JP3170835B2 - 多段型マルチプロジェクタ - Google Patents

多段型マルチプロジェクタ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多段型マルチプロジェ
クタの構成要素である各スクリーンブロックに設けられ
たスクリーンを、個々に容易に着脱可能とする多段型マ
ルチプロジェクタの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】数字あるいは画像のディスプレイを、複
数の人が同時に眺めたい場合がある。このような場合に
は、表示画面が大きいことが必要である。表示画面が大
きく、大型表示が可能な装置として、プロジェクション
テレビが知られている。しかしながら、プロジェクショ
ンテレビの大きさにも限度がある。屋外あるいは屋内広
場において、非常に大きな画像を映す場合には、一枚の
スクリーンによることは難しい。そこで、複数枚のスク
リーンを組み合わせて大きな画像を得る装置が知られて
いる。このような装置の一例として、多段型マルチプロ
ジェクタが知られている。多段型マルチプロジェクタで
は、スクリーンがそれぞれ前面に取り付けられたスクリ
ーンブロックが、たとえば3×3の多段に積み上げら
れ、各ブロックの前面に取り付けられたスクリーンを複
数枚(3×3の場合には9枚)組み合わせることによ
り、大画面を構成してある。このような多段型マルチプ
ロジェクタを組み立てる場合には、下方のスクリーンブ
ロックから順次積み上げるように組み立てるという方法
が採られている。各スクリーンブロックには、それぞれ
CRTが内蔵してあり、各スクリーンに対して各CRT
から映像を投射し、複数枚のスクリーンの全体として、
一画面の画像を得ることができるように構成してある。
したがって、各スクリーン相互間の継目部分は、できる
だけ薄くすることが望ましい。画像の連続性を損なうか
らである。一方、各スクリーンをスクリーンブロックの
前面に取り外し自在に取り付けるため、各スクリーン
は、スクリーン枠を介してスクリーンブロックの前面に
取り付けられるようになっている。このスクリーン枠に
おけるスクリーン前面からみた方向の幅は、上述したよ
うに、画面の連続性を保つために、できるだけ狭い方が
好ましい。そのため、このスクリーン枠は、スクリーン
ブロックに対して側方からビスなどの取り付け部材によ
り取り付けられることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多段型
マルチプロジェクタを組み立てた後のメンテナンスにお
いて、各スクリーンブロックの前面に装着してある各ス
クリーンを交換する際、あるいは分解掃除する際には、
その交換作業および分解清掃作業に時間がかかるという
問題点を有している。特に、中央付近に配置してあるス
クリーンブロックの前面に装着されたスクリーンの交換
あるいは分解清掃作業を行う場合には、その上に配置し
てあるスクリーンブロックを取り除いてから、該当する
スクリーンブロックのスクリーンの交換あるいは分解清
掃作業を行う必要があった。これは、前述したような理
由から、スクリーンをスクリーンブロックの前面に取り
付けるためのスクリーン枠が、各スクリーンブロックの
側方から取り付けられるようになっているからである。
【0004】本発明は、組み立てた後の多段型マルチス
プロジェクタにおいて、スクリーンの交換作業あるいは
分解清掃作業を、各スクリーンブロックの積み上げを崩
すことなく、容易かつ短時間で行うことが可能であり、
メンテナンスを効率よく行うことができる多段型マルチ
プロジェクタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の多段型マルチプロジェクタは、画像が投射
されるスクリーン前面に備えたスクリーンブロック
段に積み上げ、前記各スクリーンの組合せによって単
一のスクリーン画面を構成する多段型マルチプロジェク
タにおいて、前記各スクリーンブロックの前面にそれぞ
れ設けられ、前記スクリーンが着脱可能に装着されたス
クリーン枠と、前記各スクリーンブロックに移動自在に
設けられ、前記スクリーン枠を前記スクリーンブロック
の前面から前方に突出可能に保持するスライド移動部材
と、を有し、任意の前記スライド移動部材を前記スクリ
ーンブロックに対して前進移動させることにより、当該
スライド移動部材に保持されたスクリーン枠とスクリー
