JP3170948B2 - パルスモータ - Google Patents

パルスモータ

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JP3170948B2
JP3170948B2 JP10967093A JP10967093A JP3170948B2 JP 3170948 B2 JP3170948 B2 JP 3170948B2 JP 10967093 A JP10967093 A JP 10967093A JP 10967093 A JP10967093 A JP 10967093A JP 3170948 B2 JP3170948 B2 JP 3170948B2
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洋 中川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタのヘッド送り
や光電式読取装置のヘッド送り等に用いて好適なパルス
モータに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、リニアパルスモータは、
1次側スライダに供給されるパルス信号に基づき、1次
側スライダまたは2次側スケールをステップ状に歩進動
作させるものであり、図7にその構成の一例を示す。長
尺板状の磁性体によって構成されたスケール1の上部に
は、凹凸状の歯部1a,1a,・・・が長手方向(図面左
右方向)に沿ってピッチPで形成されている。
【0003】また、スケール1の上方には、スライダ2
が、図示せぬローラ等からなる支持機構によってスケー
ル1の長手方向へ移動自在に支持された状態で載置され
ている。スライダ2は、コ字状の鉄心4および5と、鉄
心4のA0相磁極4aおよびA1相磁極4bにそれぞれ巻回
されたコイル6aおよび6bと、鉄心5のB0相磁極5a
よびB1相磁極5bにそれぞれ巻回されたコイル7aおよ
び7bと、長手方向に直交する方向であって互いに反対
方向に磁化され、鉄心4および5の上面にそれぞれ取り
付けられた永久磁石8および9と、板状の磁性体によっ
て構成され、永久磁石8および9の上面に取り付けられ
たバックプレート10とから構成されている。
【0004】A0相磁極4a、A1相磁極4b、B0相磁極
aおよびB1相磁極5bの各下部には、それぞれ極歯1
a、14b、15aおよび15bが3個ずつ形成されてい
る。極歯14aのピッチは、スケール1の歯部1aのピッ
チPと同一であり、また、極歯14b、15aおよび15
bのピッチは、極歯14aに対して順次ピッチP/4ずつ
ずらされている。また、極歯14a、14b、15aおよ
び15bの各下面と歯部1aの上面との間には、所定のギ
ャップGがそれぞれ形成されている。
【0005】このような構成において、コイル6a
b、7aおよび7bに所定のパルス信号を順次供給する
ことにより、コイル6a、6b、7aおよび7bが発生する
磁束と、永久磁石8および9が発生する磁束とが各磁極
a、4b、5aおよび5bにおいて、順次加減され、スケ
ール1に対するスライダ2の磁気的安定位置が順次移動
し、これにより、スライダ2がスケール1の長手方向に
沿って移動する。
【0006】ところで、上述した従来のパルスモータに
おいては、以下に示す問題点があった。 鉄心4と鉄心5とが分割されているため、吸引力に対
して機械的強度が低く、他の部材によって補強する必要
がある。また、鉄心4と鉄心5との間の極歯14a、1
b、15aおよび15bを高精度なピッチで配列するこ
とが難しい。 永久磁石8および9がギャップGから離れているた
め、漏れ磁束が大となり、その分、永久磁石を大きくす
る必要がある。しかし、永久磁石を大きくすると、ディ
テント力が大となり、無通電時に手で動かすのが困難で
ある。 励磁モードによって磁路の長さが異なるので、推力が
一定とならない。
【0007】そこで、本出願人は、上記問題点を解決す
るために、図8に示すリニアパルスモータを提案した
(特願平1−101309号の願書に添付した明細書お
よび図面参照)。図8において、スケール21の上部に
