JP3170651B2 - ジチアン環で置換されたプロぺナールとそのプロぺナールの調製方法 - Google Patents
ジチアン環で置換されたプロぺナールとそのプロぺナールの調製方法Info
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- JP3170651B2 JP3170651B2 JP17882892A JP17882892A JP3170651B2 JP 3170651 B2 JP3170651 B2 JP 3170651B2 JP 17882892 A JP17882892 A JP 17882892A JP 17882892 A JP17882892 A JP 17882892A JP 3170651 B2 JP3170651 B2 JP 3170651B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D339/00—Heterocyclic compounds containing rings having two sulfur atoms as the only ring hetero atoms
- C07D339/08—Six-membered rings
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は結合鎖末端においてジチアン環で
置換されていて、cis−またはtrans−立体特異
的構造をもつプロペナールと、高い立体特異性をもった
プロペナールを得ることを可能にするプロペナールの調
製方法とに関する。
置換されていて、cis−またはtrans−立体特異
的構造をもつプロペナールと、高い立体特異性をもった
プロペナールを得ることを可能にするプロペナールの調
製方法とに関する。
【0002】それ故、本発明は構造式(I)
【化10】 (この式で、Rは水素原子またはC1−C4チオアルキル
基であり、ジチアン環は、RがHである場合は、アルデ
ヒド官能基に対してcis位にあり、Rがチオアルキル
基である場合はtrans位にある)で表わされるプロ
ペナールを第1の主題として持っている。
基であり、ジチアン環は、RがHである場合は、アルデ
ヒド官能基に対してcis位にあり、Rがチオアルキル
基である場合はtrans位にある)で表わされるプロ
ペナールを第1の主題として持っている。
【0003】本原文において、そして条約により、ジチ
アン環のtrans位はこの環の対称軸を斜め上方に
し、cis位はその軸を下方に向けて表わす。この軸が
水平の場合は、その構造式はcis−立体特異的型ある
いはtrans−立体特異的型を区別することなく示し
ている。
アン環のtrans位はこの環の対称軸を斜め上方に
し、cis位はその軸を下方に向けて表わす。この軸が
水平の場合は、その構造式はcis−立体特異的型ある
いはtrans−立体特異的型を区別することなく示し
ている。
【0004】本発明の主題は、より特別には、構造式
(Ia)
(Ia)
【化11】 で表わされるcis−プロペナールと、構造式(Ib)
【化12】 で表わされるtrans−プロペナールとである。
【0005】これらの化合物は、構造式(II) (この式で、Rは構造式(I)に就いての意味と同じ意
味をもち、ジチアン環が、RがHである場合はcis位
に、Rがチオアルキル基である場合はtrans位にあ
る)で表わされる、1つのジチアン環で置換されている
立体特異的レチノイドの合成における出発化合物、"S
ynthon"と名づける、である。構造式(II)で
表わされる立体特異的レチノイド化合物は、そのレチノ
イド構造から明らかなように、レチノイド活性すなわち
ビタミンA様作用を有する。従って構造式(II)で表
わされる化合物は表皮分化の障害、たとえば乾癬又は”
ざ瘡”、と関連する皮膚状態の化粧品学的又は薬学的処
置に使用することができる。構造式(I)で表わされる
Synthonから構造式(II)で表わされるレチノ
イドを高い立体特異性で得ることを可能にする調製方法
は、出願内容が参照文献により本出願中に組込まれてい
るものと見做されなければならない、本出願人により1
991年6月14日に提出されたフランス特許出願FR
9107292中に記載されている。
味をもち、ジチアン環が、RがHである場合はcis位
に、Rがチオアルキル基である場合はtrans位にあ
る)で表わされる、1つのジチアン環で置換されている
立体特異的レチノイドの合成における出発化合物、"S
ynthon"と名づける、である。構造式(II)で
表わされる立体特異的レチノイド化合物は、そのレチノ
イド構造から明らかなように、レチノイド活性すなわち
ビタミンA様作用を有する。従って構造式(II)で表
わされる化合物は表皮分化の障害、たとえば乾癬又は”
ざ瘡”、と関連する皮膚状態の化粧品学的又は薬学的処
置に使用することができる。構造式(I)で表わされる
Synthonから構造式(II)で表わされるレチノ
イドを高い立体特異性で得ることを可能にする調製方法
は、出願内容が参照文献により本出願中に組込まれてい
るものと見做されなければならない、本出願人により1
991年6月14日に提出されたフランス特許出願FR
9107292中に記載されている。
【0006】本発明の第2の主題は、構造式
【化14】 (この式でEt=エチル基)で表わされる、cis構造
のβ−ホルミルメタクリル酸エチルと1,3−プロパン
ジチオールとをトリフリン酸亜鉛(zinc trif
late)の存在下、水の除去によりジチアン環がci
s位でホルミル基に結合するように、そして構造式
のβ−ホルミルメタクリル酸エチルと1,3−プロパン
ジチオールとをトリフリン酸亜鉛(zinc trif
late)の存在下、水の除去によりジチアン環がci
s位でホルミル基に結合するように、そして構造式
【化15】 で表わされる化合物を得るよう反応させ、構造式
【化16】 で表わされる化合物を得るため、ジイソブチルアルミニ
ウムヒドリド存在の下に化合物を還元し、そして、構造
式(Ia)で表わされるcis−プロペナールを得るた
めに構造式(V)で表わされる前記プロペノールを酸化
することによる、ジチアン基がcis位にある、構造式
(Ia)
ウムヒドリド存在の下に化合物を還元し、そして、構造
式(Ia)で表わされるcis−プロペナールを得るた
めに構造式(V)で表わされる前記プロペノールを酸化
することによる、ジチアン基がcis位にある、構造式
(Ia)
【化17】 で表わされるジチアンプロペナールの調製方法である。
【0007】構造式(Ia)で表わされるcis−ジチ
アンプロペナールの調製のための種種な反応は立体特異
的であり、cis構造のβ−ホルミルメタクリル酸メチ
ルから、やはり“cis”であるジチアンプロペナール
が少くとも非常に支配的な程度で得られることが発見さ
れた。
アンプロペナールの調製のための種種な反応は立体特異
的であり、cis構造のβ−ホルミルメタクリル酸メチ
ルから、やはり“cis”であるジチアンプロペナール
が少くとも非常に支配的な程度で得られることが発見さ
れた。
【0008】本発明の第3の主題は、構造式
【化18】 (この式で、RはC1−C4チオアルキル基である)で表
わされるアルキルチオジチアンをn−ブチルリチウム
と、それから構造式
わされるアルキルチオジチアンをn−ブチルリチウム
と、それから構造式
【化19】 (この式で、Et=エチル基)で表わされるエトキシメ
タクロレインとを反応させ、構造式
タクロレインとを反応させ、構造式
【化20】 (この式で、Et=エチル基)で表わされる化合物を得
るために加水分解を行い、つづいて、ジチアン基がtr
ans位にある、構造式(I)で表わされる化合物を得
るために、アセトン、それから酸で処理する、構造式
(I)で表わされるプロペナールの調製方法である。
るために加水分解を行い、つづいて、ジチアン基がtr
ans位にある、構造式(I)で表わされる化合物を得
るために、アセトン、それから酸で処理する、構造式
