JP3165981B2 - 複合インプラント材及びその製造方法 - Google Patents
複合インプラント材及びその製造方法Info
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- JP3165981B2 JP3165981B2 JP34834292A JP34834292A JP3165981B2 JP 3165981 B2 JP3165981 B2 JP 3165981B2 JP 34834292 A JP34834292 A JP 34834292A JP 34834292 A JP34834292 A JP 34834292A JP 3165981 B2 JP3165981 B2 JP 3165981B2
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- Japan
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- implant material
- laser
- composite implant
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- Materials For Medical Uses (AREA)
- Dental Prosthetics (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インプラント材の表面
にリン酸カルシウム化合物をコーティングしてコーティ
ング層を形成した複合インプラント材およびその製造方
法に関し、特に生体に埋入する複合インプラント材およ
びその製造方法に関する。
にリン酸カルシウム化合物をコーティングしてコーティ
ング層を形成した複合インプラント材およびその製造方
法に関し、特に生体に埋入する複合インプラント材およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複合インプラント材は、各種合金
もしくはチタン(Ti)などのインプラント材と、この
インプラント材の表面に生体親和性に優れたヒドロキシ
アパタイト[Ca(PO4 )3 (OH)]をコーティン
グすることによって形成されているコーティング層とを
有している。コーティング層は、インプラント材に周知
な溶射装置を用いてコーティングが施されている。即
ち、インプラント材の表面にはアセチレン、プロパン−
酸素などの燃焼ガスを用いたガス溶射法、もしくはプラ
ズマ溶射法などによってヒドロキシアパタイトを加熱し
ながら溶射することによってコーティングが行われてい
る。
もしくはチタン(Ti)などのインプラント材と、この
インプラント材の表面に生体親和性に優れたヒドロキシ
アパタイト[Ca(PO4 )3 (OH)]をコーティン
グすることによって形成されているコーティング層とを
有している。コーティング層は、インプラント材に周知
な溶射装置を用いてコーティングが施されている。即
ち、インプラント材の表面にはアセチレン、プロパン−
酸素などの燃焼ガスを用いたガス溶射法、もしくはプラ
ズマ溶射法などによってヒドロキシアパタイトを加熱し
ながら溶射することによってコーティングが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ヒドロキシアパタイト
は、コーティングを行うときに溶射装置によって高温に
加熱されるために、コーティング層に分解もしくは非晶
質部分が発生するという問題がある。即ち、溶射時に高
温にさらされたヒドロキシアパタイト粒子は瞬時に表面
が融解され、溶射装置のフレームの外に放出される。フ
レームで加熱された粒子の表面温度は、粒子の内部を融
解するのにエネルギーが消費されるために粒子自体の温
度上昇が低いため比較的分解や蒸発が少ないものの多少
分解する傾向にある。
は、コーティングを行うときに溶射装置によって高温に
加熱されるために、コーティング層に分解もしくは非晶
