JP3169694B2 - 固体電解質型燃料電池用封着材および封着方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池用封着材および封着方法

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JP3169694B2
JP3169694B2 JP20564292A JP20564292A JP3169694B2 JP 3169694 B2 JP3169694 B2 JP 3169694B2 JP 20564292 A JP20564292 A JP 20564292A JP 20564292 A JP20564292 A JP 20564292A JP 3169694 B2 JP3169694 B2 JP 3169694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解質型燃料電池用
封着材およびこれを用いた封着方法に関し、詳しくは固
体電解質型燃料電池のスタックにガス通路用マニホール
ドを比較的低温で溶融封着することができ、かつ燃料電
池の使用温度に耐える封着部を形成することのできる封
着材とこれを用いた封着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、固体電解質型燃料電池として、例
えば(La,Sr)MnO3 製空気電極層、8モル%Y2O3-ZrO2
製固体電解質層、Ni/ZrO2 サーメット製燃料電極層を
順次に積層してなる単電池や、この単電池をLa(Cr,M
g)O3製セパレータにより電気的に接続して構成した燃
料電池が提案されており、その開発が活発に行われてい
る。
【0003】このような固体電解質型燃料電池は、他の
方式の燃料電池に比較して効率、耐久性は優れてると期
待されるものの、その実用温度が約1000℃という高
温であり、かつ燃料電極側は還元性雰囲気を形成するが
空気電極側は酸化性雰囲気を形成するなど、その使用条
件が極めて苛酷であり、このため固体電解質型燃料電池
を実用化するためには解決すべき多数の問題点がある。
【0004】例えば、固体電解質型燃料電池として図3
に示すように多孔質管状支持層1の外側に管状空気電極
層2を配し、その外側に軸方向に一部を開口する管状固
体電解質層3を配し、さらにその外側に管状燃料電極層
4を配するとともに、開口部に帯状のインタコネクタ5
を順次配設した円筒型燃料電池が知られている。この円
筒型燃料電池は、多孔質管状支持層1の中空部から矢印
6の方向に空気が供給され、管状燃料電極層4の外側に
矢印7の方向(軸方向)へ燃料ガスを供給するものであ
る。しかし、このような円筒型の燃料電池は、これを1
ユニットとして多段化する場合、空間利用効率が低くな
るといった問題点を有している。
【0005】このような問題点を解決するため、空気電
極層、固体電解質、および燃料電極層をそれぞれ平板状
に形成し、これを積層した平板状固体電解質型燃料電池
が提案されている。この平板状固体電解質型燃料電池
は、後に詳しく説明するように1個の単電池または2個
以上の単電池の積層体から本体を形成したものであり、
各単電池は、平板状空気電極層、平板状固体電解質層、
燃料電極層が順次積層され、さらに1対のセパレータの
間に挟持されて形成されたものである。
【0006】このような平板状固体電解質型燃料電池に
あっては、その単電池の各々にガス(燃料ガス、または
空気等酸素含有ガス)を供給しまたは排出するためのガ
ス通路用マニホールドを封着材で密封・連結し、これら
を一体化する必要がある。そして、この密封・連結方法
としては、従来ろう付け法や拡散接合法などが知られて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のろう
付け法や拡散接合法によるガス通路用マニホールドの密
封・連結にあたって以下に述べる不都合がある。固体電
解質型燃料電池は、一般に約1000℃の高温における
酸化・還元反応を利用するものである。そして、通常使
用温度が約1000℃の場合、この使用条件下にて溶
融、変質、劣化などが生ずることのない封着部を形成す
るには、前記温度よりかなり高い温度、例えば1500
℃の温度で溶融封着されるような高温封着材の使用が必
要であると考えられていた。