ンとの着脱を行う着脱作業部が前記スクリーン画面の前
方に露出することを特徴とする
【0006】
【0007】
【実施例】以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
き、さらに詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に
係る多段型マルチプロジェクタの構成要素であるスクリ
ーンブロックの縦断面図であって、図2の矢視線A−A
による断面図、図2は同実施例に係るスクリーンブロッ
クの正面図、図3は図2に示す矢印Bに沿う平面図、図
4は図1の左端部に示すスクリーン枠の移動機構の主要
部を示す拡大図、図5は図4に示すスクリーン枠の移動
機構の先端に取り付けられ、スクリーンを保持している
スクリーン枠の部分斜視図、図6は多段型マルチプロジ
ェクタの概略全体斜視図である。本実施例の多段型マル
チプロジェクタ10は、たとえば図6に示すように、直
方体形状の9体のスクリーンブロック12を、3×3の
多段に積層して組み立てられて構成される。各スクリー
ンブロック12の前面には、スクリーン12Aが装着さ
れ、各スクリーン12Aが同一平面状に組み合わされて
単一のスクリーン画面14を構成する。
【0008】本実施例の多段型マルチプロジェクタ10
を構成する各スクリーンブロック12には、図1に示す
ように、CRT18が内蔵してある。このCRT18の
前方には、CRTから投射される投射光をスクリーン1
2Aまで案内するエンクロージャ組体16が、スクリー
ンブロック12の外枠を構成するスクリーンブロック本
体20に対して固定して配置してある。スクリーン12
Aは、スクリーン枠44に保持されて、以下に説明する
機構によってスクリーンブロック本体20に対して、前
方へ突出する方向(図1のX方向)に前後に進退可能に
構成されている。
【0009】スクリーンブロック本体20の前方には、
一対のベースプレート22がスクリーンブロック本体2
0内部の両側に固定してある。このベースプレート22
には、図4に詳示するように、その上下二箇所に、軸受
23が装着してあり、この軸受23内をシャフト部材2
6が軸方向にスライド移動自在になっている。シャフト
部材26の後端には、たとえば棒材で形成してあるスラ
イド移動体24が連結してある。これらシャフト部材2
6およびスライド移動体24が、スクリーンおよびスク
リーン枠を進退移動させるためのスライド移動部材を構
成する。このスクリーン移動体24の略中央部には、ロ
ック解除部材28が固定してある。このロック解除部材
28は、スクリーン方向に突出するように取り付けてあ
り、ベースプレート22に対して固定してあるガイドブ
ロック31に案内されてスクリーンブロック12の前後
方向にスクリーン移動体24と共に移動可能になってい
る。
【0010】一方、ベースプレート22の中央部には、
ローラ42が取り付けてある。ローラ42には、駆動用
ワイヤ32の先端側が半周巻き付けられ、その先端部
が、スライド移動体24あるいはロック解除部材の後端
部に取り付け固定され、駆動用ワイヤ32の後端側を引
っ張ることにより、スライド移動体24が、ロック解除
部材28およびシャフト部材26と共に、ベースプレー
ト22に対して前方へ突出移動するようになっている。
ベースプレート22は、図3に示すように、スクリーン
ブロック本体20の前方に、両側二箇所に取り付けら
れ、それぞれに対してスライド移動体24が設けられる
ため、このスライド移動体24をスライド移動させるた
めの駆動用ワイヤ24は、一対必要となる。そして、図
3に示すように、一対の駆動用ワイヤ32を同一のワイ
ヤ巻取具34を用いて巻取るために、一方の駆動用ワイ
ヤ32の途中には、ローラ38が設けられ、一対の駆動
用ワイヤ32,32の後端部が、スクリーンブロック本
体20の後方に配置してあるワイヤ巻取具34に連結し
てある。
【0011】次に、図4に戻り、ロック機構について説
明する。スライド移動体24が最大後方位置に後退し
て、シャフト部材の先端側に取り付けられるスクリーン
枠44がスクリーン12Aと共に、画像投射位置にセッ
トされた場合に、スクリーン枠44などの移動を制限す
るために、ベースプレート22の略中央には、ロック部
材30が、枢軸30Aを中心として回動可能に取り付け
てある。ロック部材30の回動先端側には、係合突起が
形成してあり、ロック解除部材28が最大後方位置に後
