JP3168676B2 - 相補型misトランジスタ装置及びその製造方法 - Google Patents

相補型misトランジスタ装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP3168676B2
JP3168676B2 JP06914692A JP6914692A JP3168676B2 JP 3168676 B2 JP3168676 B2 JP 3168676B2 JP 06914692 A JP06914692 A JP 06914692A JP 6914692 A JP6914692 A JP 6914692A JP 3168676 B2 JP3168676 B2 JP 3168676B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
well region
type
type well
region
impurity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06914692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05226595A (ja
Inventor
満孝 堅田
則行 岩森
宏幸 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP06914692A priority Critical patent/JP3168676B2/ja
Publication of JPH05226595A publication Critical patent/JPH05226595A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3168676B2 publication Critical patent/JP3168676B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPチャネル及びNチャネ
ルを同時に備えた相補型絶縁ゲートトランジスタ装置に
おいて、特にその微細化を可能にするためのウェル、ソ
ース、ドレインに関する濃度分布及びその装置の製造方
法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、デバイスの微細化にともないNチャ
ネル(以下、「Nch」と略す)トランジスタにおいて
は、ホットキャリア効果、Pチャネル(以下、「Pc
h」と略す)トランジスタにおいては、ショートチャネ
ル効果が増大する。これらの両効果は、しきい値電圧の
低下をもたらし、集積回路の微細化を阻害する原因とな
っている。
【0003】このうち、Nchトランジスタにおけるホ
ットキャリア効果を低減させるために、通常、N伝導型
のドレインの周囲にN型の低不純物密度領域を形成した
LDD(低不純物密度ドレイン)構造が採用されてい
る。しかしながら、この構造では、ドレイン形成時のマ
スクをゲート電極の長さよりも長くする必要がある。こ
のため、CVD法によりゲート電極の側部に側壁酸化膜
を形成する必要があり、工程が複雑である。
【0004】また、USPNO. 4924277 に示されるよう
に、Nchトランジスタにおけるホットキャリア効果の
抑制のための電界緩和層とPchトランジスタにおける
シートチャンネル効果の抑制及びパンチスルーストップ
を同時に兼ね備えたN型拡散層をドレイン、ソースの周
囲に形成する構造が提案されている。
【0005】その具体的な構造を図8に示す。P型シリ
コン基板50にN型ウェル領域51bとP型ウェル領域
51aが形成されている。N型ウェル領域51b中には
Pchトランジスタが形成され、P型ウェル領域51a
にはNchトランジスタが形成されている。各々のトラ
ンジスタは局所酸化法(LOCOS)により形成される
分離酸化膜56により電気的に分離されている。又、各
ウェル領域51a及び51b上には、それぞれ、ゲート
絶縁膜57a及び57bが形成されており、そのゲート
絶縁膜57a及び57b上には、それぞれ、ゲート電極
58a及び58bが形成されている。
【0006】又、ゲート電極58a及び58bをマスク
として、ゲート電極58a及び58bのそれぞれの両側
に、自己整合的に形成されたN型拡散層61a、62a
及び61b、62bが形成されている。そして、N型拡
散層61a及び62aには、それぞれ、ソースとしての
高濃度N型拡散層63a及びドレインとしての高濃度N
型拡散層64aが形成されている。さらに、N型拡散層
61b及び62bには、それぞれ、ソースとしての高濃
度P型拡散層63b及びドレインとしての高濃度P型拡
散層64bが形成されている。
【0007】N型拡散層61a、62a、61b、62
bは、それぞれ、高濃度N型拡散層63a、高濃度N型
