JP3170829B2 - 荷台用の防振装置及びこの防振装置を具備した車両 - Google Patents

荷台用の防振装置及びこの防振装置を具備した車両

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JP3170829B2
JP3170829B2 JP30528091A JP30528091A JP3170829B2 JP 3170829 B2 JP3170829 B2 JP 3170829B2 JP 30528091 A JP30528091 A JP 30528091A JP 30528091 A JP30528091 A JP 30528091A JP 3170829 B2 JP3170829 B2 JP 3170829B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貨物トラック等の自動
車及び鉄道車両等の車両荷台の防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】振動により悪影響を受けやすい精密機械
等の物品を運搬する車両、例えば貨物トラック等の車両
において、従来、車両の荷台とシャーシとの間に、粘性
流体を収容した可撓性部材からなる防振装置を配置し、
これによりシャーシから伝達される振動を防止するよう
にしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の粘性流
体を用いた防振装置では、可撓性部材により実質荷台を
シャーシに対して支持せんとするものであるため、上下
方向に関してある程度剛性を有している必要があり、そ
の結果上下方向の振動に対する防振効果は、それ程期待
し得ない。上下方向の振動に対する防振効果を十分に得
ようと可撓性部材に弾性特性をもたせると、運搬中など
に荷台にローリングが生じ車両の操縦性が悪化する虞が
ある。また、従来の粘性流体を用いた防振装置では、左
右の振動、前後の振動及び上下の振動に対して作用し、
従ってこのような防振装置を具備した例えば貨物トラッ
クでは、道路走行中においてカーブを曲がる際、シャー
シのカーブに対応する動きに対して重量物品を搭載した
荷台の動きが遅れるため、その反作用がシャーシに伝達
され、結果としてこれによってもハンドルが取られたり
して操縦性が極めて悪くなる。このような不都合は、制
動時又は発進時も同様に生じる。
【0004】本発明は前記諸点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、荷台への振動の伝達を
好ましく低減し得る上に、荷台自体の振動をも防止し得
る荷台用の防振装置及びこのような防振装置を具備した
車両を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、車両の操縦性を低下
させない荷台用の防振装置及びこのような防振装置を具
備した車両を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、基台側の上下振動の荷台側への伝達を弾性作用によ
り防止すべく、基台に対して荷台を上下方向及びこの上
下方向と直交する一の方向の両方向に移動可能にして、
基台と荷台との間に設ける弾性装置と、荷台側の上下振
動を流体の粘性抵抗力によって減衰すべく、基台に対し
て荷台を上下方向及び一の方向の両方向に移動可能にし
て、基台と荷台との間に設ける粘性抵抗力発生装置と
の方向における基台に対する荷台の揺動を阻止すべ
く、基台と荷台との間に設ける揺動阻止装置とを具備し
ており、揺動阻止装置は、上下方向及び一の方向の両方
向に直交する他の一の方向に伸びる平坦面を有して荷台
側に取付けられる第一の板部材と、一の方向に関して第
一の板部材の平坦面に対面する平坦面を有して基台側に
取付けられる第二の板部材と、第一及び第二の板部材に
おいて一の方向に関して対面する両平坦面の夫々に取付