【0008】しかしながら、このような高温封着材を用
いて燃料電池単電池を作製するべく、前記1500℃と
いった高温に加熱すると、空気電極層を形成している材
料[(La,Sr)MnO3]が焼結されて収縮し、空気の流通
透過が困難になる。そして、特に1150℃以上の温度
に加熱すると、前記空気電極層の形成材料は固体電解質
形成材料(8モル%Y2O3-ZrO2)と固相反応してしま
い、電気的不良導体を形成してしまうといった問題を生
ずる。
【0009】したがって封着材としては、燃料電池構成
要素を変質させることのない比較的低温で封着すること
が可能であり、しかも封着後には燃料電池の使用温度に
て溶融あるいは変質劣化することがなく、かつ封着すべ
き材料の熱膨張により破損することのないものでなけれ
ばならない。さらに、このような封着材としては、封着
すべき材料に対して良好な接着性を有し、かつ完全に気
密性を有するものであってガスの漏洩を確実に遮断する
とともに、良好な電気的絶縁性を有する封着部を形成す
るものでなければならない。
【0010】しかし、前述した要件のすべてを満足する
封着材は未だ提供されておらず、したがってこのような
封着材の提供が望まれているのが現状である。このよう
な現状に鑑み先に本発明者は、固体電解質型燃料電池に
対し、その単電池を、その材質、性能に悪影響を及ぼす
ことのない比較的低温においてガス通路用マニホールド
に密封連結することができ、その封着部が前記燃料電池
の使用条件において溶融・変質劣化さらには破損するこ
とがなく、封着すべき材料に対し優れた接着性を有し、
さらに完全な気密性を有しガスの漏洩を遮断するととも
に優れた電気絶縁性を有する封着部を形成することので
きる封着材と、これを用いてなる封着方法(特願平3−
111712号)を提案した。しかし、この封着材にお
いてもさらなる改善が求められており、特にその接合強
度、耐久性の向上が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の封着材では、シリカとアルミナとを含有し、かつ
770〜950℃のガラス軟化温度を有したアルミノ珪
酸ガラスからなる低軟化点ガラス粒体と、シリカとアル
ミナとを含有し、かつ1450〜1550℃のガラス軟
化温度を有した高シリカガラスからなる高軟化点ガラス
粒体との混合物を、900〜1150℃の温度で仮焼
し、その後これを粉砕して微粒体にされてなることを前
記課題の解決手段とした。また、請求項2記載の封着方
法では、電池本体ユニットと前記マニホールドとの接合
部に、シリカとアルミナとを含有し、かつ770〜95
0℃のガラス軟化温度を有したアルミノ珪酸ガラスから
なる低軟化点ガラス粒体と、シリカとアルミナとを含有
し、かつ1450〜1550℃のガラス軟化温度を有し
た高シリカガラスからなる高軟化点ガラス粒体との混合
物を、900〜1150℃の温度で仮焼し、さらにこれ
を粉砕して微粒体にされてなる封着材を塗布し、その後
1000〜1150℃で熱処理することを前記課題の解
決手段とした。
【0012】
【作用】本発明の封着材中の低軟化点ガラス粒体と高軟
化点ガラス粒体との共融解・合体・均一化の過程は、低
軟化点ガラス粒体の溶融挙動に大きく依存する。したが
って、昇温速度等の2次因子を厳密にコントロールしな
いと、初期段階で溶融した低軟化点ガラスはそのままマ
ニホールドを形成するジルコニア母材中に拡散し、高軟
化点ガラスとの均一化が損なわれる恐れがある。なぜな
ら、封着部分の低軟化点ガラスの存在量が当初の計画値
より不足することにより、混合合体後の軟化温度が11
50℃を越えるガラスに変化するため、1000〜11
50℃の封着熱処理では封着部の緻密化が達成できなく
なるからである。
【0013】このような現象を知見し、本発明者は鋭意
研究の結果、封着熱処理以前に、封着温度より低い温度
で低軟化点ガラス粒体と高軟化点ガラスとを一旦結合さ
せることにより、低軟化点ガラスのみが選択的にジルコ
ニア母材へ拡散することが防止されることを究明し、本
発明に至ったのである。すなわち、封着温度より低温域
で、しかも低軟化点ガラスと高軟化点ガラスとが融着状
態(粒同子が接触結合している状態)となる温度、具体
的には900〜1150℃で低軟化点ガラス粒体と高軟
化点ガラス粒体とを仮焼することにより、低軟化点ガラ
スのみが選択的にジルコニア母材へ拡散することが防止