質部分が発生するという問題がある。即ち、溶射時に高
温にさらされたヒドロキシアパタイト粒子は瞬時に表面
が融解され、溶射装置のフレームの外に放出される。フ
レームで加熱された粒子の表面温度は、粒子の内部を融
解するのにエネルギーが消費されるために粒子自体の温
度上昇が低いため比較的分解や蒸発が少ないものの多少
分解する傾向にある。
【0004】したがって、溶射したヒドロキシアパタイ
トは、5〜15%のNH4 Clの溶液にて70〜80℃
で一日処理し、その後10%のエタノールで煮沸を3〜
5時間行ってから乾燥してCaO等を中和除去しなけれ
ばならない。(このCaO等はヒドロキシアパタイトが
分解したものである) また、高温で融解されたヒドロキシアパタイト粒子は、
インプラント材の表面にコーティングするときに早い冷
却速度で冷却されるために非晶質部分が発生する。この
ような非晶質部分が残っている複合インプラント材を生
体に埋入した場合には、初期におけるヒドロキシアパタ
イトの溶解量が多くなり、コーティング層を破壊してし
まうという問題がある。
トは、5〜15%のNH4 Clの溶液にて70〜80℃
で一日処理し、その後10%のエタノールで煮沸を3〜
5時間行ってから乾燥してCaO等を中和除去しなけれ
ばならない。(このCaO等はヒドロキシアパタイトが
分解したものである) また、高温で融解されたヒドロキシアパタイト粒子は、
インプラント材の表面にコーティングするときに早い冷
却速度で冷却されるために非晶質部分が発生する。この
ような非晶質部分が残っている複合インプラント材を生
体に埋入した場合には、初期におけるヒドロキシアパタ
イトの溶解量が多くなり、コーティング層を破壊してし
まうという問題がある。
【0005】また、生体において関節などに、このよう
な複合インプラント材を採用した場合にはコーティング
層に分解もしくは非晶質部分が残っていると、骨とコー
ティング層との摩耗によってコーティング層そのものが
摩滅してしまう。
な複合インプラント材を採用した場合にはコーティング
層に分解もしくは非晶質部分が残っていると、骨とコー
ティング層との摩耗によってコーティング層そのものが
摩滅してしまう。
【0006】なお、分解もしくは非晶質状態のコーティ
ング層を結晶化するには、電気炉を用いて加熱すると再
結晶化させることができる。しかし、複合インプラント
材は加熱されることによって劣化が生じたり、研磨など
の後処理作業を必要とするという問題がある。即ち、加
熱された複合インプラント材は金属部分が酸化してしま
い、その酸化膜を取り除く作業を必要とする。
ング層を結晶化するには、電気炉を用いて加熱すると再
結晶化させることができる。しかし、複合インプラント
材は加熱されることによって劣化が生じたり、研磨など
の後処理作業を必要とするという問題がある。即ち、加
熱された複合インプラント材は金属部分が酸化してしま
い、その酸化膜を取り除く作業を必要とする。
【0007】それ故に、本発明の課題は、機械的強度お
よび骨伝導性に優れた複合インプラント材及びその製造
方法を提供することにある。
よび骨伝導性に優れた複合インプラント材及びその製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、インプ
ラント材と、該インプラント材の表面にリン酸カルシウ
ム化合物が分解もしくは非晶質状態になるような雰囲気
でコーティングされたコーティング層とを有し、該コー
ティング層はレーザーの照射によって上記分解もしくは
上記非晶質部分が結晶化されていることを特徴とする複
合インプラント材が得られる。
ラント材と、該インプラント材の表面にリン酸カルシウ
ム化合物が分解もしくは非晶質状態になるような雰囲気
でコーティングされたコーティング層とを有し、該コー
ティング層はレーザーの照射によって上記分解もしくは
上記非晶質部分が結晶化されていることを特徴とする複
合インプラント材が得られる。
【0009】また、本発明によれば、リン酸カルシウム
化合物をコーティングする際に、該リン酸カルシウム化
