JP3167907U - 植木鉢および栽培セット - Google Patents

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邦義 家田
邦義 家田
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Abstract

【課題】給水体を必要とせずに培土に貯留した水を供給できる二重構造の植木鉢を提供すること、さらに、この植木鉢を用いたコンパクトな栽培セットを提供する。【解決手段】この植木鉢は、培土4を収納した中容器1を、底部に散水した水を貯留できる外容器2に内装している。中容器1は、底部の周辺寄りに少なくとも3個突出部1aを形成するとともに、底面と突出部1aに培土4が通過しない程度の細孔1bを多数設けている。そして、上端には外容器2の上端縁に係止する外側フランジ1cを形成し、側面は下方へ向かって断面積が小さくなるように傾斜を設けて、外容器2との間に空間を形成している。また、栽培セットは、培土4と種子と固形肥料をそれぞれ包装したものを中容器1に収納して外容器2に内装し、上端を上蓋で閉鎖している。【選択図】図1

Description

本考案は、花や野菜を栽培するための植木鉢および栽培セットに関するものである。
植木鉢は、一般に数個の排水孔を底部に設けて、供給した水が多すぎるときに排出できるようにしており、植物が枯れないように頻繁に水を供給する必要がある。
この給水作業を省力化するため、底部に水を貯留できる外容器に、培土を収納する中容器を内装した二重構造の植木鉢が開発されている(例えば、特許文献1)。
この植木鉢では、中容器の底部に吸水体を取り付けて外容器の底部の貯留水を、毛細管現象を利用して中容器内へ吸い上げるようにしている。
この給水体は、給水性の高い糸材を多数束ねて紐状にしたもので、上側ほぼ半分は中容器内に差し込まれており、下側ほぼ半分は中容器の底部から下方へ引き出され、先端側は外容器の貯留水に浸かるようにしている。
特開2002−27854号公報。
特許文献1の植木鉢は、外容器に貯留した水が自動的に吸引されて培土に補給されるので、給水作業を大幅に伸ばすことができる。しかしながら、給水体を必要とするのでコストがかかり高価なものとなるという難点がある。また、外容器は、一般に水量を確認できるように透明または半透明にするが、給水体は繊維であるので、長時間の使用に対して汚れ、見栄えが悪くなるという問題がある。
また、この明細書には、使用中の植木鉢に給水体を付設して、外容器に挿入することもできるとしているが、手軽で簡便であるものの、植木鉢と外容器の大きさやデザインがちぐはぐになりやすい。
一方、花や野菜を種子から育ててみたいという場合は、植木鉢の外に、培土、固形肥料、種子などを個別に購入するのが、一般的であるが、1個か2個育てる目的の栽培セットをできるだけ、コンパクトなものでできないかという要望もあった。
本考案は、上記の点に鑑み、給水体を必要とせずに培土に貯留した水を供給できる二重構造の植木鉢を提供すること、さらに、この植木鉢を用いたコンパクトな栽培セットを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するにため、本考案の植木鉢は、請求項1に記載のように構成した。すなわち、培土を収納する中容器を、底部に水を貯留できる外容器に内装して、底部から給水される二重構造の植木鉢において、該中容器は、その底面に、一部を下方へ突出させた突出部を形成するとともに、該突出部に培土が通過しない程度の細孔を多数設け、上端には、該外容器の上端縁に係止する外側フランジを形成し、側面は下方へ向かって漸次断面積が小さくなるように傾斜を設けて、外容器との間に空間を形成したことを特徴としている。
本考案の植木鉢は、中容器と外容器の二重構造からなり、両者とも合成樹脂製で、外容器は透明または半透明とする。形状は上拡がりの円筒状または多角形状など特に限定しないが、中容器は、下方に向かうにつれ外容器との間に漸次空間ができるようにする。
例えば、外容器円筒状とし、中容器は上端は外容器と同じ径で下方へ向かうにつれ小さな径になるようにすればよい。
