JP3166371U - 自転車用防雨具 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の大きさの自転車に容易に適合させるとともに降雨時に自転車を運転しているときに下半身が濡れないようにすることができ、煩雑な取付けや取外しの操作を要せず、コンパクトに収納することができる自転車用防雨具を提供する。【解決手段】自転車の前面部に取り付けられる自転車用防雨具1であって、自転車の前輪部が挿入可能に逆U字型に形成されたフレーム本体2と防雨シート3とを有し、フレーム本体2の背面上部にフレーム本体2を自転車のハンドルポストに固定するためのハンドルポスト固定部4が設けられ、フレーム本体2の下部にフレーム本体2を自転車のハブに固定するためのハブ固定部6が設けられ、フレーム本体2の側部と防雨シート3の側端部を固定するための防雨シート固定用フレーム8とが伸縮可能な腕部7a,7bを介して連結され、防雨シート3がフレーム本体2と防雨シート固定用フレーム8との間に配設されていることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本考案は、自転車用防雨具に関する。さらに詳しくは、降雨時に自転車を運転しているときに主として下半身が雨に濡れないようにするための自転車用防雨具に関する。
自転車を運転しているときに降雨が運転者の脚部などにかからないようにするために、従来、二輪車の車体前部にレッグシールドを備えることが提案されている。降雨時における防雨効果が高められたレッグシールドとして、サイドバイザーが回動可能に装着されたレッグシールドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このレッグシールドは、二輪車に固定されているものであるため、晴天時などのようにレッグシールドが不必要なときにこれを取り外すことができず、さらに走行時の空気抵抗がレッグシールドによって大きくなるため、人力によって駆動する自転車に適しているとはいえない。
自転車の前端部に着用される自転車の雨除け具として、自転車に固定するための基枠の上端部の両側に防雨カバーが取り付けられ、当該防雨カバーの幅方向の下端に翼片が張設された自転車用の雨除け具が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この自転車用の雨除け具は、自転車の幅方向に延伸する芯材が防雨カバーの裏面側に設けられているため、当該雨除け具を自転車に装着したとき、常に自転車のハンドルを覆うように防雨カバーが自転車の幅方向に拡張することから、前記レッグシールドと同様に、晴天時などのように防雨カバーが不必要なときにこれを取り外すことができず、さらに走行時の空気抵抗が防雨カバーによって大きくなるため、人力によって駆動する自転車に適しているとはいえない。
天候が変わるごとに煩雑な取付けまたは取外しの操作を必要とせず、使用しないときにはコンパクトに収納することができる自転車のハンドルに取り付けられる雨天時膝濡防止簡易幌として、長手方向に内部空間と貫通するように溝が設けられた金属パイプと幌とを有し、前記幌が金属パイプの溝を介して金属パイプ内に収納され、前記幌を出し入れ自在となるように構成されている自転車用雨天時膝濡防止簡易幌が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この自転車用雨天時膝濡防止簡易幌を自転車のハンドルに取り付けて金属パイプ内に収納されている幌を地面方向に延伸させ、その下端部を幌張時下部支止金具に固定して使用したとき、幌が自転車の走行時に生じる向かい風によってばたつき、自転車のペダルを足で踏みこむときに幌が膝と接触するおそれがある。
また、降雨時に自転車を運転しているときに主として下半身が濡れないようにすることができ、天候が変わるごとに煩雑な取付けまたは取外しの操作を必要とせず、使用しないときにはコンパクトに収納することができる自転車用防雨具として、ハンドル固定用ロッドおよび防雨用透明シートを有し、ハンドル固定用ロッドの両端に伸縮性ロッドが装着され、ハンドル固定用ロッドおよび各伸縮性ロッドの先端部にシート支持体の一端が取り付けられ、各シート支持体に防雨用透明シートが取付けられている自転車用防雨具が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
