JP3165725B2 - 耐溶剤性を有する構造体の製造方法 - Google Patents

耐溶剤性を有する構造体の製造方法

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐溶剤性を必要とする
構造体の製造方法、特に分離膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】今日、エンジニアリングプラスチックは、
数多くのものが開発され、実用的に用いられている。し
かし、多くのエンジニアリングプラスチックは、溶剤に
不溶でポリマーを溶剤に溶かして成型することができな
いため、例えば分離膜に必要とされる相転換法による非
対称構造や緻密層を形成させる製膜材料として用いるこ
とができない。
【0003】また、ポリエーテルイミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホンなどは、溶剤に可溶なので、
製膜材料に用いられている。しかし、これらの得られる
分離膜は、耐溶剤性に乏しいという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エンジニアリングプラ
スチックが有する耐熱性、耐酸塩基性、耐塩素性などを
維持しつつ、溶剤に溶かして成型でき、しかも成型物が
耐溶剤性を有しているような材料の開発が望まれてい
た。
【0005】このような材料による成型体を得るため
に、従来は一般に下記するような2つの方法が試みられ
ている。
【0006】1.特開昭56−157435号公報に記
載されている、ポリイミド前駆体を溶剤に溶かして紡糸
し中空糸膜とした後、加熱することによりポリイミドと
し不溶化する方法。
【0007】2.特開平3−278824号公報に記載
されている、ポリフェニレンスルフィドスルホンを溶剤
に溶かして紡糸し中空糸膜とした後、酸化することによ
りポリフェニレンスルホンとし不溶化する方法。
【0008】しかし、いずれの方法も、耐溶剤性の向上
した中空糸膜が得られるが、それでもなお、耐溶剤性に
問題が残っていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
技術課題を解決すべく鋭意研究をおこなってきた。その
結果、ハロメチル化した芳香族縮合系重合体を溶剤に不
溶化させる方法を見い出し本発明を提案するに至ったも
のである。即ち、本発明は、ハロメチル化した芳香族縮
合系重合体よりなる構造体のハロメチル基を開裂させる
ことを特徴とする耐溶剤性を有する構造体の製造方法で
ある。
【0010】本発明において、ハロメチル基を有する芳
香族縮合系重合体の母体となる芳香族縮合系重合体は、
ハロメチル基を導入することが可能であれば、特に制限
を受けない。例えば、ポリエーテルイミド、ポリイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、
ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリアミド、ポリアリレー
ト、ポリフェニレンスルフィドケトンなどが用いられ
る。特に、ハロメチル化の容易なポリエーテルイミド、
ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニ
レンスルフィドスルホン、ポリエーテルスルホンが好適
である。
【0011】ハロメチル基を有する芳香族縮合系重合体
は、芳香族縮合系重合体をハロメチル化して得ることが
できるが、例えば、ハロメチル基を有する芳香族縮合系
重合体の前駆体を縮合させてもよい。
【0012】芳香族縮合系重合体をハロメチル化する方
法としては、芳香族縮合系重合体をフリーデルクラフト
反応によりハロメチル化する方法が用いられる。具体的
には、芳香族縮合系重合体にハロゲン化水素とホルムア
ルデヒドを作用させる方法、クロロメチルメチルエーテ
ルなどのハロメチル化剤とAlCl3、ZnCl2、Sn
Cl4などのルイス酸を作用させる方法などが用いられ
る。
【0013】なお、ハロメチル基のハロゲンの種類は限
定されない。フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロ
モメチル基、ヨードメチル基が用いられる。ハロメチル
