JP3171106B2 - 演奏情報発生装置 - Google Patents
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Description
関わり、特に弦楽器の演奏信号に基づいてMIDI(Mus
ic Instrument Digital Interface)信号等の演奏情報を
発生する演奏情報発生装置に適用して好適なものであ
る。
として弦振動に基づいて得られる弦振動信号を検出し
て、この検出情報に基づいてMIDI信号を生成して音
源を駆動することにより、音源において指定された音色
で、かつ、ギターにより演奏されたピッチや音の強度
(ベロシティ:Velocity)等に応じた楽音を発音するこ
とのできる、いわゆるギターシンセサイザといわれる電
子楽器が知られている。
ら、ギターを演奏することによって得られる楽音(弦振
動)としては、急峻に立ち上がって減衰していくエンベ
ロープが得られ、比較的発音時間の短いものとなる。そ
こでギターシンセサイザにおいては、本来、楽音の発音
時間が短いギターによっても長い発音時間を得ることが
できるように、サスティンペダルあるいはホールドペダ
ル等を用いた演奏モードが用意されている。サスティン
ペダル、ホールドペダルは、通常、ギターシンセサイザ
に対して接続するように設けられて演奏者が足により操
作するペダルスイッチとされている。
の一例を示す図であり、図10(a)には演奏者がギタ
ーを演奏して得られる演奏音(以下単にノートという)
の弦振動のエンベロープが模式的に示され、図10
(b)には、図10(a)の演奏情報に基づいてギター
シンセサイザの音源より出力される、ある音色による音
源出力音のエンベロープが模式的に示されている。例え
ば、図10(a)に示すように、先ず時点t1において
演奏者がノートAをピッキングして、ギターシンセサイ
ザ側でMIDI信号としてノートオン情報が得られたと
すると、図10(b)に示すように、時点t1において
これに応答するタイミングで音源出力音Asが発音され
る。音源出力音Asは、ノートAに応答するピッチ及び
ベロシティ等により発音されるものである。そして、こ
の場合にはノートAがまだノートオン中である時点t2
において、演奏者によりサスティンペダルの操作が行わ
れているが、この時点t2以降、この操作に基づいてギ
ターシンセサイザではサスティンモードとなる。
は、一旦発音された音源の音は、予めその音色に対して
設定されたサスティンレートによって徐々に減衰される
ように制御される。つまり、図10(a)に示すノート
Aの振動がほぼ停止して時点t3で、ノートAに関する
ノートオフ情報が得られたとしても、ギターシンセサイ
ザ側ではこのノートオフ情報を無効として図10(b)
に示すように音源出力音Asをサスティンレートに従っ
てサスティンさせるようにして発音を継続する。これに
より、ギター自体の楽音が減衰しても、音源出力音は長
時間継続して出力させることができる。
t4において、例えば演奏者が新たにノートBを弾いた
ものとする。すると、ギターシンセサイザ側では新たに
得られたノートBのノートオン情報に基づいて、先の音
源出力音Asとは異なる発音チャンネルを用いて、音源
出力音Asと同一音色の音源出力音Bsを発音するよう
にされる。このとき、サスティンモードはオンの状態が
維持されていることから、ノートBのノートオフ情報も
無効とされる。このため、先に発音された音源出力音A
sに加え、音源出力音Bsもサスティンレートに従って
サスティンすることになる。これにより、例えば時点t
4以降は音源出力音Asが減衰するまで、音源出力音A
s、Bsが継続して出力されることになる。このような
動作を利用して、例えばノートAとノートBとで異なる
ピッチを弾いた場合には、通常のギター演奏では不可能
とされる長時間発音が継続した和音の演奏が可能とな
る。また、通常のギターは6弦であることから6声より
多い和音の演奏は通常の奏法では不可能であるが、サス
ティンモードで更に多くのノートを順次弾き重ねていく
ことにより、発音チャンネル数にもよるが、7声以上の
和音を作り出すことも容易に可能となる。
一例を示す図であり、図11(a)にはギターのノート
の弦振動が模式的に示され、図11(b)には、上記弦
振動から生成するMIDI信号に基づいて、ギターシン
セサイザの音源より出力される楽音のエンベロープが模
式的に示されている。例えばホールドペダルの操作によ
ってホールドモードとされた場合には、発音された音源
出力音はノートオフ情報を無視してサスティンするよう
に制御される点ではサスティンモードと同様であるが、
この場合にはホールドモードが解除されるまでサスティ
ンが継続される。また、ホールドモードにおいて、新た
に得られたノートオン情報に基づいて発音される音源出
力音は、以前に発音された音源出力音の使用したMID
Iチャンネルとは異なるMIDIチャンネルを使用して
発音されるようになっている。
を操作してホールドモードとした状態において、図11
(a)の時点t1においてノートAを弾いたことによっ
て、ノートAのノートオン情報が得られると、図11
(b)に示すようにこのノートAに応じた音源出力音A
hが発音される。この音源出力音Ahは、現在ホールド
モードとされていることから例えば時点t2においてノ
ートAが減衰してもノートオフ情報は無効とされて、更
に音源出力音Ahのサスティンが持続される。そして、
続く時点t3において新たなノートBを弾くことにより
これに対応するノートオン情報が得られ、ノートBに応
じた音源出力音Bhが発音される。この音源出力音Bh
は、上述のように、先に発音された音源出力音Ahとは
異なるMIDIチャンネルを使用して発音するようにさ
れる。また、ホールドモードが解除されるまでサスティ
ンが維持されるようにして出力される。このようなホー
ルドモードでの演奏により得られる音響的効果として
は、長時間に渡る継続音による和音が容易に得られると
いう点では同様であるが、例えば音源出力音Ah、Bh
とで用いられることになる各MIDIチャンネルに異な
る音色をアサイン(割り当て)しておくことで、異なる
音色による和音が得られるため、あたかも複数の楽器を
演奏しているかのような音響効果を得ることができる。
セサイザを用いた奏法として、例えば、サスティンモー
ドあるいはホールドモードによって1つの音色を長時間
継続して鳴らし、かつサスティンしている音色に対して
自在にピッチ変化(ピッチベンド)を与えるようにコン
トロールを行いたいという要望があることは当然考えら
れるものである。
発音されたノートに対してピッチ変化を与える奏法とし
ては、あるノートを弾いた後に、押弦した状態を保ちな
がら他のフレットに移動するいわゆるスライド奏法や、
押弦した弦を指板上で垂直方向に引っ張って弦の張力に
変化を与えることによって音程を高くするように弾く、
いわゆるチョーキング奏法が挙げられる。また、ギター
に張られた弦を支持するブリッジを支点を中心に回動可