前記自転車用防雨具は、降雨時に自転車を運転しているときに主として下半身が濡れないようにすることができ、天候が変わるごとに煩雑な取付けまたは取外しの操作を必要とせず、使用しないときには防雨用透明シートをコンパクトに収納することができるとともに、自転車の走行時に生じる向かい風によって防雨用透明シートがばたつくこともないという優れた効果を奏するものである。しかし、自転車のタイヤには種々の大きさがあるため、近年、さらに種々の大きさの自転車に適合させることができる自転車用防雨具の開発が望まれている。
本考案は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、種々の大きさの自転車に容易に適合させることができるとともに、降雨時に自転車を運転しているときに主として下半身が濡れないようにすることができ、天候が変わるごとに煩雑な取付けまたは取外しの操作を必要とせず、使用しないときにはコンパクトに収納することができる自転車用防雨具を提供することを課題とする。
本考案は、
(1) 自転車の前面部に取り付けられる自転車用防雨具であって、自転車の前輪部が挿入可能に逆U字型に形成されたフレーム本体と防雨シートとを有し、前記フレーム本体の背面上部に、当該フレーム本体を自転車のハンドルポストに固定するためのハンドルポスト固定部が設けられ、前記フレーム本体の下部に、当該フレーム本体を自転車のハブに固定するためのハブ固定部が設けられ、前記フレーム本体の側部と、防雨シートの側端部を固定するための防雨シート固定用フレームとが、伸縮可能な腕部を介して連結され、前記防雨シートが、少なくとも前記フレーム本体と防雨シート固定用フレームとの間に配設されていることを特徴とする自転車用防雨具、
(2) 前記フレーム本体が中空パイプで形成されており、当該フレーム本体の下端部に、自転車のハブを貫通するための孔を有するハブ取り付け部を一端に有するL字型金具の他端が挿入されてなる前記(1)に記載の自転車用防雨具、
(3) フレーム本体と防雨シート固定用フレームとが腕部を介して連結され、フレーム本体と腕部との結合部および防雨シート固定用フレームと腕部との結合部が、腕部が回動自在となるように形成されてなる前記(1)または(2)に記載の自転車用防雨具、および
(4) 前記腕部を延伸した状態を維持するための腕部折曲がり防止具が、前記腕部に設けられている前記(1)〜(3)のいずれかに記載の自転車用防雨具
に関する。
(1) 自転車の前面部に取り付けられる自転車用防雨具であって、自転車の前輪部が挿入可能に逆U字型に形成されたフレーム本体と防雨シートとを有し、前記フレーム本体の背面上部に、当該フレーム本体を自転車のハンドルポストに固定するためのハンドルポスト固定部が設けられ、前記フレーム本体の下部に、当該フレーム本体を自転車のハブに固定するためのハブ固定部が設けられ、前記フレーム本体の側部と、防雨シートの側端部を固定するための防雨シート固定用フレームとが、伸縮可能な腕部を介して連結され、前記防雨シートが、少なくとも前記フレーム本体と防雨シート固定用フレームとの間に配設されていることを特徴とする自転車用防雨具、
(2) 前記フレーム本体が中空パイプで形成されており、当該フレーム本体の下端部に、自転車のハブを貫通するための孔を有するハブ取り付け部を一端に有するL字型金具の他端が挿入されてなる前記(1)に記載の自転車用防雨具、
(3) フレーム本体と防雨シート固定用フレームとが腕部を介して連結され、フレーム本体と腕部との結合部および防雨シート固定用フレームと腕部との結合部が、腕部が回動自在となるように形成されてなる前記(1)または(2)に記載の自転車用防雨具、および
(4) 前記腕部を延伸した状態を維持するための腕部折曲がり防止具が、前記腕部に設けられている前記(1)〜(3)のいずれかに記載の自転車用防雨具
に関する。
本考案の自転車用防雨具によれば、種々の自転車に容易に適合させることができるとともに、降雨時に自転車を運転しているときに主として下半身が濡れないようにすることができ、天候が変わるごとに煩雑な取付けまたは取外しの操作を必要とせず、使用しないときにはコンパクトに収納することができるという効果が奏される。