中容器の上端には外容器の上端縁に係止する外側フランジが形成され、底部には、底面の一部が下方へ突出する突出部が形成されている。中容器は、外容器の上端縁に支持され、突出部の下端は、外容器の底面には当接せず、浮いた状態としている。
突出部は、中容器の底面の面積の1〜3割とし、その形状は、中央部に突出した小径の円筒状のものとするなど特に限定しない。しかし、外容器を清掃する場合など中容器を取り出す場合に、突出部が脚として機能して平坦な面に置くことができるように、中容器の底部の周辺寄りに少なくとも3個設ける(請求項2)のが望ましい。
中容器の底面および突出部には培土が通過しない程度の細孔を多数設ける。なお、この植木鉢への給水作業は、中容器の底面から溢出した水が、突出部の上端(中容器の底面)より上にならないように、中容器の上方から散水する。
また、本考案の栽培セットは、請求項3に記載のように構成した。すなわち、請求項1または請求項2の考案における中容器に培土と種子と固形肥料をそれぞれ包装したものを収納し、これを外容器に装着して上端を蓋で閉じたことを特徴としている。培土および肥料は、当然ながら種子に適したものとする。
本考案の植木鉢は、中容器と外容器とからなり、中容器は、底面に一部が下方へ突出した突出部を形成するとともに、該底面と該突出部に土が通過しない程度の細孔を多数設け、上端には外容器の上端縁に係止する外側フランジを形成し、側面は下方へ向かって断面積が小さくなるように傾斜を設けて、外容器との間に空間を形成したので、中容器の突出部が外容器の底部の貯水に浸かり、細孔を通して毛細管現象によって中容器内の培土に給水され、また、底面の細孔から水蒸気が培土へ供給されるので、従来のような吸水体を必要とせずに培土を常に適度な保水状態にできる。また、外容器は中容器とは空間があるので、外容器が曇ってしまうことがない。
また、本考案の栽培セットは、前記の中容器に培土と種子と固形肥料をそれぞれ包装したものを収納し、これを前記の外容器に装着して上端を蓋で閉じたものとしたので、コンパクトなものとなり、全体を包装しなくても、この状態で運搬や保管、店頭での陳列ができ、経済的で取り扱いが簡便である。
本考案の実施の形態における植木鉢の使用状態を示す正面断面図である。 同、中容器の底部を示す斜視図である。 同、中容器の底部の別の実施の形態を示す斜視図である。 同、本考案の栽培セットの全体を示す斜視図である。 同、分解斜視図である。
以下、本考案の植木鉢の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、植木鉢の使用状態の正面断面図を示すもので、培土を収容する中容器1と、これを保持するとともに外装する外容器2とからなる。いずれも合成樹脂製であり、下方へ向かって断面積が小さくなるように傾斜を設けた、いわゆる上拡がりの円筒形状としている。なお、中容器1の傾斜は外容器2の傾斜より大きくしている。
また、中容器1の上端には外容器2の上端縁2aに係止させる外側フランジ1cが形成されており、高さは外容器2より低く下端は外容器2の底面より浮いた状態としている。 したがって、中容器1側面の周囲と底から下は、空間が形成され、二重構造となっており、断熱効果がある。なお、外容器2はここでは透明な材質を使用しており、二重構造ゆえに、曇ることが防止される。
中容器1の底部には、図2に示すように、底面の周辺寄りに突出部1aが3個形成されており、それぞれに細孔1bが形成されている。また、細孔1bは中容器1の底面にも形成されている。なお、細孔1bは中容器1内の培土4が通り抜けできない程度の大きさとしている。
植木鉢は、上記のように構成されているので、中容器1に収容した培土4に散水を施せば、この水は培土を湿らせつつ、中容器1底面に形成された多数の細孔1bと中容器1底面に形成された突出部1aの細孔1bとを通して外容器2の底部へ溢出する。
なお、散水は、溢出し外容器2の底部に貯留する水の高さが中容器1の突出部1aが浸かる程度で、底面より上にはならないようにする。