される。
【0014】以下、本発明を詳しく説明する。まず、本
発明の封着材および封着方法の説明に先立ち、図1によ
り本発明が適用される平板状固体電解質型燃料電池につ
いてを説明する。図1において符号8、8は一対の平板
状セパレーターであり、これらセパレーター8、8の間
には平板状空気電極層9、平板状固体電解質層10、平
板状電極層11が順次積層合体され、後述するように平
板状燃料電池単電池を形成するようになっている。平板
状空気電極層9および平板状燃料電極層11には、それ
ぞれ矢印12あるいは13の方向に延びる溝が形成され
ており、この溝に沿って矢印の方向に空気または燃料ガ
スが流れるようになっている。
【0015】空気電極層9は例えば(La,Sr)MnO3によ
って形成され、固体電解質層10は8モル%Y2O3-ZrO2
系材料によって形成されたものである。また燃料電極層
11はNi-ZrO2材料により形成され、セパーレーター層
8はLa(Cr・Mg)O3材料により形成されたものである。
これらの各層は図2に示すように平板状に一体に積層さ
れて燃料電池単電池14とされ、そのガス通路を形成す
るため単電池14の各側面にマニホールドが封着され
る。
【0016】すなわち、燃料電池単電池14は順次積層
合体されたセパーレーター8a、燃料電極層11、固体
電解質層10、空気電極層9およびセパーレーター8b
によって構成されており、その4側面のうち空気供給面
となる側面Aには空気供給マニホールド(図示せず)が
連結され、燃料ガス供給面となる側面Bには燃料ガス供
給マニホールド(図示せず)が連結され、燃料ガス排出
面となる側面Cには燃料ガス排出マニホールド15aが
連結され、空気排出面となる側面Dには空気排出マニホ
ールド15bが連結されている。ここで、各ガス通路用
マニホールドは、希土類元素の酸化物を含むジルコニア
製のものとなっている。また、このマニホールドを形成
する材料中の希土類元素の酸化物としては、Y2O3である
のが、後述するように本発明の封着材による封着性能が
高まり好ましい。なお、図2においては、1個の燃料電
池単電池14とそれに連結されたマニホールドだけを図
示したが、2個以上の単電池の積層体に対しこのように
マニホールドを連結してもよいのはもちろんである。
【0017】次に、燃料電池単電池14と各マニホール
ドとを、本発明の封着材を用いて密封連結する。本発明
の封着材は、シリカとアルミナとを含有し、かつ770
〜950℃のガラス軟化温度を有したアルミノ珪酸ガラ
スからなる低軟化点ガラス粒体と、シリカとアルミナと
を含有し、かつ1450〜1550℃、例えば1530
℃のガラス軟化温度を有した高シリカガラスからなる高
軟化点ガラス粒体との混合物を、900〜1150℃の
温度で仮焼し、その後これを粉砕し微粒体にしたもので
ある。
【0018】ここで、前記アルミノ珪酸ガラスとして
は、シリカを52〜58重量%含み、アルミナを20〜
22重量%含んでなるものを用いるのが好ましく、また
該アルミノ珪酸ガラスからなる低軟化点ガラス粒体とし
てはその粒径が1〜40μmのものを用いるのが好まし
い。前記高シリカガラスとしては、シリカを94〜98
重量%含み、アルミナを0.2〜0.8重量%含んでなる
ものを用いるのが好ましく、また高シリカガラスからな
る高軟化点ガラス粒体としてはその粒径が1〜80μm
のものを用いるのが好ましい。
【0019】さらに、前記低軟化点ガラス粒体の合計重
量と高軟化点ガラス粒体の合計重量とについては、その
比を、50:50〜35:65の範囲内とするのが好ま
しく、40:60〜35:65の範囲内とするのがさら
に好ましい。なぜなら、この合計重量比が50/50を
越えると、封着操作により形成される封着ガラス部の軟
化点が1000℃より低くなり、したがって燃料電池の
使用温度において封着ガラス部が軟化・溶融するという
不都合を生ずる恐れがあるからである。また、前記重量
比が35/65未満であると、封着操作に必要な温度が
1150℃より高くなってしまうが、このような高い封
着温度では、燃料電池の構成要素、特に(La・Sr)MnO3
からなる空気電極層が焼結・収縮してしまい、かつ安定
化ジルコニアからなる固体電解質と固相反応してその特
性を変化させてしまうといった不都合を生ずる恐れがあ
るからである。
【0020】また、仮焼後の粉砕については、得られる