本考案の自転車用防雨具は、自転車の前面部に取り付けられる自転車用防雨具である。自転車の前面部とは、自転車のハンドルおよびハンドルバーを支えるハンドルポストの前部を意味する。なお、自転車に前かごが設置されている場合には、自転車の前面部は、前かごと、ハンドルおよびハンドルポストとの間隙部である。
本考案の自転車用防雨具は、自転車の前輪部を挿入することができるようにするために逆U字型に形成されたフレーム本体と防雨シートとを有し、前記フレーム本体の背面上部に当該フレーム本体を自転車のハンドルポストに固定するためのハンドルポスト固定部が設けられ、前記フレーム本体の下部に当該フレーム本体を自転車のハブに固定するためのハブ固定部が設けられ、前記フレーム本体の側部と防雨シートの側端部を固定するための防雨シート固定用フレームとが伸縮可能な腕部を介して連結され、前記防雨シートが少なくとも前記フレーム本体と防雨シート固定用フレームとの間に配設されていることを特徴とする。
以下に、本考案の自転車用防雨具を図面に基づいて説明するが、本考案は、かかる図面に記載の実施態様のみに限定されるものではない。
図1は、本考案の自転車用防雨具1の背面側、すなわち本考案の自転車用防雨具1を自転車に取り付けたとき、自転車の正面から向かって自転車防雨具1の裏面側における一実施態様を示す概略斜視図である。図1において、自転車用防雨具1は、自転車の前輪部が挿入可能に逆U字型に形成されたフレーム本体2と防雨シート3とを有する。
フレーム本体2の逆U字型に形成されている部分に自転車の前輪部分が挿入される。この自転車の前輪部分は、自転車の前輪および当該前輪に取り付けられている場合には自転車の前輪の泥除けを含む概念のものである。フレーム本体2の逆U字型の頂部2aからフレーム本体2の末端2bまでの長さは、数多くの自転車に本考案の自転車用防雨具1を容易に適合することができるようにするために、55〜75cm程度であることが好ましく、60〜70cm程度であることがより好ましい。
フレーム本体2の材質は、特に限定されないが、耐食性の観点から、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金およびステンレス鋼がより好ましく、製造コストの低減の観点から、亜鉛メッキ鋼板が好ましく、軽量化の観点から、アルミニウムおよびアルミニウム合金が好ましい。
防雨シート3は、本考案の自転車用防雨具の表面側、すなわち本考案の自転車用防雨具1を自転車に取り付けたとき、自転車の正面から向かって自転車防雨具1の表面側に設けられていることが、自転車走行時に自転車の正面からの向かい風による風圧を受けたときに防雨シート3がフレーム本体2および後述する腕部7a,7bによって支持されることから、好ましい。
図1に示される実施態様においては、防雨シート3は透明であるので、防雨シート固定用フレーム8などが防雨シート3を透過して見えている。しかし、防雨シート3は、透明シートであってもよく、あるいは不透明シートであってもよい。防雨シート3には、必要により、例えば、キャラクター、図柄、花柄、水玉模様、格子柄(チェック柄)などのデザインが施されていてもよく、所望の色に着色されていてもよく、さらに日焼け防止のために紫外線防止剤が含まれていてもよい。防雨シート3に紫外線防止剤が含まれている場合、日差しが強い夏季や空気が澄んでいる秋季においては、自転車の運転時に日傘だけでは充分に遮蔽することができない太陽光線に含まれている紫外線から下半身の肌を保護することができる。このように、防雨シート3として紫外線防止剤を含有するシート用いた場合には、本考案の自転車用防雨具1は、雨天時のみならず、紫外線の照射が強い晴天時などに自転車を運転する際に、太陽光線に含まれている有害な紫外線を人体が浴びるのを阻止するのに利用することができる。
防雨シート3を構成する樹脂としては、柔軟性および耐候性に優れているものが好ましい。前記樹脂としては、例えば、ポリエチレン、軟質塩化ビニル樹脂、ナイロンなどが挙げられるが、本考案は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、防雨シート3の厚さは、防雨シート3に使用されている樹脂の種類によって異なるので一概には決定することができないが、耐久性および柔軟性の観点から、通常、好ましくは0.3〜2.5mm、より好ましくは0.5〜1.5mmである。