(I)で表わされるプロペナールの調製方法である。
【0009】純粋に説明で非限定的なものとして以下に
掲げる実施例は本発明をよりよく理解させ得るであろ
う。
掲げる実施例は本発明をよりよく理解させ得るであろ
う。
【0010】
【実施例1】 構造式(Ia)で表わされる化合物の調
製 反応は次の略図に従って行う。
製 反応は次の略図に従って行う。
【化21】 この略図で、中間体化合物は参照符号(Zi)で示さ
れ、iは19〜23の範囲の整数である。θ0は室温で
ある。
れ、iは19〜23の範囲の整数である。θ0は室温で
ある。
【0011】第1段階:構造式
【化22】 (この式で、Me=メチル基、Et=エチル基)で表わ
されるジエチルホスホノプロピオン酸メチル(Z19)の
調製 2−ブロモプロピオン酸メチル(22.5ml、0.2
mol)1当量を亜リン酸トリエチル(51.5ml、
0.3mol)1.5当量と混合する。その混合物を次
第に160−170℃まで加熱する。この温度を6時間
維持する。反応の間、生成する臭化エチル(沸点=40
℃)並にアクリル酸メチル(沸点=80℃)が蒸留して
来る。それから試薬の過剰分を真空中蒸留(60−65
℃、66Pa)する。ホスホノプロピオネートを蒸留
(75〜80℃、66Pa)し、無色の液体44.84
gを得る。
されるジエチルホスホノプロピオン酸メチル(Z19)の
調製 2−ブロモプロピオン酸メチル(22.5ml、0.2
mol)1当量を亜リン酸トリエチル(51.5ml、
0.3mol)1.5当量と混合する。その混合物を次
第に160−170℃まで加熱する。この温度を6時間
維持する。反応の間、生成する臭化エチル(沸点=40
℃)並にアクリル酸メチル(沸点=80℃)が蒸留して
来る。それから試薬の過剰分を真空中蒸留(60−65
℃、66Pa)する。ホスホノプロピオネートを蒸留
(75〜80℃、66Pa)し、無色の液体44.84
gを得る。
【0012】得られた生成物は次の特性をもつ。 a)薄層クロマトグラフィーTLC(ヘキサン/酢酸エ
チル70/30)Rf=0.17 b)分子量M=224.2 c)構造は核磁気共鳴(1Hおよび 13C NMR)(2
00MHz)(CDCl3)と赤外線(IR)スペクト
ル(CCl4)との研究により確認した。
チル70/30)Rf=0.17 b)分子量M=224.2 c)構造は核磁気共鳴(1Hおよび 13C NMR)(2
00MHz)(CDCl3)と赤外線(IR)スペクト
ル(CCl4)との研究により確認した。
【0013】第2段階:構造式
【化23】 (この式で、Me=メチル基)で表わされるグリオキザ
ールのモノ−(N,N−ジメチルヒドラゾン)(Z20)
の調製 N,N−ジメチルヒドラジン(34.2ml、0.45
mol)1当量を撹拌しながら、水(300ml)中の
グリオキザール(0.5mol、30%水性溶液として
の試薬29ml)に滴下して加える。室温で0.5時間
後、混合物をCH2Cl2(3×150ml)で抽出す
る。合併した有機相をNa2SO4上で乾燥し、それから
濃縮する。得られた淡黄色液体(45g)はそのまま使
用する。
ールのモノ−(N,N−ジメチルヒドラゾン)(Z20)
の調製 N,N−ジメチルヒドラジン(34.2ml、0.45
mol)1当量を撹拌しながら、水(300ml)中の
グリオキザール(0.5mol、30%水性溶液として
の試薬29ml)に滴下して加える。室温で0.5時間
後、混合物をCH2Cl2(3×150ml)で抽出す
る。合併した有機相をNa2SO4上で乾燥し、それから
濃縮する。得られた淡黄色液体(45g)はそのまま使
用する。
【0014】得られた生成物は次の特性を持つ。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.23 b)M=100.12 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
f=0.23 b)M=100.12 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
【0015】第3段階:構造式
【化24】 (この式で、Me=メチル基)で表わされる4−(N,
N−ジメチルヒドラゾノ)−2−メチル−2−ブテン酸
メチル(Z21)の調製 水素化ナトリウム(1.07g、0.0446mol)
を無水テトラヒドロフラン(THF)(40ml)中に
懸濁させる。混合物は0℃に冷却し、それからホスホノ
アセテート(Z19)(10g、0.0446mol)1
当量を撹拌しながら滴下して加える。5分後、ヒドラゾ
ン(Z20)1当量(4.46g、0.0446mol)
をその混合物に徐徐に加える。褐黄色ガムが急速に反応
フラスコの底に沈澱する。反応を、出発材料が完全に消
失するまで(15〜30分間)、薄層クロマトグラフィ
ーで追跡する。そして水(10ml)を添加して加水分
解し、エーテル(3×50ml)で抽出する。合併した
有機相をNaClの飽和溶液(50ml)で洗浄し、N
a2SO4上乾燥して、濃縮する。その残渣をアセトン/
ペンタン混合物から再結晶する。若し余り不純であれ
ば、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン
/酢酸エチル:80/20;トリエチルアミン3%で処
理したシリカ)を必要とする。白色結晶7.21gを得
る。収率は95%である。
N−ジメチルヒドラゾノ)−2−メチル−2−ブテン酸
メチル(Z21)の調製 水素化ナトリウム(1.07g、0.0446mol)
を無水テトラヒドロフラン(THF)(40ml)中に
懸濁させる。混合物は0℃に冷却し、それからホスホノ
アセテート(Z19)(10g、0.0446mol)1
当量を撹拌しながら滴下して加える。5分後、ヒドラゾ
ン(Z20)1当量(4.46g、0.0446mol)
をその混合物に徐徐に加える。褐黄色ガムが急速に反応
フラスコの底に沈澱する。反応を、出発材料が完全に消
失するまで(15〜30分間)、薄層クロマトグラフィ
ーで追跡する。そして水(10ml)を添加して加水分
解し、エーテル(3×50ml)で抽出する。合併した
有機相をNaClの飽和溶液(50ml)で洗浄し、N
a2SO4上乾燥して、濃縮する。その残渣をアセトン/
ペンタン混合物から再結晶する。若し余り不純であれ
ば、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン
/酢酸エチル:80/20;トリエチルアミン3%で処
理したシリカ)を必要とする。白色結晶7.21gを得
る。収率は95%である。
【0016】得られた生成物の特性は次の如くである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.56 b)M=170.2 c)融点m.p.=49−50℃ d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
f=0.56 b)M=170.2 c)融点m.p.=49−50℃ d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
【表1】
【0017】第4段階:構造式
【化25】 (この式で、Me=メチル基)で表わされる4−(N,
N−ジメチルヒドラゾノ)−2−メチル−2−ブテン酸
(Z22)の調製 エステル(Z21)(10g、0.059mol)を、エ
タノールと6M水酸化ナトリウムとの1/1混合物(8
00ml)に溶解する。それからその反応物を、出発材
料が消失するまで(30分間)50℃で撹拌する。それ
から水(100ml)を加えて希釈し、アルコールの大
部分を真空の下で蒸発させる。残渣を始め、凡ての有機
の劣化生成物を除くためにエーテル(2×100ml)
で抽出する。更にその水性相にエーテル(200ml)
を加えた後、水性相を、pHを監視し乍ら濃硫酸をゆっ
くり加えて酸性にする。pH3〜4に達するや、反応混
合物をエーテル(3×100ml)で抽出し、Na2S
