JP3167259U - 書類収納用ファイル - Google Patents

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Abstract

【課題】見た目の美しさや地球環境保護への配慮も追求しつつ、簡単に製造することができ、調湿効果にも優れ、書き込みや印刷をすることもできる書類収納用ファイルを提供する。【解決手段】収納書類の少なくとも隣接二辺を突き当て保持可能なように二枚の表紙によって構成され、書類収納側となる内側面の全部または一部には露出した和紙が配置されている書類収納用ファイルを提供する。また、前記表紙の全部または一部は一枚の和紙から構成されている書類収納用ファイルを提供する。また、前記和紙はNBKP(長繊維)を30%以上含む和紙である書類収納用ファイルを提供する。また、前記和紙は、前記パルプの乾燥工程においてドライヤーのシリンダーへの非接触側の面が内側で対向するように配置されている書類収納用ファイルを提供する。また、寸法が310mm?217mmである書類収納用ファイルを提供する。【選択図】図1

Description

本考案は、書類収納用ファイルに関する。
書類収納用ファイルは、書類の劣化を防止し、適切に保存することができるという本来の機能もさることながら、最近では、これに加え、見た目の美しさや地球環境保護への配慮なども求められるようになっている。
見た目の美しさを追求するための方法の一つとして和紙の持つ風合いや高級感を利用することが考えられるところ、例えば特許文献1には、書類収納用ファイル本体の材料を透明ないし半透明なポリプロピレンとし、その内面側の表面全体に和紙などを貼り合わせることで見た目の高級感や豪華さを持たせることができる書類収納用ファイルが開示されている(特許文献1参照)。
また、地球環境保護に配慮した書類収納用ファイルも知られており、例えば上記特許文献1にも書類収納用ファイル本体のベースの材料を紙材とし、上記素材を生分解性フィルムとしたものが開示されているほか、特許文献2には、書類収納用ファイル本体を、セルロースフィルム、和紙、用紙、クラフト紙等の紙類からなる基材と基材表面に施されたコート処理膜の二重構造を有するものとし、燃焼しても人体に影響を与えることなく廃棄できるようにした書類収納用ファイルが開示されている(特許文献1、2参照)。
特開2010−012648号公報 実用新案登録第3142221号公報
しかし、従来の書類収納用ファイルは、上記各特許文献に見られるように、和紙だけを素材とするものではなく、和紙とポリプロピレンなどの他の素材からなる膜を貼り合わせたものであった。このため、単に和紙だけを用いてファイルを製造する場合に比べて製造工程が煩雑なものとなっていた。また、和紙には、調湿効果や、書き込みや印刷をすることができるという優れた効果があるが、ポリプロピレンなどを貼り合わせたファイルの場合には、せっかくの調湿効果が減殺されたり、書き込みや印刷を行える面が制約されたりといった問題点もあった。
そこで、本考案の解決すべき課題は、書類を適切に保存することができるという本来の機能とともに、見た目の美しさや地球環境保護への配慮も追求しつつ、簡単に製造することができ、調湿効果にも優れ、書き込みや印刷をすることもできる書類収納用ファイルを提供することにある。
以上の課題を解決するため、第一の考案は、収納書類の少なくとも隣接二辺を突き当て保持可能なように二枚の表紙によって構成され、書類収納側となる内側面の全部または一部には露出した和紙が配置されている書類収納用ファイルを提供する。また、第二の考案は、第一の考案を基礎として、前記表紙の全部または一部は一枚の和紙から構成されている書類収納用ファイルを提供する。また、第三の考案は、第一又は第二の考案を基礎として、前記和紙はNBKP(長繊維)を30%以上含む和紙である書類収納用ファイルを提供する。また、第四の考案は、第一から第三のいずれか一の考案を基礎として、前記和紙は、前記パルプの乾燥工程においてドライヤーのシリンダーへの非接触側の面が内側で対向するように配置されていることを特徴とする書類収納用ファイルを提供する。また、第五の考案は、第一から第四のいずれか一の考案を基礎として、寸法が310mm×217mmであることを特徴とする書類収納用ファイルを提供する。
本考案により、書類を適切に保存することができるという本来の機能とともに、見た目の美しさや地球環境保護への配慮も追求しつつ、簡単に製造することができ、調湿効果にも優れ、書き込みや印刷をすることもできる書類収納用ファイルを提供することが可能となる。