合物が分解もしくは非晶質状態となるような雰囲気でコ
ーティングされるコーティング層をインプラント材の表
面に形成して複合インプラント材を作り、さらに上記コ
ーティング層にレーザーを所定照射量及び所定時間照射
することよって上記分解もしくは上記非晶質部分を結晶
化することを特徴とする複合インプラント材の製造方法
が得られる。
化合物をコーティングする際に、該リン酸カルシウム化
合物が分解もしくは非晶質状態となるような雰囲気でコ
ーティングされるコーティング層をインプラント材の表
面に形成して複合インプラント材を作り、さらに上記コ
ーティング層にレーザーを所定照射量及び所定時間照射
することよって上記分解もしくは上記非晶質部分を結晶
化することを特徴とする複合インプラント材の製造方法
が得られる。
【0010】
【実施例】以下,本発明の一実施例について,図面を参
照して説明する。複合インプラント材は、生体内に埋入
した場合にもサビや変色がなく、変性のないものが望ま
しい。さらに、複合インプラント材は、骨と化学的に結
合することが理想的である。また、関節に採用するには
強度及び耐摩耗性を必要とする。
照して説明する。複合インプラント材は、生体内に埋入
した場合にもサビや変色がなく、変性のないものが望ま
しい。さらに、複合インプラント材は、骨と化学的に結
合することが理想的である。また、関節に採用するには
強度及び耐摩耗性を必要とする。
【0011】本実施例における複合インプラント材は、
各種合金もしくはチタン(Ti)、Al2 O3 系もしく
はZrO2 系などのセラミックスなどから選択された一
つのインプラント材と、このインプラント材の表面にリ
ン酸カルシウム化合物であるヒドロキシアパタイト[C
a(PO4 )3 (OH)]を溶射することによって形成
したコーティング層とを有している。インプラント材に
用いる各種合金には、Ti−6Al−4V合金、Ti−
Ni合金、Ti−Mo−5Zr合金、Co−Cr合金な
どがある。また、ヒドロキシアパタイトに変わるコーテ
ィング層としては、α型トリカルシウムホスヘイト[C
a3 (PO4 )2 ]、もしくはβ型トリカルシウムホス
ヘイト[Ca3 (PO4 )2 ]など生体親和性に優れた
リン酸カルシウム化合物を用いても良い。
各種合金もしくはチタン(Ti)、Al2 O3 系もしく
はZrO2 系などのセラミックスなどから選択された一
つのインプラント材と、このインプラント材の表面にリ
ン酸カルシウム化合物であるヒドロキシアパタイト[C
a(PO4 )3 (OH)]を溶射することによって形成
したコーティング層とを有している。インプラント材に
用いる各種合金には、Ti−6Al−4V合金、Ti−
Ni合金、Ti−Mo−5Zr合金、Co−Cr合金な
どがある。また、ヒドロキシアパタイトに変わるコーテ
ィング層としては、α型トリカルシウムホスヘイト[C
a3 (PO4 )2 ]、もしくはβ型トリカルシウムホス
ヘイト[Ca3 (PO4 )2 ]など生体親和性に優れた
リン酸カルシウム化合物を用いても良い。
【0012】インプラント材の表面には、粉末もしくは
棒状のヒドロキシアパタイトを高温に加熱しながら溶射
することよってコーティング層が形成される。コーティ
ングは、酸素−アセチレン、酸素−水素などのガス燃焼
式溶射法、アセチレンを用いたガス爆発溶射法、プラズ
マ溶射法、並びに蒸着法などによって行う。
棒状のヒドロキシアパタイトを高温に加熱しながら溶射
することよってコーティング層が形成される。コーティ
ングは、酸素−アセチレン、酸素−水素などのガス燃焼
式溶射法、アセチレンを用いたガス爆発溶射法、プラズ
マ溶射法、並びに蒸着法などによって行う。
【0013】このコーティング層のヒドロキシアパタイ
トはレーザーの照射によって結晶化されている。即ち、
ヒドロキシアパタイトの溶射によってコーティングされ
たコーティング層には、溶射すると、コーティング層の
ヒドロキシアパタイトに分解もしくは非晶質部分が発生
することが観測された。このような分解された、もしく
は非晶質部分を有するコーティング層は、所定時間、所