けられた低摩擦部材とを具備している荷台用の防振装置
によって達成される。
【0007】本発明における弾性装置の好ましい一つの
例は、弾性体と、この弾性体の一端に固着されて弾性体
の一端を基台側又は荷台側のいずれか一方に取付ける取
付部材と、弾性体の他端に固着されて弾性体の他端を基
台側又は荷台側のいずれか他方に取付ける取付部材とを
具備している。弾性体としては、環状体であっも、一対
のブロック体であっても、またその他の形状であっても
良いが、環状体で弾性体が形成される場合には、環状体
の内周面に取付部材を固着して弾性体の一端を基台側又
は荷台側のうちいずれか一方に取付け、環状体の外周面
に他の取付部材を固着して弾性体の他端を基台側又は荷
台側のうちいずれか他方に取付けると良く、弾性体が一
対のブロック体である場合には、この一対のブロック体
を上下方向及び前記一の方向に対してこれらと直交する
方向に並置し、これら一対のブロック体の互いに対向す
る一端に取付部材を固着して一対のブロック体の一端の
夫々を基台側又は荷台側のうちいずれか一方に取付け、
一対のブロック体の他端に他の取付部材を固着して一対
のブロック体の他端の夫々を基台側又は荷台側のうちい
ずれか他方に取付けると良い。一対のブロック体で弾性
体を構成する場合には、本発明の一つでは、揺動阻止装
置及び粘性抵抗力発生装置のうち少なくとも一方を一対
のブロック体の互いに対向する一端間に配し、環状体で
弾性体を構成する場合には、揺動阻止装置及び粘性抵抗
力発生装置のうち少なくとも一方を環状体に囲まれる部
位に配し、これらにより装置をコンパクトにまとめるよ
うにしても良い。弾性体の両端面の夫々で楔状空間を形
成するように、弾性体の両端面の夫々を上下方向に対し
て傾斜させると、荷重により弾性体が極端に撓んだり、
弾性体が取付部材から外れるような事態を避けることが
でき、荷台側の荷重をこの弾性体を介してしっかりと確
実に支持し得る。
【0008】本発明における粘性抵抗力発生装置は、少
なくとも粘性流体を収容する収容体を具備するが、この
収容体としては、粘性流体を収容し得る形状であれば、
円筒状、球状、角型等いかなる形状であっても良く、ま
た、内部を完全密閉して形成されている必要はなく、収
容した粘性流体が振動などにより漏出しないようにされ
ていれば良い。収容体は、その内周壁に粘性流体の意図
しない流動を阻止するための流動阻止板又は円形凹所若
しくは直線状凹溝を少なくとも一つ以上具備して構成さ
れていても良い。本収容体は、使用においては、例えば
貨物トラックの車両荷台及びシャーシのうちいずれか一
方側に取付けられる。収容体は弾性体の負荷とならない
ようにするためには、好ましい例では、車両のシャーシ
側に取付けるが、荷台側に取付けても良い。収容体に収
容される粘性流体は、収容体内に隙間なく充満している
必要はないが、好ましくは、振動において空気の混入を
できるだけ避けるべく、収容体内に完全充満させる。本
粘性流体は、本発明における粘性抵抗受容体に対して十
分な粘性抵抗力を与えるべく、高粘度の流体であること
が好ましく、例えば、1万から10万ポアズの高い粘度
を有するポリオレフィン系又はポリシロキサン等の液体
が適している。
【0009】本発明の一つの好ましい例では、粘性抵抗
力発生装置は、粘性流体の収容体を構成すべく基台側に
取付けられた筒体と、この筒体の内部に一端側が挿入さ
れるよう形成されており、荷台側に取付けられた粘性抵
抗受容体と、筒体の内部に収容された粘性流体とを具備
している。このような粘性抵抗力発生装置は更に、基台
側に取付けられた他の筒体を具備しており、両筒体間で
形成される環状空間に一端側が挿入されるよう粘性抵抗
受容体は形成されており、当該環状空間に粘性流体が収
容されていると好ましい。本例において粘性抵抗受容体
は筒状部材又は板状部材から形成すると好ましいが、そ
の他の形態をもったものであっても良いのは勿論であ
る。本発明では粘性抵抗としては、粘性流動抵抗又は粘
性剪断抵抗のいずれであっても、またこれらが複合した