能に構成したいわゆるビブラートユニットが知られてい
るが、このビブラートユニットに設けられたアームとい
われる操作部分を操作することによってピッチ変化を与
えるアーミング奏法などが挙げられる。ギターシンセサ
イザ側ではこのような奏法により変化するギターの音
を、MIDIのピッチベンド情報として扱い、音源出力
音にピッチ変化を与えるように制御することができるよ
うになっている。
図11にて説明したサスティンモードあるいはホールド
モードを利用して行うことは非常に困難となる。この理
由について再度、図10を参照してサスティンモードを
使用した場合について説明する。
ノートAが弾かれてノートオンとなり、時点t2におい
てサスティンモードとなることによって、音源出力音A
sは図10(b)に示すようにサスティンレートに従っ
てサスティンするように発音されることは先に述べたと
おりであるが、このノートAに対して演奏者が上述のよ
うな奏法を用いてピッチ変化を与えているとしても、こ
のノートAのピッチ変化が音源出力音Asに反映される
のは、ノートAが減衰してノートオフとなる時点t3ま
でである。つまり、期間t1〜t3まではギターシンセ
サイザによりノートAが検出可能とされており、従っ
て、この間はノートAのピッチ変化がMIDI信号のピ
ッチベンド情報として検出されて、音源出力音Asにつ
いてピッチベンド制御を行うことが可能であるが、ノー
トAがノートオフとなる時点t3以降においては、ノー
トAのピッチベンド情報も当然得られなくなるために、
時点t3の直前に得られていたピッチベンド情報に基づ
くピッチに固定されてサスティンが維持することにな
り、これ以上音源出力音Asについてはピッチベンドの
コントロールをすることはできなくなる。
(a)の時点t4で、演奏者が更に音源出力音Asに対
してピッチ変化を与えようとして、ノートAと同一の弦
について再度ピッキングを行ったとする。ところが、こ
のような演奏を行うと、先に説明したように他の発音チ
ャンネルを使用して新たな音源出力音Bsが発音されて
2つの音が重なってしまうことになる。更に、この状態
で演奏者がノートBにピッチ変化を与えた場合には、音
源出力音As,Bsは同一MIDIチャンネルであるた
めに、音源出力音As,Bsの両者に対してピッチベン
ド情報が有効とされて、ピッチベンドされることにもな
ってしまい、場合によっては音源出力音As,Bsが演
奏者の求めない不協和な和音をつくる可能性もある。こ
のように、図10により示したサスティンモードの動作
では、音源出力音についてサスティンさせながらピッチ
ベンドをコントロールすることはできないことが理解さ
れる。また、図11に示したホールドモードにおいて
も、同様にして一旦ホールドした音源出力音について継
続的にピッチベンドをコントロールすることはできな
い。
問題点を考慮して、ギターシンセサイザ等の電子楽器に
より、例えば長時間継続する音源出力音に対して、継続
してピッチベンドのコントロールを行うといったような
新しい奏法を演奏者に提供できる演奏情報発生装置を得
ることを目的とする。
弦振動信号に基づいて、楽音の発音状態を指示するため
の演奏情報を発生して出力する演奏情報発生装置におい
て、当該演奏情報発生装置に設けられた所定の操作子の
操作により所定の第1および第2の演奏モードとされた
場合には、それ以降、上記弦振動信号に基づいて演奏情
報として得られるべきノートオン情報及びノートオフ情
報については出力しないようにされると共に、上記ノー
トオン情報及びノートオフ情報以外の他の種類の所要の
演奏情報については出力するように制御し、当該演奏モ
ードが所定の第1の演奏モードであった場合は、前記楽
音の発音状態を所定の減衰特性に基づいて減衰するよう
にし、前記演奏モードが所定の第2の演奏モードであっ
た場合は、前記楽音の発音状態を当該第2のモードが解
除されるまで継続させるようにする制御手段を備えて構
成することとした。
時に対応する1回目の弦振動信号のピッチと、上記所定
の演奏モードとされて以降、新たに得られた弦振動信号
のピッチとの音程差を検出する音程差検出手段を備え、
制御手段は、この音程差検出手段により検出された音程
差に対応するピッチベンド量を演奏情報のピッチベンド
情報として出力するようにした。
サスティンペダル又はホールドペダルの操作によりサス
ティンモード又はホールドモードをオンとした時点以降
にピッキングしたノートに応答するノートオン情報及び
ノートオフ情報は出力されないことになるが、ピッチベ
ンド情報などをはじめとする他の演奏情報は出力され
る。従って、演奏者がサスティンモード又はホールドモ
ード中に新たにピッキングしたノートにピッチ変化を与
えるといった演奏を行うことで、現在サスティンあるい
はホールド効果が有効とされている音源出力音に対して
継続的にピッチベンドコントロールを行うことができ
る。
の実施の形態について図1〜図9を参照して説明する。
なお、以降の説明は次の順序で行うこととする。 A ギターシンセサイザの構成 B サスティン・ベンドコントロールモードの概要の説
明 (a) サスティン・ベンドコントロールモードを使用
した奏法例 (b) ピッチベンド値の制御 C サスティン・ベンドコントロールモードを実現する
ための処理動作 D MIDI機器の処理動作
を備えて構成することのできるギターシンセサイザの一
例を示すブロック図である。この図において、6弦独立
ピックアップ1は、例えばギター本体側のブリッジ近傍
に対して取り付けられて、ギターの1弦〜6弦の弦ごと
の振動を独立して取り出して電気信号として出力する。
A/Dコンバータ2は、上記6弦独立ピックアップ1の
信号をデジタル信号に変換して出力する。この場合、C
PU3はA/Dコンバータ2を介して入力された6本の
弦の信号に基づいて、MIDI機器9を駆動するための
演奏情報信号であるMIDI信号を生成するための各種
処理動作が行われるものである。RAM4は、CPU3
の処理制御や演算処理に伴う各種データが格納されるも
のであり、ROM5には例えばCPU3が各種制御を実
行するためのプログラムデータ等が格納される。ペダル
インターフェイス6に対しては外部よりペダルPが接続
されて、ペダルPの操作情報をCPU3に供給する。C
PU3ではペダルPの操作情報に応じた制御パラメータ
の情報を含むMIDI信号を生成する処理を行うことに
なる。パネル部7には、音源の音色、使用するMIDI
チャンネルの選択や、各種モード設定の切換えなどを初
めとする、所要の操作を行うためのキー操作部が設けら
れると共に、ギターシンセサイザの動作状態等を示す表
示装置(例えば液晶パネルやLED(Light Emitting Di
ode)など)が備えられているものとされる。CPU3で
はキー操作部の操作情報に対応する所要の処理動作を実
行するようにされると共に、表示装置の表示制御も行う
ものとされる。MIDIインターフェイス8は、CPU
3の処理動作によって生成されたMIDI信号データを
