JP3165731U - 水銀ランプ - Google Patents
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Abstract
Description
そして、スピンコート法においては、フォトレジストは、ウエハにおけるパターン形成領域だけではなく、ウエハの周辺部にもレジストが塗布されるため、パターン形成領域に位置するフォトレジスト層の露光工程とは別個に、周辺露光装置によってウエハの周辺部に位置するフォトレジスト層を露光し、当該フォトレジスト層を現像工程で除去することが行われている。このような周辺露光装置における光源としては、用いられるフォトレジストの感度波長域に応じて選択され、例えばフォトレジストとして波長365nm付近に感度を有するものを用いる場合には、周辺露光装置の光源としては、従来、波長365nmの光の放射強度が高いショートアーク型の高圧水銀ランプが用いられている(特許文献1参照。)。
このようなパターン形成用露光装置によってフォトレジスト層を露光処理する場合には、フォトレジストとして波長248nm付近に感度を有するものが用いられるため、周辺露光装置の光源として、波長248nm付近において高い光の放射強度を有するものを用いることが肝要であり、また、周辺露光装置の光源として従来使用されている高圧水銀ランプ用の点灯電源によって点灯することが可能であれば有利である。
また、水銀の封入量が小さい水銀ランプは、波長248nm付近において高い光の放射強度が得られることが知られている。然るに、このような水銀ランプを高圧水銀ランプ用の点灯電源によって点灯した場合には、発光管内の水銀蒸気圧が小さいためにランプ電圧が低下するが、高圧水銀ランプは通常定電力制御によって点灯されるので、ランプ電流が上昇することにより、陰極における電極頭部の損耗が激しいため、光の放射強度が早期に低下して使用寿命が短くなる、という問題がある。
発光管と、この発光管内に互いに対向して配置された陽極および陰極とを有し、前記発光管内に水銀およびキセノンガス以外の希ガスが封入されてなり、
前記水銀の封入量が20〜40mg/cm3 であり、
前記陰極は、先端に向かって小径となる円錐台状の電極頭部を有し、その先端平坦面の径が0.3〜0.5mmであることを特徴とする。
また、前記希ガスがアルゴンガスであることが好ましい。
また、200〜300Wの定電力制御により点灯されることが好ましい。
また、発光管内にはキセノンガス以外の希ガスが封入されていることにより、始動電圧が上昇することがないため、高圧水銀ランプの点灯に用いられる点灯電源によって点灯することができる。
図1は、本考案の水銀ランプの一例における構成を発光管を切断して示す説明図である。
図1に示す水銀ランプ1は、例えばウエハ上に形成された、波長248nm付近に感度を有するフォトレジスト層に対して、当該ウエハの周辺部に位置する部分を露光する周辺露光装置の光源として用いられるものである。
この水銀ランプ1の発光管10は、内部に放電空間を形成する外形が略楕円球状の発光部11と、この発光部11の両端の各々に一体に連設された、管軸に沿って外方に伸びるロッド状の一方の封止部12および他方の封止部13とを有する。この発光管10における発光部11内には、基端部分が一方の封止部12に埋設されて保持された、発光管10の軸方向に伸びる断面円形の棒状の電極軸部23を有する陽極20と、基端部分が他方の封止部13に埋設されて保持された、発光管10の軸方向に伸びる断面円形の棒状の電極軸部33を有する陰極30とが互いに対向するよう配置されている。
また、発光管10における他方の封止部13の内部には、モリブデンよりなる他方の金属箔15が気密に埋設されている。他方の金属箔15の一端には、陰極30における電極軸部33の基端33Aが溶接されて電気的に接続され、当該他方の金属箔15の他端には、他方の封止部13の外端から外方に突出する陰極用外部リード17が溶接されて電気的に接続されている。
発光部11内に封入される水銀の封入量は、20〜40mg/cm3 とされ、より好ましくは28〜32mg/cm3 である。水銀の封入量が20mg/cm3 未満である場合には、ランプ電圧が低くなり、規定の値の電力を入力するとランプ電流が高くなるため、早期に発光管10に黒化が発生し、水銀ランプ1の使用寿命が短くなる。一方、水銀の封入量が40mg/cm3 を超える場合には、波長248nm付近の光を高い強度で放射することが困難となる。
また、発光部11内に封入される希ガスは、点灯始動性を改善するためのものであり、その封入圧は、静圧で例えば20〜35kPaである。また、希ガスとしては、アルゴンガスを好適に用いることができる。
陽極20における電極頭部21、電極胴部22、電極軸部23およびコイル25を構成する材料としては、タングステンを用いることができる。
陰極30における電極頭部31、電極胴部32、電極軸部33およびコイル35を構成する材料としては、トリエーテッドタングステンを用いることができる。
また、陰極20の電極頭部31におけるテーパ角度αは、50〜90°であることが好ましい。
このような水銀ランプ1は、波長365±40nmの光の積分強度に対する波長248±40nmの光の積分強度の比率が0.25以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上である。
また、発光管10内にはキセノンガス以外の希ガスが封入されていることにより、始動電圧が上昇することがないため、高圧水銀ランプの点灯に用いられる点灯電源によって点灯することができる。
図1〜図3に示す構成に従い、下記の仕様を有する水銀ランプを作製した。
発光管(10)は、石英ガラス製で、全長が11cmであり、発光部(11)の軸方向の長さが2.5cm、最大外径が2cm、最大内径が1.6cmで、発光部(11)の内容積が3.3cm3 である。
また、発光管(10)の発光部(11)内には、30mg/cm3 の水銀および静圧で26.7kP(200torr)のアルゴンガスが封入されている。