O4上で乾燥して、濃縮する。残渣をアセトン/ペンタ
ン混合物中で再結晶する。生成物8.75gを長い淡黄
色針状の形で得る。収率は95%である。
N−ジメチルヒドラゾノ)−2−メチル−2−ブテン酸
(Z22)の調製 エステル(Z21)(10g、0.059mol)を、エ
タノールと6M水酸化ナトリウムとの1/1混合物(8
00ml)に溶解する。それからその反応物を、出発材
料が消失するまで(30分間)50℃で撹拌する。それ
から水(100ml)を加えて希釈し、アルコールの大
部分を真空の下で蒸発させる。残渣を始め、凡ての有機
の劣化生成物を除くためにエーテル(2×100ml)
で抽出する。更にその水性相にエーテル(200ml)
を加えた後、水性相を、pHを監視し乍ら濃硫酸をゆっ
くり加えて酸性にする。pH3〜4に達するや、反応混
合物をエーテル(3×100ml)で抽出し、Na2S
O4上で乾燥して、濃縮する。残渣をアセトン/ペンタ
ン混合物中で再結晶する。生成物8.75gを長い淡黄
色針状の形で得る。収率は95%である。
【0018】得られた生成物の特性は次の如くである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.07 b)M.P.=145−147℃ c)M=156.19 d)構造はNMR(1Hと13C)(200MHz)(C
DCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
f=0.07 b)M.P.=145−147℃ c)M=156.19 d)構造はNMR(1Hと13C)(200MHz)(C
DCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
【表2】
【0019】第5段階:構造式
【化26】 で表わされる5−ヒドロキシ−3−メチル−2(5H)
−フラノン(Z23)の調製 35%ホルムアルデヒド18mlと濃塩酸13mlとを
ジオキサン(130ml)中のヒドラゾン(Z22)
(6.5g、0.0416mol)の溶液に加える。そ
の混合物を、室温で出発材料が消失するまで(5〜6時
間)撹拌する。それから砕氷上にそそぎ、塩化メチレン
(4×100ml)で抽出し、Na2SO4上で乾燥し、
濃縮する。
−フラノン(Z23)の調製 35%ホルムアルデヒド18mlと濃塩酸13mlとを
ジオキサン(130ml)中のヒドラゾン(Z22)
(6.5g、0.0416mol)の溶液に加える。そ
の混合物を、室温で出発材料が消失するまで(5〜6時
間)撹拌する。それから砕氷上にそそぎ、塩化メチレン
(4×100ml)で抽出し、Na2SO4上で乾燥し、
濃縮する。
【0020】得られたブテノリドをフラッシュクロマト
グラフィー(溶離液=ヘキサン/酢酸エチル/エーテ
ル:40/30/30)で精製する。ベージュ色結晶
3.75gを得る。収率は79%である。
グラフィー(溶離液=ヘキサン/酢酸エチル/エーテ
ル:40/30/30)で精製する。ベージュ色結晶
3.75gを得る。収率は79%である。
【0021】得られた生成物の特性は次の如くである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:50/50):R
f=0.29 b)M.P.=70−72℃ c)M=114.1 d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認する。 e)元素分析は次の結果を与える。
f=0.29 b)M.P.=70−72℃ c)M=114.1 d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認する。 e)元素分析は次の結果を与える。
【0022】第6段階:構造式(III)で表わされる
化合物の調製 a)トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート
(Et3OBF4)の調製 アルゴンの下、無水エーテル(60ml)に溶解してい
る、新に蒸留した沸化硼素エーテラート(30ml、
0.243mol)に、自然還流があるように、エピク
ロロヒドリン(14.2ml、0.182mol)0.
75当量を猛しく撹拌し乍ら滴下して加える。この還流
を1時間維持し、それから1晩その混合物を放置する。
半透明のゲルがその反応フラスコの底に沈澱する。それ
をアルゴンの下で濾過し、無水エーテルで充分に洗浄
し、それからベーンポンプを用いて乾燥する。トリエチ
ルオキソニウムテトラフルオロボレートの白色沈澱26
gを得る。これはアルゴンの下で、冷蔵庫中数日貯蔵で
きる。収率は78%である。分子量はM=183.94
である。
化合物の調製 a)トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート
(Et3OBF4)の調製 アルゴンの下、無水エーテル(60ml)に溶解してい
る、新に蒸留した沸化硼素エーテラート(30ml、
0.243mol)に、自然還流があるように、エピク
ロロヒドリン(14.2ml、0.182mol)0.
75当量を猛しく撹拌し乍ら滴下して加える。この還流
を1時間維持し、それから1晩その混合物を放置する。
半透明のゲルがその反応フラスコの底に沈澱する。それ
をアルゴンの下で濾過し、無水エーテルで充分に洗浄
し、それからベーンポンプを用いて乾燥する。トリエチ
ルオキソニウムテトラフルオロボレートの白色沈澱26
gを得る。これはアルゴンの下で、冷蔵庫中数日貯蔵で
きる。収率は78%である。分子量はM=183.94
である。
【0023】b)構造式
【化27】 (この式で、Et=エチル基)で表わされるcis型の
β−ホルミルメタクリル酸エチルの調製 ブテノリド(Z23)(3g、0.026mol)を蒸留
した塩化メチレン(60ml)に溶解する。−10℃に
この混合物を冷却後、水素化ナトリウム(0.624
g、0.026mol)1当量、つづいて直にトリエチ
ルオキソニウムテトラフルオロボレート(4.97g、
0.026mol)1当量を加える。混合物を−10℃
から5℃に1.5時間撹拌し、後、トリエチルアミン
(3.6ml、0.026mol)1当量を無水エーテ
ル30mlとを添加して加水分解する。生成した淡黄色
沈澱(トリエチルアミンと三弗化硼素との複合体)を濾
過し、無水エーテルで充分に洗浄する。残渣を蒸発し、
シリカカラムでのクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサ
ン/酢酸エチル:80/20;トリエチルアミン3%で
処理したシリカ)で処理する。黄色油状物2.22gを
得る。収率は60%である。
β−ホルミルメタクリル酸エチルの調製 ブテノリド(Z23)(3g、0.026mol)を蒸留
した塩化メチレン(60ml)に溶解する。−10℃に
この混合物を冷却後、水素化ナトリウム(0.624
g、0.026mol)1当量、つづいて直にトリエチ
ルオキソニウムテトラフルオロボレート(4.97g、
0.026mol)1当量を加える。混合物を−10℃
から5℃に1.5時間撹拌し、後、トリエチルアミン
(3.6ml、0.026mol)1当量を無水エーテ
ル30mlとを添加して加水分解する。生成した淡黄色
沈澱(トリエチルアミンと三弗化硼素との複合体)を濾
過し、無水エーテルで充分に洗浄する。残渣を蒸発し、
シリカカラムでのクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサ
ン/酢酸エチル:80/20;トリエチルアミン3%で
処理したシリカ)で処理する。黄色油状物2.22gを
得る。収率は60%である。
【0024】生成物の特性は次の如くである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.62 b)M=142.16 c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 d)元素分析は次の結果を与える。