基の開裂の容易さは、ヨードメチル基>ブロモメチル基
>クロロメチル基>フルオロメチル基と考えられるが、
ハロメチル化の容易さから特に、クロロメチル基が好適
である。
【0014】次に、本発明のハロメチル基を有する芳香
族縮合系重合体の構造体を得るためには、上記したハロ
メチル化した芳香族縮合系重合体を用いて成型する方
法、あるいは芳香族縮合系重合体を予め成型した後にハ
ロメチル化する方法が、目的とする構造体の種類、態様
に応じて適用されるが、一般に前者の方法が採用され
る。例えば精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜、パーベ
ーパレーション膜などの分離膜を目的とする場合には、
ハロメチル化した芳香族縮合系重合体をジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロ
リドンのような溶剤に溶かし、製膜する。
【0015】本発明における重要な特徴は、構造体の芳
香族縮合系重合体に結合したハロメチル基の開裂により
架橋反応させることにあり、耐久性に優れた構造体を得
るものである。
【0016】本発明のハロメチル基を開裂させる方法と
しては、ルイス酸やHF,H2SO4、H3PO4などのプ
ロトン酸によりイオン的に開裂させる方法、あるいは紫
外線、電子線などの光、あるいは熱によりラジカル的に
開裂させる方法などが用いられるが、特に溶剤を用いな
い、光あるいは熱を用いる方法が好適である。
【0017】ハロメチル基の開裂による架橋反応は、ラ
ジカル的な場合、以下のように考えられる。
【0018】
【化1】
【0019】さらに、ポリエーテルイミド、ポリスルホ
ンなどのようにビスフェノールAのユニットを有する芳
香族縮合系重合体では、
【0020】
【化2】
【0021】の架橋反応も起きていると思われる。
【0022】ハロメチル基の開裂反応の条件は、クロロ
メチル基に対して熱を用いる場合に100℃〜250℃
で5秒〜12時間が好適であり、特に120℃〜180
℃で10秒〜6時間が好適である。また、ヨードメチル
基、ブロモメチル基の場合には、80℃〜250℃で5
秒〜12時間、フルオロメチル基の場合、120℃〜2
50℃で5秒〜12時間が適当である。
【0023】本発明におけるハロメチル基の開裂による
架橋反応は、得られる構造体の溶剤への不溶化、元素分
析でのハロゲン重量の減少、IRスペクトル・融点など
の変化により確認できる。なお、本発明でいう耐溶剤性
とは、有機溶剤に対して、影響を受けにくい性質をい
う。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコールなどのアルコール類、ジエチルエー
テルなどのエーテル類、酢酸などのカルボン酸類、ベン
ゼン、トルエンなどの芳香族化合物、クロロホルム、四
塩化炭素などのハロゲン化炭素、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリド
ンなどである。
【0024】
【効果】本発明によれば、ハロメチル化した芳香族縮合
系重合体よりなる構造体のハロメチル基を開裂させるこ
とにより、芳香族縮合系重合体の高い耐熱性などの特長
を残しつつ、架橋により耐溶剤性を付与された材料を与
える。したがって、例えば芳香族縮合系重合体としてポ
リスルホンを用いて限外濾過膜を製造する場合、ポリス
ルホンの架橋膜となるが、この膜はポリスルホンの骨格
をほぼ維持しているので親水的で、しかも架橋されてい
るので、耐溶剤性も高いすぐれた限外濾過膜を得ること
ができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0026】なお、実施例1〜3および比較例1〜7に
示す透過流束は、純水あるいは含有機溶媒水溶液を用い
て操作圧4kgf/cm2で測定した流束(l/m2・h
r)であり、また透過性は分子量の単分散ポリエチレン
グリコール(PEG)溶液(濃度1000ppm)を用
い測定して阻止率(%)を下記式で算出し、その阻止率
が90%以上となる単分散PEGの分子量を分画分子量
とした。
【0027】
【数1】
【0028】実施例1 アモコケミカルジャパンより入手した下記式で表される
繰り返し単位
【0029】
【化3】
【0030】を有するポリスルホン(商品名:Udel
Polysulfone、重量平均分子量35,00