ものであっても良く、主に粘性剪断抵抗力を利用する場
合には、粘性抵抗受容体と筒体とを相互に近接して配す
ると良い。本発明における粘性抵抗受容体は、上下方向
と直交する方向に伸びる櫛状の多数のスリットを有して
いても若しくは筋状溝を有していても、或いは多孔板状
に多数の貫通孔を有していても若しくは凹溝を有してい
ても良く、更には上下方向に対して直交する面を有した
フィンを具備していても良い。加えて、上方向と下方向
との移動(上下振動)において異なる抵抗力を粘性流体
から受容するように、粘性抵抗受容体を構成しても良
く、その一例として、断面鋸歯状の上述の筋状溝を示し
得る。粘性抵抗受容体としては、ゴム若しくはばね鋼等
により形成しても良いが、これに代えて硬い鋼等で形成
しても良い。
【0010】
【0011】本発明における基台としては、本発明の防
振装置が車両に適用される場合には、シャーシであり
得、パレットといわれる取外し自在な荷台に適用される
場合には、パレットの下面に配置される基板であり得
る。
【0012】本発明の荷台用の防振装置を車両等に適用
する場合は、用いる荷台用の防振装置は一つでも良い
が、荷台の安定性又は耐荷重性能等を考慮して複数個設
けても良い。
【0013】また、本発明の荷台の防振装置は、上述の
パレットに適用されても良く、このようなパレットを準
備すると、貨物トラックに対する貨物の積み降ろし作業
を貨物トラックとは別の場所で行い得て、好ましい場合
がある。
【0014】
【作用】このように構成された本発明の荷台用の防振装
置においては、例えば車両荷台とシャーシとの間に装着
され車両用の防振装置として適用される場合には、シャ
ーシ側の上下振動の荷台側への伝達を弾性作用により防
止する弾性装置が設けられているため、シャーシに生じ
る高周波振動は、この弾性装置の弾性作用により荷台に
はそれ程伝達されず、また、荷台側の上下振動を流体の
粘性抵抗力によって減衰する粘性抵抗力発生装置が設け
られているため、荷台の振動は、粘性流体の粘性抵抗力
により弱められ、これにより荷台に対する防振作用が行
われる。
【0015】以下、本発明を、図面に示す具体例に基づ
いて更に詳細に説明する。これにより前記発明及び更に
他の発明が明瞭となるであろう。尚、本発明はこれら具
体例に何等限定されないのである。
【0016】
【具体例】図1に示す本例の荷台用の防振装置1は、基
台側の上下振動、即ちA方向の振動の荷台側への伝達を
弾性作用により防止すべく、基台に対して荷台をA方向
及びA方向と直交する一の方向、即ちB方向(図4参
照)の両方向に移動可能にして、基台と荷台との間に設
けられた弾性装置2と、荷台側のA方向の振動を流体の
粘性抵抗力によって減衰すべく、基台に対して荷台をA
方向及びB方向の両方向に移動可能にして、基台と荷台
との間に設けられた粘性抵抗力発生装置3と、B向に
おける基台に対する荷台の揺動を阻止すべく、基台と荷
台との間に設けられた揺動阻止装置4とを具備してお
り、本例では防振装置1は車両としての貨物トラック5
に用いられている。
【0017】図2から図4に示すように基台としてトラ
ック5のシャーシ10と横根太11及び縦根太12を介
して支持された荷台13との間に設けられた弾性装置2
は、弾性体としての一対のブロック体15及び16と、
ブロック体15及び16の一端に加硫接着等により取付
けられた取付板17及び18にねじ19及び20により
固着されて取付板17及び18を基台側又は荷台側のう
ちいずれか一方、本例では荷台13側の縦根太12に取
付ける取付部材21と、ブロック体15及び16の他端
に加硫接着等により取付けられた他方の取付板22及び
23にねじ24及び25により固着されて取付板22及
び23を基台側又は荷台側のうちいずれか他方、本例で
は基台側としてシャーシ10に取付ける取付部材26と
を具備している。
【0018】A方向及びB方向に対して直交するC方
向、即ち本例ではトラック5の前後方向であるC方向に
並置された一対のブロック体15及び16は夫々弾性材
