JP3172230U - ストレッチ織物 - Google Patents

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康誠 藤井
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Abstract

【課題】ポリウレタン複合糸を使用することなく、風合いが柔らかく優れた伸縮性と通気性を有しており、着用時の快適性に優れ、更に、洗濯によるシワが発生しにくいストレッチ織物を提供する。【解決手段】セルロース系繊維を含有し、少なくとも緯方向にストレッチ性を有して、織物の表裏両面のうち少なくとも一方の面に形成される浮き糸の比率が、織物組織図において25%以上で、定荷重法による伸び率が15%以上、定荷重法による1時間後の伸長回復率が60%以上、通気性が50cm3/cm2・s以上、洗濯と吊干しを10回繰り返した後のシワの評価が、2.8級以上である。【選択図】図3

Description

本考案は、セルロース系繊維を用いてなるストレッチ織物に関するものであり、更に詳しくは、通気性が良好で着心地の良いストレッチ織物に関するものである。
綿織物などのセルロース系繊維からなる織物は、吸湿性が高く快適な素材であるが、伸縮性がなく着用感に欠けるという欠点を有している。そこで、パンツ地やシャツ地などフィット性が要求される綿織物などにストレッチ性を付与することが行われてきた。
このような方法として、例えば、綿織物などを高濃度の苛性ソーダ水溶液で処理し、その膨潤作用を利用して織物を収縮させ、収縮後の織物に伸縮性を与える、所謂、スラックマーセライズ加工(ケミカルストレッチ加工ともいう)が行われてきた。しかし、スラックマーセライズ加工を行った綿織物では織物の糸密度が大きく風合いが固くなり、また、洗濯によるシワが発生しやすくなるという欠点を有していた。
そこで、近年では、例えば、下記特許文献1に示すように、優れたストレッチ性を有するポリウレタン弾性糸を綿糸に複合し、この複合糸を使用して織物を製織することにより、快適なフィット性を有し、風合いがソフトで外観品位に優れ、シワになりにくい織物が提案されている。
特開平9−228230号公報
ところで、上記特許文献1に示すストレッチ織物は、綿糸とポリウレタン弾性糸との複合糸という特殊な糸を使用しなければならず、製造コストが割高になるという問題がある。また、特殊なポリウレタン複合糸を使用するため、従来の染色加工工程では十分な性能が得られず、アルカリ処理、リラックス処理或いは染色処理において特殊な操作を必要として染色加工の難易度が高いという問題がある。
更に、従来のスラックマーセライズ加工の織物においても、また、ポリウレタン複合糸を使用した織物においても、いずれも、織物の糸密度が大きいことにより通気性が悪く、着用時の快適性に欠けるという問題があった。
そこで、本考案は、以上のようなことに対処して、ポリウレタン複合糸を使用することなく、風合いが柔らかく優れた伸縮性と通気性を有しており、着用時の快適性に優れ、更に、洗濯によるシワが発生しにくいストレッチ織物を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本考案者らは、鋭意研究の結果、織物表面に浮き糸を有する特定の織規格を有する織物に液体アンモニア処理により一定の膨潤収縮を行うことにより、上記課題を解決できることを見出し本考案の完成に至った。
即ち、本考案に係るストレッチ織物は、請求項1の記載によると、セルロース系繊維を含有し、少なくとも緯方向にストレッチ性を有して、以下の(1)〜(5)の要件を満足することを特徴とする。
(1)織物の表裏両面のうち少なくとも一方の面に形成される浮き糸の比率が、織物組織図において25%以上である。
(2)JIS−L−1096、B法による伸び率が15%以上である。
(3)JIS−L−1096、B−1法による1時間後の伸長回復率が60%以上である。
(4)JIS−L−1096、A法による通気性が50(cm/cm・s)以上である。