実施例1の書類収納用ファイルの形状の一例を示す図 実施例1の書類収納用ファイルの一例の展開図 実施例1の書類収納用ファイルにおける露出した和紙の配置の一例を示す図 ドライヤーを用いた紙の乾燥工程の一例について説明するための概念図
0100 書類収納用ファイル
0110 表紙(上側)
0120 表紙(下側)
0111 切欠部
0311、0321 露出した和紙
0430 フェルト部
0440 プレス部
0450 ドライヤー
0460 巻取り機
以下に、本考案の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係については、実施例1は主に請求項1、請求項2、請求項3などに関し、実施例2は主に請求項4などに関し、実施例3は主に請求項5などに関する。なお、本考案はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
<概要>
本実施例の書類収納用ファイルは、収納書類の少なくとも隣接二辺を突き当て保持可能なように二枚の表紙によって構成され、書類収納側となる内側面の全部または一部には露出した和紙が配置されている書類収納用ファイルである。また、かかる書類収納用ファイルであって、前記表紙の全部または一部は一枚の和紙から構成されているものも本実施例の書類収納用ファイルに含まれる。また、かかる書類収納用ファイルであって、前記和紙はNBKP(長繊維)を30%以上含む和紙であるものも本実施例の書類収納用ファイルに含まれる。
<構成>
(書類収納用ファイルの形状)
図1は、本実施例の書類収納用ファイルの形状の一例を示す図である。本例の書類収納用ファイル0100は、形状自体は従来の書類収納用ファイルと同様であって、二枚の表紙0110、0120からなる。これら二枚の表紙は、ファイルの一辺ないし二辺が、一枚のシートを折り返すか、二枚の表紙の端部どうしを糊などで接着させるか、あるいはこれらの組合せにより形成され、それ以外の辺から書類を出し入れすることが可能なようになっている。本図のファイルの例では、本図で見て左辺0101が一枚のシートを折り返すことで形成される辺であり、下辺0102が二枚の表紙どうしを糊などで接着させることにより形成される辺である。右辺0103(下に述べるように上側の表紙0110がやや小さく形成されているため、上側の表紙の右辺0103aの位置と下側の表紙の右辺0103bの位置がややずれている)及び上辺0104は開放され、書類の出し入れが可能となっている(図2参照)。
図1の例では、表紙をめくりやすくするために上側の表紙0110がやや小さく形成されているが、二枚の表紙のサイズは、全く同一であってもよいし、本図の例のようにほぼ同一であってもよいし、あるいは書類の保持に差支えない程度であれば大きく異なっていてもよい。
また、図1の例では、上側の表紙の右辺の上端付近に表紙をめくりやすくするための切欠部0111が備えられているが、これは必須ではない。なお、本図には示されていないが、同様の目的で右辺の下端付近にも略三角形状などの切欠部が備えられていてもよい。
(書類収納用ファイルの構造)
図2は、上述の構造を説明するための本実施例の書類収納用ファイルの一例の展開図である。本図に示す書類収納用ファイル0200は、一枚のシートからなり、これを中央の折り返し線で谷折りすることで二枚の表紙0210、0220が形成される。また、二枚の表紙の下端部0210a、0220a(概ね斜線で示す範囲)どうしを糊などで接着させることで、二辺が閉ざされ、二辺が開放されたファイルが形成される。
なお、開放される辺は一辺(例えば右辺)のみでもよい。この場合にはファイルが袋状のものとなる。
以上の構成により、本実施例の書類収納用ファイルは、収納書類の少なくとも隣接二辺を突き当て保持可能なように二枚の表紙によって構成されることとなる。ここで、「収納書類の少なくとも隣接二辺を突き当て保持可能」とは、書類を書類収納用ファイルに挿入したときに、収納書類のうちの少なくとも隣接する二辺がファイルの閉じた辺に突き当たることで行き止まり、書類収納用ファイルの外に飛び出すことはないということであり、「収納書類の少なくとも隣接二辺を突き当て保持可能なように二枚の表紙によって構成される」とは、このような状態で書類を保持できるように二枚の表紙によって構成されているということである。また、「二枚の表紙によって構成される」とは、書類収納用ファイルとして形成された状態において二枚の表紙を有しているということであって、必ずしも二枚のシートから形成されることを意味せず、図2の例で示したような一枚のシートからなるものであってもよい。