0)30gをジクロロエタン570gに窒素雰囲気下、
50℃で加熱撹拌しながら均一に溶解した後、クロロメ
チルメチルエーテル21gおよび塩化亜鉛4.2gを投
入し、撹拌しながら50℃で8時間反応させた。次い
で、反応液を30℃まで冷却した後、大量のメチルアル
コール中に沈澱させ、減圧乾燥後、クロロホルムで溶
解、再沈澱させて精製し膜の製造に供した。なお、得ら
れたクロロメチル化ポリスルホンは、元素分析によって
測定した塩素含量が7.5重量%であり、この含量から
計算で求められる上記したポリスルホンの繰り返し単位
(ユニット)あたりの導入されたクロロメチル基の数
は、1.1個である。さらに、1H−NMR法で評価し
た4.57ppmに現れるメチレン基の濃度と一致し、
クロロメチル化されていることを確認した。これらの分
析結果より、クロロメチル化ポリスルホンの構造は下式
と同定された。
【0031】
【化4】
【0032】(式中、a+b+c+d=1.1) 上記クロロメチル化ポリスルホン30g、重量平均分子
量40,000のポリビニルピロリドン5gおよびN−
メチル−2−ピロリドン150gよりなる混合物を室温
において10時間撹拌した後、粘度30ポイズの溶液を
得た。次いでこの溶液をガラス板上に約300μmの厚
さで流延した後、10℃の純水に浸漬して凝固させるこ
とにより、厚さ約100μmのクロロメチル化ポリスル
ホン膜を得た。この膜の純水を用いた時の透過流束は
1,300(l/m2・hr)、分画分子量20,00
0であった。
【0033】この膜を窒素雰囲気下、170℃で5時間
加熱した。加熱後の純水を用いた時の透過流束は1,0
00(l/m2・hr)、分画分子量10,000であ
った。なお、この膜は、N−メチル−2−ピロリドンに
は不溶であった。元素分析によって測定した塩素含量
は、4.5重量%であった。これらのことにより、架橋
していることを確認した。
【0034】次に、この膜にアセトン5%水溶液を供給
して、濾過性能を測定したが、透過流束は1,000
(l/m2・hr)、分画分子量は10,000であっ
た。その後、5日間連続してアセトン5%水溶液で濾過
実験をおこない、濾過性能を測定したが、透過流束は
1,000(l/m2・hr)、分画分子量10,00
0と変化なく、膜の形状も特に変化はなかった。
【0035】比較例1 実施例1の加熱処理する前の膜に、アセトン5%水溶液
を供給して、濾過性能を測定したが、透過流束は2,2
00(l/m2・hr)、分画分子量は250,000
となった。
【0036】その後、3日間連続してアセトン5%水溶
液で濾過をおこなったところ、膜が膨潤し、濾過性能を
測定できなくなった。
【0037】比較例2 実施例1と同一のポリスルホンを用いて、クロロメチル
化することなく、そのまま実施例1と同様の条件で製膜
した。この膜の純水を用いた時の透過流束は1,300
(l/m2・hr)、分画分子量20,000であっ
た。
【0038】次に、この膜にアセトン5%水溶液を供給
して、濾過性能を測定したが、透過流束は2,000
(l/m2・hr)、分画分子量は200,000とな
った。その後、3日間連続してアセトン5%水溶液で濾
過実験をおこなったところ、膜が膨潤し、濾過性能を測
定できなくなった。
【0039】比較例3 実施例1と同一のポリスルホンを用いて、クロロメチル
化することなく、重量平均分子量40,000のポリビ
ニルピロリドンを3gにする以外は、すべて実施例1と
同様の条件で製膜した。この膜の純水を用いた時の透過
流束は1,000(l/m2・hr)、分画分子量1
0,000であった。
【0040】次に、この膜にアセトン5%水溶液を供給
して、濾過性能を測定したが、透過流束は1,800
(l/m2・hr)、分画分子量は100,000とな
った。その後、3日間連続してアセトン5%水溶液で濾
過実験をおこなったところ、膜が膨潤して濾過性能を測
定できなくなった。
【0041】実施例2 実施例1で合成したクロロメチル化ポリスルホン30
g、ジエチレングリコール67gおよびN−メチル−2
−ピロリドン135gよりなる混合物を室温において、
10時間撹拌して製膜溶液を得た。この製膜溶液を用い
て中空糸膜製造用環状ノズルから中空糸膜を押し出し、
水を凝固液として20℃で中空糸膜の内部および外部か
ら凝固させ、内径0.8mm,外径1.2mmの中空糸