(5)JIS−L−0217、103法による洗濯と吊干しを10回繰り返した後のシワの評価が、2.8級以上である。
また、本考案は、請求項2の記載によると、請求項1に記載のストレッチ織物であって、経糸及び緯糸がいずれも綿100%糸であることを特徴とする。
また、本考案は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載のストレッチ織物であって、経糸及び緯糸の少なくとも一方に2種以上の異番手糸を織り込んでなることを特徴とする。
また、本考案は、請求項4の記載によると、請求項1〜3のいずれか1つに記載のストレッチ織物であって、製織及び精練後の織物に液体アンモニア処理を施して緯方向に20%以上収縮させ、次いで樹脂加工を施してなることを特徴とする。
上記請求項1に記載の構成によれば、上記(1)〜(5)の要件を満足することにより、優れた伸縮性と伸長回復率を有するストレッチ織物となる。また、このストレッチ織物は浮き糸を有して織物構造が変化に富み、このことにより、風合いが柔らかく良好な通気性を有して着用時の快適性に優れている。更に、このストレッチ織物は、洗濯によるシワが発生しにくいという特徴を有する。
また、上記請求項2に記載の構成によれば、ストレッチ織物が綿100%で構成され、吸湿性や吸汗性など着用時の快適性が更に向上する。よって、請求項2に記載の考案によれば、請求項1と同様の作用効果をより一層達成することができる。
また、上記請求項3に記載の構成によれば、浮き糸を有する織物構造に異番手糸が織り込まれており、更に優れた通気性を有して、着用時の快適性に優れたストレッチ織物を構成する。よって、請求項3に記載の考案によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用効果をより一層達成することができる。
また、上記請求項4に記載の構成によれば、織物の膨潤収縮に液体アンモニア処理を採用することにより、収縮効果が大きくなると共に、収縮後の織物の風合いをより柔らかくすることができる。また、織物の緯方向に20%以上収縮させることにより、緯ストレッチ性に優れた織物を構成することができる。
更に、上記液体アンモニア処理に樹脂加工を併用することにより、風合いが柔らかく伸長回復率の良好なストレッチ織物となる。よって、請求項4に記載の考案によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明と同様の作用効果をより一層具体的に達成することができる。
以上のことにより、本考案によれば、ポリウレタン複合糸を使用することなく、風合いが柔らかく優れた伸縮性と通気性を有しており、着用時の快適性に優れ、更に、洗濯によるシワが発生しにくいストレッチ織物を提供することができる。
本考案に係る実施例1のストレッチ織物の織物組織図である。 実施例1のストレッチ織物の織り上り状態(生機)を示す顕微鏡写真である。 実施例1のストレッチ織物の仕上り状態(ストレッチ加工後)を示す顕微鏡写真である。 本考案に係る実施例2のストレッチ織物の織物組織図である。 実施例2のストレッチ織物の織り上り状態(生機)を示す顕微鏡写真である。 実施例2のストレッチ織物の仕上り状態(ストレッチ加工後)を示す顕微鏡写真である。 本考案に係る実施例3のストレッチ織物の織物組織図である。 実施例3のストレッチ織物の織り上り状態(生機)を示す顕微鏡写真である。 実施例3のストレッチ織物の仕上り状態(ストレッチ加工後)を示す顕微鏡写真である。
本考案において、ストレッチ織物は、セルロース系繊維を含有している。よって、本考案に係るストレッチ織物は、綿織物などのようにセルロース系繊維のみで構成されていてもよく、或いは、ポリエステル/綿混紡織物のようにセルロース系繊維と他の繊維とで構成されていてもよい。ここで、セルロース系繊維には、綿、麻などの天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック、テンセルなどの再生繊維が挙げられる。