防雨シート3の上端から下端までの長さは、防雨性および取り付けやすさの観点から、通常、使用される自転車のハブの位置程度までの長さ、例えば、30〜90cm、好ましくは50〜80cm程度であることが好ましい。防雨シート3は、必要により、自転車のハンドル(図示せず)の上部に延伸させ、人体の上半身が降雨で濡れないようにしてもよい。
フレーム本体2の背面上部には、フレーム本体2を自転車のハンドルポスト(図示せず)に固定するためのハンドルポスト固定部4が設けられている。
図2は、図1のA−A線矢視における概略断面図である。図2において、ハンドルポスト固定部4は、フレーム本体2と一体化されている。ハンドルポスト固定部4の材質は、特に限定されないが、耐食性の観点から、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金およびステンレス鋼がより好ましく、製造コストの低減の観点から、亜鉛メッキ鋼板が好ましく、軽量化の観点から、アルミニウムおよびアルミニウム合金が好ましい。ハンドルポスト固定部4とフレーム本体2とは、例えば、溶接、接着剤による接着などによって一体化させることができる。
図2に示される実施態様においては、ハンドルポスト固定部4には、フレーム本体2をハンドルポスト(図示せず)に固定するためにハンドルポスト固定具4aが用いられている。ハンドルポスト固定具4aの内面形状は、ハンドルポストの直径に対応した形状であればよい。ハンドルポスト固定部4とハンドルポスト固定具4aとの間にハンドルポストが挟まれるようにしてハンドルポスト固定部4とハンドルポスト固定具4aとを合わせ、ハンドルポスト固定具4aにあらかじめ形成されている孔にボルト5,5を挿入し、例えば、螺合などの手段により、ハンドルポスト固定部4にハンドルポストを固定することができる。
なお、ハンドルポスト固定部4およびハンドルポスト固定具4aとハンドルポストとの間には、ハンドルポストに摺擦傷が発生しないようにするとともに本考案の自転車用防雨具1がハンドルポスト固定部4でハンドルポストに強固に固定されるようにするために、薄板状のゴムシート(図示せず)が設けられていてもよい。さらに、本考案の自転車用防雨具1をハンドルポスト固定部4でハンドルポストに強固に固定するために、押螺子4bによってハンドルポスト固定具4aがハンドルポストに締め付けられていてもよい。
本考案の自転車用防雨具1においては、ハンドルポストにおけるハンドルポスト固定部4の固定位置を任意に調節することができる。したがって、ハンドルポストにおけるハンドルポスト固定部4の固定位置を調節することにより、単機種の自転車だけでなく、種々の種類の自転車にも適用することができるので、本考案の自転車用防雨具1は、汎用性に優れている。
本考案の自転車用防雨具1において、フレーム本体2の下端部2bには、図1に示されるように、フレーム本体2を自転車のハブ(図示せず)に固定するためのハブ固定部6が設けられている。
ハブ固定部6の一端には、自転車のハブに取り付けるためのハブ取付け部6aが設けられている。このハブ取付け部6aに形成されているハブ取付け孔6bに自転車のハブを挿入した後、ボルトを締め付けることにより、本考案の自転車用防雨具1を自転車に強固に取り付けることができる。ハブ固定部6の腕部6cの長さは、特に限定されないが、通常、5〜10cm程度であることが好ましい。
図3は、フレーム本体2の下端部2bにハブ固定部6が設けられている部分の概略説明図である。図3に示される実施態様においては、フレーム本体2が中空パイプで形成されており、フレーム本体2の下端部2bに、自転車のハブを貫通するためのハブ取付け孔6bを有するハブ取り付け部6aを一端に有するL字型金具からなるハブ固定部6の他端6dが挿入されている。
図3に示される実施態様のように、フレーム本体2が中空パイプで形成されており、当該中空パイプ内にL字型金具からなるハブ固定部6の他端6dを挿入した場合には、自転車のタイヤの大きさなどに応じて当該中空パイプ内に挿入されるハブ固定部6の他端6dの長さを調節することができるので、本考案の自転車用防雨具1を、単機種の自転車だけでなく、種々の種類の自転車にも容易に適用することができるという利点がある。
