JP3167077B2 - 露光装置とこれを用いたデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置とこれを用いたデバイス製造方法

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシンクロトロン放射光を
用いた露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの回路パターンなどの微
細パターンを作成するための露光方法として、シンクロ
トロン放射光をマスク上のパターンをレジストを塗布し
たウエハに転写するX線露光方式が注目を浴びている。
シンクロトロンリングから放射されるシンクロトン放射
光は、垂直方向に薄いシート状のビームである。例え
ば、発光点から10m離れた位置においても放射光の垂
直方向の幅はわずか5mm程度であり、露光領域(25
〜30mm)に比べ小さい。そのため、シート状のビー
ムをX線ミラーで反射し、ミラーを振動(スキャン)す
ることによって露光領域上でビームを走査し、垂直方向
の照射領域を実質的に拡大する方式が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】ところが、何らか
の要因でミラーに対する入射ビームの位置変動が生じる
と、スキャンされた反射光の光路が変化し、露光精度に
悪影響を及ぼす。これを解決するためには、ミラーと入
射ビームとの相対位置ずれを検出してこれを補正する必
要があるが、ミラーが常に振動しているので、相対位置
ずれを検出することが難しい。
【0004】本発明は上記課題を解決すべくなされたも
ので、振動するミラーと入射ビームとの相対的な位置関
係を精度よく検出して補正することにより、精度の高い
露光を可能にする露光装置や、これを用いたデバイス製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、シンクロトロン放射光を用いて露光を行う露光装
置において、シンクロトロン放射光を反射するミラー
と、該ミラーを保持し、保持したミラーを振動させるた
めの駆動機構と、該ミラーに対する前記シンクロトロン
放射光の相対的な位置関係を検出する検出器と、該検出
器の出力を基に、前記シンクロトロン放射光に対する前
記ミラー位置を調整する調整機構とを有し、前記駆動機
構と前記検出器とは同一の基準で設置され実質的に両者
が一体化されると共に、前記調整機構によって前記基準
を動かして前記ミラー位置を調整することを特徴とす
る。
【0006】本発明では、シンクロトロン放射光に対す
る振動ミラーの位置を2つの成分に分離して考えること
を特徴とする。第1の成分は、振動ミラーの平均位置で
あり、これは露光中にビームが床に対して静止している
とき、振動の一周期中におけるミラーとビームの相対的
な平均位置と平均的な姿勢を指す。例えば、回転軸の回
りにミラーを回転させ視射角を露光中に10mradか
ら20mradまで等角速度で一往復させる場合、ミラ
ーの平均位置は視射角15mradのときのミラー位置
を指す。第2の成分は、ミラーの振動に伴って変化する
実位置であり、ミラー振動によって時々刻々と変わる入
射ビームに対するミラーの相対的な位置と姿勢である。
【0007】所望の駆動速度でミラーの振動が行なわれ
ている場合、露光量変動の原因となるのはミラーの平均
位置である。そこで本発明では、ミラーの駆動機構とビ
ーム位置検出器を同一の基準台に設置して、検出器の出
力に基づいてミラーの平均位置を常に一定に保つように
基準台を移動させるようにした。
【0008】
【実施例】
<実施例1>図1に本発明の第一の実施例を示す。1は
シンクロトロンリングから放射されたシート状のシンク
ロトロン放射光で、ビームポートを通じて導かれる。2
は導かれた放射光を反射するためのミラーであり、凸形
状を曲面有しているが平面ミラーであってもよい。3は
シート状の放射光を拡大するためにミラー2を振動(ス
キャン)するためのミラー駆動機構であり、ピエゾ素子
やリニアモータなどで構成される。4はミラー駆動機構
3を保持する基準台である。5はシンクロトロン放射光
のビーム位置を検出するためのX線位置検出器であり、
これも基準台4に設置されている。これにより、ミラー
駆動機構3とX線位置検出器5は実質的に一体化され、
両者の間で相対的な変位が起きないようになっている。
また、ミラー2とX線位置検出器5とはミラー駆動機構
3によって相対的な位置関係が変えられるようになって
いる。6はミラー2とX線位置検出器5と基準台4を収
納し、内部が超高真空に保たれたミラーチャンバ、7は
ミラーチャンバ6の姿勢を床14に対して位置調整する
ための駆動機構を備えたミラーチャンバ保持機構、8は
X線位置検出器5からの出力信号を処理し、入射する放
射光の位置を算出する演算装置、9は演算装置8からの
信号を受けてミラーチャンバ保持機構7を駆動するため
の制御装置である。また、10はX線マスク、11はウ
エハであり、両者はHe等のX線透過率の高い気体で満
たされた露光チャンバ12の中で近接して保持される。
13はミラーチャンバ側の超高真空と露光チャンバ側の
