいて、以下、本願の浸水状態検
査方法の基本原理を、各家庭7の前面道路に埋設されて
いるガス管1(埋設管の一例)を対象とする場合に関し
て説明する。図1には、各家庭7に対して都市ガスを供
給する都市ガス配管系Bが示されている。即ち、各家庭
7に対して、その前面道路8に埋設される低圧ガス配管
9が設けられており、この低圧ガス配管9から、引き込
み管10を介して、各家庭7の敷地内に引き込まれた配
管は、一旦、地上部に立て管11として出された後、各
家庭内のガス供給位置(図外)まで配管される。この立
て管11の所定位置には、所謂、ガスメータ(図外)が
配設される。同図において、この低圧ガス配管9の伏せ
越し部に浸水が発生し、浸水部Aが発生している状況が
示されている。探査作業にあたっては、前述の立て管1
1を利用するため、立て管11からガスメータ(図外)
を外して、この立て管11の管端部6に、前記スピーカ
4を取り付ける。このスピーカ4は、先に説明した青島
パルス発生手段31から情報を受けるとともに制御指令
を受けて、管内に青島パルスを発生できる。ここで青島
パルスは、対象とする音響系のインパルス応答をうるた
めのパルスであり、計測技術vol.12−4 pp.
35−43(1984)に説明されている。
【0017】このスピーカ4には、音源側マイクロフォ
ン5bが付属されており、このマイクロフォン5bによ
って、管内から反射してくる音波を受信することができ
る。
【0018】一方、予め用意されたガス配管1の埋設マ
ップ(図外)に基づいて、複数の地表側マイクロフォン
5aが、地上に配設される。従って、これらのマイクロ
フォン5aにより、それぞれの受音域に対応する管内部
から地中に漏れてくる音波を拾うことができる。各地表
側マイクロフォン5aからの情報は、検査装置本体3に
集められ、周波数解析手段32によりその周波数が求め
られるとともに、音圧レベル導出手段33により音圧レ
ベルが割り出される。このような情報は、データ処理手
段36により、各地表側マイクロフォン5aの位置に対
応して、受音周波数及び音圧レベルデータとして整理さ
れる。ここで、各地表側マイクロフォン5aの位置情報
は、別途、装置に備えられる入力装置35より予め入力
されるものである。即ち、本体側において、図2(ロ)
(ハ)に対応するようなデータの整理が行われるように
構成されている。即ち、空間位置−周波数データ、空間
位置−音圧レベルデータとして整理される。一方、音源
側マイクロフォン5bによって得られる情報に関して
は、これが音波発生の時点からの経過時間との関係で整
理され、図2(ニ)のような情報として整理される。即
ち、時間−反射音圧レベルデータとして整理される。さ
て、このようにして得られた情報は、伝播部位判断手段
34により、求められた周波数と、外部入力等により予
め設定されている所定の閾値との比較に基づいて、地表
側マイクロフォン5aによって受信される管内伝播音を
外部に発している管内伝播部位100の状況に関する情
報として判断され、この管内伝播部位100の状況とし
て判断されて、その結果が出力される。この判断状況
は、例えば、検出周波数が閾値となっている周波数より
大きい場合に管内に浸水があると判断し、検出周波数が
閾値より小さい場合に管内には浸水が無いと判断するも
のである。例えば、内径200φの管において、管内に
ガス(具体的には空気もしくはメタンガス)がある場合
の共鳴周波数は空気中1013Hz、メタン中1335
Hzであり、水がある場合の共鳴周波数は4413Hz
程度となるため、上記閾値として1500Hzを設定し
ておくと、これより共鳴周波数が高いかどうかで、浸水
状態の特定をおこなうことができる。
【0019】さらに、上記のスピーカ取付部位に音源側
マイクロフォン5bが配設される構成が採用されてい
る。従って、この音源側マイクロフォン5bにあって
は、スピーカ4から発生される青島パルス音の管内から
の反射波が検出できる。この反射音は、反射部位の位置
に依存して複数、管内より帰ってくる。さて、この反射
音に関する情報も、データ処理手段36により、インパ
ルス音の発生時を原点として、時系列的に図2(ニ)に
示すような状態で整理される。以上が、本願検査装置2
を使用して浸水状態検査方法を実施する場合の基本的な
構成である。
【0020】以下、作業手順を追って説明する。 1 作業者12は、図1に示すような作業現場13に到