拡散層64a、高濃度P型拡散層63b、高濃度P型拡
散層64bよりも、深さ方向には深く、又横方向には広
くなるような形状に形成されている。又、N型拡散層6
1a、62a及び61b、62bの不純物濃度は、それ
ぞれ、P型ウェル領域51a及びN型ウェル領域51b
の不純物濃度よりは高く、高濃度N型拡散層63a、6
4a及び高濃度P型拡散層63b、64bの不純物濃度
よりは低く構成されている。
【0008】上記の構造において、Nchトランジスタ
では、N型拡散層62aはドレイン近傍のピンチオフに
よる高電界発生領域の電界緩和層として機能し、ホット
キャリア効果としてのドレインアバランシェ注入による
素子特性の劣化が抑制される。また、Pchトランジス
タにおいては、通常、ゲート電極58bの材料としては
高濃度のリンを含有した多結晶シリコンが用いられるた
め、埋め込みチャネル構造となる。これにより、PN接
合がチャネル部ゲート直下に形成され、パンチスルーが
発生し易くなる。このため、Pchトランジスタでは、
ショートチャネル効果がNchトランジスタに比べてよ
り発生し易いが、このN型拡散層62bはパンチスルー
ストッパとして機能するためVt 低下等の素子機能低下
を抑制する効果がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
造において、Nchトランジスタのホットキャリア効果
を十分に抑制するために、電界緩和層として機能するN
型拡散層62aを十分に形成しようとすると深さ方向に
も深くなりしかも長時間の拡散が必要となる。このた
め、制御性よくドレインを形成することは微細化が進む
につれ困難となり、ショートチャネル効果が発生してし
まい安定したしきい値制御が製造工程上困難となる。
【0010】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、Nchトランジスタのホ
ットキャリア効果による特性劣化と、ショートチャネル
効果によるしきい値電圧の低下を、同時にしかもより効
果的に抑制し、半導体装置の微細化、高速化を達成する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明の構成は、P
型ウェル領域及びN型ウェル領域におけるソース及びド
レインを形成する位置において、P型ウェル領域及びN
型ウェル領域よりは不純物濃度が高く、ソース及びドレ
インよりは不純物濃度が低く、ソース及びドレインより
拡散領域の広いN型拡散領域の形成された相補型MIS
トランジスタ装置において、不純物ドープにより形成さ
れるP型ウェル領域は、表面付近において、深さ方向に
実効的なアクセプタ不純物濃度が漸増するような不純物
分布を有しており、前記P型ウェル領域においてN型拡
散領域及びそのN型拡散領域に形成されるソース及びド
レインは、不純物分布を補償して、N伝導型とするよう
に、ドナー不純物をドープすることにより、N型拡散領
域とソース又はドレインの深さを略等しく構成したこと
を特徴とする。
【0012】又、第2の発明は、上記の相補型MISト
ランジスタ装置の製造方法において、P型半導体基板の
P型ウェル領域及びN型ウェル領域を形成する領域にド
ナー不純物をドープして、ドープされた領域をN伝導型
とし、N型ウェル領域を形成する部分をマスクしてP型
ウェル領域を形成する部分にのみ、既にドープされてい
るドナー不純物密度を過補償する程度にアクセプタ不純
物をドープして、ドープされた領域をP伝導型とし、そ
の後、半導体基板を熱処理することにより、P型ウェル
領域を、表面付近において、深さ方向に実効的なアクセ
プタ不純物濃度が漸増するような不純物分布に形成し、
P型ウェル領域及びN型ウェル領域にゲート電極をマス
クとしてドナー不純物を拡散してN型拡散領域を形成
し、P型ウェル領域のN型拡散領域及びN型ウェル領域
のN型拡散領域に、ゲート電極をマスクとして、それぞ
れ、ドナー不純物及びアクセプタ不純物を拡散して、ソ
ース、ドレインを形成し、 P型ウェル領域に拡散される
ドナー不純物は、前記不純物分布を補償して、N型拡散
領域とソース又はドレインの深さが略等しくなるように
拡散されることを特徴とする。
【0013】
【作用】P型ウェル領域は、表面付近において、深さ方
向に実効的なアクセプタ不純物濃度が漸増するような不
純物分布に形成したので、N型拡散領域を形成する時に
ドープされるドナー不純物の一部はそのように分布した
実効アクセプタ不純物を補償するために使用される。よ
って、N型拡散領域の深さ方向に対する実効的なドナー
分布を急峻に減少させることができ、N型拡散領域の深
さを薄くできる。一方、このN型拡散領域を越えたP型
ウェル領域では、そのN型拡散領域との境界付近におい
て、N型拡散領域の形成時のドナー不純物による補償の
ため、実効的なアクセプタ不純物濃度分布は、実効的な