あるいは、本実施例とは異なるが、解放される辺は三辺(例えば上辺、右辺及び下辺)であってもよい。この場合は、書類収納用ファイルは、収納書類の一辺を突き当て保持可能なように二枚の表紙によって構成されることとなる。このような構成であっても、例えば後述するように両表紙の内側をざらざらにして書類が滑り落ちにくくすれば、書類を適切に保持するというファイル本来の効果を十分に発揮することが可能である。
なお、書類収納用ファイルの厚みに特に限定はないが、例えば、和紙だけで構成されている場合の紙厚が105g/m程度のものが考えられる。
(露出した和紙の配置)
本実施例の書類収納用ファイルは、書類収納側となる内側面の全部または一部には露出した和紙が配置されていてもよい。
「露出した和紙」とは、和紙の表面が例えばポリプロピレンなどの和紙以外の素材の膜などによって被われておらず、和紙そのものが現れている状態のものをいう。また、本考案において「和紙」とは、比較的長い繊維が相当程度含まれる紙をいう。このように定義する理由は、一般に和紙と呼ばれるもの(いわゆる日本古来の和紙)に共通する特徴として、表面に繊維模様が現れるなどの独特の風合い(見た目の美しさや手触りなど)や、薄くても強靭で寿命が比較的長い点、調湿性に優れている点が挙げられるところ、このような特徴は、いずれも比較的長い繊維が相当程度含まれることに起因するものであるためである。
図3は、本実施例の書類収納用ファイルにおける露出した和紙の配置の一例を示す図であり、説明の便宜上展開図で示したものである。(a)は、書類収納用ファイル0300の書類収納側となる内側面(本図では表側に現れている面)の一方の表紙0320のみ(本図の例では右側の表紙、即ち、書類収納用ファイルを形成したときに下側となる表紙)の一部に露出した和紙0321(斜線で示す)が配置されている例を示す。(b)も同様に書類収納用ファイル0300の書類収納側となる内側面の一部に露出した和紙が配置されている例であるが、露出した和紙0311、0321(斜線で示す)が二枚の表紙のそれぞれ(本図の例ではほぼ対向する位置)に配置されている例を示す。あるいは、図示は省略するが、(a)、(b)の例と異なり、露出した和紙が各表紙中の複数箇所に配置されていてもよい。例えば、各表紙の四隅付近の四箇所とか、各表紙の上辺付近と下辺付近の二箇所とかに露出した和紙が配置されていてもよい。露出した和紙以外の部分の素材は問わないので、例えば透明なポリプロピレンなどであってもよく、内部に収納されている書類の内容が一目でわかるようにするためには、このような構成とすることにも意味がある。
(c)は、書類収納用ファイル0300の書類収納側となる内側面の全部に露出した和紙(斜線で示す)が配置されている例を示す。
いずれの例においても、外側面の配置は問わないので、露出した和紙が全部に配置されていてもよいし、一部のみに配置されていてもよいし、全く配置されていなくてもよい。なお、露出した和紙が少なくとも内側面の一部に配置されるように構成したのは、これにより上述の本考案の課題を好適に解決することが可能となるためであって、特に、書類の少なくとも一部が和紙と直接触れるようにすることで、和紙の持つ調湿効果を好適に発揮できるようにするためであり、また、後述するように和紙のざらざらした表面を書類に接触させることで書類の脱落を防いで適切に保持することができるようにするためである。
ただし、本考案の課題解決を好適に達成するためには、書類収納用ファイルの書類収納側となる内側面の全部に露出した和紙が配置されているとともに、外側面の全部にも露出した和紙が配置されていることが望ましい。即ち、端的に言えば書類収納用ファイルが和紙だけで構成されていることが望ましい。
(和紙の素材)
本考案における和紙は比較的長い繊維が相当程度含まれる紙であれば足り、特に素材について限定はない。例えば、日本古来の和紙の代表的な素材であるコウゾ、ミツマタ、ガンピなどを用いたものが考えられる。伊予和紙、土佐和紙、越前和紙、美濃和紙等の名称で呼ばれる和紙は一般にかかる条件を満たすものであり、本考案における和紙に該当する。