は、凹凸状の歯部21a,21a,・・・が長手方向(図
中M方向)に沿ってピッチPで形成されている。また、
スケール21の上方には、スライダ22が、図示せぬロ
ーラ等からなる支持機構によってスケール21の長手方
向へ移動自在に支持された状態で載置されている。
【0008】スライダ22は、スケール21の歯部21
aと一定のギャップGを隔ててそれぞれ対向する磁極、
A相磁極23PA、B相磁極23PB、C相磁極23P
C、D相磁極23PDを有する鉄心23と、各磁極23
PA〜23PDにそれぞれ巻回されたコイル24A〜2
4Dとから構成されている。各磁極23PA〜23PD
の下部には、それぞれ2つの分割磁極23A0、23
1、23B0、23B1、23C0、23C1、23D0
よび23D1が形成されており、さらに、分割磁極23
0と23A1との間、分割磁極23B0と23B1との
間、分割磁極23C0と23C1との間、および分割磁極
23D0と23D1との間には、それぞれ凹溝が形成され
ており、これらの凹溝には、永久磁石25A〜25Dが
それぞれ挿入されている。これらの永久磁石25A〜2
5Dは、隣と互いに極性が逆方向となるように磁化され
ている。
【0009】分割磁極23A0、23A1、23B0、2
3B1、23C0、23C1、23D0および23D1の各
下部には、それぞれ極歯27a〜34aが3個ずつ形成さ
れている。極歯27aのピッチは、スケール21の歯部
21aのピッチPと同一である。また極歯27a〜34a
は、各永久磁石25A〜25Dを挟んだ両側の極歯がピ
ッチP/2ずれた位相関係にある。たとえば分割磁極2
3A0の極歯27aがスケール21の歯部21aと対向し
ている状態で、分割磁極23A1の極歯28aが歯部21
aに対してピッチP/2ずれた位置関係にあり、これと
同様に、分割磁極23B0と23B1、分割磁極23C0
と23C1、および分割磁極23D0と23D1のそれぞ
れの極歯29a〜34aも、それぞれピッチP/2ずれた
関係にある。
【0010】また、分割磁極23A0の極歯27aを基準
(0度)とすると、分割磁極23B1の極歯30aが18
0度隔てて位置し、分割磁極23C0の極歯31aが90
度隔てて位置し、分割磁極23D1の極歯34aが270
度隔てて位置している。これにより、分割磁極23
0、23C0、23B1、23D1の順に、スケール21
の各歯部21aに対する位置関係が、その移動方向(図
8中M方向)へ、ピッチP/4ずつ変位していることに
なる。
【0011】さらに、分割磁極23B0の極歯29aは、
分割磁極23A0の極歯27aの同相(0度)であり、こ
の分割磁極23B0の極歯29aを基準として、分割磁極
23A1の極歯28aが180度隔てて位置し、分割磁極
23C1の極歯32aが270度隔てて位置し、分割磁極
23D0の極歯33aが90度隔てて位置している。これ
により、分割磁極23B0、23D0、23A1、23C1
の順に、スケール21の各歯部21aに対する位置関係
が、その移動方向(図8中M方向)へ、ピッチP/4ず
つ変位していることになる。
【0012】このような構成において、コイル24A〜
24Dに所定のパルス信号を順次供給することにより、
コイル24A〜24Dが発生する磁束と、永久磁石25
A〜25Dが発生する磁束とが各分割磁極23A0、2
3A1、23B0、23B1、23C0、23C1、23D0
および23D1において、順次加減され、スケール21
に対するスライダ22の磁気的安定位置が順次移動し、
これにより、スライダ22がスケール21の図8中M方
向に沿って移動する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人が
提案した従来のリニアパルスモータにおいては、各磁極
23PA〜23PDにおいて、永久磁石25A〜25D
から離れるほど磁束密度が低下するので、本来の動作点
で使用できないという欠点があった。したがって、推力
が低下し、大推力にすること、すなわち、積厚を増すこ
とが難しい。また、分割磁極23A0と23A1、分割磁
極23B0と23B1、分割磁極23C0と23C1、およ
び分割磁極23D0と23D1は、それぞれ永久磁石25