定照射量に設定されたレーザーを照射することによって
結晶化されることが判明した。コーティング層では、ヒ
ドロキシアパタイトのリン酸カルシュウムが分解してい
るものであってもレーザーによって熱を加えることで結
晶化することが可能であり、分解しているものを再合成
できる。レーザー照射によると、電気炉で複合インプラ
ント材を加熱して結晶化させることによって生じる劣化
や、金属部分の酸化膜の発生がなく研磨などの後処理作
業を必要としない。このように結晶化された複合インプ
ラント材は、生体親和性に優れているとともに、機械的
強度及び骨伝導性に優れている。ここで、骨伝導性とは
骨の近傍もしくは骨内に物質を充填した場合に骨を作り
出す性質をいう。
トはレーザーの照射によって結晶化されている。即ち、
ヒドロキシアパタイトの溶射によってコーティングされ
たコーティング層には、溶射すると、コーティング層の
ヒドロキシアパタイトに分解もしくは非晶質部分が発生
することが観測された。このような分解された、もしく
は非晶質部分を有するコーティング層は、所定時間、所
定照射量に設定されたレーザーを照射することによって
結晶化されることが判明した。コーティング層では、ヒ
ドロキシアパタイトのリン酸カルシュウムが分解してい
るものであってもレーザーによって熱を加えることで結
晶化することが可能であり、分解しているものを再合成
できる。レーザー照射によると、電気炉で複合インプラ
ント材を加熱して結晶化させることによって生じる劣化
や、金属部分の酸化膜の発生がなく研磨などの後処理作
業を必要としない。このように結晶化された複合インプ
ラント材は、生体親和性に優れているとともに、機械的
強度及び骨伝導性に優れている。ここで、骨伝導性とは
骨の近傍もしくは骨内に物質を充填した場合に骨を作り
出す性質をいう。
【0014】コーティング層に照射されるレーザーに
は、CO2 型,Nb−YAG,Zr型などのレーザー装
置を用いる。レーザーの設定条件の一例を以下に示す。
は、CO2 型,Nb−YAG,Zr型などのレーザー装
置を用いる。レーザーの設定条件の一例を以下に示す。
【0015】 タイプ 封じ切り、炭酸ガス、冷却 クラス IVレーザー放射 波長 8.0〜16.0ミクロン(不可
視赤外線) 励起周波数 40−45MHz 照射限度 連続8分あるいは最高出力で20
分の間に合計5分 チップ先端の出力 2〜20W(1mファイバー) 2〜12W(1.5mファイバー) 上記のレーザーの設定条件により照射されるコーティン
グ層の肉厚は80μm〜100μmであり、これらの条
件によってコーティング層の分解もしくは非晶質部分の
結晶化が可能である。
視赤外線) 励起周波数 40−45MHz 照射限度 連続8分あるいは最高出力で20
分の間に合計5分 チップ先端の出力 2〜20W(1mファイバー) 2〜12W(1.5mファイバー) 上記のレーザーの設定条件により照射されるコーティン
グ層の肉厚は80μm〜100μmであり、これらの条
件によってコーティング層の分解もしくは非晶質部分の
結晶化が可能である。
【0016】図1は、Ti板の表面にヒドロキシアパタ
イトを80μmの肉厚にコーティングしたコーティング
層のX線回析結果である。このコーティング層は非晶質
となっている。図2は、図1と同様なコーティング層
に、出力 2W、照射時間 20秒間連続して照射した
後のX線回折結果を示している。図3はコーティング層
に5Wで20秒間、レーザーを照射した後のX線回折結
果を示している。図2及び図3に示すいずれのレーザー
の照射によっても、ヒドロキシアパタイトの分解もしく
は非晶質部分における結晶化の傾向が得られた。
イトを80μmの肉厚にコーティングしたコーティング
層のX線回析結果である。このコーティング層は非晶質
となっている。図2は、図1と同様なコーティング層
に、出力 2W、照射時間 20秒間連続して照射した
後のX線回折結果を示している。図3はコーティング層
に5Wで20秒間、レーザーを照射した後のX線回折結
果を示している。図2及び図3に示すいずれのレーザー