ハブ固定部6の他端6dの長さは、長いほど種々の自転車の大きさに本考案の自転車用防雨具1を適合させることができるという利点があるが、ハブ固定部6の他端6dの長さが長すぎても本考案の自転車用防雨具1の軽量化を図ることができなくなる。これらのことから、ハブ固定部6の他端6dの長さは、5〜25cm程度であることが好ましく、10〜20cm程度であることがより好ましい。
図1に示されるように、フレーム本体2の側部2cと、防雨シート3の側端部を固定するための防雨シート固定用フレーム8とは、伸縮可能な腕部7a,7bを介して連結されている。
防雨シート3は、フレーム本体2と防雨シート固定用フレーム8とに固定されている。防雨シート3を固定する手段については特に限定がなく、例えば、フレーム本体2の側部2cおよび防雨シート固定用フレーム8をそれぞれ防雨シート3の端部で巻き込むようにし、取り付け部材11を用いて防雨シート3をフレーム本体2および防雨シート固定用フレーム8に固定してもよく、防雨シート3を熱融着によってフレーム本体2および防雨シート固定用フレーム8に固定してもよい。取付け部材11としては、例えば、スナップなどが挙げられる。取付け部材11の材質や形状などには特に限定がないが、耐食性の観点から、材質は、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂などの樹脂であることが好ましい。取り付け部材11としてスナップなどの着脱自在の取り付け部材を用いた場合には、防雨シート3をフレーム本体2および防雨シート固定用フレーム8に装着したり、フレーム本体2および防雨シート固定用フレーム8から離脱させたりすることができるので、例えば、防雨シート3が汚れたり破損したりしたときに、新たな防雨シート(図示せず)と容易に交換することができる。
防雨シート固定用フレーム8は、フレーム本体2を中心にして左右一対で設けられている。一対の防雨シート固定用フレーム8は、通常、図1に示されるように、防雨シート3が長方形ないし正方形状となるように設けられるが、防雨シート3の全体の形状が台形となるように設けられていてもよい。防雨シート3は、図1に示されるように、1枚のシートで構成されていてもよく、2枚以上の複数のシートで構成されていてもよい。
防雨シート固定用フレーム8は、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの耐食性に優れた金属で構成されていてもよく、鉄などの金属で成形した後に、耐食性を付与するために、その表面にニッケルメッキなどのメッキ処理が施されたものであってもよく、あるいはポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ABS樹脂、ポリプロピレンなどの樹脂で構成されていてもよい。
一対の防雨シート固定用フレーム8の間隔、すなわち本考案の自転車用防雨具1の全幅は、自転車走行時の安全性の観点から、60cm以下、好ましくは55cm以下であり、降雨時に自転車を運転しているときに主として下半身が雨に濡れないようにする観点から、好ましくは45cm以上、より好ましくは50cm以上である。
防雨シート固定用フレーム8自体の横断面形状としては、例えば、円筒状、円柱状、楕円柱状、三角柱、四角柱などの形状が挙げられるが、本考案は、かかる形状によって限定されるものではない。防雨シート固定用フレーム8の外径は、本考案の自転車用防雨具に要求される機械的強度を満足するのであればよく、特に限定されないが、通常、1.5〜10mm程度である。
防雨シート固定用フレーム8の長さは、防雨シート3の縦方向の長さに応じて適宜決定することが好ましい。防雨シート3の縦方向の長さは、降雨時に自転車を運転しているときに主として下半身が雨に濡れないようにする観点から、好ましくは45cm以上、より好ましくは50cm以上であり、自転車走行時の安全性の観点から、好ましくは100cm以下、より好ましくは80cm以下である。防雨シート3を防雨シート固定用フレーム8にしっかりと固定するためには、防雨シート固定用フレーム8の長さは、防雨シート3の縦方向の長さと同等であるかまたは防雨シート3の縦方向の長さよりもやや長いことが好ましい。
また、防雨シート3を防雨シート固定用フレーム8に固定するために、防雨シート固定用フレーム8の上端部8aを、円弧を描いて中心部に孔が形成されるように折り曲げ、この孔内で防雨シート3をスナップ(図示せず)などで固定してもよく、あるいは防雨シート固定用フレーム8として中空のパイプ(図示せず)を用い、当該パイプの上端部に防雨シート3の端部を載せ、当該パイプの開口部にゴムや樹脂などからなる栓を押し込むことによって防雨シート3を固定してもよい。