f=0.62 b)M=142.16 c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 d)元素分析は次の結果を与える。
【表4】
【0025】第7段階:構造式
【化28】 (この式で、Et=エチル基)で表わされる、cis型
のβ−(1,3−ジチアン)−メタクリル酸エチルの調
製 a)トリフリン酸亜鉛Zn(OTf)2の調製 炭酸亜鉛(17.4g、0.139mol)1当量を乾
燥メタノール(250ml)中に溶解する。滴下ロトを
用い、トリフリン酸(triflic acid)(5
0g、0.195mol)1.4当量をそれにゆっくり
と滴下して加える。その反応は発熱であり、はげしいC
O2の発生が見られる。その混合物を室温で20分間撹
拌し、それから2時間還流する。それからメタノールを
蒸発する。残渣を330Paの下、130℃で2.5時
間加熱して乾燥させる。白色粉末50.4gを得る。
のβ−(1,3−ジチアン)−メタクリル酸エチルの調
製 a)トリフリン酸亜鉛Zn(OTf)2の調製 炭酸亜鉛(17.4g、0.139mol)1当量を乾
燥メタノール(250ml)中に溶解する。滴下ロトを
用い、トリフリン酸(triflic acid)(5
0g、0.195mol)1.4当量をそれにゆっくり
と滴下して加える。その反応は発熱であり、はげしいC
O2の発生が見られる。その混合物を室温で20分間撹
拌し、それから2時間還流する。それからメタノールを
蒸発する。残渣を330Paの下、130℃で2.5時
間加熱して乾燥させる。白色粉末50.4gを得る。
【0026】b)構造式(IV)で表わされる化合物の
調製 1,3−プロパンジチオール(4.85ml、0.04
8mol)3.2当量とZn(OTf)2(6.54
g、0.018mol)1.2当量をアルゴンの下で、
蒸留したCH2Cl2(80ml)中に溶解する。室温で
15分間その混合物を撹拌後、CH2Cl2(20ml)
中に溶解している、構造式(III)で表わされる化合
物(2.2g、0.015mol)1当量を急速に滴下
して加える。反応は0.5時間後完結し、混合物を水
(90ml)、それからpHが4〜5に達するまでNH
4Clの飽和溶液を加える(約200ml)。水性相を
ヘキサン/エーテル(1/1)混合物(4×100m
l)で抽出する。合併した有機相を、生成した乳化液を
こわすため、NH4Clの飽和溶液(100ml)で、
それから0.5M水酸化ナトリウム(3×100m
l)、NaHCO3の飽和溶液(100ml)、水(2
×100ml)、そして最後にNaClの飽和溶液(1
00ml)で洗浄する。Na2SO4上乾燥し、溶剤を蒸
発すると、無色油状物3.6gを単離する。
調製 1,3−プロパンジチオール(4.85ml、0.04
8mol)3.2当量とZn(OTf)2(6.54
g、0.018mol)1.2当量をアルゴンの下で、
蒸留したCH2Cl2(80ml)中に溶解する。室温で
15分間その混合物を撹拌後、CH2Cl2(20ml)
中に溶解している、構造式(III)で表わされる化合
物(2.2g、0.015mol)1当量を急速に滴下
して加える。反応は0.5時間後完結し、混合物を水
(90ml)、それからpHが4〜5に達するまでNH
4Clの飽和溶液を加える(約200ml)。水性相を
ヘキサン/エーテル(1/1)混合物(4×100m
l)で抽出する。合併した有機相を、生成した乳化液を
こわすため、NH4Clの飽和溶液(100ml)で、
それから0.5M水酸化ナトリウム(3×100m
l)、NaHCO3の飽和溶液(100ml)、水(2
×100ml)、そして最後にNaClの飽和溶液(1
00ml)で洗浄する。Na2SO4上乾燥し、溶剤を蒸
発すると、無色油状物3.6gを単離する。
【0027】得られた生成物の特性は次の如くである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:90/10):R
f=0.36 b)M=232.37 c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
f=0.36 b)M=232.37 c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
【表5】
【0028】第8段階:構造式
【化29】 で表わされる化合物(Z)−3−(1,3−ジチアン−
2−イル)−2−メチルプロペノールの調製 構造式(IV)で表わされるエステル(3.5g、0.
015mol)をアルゴンの下で無水テトラヒドロフラ
ン(THF)(70ml)に溶解する。その混合物を0
℃に冷却後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DI
BAL)(トルエン中1M溶液33ml)2.2当量を
急速に滴下して加える。0.5時間後反応は完結し、そ
の混合物をメタノール(1.55ml)をゆっくり添加
して加水分解する。全体を酢酸エチル(600ml)と
酒石酸ナトリウムの飽和溶液(74ml)との混合物中
にあける。この混合物を1時間猛しく撹拌すると、生成
したゲルの破壤ができる。それからその水性相を酢酸エ
チル(3×100ml)で抽出する。合併した有機相を
NaClの飽和溶液(100ml)で洗浄し、Na2S
O4上乾燥し、濃縮する。その残渣をシリカカラムでの
クロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン/酢酸エチル:
80/20;トリエチルアミン3%で処理したシリカ)
で処理すると、無色油状物2.30gを得る。収率は8
1%である。
2−イル)−2−メチルプロペノールの調製 構造式(IV)で表わされるエステル(3.5g、0.
015mol)をアルゴンの下で無水テトラヒドロフラ
ン(THF)(70ml)に溶解する。その混合物を0
℃に冷却後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DI
BAL)(トルエン中1M溶液33ml)2.2当量を
急速に滴下して加える。0.5時間後反応は完結し、そ
の混合物をメタノール(1.55ml)をゆっくり添加
して加水分解する。全体を酢酸エチル(600ml)と
酒石酸ナトリウムの飽和溶液(74ml)との混合物中
にあける。この混合物を1時間猛しく撹拌すると、生成
したゲルの破壤ができる。それからその水性相を酢酸エ
チル(3×100ml)で抽出する。合併した有機相を
NaClの飽和溶液(100ml)で洗浄し、Na2S
O4上乾燥し、濃縮する。その残渣をシリカカラムでの
クロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン/酢酸エチル:
80/20;トリエチルアミン3%で処理したシリカ)
で処理すると、無色油状物2.30gを得る。収率は8
1%である。
【0029】得られた生成物は次の特性をもっている。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.23 b)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
f=0.23 b)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
【表6】
【0030】第9段階:構造式
【化30】 で表わされる(Z)−3−(1,3−ジチアン−2−イ
ル)−2−メチルプロペナールの調製 構造式(V)で表わされるアルコール(2.3g、0.
012mol)をアルゴンの下で、蒸留したCH2Cl2
(150ml)に溶解する。二酸化マンガン(5.25
g)約5当量を猛しい撹拌の下にこの混合物に添加す
る。室温で4時間後、この懸濁液をシリカの薄層を通し
て濾過する。シリカを酢酸エチルで充分に洗浄する。濾
液を真空中濃縮する。ベージュ色の結晶2.15gを得
る。収率は95%である。
ル)−2−メチルプロペナールの調製 構造式(V)で表わされるアルコール(2.3g、0.