また、本考案に係るストレッチ織物は、少なくとも緯方向にストレッチ性を有している。よって、本考案に係るストレッチ織物は、織物の緯方向のみストレッチ性を有していてもよく、又は、経方向と緯方向の両方にストレッチ性を有していてもよい。少なくとも緯方向にストレッチ性を有することにより、良好なフィット性を有する衣料を製造することができる。
また、本考案に係るストレッチ織物は、以下に示す5つの要件を満足するものである。まず、(1)織物の表裏両面のうち少なくとも一方の面に形成される浮き糸の比率が、織物組織図において25%以上である。ここで、浮き糸とは、織物の表裏各面において、並列した2本以上の緯糸の上側を通る経糸、及び、並列した2本以上の経糸の上側を通る緯糸をいう。
織物にこの浮き糸が存在すると、その部分の糸の交差が緩くなり、織物の風合いが柔らかくなる。また、浮き糸の部分の織物構造が立体的に変化に富み凹凸が現れ、糸間に空隙構造が生じ、この空隙構造により織物の通気性が向上する。
本考案においては、この浮き糸が織物の一方の面で織物組織図において25%以上あることが必要である。ここで、織物組織図とは、後述する図1、図4及び図7に示すように、織物の糸の交差状態を一定単位で表した図面であり、意匠紙(一種の方眼紙)の各升目に現れる経糸又は緯糸を黒(経糸)白(緯糸)で識別したものである。従って、織物組織図において、黒(経糸)の升目が上下方向に2升以上連続したものが経糸の浮き糸であり、白(緯糸)の升目が左右方向に2升以上連続したものが緯糸の浮き糸である。
本考案においては、織物組織図の升目の全数の内、浮き糸を示す升目の割合が25%以上存在することが必要である。なお、この浮き糸を示す升目の割合は、経糸及び緯糸の両方の合計が25%以上であればよい。また、この25%以上存在する面は、織物の表面或いは裏面のいずれか一方であってもよく、又は、表裏両面であってもよい。
次に、本考案に係るストレッチ織物は、(2)JIS−L−1096、B法による伸び率が15%以上である。このB法においては、所定の試験片に14.7Nの定荷重を加え1分間保持後の試験片の伸び率を表している。この伸び率が15%以上あることにより、良好な伸縮性を有してフィット感のある織物となる。
次に、本考案に係るストレッチ織物は、(3)JIS−L−1096、B−1法による1時間後の伸長回復率が60%以上である。更に、70%以上であることがより好ましい。このB−1法においては、所定の試験片に14.7Nの定荷重を加え1時間保持後、荷重を取り除いて1時間後の試験片の伸びの回復率(伸長回復率)で表している。この伸長回復率が60%以上あることにより、良好な伸縮性を有してフィット感のある織物となる。
次に、本考案に係るストレッチ織物は、(4)JIS−L−1096、A法による通気性が50(cm/cm・s)以上である。更に、70(cm/cm・s)以上であることがより好ましい。このA法においては、フラジール形試験機による測定で試験片を通過する空気量が50(cm/cm・s)以上あることにより、良好な通気性を有して着用時の快適性に優れた織物となる。
更に、本考案に係るストレッチ織物は、(5)JIS−L−0217、103法による洗濯と吊干しを10回繰り返した後のシワの評価が、2.8級以上である。更に、3.2級以上であることがより好ましい。この103法は一般家庭用の洗濯機による洗濯法であり、また、乾燥は一般家庭で通常行われる吊り干しである。この洗濯と乾燥を10回繰り返した後のシワの評価であり、実用的な試験法である。
10回洗濯後のシワの評価は、AATCC Test Method 124に規定の6段階の立体的レプリカを標準として評価した。このシワの評価で2.8級以上あれば、良好な実用性能を有している。
ここで、本考案に係るストレッチ織物の製造方法について説明する。まず、セルロース系繊維を含有する織物を製織する。この織物は、上述のように、綿織物などのようにセルロース系繊維のみで構成されていてもよく、或いは、ポリエステル/綿混紡織物のようにセルロース系繊維と他の繊維とで構成されていてもよい。この織物は、未精練の糸を使用して製織し、その後に精練・漂白を行うようにしてもよく、或いは、精練・漂白及び染色後の先染め糸を使用して製織してもよい。
