JP3165097B2 - 原子燃料棒外観検査装置 - Google Patents

原子燃料棒外観検査装置

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JP3165097B2
JP3165097B2 JP35310397A JP35310397A JP3165097B2 JP 3165097 B2 JP3165097 B2 JP 3165097B2 JP 35310397 A JP35310397 A JP 35310397A JP 35310397 A JP35310397 A JP 35310397A JP 3165097 B2 JP3165097 B2 JP 3165097B2
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fuel rod
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straightening
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岸 博 山
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子燃料棒の表面
の傷の有無について検査を行う原子燃料棒外観検査装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子燃料棒は、長さ約4mの長尺状の被
覆管の内部に核燃料ペレットを充填し、両端の開口部に
端栓を溶接して形成したものである。この原子燃料棒
は、種々の製造過程を経てきているので表面に傷が発生
している可能性があるが、このような傷の存在は原子炉
の重大故障につながる虞れがあるため、傷の有無につい
ての検査を厳格に行う必要がある。この傷の有無につい
ての検査方式の一つとして、いわゆる「渦電流法」があ
る。渦電流法は、検査対象となる金属の周囲に磁界を発
生させ、そのときの金属表面の渦電流の変化すなわちイ
ンピダンス変化によって、金属表面付近における傷の有
無を検査しようとするものである。
【0003】図6は、このような渦電流法を用いた従来
の原子燃料棒外観検査装置の概略構成を示す平面図であ
る。この図において、原子燃料棒1は、複数本が検査待
ちテーブル2上に水平に一層で並べられ、図示を省略し
てあるテイクイン機構により検査ライン3に供給される
ようになっている。そして、原子燃料棒1は、図6では
図示を省略してある送り装置によりこの検査ライン3上
を図の右方から左方へ向けて送られるようになってい
る。
【0004】検査待ちテーブル2の左方には検査器4が
設置されている。この検査器4は、図示を省略してある
探触子を有しており、この探触子が、図の右方から左方
へ移動する原子燃料棒1の周囲で高速回転し、原子燃料
棒1表面の傷の有無について検査を行うようになってい
る。
【0005】また、検査器4の左方には合格テーブル5
及び不合格テーブル6が設置されている。そして、合格
と判別された原子燃料棒1は、図示を省略してあるテイ
クアウト機構により合格テーブル5上に並べられた後に
次工程へ送られるようになっており、不合格品と判別さ
れた原子燃料棒1は不合格テーブル6上に並べられた後
に処分されるようになっている。
【0006】図7は、図6では図示を省略していた送り
装置を形成する複数の搬送ローラ7と、この搬送ローラ
7によって搬送される原子燃料棒1とを示した説明図で
あり、(a)は側面図、(b)は平面図である。これら
の搬送ローラ7は、図6における検査ライン3に沿って
配設されており、その内周面が原子燃料棒1の表面と当
接した状態で回転し、原子燃料棒1をその周方向に回転
させることなく、軸方向へ送り出すようにしている。
【0007】次に、上記のように構成される従来の原子
燃料棒外観検査装置の動作につき説明する。検査待ちテ
ーブル2上に置かれた原子燃料棒1は、テイクイン機構
により検査ライン3に供給された後、搬送ローラ7によ
り検査器4に向かって送り出される。そして、探触子
は、検査ライン3上を移動中の原子燃料棒1の周囲を高
速回転し、原子燃料棒1表面の傷の有無についての検査
を行う。テイクアウト機構は、この探触子の検査結果に
基づき、原子燃料棒1を合格テーブル5又は不合格テー
ブル6に振り分けるようにする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図8は、図7(b)の
A−A矢視図であり、搬送ローラ7と、この搬送ローラ
