JP3166286U - 人工肛門用パウチ - Google Patents

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Abstract

【課題】パウチ内を仕切る部材に排泄物中の水分が直接触れるのを防ぎ、ガス抜きが良好に行える人工肛門用パウチを提供する。【解決手段】パウチ1内部を2重の防水膜a、bで仕切ってガス室Aを設け、ガス室Aに消臭パックと排気チューブの一端を挿入する。2重構造の内側の防水膜aは防水透湿性素材で形成した窓4を設けて通気可能にし、2重構造の外側の防水膜bは上端を開口して通気可能にする。【選択図】図1

Description

本考案は、人工肛門(ストーマ)から排泄する排泄物を溜めるパウチに関し、特にパウチ内に溜まったガスを外部に抜く手段の改良に関する。
従来の人工肛門用パウチは、特許文献1に示すように、パウチ内に液体不透過性で且つ通気性を有する部材を配置して排泄物を溜める空間Aとガス抜きする空間Bを仕切り、使用者が身体を激しく動かしたり、身体を横にしたりしても排泄物が外に漏れ出ないようにしていた。
しかし上記液体不透過性で且つ通気性を有する部材は、例えば米国WLゴア&アソシエイツ社製の商品名「ゴアテックス」の場合、排泄物中の水分が触れると、表面に水の膜ができて目詰まりを起こし、透湿性が阻害されて通気性がなくなる性質がある。そのためガス抜きが上手く行われなくなり、パウチが膨張して人工肛門から外れたりするなどの問題があった。
特開2000−325381号公報
本考案は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、パウチ内を仕切る部材に排泄物中の水分が直接触れるのを防ぎ、ガス抜きが良好に行える人工肛門用パウチを提供することにある。
そのため本考案は、パウチ内部を少なくとも2重の防水膜で仕切って、仕切り内に消臭手段と排気手段を備えたガス室を設け、前記2重構造の内側の防水膜に防水透湿性素材を用いて通気可能にし、前記2重構造の外側の防水膜は周縁の一部を開口して通気可能にしたことを最も主要な特徴とする。
本考案は、パウチ内部を2重の防水膜で仕切るので、外側の防水膜に阻止されて内側の防水透湿性素材まで排泄物中の水分が浸透しなくなる。また、外側の防水膜の周縁の一部を開口するので、内側の防水透湿性素材までガスが自由に流通する。その結果、防水透湿性素材の通気性が保たれ、ガス抜きが良好に行える。
本考案を実施した人工肛門用パウチの一部を断面で示す側面図である。 表側の防水シートs1の内側平面図である。 裏側の防水シートs2の外側平面図である。 防水膜aの平面図である。 防水膜bの平面図である。
以下、本考案の実施の形態について説明する。
図1に、本考案を実施した人工肛門用パウチの一部を断面で示す側面図を示す。
人工肛門用パウチは、パウチ1内部を2重の防水膜a、bで仕切ってガス室Aを設け、そのうち内側(ガス室A側)の防水膜aには防水透湿性素材で形成した窓4を設け、窓4を経て通気可能にし、2重構造の外側の防水膜bは上端を開口5して通気可能に形成する。
パウチ1は、ポリ塩化ビニルなどの樹脂フィルムで形成した2枚の防水シートs1、s2を貼り合わせて扁平な袋状容器を形成し、貼り合わせは、防水シートs1、s2の対向周縁部を接着あるいは熱溶着させて行う。防水膜a、bはそれぞれ1枚に限定することなく、多層に重ねて配置してもよい。
図2と図3に、表側と裏側の防水シートs1、s2の平面図を示す。ここで裏側が身体に面する側に、また表側が外側にそれぞれ相当する。
防水シートs1、s2には、肩部と底部にそれぞれ幅狭・幅広2種類の出っ張りd1、d2を形成する。防水シートs1とs2の出っ張りd1を重ね合わせ縁をシールして袖状の排気口hを形成する。排気口hの近傍の防水シートs1内側に消臭パック2を取り付ける。
排気口hには排気チューブ3を挿入し、排気口hの内側と排気チューブ3の外周をシールして閉鎖し、排気口hに排気チューブ3を確実に接続する。消臭パック2は排気直前の位置に配置されるため、未消臭ガスの流出が防止できる。
消臭パック2は、活性炭などの臭気吸着剤を通気性のある不織布などで包装して形成する。排気チューブ3は、可撓性のある樹脂などで形成し、表裏2枚の防水シートs1、s2の間に包み込んで一端を接続し、他端にキャップcを取り付けて開閉可能にする。11は延長チューブで、排気チューブ3に接続し、先端開口を襟元付近に位置させて使用するが、就寝中は取外す。
出っ張りd2は、底辺を開口してパウチ1内の排泄物排出口10を設ける。使用時は、出っ張りd2の部分を折り曲げてクリップで挟んで排出口10を閉鎖する。使用後は、パウチ1を人体から取り外し、クリップを外して排出口10を開放し、内部を洗浄後乾燥して再使用する。
