JP3166773U - 車椅子用クッション - Google Patents

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Abstract

【課題】 車椅子用クッション単体で車椅子用クッションと洋式便器の補高便座として複用できる車椅子用クッションの提供。【解決手段】 リング状の切り込みを設けて中央部分と周辺部分に二分し、両部分を分離且つ合体可能とした車椅子用クッションである。【選択図】図1

Description

本考案は、車椅子用クッションに関し、更に詳しくは主として車椅子用クッションとして用いるほか便座に転用することのできる車椅子用クッションに関する。
車椅子は身体の機能障害により歩行困難となった人の移動に使われる用具である。
車椅子は屋内、屋外を問わず利用されるものであり、その名前の示すとおり利用者は座った状態で使用するものである。
車椅子は近時の高齢者社会を反映してその需要も多くなると同時に利用者の種類、状態また利用態様も多種多様になってきている。
例えば独力では全く歩行が出来ず、車椅子の乗り降りも自分では出来ないで介護者の助けを借りなければならない人や長い時間の歩行は無理であるが車椅子への乗り降り程度は他に掴まるもの等があればそれを利用して自分で行なうことが出来る人など利用者の利用態様は非常に多種である。
車椅子の利用はその目的から短時間の利用よりは比較的長時間の利用が多くなる。
車椅子の乗り降りを殆ど他者の助けを借りずに独力で行なうことが出来る人の場合、特に車椅子を降りるために座っている状態から立ち上がろうとする時、車椅子を利用する人が身体の機能障害により歩行困難となった人等であるため健常者に比べれば立ち上がる動作が大きな負担になり、特に立ち上がり動作においては車椅子から降りるための初期動作である車椅子から立ち上がるだけの動作において車椅子の座面の高さは非常に大きく影響するものである。
座面の高さが僅か数センチメートル高いために車椅子からの立ち上がりが出来ないことは日常的な実際の現象である。もし車椅子の座高があと数センチメートル高ければ掴まり立ちにしろ立ち上がることが可能なのである。
即ち特に車椅子から立ち上がるときには腕、脚を使って立ち上がることになるが機能障害を持つことにより健常者のように充分に力を出すことが出来ないため、座面の高さが僅かに低いために立ち上がることが出来ない。
この立ち上がりの可能不可能はほんの僅かな座面の高低によって影響される。
上記のように車椅子の利用者の種類、状態また利用態様が多種多様になってきているのでそれらの全てに対応できる車椅子を一般的な用具として製造、販売することは実際問題として難しいし、現実にそのような用具は提供され製造販売されていないことがその問題の本質を表していると言える。
従って殆どの利用者は自分に出来るだけ適合した汎用の車椅子に可能な範囲で改良を加えたり好適な補助的用具を付加したりして使用することになる。
車椅子の付属品として最も一般的なものが車椅子の座面に置くクッションである。
クッションを利用する目的は座位の安定、長時間使用の疲労の軽減、座高の調節など色々である。そのような種々の使用目的に合わせて材質、形状、性能などこれも非常に多くのクッションが提供されている。
他方、汎用の車椅子は座面から見ると標準型、低床型、高床型があるが最も一般的で最も多く利用されているのは当然標準型である。
標準型、低床型、高床型は夫々目的があって座面の高さに高低があるのであるが、一台の車椅子で高低が自由に変化させることが出来るものは汎用のものでは見当たらない。
上記したように座面の高さは車椅子の乗り降りを殆ど他者の助けを借りずに独力で行なうことが出来る人の場合においては特に非常に大きな影響をもたらすことになる。
このような高低の調整は一般的にクッションを使用して調整される。車椅子についてだけ見ればクッションによる高低の調整で充分であるといえる。
他方、車椅子を利用して上記のような座面の高低が問題になる人にとっては、車椅子を使用しているときの用便時、洋式便器を使用する場合に全く同じ問題が生じる。