着する。この時点で、現場近くのガス配管1の埋設位置
を示す埋設マップを用意している。従って、配管1の埋
設位置及び方向は予め判明している状況にある。このよ
うな情報が得にくい場合は、地中レーダー(図外)等を
使用して、配管1の位置を確認しておき、地上側で、少
なくとも埋設配管の上側位置される。 2 特定の家庭7のガスメータ(図外)を立て管11よ
り取り外し、この端部6にスピーカ4を取り付ける。こ
の時、スピーカ4の取付に伴って、このスピーカ4とと
もに、管内から帰ってくる反射音を検出するための、前
記音源側マイクロフォン5bも、その受音域がと配管内
なるように配設される。 3 一方、予め判明している埋設管上位置に、複数の地
表側マイクロフォン5aを、配設する。この位置関係
(具体的には立て管からの離間距離)は、入力装置35
より検査装置本体内に入力され、データ処理手段36に
よる処理の対象とされる。 4 このような準備段階を終了した後、青島パルス発生
手段31が働いて、スピーカ4から青島パルス音を管内
に伝播させる(音伝播工程)。 5 配管内を伝播する青島パルス音は、発音側であるス
ピーカ4から離間する方向へ順次伝播するとともに、例
えば、ベンド部14があったり、先に説明したような浸
水境界があったりすると、スピーカ側へ反射音として帰
ってくる。この状態において、地上側にあっては、配管
上の位置に、その配設方向に沿って配設される地表側マ
イクロフォン5aにより受信される。即ち、配管内を伝
播する伝播波を受信するのであるが、この波は、配管1
の伝播部の状態を代表する共鳴周波数が強調される。一
方、音源側マイクロフォン5bにおいては、先に説明し
た反射波が順次受信される。 6 上記のようにして、地表側マイクロフォン5a、音
源側マイクロフォン5bで受信された受信信号は、検査
装置本体3に送られ、地表側マイクロフォン5aに於け
る受信情報にあっては、その周波数と音圧レベルがマイ
クロフォン位置との関係において特定され、音源側マイ
クロフォンの受信信号に関しては、その音圧レベルが音
波発生時を原点とする時間領域で整理特定される。この
ようなデータ情報は、模式的には、図2(ロ)(ハ)に
示すような形態を採る。 7 さて、上記のようにして整理された情報は、検査装
置本体3に備えられる表示装置37側に送られ、作業者
が目視により確認できる。結果、作業者は、先に本願の
課題を解決する手段の項で説明した手法に基づいて、浸
水の有無、浸水境界の有無及び位置、浸水位置の特定等
の判断をおこなう。 8 さらに、検査装置本体3にあっては、配管1の径
と、この配管内にある物質種(具体的にはガスか水)と
の関係において決まる、音波の共鳴周波数が記憶されて
おり、前記各地表側マイクロフォン5a各々で、検出さ
れた受信音の周波数が、ガスに対する共鳴周波数に近い
か、水のそれに近いかの判別をおこない、各受信音の周
波数に従った判別結果を、例えば色分け状態で表示する
ように構成されている。このような構成を採用すること
により、本願の検査装置2は、自動的に浸水部Aの特定
をおこなうことができる。 9 さらに、この検査装置2にあっては、音源側から見
て、受信音の音圧レベルの変化傾向を導出するように構
成されており、この変化傾向をみながら、作業者は浸水
境界の位置等の検出作業をおこなうことができる。 10 一方、表示装置37側においては、青島パルスの
発生時点を原点とする時間経過と反射波の状態(図2
(ニ))が示される。従って、反射音の時間軸上に於け
る位置が特定でき、ある程度判明している配管1の構造
(管径、ベンドの個数及び位置等の情報)から、複数個
帰ってくる反射波に対する、その反射源をある程度特定
できる。同時に、ガス内を伝播する音波の音速と、水中
を伝わる音波の音速とが判明しているため、各反射信号
の音源からの位置は推測することが可能となる。このよ
うな工程を経て、反射信号の反射源を追跡し、同時に前
述の周波数に基づく浸水部の位置検査の結果を参照・対
比することで、浸水境界の位置を最終的に特定すること
ができる。
【0021】〔別実施の形態例〕以上、説明してきたよ
うに、本願の浸水状態検査方法では、主には、配管内を
伝播する音波を土、壁といった被覆層の外で受信するこ
とにより、その周波数状態から、例えば、配管内にある
浸水位置の推定をおこなうことができる。上記の実施形