の照射によっても、ヒドロキシアパタイトの分解もしく
は非晶質部分における結晶化の傾向が得られた。
【0017】次に、ヒドロキシアパタイトのコーティン
グ層から溶出される溶出量について、溶射したコーティ
ング層にレーザーを照射する前と、コーティング層に出
力5W、照射時間 20秒間連続して照射した後とで比
較した結果は次のとおりであった。
グ層から溶出される溶出量について、溶射したコーティ
ング層にレーザーを照射する前と、コーティング層に出
力5W、照射時間 20秒間連続して照射した後とで比
較した結果は次のとおりであった。
【0018】インプラント材は、縦 25mm,横 2
0mm、肉厚 1mmのTi板を用い、このインプラン
ト材の表面にヒドロキシアパタイトを80μmの肉厚の
コーティング層を施した。これらの試料を1%乳酸中に
4週間浸漬した。Ca,Pは酸によって脱灰されるため
に溶液中のCa,P濃度が高くなるが、結晶化が進行す
ると溶出量が減少することが測定で明かとなった。
0mm、肉厚 1mmのTi板を用い、このインプラン
ト材の表面にヒドロキシアパタイトを80μmの肉厚の
コーティング層を施した。これらの試料を1%乳酸中に
4週間浸漬した。Ca,Pは酸によって脱灰されるため
に溶液中のCa,P濃度が高くなるが、結晶化が進行す
ると溶出量が減少することが測定で明かとなった。
【0019】レーザーを照射する前の状態の溶出量は、
Ca;1035.7、 P(μg/cm2 );25
0.6であった。5Wのレーザーを20秒間照射した後
の溶出量は、 Ca;574.6、 P(μg/c
m2 );143.8であった。
Ca;1035.7、 P(μg/cm2 );25
0.6であった。5Wのレーザーを20秒間照射した後
の溶出量は、 Ca;574.6、 P(μg/c
m2 );143.8であった。
【0020】このように、レーザーを照射した後の溶出
量がレーザーを照射する前の状態の溶出量よりも減少し
ていることがわかる。
量がレーザーを照射する前の状態の溶出量よりも減少し
ていることがわかる。
【0021】次に、エネルギー、曲げ強さ、歪み量につ
いては、表1に示し、図4には曲げ強さ、図5にエネル
ギー、図6に歪み量を示す。
いては、表1に示し、図4には曲げ強さ、図5にエネル
ギー、図6に歪み量を示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1と図4において、コーティング層にレ
ーザーを照射する前(AS)と、レーザーを照射した後
とを比較した結果は次のとおりであった。コーティング
は、幅 5mm、肉厚 1mm,長さ 30mmのJI
S 2種のTi板を用いて行った。
ーザーを照射する前(AS)と、レーザーを照射した後
とを比較した結果は次のとおりであった。コーティング
は、幅 5mm、肉厚 1mm,長さ 30mmのJI
S 2種のTi板を用いて行った。
【0024】レーザーを照射する前のコーティングした
ままの状態の曲げ強さは、50.3±2.3kg/mm
2 であった。2Wでは52.0±0.8kg/mm2 、
5Wのレーザーを20秒間照射した後の曲げ強さは、5
4.4±2.46kg/mm2 であった。7Wでは、5
4.2±1.58kg/mm2 であった。
ままの状態の曲げ強さは、50.3±2.3kg/mm
2 であった。2Wでは52.0±0.8kg/mm2 、
5Wのレーザーを20秒間照射した後の曲げ強さは、5
4.4±2.46kg/mm2 であった。7Wでは、5
4.2±1.58kg/mm2 であった。
【0025】図5はコーティング層の破断までのエネル
ギーを示す。レーザーを照射しない場合は、5.42±
1.44kg・mm、2Wの照射では、6.49±0.
19kg・mm、5Wの照射では、9.21±0.85
kg・mm、7Wの照射では、11.54±1.65k
g・mmとなり、レーザーを照射することによりエネル
ギーは大きくなっている。
ギーを示す。レーザーを照射しない場合は、5.42±
1.44kg・mm、2Wの照射では、6.49±0.
