JP3166830U - 通路付きハッチコーミング - Google Patents

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Abstract

【課題】コンテナ貨物船において、上甲板上にコンテナを2列積載した場合でも、船幅を広げる必要が無く、ハッチカバーの開口を小さくする必要も無く、かつ、上甲板上を通って船首部へ行くことが可能なハッチコーミング構造を提供する。【解決手段】コンテナ船等の貨物船の貨物倉ハッチコーミングの船体縦方向の一方または双方のサイドに船体縦方向に通行する通路を配置した。【選択図】図3

Description

本考案は、貨物船におけるハッチコーミング構造に関する。
コンテナ船の船側交通装置の例として、例えば、特開平8−091284号公報に開示のものが知られている。特開平8−091284号公報に開示のものは、発明名称「コンテナ船の船側交通装置」に係り、「狭い船側通行路であっても支障なく通行することができるようにしたコンテナ船の船側交通装置を提供」を目的とし(同公報明細書段落番号0005参照)、「ハッチコーミングと船側外板との間に位置する上甲板上を船側通行路として使用し且つ該船側通行路に所要間隔を隔ててコンテナポストが立設してあるコンテナ船における上記船側通行路の各コンテナポストの外側位置に、コンテナポストの外側を通行できるようにするための折り畳み式の歩廊を、舷外に水平に張り出して展張されるように取り付けてなる」構成とすることにより(同公報明細書特許請求の範囲請求項1参照)、「不使用時等には、折り畳むことにより船幅からはみ出ることがないように歩廊を格納状態とすることができ、一方、上甲板上での作業で船側通行路を通行するようなときには、歩廊を展張させて舷外へ水平に張り出させることにより、歩廊をコンテナポスト部での迂回路として使用することができ、狭い船側通行路のコンテナポスト部での乗組員と乗組員あるいは運搬している荷物とのすれ違いを円滑に行わせることができて、狭い船側通行路でも支障なく通行することができるようになり、又、歩廊を船側通行路に沿わせて船首尾方向に連続的に配置することにより、狭い船側通行路を全面的に広くして使用することができて更に有利となる」等の効果を奏するものである(同公報明細書段落番号0023参照)。
図7は、同公報に図1として開示されるコンテナ船の船側交通装置の一実施例を示す概要図であり、図7において、符号101は、船体、103は、コンテナ、104は、ハッチ、105は、ハッチコーミング、106は、ハッチカバー、107は、上甲板、108は、コンテナポスト、109は、船側外板、110は、手摺り、111は、船側通行路、112は、歩廊、114は、支柱、115は、床材、116は、手摺り枠、117は、手摺りを示す。
しかしながら、この種の従来のコンテナ船にあっては、図4に示すように、貨物倉102の上部のハッチコーミング105の上には、通常、ハッチカバー106が設けられており、該ハッチカバー106サイドの上甲板107上にコンテナ103を2列積載した場合、居住区(図示外)から船首部(図示外)に人が移動するための通路、つまり、上甲板107上に船首部(図示外)までの通路を確保することができず、上甲板107上を通って船首部へ行けないという問題があった。
図4は、この種の従来のコンテナ船101のハッチカバー106サイドの上甲板107上にコンテナ103を2列積載した場合を示す概略図であり、図4において、符号101は、コンテナ船(貨物船)の船体、102は、貨物倉、103は、コンテナ、105は、ハッチカバー、106は、ハッチコーミング、107は、上甲板、109は、船側外板である。
なお、前記ハッチカバー106サイドの上甲板107上にコンテナ103を2列に積載する場合でも、前記上甲板107上を通って船首部へ行くための通路を確保するため、前記貨物船の船体101の船幅を広げることも考えられるが、船幅制限により、船幅を広げることができない。
このため、図5に示すように、貨物船の船体101のハッチカバー106サイドの上甲板107上にコンテナ103を1列のみ積載することにより、上甲板107上に船首部までの通路を確保するようにしていた。
図5は、前記ハッチカバー106サイドの上甲板107上にコンテナ103を1列のみ積載する場合の概略図であり、符号は、図7及び図4において用いた同じ部材は同じ符号によって示す。
図5から明らかなように、前記ハッチカバー106サイドの上甲板107上にコンテナ103を1列のみ積載するようにすると、1列分であっても積載貨物量が減少するという問題がある。
そこで、本願考案者は、前記ハッチコーミング105及びそれを覆う前記ハッチカバー106近辺について種々検討するうちに、前記ハッチコーミング105の開口部は、前記上甲板107から立ち上がり、その後、傾斜する肩部121を有し、続いて、この肩部121から垂直に立ち上がる壁122があり、次いで、この立ち上がり壁122から水平に前記ハッチカバー106を載置する平面部123からなる形状であることを発見した。
図6は、この種のコンテナ船のハッチコーミング105近辺の断面概略図であり、この種のコンテナ船のハッチコーミング105近辺は、横方向断面から見ると、前記上甲板107から前記ハッチコーミング壁120が立ち上がり、この壁120に続いて前記肩部121が形成され、次いでこの肩部121から垂直に立ち上がる壁122、さらに、この壁122から水平に所定幅の平面部123からなる。
そこで、前記傾斜する肩部121は、そのままでは人の通行に適さないが、幅方向から見ると、若干の平面スペースS1が存在する。また、前記ハッチコーミング105には、前記ハッチカバー106を載置する前記平面部123が存在し、前記ハッチカバー106によって覆われた後にも、当該ハッチカバー106の外側には幅方向に若干のスペースS2がある。このことを発見した本願考案者は、該幅方向のスペースS1と前記ハッチカバー106の外側のスペースS2に着目して、前記ハッチカバー106下端位置に前記スペースS1+S2の幅の通路付きハッチコーミングとすれば上記問題点は容易に解決することを見いだした。
特開平8−091284号公報
そこで、本願考案者は、コンテナ貨物船において、上甲板上にコンテナを2列積載した場合でも、船幅を広げる必要が無く、ハッチカバーの開口を小さくする必要も無く、かつ、上甲板上を通って船首部へ行くことが可能な通路付きハッチコーミング構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願請求項1に係る考案は、通路付きハッチコーミングにおいて、コンテナ船等の貨物船の貨物倉ハッチコーミングの船体縦方向の一方または双方のサイドに船体縦方向に通行する通路を配置したことを特徴とする。