また、素材として木材パルプや非木材パルプを用いたものであっても、比較的長い繊維を用いたものが相当程度含まれていれば本考案における和紙に該当する。一般に針葉樹の繊維長は広葉樹の繊維長よりも長い(針葉樹は2.7〜4.0mm程度、広葉樹は1.5mm程度)ところ、本考案における和紙は針葉樹(N材ともいう)を原料とする木材パルプであるNBKP(長繊維)を相当程度含み、これと他の素材、例えば広葉樹(L材ともいう)を原料とする木材パルプであるLBKP(短繊維)や、ケナフ、バガス、竹などの非木材パルプを混合したパルプを素材とするものであってもよい。ここで「相当程度」とは、例えば重量比で30%以上を言う。NBKP(長繊維)を相当程度混合する理由は、これにより本考案における和紙である比較的長い繊維が相当程度含まれる紙を実現でき、もって独特の風合いや調湿性を備えることが可能となるためである。また、LBKP(短繊維)を混合する理由は、主に価格が安いためである。
また、非木材パルプを混合する理由は、主に森林保護の観点から木材パルプの使用比率を抑えるためである。例えば、竹パルプを用いる場合には、竹の間伐材を利用することが可能であり、資源の再利用という観点からも環境保護に資するものである。竹は、繊維長が1.5〜2.5mm程度であり、吸湿性、吸油性に優れ、また印刷にも適しているという特徴を有するものであり、これを混合しても本考案の課題解決を阻害することはないし、地球環境保護の観点からはむしろ本考案の課題解決をより積極的に実現するものと言える。
以上の諸要素および以下に述べる諸要素を総合的に勘案した本実施例の和紙の好適な一例は、NBKP(長繊維)45%(重量%をいう。以下同じ)、LBKP(短繊維)45%、竹パルプ10%からなるパルプを素材とするものである。
(和紙の製造方法)
本実施例の和紙の製造方法についても特に限定はない。一般に和紙の製造工程は、(1)原料を加工する(皮作り、チップ加工など)、(2)煮る、(3)叩く、(4)抄(す)く、(5)乾かすという工程からなる。本実施例の和紙の製造方法として、例えば、日本古来の和紙の伝統的な抄きの方法である手抄きを用いたものが考えられるが、現在一般に和紙と呼ばれている紙の多くで行われているベルトコンベアを用いた機械抄きを用いたものであってもよい。
また、乾かす工程においては、機械抄きの場合、一般にドライヤーを用いて乾かすという方法が用いられている。
図4は、ドライヤーを用いた紙の乾燥工程の一例について説明するための概念図である。本図は、和紙の製造に用いる設備の一部であり、フェルト部0430、プレス部0440、ドライヤー0450及び巻取り機0460からなる。
フェルト部は、フェルト地のベルトからなるウェットフェルト0431と複数の回転軸0432(一部は回転しない固定軸であってもよい)とからなり、図示を省略した固定部に固定された回転軸に誘導されてウェットフェルトが矢印方向に回転する構造になっている。フェルト部は、未だ湿っていて破れやすい状態のパルプ0400をウェットフェルトの上に載せてプレス部まで安全に移送するための手段である。なお、本図においては、図の理解の容易のため、パルプの厚みは実際よりも誇張して描かれている。
プレス部は、二個のロール0441、0442からなり、移送されてきたパルプをロールの矢印方向への回転(この回転は上記ウェットフェルトの回転により与えられる)によりロールの間を通過させ、その際のロール圧によってパルプの水分を一気に絞り出すための手段である。従って、図には現れていないが、実際にはパルプの厚みはこの段階で相当程度圧縮される(薄くなる)ことになる。
そして、プレス部により圧縮されたパルプは、ドライヤーに移送されて乾かされる。ドライヤーは、回転自在に保持されるシリンダー0451と、ロール0452と、複数の回転軸0453(一部は回転しない固定軸であってもよい)と、ロールを回転させるためのベルト0454とからなる。乾燥工程においては、パルプがドライヤーのシリンダーに巻きつけられ、シリンダーの矢印方向への回転に伴い、パルプがシリンダーに巻きつけられた状態で矢印方向に移動していく。シリンダーは通例110℃〜150℃程度に熱せられており、パルプがシリンダーとの接触を保っている間に乾かされることになる。なお、乾かされたパルプは、巻取り機によって巻き取られる。
