JP3171043U - 皮革製カバーシート - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸面等の被接着面に貼り付けが可能で、何度でも貼り直しが可能で、更にシートを切り抜いて重ね貼りができる皮革製カバーシートを提供する。【解決手段】動物の表皮を鞣した平革を使った複数の色に染色され、且つ所定の厚さで形成された皮革層1と、粘着剤層2と吸着機能を備える複数の凹状穴を有するマイクロ吸盤3とで形成された両面接合体20と、再装着が可能な剥離シール4と、が積層されて接着されて成る。【選択図】図1

Description

本考案は、携帯電話等の保護カバー或いは家具や壁の装飾として、被接着面に貼り付けるための皮革製シートであって、皮革製の表皮とマイクロ吸盤の吸着シートを積層し形成された皮革製カバーシートに関する。
従来の保護カバーは、樹脂や人工皮革製等で作成された表皮の裏に、両面の接着力に差がある粘着テープ等の両面粘着テープが使用されている。当該両面粘着テープの接着力の強い粘着面を樹脂や人工皮革製等で作成された表皮の裏面に貼り合わせ、もう一方の接着力の弱い粘着剤層の粘着面には粘着面を保護する剥離シールが貼り付けられている。接着力の弱い粘着層を被接着面に貼り付ける際は、粘着面の剥離シールを剥がして使用する。
保護カバーの使用例として、展示された家具、店舗の窓や壁等の飾りつけ、携帯電話の背面等に貼り付けて使用されている。
特に最近では、スマートフォン等に代表される携帯電話の普及により、自分の携帯電話に付いた傷や指紋などの汚れから本体を保護するため、或いはすでに傷ついた部分を隠す等の目的で、保護カバーの需要が高まっている。更に、ハンドバッグ、ポーチ、手帳、携帯電話等の表面に小さなハート型、星型、イルカ等の様々な形状の型貫シートを貼り付け、個性を表現する素材としてデコレーションシートの需要も高まっている。
例えば、不慣れな人でも簡単で容易、且つ正確に携帯電話の指定位置に貼り付けることができるように、保護カバーの裏面に粘着剤層を形成すると共に粘着剤層の下面に透明な剥離シールを貼り付けて、更に剥離シールの一部に予め帯状にカッティングを施して位置決め用剥離片を形成した携帯電話機用装飾シールが開示されている(特許文献1参照)。
特開2000−227759号公報
しかし、従来の保護カバーは、接着面が粘着テープ等の粘着剤層であり、一度剥離シールを剥がして被接着面に貼り付けた後、被接着面から剥がしてしまうと粘着面の粘着力が低下して貼り直すことができない。また被接着面から保護カバーを剥がした際、被接着面に汚れ跡や粘着剤層の粘着剤の一部が残存して被接着面がべた付き、錆や腐食が発生する問題があった。
また、貼り付け可能な被接着面にも制限があり、擦りガラス等の凹凸面や皮革面に対しては接着力が弱く、直ぐに剥がれてしまう問題があった。
本考案は以上の課題に鑑みてなされたもので、凹凸面等の従来の粘着テープでは貼り付けできない被接着面にも貼り付けが可能なマイクロ吸盤層を付加することにより、何度でも貼り直しが可能で、重ね貼りもできる皮革製カバーシートを提供することを目的とする。
本考案は上記の目的を達成するため、以下(1)〜(4)の構成を備えるものである。
(1)動物の表皮を鞣した平革を使った複数の色に染色され、且つ所定の厚さで形成された皮革層と、粘着剤層と吸着機能を備える複数の凹状穴を有するマイクロ吸盤とで形成された両面接合体と、再装着が可能な剥離シールと、が積層されて接着されて成ることを特徴とする皮革製カバーシート。
(2)前記皮革層の皮革表面には、爬虫類の表皮模様、動植物の模様、幾何学模様のいずれか1種からなる模様が型押しされていることを特徴とする前記(1)記載の皮革製カバーシート。
(3)前記(1)または(2)記載の皮革製カバーシートであって、所定の形状に型貫きされることを特徴とする皮革製カバーシート。
(4)前記(1)乃至(3)いずれか1項に記載の皮革製カバーシートであって、吸着機能を備える前記マイクロ吸盤により前記皮革製カバーシートが複数重ね合せ可能であることを特徴とする皮革製カバーシート。
本考案の皮革製カバーシートによれば、凹凸面等の従来の粘着テープでは貼り付けできない被接着面に貼り付けが可能なマイクロ吸盤により、何度でも貼り直しが可能で、更に皮革製カバーシートの重ね貼りができる皮革製カバーシートを提供することができる。
本考案に係る皮革製カバーシートの構成図 本考案に係る皮革製カバーシートとデコレーションシートの使用例を示す図 本考案に係る皮革製カバーシートの使用例を示す図
以下、本考案を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