料、例えばゴム材から形成されて弾性を有している。本
例のブロック体15及び16は夫々、直方体形状をもっ
て中実に形成されているが、本発明はこれに限定され
ず、円柱形状であっても良く、或いは十分な支持強度が
得られる場合には、軽量化を図り得る中空の円筒又は角
筒形状であっても良い。ブロック体15及び16の夫々
の取付板17及び22並びに18及び23の取付部材2
1及び26と接触している面は、当該面の夫々で楔状空
間を形成するように、A方向に対して傾斜しており、こ
れにより荷台13側の荷重が増加してもブロック体15
及び16は過度に撓むことなしに徐々に圧縮されてその
荷重を受けることとなる。
【0019】取付部材21は、夫々溶接などの手段によ
り一体化された水平板部30と二つの斜板部31及び3
2とからなり、水平板部30はUボルト33、Uボルト
33に螺着されたナット34及びUボルト33と縦根太
12との間に配されたシム35を介して縦根太12に固
定されており、斜板部31及び32において取付部材2
1はブロック体15及び16の取付板17及び18にボ
ルト19及び20により連結されている。
【0020】取付部材26は、夫々溶接などの手段によ
り一体化された水平基板部40と二つの斜板部41及び
42と斜板部41及び42を補強する二つの補強板部4
3及び44とからなり、水平基板部40はUボルト4
5、Uボルト45に螺着されたナット46、Uボルト4
5と水平基板部40との間に配されたシム47、水平基
板部40とシャーシ10との間に配されたシム48及び
Uボルト45の両端を橋絡して配された横部材49を介
してシャーシ10に固定されており、斜板部41及び4
2において取付部材26はブロック体15及び16の取
付板22及び23にボルト24及び25により連結され
ている。
【0021】シャーシ10と荷台13との間に設けられ
た揺動阻止装置4は、水平板部30、斜板部31及び3
2に溶接などにより固着されて荷台13側に取付けられ
ていると共に、C方向に伸びる平坦面を有した第一の板
部材50と、B方向に関して板部材50の平坦面に対面
する平坦面を有していると共に、水平基板部40に溶接
などにより固着されてシャーシ10側に取付けられた第
二の板部材51と、板部材50及び51においてB方向
に関して対面する両平坦面の夫々に夫々取付けられた低
摩擦部材52及び53とを具備しており、板部材51
は、本板部材51及び水平基板部40に溶接などにより
取付けられた補強板54により補強されている。尚、板
部材50は取付部材21に対する補強も兼ねている。ま
た本揺動阻止装置4はトラック5の左右に少なくとも一
対設けられるが、左右の揺動阻止装置4において、板部
材50及び51の配置は逆転されている。
【0022】シャーシ10と荷台13との間に設けられ
た粘性抵抗力発生装置3は、図5から図7に示すよう
に、水平基板部60と、夫々の一端61及び62が水平
基板部60に溶接などの手段により固着されてシャーシ
10側に取付けられた二つの筒体63及び64と、筒体
63の内部であって、本例では両筒体63及び64間で
形成される環状空間65に一端66側が挿入されるよう
形成されており、他端67が水平板部68に溶接などに
より固着されて荷台13側に取付けられた粘性抵抗受容
体としての筒状部材69と、筒体63の内部であって環
状空間65に収容された粘性流体70とを具備してい
る。更に本例の粘性抵抗力発生装置3は、先端が縮径さ
れて筒体63の他端71に嵌着された筒部材72と、一
端が水平板部68に、他端が筒体63に夫々固着された
蛇腹状の伸縮自在な筒状カバー73とを具備しており、
筒部材72によって粘性流体70の外部への漏出が防止
されており、筒状カバー73によって粘性流体70への
外部からの雨水、泥等の異物の混入が阻止されている。
水平板部68は、二つのUボルト74及び75、Uボル
ト74及び75の夫々の先端に螺合したナット76及び
77、Uボルト74及び75の夫々と縦根太12との間