アクセプタ濃度が急激に増加する分布となる。この結
果、ソース及びドレイン形成時にドープされるドナー
も、N型拡散領域との境界付近境界で急激に増加するア
クセプタ不純物により補償されるため、その境界を越え
てP型ウェル領域がN伝導型に変化することはない。換
言すれば、N型拡散領域、ソース及びドレイン形成時の
不純物ドープが制御し易くなる。そして、N型拡散領域
及びソース、ドレインの深さが略等しくなるという結果
が得られる。
【0014】一方、P型ウェル領域を、表面付近におい
て、深さ方向に実効的なアクセプタ不純物濃度が漸増す
るような不純物分布に形成する方法として、上述した第
2の発明の方法が発明された。即ち、P型基板のウェル
領域を形成する部分に一様にドナー不純物がドープされ
る。これにより、その領域はN伝導型に変化される。次
に、P型ウェル領域を形成する部分だけアクセプタ不純
物がドープされ、その領域はP伝導型に変化される。こ
のようにして、N型ウェル領域、P型ウェル領域が形成
される。次に、このように処理された基板を熱処理する
ことで、基板表面が酸化される。この時、アクセプタ不
純物とドナー不純物とでは、酸化膜と基板との間で偏析
係数が異なる。即ち、アクセプタ不純物は酸化膜での偏
析係数が基板での偏析係数よりも大きいので、アクセプ
タ不純物が表面の酸化膜に取り込まれるため、深さ方向
に対してアクセプタ不純物が漸増する分布が得られる。
一方、ドナー不純物は、逆に、酸化膜での偏析係数が基
板での偏析係数よりも小さいので、ドナー不純物が酸化
膜側から基板側に取り込まれるため、深さ方向に対して
ドナー不純物が漸減する分布が得られる。この結果、ア
クセプタ不純物とドナー不純物との分布を合わせて、実
効的なアクセプタ不純物密度の分布は、基板表面付近に
おいて、酸化膜との界面から深さ方向に漸増する分布が
得られる。
【0015】
【発明の効果】第1の発明では、P型ウェル領域は、表
面付近において、深さ方向に実効的なアクセプタ不純物
濃度が漸増するような不純物分布に形成して、N型拡散
領域及びソース、ドレインの深さを略等しく、N型拡散
領域を従来の装置によりも薄くすることができた。よっ
て、ショートチャネル効果を抑制することができた。
又、ショートチャネル効果を抑制できる結果として、素
子をより微細化することができる。
【0016】第2の発明は、P型ウェル領域における上
記の実効的なアクセプタ不純物濃度分布が、従来の、P
型ウェル領域と、N型ウェル領域との形成部分を、交互
にマスクしてドナー不純物、アクセプタ不純物をドープ
する工程に換えて、N型ウェル領域を形成する場合に
は、P型ウェル領域の形成部分と共にドナー不純物をド
ープし、その後、N型ウェル領域だけをマスクして、P
型ウェル領域の形成部分にアクセプタ不純物をドープす
るようにしているので、工程数は、従来の製法に比べて
増加せず、マスク形状のみを変更するだけで良いので、
製造が簡単である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は、集積回路のCMOSトランジスタ部分
を示した断面図である。図2〜図5は、そのトランジス
タの製法工程を示した模式図である。図2の(1)に示
すように、P型の単結晶シリコン基板10の表面に、表
面の汚染から守るための酸化膜30を被覆した後、リン
イオン31を全面にイオン注入する。尚、P型の単結晶
シリコン基板10のアクセプタ不純物としてのボロンの
濃度は、例えば1×1015/cm3 程度が適当である。リ
ンイオンの注入量は、基板表面の実効的なドナー不純物
濃度がPchトランジスタの設計仕様のしきい値電圧が
得られる濃度となるような値に決定される。
【0018】次に、図2の(2)に示すように、フォト
リソグラフィー法により、Nchトランジスタを形成す
る領域以外の領域を、フォトレジスト32によりマスク
する。そして、Nchトランジスタを形成する領域にの
み選択的にボロンイオン33を注入する。この時のイオ
ン種はボロンに限らずBFまたはBF2 イオン等でも構
わない。この時のボロンイオンの注入量は、基板表面の
実効的なアクセプタ不純物濃度がNchトランジスタの
設計仕様のしきい値電圧が得られる濃度となるような値
に決定される。
【0019】次に、フォトレジスト32を除去して、基
板10に熱処理を施し、注入したリン、ボロンを拡散す
る。これにより、図3の(3)に示すように、P型ウェ
ル領域11a、N型ウェル領域11bが形成され、新た
に、熱酸化による酸化膜30が形成される。また、後述
のゲート電極に高濃度にリンをドープしたN+ の多結晶
シリコンを用して、しかも、両トランジスタのしきい値
電圧の絶対値を0.5 〜1.2 V程度に制御しようとした場
合、P型ウェル領域11aの表面の不純物濃度はN型ウ
ェル領域11bの表面の不純物濃度よりも高く、P型ウ