7により搬送される原子燃料棒1との位置関係を示す説
明図である。搬送ローラ7は、搬送中に原子燃料棒1に
対して傷をつけることのないようにウレタンゴム等の比
較的柔らかい材質により形成されており、また、原子燃
料棒1を円滑に移動させるために、その内周面の曲率半
径は原子燃料棒1の半径よりも大きなものとなってい
る。そして、搬送ローラ7の内周面の中心C0 は、図8
(a)に示すように、原子燃料棒1の中心C1 と一致す
ることが前提となっており、さらに、検査器4の探触子
は搬送ローラ7の内周面の中心C0 すなわち原子燃料棒
1の中心C1 が回転動作の中心位置となるように設定さ
れている。
【0009】しかし、探触子が検査を行う検査位置にお
いて、常に搬送ローラ7の内周面の中心C0 と原子燃料
棒1の中心C1 とが一致しているわけではなく、ときと
して搬送中の振動等の原因で原子燃料棒1の半径方向で
の位置が変動し、図8(b)に示すように、これら双方
の中心C0 ,C1 が大きくずれてしまうことがある。こ
のような状態では、探触子の回転中心は原子燃料棒1の
中心C1 と一致していないため、探触子の検査精度を低
下させる結果となっている。
【0010】また、探触子に対して安定した検査動作を
保障するためには、複数の搬送ローラ7の全ての内周面
の中心C0 を0.1〜0.3mmの誤差範囲内で探触子
の回転中心位置に一致させる必要があるが、複数の搬送
ローラ7の全てについて、このような誤差範囲内での設
置を行うことは事実上不可能である。
【0011】このように、搬送中における双方の中心C
0 ,C1 のずれの発生、及び搬送ローラ7の設置の際の
誤差の発生のために、従来装置では、検査精度を一定レ
ベル以上に向上させることができず、さらに、甚だしい
場合には、安定した検査を継続することができないばか
りか、原子燃料棒と探触子とが接触してしまい、原子燃
料棒に傷をつけたり、探触子そのものを破損してしまう
虞れさえあった。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、検査位置における探触子の回転中心と、原子燃料
棒の中心とのずれを除去し、検査精度を向上させると共
に、原子燃料棒と探触子との接触事故を防止することが
可能な原子燃料棒外観検査装置を提供することを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、請求項1記載の発明は、原子燃料棒の軸
方向に沿って形成された検査ライン上に配設されてお
り、所定の曲率半径を有する内周面で原子燃料棒を支持
し、この内周面に当接する原子燃料棒を所定の検査位置
まで搬送する複数の搬送ローラと、前記検査位置に配設
され、前記搬送ローラにより搬送されてきた前記原子燃
料棒の周囲を回転しながら、この原子燃料棒表面の傷の
有無を検査する探触子と、を備えており、前記搬送ロー
ラの内周面の中心と前記探触子の回転中心とが一致する
ように設定されている原子燃料棒外観検査装置におい
て、前記検査ライン上に設けられ前記検査位置の上流側
の搬送ローラを抜け出た原子燃料棒の表面に当接する第
1の矯正ローラ、及びこの第1の矯正ローラの下流側に
所定距離だけ離間して設けられた第2の矯正ローラと、
前記第1及び第2の矯正ローラに対して前記原子燃料棒
の半径方向に向かう付勢力を持つ付勢手段と、を有し、
前記検査位置の前後に設けられた原子燃料棒中心位置矯
正装置を備え、前記原子燃料棒の中心が前記検査位置上
流側の搬送ローラ内周面の中心とずれた状態で、この原
子燃料棒が前記第1の矯正ローラと当接した場合に、こ
の第1の矯正ローラは、前記付勢手段からの付勢力に基
づき、双方の中心のずれ量に応じて前記押圧力を原子燃
料棒に加えると共に原子燃料棒の半径方向に変位し、前
記第2の矯正ローラは、前記第1の矯正ローラの変位方
向と逆方向に変位した状態で原子燃料棒の表面に当接
し、前記双方の中心のずれ量に応じた前記押圧力を原子
燃料棒に加え、これら第1及び第2の矯正ローラ並びに
付勢手段により、前記検査位置付近の搬送ローラの内周
面に当接している原子燃料棒の中心がこの搬送ローラの
内周面の中心とずれている場合に、この原子燃料棒にそ
の半径方向の押圧力を加え、原子燃料棒を半径方向に変
位させることによりこれら双方の中心を一致させる、こ
とを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第1及び第2の矯正ローラは、中間部
が回動自在に軸支された連結板の両端部に軸装されてお
り、前記付勢手段は、この連結板に軸装された第1及び
第2の矯正ローラに対して前記付勢力を与えるバネ部材
