JP3171080B2 - 水崩壊性シート用バインダー及び水崩壊性シート - Google Patents

水崩壊性シート用バインダー及び水崩壊性シート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水崩壊性シートに
関する。さらに詳しくは、排尿,排便後の拭き取りによ
る清拭処理、或いは便器、便座の拭き取りによる清拭処
理等に使用可能で、湿潤状態においては充分な強度を保
持するが、使用後に水洗トイレの放流水中に投棄するこ
とにより崩壊して放流可能となり、かつ保存時や使用時
の温度による水崩壊性の変動や変質が起こりにくい水崩
壊性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、殺菌除菌成分を含み水中で容
易に分解される水崩壊性シートが、トイレ清掃用品とし
て市販されており、使用後に廃棄のためトイレに流すこ
とができることから、便利な使い捨て商品として普及し
ている。トイレ清掃用シートには、拭き取りによる清拭
処理に耐えられる充分な湿潤強度と共に、使用後に廃棄
のためトイレに流しても放水管路を詰まらせる心配のな
い水崩壊性が要求され、水崩壊性と湿潤強度のバランス
がとれた水崩壊性シートが研究開発されている。
【0003】水崩壊性シートの湿潤強度を向上させるた
めには、水溶性樹脂をバインダーとして利用することが
提案されている。例えば、特開昭42−7957号公報
には、ポリビニルアルコールを水溶性塩類によりゲル化
させ強度向上を図ることが開示されている。しかし、長
期保存による水崩壊性の劣化や熱による強度の低下など
の問題があった。
【0004】また、特開平2−154095号公報に
は、カルボキシメチルセルロース等のカルボキシル基を
有する水溶性バインダーをアルカリ土類金属等の多価金
属塩によりゲル化させることが開示されている。しか
し、水崩壊性は良いものの十分な湿潤強度を得ることが
困難であった。さらに、そのほかにも天然系水溶性樹脂
をバインダーとして使用することが提案されているが、
充分な湿潤強度と水崩壊性とのバランスがとれた水崩壊
性シートを得ることは困難であった。
【0005】また、水崩壊性湿潤シートは、使用する地
域の水温により水崩壊性に影響を与える場合も多く、ま
た、高温になりやすい夏期の倉庫や車中での変質も心配
されが、これまでは水温の違いによる水崩壊性の変動
や、湿潤時の温度よる変質については殆ど考慮されてい
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水崩壊性と
湿潤強度のバランスがとれ、さらに保存時や使用時の温
度の影響を受けない水崩壊性シートの提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、鹸化度95〜
80モル%のポリビニルアルコールと熱ゲル化性のある
水溶性樹脂とを、1:10〜10:1の重量比で含むこ
とを特徴とする水崩壊性シート用バインダーを提供す
る。さらに、本発明は、パルプ,天然繊維または合成繊
維からなる水崩壊性シート素材に、上記バインダーを1
〜20g/m2 塗工した後、3〜30重量%の電解質溶
液に含浸させてなることを特徴とする水崩壊性シートを
提供する。
【0008】鹸化度95〜80モル%のポリビニルアル
コールは、高温において優れた水崩壊性を示し、熱ゲル
化性のある水溶性樹脂は、低温において優れた水崩壊性
を示す。また、鹸化度95〜80モル%のポリビニルア
ルコールは、低温で安定した湿潤強度を示し、熱ゲル化
性のある水溶性樹脂は、高温で優れた湿潤強度を示す。
したがって、鹸化度95〜80モル%のポリビニルアル
コールと熱ゲル化性のある水溶性樹脂とを1:10〜1
0:1の重量比で含む混合物は、保存時や使用時に温度
の影響を受けない水崩壊性シート用バインダーとして好
適に利用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水崩壊性シート用バイン
ダーを構成する鹸化度95〜80モル%のポリビニルア
ルコールとしては、鹸化度95〜80モル%の部分鹸化
ポリビニルアルコールが適当である。鹸化度が上記範囲
外になると、冷水への溶解性が低下し、これを塗工した
シートの水崩壊性が不良となる。鹸化度95〜80モル
%のポリビニルアルコールは、電解質による塩析により