に配されたシム78及び79により縦根太12に取付け
られており、水平基板部60は、ボルト80及びナット
81などにより下側カバー82に取付けられている。下
側カバー82は粘性抵抗力発生装置3に加えて弾性装置
2及び揺動阻止装置4(図2から図4参照)を覆ってC
方向に沿って設けられており、Uボルト45によりシャ
ーシ10に固定されている(図2参照)。尚、下側カバ
ー82には、ボルト83及びナット84を介して水平基
板部40の一端が固定されている(図2参照)。下側カ
バー82に対向して設けられた上側カバー85は、下側
カバー82と同様に粘性抵抗力発生装置3に加えて弾性
装置2及び揺動阻止装置4を覆ってC方向に沿って設け
られており、ボルト86により水平板部30及び68に
取付けられている。上側カバー85及び下側カバー82
によって弾性装置2、粘性抵抗力発生装置3及び揺動阻
止装置4への雨水、泥のはねかかりが防止されている。
【0023】このように形成された防振装置1は、例え
ば図1に示すようにトラック5の左右に複数個適用され
る。尚、本例では粘性抵抗力発生装置3一個に対して弾
性装置2及び揺動阻止装置4が夫々二個用いられてい
る。
【0024】以上のようなトラック5では、振動が加わ
らない際には、荷台13側の縦根太12は、弾性装置2
により支えられてシャーシ10から浮いた浮動状態にあ
る。シャーシ10にA方向の振動が加わると、この振動
は弾性装置2の取付部材26にも伝達され、取付部材2
6もA方向に振動し、取付部材26のA方向の振動は、
ブロック体15及び16の取付板22及び23に伝達さ
れる。ブロック体15及び16は弾性的に撓みながら振
動し、このブロック体15及び16の弾性撓み作用によ
りシャーシ10の高周波振動、換言すれば大きな加速度
をもった振動の取付部材21への伝達は低減され、従っ
て大きな加速度をもった振動による取付部材21のA方
向の振動はそれ程生じなく、結果として縦根太12及び
横根太11、ひいては荷台13もこれによってはそれ程
振動しない。一方、シャーシ10側の振動が伝達された
結果生じる振動又はその他何等かの原因に基づく荷台1
3自体の振動は、横根太11及び縦根太12を介して筒
体69に伝達される結果、粘性流体70内に配された筒
体69の一端66側は、筒体63及び64に対して相対
的にA方向に振動される。この振動で粘性流体70には
粘性剪断力が発生し、これにより粘性流体は、筒体69
に粘性剪断抵抗力を与え、この粘性剪断抵抗力でもって
筒体69の相対的なA方向の振動は減衰される結果、荷
台13側の上下方向の振動も減衰される。
【0025】また、防振装置1では揺動阻止装置4が設
けられているため、重量物を積載された荷台13のシャ
ーシ10に対するB方向の相対的な変位は、揺動阻止装
置4の低摩擦部材52及び53の互いの当接により阻止
される結果、荷台13がローリングする虞もなく、ま
た、シャーシ10のB方向の動きに対して横根太11、
即ち、荷台13は、遅れることなしにそれに対応して動
く結果、カーブ等のハンドルの操作で操作性が悪くなる
ことがない。また本例の防振装置1では、縦根太12に
固着された取付部材21をC方向に関して挟むようにし
て一対のブロック体15及び16が設けられているた
め、荷台13のシャーシ10に対するC方向の相対的変
位は十分に阻止され、従って急発進時又は急制動時に荷
台13のシャーシ10に対するC方向の相対的変位はほ
とんど生じることがなく、これによってもトラック5の
安全走行性が十分に保たれる。尚、A方向の振動で低摩
擦部材52及び53が互いに当接する場合には、これら
低摩擦部材52及び53はこのA方向の振動を極めて小
さい摩擦抵抗で案内するようにも作用する。
【0026】ところで前記具体例では、揺動阻止装置4
を一対のブロック体15及び16の互いに対向する取付
板17及び18間に配したが、本発明はこれに限定され
ないのは勿論であって、粘性抵抗力発生装置3と同様に
弾性装置2と離して設けても良い。またこれとは逆に図
