JP3170228B2 - 放射線測定装置 - Google Patents
放射線測定装置Info
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Description
放射線測定装置に関する。
されている。半導体センサとしては、PN接合型、サー
フェイスバリア(表面障壁)型、リチウムドリフト型
(PIN型)、などの各種のものが知られており、用途
に応じて使い分けられている。これらの半導体センサに
おいて、電離箱の電離空間に相当する空乏層やi層(真
性半導体層)に放射線が入射すると、そこで電子と正孔
の対が生成される。これが各電極部にて捕集され、その
結果、検出パルスが出力される。上記の各半導体センサ
は、シリコンやゲルマニウムなどのウエハ基板上に構成
されるものである。例えば、PIN型の半導体センサで
は、基板の一方面にn層が形成され、他方面にp層が形
成され、それらの間の真性領域に電界を形成するために
バイアス電圧が印加される。
め、複数の線種に対応するため、あるいは検出面を大面
積にするため、複数の半導体センサを集合させた検出器
が実用化されている。
半導体センサを備えた測定装置に関し、標準線源などを
逐次利用して個々の半導体センサを物理的に感度調整す
るのは手間がかかる。特に、感度が低い半導体センサの
感度調整を短時間で行うのは難しい。
ものであり、その目的は、複数の放射線センサについて
の感度調整を簡単に行うことにある。
することにある。
に、本発明は、複数の放射線センサと、前記複数の放射
線センサの出力信号を加算し、加算信号を出力する加算
手段と、前記複数の放射線センサのそれぞれの感度比率
を示す分配係数を記憶しておく記憶手段と、前記加算信
号にそれぞれの放射線センサの分配係数を乗算すること
によって、各放射線センサについての補正された出力信
号を得る分配手段と、を含むことを特徴とする。
和である加算信号に分配係数を乗算して各センサごとに
感度補正がなされた検出値を取得できるので、小面積セ
ンサで感度が低かったり検出時間が短く検出値が各セン
サ全体として小さかったりする場合でも、補正による誤
差を低減できる。
射線センサは単一のウエハ基板上に共通形成された半導
体センサである。基板が共通であれば、動作条件が均一
化するため、感度補正精度が高まる。
図面に基づいて説明する。
れており、図1は本発明に係る放射線測定装置における
放射線検出器の構造を示す模式図である。
ウム等のウエハ基板10には、以下に説明するように、
そのウエハ基板10を共通にして複数の半導体センサA
〜Eが構成される。
ンサA〜Eごとに、例えばボロン等の不純物を選択的に
拡散させることによってp型領域が形成される。ちなみ
に、各半導体センサ間において、p型領域はそれぞれ隔
てて形成されており、これによって素子間分離が行われ
ている。後述するように、半導体センサA及びBのp型
領域は後に図2で示すように正方形を有しており、一
方、半導体センサC〜Eにおいてはp型領域が中央部分
と周囲部分とに分割されている。
ってリン等の不純物拡散により電極層としてのn+領域
が形成される。このn+領域の下側には金属からなる取
出し用電極としての電極14が形成される。
上には電圧印加のための電極12が形成される。また、
半導体センサC〜Eには、各部分領域に電圧を印加する
ために、中央部分には電極12Aが形成され、周囲部分
には電極12Bが形成される。これらの電極12は、で
きる限り放射線の検出を妨げない大きさ及び形態に形成
するのが望ましい。ちなみに、電極12は例えばアルミ
ニウム等の金属で構成される。
ウエハ基板10の上面に例えば酸化膜等からなる表面保
護層11が形成される。
領域との間には電極12,14間に逆電圧が印加され、
これによっていわゆる真性領域Iが形成される。すなわ
ち、本実施形態の半導体センサはPIN型センサであ
る。もちろん、本発明は他のタイプの半導体センサにも
適用できる。
が示されている。p型領域は例えば四角形で構成され、
その大きさは3mm×3mmである。そのp型領域には
電極12が接続され、その電極には抵抗を介して例えば
−100Vが印加される。また、その電極12から放射
線検出信号が取り出される。図1に示した電極14には
例えば+100Vの電圧が印加される。
示されている。上述したように、p型領域は、中央領域
と周囲領域とに区分されており、中央の部分領域は四角
形に構成され、周囲領域はコ字型に形成されている。中
央領域には電極12Aが接続され、周囲領域には電極1
2Bが接続されている。これらの電極12A,12Bに