防雨シート3が有する防雨性を有効活用する観点から、少なくとも防雨シート3の端部は、フレーム本体2と防雨シート固定用フレーム8との間に配設されている。防雨シート3は、フレーム本体2と防雨シート固定用フレーム8との間のみに配設されていてもよく、あるいは図1に示されるように、フレーム本体2の逆U字型の頂部2aよりも上部にも配設されていてもよい。防雨シート3は、フレーム本体2および防雨シート固定用フレーム8と接触する部分で取り付けることができる。自転車の走行時の風圧に対する耐久性を高める観点から、防雨シート3は、フレーム本体2および防雨シート固定用フレーム8の1ヵ所または複数箇所で取付け部材11によって取り付けられていることが好ましい。防雨シート3の上端および下端は、自転車の転倒時における安全性および本考案の自転車用防雨具1の軽量化の観点から、他の部材に取り付けられずに開放状態であることが好ましい。
防雨シート固定用フレーム8に防雨シート3が取り付けられているので、一対の防雨シート固定用フレーム8の間隔を広げたり狭めたりしたときに、防雨シート3は、防雨シート固定用フレーム8に追随する。したがって、一対の防雨シート固定用フレーム8の間隔を広げたときに自転車の横幅方向における防雨シート3の幅が同時に伸長するので、降雨時の防雨具として利用することができ、一対の防雨シート固定用フレーム8の間隔を狭めたときには、防雨シート3を同時にコンパクトに収縮させることができる。
図1に示される本考案の自転車用防雨具1の実施態様においては、フレーム本体2の側部2cと防雨シート3の側端部を固定するための防雨シート固定用フレーム8との間に腕部7a,7bが設けられている。すなわち、フレーム本体2と防雨シート固定用フレーム8とは、2本の腕部7a,7bを介して連結されている。
図1に示される本考案の自転車用防雨具1の実施態様では、2本の腕部7a,7bが用いられているが、本考案は、フレーム本体2と防雨シート固定用フレーム8との間隔を調節することができるのであればよく、腕部の本数によって限定されるものではない。通常、腕部の本数は、操作性および構造の簡略化の観点から、2〜4本であることが好ましく、2〜3本であることがより好ましく、2本であることがさらに好ましい。また、腕部7aの長さと腕部7bの長さは、本考案の自転車用防雨具1の使用性および外観意匠の観点から、同じであることが好ましい。
図1において、腕部7aと腕部7bとは、両者がたがいに交差する交差部で、ピン9aを介して腕部7a,7bが回動自在となるように連結されている。腕部7aは、フレーム本体2に設けられた腕部取付部2dで、ピン9bを介して腕部7aが回動自在となるように連結されている。また、腕部7bは、防雨シート固定用フレーム8に設けられた腕部取付部8aで、ピン9cを介して腕部7bが回動自在となるように連結されている。ピン9a,9b,9cとしては、例えば、ビスとナットとの組み合わせ、リベットなどが挙げられるが、本考案は、かかる例示のみに限定されるものではない。腕部7a,7bをピン9a,9b,9cを軸として回動させることにより、一対の防雨シート固定用フレーム8の間隔を調整することができるので、防雨シート3の幅方向の長さを容易に調整することができる。
腕部7aには、腕部7a,7bが延伸している状態を維持するための腕部折曲がり防止具10が取り付けられている。図1に示される本考案の自転車用防雨具1の実施態様では、腕部折曲がり防止具10は、腕部7bに取り付けられているが、腕部7aに取り付けられていてもよい。図1においては、腕部折曲がり防止具10は、腕部7aを当該腕部7aと腕部7bとがピン9aによって回転自在に取り付けられている交差部よりも延伸させた部分に取り付けられている。腕部折曲がり防止具10は、断面コの字型の溝部を有するように形成されており、溝部は、当該溝部内に腕部7aの上端部を収容することができるように構成されている。使用に際しては、腕部折曲がり防止具10を完全に下方向に押し下げて腕部7aと腕部7bとが直線状に並ぶように腕部7aと腕部7bとを回動させる。このように、腕部7aと腕部7bとが直線状に並ぶように腕部7aと腕部7bとを回動させた場合には、自転車が向かい風や横風を受けたときに腕部7aと腕部7bとがピン9aを軸として回動することを防止することができるほか、防雨シート固定用フレーム8が横方向、すなわち防雨シート固定用フレーム8に対して直角方向からの外的応力を受けたときに、腕部7aと腕部7bとがピン9aを軸として回動することを防止することができる。