8に示すように粘性抵抗力発生装置3も揺動阻止装置4
と同様に一対のブロック体15及び16の互いに対向す
る取付板17及び18間に配しても良い。図8に示す防
振装置90では、水平板部91及び水平基板部92が弾
性装置2及び粘性抵抗力発生装置3にそれぞれの水平板
部30及び68並びに水平基板部40及び60の共通部
材として用いられており、また前述の板部材50に代え
て分割された板部材93及び94が用いられており、溶
接などにより斜板部31及び水平板部91に固着された
板部材93に低摩擦部材52が取付けられており、溶接
などにより斜板部32及び水平板部91に固着された板
部材94は斜板部32を補強している。さらに本例では
筒体64を用いることなく、筒体63の内部全体に粘性
流体70を入れている。水平板部91及び水平基板部9
2は夫々、二つのUボルト95、96及び97、98等
により縦根太12及びシャーシ10に固定されている。
本例の防振装置90でも防振装置1と同様の作用をなす
上に、極めてコンパクトにトラック5に搭載し得るので
好ましい。
【0027】更に、前記例では板部材50及び51等で
揺動阻止装置4を形成したが、筒部材63、64及び筒
状部材69に板部材50及び51の機能をもたせ、これ
ら筒部材63、64及び筒状部材69の相互間に低摩擦
部材52及び53と同等の部材を介在せしめて揺動阻止
装置を形成しても良い。
【0028】
【発明の効果】発明によれば、弾性装置と粘性抵抗力
発生装置とを具備しているため、これらの協同により荷
台の振動を好ましく低減し得、また基台と荷台との間に
設ける揺動阻止装置を具備しているので、一の方向(
右方向の揺動には応答しないようにし得、それ故適用
する車両の操縦性が低下するというような不都合をなく
し得る。しかも、本発明によれば、上下方向の振動で揺
動阻止装置の低摩擦部材が互いに当接して滑動する場合
には、これら低摩擦部材はこの上下方向の振動を極めて
小さい摩擦抵抗で案内でき、上下方向の振動における摺
動接触に伴う付加的な振動及び異音の発生をなくすこと
ができ、当接により基台に対する荷台の揺動を阻止する
揺動阻止装置を設置した場合に不可避的に生じる不都合
を効果的になくし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一具体例が適用された貨物ト
ラックの側面図である。
【図2】図1に示す具体例の弾性装置及び揺動阻止装置
の詳細側面図である。
【図3】図2に示す弾性装置の背面図である。
【図4】図2に示す弾性装置のIV−IV線断面図であ
る。
【図5】図1に示す粘性抵抗力発生装置の詳細断面図で
ある。
【図6】図5に示す粘性抵抗力発生装置のVI−VI線
断面図である。
【図7】図6に示す粘性抵抗力発生装置のVII−VI
I線断面図である。
【図8】本発明の好ましい他の一具体例の側面図であ
る。
【符号の説明】
1 荷台用の防振装置 2 弾性装置 3 粘性抵抗力発生装置 4 揺動阻止装置 10 シャーシ 13 荷台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 充 神奈川県藤沢市桐原町8番地 オイレス 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−171674(JP,A) 特開 昭53−40164(JP,A) 実開 昭60−124384(JP,U) 実開 昭57−154575(JP,U) 実開 昭55−131820(JP,U) 特公 昭63−61536(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 21/09 B62D 27/04

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台側の上下振動の荷台側への伝達を弾
    性作用により防止すべく、基台に対して荷台を上下方向
    及びこの上下方向と直交する一の方向の両方向に移動可