012mol)をアルゴンの下で、蒸留したCH2Cl2
(150ml)に溶解する。二酸化マンガン(5.25
g)約5当量を猛しい撹拌の下にこの混合物に添加す
る。室温で4時間後、この懸濁液をシリカの薄層を通し
て濾過する。シリカを酢酸エチルで充分に洗浄する。濾
液を真空中濃縮する。ベージュ色の結晶2.15gを得
る。収率は95%である。
【0031】生成物の特性は次の通りである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.52 b)M.P.=102℃ c)M=188.32 d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
f=0.52 b)M.P.=102℃ c)M=188.32 d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
【表7】
【0032】
【実施例2】 構造式
【化31】 で表わされるレチノイド(Z30)合成のための、構造式
(Ia)で表わされる化合物の使用 調製は次の反応略図に従って行う。
(Ia)で表わされる化合物の使用 調製は次の反応略図に従って行う。
【化32】 この略図で、中間体化合物は参照符号(Zi)で示さ
れ、iは28〜30の範囲の整数である。θ0は室温を
表わす。
れ、iは28〜30の範囲の整数である。θ0は室温を
表わす。
【0033】第1段階:化合物(Z28)の調製 a)構造式
【化33】 で表わされるエチニル−β−イオノール(Z15)の調製 乾燥マグネシウム(5.1g、0.210mol)と無
水テトラヒドロフラン(THF)(100ml)とを、
滴下ロトと還流冷却器とを備えた250cm33つ口フ
ラスコ中に入れる。無水THF(30ml)中の臭化エ
チル(15.7ml、0.210mol)の溶液を、ア
ルゴンの下にゆっくりと加える。マグネシウム反応後、
その混合物を室温で1時間保持する。
水テトラヒドロフラン(THF)(100ml)とを、
滴下ロトと還流冷却器とを備えた250cm33つ口フ
ラスコ中に入れる。無水THF(30ml)中の臭化エ
チル(15.7ml、0.210mol)の溶液を、ア
ルゴンの下にゆっくりと加える。マグネシウム反応後、
その混合物を室温で1時間保持する。
【0034】その上、500cm33つ口フラスコに、
オイルバーナーに連結されている還流冷却と滴下ロトと
アセチレン用のガスディフューザー(アセチレンは初め
−78℃のトラップを通過する)とをつける。−30〜
−20℃でアセチレンを1時間かけて無水THF(20
0ml)中に溶解する。冷浴を除去した後マグネシウム
誘導体を急速に滴下して加える。その間アセチレン気流
はそのまま維持する。温度は35℃以下に保持する。
オイルバーナーに連結されている還流冷却と滴下ロトと
アセチレン用のガスディフューザー(アセチレンは初め
−78℃のトラップを通過する)とをつける。−30〜
−20℃でアセチレンを1時間かけて無水THF(20
0ml)中に溶解する。冷浴を除去した後マグネシウム
誘導体を急速に滴下して加える。その間アセチレン気流
はそのまま維持する。温度は35℃以下に保持する。
【0035】マグネシウム誘導体添加後、混合物を室温
で30分間撹拌する。無水THF(20ml)中に溶解
しているβ−イオノン(21.2ml、0.104mo
l)を30分間で滴下して加える。アセチレン気流を保
持したまま、反応を1時間後完結させ、得られた緑黄色
溶液をNH4Clの飽和溶液(250ml)中にゆっく
りあける。その混合物をエーテル(3×50ml)で抽
出し、水(50ml)それからNaClの飽和溶液(1
00ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、最後に濃
縮する。残渣は、無色の油状物を得るため蒸留(125
℃/395Pa)する。生成物18.16gを得る。そ
の化合物は冷凍庫中、光から保護して貯蔵する。収率は
80%である。
で30分間撹拌する。無水THF(20ml)中に溶解
しているβ−イオノン(21.2ml、0.104mo
l)を30分間で滴下して加える。アセチレン気流を保
持したまま、反応を1時間後完結させ、得られた緑黄色
溶液をNH4Clの飽和溶液(250ml)中にゆっく
りあける。その混合物をエーテル(3×50ml)で抽
出し、水(50ml)それからNaClの飽和溶液(1
00ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、最後に濃
縮する。残渣は、無色の油状物を得るため蒸留(125
℃/395Pa)する。生成物18.16gを得る。そ
の化合物は冷凍庫中、光から保護して貯蔵する。収率は
80%である。
【0036】得られた生成物の特性は次の通りである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.64 b)M=218.34 c)M.P.21℃ d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。
f=0.64 b)M=218.34 c)M.P.21℃ d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。
【0037】b)構造式 で表わされる化合物(Z28)の調製 第1段階で、Grignard試薬をアルゴンの下で、
無水テトラヒドロフラン(THF)(10ml)中のマ
グネシウム(79.2mg、3.26m mol)2.
05当量から調製する。無水THF(10ml)中に溶
解している臭化エタン(0.25ml、3.34m m
ol)2.1当量を滴下して加える。マグネシウムが溶
解するや否や、THF(10ml)中に溶解している化
合物(Z15)(348mg、1.59m mol)1当
量をゆっくり加える。エタンの発生するのが見られる。
室温での反応2時間後、THF(10ml)中に溶解す
るSynthon Ia(0.24g、1.275m
mol)0.8当量をその混合物に急速に加える。1.
5時間後、化合物(Z28)含有量が、薄層クロマトグラ
フィーで示して最早生成しなくなったらば、その混合物
を、NH4Clの飽和溶液(20ml、pH=7)、そ
れから水(10ml)をゆっくり添加して加水分解す
る。その水性相をエーテル(3×50ml)で抽出す
る。合併した有機相をNaClの飽和溶液(80ml)
で洗浄し、Na2SO4上乾燥し、それから濃縮する。残
渣はフラッシュクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン
/酢酸エチル:80/20)で精製する。非常に泡の多
い黄色油状物430mgが得られ、それは冷凍庫中数ケ
月貯蔵できるが、室温では非常に速に劣化する。収率は
Synthon Iaに対して83%である。
無水テトラヒドロフラン(THF)(10ml)中のマ
グネシウム(79.2mg、3.26m mol)2.
05当量から調製する。無水THF(10ml)中に溶
解している臭化エタン(0.25ml、3.34m m
ol)2.1当量を滴下して加える。マグネシウムが溶
解するや否や、THF(10ml)中に溶解している化
合物(Z15)(348mg、1.59m mol)1当
量をゆっくり加える。エタンの発生するのが見られる。
室温での反応2時間後、THF(10ml)中に溶解す
るSynthon Ia(0.24g、1.275m
mol)0.8当量をその混合物に急速に加える。1.
5時間後、化合物(Z28)含有量が、薄層クロマトグラ
フィーで示して最早生成しなくなったらば、その混合物
を、NH4Clの飽和溶液(20ml、pH=7)、そ
れから水(10ml)をゆっくり添加して加水分解す
る。その水性相をエーテル(3×50ml)で抽出す
る。合併した有機相をNaClの飽和溶液(80ml)
で洗浄し、Na2SO4上乾燥し、それから濃縮する。残
渣はフラッシュクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン
/酢酸エチル:80/20)で精製する。非常に泡の多
い黄色油状物430mgが得られ、それは冷凍庫中数ケ
月貯蔵できるが、室温では非常に速に劣化する。収率は
Synthon Iaに対して83%である。
【0038】得られた生成物の特性は次の如くである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.24 b)M=406.66 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
f=0.24 b)M=406.66 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
【0039】第2段階:構造式
【化35】 で表わされる化合物(Z29)の調製 LiAlH4(エーテル中0.89M溶液1.1ml)
1.4当量を、アルゴンの下無水テトラヒドロフラン
(THF)(35ml)に溶解している化合物(Z28)
(350mg、0.86m mol)1当量に滴下して
加える。添加が終了した時、その還流冷却器付きの反応
フラスコを、予め50℃に加熱した浴中にひたす。この
温度で、黄色混合物は徐徐に暗色になる。1.5時間
後、その混合物が過度に劣化(degraded)しつ
つある時から、温度を低下して、撹拌を室温で2時間続
ける。それからこの混合物を、NH4Clの飽和溶液
(20ml、pH=7)、それから水(10ml)を添
加して注意深く加水分解する。水性相をエーテル(3×
20ml)で抽出する。合併した有機相をNaClの飽
和溶液(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥して濃
縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液
=ヘキサン/酢酸エステル:90/10)で精製する。
黄色油状物105mgを得る。この油状物は冷凍庫中で
貯蔵するのは困難で、室温で非常に速に劣化する。収率
は55%である。
1.4当量を、アルゴンの下無水テトラヒドロフラン
(THF)(35ml)に溶解している化合物(Z28)
(350mg、0.86m mol)1当量に滴下して
加える。添加が終了した時、その還流冷却器付きの反応
フラスコを、予め50℃に加熱した浴中にひたす。この
温度で、黄色混合物は徐徐に暗色になる。1.5時間
後、その混合物が過度に劣化(degraded)しつ
つある時から、温度を低下して、撹拌を室温で2時間続
ける。それからこの混合物を、NH4Clの飽和溶液
(20ml、pH=7)、それから水(10ml)を添
加して注意深く加水分解する。水性相をエーテル(3×
20ml)で抽出する。合併した有機相をNaClの飽
和溶液(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥して濃
縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液
=ヘキサン/酢酸エステル:90/10)で精製する。
黄色油状物105mgを得る。この油状物は冷凍庫中で
貯蔵するのは困難で、室温で非常に速に劣化する。収率
は55%である。
【0040】得られた生成物は次の特性をもつ。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.23 b)M=408.67 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
f=0.23 b)M=408.67 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
【0041】第3段階:構造式
【化36】 で表わされるレチノイド(Z30)の調製 低原子価チタン(Ti0)を含有する試薬調製のため、
三塩化チタン(1.5g、9.72m mol)を還流
冷却器付きの乾燥フラスコ中に秤量する。そのフラスコ
をアルゴンでパージし、無水THF(48ml)、それ
からつづいてLiAlH4(エーテル中2.2M溶液
2.2ml)0.5当量を加える。混合物を室温で10
分間撹拌し、トリエチルアミン(0.57ml、4.0
8m mol)0.42当量を添加し、全体を1.5時
間還流させる。
三塩化チタン(1.5g、9.72m mol)を還流
冷却器付きの乾燥フラスコ中に秤量する。そのフラスコ
をアルゴンでパージし、無水THF(48ml)、それ
からつづいてLiAlH4(エーテル中2.2M溶液
2.2ml)0.5当量を加える。混合物を室温で10
分間撹拌し、トリエチルアミン(0.57ml、4.0
8m mol)0.42当量を添加し、全体を1.5時
間還流させる。
【0042】光から保護して、得られた試薬(懸濁液
3.7ml)を−78℃で滴下して、無水THF(20
ml)中に溶解している化合物(Z29)(0.14g、
0.343m mol)に加える。それからその混合物
を50℃の浴中にひたし、この温度で0.5時間撹拌
し、それから−30℃で水(10ml)を添加してゆっ
くりと加水分解する。その水性相はエーテル(4×15
ml)で抽出する。合併した有機相をセライトの薄層上
で濾過し、Na2SO4上で乾燥し、それから室温、真空
中濃縮する。得られた残渣はフラッシュクロマトグラフ
ィー(溶離液=ヘキサン/エーテル:95/5)で精製
する。黄色結晶64mgを得る。収率は35%である。
3.7ml)を−78℃で滴下して、無水THF(20
ml)中に溶解している化合物(Z29)(0.14g、
0.343m mol)に加える。それからその混合物
を50℃の浴中にひたし、この温度で0.5時間撹拌
し、それから−30℃で水(10ml)を添加してゆっ
くりと加水分解する。その水性相はエーテル(4×15
ml)で抽出する。合併した有機相をセライトの薄層上
で濾過し、Na2SO4上で乾燥し、それから室温、真空
中濃縮する。得られた残渣はフラッシュクロマトグラフ
ィー(溶離液=ヘキサン/エーテル:95/5)で精製
する。黄色結晶64mgを得る。収率は35%である。
【0043】得られた生成物は次の特性を持つ。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.80 b)M=374.66 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)で確認した。
f=0.80 b)M=374.66 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)で確認した。
【0044】
【実施例3】 構造式(Ib)で表わされる化合物の調
製 この調製は次の略図に従って行う。
製 この調製は次の略図に従って行う。
【化37】 この略図において、中間体化合物は参照符号(Zi)で
示され、iは31〜33の範囲の整数である。θ0は室
温を表わす。
示され、iは31〜33の範囲の整数である。θ0は室
温を表わす。
【0045】第1段階:構造式
【化38】 (この式で、M=メチル基)で表わされる4−メチルベ
ンゼンチオスルホン酸S−メチル(Z31)の調製 沃化メタン(12.8ml、0.212mol)1.3
当量を、4
ンゼンチオスルホン酸S−メチル(Z31)の調製 沃化メタン(12.8ml、0.212mol)1.3
当量を、4
【外字1】分子篩(500ml)上で蒸留したジメチル
ホルムアミド中に溶解しているトリールチオスルホン酸
カリウム(35g、0.155mol)1当量に急速に
滴下して加える。その混合物を室温で24時間撹拌す
る。反応中、ゆっくりと褐色に変る。水(450ml)
を添加して希釈後、混合物をCH2Cl2(5×150m
l)で抽出する。合併した有機相をNaHCO3飽和溶
液(2×150ml)、それから混合物を脱色できるN
a2SO3の飽和溶液(200ml)で洗浄し、そして水
(5×200ml)で充分洗浄する。最後にNaClの
飽和溶液(250ml)で洗浄し、Na2SO4上乾燥
し、濃縮すると黄色沈澱物を得る。それを少量のペンタ
ンを含有するエーテル中で再結晶する。大きい白色結晶
27.91gを得る。収率は89%である。
ホルムアミド中に溶解しているトリールチオスルホン酸
カリウム(35g、0.155mol)1当量に急速に
滴下して加える。その混合物を室温で24時間撹拌す
る。反応中、ゆっくりと褐色に変る。水(450ml)
を添加して希釈後、混合物をCH2Cl2(5×150m
l)で抽出する。合併した有機相をNaHCO3飽和溶
液(2×150ml)、それから混合物を脱色できるN
a2SO3の飽和溶液(200ml)で洗浄し、そして水
(5×200ml)で充分洗浄する。最後にNaClの
飽和溶液(250ml)で洗浄し、Na2SO4上乾燥
し、濃縮すると黄色沈澱物を得る。それを少量のペンタ
ンを含有するエーテル中で再結晶する。大きい白色結晶
27.91gを得る。収率は89%である。
【0046】得られた生成物の特性は次の通りである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.5 b)M.P.=58−59℃ c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。
f=0.5 b)M.P.=58−59℃ c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。
【0047】第2段階:構造式
【化39】 (この式で、Me=メチル基)で表わされる2−メチル
チオ−1,3−ジチアン(Z32)の調製 無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)中の
1,3−ジチアン(6g、0.05mol)の溶液を−
78℃に冷却する。n−ブチルリチウム(1.5M溶液
33.3ml)1当量を急速に滴下して加える。その混
合物をこの温度で2時間撹拌する。それから、−78℃
で、無水THF(80ml)に溶解している化合物(Z
31)(12.14g、0.06mol)1.2当量に、
カニューレを使用して加える。添加している間に(約3
5分間かかる)白色沈澱物が継続して形成される。−7
8℃で0.5時間撹拌しつづけ、それから0.05N
HCl(600ml)を加えてその混合物を加水分解す
る。THFを蒸発し、その残渣をCH2Cl2/ペンタン
(1/1)混合物(4×200ml)で抽出する。合併
した有機相をNaHCO3飽和溶液(3×100m
l)、NaCl飽和溶液(250ml)で洗浄し、Na
2SO4上で乾燥し、濃縮する。過剰のトリールチオスル
ホン酸メチル(Z31)除去のため、その残渣を急いでシ
リカカラムのクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン/
エーテル:95/5)にかける。無色の油状物7.90
gが得られ、それは冷凍庫中で沈澱を起す。収率は95
%である。
チオ−1,3−ジチアン(Z32)の調製 無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)中の
1,3−ジチアン(6g、0.05mol)の溶液を−
78℃に冷却する。n−ブチルリチウム(1.5M溶液
33.3ml)1当量を急速に滴下して加える。その混
合物をこの温度で2時間撹拌する。それから、−78℃
で、無水THF(80ml)に溶解している化合物(Z
31)(12.14g、0.06mol)1.2当量に、