A〜25Dを介しているので、極歯27a〜34aを高精
度なピッチで配列することが難しいという問題があっ
た。
【0014】さらに、図7および図8に示した従来のリ
ニアパルスモータにおいては、一体構造で製作すること
ができないので、多くの工程が必要であり、コストアッ
プとなるとともに、高精度で製作することができず、さ
らに、機械的強度が低いという欠点があった。本発明
は、このような背景の下になされたもので、安価で製作
が容易で、かつ高精度、高性能なパルスモータを提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定方向に沿
ってピッチPで歯部が形成された2次側スケールと、前
記2次側スケールに対して前記特定方向へ移動自在に支
持された1次側磁束発生部とからなり、前記1次側磁束
発生部のコイルが巻回された各磁極と前記2次側スケー
ルの各歯部との間に形成された各間隙に順次磁束を発生
させることにより、前記1次側磁束発生部を前記2次側
スケールに対して相対移動させるパルスモータにおい
て、前記2次側スケールと対向する前記1次側磁束発生
部の各磁極毎に埋め込まれ、前記特定方向に直交する方
向であって互いに反対方向に磁化された第1および第2
の極からなる永久磁石と、前記永久磁石の下部に形成さ
れた複数の極歯とを具備し、前記1次側磁束発生部の鉄
心と全ての前記磁極とが一体形成され、該磁極が分割磁
極Aと分割磁極Bを有しており、該分割磁極Aの凹溝に
前記永久磁石の第1極が挿入されて配置され、該分割磁
極Bの凹溝に前記永久磁石の第2の極が挿入されて配置
されており、前記分割磁極Aの下部に一体形成された複
数の極歯と、前記分割磁極Bの下部に一体形成された複
数の極歯とがピッチP/2ずれた位置関係にあることを
特徴とする。
【0016】
【作用】上記構成によれば、磁束分布が均一になるの
で、推力のばらつきが従来に比べて小さくなるととも
に、大積厚(大推力)化に対応することができる。ま
た、高精度な極ピッチ配列が可能となるので、これによ
っても推力のばらつきが小さくなるとともに、位置決め
精度が従来に比べて向上し、定速性が向上する。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明する。図1は本発明の第1の実施例によるリニ
アパルスモータの構成を表す側面図である。この図にお
いて、スケール41の上部には、凹凸状の歯部41a
41a,・・・が長手方向(図中M方向)に沿ってピッ
チPで形成されている。また、スケール41の上方に
は、スライダ42が、図示せぬローラ等からなる支持機
構によってスケール41の長手方向へ移動自在に支持さ
れた状態で載置されている。
【0018】スライダ42は、スケール41の歯部41
aと一定のギャップGを隔ててそれぞれ対向する磁極、
A相磁極43PA、B相磁極43PB、C相磁極43P
C、D相磁極43PDを有する鉄心43と、各磁極43
PA〜43PDにそれぞれ巻回されたコイル44A〜4
4Dとから構成されている。各磁極43PA〜43PD
の下部には、それぞれ2つの分割磁極43A0、43
1、43B0、43B1、43C0、43C1、43D0
よび43D1が形成されており、さらに、分割磁極43
0と43A1との間、分割磁極43B0と43B1との
間、分割磁極43C0と43C1との間、および分割磁極
43D0と43D1との間には、それぞれ長手方向と平行
な凹溝が形成されており、これらの凹溝には、永久磁石
45A〜45Dがそれぞれ挿入されている。これらの永
久磁石45A〜45Dは、それぞれ長手方向と直交する
方向であって互いに反対方向に磁化された第1の極45
1〜45D1および第2の極45A 2〜45D2から構成
されている。また、各分割磁極間で隣合う極は、互いに
極性が同一方向となるように磁化されている。
【0019】分割磁極43A0、43A1、43B0、4
3B1、43C0、43C1、43D0および43D1の各
下部には、それぞれ極歯46a〜53aが3個ずつ形成さ
れている。極歯46aのピッチは、スケール41の歯部
41aのピッチPと同一である。また、極歯46a〜53