MIDI機器9に対して供給するためのインターフェイ
スとされる。MIDI機器9は、例えばギターシンセサ
イザの本体に内蔵されると共に各種音色を備えた音源装
置を備えており、MIDIインターフェイス8を介して
供給されたMIDI信号に基づいて、音源装置において
選択された音色を発音するように動作する。なお、MI
DI機器9としては外部の機器が用いられても構わな
い。
ーシンセサイザにおいて行われるMIDI信号発生に関
する処理動作の概念を機能ブロックごとに示す図であ
る。このMIDI信号発生のための処理は、実際には主
としてCPU3の処理動作により実現される。この図に
おいて、A/Dコンバータ2よりデジタル信号として供
給された6弦独立ピックアップ1の弦振動信号は、MI
DI信号発生系10として示す機能ブロックのピッチ検
出ブロック11及びエンベロープ検出ブロック12に供
給される。ピッチ検出ブロック11では入力された弦振
動信号に基づいて弦のピッチを検出し、そのピッチ情報
をノート情報検出ブロック13に伝送する。また、エン
ベロープ検出ブロック12では入力された弦振動信号か
ら、音の強さ(大きさ)の情報である弦のエンベロープ
を検出し、この検出信号をノート情報検出ブロック13
に伝送する。ノート情報検出ブロック13では、入力さ
れたピッチ情報及びエンベロープ情報に基づいて、弦が
発音されたことを示すノートオン情報、弦振動の停止に
対応するノートオフ情報、1つのノートにおけるピッチ
変化の程度を示すピッチベンド情報などの各種MIDI
信号発生に必要な情報を生成し、MIDI信号処理ブロ
ック14に供給する。なお、上述したA/Dコンバータ
2、ピッチ検出ブロック11、エンベロープ検出ブロッ
ク12、及びノート検出ブロック13までの動作は、実
際には6弦独立ピックアップ1より出力される各弦振動
信号ごとに独立して行われるものである。
ト検出ブロック13から供給された各種ノート情報と、
ペダルP側から供給されるペダル操作情報に基づいて、
MIDI機器9の音源を駆動するためのMIDI信号を
発生させるための処理動作を行う。
ドの概要の説明 (a) サスティン・ベンドコントロールモードを使用
した奏法例 上述のようにして構成される本実施の形態のギターシン
セサイザにおいては、先に図10及び図11にて説明し
たサスティンモードとホールドモードに加えて、サステ
ィン又はホールドさせている1つの音源出力音に対して
継続してピッチベンドのコントロールを行う奏法を実現
することのできる、「サスティン・ベンドコントロール
モード」及び「ホールド・ベンドコントロールモード」
が設けられる。
ルモード」の使用により実現される奏法の一例について
図3を参照して説明する。図3(a)にはギターより発
音されたノートの弦振動のエンベロープが模式的に示さ
れ、図3(b)には上記弦振動とサスティンペダルの操
作情報に基づいて、MIDI機器9より出力される音源
出力音のエンベロープが模式的に示されている。
ギターシンセサイザのパネル部7を操作する等して、予
めペダル操作によりサスティン・ベンドコントロールモ
ードのオン/オフコントロールを行うことができるよう
な状態に設定しているものとする。なお、通常のサステ
ィンモード用のペダルとサスティン・ベンドコントロー
ルモード用のペダルを用意して、それぞれのモードを独
立して演奏者がオン/オフコントロールできるようにす
ることも考えられる。
もとで、例えば演奏者が図3(a)に示すように時点t
1において、ある弦により最初のノートAをピッキング
したとすると、このノートAのノートオンメッセージが
MIDI信号として発生されてMIDI機器9に供給さ
れるが、これにより図3(b)の時点t1よりノートA
に応答する音源出力音Asが出力される。そして、この
場合にはノートAがノートオン中である時点t2におい
て演奏者がサスティンペダルを操作している。これによ
りサスティン・ベンドコントロールモードがオンとなっ
て、時点t2以降はノートAの弦振動信号の実際の減衰
に関わらず、音色に対して設定されたサスティンレート
により音源出力音Asがサスティンしていくようにされ
ることになる。この間、演奏者は時点t1でピッキング
したノートAに対して前述したような何らかの奏法を用
いて音程変化を継続的に与えるように演奏しているもの
とされ、ギターシンセサイザ側ではこのピッチ変化に応
じたMIDI信号のピッチベンド情報を発生させる。こ
れにより音源出力音AsにはノートAのピッチ変化に対
応するピッチベンド効果が得られていることになる。
ノートオフとなっていない時点t3において演奏者はノ
ートBを弾いている。なお、このノートBは先のノート
Aを弾いた弦と同一の弦を弾いたものとされる。そし
て、サスティン・ベンドコントロールモードの場合に
は、このノートBに応答して得られたノートオン情報は
無効と見做す。つまりノートBに応答するノートオンメ
ッセージはMIDI信号としてMIDI機器9側に出力
しない処理が行われる。なお、この時点t3においては
ノートAに関してはノートオフのタイミングとなるが、
ノートオフ情報が無効とされて音源出力音のサスティン
を継続させるという点では通常のサスティンモードの場
合と同様である。このような場合、通常のサスティンモ
ードでは、図10にて説明したようにノートオン情報は
有効とされて、他の発音チャンネルを使用して新たな音
源出力音が発音されるが、本実施の形態のサスティン・
ベンドコントロールモードではノートオン情報が無効と
なることによって、ノートBに応答する新たな音源出力
音は発音されず、図3(b)に示すように音源出力音A
sのみが依然としてサスティンしている状態が得られ
る。ただし、時点t3以降においてノートBに対応して
発生されるMIDI信号としては、ノートオン情報が無
効とされるだけなので、ノートBについてのピッチベン
ド情報などの他のメッセージ情報は有効とされてMID
I機器9側に出力される。従って、演奏者がノートBに
対してピッチ変化を与えるように演奏していれば、時点
t3以降も引き続いて、音源出力音Asに対してピッチ
変化を与えるようにコントロールすることが可能とな
る。
続いて時点t4でノートC(ノートAと同一弦)がピッ
キングされ、ノートCに続いては時点t5でノートD
(ノートAと同一弦)がピッキングされているが、時点
t4以降においても、上述したと同様に新たにピッキン
グされたノートC、ノートDのノートオン情報は無効と
されることによって、ノートC、ノートDに応答する新
たな音源出力音は発音されずに最初に弾いた音源出力音
Asのみのサスティンが継続される。そして、演奏者が
ノートC、ノートDに対してピッチ変化を与える演奏を
することにより、音源出力音Asに対するピッチベンド
コントロールを継続して行うようにされる。 また、こ
の場合には図3(a)に示すように時点t6においてノ
ートDが減衰してノートオフとされているが、このノー
トオフ情報も無効として扱われるため、時点t6以降も
音源出力音Asのサスティンが継続されている。ただ