給水作業は、外容器2の底部に貯留している水が突出部1aの先端部より下に位置するまで、吸引され培土4へ補給される。また、外容器2内の貯留した水は、蒸発して水蒸気となり外容器2内の湿度を上げるので、培土4が乾燥気味になる度に、この水蒸気(湿気)が中容器1の細孔1bを通して培土4に侵入し吸収される。
これにより、培土4はかなりの時間適度な保水状態に保持されるので、1回の散水によって、2〜3回分の散水を行うのと同等の保水効果を培土4に施すことができる。
また、時間が経つと外容器2内に貯留した水などにより、外容器2が汚れてくるので、洗浄する必要が出てくるが、この場合は、突出部1aが脚の役割をはたすので、中容器1を持ち上げて外容器2から外し、床など平坦な面に安定して置くことができる。
図3は、上記の中容器1とは別の実施の形態を示すもので、突出部1aの形状および個数が相違している。
図3は中容器10を底面側から見た斜視図であり、突出部10aは、底面の中央部に有底円筒状に突出させて形成されたもので、その面には細孔10bが多数形成されている。なお、細孔10bは、中容器10の底面にも多数形成されている。
この中容器10の作用効果については、上記の中容器1と変わるところはないが、中容器10を外容器2から取り出して床などに置いたとき、前記中容器1のようには安定性が良くない。しかし、成形用の型が安価にできるという効果がある。
次に、請求項3に記載の栽培セットの実施の形態について、図4および図5に基づいて説明する。
図5は、栽培セットの構成を示す分解斜視図であり、上記説明した中容器1および外容器2の外に、培土4と、種子5と、固形肥料6と、上蓋3とからなり、培土4、種子5、固形肥料6はそれぞれ包装されている。
図4は、外容器2に中容器1を装着し、それぞれ包装された培土4、種子5、固形肥料6を中容器1に入れて上から上蓋をした状態のものである。運搬や保管、販売のための展示などはこの状態で取り扱われる。
外容器2の大きさの中に総てが包含されているので、コンパクトで軽量で取り扱い易いものとなっている。
この栽培セットを使用するときは、まず、上蓋3を外して、中容器1内の培土4、種子5、固形肥料6を取出す。そして、中容器1が外容器2に装着された状態で、培土4を中容器1内へ総て入れる。
継いで、培土4の上から全体に染み渡るように散水し、外容器2の底に水が溢出して溜まるまで行う。次に、種子5を培土4になじませながら、重ならないように蒔く。
そして、芽が出るまでは、直射日光を避け、たっぷり水を与える。
芽が出たら、日当たりが良く、風通しのよいところに置いて、外容器2の底の貯留水がなくならないようにときどき給水を行う。固形肥料6は、葉が2〜3枚になってから外容器2の底に置く。
1 中容器
1a 突出部
1b 細孔
1c 外側フランジ
2 外容器
2a 上端縁
3 上蓋
4 培土
5 種子
6 固形肥料
8 貯水
10 中容器
10a 突出部
10b 細孔

Claims (3)

  1. 培土を収納する中容器を、底部に水を貯留できる外容器に内装して、底部から給水される二重構造の植木鉢において、該中容器は、その底面に、一部を下方へ突出させた突出部を形成するとともに、該突出部に培土が通過しない程度の細孔を多数設け、上端には、該外容器の上端縁に係止する外側フランジを形成し、側面は下方へ向かって漸次断面積が小さくなるように傾斜を設けて、外容器との間に空間を形成したことを特徴とする植木鉢。
  2. 前記中容器の突出部は、中容器の底部の周辺寄りに少なくとも3個設けて、平坦な面に載置できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の植木鉢。
  3. 前記中容器に培土と種子と固形肥料をそれぞれ包装して収納し、これを前記外容器に内装して上端を上蓋で閉じたことを特徴とする栽培セット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015127504A1 (en) * 2014-02-28 2015-09-03 The Decor Corporation Pty Ltd Improvements in plant cultivation apparatus

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