場所が自宅であって使用するトイレが同じトイレであればトイレ或いは洋式便器に必要な対策を講じておけばよいが外出時の常時使用するトイレではないときにはこの問題は重要な問題となる。
即ち、洋式便器には座高の高さを自由に調節可能とする機能を持つものは一般的にはなく、洋式トイレの座面の高さは健常者に都合のよい高さが一般であるので車椅子を必要とする障害者にとっては低いのである。
洋式便器だけについて見れば、洋式便器の座高の高さを補高するためにはトイレ毎に歩行用の補助便座を備え付けておけばよいのであるが、実際問題としては特に車椅子を利用する身障者が外部で使用することになる公共的トイレにそのような補高便座を常備することは現実的ではないし、そのような補高便座を常備したとしても衛生的な問題などで普及が進むことは考え難い。
このような事情を考えた場合、車椅子を利用して外出する時には常に独立した用具である補高便座を携行すればよいが補高便座はそれなりにかさばるものであり使用時以外は通常は無用の長物であるので荷物になるだけの邪魔物感が強い。
実用新案登録第3130702号公報 特開2007−151997号公報 特開2001−95721号公報
本考案は上記のような問題点を克服し、補高便座を態々別体として携行することなく通常は当たり前の車椅子用クッションとして車椅子における座位の安定化のためのものとして普通に使用し、必要になったときにそのクッションを補高便座として転用、使用できる一つ二役の車椅子用クッションを提供するものである。
本考案の車椅子用クッションは、クッションにリング状の切り込みを設けて中央部分と周辺部分に二分し、両部分を分離且つ合体可能とした車椅子用クッションである。
本考案のクッションの平面形状は車椅子の座面シート部の形状が方形であるので方形であることが好適であるが楕円状或いは円形であってもよい。使用者の座位の安定が得られる形状であればどのような形状であってもよい。
リング状の中央部分の形状(切り込みの形状)をどのような形状にするかは周辺部分が補高便座として使用するものであるから周辺部分の形状によって決まるといえるが、周辺部分と中央部分は合体したときには両者が極めて容易には分離せず有る程度緊密に合体していることが好ましい。
従って周辺部分の内側の輪郭と中央部分の外側の輪郭は一定の相対的位置で同じであることがよく、そのことは車椅子のクッションとしての用途からしても合体したときに全体の一部に空隙があることは好ましくないことからも導かれることであるが、長時間使用、或いは使用する材質による床ずれの予防、部分的な痛みの防止などを目的として部分的に空隙を設けるなどのために両者の輪郭を同じでなくすることは問題ない。
クッションの周辺部分には一部切り欠き部を設けてもよい。この切り欠き部は中央部分の着脱を容易にする作用があると同時に周辺部分を洋式便器の補高便座として使用するときに不必要な汚れを避けることが出来る場合がある。
車椅子用クッションの厚さは周辺部分の洋式便器の便座の補高と車椅子のためのクッションであるという両方の目的から決められるものであり、特定されるべきものではない。
従って全体が均一な厚さである必要はなく部分的に厚さに違いがあってもよい。
クッションの中央部分の底面に周辺部分とほぼ同じ形状の鍔部を張り出させてもよい。周辺部分と中央部分を合体したときには周辺部分はこの鍔部に乗る形になり、車椅子用クッションとして使用するときにクッション全体が安定化する。
中央部分と周辺部分との接合部即ち切込み部分は切込み全体においてクッション面に対してほぼ垂直であってよいがクッションの下面に向けて窄まる形状としてもよくまたその逆であってもよい。
中央部分と周辺部分との接合部即ち切込み部分は切込み全体においてクッション面に対してほぼ垂直とした場合またクッションの上面に向けて窄まる形状としたときには中央部分の底部に外側に張り出す鍔部を設けてその鍔部にクッションの周辺部分が乗る構成とすると車椅子用クッションとして使用した場合安定性がまして好ましい場合がある。