し、時点t6以降においては、新たなノートが弾かれて
いないことから演奏者によるピッチベンドコントロール
はできないことになる。
ばらく経過した時点t7において、演奏者によりサステ
ィンペダルが操作されてサスティン・ベンドコントロー
ルモードがオフとされており、これによってMIDI信
号のサスティンオフメッセージが得られる。このため、
時点t7からは現在発音されている音源の音色に対して
設定されているリリースレートに基づいて音源出力音A
sが減衰され、リリース音の消える時点t8において音
源出力音Asの発音が終了されることになる。
ィン・ベンドコントロールモードとされた期間において
は、MIDI信号のノートオフ情報を無効とするのに加
えて新たにピッキングされれたノートのノートオン情報
も無効とするように制御が行われるため、最初にピッキ
ングされたノートに応答して発音された音源出力音のみ
をサスティンさせることが可能となると共に、この音源
出力音がサスティンしている間に新たにギターによりノ
ートを弾いて、このノートにピッチ変化を与える奏法を
行うことにより、上記音源出力音に対して継続してピッ
チベンドコントロールを行うことが可能となる。つま
り、通常のサスティンモードでは不可能とされた、1つ
の音源出力音をサスティンさせながらピッチベンドさせ
るという奏法がギターシンセサイザによって可能とされ
ることになる。具体的に図3の場合であれば、ノートA
をピッキングした時点t1からサスティン・ベンドコン
トロールモードがオフとされる時点t6までの期間にわ
たり、継続して音源出力音Asに対するピッチベンドコ
ントロールが可能とされることになる。
トロールモードにより演奏者が求める上述のピッチベン
ドコントロール効果が得られるように、次に図4により
説明するようにして、MIDI信号のピッチベンド値の
情報(ピッチベンド情報)について処理制御を行うよう
にされる。
している。また、図4(b)(c)は、図4(a)の演
奏タイミングに応答する音源出力音のピッチ変化を比較
して示すものとされ、図4(b)が本実施の形態のサス
ティン・ベンドコントロールモードにより得られるピッ
チ変化である。ここで、ギターのチューニングが通常の
ノーマルチューニングであるとして、図4(a)に示す
ように時点t1においてノートAをピッキングしてノー
トオンしたとする。この場合、ノートAのノートオン時
には1弦8フレットのC6の音をピッキングしたものと
され、この状態から時点t1(s)に至るまで、スライ
ド奏法により押弦した指をスライドさせて、同じ1弦1
2フレットのE6の音にまでピッチを変化させている。
この状態を図4(b)(c)に示す。そして、このE6
の音が継続して得られている状態で、時点t2において
演奏者がサスティン・ベンドコントロールモードをオン
にしている。
Aのノートオン時(時点t1)にはピッチ検出ブロック
11(図2参照)によりC6のピッチが検出されてい
る。このため、ノートAに応答するMIDI信号のノー
トオン情報としては、C6であることを示す音階情報を
含んで出力される。そして、この後スライド奏法による
フレット移動に伴ってピッチ変化が検出されるが、E6
の音までスライドが行われた時点では、C6からE6ま
での4半音分の音程差に対応する+400セントのピッ
チベンド値の情報がMIDI信号処理ブロック14によ
り生成されて、MIDI信号として出力されることにな
る。これにより、音源出力音Asも演奏タイミングに応
答するようにしてC6からE6の音にピッチベンドされ
る。
において、時点t2でサスティン・ベンドコントロール
モードがオンとされ、続く時点t3において、演奏者が
上記1弦12フレットのE6の音を押弦した状態でノー
トBをピッキングしたとする。このときには、ギターシ
ンセサイザに入力されたノートBの信号により、ピッチ
検出ブロック11ではE6の音を検出することになる。
従って、このときに本来発生するノートBに応答したノ
ートオン情報としては、E6であることを示す音階情報
が含まれる。また、ピッチベンド値の情報としては0セ
ントにリセットされることになる。
ールモードにおいては、新たに弾かれた音についてはノ
ートオン情報をMIDI機器側に出力しないようにされ
ているのみであることから、ピッチベンド情報は有効と
して扱われることになる。従って、仮にノートBのノー
トオン時に得られた0セントのピッチベンド情報に基づ
いて音源を駆動した場合には、時点t3以前まで有効と
されていた+400セントのピッチベンド量が0セント
に戻されることになる。これに対して現在有効とされて
いるノートの音階情報はノートAのノートオン時のC6
であるため、時点t3においては、演奏者はE6の音を
出しているのにも関わらず、音源出力音のピッチは図4
(c)に示すようにE6からC6に戻ってしまうという
不都合が生じる。
ンドコントロールモードにおいて、ノートが新たにピッ
キングされるごとに、現在発音中の音源出力音のノート
オン時のピッチと、この後にピッキングされたノートの
音程差を検出し、現在発音中の音源出力音のノートオン
イベント時に得られて現在まで有効とされているピッチ
ベンド情報に対して、上記検出された音程差に対応する
ピッチベンド値を加算するようにされる。例えば図4の
場合であれば、ノートAのノートオン・イベント時の音
階情報はC6であり、このときのピッチベンド情報とし
ては0セントである。ここで、ノートBのノートオン・
イベント時の音階はE6とされていることから、ノート
AよりもノートBが400セント高いことが検出され
る。そして、時点t3において出力されるピッチベンド
情報は、本来、前述のように0セントにリセットされて
いるが、このピッチベンド値に400セントを加算した
情報を発生させることによって、図4(b)に示すよう
に時点t3以降もE6のピッチが得られて、実際に演奏
者が押弦して演奏している音のピッチに対応することに
なる。
行った場合が示されているが、前述したチョーキング奏
法をはじめとする他の奏法によりピッチ変化を与えてい
る場合でも、図4の動作により実際の演奏ピッチに対応
することが可能である。また、図4ではピッチが高くな
るように変化する場合について説明したが、ピッチが低
くなるように変化した場合でも対応するものであり、こ
の場合には検出された音程差に応じたピッチベンド量を
減算したピッチベンド情報を発生するようにされる。
ドを実現するための処理動作 次に、これまで説明して来た本実施の形態によるサステ
ィン・ベンドコントロールモードの動作を実現するため
のCPU3の処理動作について、図5〜図8のフローチ
ャートを参照して説明する。これら図5〜図8に示す処
理動作は、図2に示した機能回路ブロックとして、MI
DI信号発生系10内のMIDI信号処理ブロック14
により行われるものとされる。
DI信号発生のためのメインのルーチンが示されてい
る。このルーチンにおいては、先ずステップF101に
おいてギターシンセサイザの基本動作等に関わる各種初