19kg・mm、5Wの照射では、9.21±0.85
kg・mm、7Wの照射では、11.54±1.65k
g・mmとなり、レーザーを照射することによりエネル
ギーは大きくなっている。
【0026】次に、図6は、コーティング層の破断まで
の歪み量を示す。レーザーを照射しない場合は、0.8
3±0.13mm、2Wの照射では、0.47±0.0
3mm、5Wの照射では、1.26±0.08mm、7
Wの照射では、1.42±0.18mmとレーザーを照
射したワット数が大きくなるごど歪み量は増加した。
の歪み量を示す。レーザーを照射しない場合は、0.8
3±0.13mm、2Wの照射では、0.47±0.0
3mm、5Wの照射では、1.26±0.08mm、7
Wの照射では、1.42±0.18mmとレーザーを照
射したワット数が大きくなるごど歪み量は増加した。
【0027】なお、照射されるレーザーとしては、実施
例と異なる波長、出力、及び照射時間でも同様にコーテ
ィング層を結晶化できることが判明した。
例と異なる波長、出力、及び照射時間でも同様にコーテ
ィング層を結晶化できることが判明した。
【0028】
【発明の効果】上述した結果からも明らかなとおり、溶
射によって発生したコーティング層の分解、非晶質部分
がレーザーの照射によって結晶化され、各原子間の結合
力も増加する。このために複合インプラント材は、耐酸
性、耐摩耗性を向上することができるため、生体内に埋
入した場合においても生体親和性、機械的強度及び骨伝
導性に優れたものとなる。
射によって発生したコーティング層の分解、非晶質部分
がレーザーの照射によって結晶化され、各原子間の結合
力も増加する。このために複合インプラント材は、耐酸
性、耐摩耗性を向上することができるため、生体内に埋
入した場合においても生体親和性、機械的強度及び骨伝
導性に優れたものとなる。
【0029】また、コーティング層にはレーザーを照射
して分解、非晶質部分を結晶化したため、複合インプラ
ント材の劣化がなく、後処置作業を必要とせず廉価な複
合インプラント材の製造方法が得られる。
して分解、非晶質部分を結晶化したため、複合インプラ
ント材の劣化がなく、後処置作業を必要とせず廉価な複
合インプラント材の製造方法が得られる。
【図1】本発明の実施例に係るコーティング層にレーザ
ーを照射しないお場合のX線回折結果を示す。
ーを照射しないお場合のX線回折結果を示す。
【図2】本発明の実施例に係るコーティング層に2Wで
レーザーを照射した後のX線回折結果を示す。
レーザーを照射した後のX線回折結果を示す。
【図3】従来のコーティング層に5Wでレーザーを照射
した後のX線回折結果を示す。
した後のX線回折結果を示す。
【図4】レーザーを照射していない状態と、2W,5
W,7Wの各レーザーを照射した後のコーティング層の
曲げ強さを示すグラフである。
W,7Wの各レーザーを照射した後のコーティング層の
曲げ強さを示すグラフである。
【図5】レーザーを照射していない状態と、2W,5
W,7Wの各レーザーを照射した後の破断までのエネル
ギーを示したグラフである。
W,7Wの各レーザーを照射した後の破断までのエネル
ギーを示したグラフである。
【図6】レーザーを照射していない状態と、2W,5
W,7Wの各レーザーを照射した後のコーティング層の
破断までの歪み量を示したグラフである。
W,7Wの各レーザーを照射した後のコーティング層の
破断までの歪み量を示したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 インプラント材と、該インプラント材の
表面にリン酸カルシウム化合物が分解もしくは非晶質状
態になるような雰囲気でコーティングされたコーティン
グ層とを有し、該コーティング層はレーザーの照射によ
って上記分解もしくは上記非晶質部分が結晶化されてい
ることを特徴とする複合インプラント材。 - 【請求項2】上記リン酸カルシウム化合物は、ヒドロキ
シアパタイト、α型トリカルシウムホスヘイト及びβ型
トリカルシウムホスヘイトのうち少なくとも一つを選択
して上記コーティング層とした請求項1記載の複合イン
プラント材。 - 【請求項3】 リン酸カルシウム化合物をコーティング
する際に、該リン酸カルシウム化合物が分解もしくは非
晶質状態となるような雰囲気でコーティングされるコー
ティング層をインプラント材の表面に形成して複合イン
プラント材を作り、さらに上記コーティング層にレーザ
ーを所定照射量及び所定時間照射することよって上記分
解もしくは上記非晶質部分を結晶化することを特徴とす
る複合インプラント材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34834292A JP3165981B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 複合インプラント材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34834292A JP3165981B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 複合インプラント材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06192852A JPH06192852A (ja) | 1994-07-12 |
JP3165981B2 true JP3165981B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=18396388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34834292A Expired - Fee Related JP3165981B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 複合インプラント材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3165981B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005067993A1 (en) * | 2004-01-19 | 2005-07-28 | Stichting Katholieke Universiteit | Method for providing a polymeric implant with a crystalline calcium phosphate coating |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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