はスイッチSを介して例えば−100Vの電圧が印加さ
れる。ここで、スイッチSは例えばジャンパー線で構成
され、そのジャンパー線がaの位置にある場合には、上
記の高電圧源が電極12A及び12Bの両者に並列接続
され、一方、ジャンパー線がbの位置にある場合には、
電極Aのみに対して高電圧が印加される。この場合、電
極12Bは接地されることになる。したがって、スイッ
チSがaの位置にある場合には、中央領域及び周囲領域
の領域を合わせた部分が有感領域となり、一方、スイッ
チSがbの位置にある場合には、中央領域のみが有感領
域として機能する。なお、この半導体センサにおいても
電極A,Bと高電圧源との間から放射線検出信号が取り
出されている。
例えば3mm×3mmであり、その幅は例えば1mmで
ある。中央領域の大きさは例えば0.5mm×0.5m
mである。
施形態において互いに異なるフィルタ20〜28が設け
られる。具体的には、放射線有感領域側に各フィルタが
設けられている。なお、図1においては各フィルタを支
持するフレームなどが図示省略されている。本実施形態
の放射線測定装置では、例えばガンマ線混在下における
β線の真の線量を推定するために、互いにエネルギー感
度及び線種感度が異なる複数の半導体センサが構成され
ている。なお、本実施形態では、複数の半導体センサが
一次元的に配列されていたが、もちろん二次元的に複数
の半導体センサが配列されていてもよい。また、そのよ
うな構成によって大面積型の放射線検出器を構成する場
合には、必ずしも各半導体センサに互いに異なるフィル
タを設ける必要はない。
フィルタを通して放射線が入射すると、そのエネルギー
に応じて上記I領域を通過して電荷が流れ、これによっ
て検出パルスとして放射線検出結果を得ることができ
る。この場合、その検出パルスの波高値はエネルギーに
依存する。
導体センサが同一の基板上に構成されているため、ウエ
ハの厚みの相違やウエハの純度(比抵抗)の相違に起因
する感度のばらつきといった問題が生じず、各半導体セ
ンサ間における動作条件を一致させることができる。し
たがって高精度の測定を行うことができる。また、各半
導体センサのスライスが不要となり、さらに電極14等
を共通形成できるため、製造コストを低減できるという
利点もある。なお、各半導体センサ間におけるギャップ
は例えば2mmである。
導体センサに限られず、PN接合型、サーフェイスバリ
ア型、等の各種のタイプの半導体センサに適用すること
ができる。
放射線測定装置の全体構成がブロック図で示されてい
る。上述したように、放射線検出器100は複数の半導
体センサA〜Eで構成され、各半導体センサからの信号
はアンプ30を介して加算部32に入力される。ここ
で、図4においては各半導体センサA〜Eの出力信号が
S1〜S5で表されている。加算部32においては、こ
れらの信号S1〜S5を全て加算することによって加算
信号Tを出力する。
力される後述する係数C1〜C5をそれぞれ加算信号T
に乗算することによって各半導体センサごとに補正され
た計数値S1’〜S5’を算出する。それらのS1’〜
S5’は線量演算部38に入力され、その線量演算部で
はそれらの値に基づいて例えばガンマ線の影響を排除し
つつβ線の線量を演算する。もちろん、高エネルギーβ
線の影響を配慮しつつガンマ線の線量を演算する処理を
行ってもよい。
やカウンタ回路等が図示省略されている。これらの回路
は例えばアンプ30と加算部32との間に設けられ、あ
るいは、加算部32と係数乗算部34との間に設けられ
る。前者の場合、加算部32ではカウント値の加算が実
行され、後者の場合、加算部32では各半導体センサか
らの信号を合成する処理を行う。後者によればカウンタ
などの個数を削減できるという利点がある。
センサごとの検出値あるいはカウント値といったものは
特定されておらず、全ての半導体センサの検出値の総和
のみが取得されている。そして、その総和に対して予め
求められている係数を乗算することによって各半導体セ
ンサの真の検出値すなわち感度補正が成された後の検出
値が求められている。
部40による演算結果としての係数C1〜C5が格納さ
れる。例えば標準線源を利用することによって各半導体
センサの検出値S1〜S5が個別的に取得され、係数演
算部40はそれらを加算した総和Tと各検出値S1〜S
5の比をもって係数C1〜C5を演算する。これに関し
以下にフローチャートを用いて説明する。
を行う場合の工程が示されている。S101では、線量
が既知のβ線及びガンマ線を発生する標準線源が用意さ
れ、各半導体センサにセットされる。そして、S102
では、各半導体センサにて放射線の測定が実行される。