図1は、皮革製カバーシート10の構成図である。皮革層1は、動物の表皮を鞣して作成された平革を複数の色で染色した皮革表面11に、動物の表皮模様や人工的に表皮模様や図柄を型押し形成されている。両面接合体20は、皮革層1の裏面に強力な接着力で貼り付けられる粘着剤層2と、単位面積あたり約1〜9万個の細かい吸盤によって被接着体30に貼り付くマイクロ吸盤層3とを有する。皮革製カバーシート10は、皮革層1と両面接合体20とを貼り合わせて積層したシートで構成されている。また両面接合体20のマイクロ吸盤層3の吸盤面3aには、塵や汚れが付着するのを防いで吸盤面3aを保護する再使用可能な透明な剥離シール4が貼り付けられている。
皮革製カバーシート10は、皮革表面11に図柄を型押し形成された皮革層1の裏面に、両面接合体20の強力な接着力を具備する粘着剤層2を圧着して貼り合わせて一体化し、表側が表皮模様を有する皮革層1と、裏側が剥離シール4を貼り付けた両面接合体20のマイクロ吸盤層3の吸盤面3aとなっている。
<皮革製カバーシートの構造>
皮革製カバーシート10を構成する皮革層1と、マイクロ吸盤層3について説明する。動物の皮を鞣して作成された本革の皮革層1は、トカゲやワニ等の高級な皮革素材の他に鹿革や牛革等の動物の皮を鞣した平革が使用されている。特に安価な牛革を使用する際は、その皮革表面11に爬虫類の表皮模様、動植物の図柄、幾何学模様等を型押したエンボス加工を施し、更に多彩な色に染色することでプレーンレザー、ハードレザー、クラシックレザー、メタルレザー等の付加価値を付け、顧客のニーズに応じた製品が作成される。
また、皮革製カバーシート10の皮革層1の厚みを0.4〜5.0mmの厚さで形成することで、薄い皮革層1の皮革表面11に漆や金属箔をコーティングしたデコレーションシート8(図2)から、コースタ13、フラワーショップ等で剪定作業を行なう厚いカウンター敷き14(図3)等に幅広く使用することができる。
本考案の皮革製カバーシート10は、マイクロ吸盤層3と粘着剤層2とを有する両面接合体20に、特許公開公報(特開2006−276280号公報)にて開示されている両面接合体20を使用している。当該両面接合体20は、皮革層1の裏面に貼り付けられる強力な接着力を具備する粘着剤層2と、被接着面30aに吸着するマイクロ吸盤層3で構成されている。マイクロ吸盤層3の吸盤面3aは、単位面積あたり約1〜9万個の細かい吸盤が形成され、該吸盤の直径が約300μm以下、深さも約5〜100μmの微細な凹状穴が無数配置され、その凹状穴がマイクロ吸盤層内部の気泡と細径管で連結する構造を有することで、強い吸着力を発生させている。
また、両面接合体20のマイクロ吸盤層3は、被接着体30として従来貼り付けることができなかった擦りガラス等の凹凸面にも吸着するため、表皮に毛穴や紋様の細かい凹凸がある本革の場合でも重ね貼りが可能で、ビニールクロス等の壁紙にも貼ることができる。
従来の保護シートに使用される粘着テープや糊付シール等は、被接着体30の被接着面30aから剥がした際、保護シートの粘着剤の一部や周辺部を囲むように塵や埃等による粘着剤に付着した汚れ跡が残るが場合が殆どである。それに対し皮革製カバーシート10のマイクロ吸盤層3は、単位面積あたり約1〜9万個の細かい吸盤構造のため被接着体30の被接着面30aを痛めることなく綺麗に剥がすことができ、且つ剥がした後の被接着面30aがべた付くこともない。マイクロ吸盤層3の吸盤面3aは、汚れが付いても吸盤面3aを水洗いすることで汚れが落ちて吸着性能が回復する。
そのため皮革製カバーシート10は、何度でも貼り直しが可能で、繰り返し使用することができるため貼り付け失敗のリスクが殆どない。また剥がした皮革製カバーシート30を使用しないときは、吸盤面3aを保護する透明な剥離シール4を貼り直して置けば、何時でも使用可能な状態で保管することができる。
<皮革製カバーシートの使用例>
つぎに、皮革製カバーシート10の使用例について、具体的に説明する。皮革製カバーシート10の使用例として、被接着体30にはスマートフォン等に代表される携帯電話の保護用及び装飾用としての需要がある。特に携帯電話に付いた傷や指紋などの汚れからの保護、或いはすでに傷ついた部分を隠す目的で皮革製カバーシート10を使用することができる。
例えば、図2(a)に示すように、スマートフォンの背面に方形状の皮革製カバーシート10を貼り付けることで、特定のスマートフォンの背面に設置されている内蔵カメラ31やセンサ32或いはロゴマーク33の位置に対応したカメラ穴5、センサ穴6、ロゴ穴7が形成された皮革製カバーシート10を提供できる。携帯電話やタブレット端末等の携帯端末等の多種多様な機種に応じて専用形状に制作することが可能で、また購入者が自分の好みの形状にカットして使用する等、顧客のニーズに合わせた皮革製カバーシート10を提供できる。