クッションの下面には一部又は全体に凹凸を設けることが出来る。凹凸を設けることによってクッション性をよくすることが出来る場合があり、また車椅子に使用しているときの部分的通気性をよくすることが出来る。
クッションの素材は一般的な車椅子用クッションに使用されている常套のもの、例えばウレタンフォーム、エアクッションなどどのようなものであってもよく制限は無い。
本考案の車椅子用クッションの平面形状は円座型、角坐型その他車椅子に適合する形状であれば制限はない。車椅子に適合するのであればクッションの周辺部分は補高便座として使用するので、通常の洋式便器に便座の形状に合わせて円座型が好ましいと言える。しかし、角座型であっても補高便座として使用するときに外側部分が一部洋式便器の便座からはみ出るというだけのことであるので大きな支障はない。
現在一般的な車椅子用クッションは心材にカバーがかけられているものが殆どであるが、本考案の車椅子用クッションにおいても同じようにカバーがけしてよいことは勿論である。
本考案の車椅子用クッションは通常は車椅子用クッションとして使用しながら車椅子利用中に用便の必要が発生したときには車椅子用クッションを分解して周辺部分だけを洋式便器の補高便座として使用し終われば元に戻して車椅子用クッションとして使用を継続することが出来る、即ち一つの用具を二つの用途に使用でき、独立した用具としての補高便座を別途態々携行すると言う不便、煩わしさがなく、車椅子の利用者の身軽な車椅子の利用、移動を可能にする。
本考案の車椅子用クッションの平面図である。 図1のII−II線縦断面図である。 本考案の車椅子用クッションの周辺部分の斜視図である。 本考案の車椅子用クッションの中央部分の斜視図である。 本考案の車椅子用クッションの斜視図である。 図5のVI−VI線縦断面図である。 本考案の車椅子用クッションの中央部分の斜視図である。 本考案の車椅子用クッションの平面図である。 本考案の車椅子用クッションの中央縦断面図である。
図1は本考案の車椅子用クッションを示す。
図において1はクッション、2は切込み、3は周辺部分、4は中央部分である。
このクッションは周辺部分及び中央部分共にウレタンフォーム製である。
図2は図1のII−II線縦断面図であり、切り込み2は図2に示すように座面に対してほぼ垂直である。
図3は図1の車椅子用クッションを中央部分4と周辺部分3に分離した状態の周辺部分3を示す斜視図であり、図4は同じくその場合の中央部分4を示す斜視図である。
図5は車椅子用クッション1の中央部分4の底側に鍔部5を張り出させた車椅子用クッションの斜視図であり、図6は図5のVI−VI線縦断面図である。
この張設した鍔部5はクッションの中央部分4よりもやや硬めの軟質プラスチック製シート材を中央部分4に接着してある。
この鍔部5の平面形状は車椅子用クッションの周辺部分3の形状とほぼ同じであり、周辺部分3は鍔部5に載るかたちになる。
図7は図5の車椅子用クッションの鍔5付きの中央部分4の斜視図である。
図8は車椅子用クッションの周辺部分3の一部に切り欠き部6を設けた車椅子用クッションの平面図である。
図9は車椅子用クッションの中央部分4が下側に向けて窄まるように切り込まれている構成の車椅子用クッションの図6と同様の中央縦断面図である。
この構成の車椅子用クッションは上下の区別を設けていないものである場合には中央部分の上窄みかあるいは下窄みかは車椅子の座面へどちら側を上にして置くかにより自在に変えられるものであり、多少の使い勝手が異なるので使用者が都合に合わせて置けばよいものである。
1 車椅子用クッション
2 切込み
3 周辺部分
4 中央部分
5 鍔部
6 切り欠き部

Claims (3)

  1. クッションにリング状の切り込みを設けて中央部分と周辺部分に二分し、両部分を分離且つ合体可能とした車椅子用クッション。
  2. クッションの中央部分の底面に周辺部分とほぼ同じ形状の鍔部を張り出し設けた請求項1の車椅子用クッション。
  3. クッションの中央部分に切り欠き部を設けた請求項1の車椅子用クッション。
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