期設定が行われる。ステップF102においてはパネル
処理が行われ、初期設定後のパネル部7のキー操作部な
どの操作情報に対応する処理が行われる。例えばユーザ
のパネル部7に設けられたキー操作等に基づいて、音源
の音色などの切換え設定などの実行が可能とされ、本実
施の形態のサスティン・ベンドコントロールモードを含
む各種モード切換えの設定もこのステップにおいて行わ
れる。またギターシンセサイザの動作状態に応じたパネ
ル部7の表示装置の表示制御も実行される。
は、上記ステップF101及びF102により設定され
たギターシンセサイザの動作状態に応じた処理が行われ
る。ステップF103は、6弦独立ピックアップ1から
供給される弦ごとの弦振動信号に基づいて、MIDI信
号のノートオン情報及びノートオフ情報を発生するため
の処理が行われるノートイベント処理が行われる。 ス
テップF104は、設定されたモードの条件下でのペダ
ル操作に応じてMIDI機器9を制御するための各種メ
ッセージ情報を発生するペダル処理が行われ、ステップ
F105は入力されたギターの弦の信号のピッチ変化に
基づいてピッチベンド情報を発生する処理が行われる。
プF101の初期設定より後のステップF102〜F1
05の処理が繰り返し実行されることで、入力されたギ
ターの弦振動信号に応じてMIDI信号を発生してMI
DI機器9を駆動するようにされる。そこで次に、例え
ば上記ステップF102においてサスティン・ベンドコ
ントロールモードが設定された場合に対応する、ノート
イベント処理(ステップF103)、ペダル処理(ステ
ップF104)、ピッチベンド処理(ステップF10
5)について、それぞれ図6〜図8を参照して説明す
る。
においては、先ずステップF201においてレジスタi
について「1」と設定する。このレジスタiの値はそれ
ぞれ異なるギターの弦(即ち、6弦独立ピックアップ1
から出力される各弦ごとの弦振動信号)に対応してお
り、従ってこの場合には6弦のギターに対応するギター
シンセサイザとされていることから、レジスタiの値は
「1」〜「6」の何れかの値をとることになる。
タiに設定された値に対応する、i番目の弦についてノ
ートオンイベントがあったかどうか、つまり図2に示し
たノート情報検出ブロック13において、i番目の弦の
ピッキングに対応するノートオン情報が検出されたかど
うかについて判別を行っている。このステップF202
でノートオン情報が検出されず、「no」と判別された
場合にはステップF208に進むようにされる。これに
対して、ステップF202においてノートオン情報が検
出されて「yes」と判別された場合にはステップF2
03に進むことになる。ステップF203においては、
ノートオン時においてピッチ検出ブロック11で検出さ
れた検出情報に基づいて、音階レジスタNote_iに
ついて検出されたピッチに対応するノートコードを設定
する。ここでいうノートコードとは例えばMIDIの規
格により定められるもので、C−2〜G6の音域に対し
て半音の音階ごとに割り与えられた0〜127のコード
を1バイトのデータにより表したものである。
作により得られるモード設定がオンとされている「ペダ
ルオン」の状態にあるか(この場合であればサスティン
・ベンドコントロールモードとされるか)どうかが判別
される。ここで「ペダルオフ」の状態として「no」と
判別された場合には、ステップF207に進んで、i番
目の弦のノートオンメッセージをiチャンネルによるM
IDIチャンネルで送信するようにされる。つまり、こ
の場合には通常の演奏モードであることから、ノート情
報検出ブロック13において検出されたi番目の弦のノ
ートオン情報に基づいて、ノートオンメッセージを出力
するようにされる。ノートオンメッセージには、ノート
オンされたi番目の弦の音階情報(ノートコード)とベ
ロシティの情報が含まれるものである。
オンの状態とされて「yes」と判別されている場合に
は、レジスタHold_on_iについて「1」とされ
ているかどうかについて判別を行う。レジスタHold
_on_iは、ペダル操作により得られるモード設定が
オンとされている状態において、i番目の弦についてそ
のモードが有効とされているかどうかを示すフラグとさ
れ、有効である場合には「1」とされ、無効である場合
には「0」とされる。この場合にはサスティン・ベンド
コントロールモードであることから、i番目の弦がノー
トオン中であるときに、サスティン・ベンドコントロー
ルモードが既に有効とされているかどうかが判別される
ことになる。つまり、i番目の弦のピッキングに応答し
て既に発音された音源出力音について、既にサスティン
・ベンドコントロールモードによるサスティン効果が設
定されている状態にあるかどうかが判別される。
o」と判別された場合には、現在i番目の弦については
サスティン・ベンドコントロールモードによるサスティ
ン効果が設定されていないとして、ステップF207に
進んで、i番目の弦のノートオンメッセージをiチャン
ネルによるMIDIチャンネルで送信する、つまり、i
番目の弦は新たに弾かれた弦であるとして、そのノート
オン情報を有効とする。
「yes」と判別された場合には、現在i番目の弦につ
いてはサスティン・ベンドコントロールモードによるサ
スティン効果が既に有効とされているものとされる。こ
の場合にはステップF206に進んで、レジスタNew
_note_iに対して、先のステップF203で設定
されたレジスタNote_iのノートコードを設定して
ステップF208に進む。なお、レジスタNew_no
te_iのデータは後述するピッチベンド処理時におい
て、図4にて説明したピッチベンド値の制御を行うため
に利用される。
8に示す処理により、サスティン・ベンドコントロール
モード時において既にノート情報が得られていた弦を再
びピッキングすることにより新たなノートを得た場合に
は、このときのノートオン情報を無効として、MIDI
信号によるノートオンメッセージは出力しないようにさ
れる。つまり、先に説明した図3の場合であれば時点t
3、t4、t5においてピッキングされたノートB、ノ
ートC、ノートDのノートオン情報を無効とする処理が
行われることになる。
について現在[i=6]とされているかどうかについて
判別している。つまりこれまで説明して来たステップF
202〜F207の処理が各弦ごとに行われたかどうか
が判別され、ここで「yes」と判別された場合には、
すべての弦についてのノートオンメッセージに関する処
理が行われたとして、ステップF210に進むことによ
り、次のノートオフメッセージのための処理段階に移行
するが、「no」と判別された場合にはステップF20
9に進んでレジスタiについてインクリメントを行って
ステップF202に戻るようにされ、更に次のi番目の
弦について同様の処理を行うようにされる。
セージのための処理が示されている。ここでは、ステッ
プF210においてレジスタiについて「1」と設定し
た後、ステップF211においてi番目の弦に関してノ
