JP3168502U - 葱苗定植補助具 - Google Patents
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Abstract
【課題】家庭菜園や中小規模農家の葱苗の植え付けに適した簡便かつ安価な葱苗定植補助具を提供する。【解決手段】段ボール等の板紙に葱苗保持部が作出された葱苗定植補助具である。段ボール等の板紙の上端および下端に切り込みを入れる事によりフラップ部分を作製し、該フラップ部分を折り曲げることにより葱苗保持部を作出する。等間隔に作られた葱苗保持部に葱苗を挟み込み、葱苗定植補助具ごとを土に掘った溝の底部に設置することで、葱苗を定植することができる。【選択図】図2
Description
本考案は、簡便かつ安価な葱苗の定植補助具に関する。
農作物の苗を畑に植付ける場合、家庭菜園や中小規模農家においては、機械化はコストと効率の面で適当ではないため、人の手作業で行われることが殆どである。
農作物の苗の植付けの中でも特に葱苗の植付け作業は非常に骨の折れる作業である。特に白葱・根深葱と呼ばれる品種は、葱の白い部分を出来るだけ長く作るため、まず畑地に深い溝を掘り、その底部に苗を植え付け、成長に応じて徐々に土を被せ、最終的には葱を中心に土を盛り上げていく方法で植え付け(定植)する。
大規模農家で有れば、溝掘りも定植も機械化され、効率的に作業が進むが、家庭菜園や中小規模農家ではほとんどが手作業で行われる。中でも溝の底部に葱苗を植え付けるのはとても骨の折れる作業である。一般的に植え付け作業の多くは中腰で行われるものが多く、腰に多大な負担がかかるものであるが、特に葱の植え付けは、地面よりさらに深く掘り下げた溝の底面に植え付けるため、非常に困難を伴う。
定植作業は、幼い苗が生育しやすいように、地面に施肥をし、耕し、間隔をそろえながら植え付け(苗を差し)、倒れないように周りの土を寄せ押さえつける作業である。この作業が中途半端であると、植えた先から苗が倒れてしまう。そうすると、植え付け間隔が乱れるので、葱が生育するにしたがって、地上部がまばらになったり、また葱そのものが曲がったりして、育ち方にも大きなばらつきが出来る。さらに、この作業は地面から20cmないし30cm程度掘り下げた溝の底に手を伸ばしながら行うわけであるから、非常に疲労を伴うものである。
このような疲労を伴う手作業を機械化した例として、実開平3−76417号、実開平6−68406が挙げられる。これらには、長葱定植苗を移植するための機器が種々開示されている。
しかし、これらは移植機械であり、やはり中小規模の長葱栽培には不向きである。
しかし、これらは移植機械であり、やはり中小規模の長葱栽培には不向きである。
また、実用新案登録第3149732号においては、つる性の苗の植え付けの際に作業者の手作業を補佐するような苗植え付け具が開示されている。
しかし、葱苗は土に深い溝を掘って植えつけるもので、つる性の苗とは植え付け方が異なり、当該苗植え付け具を葱苗に用いることは不適当である。
しかし、葱苗は土に深い溝を掘って植えつけるもので、つる性の苗とは植え付け方が異なり、当該苗植え付け具を葱苗に用いることは不適当である。
本考案の目的は、家庭菜園や中小規模農家の葱苗の植え付けに適した安価に作製できる簡便な葱苗の定植補助具を作製することである。
本考案者は、上記の課題を解決するために、簡便かつ安価な葱苗の定植補助具を作製した。本考案の定植補助具は、上端近傍及び下端近傍に、上端及び下端の各々から短手方向に向かって所定の位置に長手方向への移動を防止するための複数の保持部を設けることを特徴とする葱苗定植補助具である。
本考案の葱苗定植補助具は、一実施形態において、所定の位置に折り曲げられて形成される上面及び底面並びに側面の3面を備え、該上面及び該底面はそれぞれ一辺が該側面に連接しており、前記複数の保持部は、該上面及び該底面に作出されたフラップ部分により形成されることを特徴とする葱苗定植補助具である。
一実施形態において、本考案の定植補助具は単一の部品から作製することができる。本考案の定植補助具の材料は、容易に入手しやすい点から、紙を用いることが好ましく、特に適度な強度を有する段ボール紙であることが好ましい。段ボール紙は両面段ボールでもよく、片面の段ボールでもよい。段ボールは加工し易く、安価で、また時間が経つにつれ地中で腐敗することから周辺環境に悪影響を及ぼさないという利点がある。また、周辺環境への影響という点については、生分解性プラスチック等も材料として使用することができる。