    能にして、基台と荷台との間に設ける弾性装置と、荷台
    側の上下振動を流体の粘性抵抗力によって減衰すべく、
    基台に対して荷台を上下方向及び一の方向の両方向に移
    動可能にして、基台と荷台との間に設ける粘性抵抗力発
    生装置と、一の方向における基台に対する荷台の揺動を
    阻止すべく、基台と荷台との間に設ける揺動阻止装置と
    を具備しており、揺動阻止装置は、上下方向及び一の方
    向の両方向に直交する他の一の方向に伸びる平坦面を有
    して荷台側に取付けられる第一の板部材と、一の方向に
    関して第一の板部材の平坦面に対面する平坦面を有して
    基台側に取付けられる第二の板部材と、第一及び第二の
    板部材において一の方向に関して対面する両平坦面の夫
    々に取付けられた低摩擦部材とを具備している荷台用の
    防振装置。
  2. 【請求項2】 弾性装置は、弾性体と、この弾性体の一
    端に固着されて弾性体の一端を基台側又は荷台側のうち
    いずれか一方に取付ける取付部材と、弾性体の他端に固
    着されて弾性体の他端を基台側又は荷台側のうちいずれ
    か他方に取付ける取付部材とを具備している請求項1に
    記載の荷台用の防振装置。
  3. 【請求項3】 弾性体は環状体であり、弾性体の一端は
    当該環状体の内周面であり、弾性体の他端は当該環状体
    の外周面である請求項2に記載の荷台用の防振装置。
  4. 【請求項4】 粘性抵抗力発生装置及び揺動阻止装置の
    うち少なくとも一方は環状体に囲まれる部位に配されて
    いる請求項3に記載の荷台用の防振装置。
  5. 【請求項5】 弾性体は上下方向及び一の方向に対して
    これらと直交する方向に並置された一対のブロック体で
    あり、弾性体の一端はこれら一対のブロック体の互いに
    対向する一端であり、弾性体の他端は一対のブロック体
    の他端である請求項2に記載の荷台用の防振装置。
  6. 【請求項6】 粘性抵抗力発生装置及び揺動阻止装置の
    うち少なくとも一方は一対のブロック体の互いに対向す
    る一端間に配されている請求項5に記載の荷台用の防振
    装置。
  7. 【請求項7】 弾性体の両端面は、当該両端面の夫々で
    楔状空間を形成するように、上下方向に対して傾斜して
    いる請求項2から6のいずれか一項に記載の荷台用の防
    振装置。
  8. 【請求項8】 粘性抵抗力発生装置は、基台側に取付け
    られた筒体と、この筒体の内部に一端側が挿入されるよ
    う形成されており、荷台側に取付けられた粘性抵抗受容
    体と、筒体の内部に収容された粘性流体とを具備してい
    る請求項1から7のいずれか一項に記載の荷台用の防振
    装置。
  9. 【請求項9】 粘性抵抗力発生装置は更に、基台側に取
    付けられた他の筒体を具備しており、基台側に取付けら
    れた両筒体間で形成される環状空間に一端側が挿入され
    るよう粘性抵抗受容体は形成されており、当該環状空間
    に粘性流体が収容されている請求項8に記載の荷台用の
    防振装置。
  10. 【請求項10】 粘性抵抗受容体は筒状部材又は板状部
    材からなる請求項8又は9に記載の荷台用の防振装置。
  11. 【請求項11】 粘性抵抗受容体は、主に粘性剪断抵抗
    力を受容するように、筒体に近接して配されている請求
    項8から10のいずれか一項に記載の荷台用の防振装
  12. 【請求項12】 請求項1から1のいずれか一項に記
    載の荷台用の防振装置を具備する車両であって、基台が
    シャーシである防振装置付車両。
  13. 【請求項13】 他の一の方向が車両の前後方向である
    請求項1に記載の防振装置付車両。
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