カニューレを使用して加える。添加している間に(約3
5分間かかる)白色沈澱物が継続して形成される。−7
8℃で0.5時間撹拌しつづけ、それから0.05N
HCl(600ml)を加えてその混合物を加水分解す
る。THFを蒸発し、その残渣をCH2Cl2/ペンタン
(1/1)混合物(4×200ml)で抽出する。合併
した有機相をNaHCO3飽和溶液(3×100m
l)、NaCl飽和溶液(250ml)で洗浄し、Na
2SO4上で乾燥し、濃縮する。過剰のトリールチオスル
ホン酸メチル(Z31)除去のため、その残渣を急いでシ
リカカラムのクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン/
エーテル:95/5)にかける。無色の油状物7.90
gが得られ、それは冷凍庫中で沈澱を起す。収率は95
%である。
【0048】得られた生成物の特性は次の通りである。 a)TLC(ヘキサン/エーテル:90/10):Rf
=0.54 b)M=166.33 c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)で確認した。
=0.54 b)M=166.33 c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)で確認した。
【0049】第3段階:構造式
【化40】 (この式で、Me=メチル基、Et=エチル基)で表わ
されるエチル3−(2−メチルチオ−1,3−ジチアン
−2−イル)−3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロ
ペニルエーテル(Z33)の調製 n−ブチルリチウム(1.5M溶液30ml)1当量
を、−40℃で、蒸留したテトラヒドロフラン(TH
F)(150ml)中に溶解しているオルト−チオエス
テル(Z32)(7.5g、0.045mol)に、急速
に滴下して加える。この温度での反応6分後、エトキシ
メタクロレイン(5.35ml、0.045mol)1
当量を加える。−30℃で3時間撹拌しつづけ、それか
らNH4Clの飽和溶液(約200ml、pH=5)を
加えてその混合物を加水分解する。温度が室温に上昇す
るや、この混合物をエーテル(3×200ml)で抽出
する、合併した有機相をNaHCO3の飽和溶液(2×
200ml)、水(200ml)、NaCl飽和溶液
(200ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮
する。その黄色の残渣をフラッシュクロマトグラフィー
(溶離液=ヘキサン/エーテル:90/10)により精
製する。淡黄色油状物10.25gが得られ、それは冷
凍庫中に貯蔵し、そこで沈澱を起す。収率は81%であ
る。
されるエチル3−(2−メチルチオ−1,3−ジチアン
−2−イル)−3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロ
ペニルエーテル(Z33)の調製 n−ブチルリチウム(1.5M溶液30ml)1当量
を、−40℃で、蒸留したテトラヒドロフラン(TH
F)(150ml)中に溶解しているオルト−チオエス
テル(Z32)(7.5g、0.045mol)に、急速
に滴下して加える。この温度での反応6分後、エトキシ
メタクロレイン(5.35ml、0.045mol)1
当量を加える。−30℃で3時間撹拌しつづけ、それか
らNH4Clの飽和溶液(約200ml、pH=5)を
加えてその混合物を加水分解する。温度が室温に上昇す
るや、この混合物をエーテル(3×200ml)で抽出
する、合併した有機相をNaHCO3の飽和溶液(2×
200ml)、水(200ml)、NaCl飽和溶液
(200ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮
する。その黄色の残渣をフラッシュクロマトグラフィー
(溶離液=ヘキサン/エーテル:90/10)により精
製する。淡黄色油状物10.25gが得られ、それは冷
凍庫中に貯蔵し、そこで沈澱を起す。収率は81%であ
る。
【0050】得られた生成物は次の特性を持つ。 a)TLC(ヘキサン/エーテル:90/10):Rf
=0.12 b)M.P.=39−40℃ c)M=280.48 d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
=0.12 b)M.P.=39−40℃ c)M=280.48 d)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
【表8】
【0051】第4段階:構造式
【化41】 (この式で、Me=メチル基)で表わされる化合物
(E)−3−(2−メチルチオ−1,3−ジチアン−2
−イル)−2−メチルプロペナールの調製 エノールエーテル(Z33)(9g、0.032mol)
を−10℃でアセトン(300ml)中に溶解する。酸
(10%水性硫酸54ml)6当量をその混合物にゆっ
くりと加える。混合物を−10〜−5℃で5時間撹拌し
た後、NaHCO3飽和溶液(約200ml、pH=
5)と水(200ml)とを添加して加水分解する。ア
セトンを蒸発し、それからその混合物をエーテル(5×
100ml)で抽出する。
(E)−3−(2−メチルチオ−1,3−ジチアン−2
−イル)−2−メチルプロペナールの調製 エノールエーテル(Z33)(9g、0.032mol)
を−10℃でアセトン(300ml)中に溶解する。酸
(10%水性硫酸54ml)6当量をその混合物にゆっ
くりと加える。混合物を−10〜−5℃で5時間撹拌し
た後、NaHCO3飽和溶液(約200ml、pH=
5)と水(200ml)とを添加して加水分解する。ア
セトンを蒸発し、それからその混合物をエーテル(5×
100ml)で抽出する。
【0052】合併した有機相をNaHCO3飽和溶液
(70ml、pH=7)とNaCl飽和溶液(250m
l)とで洗浄する。Na2SO4上乾燥し、濃縮した後、
残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサ
ン/エーテル:90/10)で精製する。黄色油状物
5.62gを得る。収率は75%である。
(70ml、pH=7)とNaCl飽和溶液(250m
l)とで洗浄する。Na2SO4上乾燥し、濃縮した後、
残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサ
ン/エーテル:90/10)で精製する。黄色油状物
5.62gを得る。収率は75%である。
【0053】得られた生成物の特性は次の通りである。 a)TLC(ヘキサン/エーテル:90/10):Rf
=0.28 b)M=234.41 c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
=0.28 b)M=234.41 c)構造はNMR(1Hおよび 13C)(200MHz)
(CDCl3)とIRとで確認した。 e)元素分析は次の結果を与える。
【表9】
【0054】
【実施例4】 構造式
【化42】 (この式で、Me=メチル基)で表わされるレチノイド
の合成のための、構造式(Ib)で表わされる化合物の
使用 この調製は次の略図に従って行う。
の合成のための、構造式(Ib)で表わされる化合物の
使用 この調製は次の略図に従って行う。
【化43】 この略図中、中間体化合物は参照符号(Zi)で示さ
れ、iは35または36に等しい整数である。
れ、iは35または36に等しい整数である。
【0055】アセチレン化合物(Z15)は実施例2に記
載のように調製する。
載のように調製する。
【0056】第1段階:構造式
【化44】 (この式で、Me=メチル基)で表わされる化合物(Z
35)の調製 第1段階で、Grignard試薬を、アルゴンの下、
無水テトラヒドロフラン(THF)(20ml)中のマ
グネシウム(1.13g、0.047mol)2.05
当量より調製する。無水THF(20ml)中に溶解し
ている臭化エタン(3.6g、0.048mol)2.
1当量を滴下して加える。凡てのマグネシウムが溶解す
るや、THF(50ml)中に溶解している化合物(Z
15)(5g、0.0229mol)1当量をゆっくり加
える。エタンの発生するのが見られる。室温で反応1.
5時間後、THF(50ml)中に溶解する構造式(I
b)で表わされる化合物(5.37g、0.0229m
ol)1当量をこの混合物に速に加える。1時間後、薄
層クロマトグラフィーにより化合物(Z35)の含有量が
最早増加しなくなって、NH4Cl飽和溶液(50m
l)、つづいて水(50ml)をゆっくり加えてこの混
合物を加水分解する。その水性相をエーテル(3×80
ml)で抽出する。合併した有機相をNaCl飽和溶液
(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、それか
ら濃縮する。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー
(溶離液=ヘキサン/酢酸エチル:85/15)で精製
する。非常に泡の多い黄色油状物9.33gを得る。収
率は90%である。
35)の調製 第1段階で、Grignard試薬を、アルゴンの下、
無水テトラヒドロフラン(THF)(20ml)中のマ
グネシウム(1.13g、0.047mol)2.05
当量より調製する。無水THF(20ml)中に溶解し
ている臭化エタン(3.6g、0.048mol)2.
1当量を滴下して加える。凡てのマグネシウムが溶解す
るや、THF(50ml)中に溶解している化合物(Z
15)(5g、0.0229mol)1当量をゆっくり加
える。エタンの発生するのが見られる。室温で反応1.