により形成されている、ことを特徴とする。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記連結板中間部の軸支位置は、第1の矯
正ローラ及びこの軸支位置間の距離と、この軸支位置及
び第2の矯正ローラ間の距離との比を所定値にする位置
である、ことを特徴とする。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第1及び第2の矯正ローラは、他端側
が密閉室内に配設された各可動ロッドの一端側に取り付
けられており、前記付勢手段は、前記密閉室内に充填さ
れて前記各可動ロッドの他端側に対して前記付勢力を与
える非圧縮性物質により形成されている、ことを特徴と
する。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の発明において、前記原子燃料棒中心位
置矯正装置が、前記複数の搬送ローラの内周面の中心軸
を結ぶ軸線と直交する方向で且つ放射状に等角度で複数
組配設されている、ことを特徴とする。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記複数組配設された各原子燃料棒中心位
置矯正装置は、前記原子燃料棒の軸方向についての配設
位置がそれぞれ異なっている、ことを特徴とする。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の
いずれかに記載の発明において、前記探触子は、渦電流
探触子である、ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づき説明する。但し、図6乃至図8に示した構成要素と
同様のものには同一符号を付して重複した説明を省略す
る。図1は、本発明の実施形態に係る原子燃料棒外観検
査装置の概略構成を示す側面図である。
【0023】図1において、検査待ちテーブル2及び不
合格テーブル6の上方に複数の搬送ローラ7が配設され
ており、これら複数の搬送ローラ7は、検査待ちテーブ
ル2及び不合格テーブル6の下方に設置されている駆動
モータ8により回転駆動されるようになっている。そし
て、これら複数の搬送ローラ7の上方に形成されている
検査ライン3に沿って、原子燃料棒1が軸方向へ右方か
ら左方に搬送されるようになっている。
【0024】検査待ちテーブル2と不合格テーブル6と
の間には制御装置9が設置されており、この制御装置9
に、内部に探触子を有する検査器4が取り付けられてい
る。そして、この検査器4の前後すなわち上流側及び下
流側のそれぞれに、第1の矯正ローラ11及び第2の矯
正ローラ12を有する原子燃料棒中心位置矯正装置10
が配設されている。
【0025】図2は、図1における原子燃料棒中心位置
矯正装置10の構成を示す説明図である。この図におい
て、第1の矯正ローラ11と第2の矯正ローラ12とは
連結板13の両端部に軸装されている。連結板13は、
その中央部に設けられている回動軸14により回動自在
に軸支されている。連結板13には各ローラの回転軸付
近にコイルバネ15の一端側が取り付けられており、こ
のコイルバネ15の他端側は図示を省略してある固定壁
に取り付けられている。これら第1の矯正ローラ11、
第2の矯正ローラ12、連結板13、回動軸14、及び
コイルバネ15により1つのローラ組が形成されてお
り、本実施形態では、4つのローラ組R1,R2 ,R3
,R4 が設けられている。なお、第1の矯正ローラ1
1及び第2の矯正ローラ12の材質には、原子燃料棒1
の表面を傷つけないように、比較的柔らかい樹脂が用い
られている。
【0026】図3は、図2のB−B矢視図であり、図3
(a)では4つのローラ組R1 ,R2 ,R3 ,R4 が原
子燃料棒1を中心として、90°の等間隔で放射状に配
置された状態が示されている。したがって、各ローラ組
における第1の矯正ローラ11及び第2の矯正ローラ1
2の当接面は、一定の押圧力で原子燃料棒1の表面に押
しつけられた状態となっており、且つ、原子燃料棒1の
半径方向の位置変化又は姿勢変化に応じて、第1の矯正
ローラ11及び第2の矯正ローラ12は回動軸14を支
点としたシーソー動作を行うことが可能になっている。
【0027】本実施形態では、図3(a)に示すよう
に、4つのローラ組R1 ,R2 ,R3,R4 が原子燃料
棒1を中心として、90°の等間隔で放射状に配置され
ているものとするが、図3(b)に示すように、3つの
ローラ組R1 ,R2 ,R3 を原子燃料棒1を中心とし