態にあっては、地表側に複数のマイクロフォン5を配置
して、各位置で音を受信し、この受信音より配管内の状
態を判断したが、複数のマイクロフォン5を準備するこ
となく、単一のマイクロフォンを備えておき、作業者が
埋設管の配設方向に沿って移動しながら、音を受信し、
このような受信結果より浸水の状況を判断することも可
能である。さらに、このような移動動作を自動的におこ
なう自走車を備えておき、この自走車にマイクロフォン
を備えておいてもよい。上記の実施の形態においては、
地中に埋設されている埋設管を対象としたが、本願手法
は、被覆状態にある配管に対して、その内部にあるもの
の性状が大きく変わる場合に、その境界の割り出しに利
用できる。上記の実施の形態例においては、音響系のイ
ンパルス応答を得るために、青島パルスを使用したが、
いわゆるインパルス音をそのまま発生・送入してもよ
く、さらに、インパルス応答を得られる音を発生・送入
してもよい。この様に複数の波数成分を有する音であれ
ば同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の浸水状態検査方法を使用してガス配管内
の浸水部を探査している状態を示す説明図
【図2】検査結果の説明図
【符号の説明】
1 ガス配管 2 検査装置 4 スピーカ 5 マイクロフォン 5a 地表側マイクロフォン 5b 音源側マイクロフォン 32 周波数解析手段 34 伝播部位判断手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆層により隠蔽された配管内にある浸
    水の状態を検出する浸水状態検査方法であって、 前記配管所定箇所で音を発生させて、前記配管内に音波
    を伝播させる音伝播工程と、前記配管内を伝播する音波
    を受信する受信工程とを行い、前記受信工程で受信され
    る音の状態から、前記配管内の浸水の状態を判断する浸
    水状態検査方法。
  2. 【請求項2】 前記受信工程において配管の配設方向に
    沿った複数箇所で前記音波を受信し、前記受信音の周波
    数に応じて、浸水の有無もしくは浸水箇所の位置を判断
    する請求項1記載の浸水状態検査方法。
  3. 【請求項3】 前記受信工程において配管の配設方向に
    沿った複数箇所で前記音波を受信し、前記受信音の音圧
    レベルに応じて、浸水の有無もしくは浸水箇所の位置を
    判断する請求項1記載の浸水状態検査方法。
  4. 【請求項4】 前記受信工程において、前記伝播する音
    波の発音位置で、前記配管内から反射してくる音波を受
    信し、発音時と受音時との関係から、前記浸水の浸水境
    界位置を判断する請求項1記載の浸水状態検査方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも複数の周波数成分を有する音
    を管内に発生させることができるスピーカと、前記スピ
    ーカにより発生され前記管内を伝播する伝播音を受信可
    能なマイクロフォンとを設けた検査装置であって、 前記マイクロフォンにより受信される前記伝播音の周波
    数を求める周波数解析手段を備え、前記周波数解析手段
    により求められた前記周波数と所定の閾値との比較に基
    づいて、前記マイクロフォンによって受信される前記伝
    播音の伝播部位の状況を判断する伝播部位判断手段を備
    えた検査装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも複数の周波数成分を有する音
    を地中埋設管内に発生させることができるスピーカと、
    前記スピーカにより発生され前記地中埋設管内を伝播す
    る伝播音を受信可能な複数のマイクロフォンとを設け、 前記複数のマイクロフォンとして、前記地中埋設管から
    地表側に漏れ出す音波を地中側複数箇所で受信可能な地
    表側マイクロフォンと、前記スピーカの位置で、前記地
    中埋設管内を伝播するとともに、反射されて前記スピー
    カ位置に帰ってくるに反射音を受信可能な音源側マイク
    ロフォンとを備えた検査装置。
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