陽極(20)は、タングステン製で、電極頭部(21)の長さが1.6mm、電極頭部(21)における突起部分(21A)の先端平坦面(21a)の径が0.5mm、突起部分(21A)の後端(突起部分(21A)と基台部分(21B)との境界)の径が2.2mm、突起部分(21A)におけるテーパ角度βが120°、電極胴部(22)の長さが8mm、電極胴部(22)の径が3.5mm、電極軸部(23)の長さが9mm、電極軸部(23)の径が2.5mm、コイル(25)を構成する金属細線の径が0.4mmである。
陰極(30)は、トリエーテッドタングステン製で、電極頭部(31)の長さが1.1mm、電極頭部(31)の先端平坦面(31a)の径が0.3mm、電極頭部(31)におけるテーパ角度αが55°、電極胴部(32)の長さが4.2mm、電極胴部(32)の径が1.5mm、電極軸部(33)の長さが18.5mm、電極軸部(33)の径が2.5mm、コイル(35)を構成する金属細線の径が0.4mmである。
陽極(20)と陰極(30)との離間距離は、2.3mmであり、ランプ入力が250Wである。
水銀の封入量を20mg/cm3 に変更したこと以外は実施例1と同様の仕様の水銀ランプを作製した。
水銀の封入量を40mg/cm3 に変更したこと以外は実施例1と同様の仕様の水銀ランプを作製した。
陰極(30)を下記の仕様のものに変更したこと以外は実施例1と同様の仕様の水銀ランプを作製した。
陰極(30)は、トリエーテッドタングステン製で、電極頭部(31)の長さが1.0mm、電極頭部(31)の先端平坦面(31a)の径が0.5mm、電極頭部(31)におけるテーパ角度αが55°、電極胴部(32)の長さが4.4mm、電極胴部(32)の径が1.5mm、電極軸部(33)の長さが18.5mm、電極軸部(33)の径が2.5mm、コイル(35)を構成する金属細線の径が0.4mmである。
陰極を下記の仕様のものに変更し、水銀の封入量を47mg/cm3 に変更したこと以外は実施例1と同様の仕様の水銀ランプを作製した。
陰極は、トリエーテッドタングステン製で、長さが18.5mmで径が2.5mmの電極軸部に、長さが4.3mmで径が1.5mmの円柱状の電極胴部を介して、長さが1mmでテーパ角度が70°の円錐状の電極頭部が一体に形成されてなり、電極胴部に0.4mmの金属細線が巻き回されてなるコイルが設けられなるものである。
陰極を比較例1と同様の仕様のものに変更したこと以外は実施例1と同様の仕様の水銀ランプを作製した。
陰極を下記の仕様のものに変更したこと以外は実施例1と同様の仕様の水銀ランプを作製した。
陰極は、トリエーテッドタングステン製で、電極頭部の長さが1.3mm、電極頭部の先端平坦面の径が0.15mm、電極頭部におけるテーパ角度αが55°、電極胴部の長さが4.1mm、電極胴部の径が1.5mm、電極軸部の長さが18.5mm、電極軸部の径が2.5mm、コイルを構成する金属細線の径が0.4mmである。
実施例1〜実施例3および比較例1に係る水銀ランプの各々を、高圧水銀ランプ用の点灯電源を用いて250Wの定電力制御によって点灯させ、放射される光の分光分布を測定し、波長365±40nmの光の積分強度に対する波長248±40nmの光の積分強度の比率(以下、「積分強度比率」という。)を求めた。
図4に、実施例1および比較例1に係る水銀ランプから放射される光の分光分布曲線図を示し、図5に、実施例1〜実施例3および比較例1に係る水銀ランプにおける水銀封入量と積分強度比率との関係を示す。
以上の結果から、実施例1〜実施例3に係る水銀ランプによれば、波長248nm付近において高い光の放射強度が得られることが確認された。
実施例1、実施例4、比較例2および比較例3に係る水銀ランプの各々を、高圧水銀ランプ用の点灯電源を用いて250Wの定電力制御によって連続点灯させ、初期の光量の40%の光量となるまでの時間を寿命時間として測定した。
図6に、実施例1、実施例4、比較例2および比較例3に係る水銀ランプにおける陰極の電極頭部の先端平坦面の径と寿命時間との関係を示す。
以上の結果から、実施例1および実施例4に係る水銀ランプによれば、3000時間以上の長時間にわたって光の放射強度が維持されることが確認された。
10 発光管
11 発光部
12 一方の封止部
13 他方の封止部
14,15 金属箔
16 陽極用外部リード
17 陰極用外部リード
20 陽極
21 電極頭部
21a 先端平坦面
21A 突起部分
21B 基台部分
22 電極胴部
23 電極軸部
23A 基端
25 コイル
30 陰極
31 電極頭部
31a 先端平坦面
32 電極胴部
33 電極軸部
33A 基端
35 コイル
Claims (4)
- 波長248nm付近に感度を有するフォトレジストに対して露光処理を行うための光源として用いられる水銀ランプであって、
発光管と、この発光管内に互いに対向して配置された陽極および陰極とを有し、前記発光管内に水銀およびキセノンガス以外の希ガスが封入されてなり、
前記水銀の封入量が20〜40mg/cm3 であり、
前記陰極は、先端に向かって小径となる円錐台状の電極頭部を有し、その先端平坦面の径が0.3〜0.5mmであることを特徴とする水銀ランプ。 - 波長365±40nmの光の積分強度に対する波長248±40nmの光の積分強度の比率が0.25以上であることを特徴とする請求項1に記載の水銀ランプ。
- 前記希ガスがアルゴンガスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水銀ランプ。
- 200〜300Wの定電力制御により点灯されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水銀ランプ。
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JP2013214404A (ja) * | 2012-04-02 | 2013-10-17 | Yumex Inc | 超高圧水銀ランプおよびこれを備えた紫外線照射装置 |
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