て、120°の等間隔で放射状に配置する構成とするこ
とも可能である。
【0028】次に、上記のように構成される本実施形態
の動作につき説明する。図1において、検査待ちテーブ
ル2に並べられている原子燃料棒1は、図示を省略して
あるテイクイン機構により検査ライン3に供給され、搬
送ローラ7により軸方向へ右方から左方に向かって搬送
される。そして、原子燃料棒1は、まず、その先端部が
検査器4の手前側すなわち上流側の原子燃料棒中心位置
矯正装置10に送り込まれる。
【0029】図4は、このときの第1の矯正ローラ11
及び第2の矯正ローラ12の動作についての説明図であ
る。図4(a)は、搬送ローラ7の内周面の中心C0 と
原子燃料棒1の中心C1 とが一致した状態で原子燃料棒
1が原子燃料棒中心位置矯正装置10に送り込まれてき
た場合を示すものである。この場合には、第1の矯正ロ
ーラ11及び第2の矯正ローラ12は、原子燃料棒1の
半径方向に変位することはなく、原子燃料棒1はそのま
まこれらのローラ11,12と当接しながら右方から左
方へと移動していく。そして、図4(a)の左方に配設
されている検査器4の探触子が原子燃料棒1の周囲を高
速回転しながら、その表面の傷の有無についての検査を
行う。なお、本実施形態では、回動軸14は連結板13
の中央部に位置しており、回動軸14及び回転軸11a
間の距離d1 と、回動軸14及び回転軸12a間の距離
d2 とが等しくなっている。
【0030】しかし、図4(b)に示すように、搬送ロ
ーラ7の内周面の中心C0 と原子燃料棒1の中心C1 と
が一致しない状態で原子燃料棒中心位置矯正装置10に
送り込まれてきた場合は、第1の矯正ローラ11及び第
2の矯正ローラ12が原子燃料棒1に対して、その中心
C1 についての矯正動作を行うことになる。いま、原子
燃料棒1の中心C1 が搬送ローラ7の内周面の中心C0
よりも変位量Δl1 だけ上方にずれていたとすると、第
1の矯正ローラ11は原子燃料棒1に押されて、この変
位量Δl1 に対応した変位量Δl2 だけ上方に変位す
る。このとき、連結板13は回動軸14に回動自在に軸
支されており、図4(a)に示したようにd1 =d2 と
なっているため、第2の矯正ローラ12は、第1の矯正
ローラ11とは逆に変位量Δl2 だけ下方に変位する。
【0031】図4(b)において、第1の矯正ローラ1
1は原子燃料棒1に押されて、本来の位置から上方へ変
位量Δl2 だけ変位した状態となっているが、この状態
ではコイルバネ15の付勢力によって、第1の矯正ロー
ラ11も原子燃料棒1に対して押圧力を下方に加えてい
る。したがって、原子燃料棒1の先端が第2の矯正ロー
ラ12に到達するまでの間に、原子燃料棒1は第1の矯
正ローラ11からの押圧力によって下方に押し戻され、
原子燃料棒1の変位量Δl1 はやや減少することにな
る。そして、原子燃料棒1が第2の矯正ローラ12に当
接すると、このときの第2の矯正ローラ12は下方へ変
位している(変位量はΔl2 よりもやや減少してい
る。)ため、原子燃料棒1は第2の矯正ローラ12に取
り付けられているコイルバネ15の付勢力により更に下
方へ押し戻され、原子燃料棒1の変位量Δl1 は一層減
少することになる。それ故、原子燃料棒1の先端が検査
器4の探触子に到達する時点では、搬送ローラ7の内周
面の中心C0 と原子燃料棒1の中心C1 とのずれは非常
に小さなものとなる。原子燃料棒1は、探触子によって
その表面の傷の有無について検査が行われた後、更に、
下流側の原子燃料棒中心位置矯正装置10に送り込ま
れ、その第1の矯正ローラ11及び第2の矯正ローラ1
2は上記と同様の動作を行う。このように、検査器4の
前後に原子燃料棒中心位置矯正装置10が配置され、探
触子の検査位置の前後で原子燃料棒1の中心位置の矯正
動作が行われるようになっているので、原子燃料棒1が
前後2組の原子燃料棒中心位置矯正装置10を通り抜け
る間に、変位量Δl1 はゼロに向かって収斂する。そし
て、本実施形態では、原子燃料棒中心位置矯正装置10
は、2つの矯正ローラ11,12を有しており、矯正ロ
ーラが1つの場合に比べて、この変位量Δl1 がゼロへ
収斂する度合いは一層大きなものとなっている。したが
って、探触子の回転中心と原子燃料棒1の中心とがほぼ
一致することになり、精度の高い外観検査を実行するこ
とが可能になる。
【0032】図4(b)は、原子燃料棒1が水平状態を
維持したまま上方へ変位した状態を示しているが、原子
燃料棒1は傾斜した姿勢で原子燃料棒中心位置矯正装置
10に送り込まれてくる場合もある。図4(c)は、こ
のような場合を示したものであり、原子燃料棒1の中心