ェル領域11aはN型ウェル領域11bに比べて、拡散
深さも深くなる。したがって、P型ウェル領域11aは
基板10と電気的に導通する。
【0020】一方、N型ウェル領域11bは基板10に
対して電気的に分離された状態になる。このようにして
形成したP型ウェル領域11a中にはリン元素とボロン
元素が不純物として存在する。ただし、ボロン元素が量
的に多いため、P伝導型を示す。
【0021】ここで、偏析係数を次式で定義すると、偏
折係数=(シリコン中の不純物平衡濃度)/(酸化膜中
の不純物平衡濃度)リンの偏折係数は1よりも大きく、
ボロンの偏折係数は1よりも小さい。よって、熱処理に
よる拡散過程において、リンは酸化膜30側からシリコ
ン基板10側に移動し、逆に、ボロンは、シリコン基板
10側から酸化膜30側に移動する。したがって、ウェ
ル形成中の熱処理に酸化処理を加えることにより、リン
に関しては、基板10の表面で濃度が高くなる、いわゆ
るパイルアップが発生する。逆に、ボロンに関しては、
基板10の表面で濃度が低くなる。
【0022】よって、P型ウェル領域11aでは、深さ
方向において、実効的なアクセプタ不純物濃度(ボロン
濃度−リン濃度)が、漸増するような分布となる。図6
は、シミュレーションにより求められたP型ウェル領域
11aにおける図3に示す線X1−X1に沿った不純物
濃度プロファイルである。図6において、曲線aはリン
の濃度分布を示し、曲線bはボロンの濃度分布を示し、
曲線cは実効的なアクセプタ不純物の濃度分布を示して
いる。酸化膜・シリコン界面から深さ方向に0.2μm
の深さまでウェル濃度が6×1016/cm3 から1.0
×1017/cm3 まで上昇していくことが計算される。
【0023】このように、P型ウェル11a及びN型ウ
ェル11bが形成された後、図3の(4)に示すよう
に、素子分離用の分離酸化膜16、ゲート酸化膜17を
形成する。この様に形成したトランジスタ領域に、図4
の(5)に示すように、多結晶シリコンから成るゲート
電極18を形成する。通常、ゲート電極18をエッチン
グにより形成した直後はフォトレジストが残っている
が、これを灰化あるいは濃硫酸、過酸化水素水の混合液
等の酸化性薬剤により洗浄しフォトレジストを除去す
る。
【0024】この後、ゲート電極18に酸化膜、窒化
膜、酸化チタン膜、窒化チタン膜等の絶縁膜19を熱酸
化、熱窒化、スパッタ法、化学気相成長法、あるいは蒸
着法等により被覆する。この絶縁膜膜19はリンイオン
がゲート電極18に散乱されずに通過する現象すなわち
チャネリングを防止するためのものである。膜厚さとし
ては0.04μm以上具体的には0.1μm程度が適当
である。しかる後、リンイオン34を基板全面にイオン
注入する。このときのイオン注入条件はPchトランジ
スタのパンチスルーストップが可能なよう、また、横方
向広がりは、Nchトランジスタの電界緩和がホットキ
ャリア耐圧を満足できるように加速電圧、注入量を設定
すれば良い。
【0025】この後、図5の(7)に示すように、基板
10に適当な熱処理を施して、P型ウェル領域11aに
N型拡散領域21a、22aが形成され、N型ウェル領
域11bにN型拡散領域21b、22bが形成される。
このN型拡散領域21a、22aは、Nchトランジス
タに対しては電界緩和層となり得る。また、N型拡散領
域21b、22bはPchトランジスタに対してはパン
チスルーストッパとなる。また、このN型拡散領域21
a、22a、21b、22bの拡散深さは高々0.2μ
mもあれば十分である。
【0026】次に、図5の(7)に示したように、フォ
トリソグラフィー法により、Pchトランジスタ部分を
レジスト35によりマスクした。そして、P型ウェル領
域11aのN型拡散領域21a、22aにのみ、ゲート
電極18をマスクとして、ヒ素をイオン注入して、熱拡
散してソース23a、ドレイン24aを得た。尚、この
とき注入イオン種として同時にリンを注入してもよい。
リンと砒素を同時に注入した場合には濃度形状はチャネ
ル方向に向かって連続的に変化しトランジスタのオン抵
抗を低減することが可能である。リンを注入することに
より、このようにして形成されたイオン注入直後の不純
物分布は従来の基板面の法線に対し垂直に注入した構造
に比べ、深さ方向には浅く、ゲート直下の横方向には長
くなるように分布する。したがって、その後の熱処理を
適当に行えば、N型拡散領域21a、22a及びソース
23a及びドレイン24aは深さ方向には薄く且つ同じ
厚さで、基板10の表面に平行な方向には、N型拡散領
域21a、22aを大きくする構造とすることができ
る。
【0027】次に、図5の(8)に示すように、P型ウ
ェル領域11aをレジスト36でマスクする。N型ウェ
ル領域11bのN型拡散領域21b、22bにのみ、ゲ
ート電極18をマスクとして、ボロンイオン又はBF又
はBF2 イオンをイオン注入して、熱拡散して、図1に