He雰囲気とを隔絶するための、Be等でできているX
線取出窓である。
【0009】図1の装置を放射光1の入射側から見た図
を図2に示す。放射光1がミラー2に照射されるのを妨
げないように、X線位置検出器5はミラー2の横に取り
付けられている。X線位置検出器5は2分割の受光素子
からなり、上下に2個の受光素子5a、5bが配設され
ている。
【0010】上記の構成において、ミラー2で反射され
たビームがマスク10上を垂直方向に走査するように、
ミラー駆動機構3によってミラー2を上下方向に振動さ
せる。ここで、ミラー2の実位置をy、そのときの移動
速度をv(y)とし、ミラー2の実位置がyの時のマス
ク10上の位置y′でのX線照射強度をP(y′,y)
とすると、位置y′の露光量D(y′)は、 D(y′)= ∫ P(y′,y)/v(y) dy となる。よって露光量D(y′)がy′によらず一定と
なるようにミラーの移動速度v(y)を決定すれば、露
光領域全体に渡って均一な露光量が得られる。
【0011】ミラー2を上下に移動した際に、マスク1
0の面上に照射されるビームの強度分布移動の様子を図
3に示す。図中の強度分布PnはP(y′,yn)を示
し、ミラー2の実位置がynの時の強度分布を示す。こ
の図から分かるように、ミラー2の実位置の移動に伴い
マスク面上に照射されるX線光束は強度を変化させなが
ら移動する。
【0012】ミラー2の実位置がy1寄り(図1の鉛直
方向の下方寄り)のときは、視射角(放射光1とミラー
2の入射面が作る角度)が大きいため反射率が小さく、
マスク上の照射光の強度も小さい。逆にミラー2の実位
置がy6の寄り(図1の鉛直方向の上方寄り)のとき
は、視射角が小さいため反射率が大きく、マスク上の照
射光の強度も大きい。したがって、上式から分かるよう
に、ミラーの実位置yが小さい時はミラーの速度v
(y)を小さく、ミラーの実位置yが大きい時はミラー
の速度v(y)を大きくなるように駆動すれば、位置
y′によらずマスク面上で一定の露光量が得られる。露
光領域をy′1からy′2とし、この範囲で均一な値とな
るようにして得られた露光量Dを図3に一点鎖線で示し
た。また、強度分布の包絡線を破線で示すが、不連続点
のない滑らかな曲線となる。
【0013】ところが、露光中に何らかの要因でミラー
2の平均位置がΔyだけ変化したとすると、包絡線に段
差が生じる。図4に放射光の位置が鉛直上方に変化した
場合、すなわちミラーの平均位置がy3の時に y3→y
3+Δy と変化した場合を示した。変化後の強度分布
P(y′,y3+Δy)は元の強度分布P(y′,y3
に対して、 P(y′,y3)<P(y′,y3+Δy) であり、ミラー2を前述のようにして求めた速度V
(y)で移動させると、図4の破線で示すようにマスク
面上の露光量Dは不均一となってしまう。
【0014】これに対処するため本実施例では、X線位
置検出器5によって放射光1とミラー2の反射面の平均
的な相対位置関係(ミラー2の平均位置)を常時測定し
ている。具体的には、X線検出器5の2つの受光素子5
a、5bの出力をそれぞれIa、Ibとし、 I=(Ia−Ib)/(Ia+Ib) を演算装置8で計算して求め、Iの変動によってミラー
2の平均位置の変化を得ている。そして、演算装置8で
ミラー2の平均位置の変化が検出されたら、直ちに制御
装置9によってチャンバ保持機構7を駆動して、変化量
に相当するΔy0だけ移動させ補正している。すると強
度分布はP(y′,y3+Δy +Δy0)となるので、
Δy0=−Δyとなるようにミラーチャンバ6を駆動す
れば、露光量Dはマスク面上の位置y′にかかわらず均
一となる。図5はこの補正した結果を示したものであ
る。
【0015】<実施例2>図6は第2の実施例の構成図
であり、先の図1と同一の符号は同一の部材を示す。本
実施例では、シンクロトロン放射光1に対するミラー2
の相対位置を調整するための調整機構として、ミラーチ
ャンバ6の内部に駆動機構15を設け、これによって基
準台4を保持している。そして、検出器5の検出出力に
基づいて駆動機構15によって基準台4を変位させる。
また、上記実施例と違って、ミラーチャンバ保持装置7
には駆動機構を設けず、床14に対してミラーチャンバ
は常に固定している。
【0016】<実施例3>図7は第3の実施例の構成図
であり、シンクロトロン放射光を走査するのに2枚ミラ
ー系とした例である。第1ミラー2aは水平方向のX線
を集光できるようにトロイダル形状を成し、第2ミラー
2bが揺動し領域を拡大する。
【0017】X線位置検出器5の検出に基づいて、演算
装置8は第1ミラー2aに入射する放射光の平均位置を
測定し、平均位置がΔy変動した場合、駆動装置9によ
るミラー振動制御にΔy分のオフセットを与えるように
チャンバ保持機構7を駆動し、入射する放射光に対する
ミラーの平均位置を一定に保つようにする。
【0018】なお、必ずしも第1ミラー2aの手前で放
射光位置を測定する必要はなく、第1ミラー2aと第2
ミラー2bの間で放射光位置を測定するようにしても良
い。さらに、第1と第2ミラーの両方に入射する放射光
の位置を測定するようにしても良い。