一実施形態において、本定植補助具は、段ボール等の板紙の上下に切り込みを入れ、切り込んだ先端を折り曲げてフラップを作出し、これを葱苗保持部とすることにより作製される。ここでフラップとは、蓋状またはツバ状の羽である。そして、等間隔に作られた葱苗保持部に葱苗を挟み込み、その定植補助具ごと土に掘った溝の底部に設置することで、葱苗を定植することができる。
フラップは苗と苗の間隔を一定にし、保持される葱苗の上下の位置を揃え、苗が垂直に保たれる為の定規の役割を持つ。苗の太さ、長さ、品種によりフラップの間隔を決定することが好ましい。
当該定規としての役割は、フラップではなく、単に突起状物を設けることでも果たすことができる。従って、他の実施形態において、定植補助具側面から少なくとも葱苗の太さ分の長さを有する突起状物を、段ボール等の板紙の上端近傍および下端近傍の所定の位置に貼り付け、これを保持部とすることができる。ここで所定の位置とは、上端および下端からそれぞれ2cmから4cmの任意の位置が好ましい。
葱苗をより安定的に定植補助具に固定するため、等間隔に作られた葱苗保持部に葱苗を挟んだ後、粘着性テープを用いて葱苗を本定植補助具に貼り付けることもできる。これにより定植の際、葱苗がずれたり曲がったりしないよう、より安定化することができる。粘着性テープは、環境への配慮のため、紙または他の分解性の材料を用いていることが好ましい。
特に、上述のように、定植補助具にフラップではなく単に突起状物を設けただけの場合は、粘着性テープによって葱苗を固定することで、フラップを設けた定植補助具と同様の効果を得ることができる。
また、本定植補助具の底面及び側面に、有機肥料および/または有用菌などを含浸および/または含有させることもできる。さらに、前述の固定用の粘着性テープにも当該処理を行うと更に好ましい。
なお、本明細書において、段ボール、段ボール紙、段ボール板はいずれも同義である。
本考案によれば、葱苗を等間隔で迅速に土に掘った溝に定植することができる。また本考案を用いた一連の作業は、作業台の上で立ったまま、又は腰かけた状態で出来るので、腰にはほとんど負担が掛らず、作業者の身体的負担を著しく軽減することができる。
また、本定植補助具の底面及び側面に、有機肥料および/または有用菌などを含浸および/または含有させることにより、苗の着根や生育を促進させる効果がある。
以下に本考案の一実施形態について説明する。
定植補助具の作製
図1に示すように、段ボール板を約17cm幅に裁断し、長手方向に約3cmないし5cmの間隔をおいて、その上端および下端から約2cmないし4cm幅、好ましくは約2.5cm幅の部分に、直角に切り込み(a)を入れ、上端及び下端の切り込み(a)部分の任意の位置からさらに斜めに約1.5cm幅で切り込み(b)を入れる。両切り込みは、葱苗を保持することが出来る程度の切り込みであれば、段ボールの波目に対して任意の長さ及び角度でよい。
図1に示すように、段ボール板を約17cm幅に裁断し、長手方向に約3cmないし5cmの間隔をおいて、その上端および下端から約2cmないし4cm幅、好ましくは約2.5cm幅の部分に、直角に切り込み(a)を入れ、上端及び下端の切り込み(a)部分の任意の位置からさらに斜めに約1.5cm幅で切り込み(b)を入れる。両切り込みは、葱苗を保持することが出来る程度の切り込みであれば、段ボールの波目に対して任意の長さ及び角度でよい。
この段ボールの上端が定植補助具の上面(1)、下端が底面(3)となる。
切り込み(a)および(b)によって、上面と底面に五角形と三角形のフラップ部分ができる。五角形のフラップ部分に折り目(c)を付け、段ボールの波板側に折り曲げる。三角形のフラップ部分は元のまま伸ばしておく。これにより、上面と底面それぞれの同位置に三角形の穴が貫通した状態となる。当該穴は、苗を保持できればよく、三角形、四角形または円弧などの任意の形でよい。
図2に示すように、この貫通した部分に葱苗を挟み込む。101cm幅の段ボールを用いて、三角形のフラップ部分が約4cm間隔である場合、25本の葱苗を等間隔で保持することができる。