粉砕粉の粒径が40μm以下の微粒体となるよう処理す
るのが好ましい。このようにして得られた微粒ガラス体
は、その軟化温度が燃料電池の使用温度約1000〜1
050℃より高く、したがって燃料電池の使用温度にお
いて封着部が軟化しまたは溶融することがない。
【0021】そして、このような封着材を用い、前記燃
料電池単電池14と希土類元素の酸化物を含むジルコニ
ア製のマニホールドとを密封連結する。すなわち、この
封着材を例えば水を添加することによってペースト状に
し、これを封着部分に塗布する。次に、1000℃〜1
150℃の加熱処理を施す。すると、その初期段階にお
いてまず低軟化点ガラス粒体が軟化(溶融)し、封着部
分を濡らしてこれを封着する。また、低軟化点ガラスの
軟化(溶融)に伴い、低軟化点ガラス中に高軟化点ガラ
ス粒体が浸漬されることにより、やがて低軟化点ガラス
と高軟化点ガラスとは互いに溶解混合合体して1050
℃より高く1150℃未満の軟化温度を有するガラスに
変化する。
【0022】このようにして形成された封着部を形成す
るガラスの組成は、用いた封着材の低軟化点ガラス粒体
および高軟化点ガラス粒体の組成と重量比とによってほ
ぼ決定されるが、79.2〜81.3重量%のシリカ(Si
O2)と7.6〜8.6重量%のアルミナ(Al2O3)とを含
有するものであることが好ましい。
【0023】このような封着材にあっては、マニホール
ドを形成するジルコニア母材との濡れ性も良好となり、
また低軟化点ガラス粒体および高軟化点ガラス粒体間の
相互の均一化も良好となる。また、ジルコニア母材中に
含まれる希土類元素の酸化物を良く取り込むので、封着
部のガラス組成も、当初のアルミナ−シリカを主成分と
する系から希土類元素の酸化物−アルミナ−シリカを主
成分とする系に変化する。そして、これにより封着材
は、ジルコニア母材との結合性が向上し、接合強度を著
しく向上させるものとなる。また、希土類元素を含むガ
ラスに変化することにより、ガラスそのものの機械的特
性が向上し、結果的に耐久性も向上する。
【0024】また、このような封着材を用いた封着方法
では、燃料電池本体の封着すべき部分と、マニホールド
の封着部とを突き合わせ、これに本発明の封着材を所定
量前記突き合わせ部に塗布する。次に、この封着材を適
宜の加熱手段、例えば窒素雰囲気電気炉などによって1
000℃〜1150℃の温度に加熱し、封着材中の低軟
化点ガラス粒体と高軟化点ガラス粒体との軟化混合、お
よび封着を行う。ここで、封着温度が1000℃未満で
は、低軟化点ガラス粒体と高軟化点ガラス粒体との軟化
混合合体が十分になされず、所望の組成および軟化温度
を有する均質なガラス封着部を形成することができなく
なり、封着温度が1150℃を越えると、前述したよう
に燃料電池の構成要素、特に空気電極層が焼結・収縮
し、かつ固体電解質層(安定化ジルコニア)と固相反応
を生じ、その結果空気極の特性が低下してしまうからで
ある。その後、これを冷却固化してガラス封着部を形成
する。
【0025】このような封着方法によれば、希土類元素
の酸化物を含むジルコニア製マニホールドに前記封着材
を塗付した後、1000〜1150℃の封着熱処理を施
すことから、ジルコニア中に含まれる希土類元素の酸化
物を封着部に取り込むことにより、封着部のガラス組成
が、当初のアルミナ−シリカを主成分とする系から希土
類元素の酸化物−アルミナ−シリカを主成分とする系に
変化し、よって封着部の接合強度および耐久性が仮焼処
理しない封着材に比べ著しく向上する。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。54重量%のSiO2、21重量%のAl2
3、残余量のNaO、CaOおよびその他の酸化物から
なるアルミノ珪酸ガラス(ガラス軟化点:870℃)を
粉砕し、篩分けして粒径1〜40μmの低軟化点ガラス
粒体を製造した。また、98重量%のSiO2、0.4重
量%のAl23、残余量NaO、CaOおよびその他の
酸化物からなる高シリカガラス(ガラス軟化点:153
0℃)を粉砕し篩分けして粒径1〜40μmの高軟化点
ガラス粒体を製造した。
【0027】このようにして得られた低軟化点ガラス粒
体と、高軟化点ガラス粒体とを表1に示す重量比となる
よう配合混合し、次に900℃で1時間仮焼し、冷却し
た後粉砕を行なって粒径40μm以下の微粒体とし、本