退している場合に、ロック部材の係合突起が、ロック解
除部材28の係合解除用テーパ面28Aに係合するよう
になっている。しかも、このロック部材30は、係合解
除用テーパ面28Aを常時押圧する方向にバネ付勢して
ある。
【0012】ワイヤ巻取具34には、図1に示すよう
に、ハンドル36が装着してあり、ハンドルを回すこと
で一対のワイヤ32,32の後端を同時に巻き取るよう
になっている。ワイヤ32,32の後端を巻き取ること
で、各ワイヤの先端に取り付けられたスライド移動体2
4が前方にスライド移動され、同時に、ロック解除部材
28も前方に移動し、ロック解除部材28の先端テーパ
部28Aの作用によってロック部材30を下方に押し下
げてロックを解除する。したがって、スライド移動体2
4の移動に伴い、シャフト部材26の先端がベース本体
22に対して前方に突出する。なお、各ワイヤ32の先
端は、スプリング40を介して、スライド移動体24あ
るいはロック解除部材28に取り付けるように構成して
も良い。スプリング40を設けることで、もし仮に、各
ワイヤ32,32がハンドル36の回転によって急激に
引張力を受けた場合でも、上記コイルバネ40の存在に
よってそのショック力を緩和し、シャフト部材26のス
ムーズな移動を確保することができる。
【0013】スライド移動体24と共に前方に押し出し
移動されるシャフト部材26の先端は、図5に示すよう
に、スクリーン枠44に対して固定される。スクリーン
枠44は、外部スクリーン枠44Aと内部スクリーン枠
44Bとから成る。外部スクリーン枠44Aは、スクリ
ーン12Aの四方を覆うような形状をしており、内部ス
クリーン44Bは、必ずしもスクリーン12Aの四方に
配置する必要はなく、対向する二辺位置に配置するよう
にしても良い。このような外部スクリーン枠44Aと、
内部スクリーン枠44Bとには、ネジ孔46が形成して
あり、ここに、ネジ48を螺合することにより、外部ス
クリーン枠44Aと内部スクリーン枠44Bとが連結さ
れ、スクリーン12Aを保持するようになっている。ス
クリーン12Aは、たとえばフレネルレンズとレンチキ
ュラレンズとから構成される。本実施例では、内部スク
リーン枠44Bの後端縁部に、スリーブ50が装着して
あり、ここに、シャフト部材26の先端部が取り付けら
れ、シャフト部材と共に、スクリーン枠44がシャフト
部材26の軸方向に移動可能になっている。
【0014】上述したように構成してある各スクリーン
ブロック12は、たとえば図6に示すように、3×3
段、あるいはそれ以上に積み重ねられて、各スクリーン
ブロック12の前面に取り付けられたスクリーン12A
が同一平面状に組み合わされ、単一の大画面14を構成
するようになっている。このように構成してある多段型
マルチプロジェクタにおいて、特定のスクリーンブロッ
クのスクリーン12Aに傷や汚れが付いて交換作業を行
おうとする場合には、該当するスクリーンブロックの後
方から手を伸ばし、図1に示すワイヤ巻取具34のハン
ドル36を回し、駆動用ワイヤ32の後端を巻き取る。
すると、駆動用ワイヤ32の先端に取り付けられたスラ
イド移動体24が、ベース本体22に対して前方に対し
て突出する方向に前進する。その際に、ロック解除部材
28の作用により、ロック部材30によるロックは解除
されている。スライド移動体24が移動すると、それに
取り付けられたシャフト部材26も軸方向に前進移動
し、その先端に取り付けられたスクリーン枠44を、ス
クリーンブロック本体20に対して前面に突出させる。
その結果、外部スクリーン枠44Aにおけるネジ48の
取り付け部が露出し、作業者は容易にネジ48を取り外
してスクリーン12Aの交換作業あるいは分解清掃作業
を行うことができる。
【0015】交換作業後あるいは分解清掃作業後には、
スクリーン12Aが取り付けられたスクリーン枠44
を、スクリーンブロック本体20に対して後方に押す
と、このスクリーン枠44に取り付けてあるシャフト部
材26が後方に押され、スクリーン移動体24と共にロ
ック解除部材28が後退移動する。この場合、ワイヤ3
2,32はスクリーン移動体24によって引っ張られ、
ワイヤ巻取具34を逆に回転させて、巻回してあったワ
イヤを引き延ばす。そして、スクリーン枠44が所定位
置まで後退すると、ワイヤ32,32が伸びきると共
に、ロック部材30がロック解除部材28の先端テーパ
部28Aに係合し、当該スクリーン12Aは他のスクリ