aは、分割磁極43A0〜43D0の極歯と、分割磁極4
3A1〜43D1の極歯とがそれぞれピッチP/2ずれた
位相関係にある。たとえば、分割磁極43A0の極歯4
aがスケール41の歯部41aと対向している状態で、
分割磁極43A1の極歯46aが歯部41aに対してピッ
チP/2ずれた位置関係にあり、これと同様に、分割磁
極43B0と43B1、分割磁極43C0と43C1、およ
び分割磁極43D0と43D1のそれぞれの極歯48a
53aも、それぞれピッチP/2ずれた関係にある。
【0020】また、分割磁極43A0の極歯46aを基準
(0度)とすると、分割磁極43B1の極歯49aが18
0度隔てて位置し、分割磁極43C0の極歯50aが90
度隔てて位置し、分割磁極43D1の極歯53aが270
度隔てて位置している。これにより、分割磁極43
0、43C0、43B1、43D1の順に、スケール41
の各歯部41aに対する位置関係が、その移動方向(図
1中M方向)へ、ピッチP/4ずつ変位していることに
なる。
【0021】さらに、分割磁極43B0の極歯48aは、
分割磁極43A0の極歯46aの同相(0度)であり、こ
の分割磁極43B0の極歯48aを基準として、分割磁極
43A1の極歯47aが180度隔てて位置し、分割磁極
43C1の極歯51aが270度隔てて位置し、分割磁極
43D0の極歯52aが90度隔てて位置している。これ
により、分割磁極43B0、43D0、43A1、43C1
の順に、スケール41の各歯部41aに対する位置関係
が、その移動方向(図1中M方向)へ、ピッチP/4ず
つ変位していることになる。なお、図1において、m、
n、kおよびjは整数である。
【0022】このような構成において、コイル44A〜
44Dに所定のパルス信号を順次供給することにより、
コイル44A〜44Dが発生する磁束と、永久磁石45
A〜45Dが発生する磁束とが各分割磁極43A0、4
3A1、43B0、43B1、43C0、43C1、43D0
および43D1において、順次加減され、スケール41
に対するスライダ42の磁気的安定位置が順次移動し、
これにより、スライダ42がスケール41の図1中M方
向に沿って移動する。
【0023】以上説明したリニアパルスモータの動作を
図2に参照してより詳細に説明する。(1) 図2
(a)に示す状態において、コイル44Aおよび44B
にそれぞれ図に示す方向の電流を流すと、鉄心43に
は、分割磁極43B0から分割磁極43A0に向かってコ
イル44Aおよび44Bによる起磁力UA0が発生す
る。したがって、分割磁極43A0の上方に設けられた
永久磁石45Aの第1の極45A1、および分割磁極4
3B0の上方に設けられた永久磁石45Bの第1の極4
5B1は、その極性が起磁力UA0と同一方向であるの
で、その磁力が強められ、いっぽう、分割磁極43A1
の上方に設けられた永久磁石45Aの第2の極45
2、および分割磁極43B1の上方に設けられた永久磁
石45Bの第2の極45B2は、その極性が起磁力UA0
と逆方向であるので、その磁力が打ち消され、これによ
って図2(a)にφ1で示す主磁束ループが形成され
る。
【0024】この結果、分割磁極43A0の極歯46a
スケール41の歯部41aと対向し、分割磁極43B0
極歯48aがスケール41の歯部41aと対向する位置が
磁気的に安定した位置となる。また、C相磁極43PC
において、コイル44Cには通電されていないので、図
2(a)に示すように、分割磁極43C0の上方に設け
られた永久磁石45Cの第1の極45C1のN極から発
生した磁束が、分割磁極43C0の極歯50aからスケー
ル41の歯部41aに流入し、スケール41内を通過
し、歯部41aから分割磁極43C1の極歯51a流入し
て分割磁極43C1の上方に設けられた永久磁石45C
の第2の極45C2のS極に入り、さらに、永久磁石4
5Cの第2の極45C2のN極から発生した磁束がC相
磁極43PC内を通過し、永久磁石45Cの第1の極4
5C1のS極に入り、磁束ループφ2を形成する。
【0025】いっぽう、D相磁極43PDにおいても、
コイル44Dには通電されていないので、図2(a)に
示すように、分割磁極43D1の上方に設けられた永久