裏側の防水シートs2は、中央上部を開口して排泄物の取り入れ口7を設け、その外側の外周にリング状の薄い接着板8を取り付ける。接着板8は、シリコンゴムのような肌にやさしい柔軟材料で形成し、表面を剥離紙9で被覆して表面の接着剤を保護する。剥離紙7はつまみpを設けて剥がし易すくする。
パウチ1の取り付けは、人工肛門の周囲の皮膚を十分に清潔にした後、つまみpを摘んで接着板8から剥離紙9を引き剥がし、人工肛門に取り入れ口5の位置を合わせた後、指で押圧して接着板8を人工肛門の周囲の皮膚に貼り付ける。これで人工肛門にパウチ1の取り入れ口7が連結される。
図4と図5に、防水膜a、bの平面図を示す。
防水膜aは、排気口hを除く周縁部を防水シートs1に対し完全シールしてパウチ1内部を仕切り、排気口hから離れた位置に窓4を設ける。このように排気口hから遠く離れた位置に窓4を配置して窓4から排気口hへ抜けるガスの通り道を作る。窓4は防水透湿性生地で構成する。窓4が通気性を保ちながらガス室Aへの排泄物の侵入を遮断する。防水透湿性生地は、例えば米国WLゴア&アソシエイツ社製の商品名「ゴアテックス」などを用いることができる。
防水膜aは、全体を防水透湿性素材で形成してもよいが、防水透湿性素材の窓4を設けると、防水透湿性素材に排泄物中の水分が触れるリスクを抑制でき、また割高な防水透湿性素材の使用量を抑えてコストを低減できる。
防水膜bは、排気口hを含む左右両側縁部を完全シールし、上端を開口5して下端を防水シートs1に対し粗い(綴じ部=2〜3)ミシン目状か点状にシール6する。これら開口5及びシール6により通気性を保ちながら防水膜aの窓4に排泄物が直接触れるのを防ぐ。また、下端をミシン目状または点状にシール6することで、防水膜aとbの間に排泄物が侵入してもパウチ本体へ排出する。
以上の構成において、人工肛門から取り入れ口7を介してパウチ1内に排泄物が流入して溜まる。そして、このとき、身体を激しく動かしたり、身体を横にしたりしても、パウチ1内部に配置した2重の防水膜a、bによってガス室Aが仕切られているため、パウチ1内に溜まった排泄物がガス室Aに流入することはなく、排泄物中の水分についても同様にガス室Aへの流入は阻止されるので、排泄物等が排気チューブ3から誤って漏れ出るような不都合は起こらない。
一方、パウチ内に溜まったガスは、外側の防水膜bの開口部と内側の防水膜aの防水透湿性素材を自由に通過するため、ガス室A内へ流入し、排気チューブ3を介して排気される。このとき、ガス室A内に設けた消臭パック2によってパウチ1内のガスは除臭されて外部に放出される。その結果、パウチ1内のガス抜きが快適に行われる。
このようにガス室Aにはガスのみが進入し、排泄物中の水分は入ってこないので、消臭パック2の消臭効果が長時間適切に維持される。
1 パウチ
2 消臭パック
3 排気チューブ
4 窓
5 開口
6 ミシン目状シール
7 取り入れ口
8 接着板
9 剥離紙
10 排出口
A ガス室
a、b 防水膜
c キャップ
d 出っ張り
h 排気口
p つまみ
s 防水シート

Claims (5)

  1. パウチ内部を少なくとも2重の防水膜で仕切って消臭手段と排気手段を備えたガス室を設け、
    前記2重構造の内側の防水膜は防水透湿性素材を用いて通気可能にし、
    前記2重構造の外側の防水膜は周縁の一部を開口して通気可能にしたことを特徴とする人工肛門用パウチ。
  2. 前記2重構造の内側の防水膜は、その一部に防水透湿性素材で形成した窓を設けたことを特徴とする請求項1記載の人工肛門用パウチ。
  3. 前記2重構造の外側の防水膜は、その上端を開口し、下端をミシン目状にシールしたことを特徴とする請求項1記載の人工肛門用パウチ。
  4. 前記防水透湿性素材が米国WLゴア&アソシエイツ社製の商品名「ゴアテックス」であることを特徴とする請求項1記載の人工肛門用パウチ。
  5. 前記消臭手段が活性炭であることを特徴とする請求項1記載の人工肛門用パウチ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016533195A (ja) * 2013-04-05 2016-10-27 ソルツ ヘルスケア リミテッド ストーマ装具
KR20220006197A (ko) * 2020-07-08 2022-01-17 인제대학교 산학협력단 신생아용 장루주머니

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