ーン12Aと一平面(あるいは、一定の曲面)を安定的
に構成する。なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とが可能である。たとえば、図4に示すスライド移動体
24とシャフト部材26とは一体に成形することも可能
である。また、図5に示すシャフト部材26の先端部
は、内部スクリーン枠44Bに対して取り付けるのでは
なく、外部スクリーン枠44Aに対して取り付けるよう
に構成しても良い。さらに、外部スクリーン枠44Aと
内部スクリーン枠44Bとの連結は、ネジ48以外に、
その他の連結手段を用いて連結することも可能である。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、多段型マルチプロジェクタにおいて、スクリー
ンブロックを保持するスクリーン枠を前後方向に進退さ
せる機構を有するため、特定のスクリーンブロックの前
面に装着してあるスクリーン枠をスクリーンと共に突出
させることができ、スクリーンの交換作業あるいは分解
清掃作業を、各スクリーンブロックの積み上げを崩すこ
となく、容易かつ短時間で行うことが可能になり、メン
テナンスの効率を大幅に向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る多段型マルチプロジェ
クタの構成要素であるスクリーンブロックの縦断面図で
あって、図2の矢視線A−Aによる断面図である。
【図2】同実施例に係るスクリーンブロックの正面図で
ある。
【図3】図2に示す矢印B方向に沿う平面図である。
【図4】図1の左端部に示すスクリーン枠の移動機構を
示す拡大図である。
【図5】図4に示すスクリーン枠の移動機構の先端に取
り付けられ、スクリーンを保持しているスクリーン枠の
部分斜視図である。
【図6】図6は多段型マルチプロジェクタの概略全体斜
視図である。
【符号の説明】
10…多段型マルチプロジェクタ 12…スクリーンブロック 12A…スクリーン 14…スクリーン画面 16…エンクロージャ組体 18…CRT 20…スクリーンブロック本体 22…ベースプレート 24…スクリーン移動体 26…シャフト部材 28…ロック解除部材 28A…テーパ部 30…ロック部材 31…ガイドブロック 32…ワイヤ 34…ワイヤ巻取具 36…ハンドル 38,42…ローラ 44…スクリーン枠 44A…外部スクリーン枠 44B…内部スクリーン枠
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−165106(JP,A) 特開 平3−249633(JP,A) 実開 平3−125574(JP,U) 実開 平4−16444(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 21/62 G03B 21/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像が投射されるスクリーン前面に備え
    スクリーンブロックを多段に積み上げ、前記各スクリ
    ーンの組合せによって単一のスクリーン画面を構成する
    多段型マルチプロジェクタにおいて、前記各スクリーンブロックの前面にそれぞれ設けられ、
    前記スクリーンが着脱可能に装着されたスクリーン枠
    と、 前記各スクリーンブロックに移動自在に設けられ、前記
    スクリーン枠を前記スクリーンブロックの前面から前方
    に突出可能に保持するスライド移動部材と、を有し、 任意の前記スライド移動部材を前記スクリーンブロック
    に対して前進移動させることにより、当該スライド移動
    部材に保持されたスクリーン枠とスクリーンとの着脱を
    行う着脱作業部が前記スクリーン画面の前方に露出する
    ことを特徴とする 多段型マルチプロジェクタ。
  2. 【請求項2】前記各スライド移動部材を前記スクリーン
    ブロックに対して前進方向に移動させる操作を前記各ス
    クリーンブロックの後部から行う操作機構をさらに備え
    請求項1に記載の多段型マルチプロジェクタ。
  3. 【請求項3】前記スクリーン枠前記スライド移動部
    材に対して着脱自在となっている 請求項1に記載の多段
    型マルチプロジェクタ。
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