ドライヤーのシリンダーは表面が平滑に仕上げられており、パルプをシリンダーに巻きつける際には湿ったパルプがロールによってシリンダーに押し付けられた状態となり、この状態を保ったままパルプが乾燥する。このため、出来上がった和紙の両面のうち、シリンダーに接触していた側の面は、平滑な面(すべすべした感触の面)となる。これに対して、シリンダーに接触していなかった側の面は、乾燥時の熱によって不規則に膨張するなどして、平滑でない面(ざらざらした感触の面)となる。そこで、例えば、ざらざらした面を書類収納用ファイルの外側面に用いれば、和紙独特のざらざらした質感豊かな風合いを出すことができる。特に、費用面などの理由により長繊維の素材の混合割合を最小限に抑えた場合には繊維模様が現れにくいことから、和紙独特の風合いを保つためにこのような用い方が考えられる。
一方、上とは逆にすべすべした面を書類収納用ファイルの外側面に用いてもよい。例えば繊維模様が現われる場合には、ざらざらした質感を持たせなくても和紙の風合いを出すことができるので、むしろすべすべした面を書類収納用ファイルの外側面に用いることで書類収納用ファイル表面に光沢を持たせることができ、和紙独特の風合いに加え高級感を出すことが可能となる。また、外側面に書き込みや印刷をするのにより適した面を提供することが可能となる。なお、すべすべした面を書類収納用ファイルの外側面に用いる場合の構成については別の実施例で後述する。
なお、以上の説明において「平滑な面(すべすべした感触の面)」、「平滑でない面(ざらざらした感触の面)」といった表現を用いているが、いずれも厳密な定義はなく、人が目で見、あるいは手で触った時にすべすべした、あるいはざらざらした印象を受けるといった程の意味である。通例、人は洋紙における上質紙の表面をすべすべ、更紙の表面をざらざらと感じると考えられるので、本実施例における「平滑な面」とは上質紙の表面と同程度以上の平滑性を有する面、「平滑でない面」とは更紙の表面と同程度以下の平滑性を有する面と同義といってもよい。
(その他)
既述のように、本実施例の書類収納用ファイルは、好適には書類収納用ファイルが和紙だけで構成されている。従って、上で説明したパルプの乾燥工程を経て巻取り機で巻き取った和紙をそのまま書類収納用ファイルの素材として用いることが可能となり、従来のポリプロピレン等の膜を貼り合わせたものなどに比べ、簡単に製造することができる。
また、和紙だけを用いることで、従来のポリプロピレン等の膜を貼り合わせたものなどと異なり、和紙の持つ優れた調湿性を十分に発揮することが可能となる。
また、和紙だけを用いることで、書類に直接接する書類収納用ファイルの内側面を和紙としつつ、外側面も和紙とすることができるので、書類収納用ファイルの外側に書類名その他の書き込みや印刷を行うことも容易となる。印刷に配慮した構成については別の実施例で後述する。
なお、和紙だけを用いた場合には、表紙が不透明なものとなるため、内部にどのような書類が収納されているかが一見して分からないという問題も生じ得るが、上述のように表紙に書類名などを容易に書き込み、印刷できることから、それほど問題はないと言える。また、どうしても内部にどのような書類が収納されているかを一見して確認できるようにしたければ、既に述べたように、表紙の一部に和紙を用い、他の部分に透明ないし半透明の素材(半透明の素材には、ごく薄い和紙やこれに透明素材をコーティングしたものも含まれ得る)を用いれば、簡単に製造することができるという長所は若干減殺されるものの、和紙の持つ長所を維持しつつ書類を目で確認するようにすることも可能である。なお、書類を保持した書類収納用ファイルを本棚に保管する場合のように、多くの書類収納用ファイルを重ねて保管する場合には、表紙が透明の書類収納用ファイルを用いても内部の書類を一見して確認することは困難であるが、和紙だけを用いた書類収納用ファイルなどであれば、背表紙の部分などに書き込みをすることなども可能であるので(このため、書類収納用ファイルに若干の厚みを持たせてもよい)、むしろ従来の書類収納用ファイルよりも容易に書類名などを確認することができる。
さらに、和紙だけを用いた場合には、他の素材にどのようなものが用いられているかを気にする必要がないため、廃棄に伴う環境汚染のおそれがなく、地球環境保護への配慮も追求できる。
<効果>
本実施例の考案により、書類を適切に保存することができるという本来の機能とともに、見た目の美しさや地球環境保護への配慮も追求しつつ、簡単に製造することができ、調湿効果にも優れ、書き込みや印刷をすることもできる書類収納用ファイルを提供することが可能となる。
<概要>
本実施例の書類収納用ファイルは、実施例1の書類収納用ファイルと基本的に共通するが、保持した書類が書類収納用ファイルから脱落しにくいように配慮されていることを特徴とする。
<構成>