示すソース23b、ドレイン24bを得た。次に、図1
に示すように、例えば、酸化膜、窒化膜、リンガラス
(PSG)あるいはリンボロンガラス(BPSG)等の
保護膜29を例えば化学気相成長法、スパッタ法、真空
蒸着法等により形成し、しかる後各トランジスタのソー
ス・ドレイン領域およびゲート電極に接続孔40を形成
し、各接続孔40から電極28により配線を取り出すこ
とによりCMOSトランジスタを製造した。
【0028】図7の(1)は、P型ウェル領域11aに
ソース23a及びドレイン24aを形成した後のドレイ
ン24aの領域における深さ方向の不純物濃度プロファ
イルを模式的に示した図である。即ち、N型拡散領域2
2aの形成される前のP型ウェル領域11aにおける実
効的なアクセプタ不純物濃度は、曲線aで示すように、
酸化膜・シリコン界面からの深さに対して漸増する特性
を示している(図6の曲線cと同じ)。そして、N型拡
散領域22a及びドレイン24aを形成するためのドナ
ー不純物濃度は、曲線bに示すように分布する。その結
果、N型拡散領域22a及びドレイン24aを形成する
ためのドナー不純物が曲線aのように分布する実効的な
アクセプタ不純物により補償され、結果的に、実効的な
ドナー不純物濃度及びアクセプタ不純物濃度は曲線cで
示すようになる。この曲線cから分かることは、N伝導
型とP伝導型の接合面で実効的なドナー不純物濃度とア
クセプタ不純物濃度の分布が急峻に変化し、その接合面
の深さXj は浅くなるということである。
【0029】比較のために、P型ウェル領域11aのア
クセプタ不純物濃度を深さに対して均一とした従来の装
置では、図7の(2)に示す不純物濃度分布となり、接
合面の深さXj が深くなると共に、接合面付近で低濃度
のN型拡散領域が形成される。 このように、従来の装
置では、電界緩和層のN型拡散領域を深さ方向にも深く
する必要がありパンチスルーを起こしやすい構造であっ
た。しかしながら、本発明によれば同一のドレイン構造
であっても深さ方向には接合位置が浅くなるため従来例
に比べてパンチスルーがおこりにくくなり従ってショー
トチャンネル効果によるしきい値電圧の低下も発生しに
くくなる。よって、極めて再現性よく素子を形成するこ
とができる。また、この様に形成した、レジスト塗布工
程は一回だけで済む。したがって、P型ウェル領域とN
型ウェル領域に別々にイオン注入する従来工程に比べて
極めて簡便に形成可能である。また、P型ウェル領域1
1aの横方向の広がりはフォトレジストによりパターン
ニングした位置から高々1μm程度であり微細化に対し
ても大きな支障はない。
【0030】本実施例のCMOSトランジスタ装置によ
り、Nchトランジスタにおいてはより従来例に比べて
ショートチャネル効果によるしきい値電圧の増加を抑制
しながら、電界緩和した構造を実現することができる。
Nchトランジスタについては、深さ方向に実効的なア
クセプタ濃度が高くなっている。このため従来構造に対
して拡散深さを浅くすることが可能となる。また、横方
向には従来通りの広がりが得られるため電界緩和構造は
確保できる。さらに、横方向に絶縁膜19を形成した後
に高N型不純物濃度のソース23a、ドレイン24aを
拡散形成させている。よって、横方向の電界緩和構造を
確保できるため、ホットキャリア耐圧は向上する。ま
た、拡散深さは浅く、ショートチャネル効果が抑制可能
となる。さらに電界緩和層も角度イオン注入により浅い
接合が形成される。しかもゲート電極18直下では横方
向に電界緩和層が形成可能となるため電界緩和層も従来
のごとくソース、ドレイに対して、拡散深さが深くなる
ように形成する必要がなくショートチャネル効果抑制可
能となる。また、本実施例のトランジスタ装置では、N
型拡散領域21a、22a、21b、22bが、ゲート
電極18に重なる状態で形成される。このため、ゲート
電極18に基板10の電位に対して正電圧が印加される
と蓄積層が形成される。従来LDD構造では電界緩和層
は抵抗成分となってしまい電流能力を低下させるが、本
実施例のトランジスタ装置では、前述のごとく蓄積層が
形成されるため改善される。したがって、本発明のトラ
ンジスタは微細化に適した構造であり、しかも高速化も
可能である。すなわち、本発明で集積回路を構成すれば
従来の構造より高集積が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるCMOSトランジス
タの構造を示す断面図。
【図2】実施例トランジスタの製造工程を示した模式
図。
【図3】実施例トランジスタの製造工程を示した模式
図。
【図4】実施例トランジスタの製造工程を示した模式
図。
【図5】実施例トランジスタの製造工程を示した模式
図。
【図6】実施例トランジスタのP型ウェル領域における
不純物濃度分布を示した特性図。