膜を得た。この中空糸膜の純水を用いた時の透過流束は
4,000(l/m2・hr)、分画分子量は300,
000であった。
【0042】この中空糸膜を窒素雰囲気下、170℃で
5時間加熱した。加熱後の中空糸膜は、純水に対して透
過流束3,000(l/m2・hr)、分画分子量10
0,000であった。なお、この膜は、N−メチル−2
−ピロリドンに不溶であった。元素分析によって測定し
た塩素含量は、4.5重量%であった。これらのことに
より、架橋していることを確認した。
【0043】次に、この膜にメチルエチルケトン(ME
K)5%水溶液を供給して濾過性能を測定した結果は、
透過流束3,000(l/m2・hr)、分画分子量1
00,000であった。その後、5日間連続してMEK
5%水溶液で濾過実験をおこない、濾過性能を測定した
結果は、透過流束3,000(l/m2・hr)、分画
分子量100,000と変化なく、中空糸膜の形状も特
に変化はなかった。
【0044】比較例4 実施例2の加熱処理する前の膜にMEK5%水溶液を供
給して、濾過性能を測定したが、透過流束は6,000
(l/m2・hr)、分画分子量は400,000であ
った。その後、2日間連続してMEK5%水溶液で濾過
実験をおこなったところ、膜が膨潤して濾過性能を測定
できなくなった。
【0045】比較例5 実施例1と同一のポリスルホンを用いて、クロロメチル
化することなく、そのまま実施例2と同様の条件で製膜
し、内径0.8mm,外径1.2mmの中空糸膜を得
た。この中空糸膜の純水を用いた時の透過流束は4,0
00(l/m2・hr)、分画分子量は300,000
であった。
【0046】また、この膜にMEK5%水溶液を供給し
て、濾過性能を測定したが、透過流束は7,000(l
/m2・hr)、分画分子量は500,000であっ
た。その後、2日間連続してMEK5%水溶液で濾過実
験をおこなったところ、膜が膨潤し濾過性能を測定でき
なくなった。
【0047】実施例3 下記式で表される繰り返し単位
【0048】
【化5】
【0049】を有するポリエーテルイミド(商品名:ウ
ルテム1000、ゼネラル・エレクトリック社製:重量
平均分子量40,000)100gをジクロロエタン8
32gに窒素雰囲気下50℃で加熱撹拌しながら均一に
溶解した後、クロロメチルメチルエーテル67gおよび
塩化亜鉛11gを投入し、撹拌しつつ50℃で8時間反
応させた。次いで、反応液を30℃まで冷却した後、大
過剰のメタノール中に沈澱させ減圧乾燥後、クロロホル
ム−メタノール系で溶解、再精製した。得られたクロロ
ホルム化ポリエーテルイミドは、元素分析によって測定
した塩素含量が6.6重量%であり、この含量から計算
で求められる上記したポリエーテルイミドの繰り返し単
位(ユニット)あたりの導入されたクロロメチル基の数
は、1.2個である。
【0050】さらに、このクロロメチル化ポリエーテル
イミドを1H−NMR法で評価した4.56ppmに現
れるメチレン基の濃度と一致し、クロロメチル化されて
いることを確認した。これらの分析結果より、クロロメ
チル化ポリエーテルイミドの構造は、下式と同定され
た。
【0051】
【化6】
【0052】(式中、a+b+c+d+e=1.2) 上記のクロロメチル化ポリエーテルイミド30g、重量
平均分子量40,000のポリビニルピロリドン5gお
よびN−メチル−2−ピロリドン150gよりなる混合
物を室温において10時間撹拌し、製膜溶液を得た。次
いで、この溶液をガラス板上に約300μmの厚さで流
延した後、10℃の純水に浸漬させ凝固させることによ
り、厚さ約100μmのクロロメチル化ポリエーテルイ
ミド膜を得た。この膜の純水を用いた時の透過流束は
1,100(l/m2・hr)、分画分子量15,00
0であった。
【0053】この膜を窒素雰囲気下、165℃で3時間
加熱した。加熱後の膜は、純水を用いた時の透過流束9
00(l/m2・hr)、分画分子量は8,000であ
った。なお、この膜は、N−メチル−2−ピロリドンに
不溶であった。元素分析によって測定した塩素含量は、
4.7重量%であった。これらのことにより、架橋して
いることを確認した。
【0054】次に、この膜にMEK5%水溶液を供給し
て、濾過性能を測定した結果、透過流束は900(l/
2・hr)、分画分子量は8,000であった。その