本実施例の書類収納用ファイルの構成は、実施例1の書類収納用ファイルと基本的に共通するが、これに加え、和紙がパルプの乾燥工程においてドライヤーのシリンダーへの非接触側の面が内側で対向するように配置されていることを特徴とする。
かかる構成の目的は、保持した書類が書類収納用ファイルから脱落しにくいようにすることにある。前出の図4を用いて説明したように、乾燥工程においてドライヤーのシリンダー接触していた側の面はすべすべした感触の面となり、シリンダーに接触していなかった側の面はざらざらした感触の面となる。そこで、ドライヤーのシリンダーへの非接触側の面を内側で対向するように配置すれば、ざらざらした面が内側になって書類と直接接触することになるため、書類を例えば書類収納用ファイルを縦にして開放部分が下に向くような状態で保持した場合などでも、書類収納用ファイルの内側面と書類との摩擦によって書類が書類収納用ファイルから脱落しにくくなる。
<効果>
本実施例の考案により、保持した書類が書類収納用ファイルから脱落しにくいようにすることが可能な書類収納用ファイルを提供することが可能となる。
<概要>
本実施例の書類収納用ファイルは、実施例1又は2の書類収納用ファイルと基本的に共通するが、書類収納用ファイルを家庭用のプリンターでも簡単に印刷できるように配慮されていることを特徴とする。
<構成>
本実施例の書類収納用ファイルの構成は、実施例1又は2の書類収納用ファイルと基本的に共通するが、これに加え、寸法が310mm×217mmであることを特徴とする。
かかる構成の目的は、書類収納用ファイルへの印刷を家庭用のプリンターでも簡単に行うことができるようにすることにある。
国際化の進展等に伴う文書のA4判化がますます進行、定着するなかにあって、書類収納用ファイルもA4判サイズ(210mm×297mm)の書類の収納用のものが大勢を占めるに至っている。A4判サイズの書類を収納するための書類収納用ファイルの大きさはこれより一回り大きいことが必要であることから、従来の多くの書類収納用ファイルの寸法は、220mm×310mmとなっている。
一方、一般家庭においても、A4判サイズまでの大きさの紙に対応できるプリンターが広く普及している。多くの場合、これらプリンターにはA4判サイズを若干超える大きさまで対応できるようにゆとりを持たせているが、書類収納用ファイルに印刷することまでは想定されておらず、既存の220mm×310mmサイズの書類収納用ファイルに印刷することができないというのが現状である。
そこで、本考案の考案者は、多くの家庭用プリンターのゆとりの程度を調べたところ、寸法が310mm×217mm以下であればほとんどの場合印刷できることが判明した。そこで、本実施例の書類収納用ファイルは、実施例1又は2の書類収納用ファイルにおいてその寸法が310mm×217mmであるものである。これにより、書類の適切な保存という本来の目的の達成を損なうことなく、書類収納用ファイルへの印刷を家庭用のプリンターでも簡単に行うことが可能となる。
<効果>
本実施例の考案により、家庭用のプリンターでも簡単に印刷を行うことができる書類収納用ファイルを提供することが可能となる。

Claims (5)

  1. 収納書類の少なくとも隣接二辺を突き当て保持可能なように二枚の表紙によって構成され、書類収納側となる内側面の全部または一部には露出した和紙が配置されている書類収納用ファイル。
  2. 前記表紙の全部または一部は一枚の和紙から構成されている請求項1に記載の書類収納用ファイル。
  3. 前記和紙はNBKP(長繊維)を30%以上含む和紙である請求項1又は2に記載の書類収納用ファイル。
  4. 前記和紙は、前記パルプの乾燥工程においてドライヤーのシリンダーへの非接触側の面が内側で対向するように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の書類収納用ファイル。
  5. 寸法が310mm×217mmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の書類収納用ファイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021091168A (ja) * 2019-12-11 2021-06-17 王子ホールディングス株式会社 クリアーホルダー

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