【図7】実施例トランジスタ及び従来トランジスタのソ
ース又はドレイン形成部における深さ方向の不純物濃度
分布を示した特性図。
【図8】従来のCMOSトランジスタ装置の構成を示し
た断面図。
【符号の説明】
10…半導体基板 11a…P型ウェル領域 11b…N型ウェル領域 18…ゲート電極 19…絶縁膜 21a、22a、21b、22b…N型拡散領域 21a、21b…ソース 22a、22b…ドレイン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−217666(JP,A) 特開 昭60−138955(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8238 H01L 27/092

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 P型ウェル領域及びN型ウェル領域にお
    けるソース及びドレインを形成する位置において、前記
    P型ウェル領域及び前記N型ウェル領域よりは不純物濃
    度が高く、前記ソース及び前記ドレインよりは不純物濃
    度が低く、前記ソース及び前記ドレインより拡散領域の
    広いN型拡散領域の形成された相補型MISトランジス
    タ装置において、 不純物ドープにより形成される前記P型ウェル領域は、
    表面付近において、深さ方向に実効的なアクセプタ不純
    物濃度が漸増するような不純物分布を有しており、前記P型ウェル領域において 前記N型拡散領域及びその
    N型拡散領域に形成される前記ソース及びドレインは、
    前記不純物分布を補償して、N伝導型とするように、ド
    ナー不純物をドープすることにより、前記N型拡散領域
    と前記ソース又は前記ドレインの深さを略等しく構成し
    たことを特徴とする相補型MISトランジスタ装置。
  2. 【請求項2】 P型半導体基板に形成されたP型ウェル
    領域及びN型ウェル領域におけるソース及びドレインを
    形成する位置において、前記P型ウェル領域及び前記N
    型ウェル領域よりは不純物濃度が高く、前記ソース及び
    前記ドレインよりは不純物濃度が低く、前記ソース及び
    前記ドレインより拡散領域の広いN型拡散領域の形成さ
    れた相補型MISトランジスタ装置の製造方法におい
    て、 前記P型半導体基板の前記P型ウェル領域及び前記N型
    ウェル領域を形成する領域にドナー不純物をドープし
    て、ドープされた領域をN伝導型とし、 前記N型ウェル領域を形成する部分をマスクして前記P
    型ウェル領域を形成する部分にのみ、既にドープされて
    いるドナー不純物密度を過補償する程度にアクセプタ不
    純物をドープして、ドープされた領域をP伝導型とし、 その後、前記半導体基板を熱処理することにより、前記
    P型ウェル領域を、表面付近において、深さ方向に実効
    的なアクセプタ不純物濃度が漸増するような不純物分布
    に形成し、 前記P型ウェル領域及び前記N型ウェル領域にゲート電
    極をマスクとしてドナー不純物を拡散して前記N型拡散
    領域を形成し、 前記P型ウェル領域の前記N型拡散領域及び前記N型ウ
    ェル領域の前記N型拡散領域に、ゲート電極をマスクと
    して、それぞれ、ドナー不純物及びアクセプタ不純物を
    拡散して、ソース、ドレインを形成し、 前記P型ウェル領域に拡散されるドナー不純物は、前記
    不純物分布を補償して、前記N型拡散領域と前記ソース
    又は前記ドレインの深さが略等しくなるように拡散され
    ことを特徴とする相補型MISトランジスタ装置の製
    造方法。
JP06914692A 1992-02-17 1992-02-17 相補型misトランジスタ装置及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3168676B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06914692A JP3168676B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 相補型misトランジスタ装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06914692A JP3168676B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 相補型misトランジスタ装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05226595A JPH05226595A (ja) 1993-09-03