ゲル化し、水崩壊性シートの湿潤強度を高くする。ま
た、80℃以上の高温では水崩壊性に良い効果を与え、
低温においては湿潤強度が安定である。
【0010】また、本発明の水崩壊性シート用バインダ
ーを構成する熱ゲル化性のある水溶性樹脂とは、「感温
性高分子」,「熱可逆性高分子」とも呼ばれ、該樹脂の
水溶液を加温するとゲル化する性質をもつものである。
例えば、セルロースエーテル,ポリビニルメチルエーテ
ル,ポリアクリルアミド誘導体,ブタジエン−マレイン
酸共重合体の金属塩などが挙げられ、これらのうちから
安全性,コスト,作業性などを考慮して選択使用すると
良い。熱ゲル化性のある水溶性樹脂は、低温では水崩壊
性に良好な効果をもたらし、高温では湿潤強度に良い効
果を与える。
【0011】本発明の水崩壊性シート用バインダーは、
鹸化度95〜80モル%のポリビニルアルコールと熱ゲ
ル化性のある水溶性樹脂とを、1:10〜10:1の重
量比で含む。鹸化度95〜80モル%のポリビニルアル
コールの割合が上記範囲より少ないと、低温での湿潤強
度が不十分となり、熱ゲル化性のある水溶性樹脂が上記
範囲より少ないと、高温での強度が不足する。また、ポ
リビニルアルコールが上記範囲より多いと、低温での水
崩壊性が悪化し、熱ゲル化性のある水溶性樹脂が上記範
囲より多いと、高温での水崩壊性が不良となる。
【0012】本発明の水崩壊性シート用バインダーを水
に溶解し、パルプ,天然繊維または合成繊維からなる水
崩壊性シート素材に、1〜20g/m2 (乾燥時)塗工
した後、3〜30重量%の電解質溶液に含浸させること
により、水崩壊性シートが得られる。
【0013】パルプ、天然繊維または合成繊維からなる
水崩解性シート素材は、水中で速やかに分散するシート
素材であれば特に限定するものではないが、環境問題な
どを考えると生分解性のある繊維材料が好ましい。水崩
解性シート素材を構成する繊維材料として具体的には、
木材パルプ繊維、非木材系植物繊維、レーヨン繊維、ポ
リエステル繊維等の合成繊維等を挙げることができる。
シート素材の製造方法は従来公知の方法を用いればよ
く、一般的には湿式抄紙法が適当である。本発明のバイ
ンダーは、上記水崩壊性シート素材に、1〜20g/m
2 (乾燥時)塗工される。本発明のバインダーの塗工量
が1g/m2 より少ないと湿潤強度が不足となり、20
g/m2 より多いと水崩壊性が問題となる。バインダー
の塗工は、従来公知の方法で行えばよく、スクリーン印
刷機,グラビアコーターなどによる塗工法が挙げられ
る。
【0014】鹸化度95〜80モル%のポリビニルアル
コールを塩析によりゲル化させる電解質としては、従来
公知の、硫酸ナトリウム,硫酸アンモニウム,明バン,
硫酸亜鉛,塩化アンモニウム,塩化第二鉄,硝酸ナトリ
ウム等の無機塩類や、クエン酸ナトリウム,酒石酸ナト
リウム等の有機塩類が好適に用いられる。なかでも、硫
酸ナトリウムが安価で塩析効果が高く好ましい。電解質
は、3〜30重量%の溶液に調製して、本発明のバイン
ダーを塗工した水崩壊性シート素材を含浸させる。電解
質濃度が3%未満であると湿潤強度が不足となり、30
%を越えると電解質の析出が起こり易くなり、清掃を目
的とする商品の価値が薄れる。電解質の含浸方法は従来
公知の方法でよく、浸漬法,噴霧法などが適当である。
【0015】本発明の水崩壊性シートには、保湿性,衛
生性,使い心地等の向上のため、多価アルコール類,殺
菌剤,香料などを湿潤強度と水崩壊性の物性や安全性,
安定性等に悪影響を与えない程度に添加しても良い。
【0016】
【実施例】以下、実施例を示すが本発明はこれらに限定
されるものではない。なお、実施例における水崩壊性シ
ートの評価は、以下の方法により行った。 「湿潤強度」JIS P−8113に準ずる方法で、シ
ート重量に対して2.5倍量の電解質水溶液で湿潤した
幅25mm,長さ120mmの短冊状シートの紙力強度
を測定した。測定試料としては、80℃で1時間及び−
5℃1時間経時させたものを使用した。 「水崩壊性」JIS P−4501に準じ、100mm
×100mmのシートのスターラー水流中での崩壊時間
を、5℃及び40℃の水温で測定した。
【0017】[実施例1]50g/m2 のパルプ水解紙
に、鹸化度88%のポリビニルアルコール5重量%,置
換度(セルロースのグルコース環単位中の水酸基がメト
キシル基で置換された平均個数)1.8のメチルセルロ