本願請求項2に係る考案は、前記請求項1に係る通路付きハッチコーミングにおける前記通路は、上甲板から前記ハッチコーミング壁が立ち上がり、この壁に続く傾斜する肩部が形成され、次いでこの肩部から垂直に立ち上がる壁、さらに、この壁から水平に所定幅のハッチカバーが載置される平面部からなるハッチコーミングにおいて、前記平面部の高さ位置に水平に当該ハッチコーミングに添って形成される通路用鋼板及びこれを支える補強板とからなるものであることを特徴とする。
本願請求項3に係る考案は、前記請求項2に係る通路付きハッチコーミングにおける前記通路は、前記肩部の幅方向スペース及び前記ハッチカバーが載置される平面部の残余の幅方向スペースからなることを特徴とする。
本願請求項4に係る考案は、前記請求項3に係る通路付きハッチコーミングにおける前記通路は、前記肩部の幅方向スペースと前記平面部の残余の幅方向のスペースとを合わせて通路幅600mm以上であることを特徴とする。
本願請求項5に係る考案は、前記請求項1ないし4のいずれかに係る通路付きハッチコーミングにおける前記通路の前後に傾斜梯子または垂直梯子が配置されたことを特徴とする。
本願請求項6に係る考案は、前記請求項1に係る通路付きハッチコーミングにおける前記通路は、複数のハッチコーミングが存在する場合に、複数の通路付きハッチコーミング間を掛け渡す掛け渡し通路が配置されたことを特徴とする。
本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
(1)コンテナ船等の貨物船において、上甲板上にコンテナを2列積載可能とし、かつ、コンテナ2列を積載した場合でも、船幅を広げることなく、また、ハッチカバーの開口を小さくすることもなく、上甲板上を通って船首部への通行を可能とする。
(2)また、積載貨物量を上甲板通行のために減少させることがないという効果を有する。
本考案に係る通路付きハッチコーミングを実施するための形態の一実施例である通路付きハッチコーミングの実施例1の断面概略図、 本考案に係る通路付きハッチコーミングを実施するための形態の一実施例である通路付きハッチコーミングの実施例1を示す概略斜視図 本考案に係る通路付きハッチコーミングを実施するための形態である実施例2に係る通路付きハッチコーミングの概略図、 従来のコンテナ船のハッチカバーサイドの上甲板上にコンテナを2列積載した場合を示す概略図、 従来のコンテナ船のハッチカバーサイドの上甲板上にコンテナを1列のみ積載する場合の概略図、 従来のコンテナ船のハッチコーミングの断面概略図 特開平8−091284号公報に図3として開示されるコンテナ船の船側交通装置の一実施例を示す概要図である。
本考案に係る通路付きハッチコーミングを実施するための最良の形態である通路付きハッチコーミングの一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本考案に係る通路付きハッチコーミングを実施するための形態の一実施例である通路付きハッチコーミングの実施例1の断面概略図である。図1において、符号1、1は、通路であり、2、2は、前記ハッチコーミング105両サイドに船体縦方向に、前記ハッチコーミング105の前記肩部121上に、前記平面部123の高さ位置に水平に当該ハッチコーミング105に添って形成される通路用鋼板、3、3、・・は、該通路用鋼板2、2を補強する補強板である。
ハッチコーミング壁120、立ち上がり壁122及び肩部121、平面部123は図6に示す同じ部材・部所であり、同じ符号で示した。なお、前記通路用鋼板2の幅は、前記ハッチコーミング105の前記ハッチコーミング壁120からの幅であっても良いが、前記コンテナ103の積み付け位置は、若干、当該ハッチコーミング壁120より間隔を開けて積みつけられることもあり、前記ハッチコーミング壁120より若干外側からの幅であっても良い。好ましくは、前記スペースS1+スペースS2上に、緊急時に着用する自蔵式呼吸具及び防護装備を着用した者でも通行可能なように、当該自蔵式呼吸具のボンベ径150ミリメートル(mm)、人の肩幅平均約400ミリメートル(mm)、さらに、左右両側に100ミリメートル(mm)の余裕を見て、通行用の通路幅として、600ミリメートル(mm)以上であることが望ましい。
また、図2は、本考案に係る通路付きハッチコーミングを実施するための形態の一実施例である通路付きハッチコーミングの実施例1の前記ハッチコーミング105の片側を示す概略斜視図であり、前記通路用鋼板2、2が、前記平面部123と面一状態で水平に前記ハッチコーミング105に添って配置され、その下に適宜の間隔で前記補強板3、3、・・・が、前記肩部121または前記立ち上がり壁122に固定され、前記通路用鋼板2、2を支える構造を示している。
図2から明らかなように、前記通路用鋼板2、2が船体縦方向に前記ハッチコーミング105の両サイドに配置され、前記平面部123と面一状態で水平に配置されるので、前記平面部123が前記ハッチカバー106で覆われて残されたスペースS2と相まって人の通行に充分な通路1を形成する。このように、ハッチコーミング105の両サイドに前記通路用鋼板2、2および補強板3、3、・・を設けることにより、ハッチカバー106サイドのハッチコーミング105の両サイドに船首部へ行くための通路1、1を確保することができる。
図3は、本考案に係る通路付きハッチコーミングを実施するための形態である実施例2に係る通路付きハッチコーミングの概略図である。
上述してきたように、上記実施例1に係る通路付きハッチコーミングは、前記ハッチコーミング105の両サイドに前記通路用鋼板2、2および補強板3、3、・・を設けることにより、ハッチカバー106サイドのハッチコーミング105に船首部へ行くための通路1、1を形成したものであるが、本実施例2に係る通路付きハッチコーミングは、当該通路の前後に前記上甲板107から昇降することができる傾斜梯子4、4を設け、人の通行に容易となるようにしたものである。
本実施例2に係る通路付きハッチコーミングによれば、上甲板107上を船首部に向かい、ハッチコーミング105に至る場合には、該ハッチコーミング105の後部に配置される前記傾斜梯子4、4により、前記通路1,1に上り、通行し、前記ハッチコーミング105を通過したら、前部配置される前記傾斜梯子4、4に降りて再び前記上甲板107上を通行して船首部へ移動する。
また、本実施例2において、前記ハッチコーミング通路への昇降には、前述する前後の傾斜梯子4、4によって可能としたが、これは傾斜梯子4、4に限るものではなく、同様に前後に配置する垂直梯子(図示外)であっても良い。
また、ハッチコーミングが、複数存在する船体にあっては、当該通路付きハッチコーミング間を掛け渡す掛け渡し通路(図示外)を設けて、各通路間を通行できるようにしても良い。
本考案は、コンテナ船等の貨物船に利用される。
1 通路
2 通路用鋼板
3 補強板
4 傾斜梯子
101 船体
102 貨物倉
103 コンテナ
105 ハッチコーミング
106 ハッチカバー
107 上甲板
120 ハッチコーミング壁
121 肩部
122 立ち上がり壁
123 平面部
S1、S2 スペース