苗が細い場合、段ボールのばね性だけでは外れてしまう事があるので、図2に示すように、苗を並べ終わった後に、側面(2)の短手方向の中央付近に粘着性の紙テープ(5)を用いて苗を段ボール板に固定すると、さらに作業効率が高まる。
図3に示すように、段ボール板に突起状物を貼り付け、さらに側面(2)の短手方向の中央付近に粘着性の紙テープ(5)を用いて苗を段ボール板に固定することで、フラップを作らずとも同様の効果が得られる。突起状物は、苗の片側または両側に備えられていればよい。
葱苗定植補助具の材料に、予め有機肥料および/または有用菌を含浸および/または含有させてもよい。
本実施例に示した寸法は一例であって、葱の種類、苗の生育状況により適宜変更する事ができる。
植え付け作業
図4に示すように、植付け作業は、苗が保持された定植補助具を、予め掘られた溝に、苗部分を土璧面に向けて底部まで下ろし、次に図5に示すように、反対側に土(7)を被せるものである。
図4に示すように、植付け作業は、苗が保持された定植補助具を、予め掘られた溝に、苗部分を土璧面に向けて底部まで下ろし、次に図5に示すように、反対側に土(7)を被せるものである。
苗側には定植補助具の側面(2)と土壁面との間に適当な空間があるので、寄せ土は定植補助具の高さの半分くらいまで被せても苗の生育には邪魔にならない。また、かなり乱暴に土を寄せても定植補助具で保護された苗を痛める事は無く、さらにその土を押さえつけなくても苗が倒れる事が無いので根(細根)の育ちも良く活着し易いという利点がある。その覆い土の上に施肥をしても、肥料が直接苗やその根に接することが無いので肥料当りもしない。そのため追肥もその日のうちに行うことが出来る。
苗を土壁面側に配置するのは、もし逆にした場合、植え付け後の降雨等により、壁面の土が崩れると、定植補助具の幅全体に影響が及び、全ての苗が倒れてしまう事が有るからである。この被害を予め防止するために、定植補助具の側面(2)を土壁面の反対側に配置するものである。
本考案は、葱苗の定植のような深い溝に苗を植え付ける作業において、安価に作製でき、また、作業者の腰の負担を大幅に軽減し、迅速且つ簡便に使用できる定植補助具に係るものであり、特に中小規模の葱の栽培に有用である。
1 上面
2 側面
3 底面
4 葱苗
5 粘着テープ
6 突起状物
7 土
a 切り取り線
b 切り取り線
c 折り目
d 葱苗保持部
e フラップ
2 側面
3 底面
4 葱苗
5 粘着テープ
6 突起状物
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a 切り取り線
b 切り取り線
c 折り目
d 葱苗保持部
e フラップ
Claims (9)
- 葱苗定植補助具であって、
上端近傍及び下端近傍に、上端及び下端の各々から短手方向に向かって所定の位置に長手方向への移動を防止するための複数の保持部を設けることを特徴とする葱苗定植補助具。 - 葱苗定植補助具であって、
前記所定の位置に折り曲げられて形成される上面及び底面並びに側面の3面を備え、
該上面及び該底面はそれぞれ一辺が該側面に連接しており、
前記複数の保持部は、該上面及び該底面に作出されたフラップ部分により形成されることを特徴とする請求項1に記載の葱苗定植補助具。 - 前記複数の保持部は、長手方向略等間隔に配置されている突起であることを特徴とする請求項1に記載の葱苗定植補助具。
- 前記フラップ部分は、長手方向略等間隔に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の葱苗定植補助具。
- 前記保持部は、三角形、四角形又は円弧であることを特徴とする請求項2または4に記載の葱苗定植補助具。
- 前記定植補助具の材料が、紙であることを特徴とする請求項1ないし5に記載の葱苗定植補助具。
- 前記定植補助具の材料が、段ボール紙であることを特徴とする請求項1ないし6に記載の葱苗定植補助具。
- 前記定植補助具の材料が、生分解性プラスチックであることを特徴とする請求項1ないし5に記載の葱苗定植補助具。
- 前記葱苗定植補助具の材料に、有機肥料および/または有用菌を含浸および/または含有させることを特徴とする請求項1ないし8に記載の葱苗定植補助具。
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