また、図2(b),(c)に示すデコレーションシート8は、若年層の間で一般にデコメシールと呼ばれて流行しているデコレーションシート8で、皮革製カバーシート10を小さな星8b、月8a、魚8c等の多種多様な形状に型貫したものである。型貫されたデコレーションシート8の星8b、月8a、魚8c等を使って、化粧ケース、携帯端末或いはハンドバック、ポーチ、宝飾品等の被接着体30に貼り付けて自分だけの個性を表現する素材として提供するができる。
マイクロ吸盤層3の吸盤面3aが、毛穴や紋様の細かい凹凸がある革の表皮でも重ね貼りが可能な性能と、皮革製カバーシート10の皮革層1の厚さが選択できることを利用し豪華な金唐革のエンボス紋様を真似て切抜きし重ね貼りした装飾を、家具や壁、或いはハンドバッグ、ポーチ等に貼り付けることができるデコレーションシート8を提供できる。
薄い皮革層1で形成された皮革製カバーシート10は、薄い皮革層1の皮革表面11に漆や金属箔をコーティングし、蝶や花びら等の動植物をかたどったデコレーションシート8として、別の皮革製カバーシート10の上に重ね貼りすることで、金唐革や漆芸品或いはアールヌーボー、アールデコのような装飾を簡単に作成することができる。また、使い慣れた古い革の手帳を自分の好みに合わせて、西洋アンティークの金唐革のような豪華なエンボス紋様を真似て型貫されたデコレーションシート8を、手帳の表革に複数重ね貼りした装飾や、現代風にメタリックレザーを複数重ねた装飾を施すことも可能である。更に、皮革製カバーシート10を、皮革の特徴であるなじむ性質を利用して、万年筆やステッキ、傘の柄等の円柱や波形の曲面上にも貼り付けることができる。
図3では厚みのある皮革製カバーシート10を使って、革の持つ緩衝機能、調湿機能を利用し、更に撥水性機能を持つ革と組み合わせた例を示す。図3(a)はデジタルカメラの筐体に皮革製カバーシート10を貼り付けことで、デジタルカメラに革の持つ緩衝機能によるグリップ機能と、装飾性とを合わせたグリップカバー12を提供できる。デジタルカメラの筐体に、この皮革製のグリップカバー12を貼り付けことで、昔懐かしい銀板カメラの風合いを演出する装飾性を備えたデジタルカメラに変えることができる。
図3(b)は皮革製カバーシート10の持つ撥水性機能とマイクロ吸盤層3の吸盤面3aの吸着力を利用して、キャンプ等のアウトドアレジャーで使用するテーブル上に、グラスを置くコースタ13、或いは鍋置きとして使用することができる。
図3(c)は革の持つ調湿機能と撥水性機能を利用して、フラワーショップ等の花の剪定を行なう際、作業台上に敷かれた厚みのある皮革製のカウンター敷き14として使用可能な皮革製カバーシート10を提供できる。
以上、本考案の皮革製カバーシートによれば、凹凸面等の従来の粘着テープでは貼り付けできない被接着面に貼り付けが可能なマイクロ吸盤により、何度でも貼り直しが可能で、更に皮革製カバーシートを切り抜いて重ね貼りができる皮革製カバーシートを提供できる。
1 皮革層
2 粘着剤層
3 マイクロ吸盤層
4 剥離シール
5 カメラ穴
6 センサ穴
7 ロゴ穴
8 デコレーションシート
10 皮革製カバーシート
11 皮革表面
12 グリップカバー
13 コースタ
14 カウンター敷き
20 両面接合体
30 被接着体
31 内蔵カメラ
32 センサ

Claims (4)

  1. 動物の表皮を鞣した平革を使った複数の色に染色され、且つ所定の厚さで形成された皮革層と、
    粘着剤層と吸着機能を備える複数の凹状穴を有するマイクロ吸盤とで形成された両面接合体と、
    再装着が可能な剥離シールと、が積層されて接着されて成ることを特徴とする皮革製カバーシート。
  2. 前記皮革層の皮革表面には、爬虫類の表皮模様、動植物の模様、幾何学模様のいずれか1種からなる模様が型押しされていることを特徴とする請求項1記載の皮革製カバーシート。
  3. 請求項1または請求項2記載の皮革製カバーシートであって、所定の形状に型貫きされることを特徴とする皮革製カバーシート。
  4. 請求項1乃至3いずれか1項に記載の皮革製カバーシートであって、吸着機能を備える前記マイクロ吸盤により前記皮革製カバーシートが複数重ね合せ可能であることを特徴とする皮革製カバーシート。
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