ここで、織物の織組織には、上述のように、浮き糸が存在し、その比率が織物組織図において25%以上である。このような織物は、どのような織機で製織してもよいが、通常、開口機構にドビー装置或いはジャガード装置を付属した織機で製織し、特に、ドビー装置を付属した織機で製織することが好ましい。開口機構としてドビー装置を採用することにより、細かい変化組織を製織することができるので、本考案においてストレッチ織物の柔らかさと通気性を良好に発現することができる。
また、経糸及び緯糸の少なくとも一方に2種以上の異番手糸を織り込むようにしてもよい。織物に異番手糸が織り込まれることにより、その部分の織物組織に校倉織りのような凹凸感のある変化が規則性をもって現れ織物の空隙が更に増加する。このことにより、通気性が更に向上すると共に、吸汗性、速乾性及び衣服内機構が良好となる。
次に、製織された織物に液体アンモニア処理を行って、この織物を膨潤収縮させる。液体アンモニア処理は、例えば、織物を−33℃以下の温度に維持した液体アンモニア中に浸漬して処理することで、綿などのセルロース系繊維を膨潤させ、繊維が太さ方向に膨潤することで糸及び織物を長さ・幅方向に収縮させる。この液体アンモニア処理の浸漬時間は、通常、5〜40秒程度であるが、更に長時間浸漬するようにしてもよい。
本考案に係るストレッチ織物においては、液体アンモニア処理は、織物を長尺方向に走行させながら処理する連続処理装置で行うようにしてもよい。例えば、この連続処理装置において、織物の経方向にテンションを加えて経方向の収縮を抑制しながら、一方、織物の緯方向にはテンションを極力加えず緯方向に大きく収縮させることにより、緯ストレッチ性の大きな織物とすることができる。
また、緯ストレッチ織物の場合、製織、精練された織物を緯方向に20%程度或いはそれ以上収縮させるようにすることが好ましい。このことにより、液体アンモニア処理後の織物は、緯方向に15%以上の伸び率を維持することができる。
ここで、本考案に係るストレッチ織物は、染色して使用してもよく、或いは、染色しないで使用してもよい。このストレッチ織物を染色する場合には、通常、液体アンモニア処理後に行うが、上述の先染め糸を使用した織物などにおいては、染色後に液体アンモニア処理を行うようにしてもよい。
次に、液体アンモニア処理された織物は、樹脂加工される。液体アンモニア処理で20%程度収縮された織物は、既に15%以上の伸び率を有している。しかし、この状態では、伸長後の伸びの回復を示すストレッチバック性(キックバック性ともいう)が不十分の場合がある。
そこで、収縮させた織物にストレッチバック性を付与するために樹脂加工を行う。この樹脂加工に使用される樹脂は、特に限定するものではなく、従来のストレッチ加工に使用されるものを使用すればよい。これらの樹脂には、ポリウレタン系樹脂或いはシリコーン系樹脂などがある。この樹脂加工の方法についても、通常行われている方法を採用すればよい。
更に、洗濯後のシワの発生を防止するために、上記樹脂加工の際にセルロース系繊維の形態安定加工に使用される樹脂を併用するようにしてもよい。これらの樹脂には、メチロール化或いはノンホルマリンのグリオキサール系樹脂などを採用すればよい。
以下、本考案に係るストレッチ織物を各実施例により説明する。
図1に実施例1に係る織物組織図を示す。この織物組織図において、浮き糸の割合を算出した。図1の面(表面)において、全升目は144あり、経糸の浮き糸を表す升目は40、緯糸の浮き糸を表す升目は0であった。従って、表面の浮き糸(経糸+緯糸)の割合は、27.7%であった。
一方、図1の裏側の面(裏面)において、全升目は144あり、経糸の浮き糸を表す升目は0、緯糸の浮き糸を表す升目は40であった。従って、裏面の浮き糸の割合は、表面と同じ27.7%であった。
実施例1においては、綿100%の50番手単糸を経糸及び緯糸として採用した。また、図1に示す織物組織図に従って、糸密度を経糸100(本/インチ)、緯糸76(本/インチ)としてドビー装置を付属した織機で製織して実施例1の生機を得た。