JP3168676B2 true JP3168676B2 (ja) 2001-05-21

Family

ID=13394231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06914692A Expired - Lifetime JP3168676B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 相補型misトランジスタ装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3168676B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200487453Y1 (ko) * 2013-03-25 2018-09-18 김춘기 안면 마사지구

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11552169B2 (en) * 2019-03-27 2023-01-10 Intel Corporation Source or drain structures with phosphorous and arsenic co-dopants

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200487453Y1 (ko) * 2013-03-25 2018-09-18 김춘기 안면 마사지구

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05226595A (ja) 1993-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5532176A (en) Process for fabricating a complementary MIS transistor
JP3474589B2 (ja) 相補型misトランジスタ装置
US4737471A (en) Method for fabricating an insulated-gate FET having a narrow channel width
JP2978345B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US4637124A (en) Process for fabricating semiconductor integrated circuit device
US4345366A (en) Self-aligned all-n+ polysilicon CMOS process
KR910002037B1 (ko) 반도체장치 및 그 제조방법
KR100190144B1 (ko) 바이폴라 트랜지스터 및 엠오에스 트랜지스터를 포함한 반도체 장치 제조 방법
US6261885B1 (en) Method for forming integrated circuit gate conductors from dual layers of polysilicon
US6008100A (en) Metal-oxide semiconductor field effect transistor device fabrication process
JP3206419B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3168676B2 (ja) 相補型misトランジスタ装置及びその製造方法
KR920005511B1 (ko) 반도체장치와 그 제조방법
JPH0637309A (ja) 半導体装置の製造方法
US5970347A (en) High performance mosfet transistor fabrication technique
JPS60175458A (ja) 半導体装置及びその製造方法
KR930008022B1 (ko) 반도체장치
KR100632043B1 (ko) 반도체 장치의 모스 트랜지스터 제조 방법
JPS63302562A (ja) Mos型半導体装置の製造方法
JP2578417B2 (ja) 電界効果型トランジスタの製造方法
JP2953915B2 (ja) 半導体集積回路装置及びその製造方法
KR100333356B1 (ko) 반도체장치의 제조방법
JPS6039868A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0221648A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH03184372A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term