磁石45Dの第2の極45D2のN極から発生した磁束
が、分割磁極43D1の極歯53aからスケール41の歯
部41aに流入し、スケール41内を通過し、歯部41a
から分割磁極43D0の極歯52a流入して分割磁極43
0の上方に設けられた永久磁石45Dの第1の極45
1のS極に入り、さらに、永久磁石45Dの第1の極
45D1のN極から発生した磁束がD相磁極43PD内
を通過し、永久磁石45Dの第2の極45D2のS極に
入り、磁束ループφ3を形成する。しかし、これらの磁
束ループφ2およびφ3は、それぞれ向きが反対で大き
さが等しいので、互いに打ち消し合い、推力を発生させ
ない。
【0026】(2) 図2(b)に示すように、コイル
44Cおよび44Dにそれぞれ図に示す方向の電流を流
すと、鉄心43には、分割磁極43D0から分割磁極4
3C0に向かってコイル44Cおよび44Dによる起磁
力UB0が発生し、これによって図2(b)にφ4で示
す主磁束ループが形成される。この結果、分割磁極43
0の極歯50aがスケール41の歯部41aと対向し、
分割磁極43D0の極歯52aがスケール41の歯部41
aと対向する位置が磁気的に安定した位置となる。
【0027】また、A相磁極43PAにおいて、コイル
44Aには通電されていないので、図2(b)に示すよ
うに、分割磁極43A0の上方に設けられた永久磁石4
5Aの第1の極45A1と、分割磁極43A1の上方に設
けられた永久磁石45Aの第2の極45A2とによっ
て、磁束ループφ5が形成される。いっぽう、B相磁極
43PBにおいても、コイル44Bには通電されていな
いので、図2(b)に示すように、分割磁極43B0
上方に設けられた永久磁石45Bの第1の極45B
1と、分割磁極43B1の上方に設けられた永久磁石45
Bの第2の極45B1とによって、磁束ループφ6が形
成される。しかし、これらの磁束ループφ5およびφ6
は、それぞれ向きが反対で大きさが等しいので、互いに
打ち消し合い、推力を発生させない。
【0028】(3) 図2(c)に示すように、コイル
44Cおよび44Dにそれぞれ(1)と逆方向の電流を
流すと、鉄心43には、分割磁極43A1から分割磁極
43B1に向かってコイル44Aおよび44Bによる起
磁力UA1が発生し、これによって図2(c)にφ7で
示す主磁束ループが形成される。この結果、分割磁極4
3A1の極歯47aがスケール41の歯部41aと対向
し、分割磁極43B1の極歯49aがスケール41の歯部
41aと対向する位置が磁気的に安定した位置となる。
【0029】また、C相磁極43PCにおいて、コイル
44Cには通電されていないので、図2(c)に示すよ
うに、分割磁極43C0の上方に設けられた永久磁石4
5Cの第1の極45C1と、分割磁極43A1の上方に設
けられた永久磁石45Cの第2の極45C2とによっ
て、磁束ループφ8が形成される。いっぽう、D相磁極
43PDにおいても、コイル44Dには通電されていな
いので、図2(c)に示すように、分割磁極43D0
上方に設けられた永久磁石45Dの第1の極45D
1と、分割磁極43D1の上方に設けられた永久磁石45
Dの第2の極45D1とによって、磁束ループφ9が形
成される。しかし、これらの磁束ループφ8およびφ9
は、それぞれ向きが反対で大きさが等しいので、互いに
打ち消し合い、推力を発生させない。
【0030】(4) 図2(d)に示すように、コイル
44Cおよび44Dにそれぞれ(2)と逆方向の電流を
流すと、鉄心43には、分割磁極43C1から分割磁極
43D1に向かってコイル44Cおよび44Dによる起
磁力UB1が発生し、これによって図2(d)にφ10
で示す主磁束ループが形成される。この結果、分割磁極
43C1の極歯51aがスケール41の歯部41aと対向
し、分割磁極43D1の極歯53aがスケール41の歯部
41aと対向する位置が磁気的に安定した位置となる。
【0031】また、A相磁極43PAにおいて、コイル
44Aには通電されていないので、図2(d)に示すよ
うに、分割磁極43A0の上方に設けられた永久磁石4
5Aの第1の極45A1と、分割磁極43A1の上方に設
けられた永久磁石45Aの第2の極45A2とによっ