この生機の顕微鏡写真を図2に示す。図2は、デジタルマイクロスコープVHX−1000(株式会社キーエンス)を用いて100倍の倍率で撮影した。図2において、生機の表面に浮き糸が存在することにより、織物に凹凸感のある変化と空隙が存在することが分かる。
次に、この生機を通常の方法に従って精練・漂白を行った。この精練・漂白後の織物に連続処理装置による液体アンモニア処理を行って、織物を緯方向に収縮させた。その後、この織物にポリウレタン系樹脂とノンホルマリンのグリオキサール系樹脂を配合して樹脂加工し、実施例1に係るストレッチ織物を得た。このストレッチ織物の顕微鏡写真を図3に示す。撮影は上記生機の場合と同様にして行った。
図3において、ストレッチ織物が緯方向に大きく収縮していることが分かる。しかし、表面に浮き糸が存在することにより、収縮後も織物に凹凸感のある変化と空隙が残存していることが分かる。
得られたストレッチ織物の糸密度は、経糸125(本/インチ)、緯糸78(本/インチ)であった。従って、このストレッチ織物は、生機から経方向に約3%、緯方向に約25%収縮していた。
得られた実施例1に係るストレッチ織物について、下記の項目を評価し、表1にその結果を示す。
(1)織物の表面及び裏面の浮き糸の比率(織物組織図における比率)
(2)JIS−L−1096、B法による伸び率
(3)JIS−L−1096、B−1法による1時間後の伸長回復率
(4)JIS−L−1096、A法による通気性
(5)JIS−L−0217、103法、吊干し、10回後のシワの評価
図4に実施例2に係る織物組織図を示す。この織物組織図において、浮き糸の割合を算出した。図4の面(表面)において、全升目は144あり、経糸の浮き糸を表す升目は42、緯糸の浮き糸を表す升目は44であった。従って、表面の浮き糸(経糸+緯糸)の割合は、59.6%であった。
一方、図4の裏側の面(裏面)において、全升目は144あり、経糸の浮き糸を表す升目は60、緯糸の浮き糸を表す升目は24であった。従って、裏面の浮き糸の割合は、表面と異なり58.3%であった。
実施例2においては、上記実施例1と同じ綿100%の50番手単糸を経糸及び緯糸として採用した。また、図4に示す織物組織図に従って、糸密度を経糸100(本/インチ)、緯糸76(本/インチ)としてドビー装置を付属した織機で製織して実施例2の生機を得た。
この生機の顕微鏡写真を図5に示す。撮影は上記実施例1と同様にして行った。図5において、生機の表面に浮き糸が存在することにより、織物に凹凸感のある変化と空隙が存在することが分かる。
次に、この生機を通常の方法に従って精練・漂白を行った後、上記実施例1と同様にして液体アンモニア処理と樹脂加工を行い、実施例2に係るストレッチ織物を得た。このストレッチ織物の顕微鏡写真を図6に示す。撮影は上記実施例1と同様にして行った。
図6において、ストレッチ織物が緯方向に大きく収縮していることが分かる。しかし、表面に浮き糸が存在することにより、収縮後も織物に凹凸感のある変化と空隙が残存していることが分かる。
得られたストレッチ織物の糸密度は、経糸124(本/インチ)、緯糸81(本/インチ)であった。従って、このストレッチ織物は、生機から経方向に約6.6%伸びており、緯方向に約24%収縮していた。本実施例2の織物においては、浮き糸の割合が非常に大きく、このことにより経方向に伸びが生じたものと思われる。
得られた実施例2に係るストレッチ織物について、上記実施例1と同様の項目を評価し、表1にその結果を示す。
図7に実施例3に係る織物組織図を示す。この織物組織図において、浮き糸の割合を算出した。図7の面(表面)において、全升目は144あり、経糸の浮き糸を表す升目は24、緯糸の浮き糸を表す升目は24であった。従って、表面の浮き糸(経糸+緯糸)の割合は、33.3%であった。
一方、図7の裏側の面(裏面)において、全升目は144あり、経糸の浮き糸を表す升目は24、緯糸の浮き糸を表す升目は24であった。従って、裏面の浮き糸の割合は、表面と同じ33.3%であった。