【0019】<実施例4>図8は第4の実施例の構成図
である。本実施例では、ミラー2を振動させるためのミ
ラー駆動装置3が、ミラー2の平均位置の補正も兼ねる
ようにしたことを特徴とする。先の実施例のような基準
台は設けていないが、X線位置検出器5とミラー駆動機
構3は共にミラーチャンバ6に内部に固定され、実質的
に両者は一体化されている。
【0020】ここで、チャンバ6を基準にした(言い換
えれば、床14を基準にした)放射光1の絶対位置をy
s、ミラー2の絶対位置をy″とし、さらにミラー2の
駆動速度は絶対位置のy″の関数V(y″)として以下
説明する。
【0021】露光中にX線位置検出器5によってys
測定していた放射光の位置が、時刻tにys+Δyと変
化したと検出されたならば、ミラー2の平均位置(放射
光とミラーの相対的な位置)がy−Δyに変化したこと
を意味する。そのままであると、先の図4で示したよう
な露光ムラを生じてしまうので、ミラー2の絶対位置を
直ちにΔy0だけ移動する。Δy0=Δyとすることによ
ってミラーの平均位置を一定に保つことができる。
【0022】これをミラー駆動装置3側から見ると、は
じめ絶対位置y″1を中心として速度V(y″)で駆動
していたミラー2を、時刻tでの変動後はΔyのオフセ
ットが与えられて絶対位置y″1+Δyを中心とし速度
V(y″+Δy)で駆動することになる。
【0023】<変形例>なお、以上説明してきた実施例
では、凸面ミラーを上下に平行振動して走査を行う方式
の例を示したが、凹面又は凸面ミラーを回転振動させる
方式、あるいは平面ミラーを上下又は回転振動させる方
式など、さまざまなミラー振動方式に適用することがで
きる。さらに、ミラー面の微小な形状誤差や傷などにに
よる露光量ムラを緩和するためにミラーを微小に振動さ
せる方式にも適用することができる。
【0024】ミラーを回転振動させるための機構の例と
しては、一軸を中心にモータやピエゾ素子によって回転
振動を与える構成、あるいはミラーを複数個のリニアア
クチュエータで保持し、各アクチュエータによる駆動の
位相をずらして回転運動を与える構成などが挙げられ
る。
【0025】<実施例5>次に上記説明した露光装置を
利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図9
は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶
パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)
の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)では半
導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク
製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製
作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン
等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエ
ハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクと
ウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に
実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は
後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハ
を用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ
工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工
程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)
ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認
テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程
を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ
7)される。
【0026】図10は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ
上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオ
ン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ1
5(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ス
テップ16(露光)では上記説明した露光装置によって
マスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステッ
プ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステッ
プ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部
分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッ
チングが済んで不要となったレジストを取り除く。これ
らのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上
に多重に回路パターンが形成される。本実施例の製造方
法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導
体デバイスを製造することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の露光装置によれば、ミラーに対
するシンクロトロン放射光の位置が変動しても、露光領
域全面に渡って均一な露光量が得られ高精度な露光が可
能となる。また、この露光装置を用いてデバイスを製造
すれば、従来よりも高集積度のデバイスを製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の露光装置の構成図であ
る。
【図2】図1の装置を側面から見た図である。
【図3】露光領域での照射強度分布と露光量を説明する
ための図である。
【図4】露光領域での照射強度分布と露光量を説明する
ための図である。
【図5】露光領域での照射強度分布と露光量を説明する
ための図である。
【図6】第2実施例の露光装置の構成図である。
【図7】第3実施例の露光装置の構成図である。
【図8】第4実施例の露光装置の構成図である。
【図9】半導体デバイスの製造フローを示す図である。
【図10】ウエハプロセスの詳細なフローを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 シンクロトロン放射光 2 X線ミラー 3 ミラー駆動機構 4 基準台 5 X線位置検出器 6 ミラーチャンバ 7 チャンバ保持機構 8 演算装置 9 制御装置 10 X線マスク 11 ウエハ 12 露光チャンバ 13 X線取り出し窓 14 床 15 ミラー駆動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−129188(JP,A) 特開 昭63−298199(JP,A) 特開 平3−76108(JP,A) 特開 平3−288422(JP,A) 特開 平3−119716(JP,A) 特開 平1−199188(JP,A) 特開 平2−234413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03B 27/32 G03F 7/20 503 G03F 7/20 521

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンクロトロン放射光を用いて露光を行
    う露光装置において、シンクロトロン放射光を反射する
    ミラーと、 該ミラーを保持し、保持したミラーを振動させるための
    駆動機構と、 該ミラーに対する前記シンクロトロン放射光の相対的な
    位置関係を検出する検出器と、 該検出器の出力を基に、前記シンクロトロン放射光に対
    する前記ミラー位置を調整する調整機構とを有し、 前記駆動機構と前記検出器とは同一の基準で設置され
    質的に両者が一体化されると共に 前記調整機構によっ
    て前記基準を動かして前記ミラー位置を調整することを
    特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】前記調整機構は 前記駆動機構及び前記検
    出器を共に保持する基準台を床に対して変位させる機構
    を有することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 【請求項3】前記ミラーと前記駆動機構を内部に保持し
    チャンバを有することを特徴とする請求項1記載の露
    光装置。
  4. 【請求項4】前記調整機構は前記チャンバを床に対して
    変位させる機構を有することを特徴とする請求項3記載
    の露光装置。
  5. 【請求項5】前記調整機構は 前記駆動機構及び前記検
    出器を共に保持する基準台を前記チャンバの内部で変位
    させる機構を有することを特徴とする請求項3記載の露
    光装置。
  6. 【請求項6】前記チャンバ内部に前記駆動機構及び前記
    検出器を固定して実質的に両者を一体化したことを特徴
    とする請求項3記載の露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか記載の露光装
    置を用いて露光を行う工程を有することを特徴とするデ
    バイス製造方法。
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