ートオフイベントがあったかどうかが判別される。ノー
トオフ検出は図2に示したノート情報検出ブロック13
により行われる。このステップで「no」と判別された
場合にはステップF215に進むが、「yes」と判別
された場合にはステップF212においてペダルオンの
状態とされているかどうかについて判別が行われる。上
記ステップF212において「no」と判別されてペダ
ルオフとされている場合には、通常モードの処理として
i番目の弦についてのノートオフメッセージをichの
MIDIチャンネルにより出力するようにされ、一方、
「yes」の判別結果が得られてペダルオンの状態にあ
るとされた場合には、ステップF213に進む。ステッ
プF213においては、現在、レジスタHold_on
_iについて「1」とされているか判別しており、
「1」とされていない(「no」)の場合には、i番目
の弦についてのノートオフメッセージをichのMID
Iチャンネルにより出力する。これに対して、「ye
s」と判別された場合には、これまでノート検出されて
いたi番目の弦に対してサスティン効果が既にかかって
いたとして、i番目の弦についてはノートオフメッセー
ジを出力しない、つまり無効としてそのままステップF
215に進むようにされる。この処理によって演奏者が
サスティン効果を与えているi番目の弦に対応する音源
出力音は、i番目の弦が減衰して弦振動信号の検出がさ
れなくなるのに関わらず、以降も設定されたサスティン
レートに従ったサスティンが継続されることになる。
処理により、上記ステップF211〜F214の処理が
各弦ごとについて行われるのは、先に説明したステップ
F208及びF209と同様であり、ステップF215
において「yes」と判別された場合には、すべての弦
についてのノートオフメッセージに関する処理が行われ
たとしてメインのルーチンに戻るようにされる。
されている。このペダル処理のルーチンにおいては、先
ずステップF301においてペダルオンイベントの有無
が判別される。つまり、ペダルオフであった状態からペ
ダルオンに切換えるペダル操作(この場合は、サスティ
ン・ベンドコントロールモードをオンとする操作)が行
われたかどうかが判別されており、「no」の判別結果
が得られた場合にはステップF309に進むようにされ
るが、「yes」と判別された場合には、レジスタiに
ついて「1」を設定してステップF303に進む。
ートオン中であるかが判別される。つまり、ペダルオン
が行われた時にi番目の弦が演奏されており、この弦振
動信号がノート情報検出ブロック13により検出されて
いる状態にあったかが判別されるものである。このステ
ップでノートオン中ではないと判別された場合にはステ
ップF307に進むが、ノートオン中であると判別され
た場合にはステップF304に進んで、レジスタHol
d_on_iについて「1」を設定する。これにより、
i番目の弦の信号に応答して発音された音源出力音に対
してサスティン(ホールド)効果を設定することが示さ
れる。そして、次のステップF305において、レジス
タOld_note_i及びレジスタNew_note
_iのそれぞれに対して、現在レジスタnote_iに
対して設定されているノートコードを設定する。レジス
タnote_iは、先に図6に示したノートイベント処
理におけるステップF203の処理により設定された値
とされる。また、レジスタOld_note_iは、レ
ジスタNew_note_iと共に後述するピッチベン
ド処理時に用いられるものである。
おいてサスティンオンのメッセージ情報をiチャンネル
のMIDI信号として出力するようにされる。これによ
りMIDI機器9側では、i番目の弦の信号に応答する
音源出力音に対してサスティン効果をかけるように動作
する。例えば、図3の場合であれば時点t2においてノ
ートAに対応する音源出力音Asに対してサスティンが
かけられる動作に相当する。
により、ステップF303〜F306までの処理が各弦
ごとに実行される結果、6つのすべての弦に対応してペ
ダルオンイベントに関連する処理が実行されると、ステ
ップF309以降のペダルオフイベントに関連する処理
動作に移行する。
ドコントロールモードをオフとするためのペダル操作と
なる、ペダルオフイベントが行われたかどうかが判別さ
れ、ここで「no」の判別結果が得られた場合には、こ
のままペダル処理のルーチンを抜けることになるが、
「yes」の判別結果が得られた場合にはステップF3
10に進んでレジスタiに対して「1」を設定してステ
ップF311に進む。ステップF311では、レジスタ
Hold_on_iが「1」とされているか判別してお
り、ここでHold_on_iが「1」とされておら
ず、サスティン効果が設定されていない場合には、特に
処理を行うことなくステップF314に進むが、レジス
タHold_on_iが「1」とされて、現在i番目の
弦に応答する音源出力音についてサスティン効果が設定
されている場合には、ステップF312に進む。なお、
ステップF311において、レジスタHold_on_
iが「1」とされていない場合としては、このi番目の
弦が弾かれていない場合、及びサスティン・ベンドコン
トロールモードにおいて、現在サスティン効果が設定さ
れている弦以外の他の弦として、i番目の弦を弾いてい
た場合が挙げられる。
オフのメッセージ情報をichのMIDI信号として発
生して出力するようにされ、次のステップF313にお
いてレジスタHold_on_iを「0」に設定してス
テップF314に進む。上記ステップF312→F31
3の処理が行われることによりにより、MIDI機器9
側ではi番目の弦に応答する音源出力音のサスティンを
オフとして、予め設定されたリリースレートに従って発
音を終了させる。具体的に図3の場合であれば時点t7
〜時点t8の動作がこれに対応する。そして、ステップ
F314とステップF315の処理によって、これまで
説明してきたステップF311〜F314の処理が各弦
ごとに対応して行われることになり、この後メインのル
ーチンへ戻るようにされる。
理動作を示す。このピッチベンド処理は、先に図4にて
説明したサスティン・ベンドコントロールモードにおけ
るピッチ制御を実現するための処理が行われるものであ
る。
1においてレジスタiを「1」と設定してステップF4
02の処理に進む。ステップF402においては、ノー
ト情報検出ブロック13にて検出されたピッチベンド情
報に基づいて、i番目の弦の信号についてのピッチ変化
の有無を検出しており、ピッチ変化量が「0」とされ
て、「no」の判別結果が得られた場合にはステップF
408に進むが、ピッチ変化があり、「yes」と判別
された場合にはステップF403に進む。
ンとされているかが判別され、ここで「no」と判別さ
れた場合にはステップF407に進んで、通常の演奏モ
ード時の動作として、新しく得られたピッチ変化量に基
づいて発生したピッチベンド値の情報をichのMID
I信号として出力した後、ステップF408に進むよう
にされる。一方、ステップF403において現在ペダル