後、5日間連続してMEK5%水溶液で濾過実験をおこ
ない、濾過性能を測定したが、透過流束900(l/m
2・hr)、分画分子量8,000と変化なく、膜の形
状も特に変化なかった。
【0055】比較例6 実施例3の加熱処理する前の膜に、MEK5%水溶液を
供給して、濾過性能を測定したが、透過流束は1,40
0(l/m2・hr)、分画分子量150,000とな
った。その後、4日間連続してMEK5%水溶液で濾過
実験をおこなったところ、膜が膨潤して濾過性能を測定
できなくなった。
【0056】比較例7 実施例3と同一のポリエーテルイミドを用いて、クロロ
メチル化することなく、そのまま実施例3と同様の条件
で製膜した。この膜の純水を用いた時の透過流束は1,
100(l/m2・hr)、分画分子量は15,000
であった。
【0057】次に、この膜にMEK5%水溶液を供給し
て、濾過性能を測定したが、透過流束は1,500(l
/m2・hr)、分画分子量150,000となった。
その後、4日間連続してMEK5%水溶液で濾過実験を
おこなったところ、膜が膨潤して濾過性能を測定できな
くなった。
【0058】実施例4 実施例1で合成したクロロメチル化ポリスルホン30g
およびN−メチル−2−ピロリドン150gよりなる混
合物を室温において10時間撹拌し、製膜溶液を得た。
次いで、この溶液をガラス板上に約300μmの厚さで
流延した後、4℃の純水に浸漬して凝固させることによ
り、厚さ約100μmのクロロメチル化ポリスルホン膜
を得た。
【0059】この膜を窒素雰囲気下、175℃で5時間
加熱した。この膜は、N−メチル−2−ピロリドンには
不溶であった。元素分析によって測定した塩素含量は
4.2重量%であった。これらのことにより、架橋して
いることを確認した。
【0060】パーベーパレーション法の分離装置を用い
て、被処理液としてイソプロピルアルコールの濃度が8
5重量%であるイソプロピルアルコール(IPA)と水
(H2O)との混合液について分離試験をおこなった。
なお、被処理液は、60℃とし、真空度は3トールで実
施した。
【0061】その結果、透過流束は700(g/m2
hr)、分離係数αは100であった。ただし、分離係
数αは、
【0062】
【数2】
【0063】その後、同じ条件で10日間パーベーパレ
ーションをおこなったが、透過流束は700(g/m2
・hr)、分離係数は100と変化なく、膜の形状も特
に変化はなかった。
【0064】比較例8 実施例1で合成したクロロメチル化ポリスルホン30g
およびN−メチル−2−ピロリドン150gよりなる混
合物を室温において10時間撹拌し、製膜溶液を得た。
次いで、この溶液をガラス板上に約300μmの厚さで
流延した後、4℃の純水に浸漬して凝固させることによ
り、厚さ約100μmのクロロメチル化ポリスルホン膜
を得た。
【0065】この膜を実施例4と同様の条件でパーベー
パレーションをおこなった。透過流束は1,500(g
/m2・hr)、分離係数70であった。その後、同じ
条件で2日間パーベーパレーションをおこなったとこ
ろ、膜が膨潤して性能測定ができなくなった。
【0066】比較例9 実施例1と同一のポリスルホンを用いて、クロロメチル
化することなく、そのまま比較例8と同様の条件で製膜
した。
【0067】この膜を実施例4と同じ条件でパーベーパ
レーションをおこなった。透過流束は1,400(g/
2・hr)、分離係数75であった。その後、同じ条
件で2日間パーベーパレーションをおこなったところ、
膜が膨潤して性能測定ができなくなった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 71/68 B01D 71/68 C08L 79:08 81:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロメチル基を有する芳香族縮合系重合
    体よりなる構造体の該ハロメチル基を開裂させることを
    特徴とする耐溶剤性を有する構造体の製造方法
JP02952092A 1992-02-17 1992-02-17 耐溶剤性を有する構造体の製造方法 Expired - Fee Related JP3165725B2 (ja)

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