て、磁束ループφ11が形成される。いっぽう、B相磁
極43PBにおいても、コイル44Bには通電されてい
ないので、図2(d)に示すように、分割磁極43B0
の上方に設けられた永久磁石45Bの第1の極45B1
と、分割磁極43B1の上方に設けられた永久磁石45
Bの第2の極45B1とによって、磁束ループφ12が
形成される。しかし、これらの磁束ループφ11および
φ12は、それぞれ向きが反対で大きさが等しいので、
互いに打ち消し合い、推力を発生させない。
【0032】以上説明した(1)→(2)→(3)→
(4)の各励磁モードの順にパルス励磁を繰り返すこと
によって、スライダ42が図面右方向へピッチP/4ず
つ移動し、(4)→(3)→(2)→(1)の各励磁モ
ードの順にパルス励磁を繰り返すことによって、スライ
ダ42が図面左方向へピッチP/4ずつ移動する。
【0033】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図3は本発明の第2の実施例によるリニアパルス
モータの要部の構成を表す側面図である。この図におい
て、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、
その説明を省略する。この図においては、永久磁石45
AがA相磁極43PAの中に薄肉部54を隔てて完全に
埋め込まれている。このような構成によれば、機械的強
度が大幅に向上する。なお、薄肉部54は極めて薄いの
で、永久磁石45Aによる磁束およびコイル44Aによ
る磁束は、すぐに飽和するので、特性の劣化は少ない。
【0034】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図4は本発明の第3の実施例によるリニアパルス
モータの要部の構成を表す側面図である。この図におい
て、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、
その説明を省略する。この図においては、分割磁極43
0と43A1との間には、略V字状の溝が形成されてお
り、この溝には、永久磁石45A’の第1の極45A’
1および第2の極45A’2がそれぞれ挿入されている。
このような構成によれば、上述した第1および第2の実
施例に比べて第1の極45A’1および第2の極45
A’2の面積を大きくすることができ、より深いバイア
スが必要な用途に対応することができる。
【0035】以上説明した第1〜第3の実施例は、いず
れも本発明をリニアパルスモータに適用した例である
が、これに限定されず、本発明を回転パルスモータに適
用することもできる。以下、その実施例について説明す
る。図5は本発明の第4の実施例による3相回転パルス
モータの構成を表す断面図である。この図において、シ
ャフトSに固定された回転子60の円周面には、ピッチ
Pで歯部60aが形成されている。
【0036】いっぽう、円筒状の固定子61の内周面に
は、等間隔で6つの磁極61A0〜61C0および61A
1〜61C1が形成されている。これらの磁極61A0
61C0および61A1〜61C1には、それぞれコイル
62A0〜62C0および62A1〜62C1が巻回されて
いる。また、回転子60と対向する各磁極61A0〜6
1C0および61A1〜61C1に下部近傍には、それぞ
れ凹溝が形成されており、これらの凹溝には、永久磁石
63A0〜63C0および63A1〜63C1がそれぞれ挿
入されている。これらの永久磁石63A0〜63C0およ
び63A1〜63C1は、それぞれ回転子60の回転軸と
直交する方向であって互いに反対方向に磁化された第1
の極63A01〜63C01および63A11〜63C11並び
に第2の極63A02〜63C02および63A12〜63C
12から構成されている。また、各磁極間で隣合う極は、
互いに極性が逆方向となるように磁化されている。
【0037】さらに、磁極61A0〜61C0および61
1〜61C1の第1の極63A01〜63C01および63
11〜63C11並びに第2の極63A02〜63C02およ
び63A12〜63C12の各下部には、それぞれ極歯64
a〜75aが4個ずつ形成されている。極歯64aのピッ