オンであることが判別された場合にはサスティン・ベン
ドコントロールモード時の処理としてステップF404
に進む。
old_on_iについて現在「1」が設定されている
か判別して、「no」の判別結果が得られた場合にはス
テップF407に進むようにされるが、「yes」の判
別結果が得られて、現在i番目の弦に応答する音源出力
音に対してサスティン効果が設定されている場合には、
ステップF405に進む。このステップF405では、
現在得られているレジスタNew_note_iとレジ
スタOld_note_iに設定されたノートコードに
基づいて、 OFFSET=(New_note_i−Old_note_i)×1200 /S・・・(式1) について演算を行ってピッチ制御値OFFSETを算出
している。この場合、1200の数値は1オクターブ分
に相当するセント値とされ、変数Sは例えばS=12と
されて1オクターブに含まれる半音階の数に対応してい
る。従って、ピッチ制御値OFFSETとしては、レジ
スタNew_note_iにより示されるピッチに対す
るレジスタOld_note_iのピッチの音程差が、
半音程ごとにセント値により示されることになる。な
お、上記(式1)の変数Sは、例えばパネル部7のキー
操作等に基づいて、ユーザによって任意に設定可能なよ
うに構成されてもよく、これにより例えばSをより小さ
く設定することにより、より微妙な音程変化にも対応す
るピッチベンド制御を行うことができる。なお、このと
きには変数Sの設定変更に応じたピッチベンド検出のセ
ンシティビティ(感度)の変更も行うようにされること
が好ましい。また、レジスタNew_note_iは、
図6に示したノートイベント処理のステップF206に
おいて、i番目の弦のノートオンイベント時のピッチが
ノートコードとして設定されるものである。また、レジ
スタOld_note_iは、ペダルオンイベント時に
ノートオン中であったi番目の弦のノートオン時のピッ
チが設定されるものであり、図7に示したペダル処理の
ステップF305において設定される。
スティン・ベンドコントロールモードによりサスティン
させるべきi番目の弦のノートオン時のピッチと、この
モード期間において再びi番目の弦をピッキングしたと
きに検出されたピッチとの音程差を比較して、その音程
差をセント値として得る処理が行われるものである。具
体的に図4の場合であれば、時点t1においてノートA
をノートオンした時のC6のピッチがレジスタOld_
note_iに対して設定され、時点t3でノートオン
されたときのノートBのピッチがレジスタNew_no
te_iとして設定されていることになる。そしてステ
ップF405において(式1)の演算が行われる結果、
+400セントのピッチ制御値OFFSETが得られる
ことになる。
は、現在得られているピッチベンド値に対して、上記ス
テップF405で得られたピッチ制御値OFFSETを
加算したピッチベンド情報を得る。そして、このピッチ
ベンド情報をichのMIDI信号としてMIDI機器
9に出力するようにされる。MIDI機器9ではこのピ
ッチベンド情報に基づいて音源のピッチベンド制御を行
うことにより、例えば図4にて説明したように、時点t
3において音源出力音のピッチがE6からC6に変わら
ずに、C6のピッチが維持されることになる。この場合
には、時点t1以降継続して有効とされているノートA
のノートオン情報に含まれるC6のノートコードに対し
て、時点t3において+400セントのピッチベンド値
の情報が与えられることになる。
9の処理によって、これまで説明してきたステップF4
02〜F407の処理が各弦ごとの信号に対応して行わ
れ、この後メインのルーチンへ戻るようにされる。
行うMIDI機器9側の処理動作を図9のフローチャー
トに示す。この処理動作は、例えば図示しないMIDI
機器9に設けられた制御部により実行されるものであ
る。このルーチンにおいては、先ずステップF501に
おいてMIDI信号のノートオンメッセージの受信の有
無を判別しており、「no」の判別結果が得られた場合
にはそのままステップF503に進み、「yes」と判
別されたのであればステップF502において、上記ノ
ートオンメッセージに対応するMIDIチャンネルにア
サインされている音源の音色を発音させる処理を行って
後、ステップF503に進む。
ジの受信の有無を判別する。そして、ノートオフメッセ
ージが得られない場合にはそのままステップF505に
進み、ノートオフメッセージの受信が判別された場合に
は、ステップF504において、このノートオフメッセ
ージに対応して指定されたMIDIチャンネルにより発
音中とされている音色の消音処理を行うようにされる。
ンオンメッセージの受信の有無が判別される。そして、
サスティンオンメッセージが得られなければそのままス
テップF507に進むが、サスティンオンメッセージが
得られた場合には、このサスティンオンメッセージに対
応して指定されたMIDIチャンネルにより発音中の音
色をサスティンレートで減衰させていくように処理を行
う。また、次のステップF507では、サスティンオフ
メッセージの有無を判別して、このメッセージが得られ
なければそのままステップF509に進み、サスティン
オフメッセージが受信された場合には、対応のMIDI
チャンネルにアサインされた音色のサスティンを停止し
て消音処理を行うようにされる。このときには、前述の
ように音色に対して設定されたリリースレートで消音し
ていくようにされる。
れるMIDI信号のピッチベンド情報に基づいてピッチ
ベンド値の変化を判別しており、ピッチベンド値の変化
が得られた場合にはステップF510に進み、対応のM
IDIチャンネルにより発音されている音色に対して新
たなピッチベンド値を与えるようにされる。このステッ
プでピッチベンド値の変化があることが判別されなけれ
ば、そのままステップF511に進むようにされる。
ッセージ、ノートオフメッセージ、サスティンオンメッ
セージ、サスティンオフメッセージ、及びピッチベンド
情報に対応する以外の、その他の種類のメッセージ情報
に対応する各種処理動作が実行されるものであるが、こ
こでは便宜上説明を省略する。
9側の処理動作は、通常のMIDI機器の動作と同様で
ある。つまり本実施の形態では、MIDI信号発生系1
0側において、MIDI信号についてこれまで説明して
きたような処理を行うことでサスティン・ベンドコント
ロールモードが実現される。このため、MIDI機器9
については特に構成を変更をする必要がない。従って、
例えばギターシンセサイザに内蔵されるMIDI機器と
してはこれまでのMIDI音源を利用することができて
コスト的にも有利となる。また、外部MIDI機器に接
続した場合にも問題なく本実施の形態のサスティン・ベ
ンドコントロールモードを利用した演奏を行うことがで
きる。
コントロールモードについて説明して来たが、本実施の
形態としては前述のようにホールド・ベンドコントロー