発明の封着材を得た。また、低軟化点ガラス粒体と高軟
化点ガラス粒体との混合物を、仮焼せずそのまま封着材
としたものを比較品とした。なお、表中の重量混合比に
おける(低/高)の記載は、(低軟化点ガラス粒体の重
量/高軟化点ガラス粒体の重量)を意味するものであ
る。
【表1】
【0028】得られた本発明品および比較品となる封着
材をそれぞれ水性ペーストに調製し、これらペースト
を、厚さ150μmのイットリア安定化ジルコニア膜
(固体電解質) 上に塗布して150℃の温度で乾燥
し、試験片を作製した。得られた試験片を、それぞれ2
枚塗布層が合着するように重ね合わせ、その状態で、昇
温速度20℃/分で1100℃迄加熱し、さらにこの温
度に200分間保持し、その後これを常温迄冷却し、前
記2対の固体電解質膜体の封着を行った。
【0029】得られた2種類の封着物の接合状態を走査
型電子顕微鏡で観察評価した。また、圧縮せん断法によ
り接合強度を測定した。得られた結果を表1に併記す
る。さらに、前記封着材を、前記固体電解質膜体の封着
の例と同一条件にて加熱しさらに冷却固化し、軟化混合
合体物を作製してそのガラス軟化温度を測定し、その結
果を表1に併記した。
【0030】また、表1に示した本発明品である封着材
から得られた接合試験体を、長期耐久性を確認する目的
で、燃料電池の燃料ガスを想定した(H2/Ar)混合
ガス気流中で、作動温度に相当する1000℃にて、最
長500時間保持し、接合強度の変化および気密性の変
化を調べ、長期耐久性を確認した。得られた結果を表2
に示す。
【表2】 表2に示すように、接合強度は封着材と母材との相互拡
散が進展するにつれて向上し、また気密性の低下は全く
測定されないことから、本発明品である封着材によって
封着されてなる接合材は、良好な耐久性を有することが
確認された。
【0031】さらに、先の例と同一の条件でかつ表3に
示す重量混合比で本発明の封着材および比較品を作製
し、先の例と同一の封着加熱条件により平板状固体電解
質型燃料電池本体の側面にZrO2製マニホールドを封
着した。得られた封着部の接合状態を観察評価し、その
後この燃料電池を1000℃にて放電させ、使用状態を
調べた。得られた結果を表3に示す。
【表3】 表3より、本発明の封着材および封着法を用いることに
より、平板状固体電解質型燃料電池本体と、希土類元素
の酸化物を含むジルコニア製のガス通路用マニホールド
とを、1000〜1150℃の温度で容易に封着するこ
とができ、かつ1000〜1050℃の使用温度にて不
都合なく実用し得る燃料電池を得ることができることが
確認された。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明における請求
項1記載の封着材は、平板状固体電解質型燃料電池本体
ユニットと希土類元素の酸化物を含むジルコニア製のガ
ス通路用マニホールドとを、その構成要素に変質・劣化
等の変化を与えることのない比較的低温にて封着するこ
とができ、かつ約1000℃の実用温度にて不都合なく
使用できる燃料電池を製造することが可能になる。ま
た、請求項5記載の封着方法は、希土類元素の酸化物を
含むジルコニア製マニホールドに前記封着材を塗付した
後、1000〜1150℃の封着熱処理を施すものであ
るから、ジルコニア中に含まれる希土類元素の酸化物を
封着部に取り込むことにより、封着部のガラス組成が、
当初のアルミナ−シリカを主成分とする系から希土類元
素の酸化物−アルミナ−シリカを主成分とする系に変化
し、よって封着部の接合強度および耐久性が仮焼処理し
ない封着材に比べ著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の封着材および封着方法が適用される平
板状固体電解質型燃料電池の構成要素および、その積層
構造を示す説明図である。
【図2】本発明の封着材および封着方法が適用される平
板状固体電解質型燃料電池と、ガス通路用マニホールド
との封着連結状態を示す説明図である。
【図3】従来の円筒状固体電解質型燃料電池の構成を示
す斜視図である。
【符号の説明】