Claims (6)

  1. コンテナ船等の貨物船の貨物倉ハッチコーミングの船体縦方向の一方または双方のサイドに船体縦方向に通行する通路を配置したことを特徴とする通路付きハッチコーミング。
  2. 前記通路は、上甲板から前記ハッチコーミング壁が立ち上がり、この壁に続く傾斜する肩部が形成され、次いでこの肩部から垂直に立ち上がる壁、さらに、この壁から水平に所定幅のハッチカバーが載置される平面部からなるハッチコーミングにおいて、前記平面部の高さ位置に水平に当該ハッチコーミングに添って形成される通路用鋼板及びこれを支える補強板とからなるものであることを特徴とする請求項1に記載の通路付きハッチコーミング。
  3. 前記通路は、前記肩部の幅方向スペース及び前記ハッチカバーが載置される平面部の残余の幅方向スペースからなることを特徴とする請求項2に記載の通路付きハッチコーミング。
  4. 前記通路は、前記肩部の幅方向スペースと前記平面部の残余の幅方向のスペースとを合わせて通路幅600mm以上であることを特徴とする請求項3に記載の通路付きハッチコーミング。
  5. 前記通路の前後に傾斜梯子または垂直梯子が配置されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の通路付きハッチコーミング。
  6. 前記通路は、複数のハッチコーミングが存在する場合に、複数の通路付きハッチコーミング間を掛け渡す掛け渡し通路が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の通路付きハッチコーミング。
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