ルモードも設けられるものとされる。そして、ホールド
・ベンドコントロールモードにおいては、ホールド効果
がかけられる音源出力音は、ホールド・ベンドコントロ
ールモードがオンとされているかぎり、予め設定された
エンベロープに従って持続するようにして出力され、る
点で、サスティンレートに基づく減衰が与えられるサス
ティンモードとは音響効果がことなるが、ホールドされ
た音源出力音に対して継続的にピッチコントロールを行
うようにすることが可能とされるものである。
ードを実現するためのギターシンセサイザ側のMIDI
信号の生成のための処理動作であるが、これまで説明し
て来たサスティン・ベンドコントロールモードに準ず
る。つまり、ホールド・ベンドコントロールモードの場
合には、図5に示したメインの処理ルーチンにおいて例
えばパネル処理(ステップF102)によって、ペダル
オン/オフイベントによって、ホールド・ベンドコント
ロールモードのオン/オフが行われるように設定した上
で、図6〜図8に示したノートイベント処理、ペダル処
理、及びピッチベンド処理が実行されるように構成する
ことになる。
ード、及びホールド・ベンドコントロールモードにおい
ては、これまでの説明から分かるようにMIDI信号の
ノートオン情報及びノートオフ情報が無効とされてMI
DI機器9側に出力されないようにしているのであり、
他のメッセージ情報は有効に出力されるものである。従
って、パネル部7のキー操作等の設定により、サスティ
ン・ベンドコントロールモード、及びホールド・ベンド
コントロールモードにおいても、例えばL,Rの定位を
コントロール可能なパンニングコントロールや、ボリュ
ームペダルなどを使用したボリュームコントロールや、
内蔵エフェクターのパラメータ可変制御などを、音源出
力音に対して行うことが可能とされ、このようなコント
ロールの組み合わせによっても、多様な音響効果が得ら
れることになる。また、本実施の形態のサスティン・ベ
ンドコントロールモード、及びホールド・ベンドコント
ロールモードにおいては、サスティン/ホールド効果が
設定された音源出力音に対応する弦以外の他の弦を新た
に弾いた場合には、ノートオン/ノートオフ情報が有効
とされて、通常の演奏を行うことができる。これは図6
に示したステップF205→F207の処理と、ステッ
プF213→F214の処理によって実現される。この
ため、先にピッキングしたある弦に応答する音源出力音
にサスティン又はホールド効果を与えて持続音を得た
後、他の弦により何らかのフレーズを演奏するといっ
た、多重演奏のような効果も得ることができ、図3に示
したような奏法以外の特殊効果を得ることも可能であ
る。
ことから、例えばギターシンセサイザにおいて、サステ
ィン(又はホールド)効果が与えられた音源出力音に対
して継続的にピッチコントロールを行うことが可能とな
り、これまでの通常のサスティンモードあるいはホール
ドモードでは不可能とされていた奏法及び音響効果を演
奏者に提供することができるという効果を有している。
そして、本発明では演奏情報信号について処理を行うこ
とで、上記効果を実現するようにされているために、演
奏情報信号に基づいて音源出力音を出力する音源装置側
は、特に構成を変更する必要はなく既存の音源装置の使
用が可能であり、これによって汎用性が得られると共に
ギターシンセサイザ本体のコストを抑えることも可能と
なる。また、本発明ではサスティン(又はホールド)効
果が与えられた音源出力音のノートオン時のピッチと、
この後に弾かれたノートのノートオン時のピッチを比較
して得られた音程の情報をピッチベンド情報に加算して
演奏情報信号として出力していることで、サスティンさ
れた音源出力音のピッチが元のピッチに戻る不都合を解
消して、演奏者が実際に演奏しているピッチ変化に応答
したピッチコントロールを音源出力音に与えるようにさ
れている。これにより、演奏者の演奏しているピッチに
呼応する音源出力音のピッチ変化が得られるために、演
奏者は特にストレスを感じることなく演奏に集中できる
ことになる。
イザの構成例を示すブロック図である。
MIDI信号処理をブロック的に示すブロック図であ
る。
ールモードを使用した奏法例を説明する説明図である。
けるピッチ制御を示す説明図である。
MIDI信号処理のメインルーチンを示すフローチャー
トである。
ートイベント処理を示すフローチャートである。
ダル処理を示すフローチャートである。
ッチベンド処理を示すフローチャートである。
機器側の処理動作を示すフローチャートである。
を示す説明図である。
示す説明図である。
CPU、4 RAM、5 ROM、6 ペダルインタ
ーフェイス、7 パネル部、8 MIDIインターフェ
イス、9 MIDI機器、10 MIDI信号発生系、
11 ピッチ検出ブロック、12 エンベロープ検出ブ
ロック、13 ノート情報検出ブロック、14 MID
I信号処理ブロック
Claims (2)
- 【請求項1】 弦振動により得られる弦振動信号に基づ
いて、楽音の発音状態を指示するための演奏情報を発生
して出力する演奏情報発生装置において、 当該演奏情報発生装置に設けられた所定の操作子の操作
により所定の第1および第2の演奏モードとされた場合
には、それ以降、上記弦振動信号に基づいて演奏情報と
して得られるべきノートオン情報及びノートオフ情報に
ついては出力しないようにされると共に、上記ノートオ
ン情報及びノートオフ情報以外の他の種類の所要の演奏
情報については出力するように制御し、当該演奏モード
が所定の第1の演奏モードであった場合は、前記楽音の
発音状態を所定の減衰特性に基づいて減衰するように
し、前記演奏モードが所定の第2の演奏モードであった
場合は、前記楽音の発音状態を当該第2のモードが解除
されるまで継続させるようにする制御手段を備えて構成
されることを特徴とする演奏情報発生装置。 - 【請求項2】 現在発音中の上記楽音のノートオン時に
対応する弦振動信号のピッチと、上記所定の演奏モード
とされて以降、新たに得られた弦振動信号のピッチとの
音程差を検出する音程差検出手段を備え、 上記制御手段は、上記音程差検出手段により検出された
音程差に対応するピッチベンド量を演奏情報のピッチベ
ンド情報として出力するように構成されていることを特
徴とする請求項1に記載の演奏情報発生装置。
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12082196A JP3171106B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 演奏情報発生装置 |
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1997
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Also Published As
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