チは、回転子60の歯部60aのピッチPと同一であ
る。また、極歯64a〜75aは、第1の極63A01〜6
3C01および63A11〜63C11の各下部に形成された
極歯と、第2の極63A02〜63C02および63A12
63C12の各下部に形成された極歯とがそれぞれピッチ
P/2ずれた位相関係にある。
【0038】また、各磁極間の極歯の位置関係が、磁極
61A0の極歯64aおよび磁極61A1の極歯70aが回
転子60の極歯60aと対向している状態で、磁極61
0の極歯66aおよび磁極61B1の極歯72aが歯部6
aから120度変位し、磁極61C0の極歯68aおよ
び磁極61C1の極歯74aが歯部60aから240度変
位する位置関係にある。このような構成において、コイ
ル62A0および62A1と、コイル62B0および62
1と、コイル62C0および62C1とにそれぞれ極性
が反転するパルス電流を供給することによって、回転子
60が回転駆動される。
【0039】次に、本発明の第5の実施例について説明
する。図6は本発明の第5の実施例による3相回転パル
スモータの構成を表す断面図である。この図において、
図5の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その
説明を省略する。この図においては、永久磁石63A0
〜63C0および63A1〜63C1の第1の極63A01
〜63C01および63A11〜63C11並びに第2の極6
3A02〜63C02および63A12〜63C12が、磁極6
1A0〜61C0および61A1〜61C1の中に完全に埋
め込まれている。このような構成によれば、機械的強度
が大幅に向上する。
【0040】以上、本発明の実施例を図面を参照して詳
述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があっても本発明に含まれる。たとえば、上述した
第1〜第3の実施例においては、いずれもスライダ(1
次側)が移動した例を示したが、これに限定されず、ス
ケール(2次側)を移動させるようにしてももちろんよ
い。また、本発明を、スケールの上下それぞれの面に歯
部を形成するとともに、スライダがスケールの上下それ
ぞれの面にローラ等の支持機構によって移動自在に取り
付けた両側式のリニアパルスモータに適用してもよい。
さらに、本発明を、スライダの上下それぞれの面に歯部
を形成するとともに、スケールをスライダの上方および
下方に固定して設けた両側式のリニアパルスモータに適
用してもよい。
【0041】また、上述した第4および第5の実施例に
おいては、本発明をインナーロータ型の回転パルスモー
タに適用した例を示したが、これに限定されず、本発明
をアウターロータ型の回転パルスモータに適用してもも
ちろんよい。また、本発明をディスク状に形成された回
転子を有した回転パルスモータに適用してもよい。
【0042】さらに、上述した第1〜第3の実施例にお
いては、本発明を2相のリニアパルスモータ適用した例
を示し、上述した第4および第5の実施例においては、
本発明を3相の回転パルスモータに適用した例を示した
が、これに限定されず、本発明を3相以上の多相のリニ
アパルスモータ、あるいは4相以上の多相の回転パルス
モータに適用してももちろんよい。この場合、各磁極間
の極歯の位置関係は、相数に応じて設定されることはい
うまでもない。
【0043】加えて、上述した第1〜第5の実施例にお
いて、スライダ、あるいは回転子の位置を検出する位置
検出センサを設け、その出力信号に基づいてフィードバ
ック制御を行い、サーボモータとして駆動させるように
してもよい。また、上述した第1〜第4の実施例におい
て、コギングの除去、もしくは推力波形歪の改善のため
に、スキュー構造としたり、同一極内における若干のピ
ッチずらし(等価スキュー)を施してもよい。
【0044】さらに、上述した第1の実施例において
は、分割磁極43B0の極歯48aは、分割磁極43A0
の極歯46aの同相(0度)とした例を示したが、これ
に限定されず、180度としてもよい。この場合には、
図1に示す永久磁石45A〜45Dの第1の極45A1
