JP3168264B2 - 無排土オーガロッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は基礎杭の構築や地
盤改良工法において、強固な孔壁を有する杭孔を無排土
で形成するためのオーガロッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】杭を設置する孔を地盤に掘削するための
従来の工法は、オーガなどで掘削した土砂を地上に排出
していたが、掘削残土は産業廃棄物として処分しなけれ
ばならず労力と経費を必要とした。

【０００３】そのため、本発明者は先に特公昭６０−２
７３５４号の掘孔装置を提案した。即ち、オーガロッド
の断面を三角形とし、頂点部分を圧土面に形成し、オー
ガロッドの先端部に錐部を設け、オーガロッドの周辺を
上昇しようとする掘削土砂を回転するオーガロッドの圧
土面で孔壁に押しつけ、排土せずに強固な圧密壁を形成
するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】三角形のオーガロッド
は、掘孔時において頂点部分で集中的に掘削土砂を孔壁
に押し付けるため摩耗損傷が大きく、寿命が短かいとい
う欠点があった。本発明はこの欠点を解消しようとする
もので、構造が単純で量産に適し、且つ部分的な摩耗が
発生しないオーガロッドを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】オーガロッドの断面を外
側に凸な曲線からなる三角形とし、オーガロッドの局部
的摩耗を減少させたのである。さらに、オーガロッドの
頂点部分の稜線に沿って圧土部材を設けることにより、
オーガロッド本体部分の摩耗を防止したのである。ま
た、圧土部材をオーガロッドの軸方向に断続的にして不
連続部を設けた。

【０００６】

【作用】オーガロッドの先端に掘削ヘッドを取り付け、
地盤を掘進すると掘削土砂は掘削刃によって上昇させら
れ、オーガロッドの位置まで達し、オーガロッドの曲線
部と掘削孔の間の空間に入り、オーガロッドの回転によ
って三角形の頂点に位置する圧土部材によって孔壁に押
し付けられ、孔壁に塗りこめられる。

【０００７】一度で塗りこめられなかった余剰の土砂
は、掘削孔とオーガロッドとの間の次の空間に入り、２
つ目の圧土部材で孔壁に押しつけられる。この動作を繰
り返すことにより、掘削土砂は殆どすべて孔壁に塗りこ
められ、地上に排土されるものがなくなる。

【０００８】圧土部材を断続的にしてあるので、石など
が存在しても不連続部から逃がすことができる。アング
ル材をオーガロッドに溶接して圧土部材とすると、摩耗
が大きくなったり、石によって破損した場合は簡単に交
換することができる。

【０００９】掘削した孔壁とオーガロッドの間に空間が
形成されているので掘削孔の底部が大気と連通してお
り、オーガロッドを引き抜く際に先端部が真空状態にな
って、孔壁が崩壊することがない。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の実施の態様を図に基づい
て説明する。図１に示すように、鋼鉄製のオーガロッド
１は、断面が外側に凸な曲線２から構成される三角形で
ある。曲線の形状は、頂点を中心とし、頂点間の距離を
半径とする円弧である。

【００１１】三角形の頂点２１には、アングル材を溶接
した圧土部材２２がオーガロッド１の軸方向に設けてあ
る。オーガロッドの１の頂部には、駆動軸１１が形成さ
れ、連結用のピン孔１２が設けてあり、中心にはグラウ
ト注入やジェット噴射に使用するパイプ１３配設してあ
る。圧土部材２２を超硬材料とすると、長期間の使用に
耐えることができる。掘削ヘッド３は、図２に示すよう
にスクリュー３１を有し、先端部に先掘刃３２を設けて
ある。必要に応じて、モルタル、エアー、ジエット水等
のパイプ１３をオーガロッドの中心に形成し、掘削ヘッ
ド３先端に開孔した噴射口と連通させておく。

【００１２】掘孔深度によりオーガロッド１は連結して
延長させることが可能である。図３に示すように、曲線
を、三角形の頂点から延びる直線または緩やかな円弧と
曲率半径の小さな曲線からなる形状とすると、オーガロ
ッド１の回転に従って曲線と孔壁２５の間の空間２３が
徐々に小さくなり、掘削土砂を円滑に孔壁２５に塗りこ
むことができる。

【００１３】また、図４に示すように圧土部材２２を断
続的に設け、掘削土砂の一部を次の空間に逃がすように
する。不連続部２４は互い違いに設け、不連続部２４が
同じ位置にこないようにする。掘削が完了したらオーガ
ロッドを引き抜くのであるが、オーガロッド１と孔壁２
５との間に空間２３が存在するので引き抜き時に大気が
スムースに掘削孔底部に流入していき、先端部が真空状
態になって孔壁２５が崩壊するようなことがない。

【００１４】

【発明の効果】オーガロッドの断面が曲線三角形に形成
されているので、掘削土砂が曲面によって徐々に押圧さ
れ、頂点で完全に孔壁に塗りこめることができる。ま
た、稜線に圧土部材を設けたので、オーガロッド本体の
摩耗による損傷が解消された。さらに、圧土部材が摩耗
したら交換すればよいので、オーガロッドとしての寿命
が長くなり、コスト低減に効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】オーガロッドの側面と断面を示す図

【図２】各種オーガヘッドの正面図

【図３】オーガロッドの他の実施例の断面図

【図４】圧土部材が不連続なオーガロッドの正面図

【符号の説明】

１…オーガロッド、２…曲線、２２…圧土部材、２４…
不連続部

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外側に凸である曲線からなる断面三角形の
   ロッドの稜線に沿って圧土部材を設けた無排土オーガロ
   ッド。
2. 【請求項２】請求項１において、圧土部材がアングル材
   である無排土オーガロッド。
3. 【請求項３】請求項１または２のいずれかにおいて、圧
   土部材が断続している無排土オーガロッド。
4. 【請求項４】断面が略三角形であり、三角形の各辺が頂
   点から延びる直線又は緩やかな円弧曲線とそれに続く曲
   率半径の小さな曲線とからなる無排土オーガロッド。