8a、8b セパーレーター 9 平板状空気電極層 10 平板状固体電解質層 11 平板状燃料電極層 14 燃料電池単電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生原 幸雄 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメ ント株式会社新規事業本部内 (72)発明者 安田 勇 東京都港区芝浦一丁目16番25号 東京瓦 斯株式会社内 (72)発明者 小山 俊彦 東京都港区芝浦一丁目16番25号 東京瓦 斯株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/02 H01M 8/24 H01M 8/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電極層、固体電解質、空気電極層、
    セパレーターを順次積層して形成された固体電解質型燃
    料電池本体ユニットに希土類元素の酸化物を含むジルコ
    ニア製のガス通路用マニホールドを密封連結するための
    封着材であって、シリカとアルミナとを含有し、かつ7
    70〜950℃のガラス軟化温度を有したアルミノ珪酸
    ガラスからなる低軟化点ガラス粒体と、シリカとアルミ
    ナとを含有し、かつ1450〜1550℃のガラス軟化
    温度を有した高シリカガラスからなる高軟化点ガラス粒
    体との混合物を、900〜1150℃の温度で仮焼し、
    その後これを粉砕して微粒体にされてなる固体電解質型
    燃料電池用封着材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の固体電解質型燃料電池用
    封着材において、前記アルミノ珪酸ガラスが、シリカを
    52〜58重量%含み、アルミナを20〜22重量%含
    んでなる固体電解質型燃料電池用封着材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の固体電解質型燃料
    電池用封着材において、前記高シリカガラスが、シリカ
    を94〜98重量%含み、アルミナを0.2〜0.8重量
    %含んでなる固体電解質型燃料電池用封着材。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の固体電解質型
    燃料電池用封着材において、前記低軟化点ガラス粒体の
    合計重量と高軟化点ガラス粒体の合計重量との比が、5
    0:50〜35:65の範囲内にある固体電解質型燃料
    電池用封着材。
  5. 【請求項5】 燃料電極層、固体電解質、空気電極層、
    セパレーターを順次積層して形成された固体電解質型燃
    料電池本体ユニットに、希土類元素の酸化物を含むジル
    コニア製のガス通路用マニホールドを密封連結するに際
    し、 前記電池本体ユニットと前記マニホールドとの接合部
    に、シリカとアルミナとを含有し、かつ770〜950
    ℃のガラス軟化温度を有したアルミノ珪酸ガラスからな
    る低軟化点ガラス粒体と、シリカとアルミナとを含有
    し、かつ1450〜1550℃のガラス軟化温度を有し
    た高シリカガラスからなる高軟化点ガラス粒体との混合
    物を、900〜1150℃の温度で仮焼し、さらにこれ
    を粉砕して微粒体にされてなる封着材を塗布し、 その後1000〜1150℃で熱処理することを特徴と
    する封着方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の固体電解質型燃料電池の
    封着方法において、前記アルミノ珪酸ガラスが、シリカ
    を52〜58重量%含み、アルミナを20〜22重量%
    含んでなる封着方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の固体電解質型燃料
    電池の封着方法において、前記高シリカガラスが、シリ
    カを94〜98重量%含み、アルミナを0.2〜0.8重
    量%含んでなる封着方法。
  8. 【請求項8】 請求項5、6又は7記載の固体電解質型
    燃料電池の封着方法において、前記低軟化点ガラス粒体
    の合計重量と高軟化点ガラス粒体の合計重量との比が、
    50:50〜35:65の範囲内にある封着方法。
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