以上説明したように、本考案の自転車用防雨具1は、フレーム本体2の側部2cと、防雨シート3の側端部を固定するための防雨シート固定用フレーム8とが、伸縮可能な腕部7a,7bを介して連結されているので、本考案の自転車用防雨具1を使用しないときには、腕部7a,7bを収縮させることにより、本考案の自転車用防雨具1の全幅を小さくし、コンパクトに収納することができる。また、例えば、降雨時などに自転車を運転するときは、腕部7a,7bを伸長させることによって主として下半身が濡れないようにすることができる。このように、本考案の自転車用防雨具1は、天候が変わるごとに取付けまたは取外しの操作を行なう必要がないので、従来のようにわざわざ自転車用防雨具1を取り付けたり取り外したりしなければならないという煩雑さから開放される。
また、本考案の自転車用防雨具1は、天候がよいときでも自転車にコンパクトに装着しておくことができるので、万一、天候が急変し、にわか雨、夕立などに遭遇した場合であっても、腕部7a,7bを伸ばすだけで、臨機応変に降雨などに対応することができる。また、気温が低い冬季などにおいては、冷たい強風が吹いているときには、腕部7a,7bを伸ばすだけで、本考案の自転車用防雨具1は、自転車走行時に下半身が冷えるのを防止するための防風具としても利用することもできる。
このように、本考案の自転車用防雨具1は、自転車にコンパクトに取り付けることができ、自転車の走行時に邪魔にならず、しかも自転車の外観を損なわないので、天候に関係なく自転車に常備することができることから、自転車販売時の標準装備として使用することができるほか、その取付けが容易であるので、すでに販売されている自転車に対しては、自転車専門店のみならず、ホームセンター、百貨店などでも容易に入手し、取り付けることができるようにすることもできる。
1 自転車用防雨具
2 フレーム本体
3 防雨シート
4 ハンドルポスト固定部
6 ハブ固定部
7a 腕部
7b 腕部
8 防雨シート固定用フレーム
2 フレーム本体
3 防雨シート
4 ハンドルポスト固定部
6 ハブ固定部
7a 腕部
7b 腕部
8 防雨シート固定用フレーム
Claims (4)
- 自転車の前面部に取り付けられる自転車用防雨具であって、
自転車の前輪部が挿入可能に逆U字型に形成されたフレーム本体と防雨シートとを有し、
前記フレーム本体の背面上部に、当該フレーム本体を自転車のハンドルポストに固定するためのハンドルポスト固定部が設けられ、
前記フレーム本体の下部に、当該フレーム本体を自転車のハブに固定するためのハブ固定部が設けられ、
前記フレーム本体の側部と、防雨シートの側端部を固定するための防雨シート固定用フレームとが、伸縮可能な腕部を介して連結され、
前記防雨シートが、少なくとも前記フレーム本体と防雨シート固定用フレームとの間に配設されていることを特徴とする自転車用防雨具。 - 前記フレーム本体が中空パイプで形成されており、当該フレーム本体の下端部に、自転車のハブを貫通するための孔を有するハブ取り付け部を一端に有するL字型金具の他端が挿入されてなる請求項1に記載の自転車用防雨具。
- フレーム本体と防雨シート固定用フレームとが腕部を介して連結され、フレーム本体と腕部との結合部および防雨シート固定用フレームと腕部との結合部が、腕部が回動自在となるように形成されてなる請求項1または2に記載の自転車用防雨具。
- 前記腕部を延伸した状態を維持するための腕部折曲がり防止具が、前記腕部に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の自転車用防雨具。
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JP2010008237U JP3166371U (ja) | 2010-12-19 | 2010-12-19 | 自転車用防雨具 |
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