ース1重量%,水94重量%からなるバインダー水溶液
を5g/m2 (乾燥時)塗工した後、10重量%硫酸ナ
トリウム水溶液に含浸させて水崩壊性シートを作製し、
湿潤強度および水崩壊性を評価した。 80℃経時試料の湿潤強度 540g/25mm −5℃経時試料の湿潤強度 650g/25mm 5℃水温での 水崩壊性 80秒 40℃水温での 水崩壊性 60秒
【0018】[実施例2]50g/m2 のパルプ水解紙
に、鹸化度91%のポリビニルアルコール2重量%,置
換度1.8のメチルセルロース2重量%,水96重量%
からなるバインダー水溶液を4g/m2 (乾燥時)塗工
した後、10重量%硫酸ナトリウム水溶液に含浸させて
水崩壊性シートを作製し、湿潤強度および水崩壊性を評
価した。 80℃経時試料の湿潤強度 720g/25mm −5℃経時試料の湿潤強度 850g/25mm 5℃水温での 水崩壊性 90秒 40℃水温での 水崩壊性 80秒
【0019】[実施例3]50g/m2 のパルプ水解紙
に、鹸化度88%のポリビニルアルコール5重量%,ポ
リビニルメチルエーテル5重量%,水90重量%からな
るバインダー水溶液を8g/m2 (乾燥時)塗工した
後、10重量%硫酸ナトリウム水溶液に含浸させて水崩
壊性シートを作製し、湿潤強度および水崩壊性を評価し
た。 80℃経時試料の湿潤強度 510g/25mm −5℃経時試料の湿潤強度 670g/25mm 5℃水温での 水崩壊性 80秒 40℃水温での 水崩壊性 40秒
【0020】[比較例1]バインダー水溶液を鹸化度8
8%のポリビニルアルコール10重量%,水90重量%
からなるバインダー水溶液に代えた以外は、実施例1と
同様にして水崩壊性シートを作製し、湿潤強度および水
崩壊性を評価した。 80℃経時試料の湿潤強度 100g/25mm以下 −5℃経時試料の湿潤強度 1000g/25mm以上 5℃水温での 水崩壊性 130秒 40℃水温での 水崩壊性 30秒以下
【0021】[比較例2]電解質水溶液を置換度1.8
のメチルセルロース1重量%,硫酸ナトリウム10重量
%,水89重量%からなる水溶液に代えた以外は、比較
例1と同様にして水崩壊性シートを作製しようと試みた
が、メチルセルロースと硫酸ナトリウムは同時には溶解
せず、電解質水溶液が調製できなかった。
【0022】[比較例3]バインダー水溶液を置換度
1.8のメチルセルロース2重量%,水98重量%から
なるバインダー水溶液に代えた以外は、実施例1と同様
にして水崩壊性シートを作製し、湿潤強度および水崩壊
性を評価した。 80℃経時試料の湿潤強度 800g/25mm以上 −5℃経時試料の湿潤強度 290g/25mm 5℃水温での 水崩壊性 30秒以下 40℃水温での 水崩壊性 80秒
【0023】実施例1の水崩壊性シートは、湿潤強度,
水崩壊性とも温度による変動が少なく、実用可能と判断
できる。比較例1,比較例3の水崩壊性シートは、湿潤
強度,水崩壊性の温度による変動が大きく、安心して使
用できない。
【0024】
【発明の効果】本発明により、充分な湿潤強度を有する
と共に、水洗トイレの放流水中に投棄することにより、
水崩壊されて放流可能となり、かつ保存時や使用時の温
度による悪影響を受けにくい、優れた水崩壊性シートが
得られるようになった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D21H 27/00 D21H 27/00 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/00 - 27/42 D06M 15/00 - 15/72 A47K 10/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鹸化度95〜80モル%のポリビニルアル
    コールと熱ゲル化性のある水溶性樹脂とを、1:10〜
    10:1の重量比で含むことを特徴とする水崩壊性シー
    ト用バインダー。
  2. 【請求項2】パルプ,天然繊維または合成繊維からなる
    水崩壊性シート素材に、請求項1記載のバインダーを1
    〜20g/m2 塗工した後、3〜30重量%の電解質溶
    液に含浸させてなることを特徴とする水崩壊性シート。
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