実施例3においては、上記実施例1と同じ綿100%の50番手単糸を経糸及び緯糸として採用した。また、図7に示す織物組織図に従って、糸密度を経糸100(本/インチ)、緯糸76(本/インチ)としてドビー装置を付属した織機で製織して実施例3の生機を得た。
この生機の顕微鏡写真を図8に示す。撮影は上記実施例1と同様にして行った。図8において、生機の表面に浮き糸が存在することにより、織物に凹凸感のある変化と空隙が存在することが分かる。
次に、この生機を通常の方法に従って精練・漂白を行った後、上記実施例1と同様にして液体アンモニア処理と樹脂加工を行い、実施例3に係るストレッチ織物を得た。このストレッチ織物の顕微鏡写真を図9に示す。撮影は上記実施例1と同様にして行った。
図9において、ストレッチ織物が緯方向に大きく収縮していることが分かる。しかし、表面に浮き糸が存在することにより、収縮後も織物に凹凸感のある変化と空隙が残存していることが分かる。
得られたストレッチ織物の糸密度は、経糸124(本/インチ)、緯糸78(本/インチ)であった。従って、このストレッチ織物は、生機から経方向に約3%、緯方向に約24%収縮していた。
得られた実施例3に係るストレッチ織物について、上記実施例1と同様の項目を評価し、表1にその結果を示す。
表1から分かるように、実施例1〜実施例3に係るストレッチ織物は、いずれも、良好な伸び率、伸長回復率を示しており、優れたストレッチ性とストレッチバック性を有していた。また、これらのストレッチ織物は、一定割合の浮き糸を有して織物構造が変化に富み、このことにより、風合いが柔らかく良好な通気性を有して着用時の快適性に優れていた。更に、このストレッチ織物は、洗濯を10回行っても、洗濯後のシワが発生しにくいという特徴を有していた。
よって、本考案においては、ポリウレタン複合糸を使用することなく、風合いが柔らかく優れた伸縮性と通気性を有しており、着用時の快適性に優れ、更に、洗濯によるシワが発生しにくいストレッチ織物を提供することができる。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12…経糸、
一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、十二…緯糸。

Claims (4)

  1. セルロース系繊維を含有し、少なくとも緯方向にストレッチ性を有して、以下の(1)〜(5)の要件を満足することを特徴とするストレッチ織物。
    (1)織物の表裏両面のうち少なくとも一方の面に形成される浮き糸の比率が、織物組織図において25%以上である。
    (2)JIS−L−1096、B法による伸び率が15%以上である。
    (3)JIS−L−1096、B−1法による1時間後の伸長回復率が60%以上である。
    (4)JIS−L−1096、A法による通気性が50(cm/cm・s)以上である。
    (5)JIS−L−0217、103法による洗濯と吊干しを10回繰り返した後のシワの評価が、2.8級以上である。
  2. 経糸及び緯糸がいずれも綿100%糸であることを特徴とする請求項1に記載のストレッチ織物。
  3. 経糸及び緯糸の少なくとも一方に2種以上の異番手糸を織り込んでなることを特徴とする請求項1又は2に記載のストレッチ織物。
  4. 製織及び精練後の織物に液体アンモニア処理を施して緯方向に20%以上収縮させ、次いで樹脂加工を施してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のストレッチ織物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020047886A1 (zh) * 2018-09-07 2020-03-12 南通芳翠家纺设计有限公司 一种纺织面料及处理方法
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