5時間後、THF(50ml)中に溶解する構造式(I
b)で表わされる化合物(5.37g、0.0229m
ol)1当量をこの混合物に速に加える。1時間後、薄
層クロマトグラフィーにより化合物(Z35)の含有量が
最早増加しなくなって、NH4Cl飽和溶液(50m
l)、つづいて水(50ml)をゆっくり加えてこの混
合物を加水分解する。その水性相をエーテル(3×80
ml)で抽出する。合併した有機相をNaCl飽和溶液
(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、それか
ら濃縮する。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー
(溶離液=ヘキサン/酢酸エチル:85/15)で精製
する。非常に泡の多い黄色油状物9.33gを得る。収
率は90%である。
【0057】得られた生成物は次の特性をもつ。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.29 b)M=452.75 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
f=0.29 b)M=452.75 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
【0058】第2段階:構造式
【化45】 (この式で、Me=メチル基)で表わされるジオール
(Z36)の調製 LiAlH4(エーテル中1M溶液2.7ml)1.1
当量を、アルゴンの下、無水テトラヒドロフラン(TH
F)(140ml)に溶解する化合物(Z35)1当量に
滴下して加える。添加終了した時その還流冷却器付きフ
ラスコを予め55℃に加熱した浴にひたす。この温度
で、この黄色混合物はゆっくりと紫色になる。0.5時
間後反応は完結し、混合物を、NH4Cl飽和溶液(6
0ml)、つづいて水(20ml)を加えて加水分解す
る。水性相をエーテル(3×70ml)で抽出する。合
併した有機相をNaCl飽和溶液(100ml)で洗浄
し、Na2SO4上乾燥し、濃縮する。残渣をフラッシュ
クロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン/酢酸エチル:
90/10)で精製する。黄色油状物0.9gを得る。
収率は81%である。
(Z36)の調製 LiAlH4(エーテル中1M溶液2.7ml)1.1
当量を、アルゴンの下、無水テトラヒドロフラン(TH
F)(140ml)に溶解する化合物(Z35)1当量に
滴下して加える。添加終了した時その還流冷却器付きフ
ラスコを予め55℃に加熱した浴にひたす。この温度
で、この黄色混合物はゆっくりと紫色になる。0.5時
間後反応は完結し、混合物を、NH4Cl飽和溶液(6
0ml)、つづいて水(20ml)を加えて加水分解す
る。水性相をエーテル(3×70ml)で抽出する。合
併した有機相をNaCl飽和溶液(100ml)で洗浄
し、Na2SO4上乾燥し、濃縮する。残渣をフラッシュ
クロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン/酢酸エチル:
90/10)で精製する。黄色油状物0.9gを得る。
収率は81%である。
【0059】得られた生成物の特性は次の通りである。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.21 b)M=454.7 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)で確認した。
f=0.21 b)M=454.7 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)で確認した。
【0060】第3段階:構造式
【化46】 (この式で、Me=メチル基)で表わされるレチノイド
の調製 低原子価チタン(Ti0)含有する試薬調製のため、三
塩化チタン(0.5g、3.24m mol)を還流冷
却器つき乾燥フラスコに秤量する。その装置をアルゴン
でパージし、無水テトラヒドロフラン(THF)(80
ml)を加える。それからLiAlH4(エーテル中
1.1M溶液1.47ml)0.5当量を加える。この
混合物を室温で10分間撹拌し、それからトリエチルア
ミン(0.09ml、0.648m mol)0.2当
量を加え、全体を1.5時間加熱して還流させる。
の調製 低原子価チタン(Ti0)含有する試薬調製のため、三
塩化チタン(0.5g、3.24m mol)を還流冷
却器つき乾燥フラスコに秤量する。その装置をアルゴン
でパージし、無水テトラヒドロフラン(THF)(80
ml)を加える。それからLiAlH4(エーテル中
1.1M溶液1.47ml)0.5当量を加える。この
混合物を室温で10分間撹拌し、それからトリエチルア
ミン(0.09ml、0.648m mol)0.2当
量を加え、全体を1.5時間加熱して還流させる。
【0061】光から保護して、チタンを含有する試薬
(懸濁液66.4ml)2当量を、50℃で、無水TH
F(30ml)に溶解している化合物(Z36)(0.6
g、1.32m mol)1当量に滴下して加える。そ
の混合物をこの温度で0.5時間撹拌し、それから水
(90ml)を加えて−30℃でゆっくりと加水分解す
る。水性相をエーテル(4×80ml)で抽出する。合
併した有機相をセライトの薄層で濾過し、Na2SO4で
乾燥し、それから室温で、真空中濃縮する。得られた残
渣はフラッシュクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン
/エーテル:95/5)で精製する。黄色油状物0.8
2gを得る。収率は60%である。
(懸濁液66.4ml)2当量を、50℃で、無水TH
F(30ml)に溶解している化合物(Z36)(0.6
g、1.32m mol)1当量に滴下して加える。そ
の混合物をこの温度で0.5時間撹拌し、それから水
(90ml)を加えて−30℃でゆっくりと加水分解す
る。水性相をエーテル(4×80ml)で抽出する。合
併した有機相をセライトの薄層で濾過し、Na2SO4で
乾燥し、それから室温で、真空中濃縮する。得られた残
渣はフラッシュクロマトグラフィー(溶離液=ヘキサン
/エーテル:95/5)で精製する。黄色油状物0.8
2gを得る。収率は60%である。
【0062】得られた生成物は次の特性を持つ。 a)TLC(ヘキサン/酢酸エチル:70/30):R
f=0.86 b)M=420.76 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
f=0.86 b)M=420.76 c)構造はNMR(1H)(200MHz)(CDC
l3)とIRとで確認した。
【外1】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジァン、メニャン フランス国トラムブレ・レ・ゴネッス 93290、リュー・アレヴィ 8番 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 339/08 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 構造式 (この式で、Rは水素原子またはC1−C4チオアルキル
基であり、ジチアン環は、RがHである場合は、アルデ
ヒド官能基に対してcis位にあり、Rがチオアルキル
基である場合にはtrans位にある)で表わされるプ
ロペナール。 - 【請求項2】 構造式 で表わされる、cis構造の請求項1に記載のプロペナ
ール。 - 【請求項3】 構造式 で表わされる、trans構造の請求項1に記載のプロ
ペナール。 - 【請求項4】 構造式 (この式で、Etはエチル基である)で表わされる、c
is構造のβ−ホルミルメタクリル酸エチルをトリフリ
ン酸亜鉛の存在の下で、構造式 (この式で、Etは前記と同じ意味をもつ)で表わされ
る化合物を得るように1,3−プロパンジチオールと反
応させ、構造式(IV)で表わされる化合物を、構造式 で表わされるジチアンプロペノールを得るために、ジイ
ソブチルアルミニウムヒドリド存在の下に還元し、構造
式(V)で表わされる前記化合物を、構造式(Ia)で
表わされるcis−プロペナールを得るために、酸化す
ることを特徴とする、請求項2に記載のプロペナールの
調製方法。 - 【請求項5】 構造式 (この式で、RはC1−C4チオアルキル基である)で表
わされるアルキルチオジチアンをn−ブチルリチウム
と、それから構造式 (この式で、Etはエチル基である)で表わされるエト
キシメタクロレインと反応させ、構造式 (この式で、EtとRとは前記の意味をもつ)で表わさ
れる化合物が得られるように加水分解を行い、そして構
造式(I)で表わされる化合物を得るため、構造式(V
III)で表わされる前記の化合物をアセトン、それか
ら酸で処理することを特徴とする、請求項1に記載のt
rans型プロペナールの調製方法。
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FR9107293A FR2677651B1 (fr) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | Propenals substitues par un cycle dithiane et procede de preparation de ces propenals. |
FR9107293 | 1991-06-14 |
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JPH05202030A JPH05202030A (ja) | 1993-08-10 |
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---|---|---|---|
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---|---|
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EP (1) | EP0518724B1 (ja) |
JP (1) | JP3170651B2 (ja) |
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DE (1) | DE69215148T2 (ja) |
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- 1991-06-14 FR FR9107293A patent/FR2677651B1/fr not_active Expired - Fee Related
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