〜45D1および第2の極45A2〜45D2の極性を反
対にすればよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁束分布が均一になるので、本発明をリニアパルスモー
タに適用した場合には、推力のばらつきが従来に比べて
小さくなるとともに、大積厚(大推力)化に対応するこ
とができる。また、高精度な極ピッチ配列が可能となる
ので、これによっても推力のばらつきが小さくなるとと
もに、位置決め精度が従来に比べて向上し、定速性が向
上する。さらに、永久磁石がギャップ近くに配列される
ので、もれ磁束が低減され、これにより、高効率化(高
推力化)、小型・軽量化を図ることができる。
【0046】加えて、本発明によるパルスモータを製作
する際には、プレスによって型抜きされた鉄心に永久磁
石を挿入するだけでよいので、従来必要であった永久磁
石の接着に関する工数を減少できるとともに、永久磁石
専用のスペースを設ける必要がなく、また、バックプレ
ート等の部品を削減でき、これによっても小型・軽量化
および低価格化を図ることができる。また、応答性が向
上する。また、鉄心を一体に形成したので、剛性強度が
強くなる。永久磁石は最終工程で鉄心に挿入すればよい
ので、永久磁石に鉄粉等が付きにくく、製造上の管理が
しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるリニアパルスモー
タの構成を表す側面図である。
【図2】図1に示すリニアパルスモータの動作を説明す
るための側面図である。
【図3】本発明の第2の実施例によるリニアパルスモー
タの要部の構成を表す側面図である。
【図4】本発明の第3の実施例によるリニアパルスモー
タの要部の構成を表す側面図である。
【図5】本発明の第4の実施例による3相回転パルスモ
ータの構成を表す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施例による3相回転パルスモ
ータの構成を表す断面図である。
【図7】従来のリニアパルスモータの第1の構成例を表
す側面図である。
【図8】従来のリニアパルスモータの第2の構成例を表
す側面図である。
【符号の説明】
41 スケール 41a 歯部 42 スライダ 43PA〜43PD 磁極 44A〜44D コイル 45A〜45D 永久磁石 45A1〜45D1 第1の極 45A2〜45D2 第2の極 46a〜53a 極歯 G ギャップ P ピッチ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 41/03

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定方向に沿ってピッチPで歯部が形成
    された2次側スケールと、前記2次側スケールに対して
    前記特定方向へ移動自在に支持された1次側磁束発生部
    とからなり、前記1次側磁束発生部のコイルが巻回され
    た各磁極と前記2次側スケールの各歯部との間に形成さ
    れた各間隙に順次磁束を発生させることにより、前記1
    次側磁束発生部を前記2次側スケールに対して相対移動
    させるパルスモータにおいて、 前記2次側スケールと対向する前記1次側磁束発生部の
    各磁極毎に埋め込まれ、前記特定方向に直交する方向で
    あって互いに反対方向に磁化された第1および第2の極
    からなる永久磁石と、前記永久磁石の下部に形成された
    複数の極歯とを具備し、前記1次側磁束発生部の鉄心と全ての前記磁極とが一体
    形成され、該磁極が分割磁極Aと分割磁極Bを有してお
    り、該分割磁極Aの凹溝に前記永久磁石の第1極が挿入
    されて配置され、該分割磁極Bの凹溝に前記永久磁石の
    第2の極が挿入されて配置されており、前記分割磁極A
    の下部に一体 形成された複数の極歯と、前記分割磁極B
    の下部に一体形成された複数の極歯とがピッチP/2ず
    れた位置関係にあることを特徴とするパルスモータ。
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