この場合、線種が同じであれば同一の標準線源を複数の
半導体センサで順次利用してもよい。いずれにしても、
S102では、標準線源を利用した測定結果が得られ
る。S103では、係数演算部40によって各検出値の
総和Tと各検出値Snの比として係数C1〜C5が演算
される。そして、S104ではその係数C1〜C5が係
数メモリ36に格納される。これによって放射線測定の
準備が完了する。
用いて放射線の測定を行う場合の工程が示されている。
S201では、放射線検出器100によって測定が実行
され、これにより各センサA〜Eの検出値としてS1〜
S5が取得される。そして、加算部32によってそれら
が加算され、加算信号Tが求められる。S202では、
係数乗算部34において、そのTに対して各検出値C1
〜C5が乗算され、これによって感度補正された検出値
S1’〜S5’が求められる。そして、S203では、
線量演算部38において各線種ごとの線量や線量等量が
演算される。これは図示されていない表示器に表示され
る。
導体センサの感度を精度良く校正することができる。す
なわち、測定時間が短いような場合、特に小型センサ等
の検出値には感度上の誤差が多く含まれるが、本実施形
態によれば各半導体センサの総和からの比率としてその
小型センサの感度補正された検出値を特定するので、精
度の良い演算が行えるという利点がある。すなわち、上
記実施形態によれば各半導体センサの感度を簡便かつ正
確に補正することができるという利点がある。したがっ
て、特に半導体センサC〜Eの何れかの1または複数に
おいて中央領域のみが放射線有感面として機能するよう
な場合に特に上記実施形態には有効である。
複数の半導体センサについての感度調整を簡単かつ正確
に行うことができる。また、本発明によれば、装置構成
を簡略化できる。
図である。
すブロック図である。
ャートである。
ローチャートである。
4 電極、20〜28フィルタ、30 アンプ、32
加算部、34 係数乗算部、36 係数メモリ、38
線量演算部、40 係数演算部、100 放射線検出
器。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の放射線センサと、 前記複数の放射線センサの出力信号を加算し、加算信号
を出力する加算手段と、 前記複数の放射線センサのそれぞれの感度比率を示す分
配係数を記憶しておく記憶手段と、 前記加算信号にそれぞれの放射線センサの分配係数を乗
算することによって、各放射線センサについての補正さ
れた出力信号を得る分配手段と、 を含むことを特徴とする放射線測定装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の放射線測定装置におい
て、 前記複数の放射線センサは単一のウエハ基板上に共通形
成された半導体センサであることを特徴とする放射線測
定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19972097A JP3170228B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 放射線測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19972097A JP3170228B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 放射線測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1144767A JPH1144767A (ja) | 1999-02-16 |
JP3170228B2 true JP3170228B2 (ja) | 2001-05-28 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19972097A Expired - Fee Related JP3170228B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 放射線測定装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3170228B2 (ja) |
-
1997
- 1997-07-25 JP JP19972097A patent/JP3170228B2/ja not_active Expired - Fee Related
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