軸線C1 は搬送ローラ7の内周面の中心C0 に対してや
や下方に傾斜している。そのため、図4(b)の場合と
は逆に、第1の矯正ローラ11は下方に変位量Δl3 だ
け変位し、第2の矯正ローラ12は上方に変位量Δl3
だけ変位することになる。原子燃料棒1の実際の挙動と
しては、上記のように水平状態を維持したままの上方又
は下方へ変位した状態と、上方又は下方へ姿勢を傾斜さ
せた状態とが複雑に組み合わさったものとなるが、原子
燃料棒1の周囲に複数組のローラ組R1 ,R2 ,R3 ,
R4 が配設されており、更に、検査器4の前後に2組の
原子燃料棒中心位置矯正装置10が配置されているの
で、原子燃料棒1に対してその中心位置の矯正動作を安
定して且つ確実に行うことができる。
【0033】なお、本実施形態では、図4(a)に示し
たように、回動軸14が連結板13の中央部に位置し、
距離d1 が距離d2 と等しくなっているが、回動軸14
は任意の位置に設けることができ、d1 及びd2 の値を
自在に調整することが可能である。例えば、d1 :d2
=1:2となるような位置に回動軸14を設ければ、第
1の矯正ローラ11が上方にΔl2 だけ変位した時、第
2の矯正ローラ12の下方の変位量は2Δl2 となる。
したがって、原子燃料棒1の挙動特性等に応じて、第1
の矯正ローラ11及び第2の矯正ローラ12の原子燃料
棒1に対する押圧力を適正に調節することが可能であ
る。
【0034】また、図2に示したように、本実施形態で
は各ローラ組R1 ,R2 ,R3 ,R4 の軸方向に関する
位置は同一となっているが、これらの位置を各ローラ組
毎に異なるものとすることができる。例えば、図2にお
いて、ローラ組R2 ,R4 をローラ組R1 ,R3 よりも
やや右方にずらすようにしてもよく、更に、検査器4の
上流側の原子燃料棒中心位置矯正装置10と下流側の原
子燃料棒中心位置矯正装置10とで、これらのローラ組
の軸方向に関する位置を逆にすることもできる。このよ
うに、各ローラ組の軸方向に関する位置を種々に変化さ
せることで、より一層適切な矯正動作を実現することが
可能となる。
【0035】ところで、上記実施形態では、第1の矯正
ローラ11及び第2の矯正ローラ12を原子燃料棒1の
表面に対して付勢する付勢手段として、コイルバネ15
を用いた例につき説明したが、コイルバネ15以外のも
のを付勢手段として採用することもできる。図5は、こ
のような他の実施形態を示すものであり、第1の矯正ロ
ーラ11及び第2の矯正ローラ12は、それぞれ可動ロ
ッド16,17の一端側に取り付けられている。そし
て、これら可動ロッド16,17の他端側は、密閉室で
ある連結管18内に配設されており、この連結管18内
には付勢手段としての非圧縮性物質19が充填されてい
る。この非圧縮性物質19として、具体的には、安価な
水あるいは油圧ポンプ等に使用するオイルなどが考えら
れる。
【0036】さらに、これら非圧縮性物質の代わりに、
空気、N2 ガス等の圧縮物質を使用することができる。
これら圧縮性物質が有するバネ効果により、製品に与え
る過剰な力を排除できるという観点からは、非圧縮性物
質よりも、むしろ圧縮性物質の方が好ましい。
【0037】次に、この他の実施形態の動作につき説明
する。図5(a)は、搬送ローラ7の内周面の中心C0
と原子燃料棒1の中心C1 とが一致した状態で原子燃料
棒1が原子燃料棒中心位置矯正装置10に送り込まれて
きた場合を示すものである。この場合には、第1の矯正
ローラ11及び第2の矯正ローラ12は、原子燃料棒1
の半径方向に変位することはなく、原子燃料棒1はその
ままこれらのローラ11,12と当接しながら右方から
左方へと移動していく。そして、図5(a)の左方に配
設されている検査器4の探触子が原子燃料棒1の周囲を
高速回転しながら、その表面の傷の有無についての検査
を行う。
【0038】しかし、図5(b)に示すように、搬送ロ
ーラ7の内周面の中心C0 と原子燃料棒1の中心C1 と
が一致しない状態で原子燃料棒中心位置矯正装置10に
送り込まれてきた場合は、第1の矯正ローラ11及び第
2の矯正ローラ12が原子燃料棒1に対して、その中心
C1 についての矯正動作を行うことになる。いま、原子
燃料棒1の中心C1 が搬送ローラ7の内周面の中心C0
よりも変位量Δl1 だけ上方にずれていたとすると、第
1の矯正ローラ11は原子燃料棒1に押されて、この変
位量Δl1 に対応した変位量Δl2 だけ上方に変位す
る。このとき、可動ロッド16も上方に変位するが、こ
の変位によって連結管18内の非圧縮性物質19が可動
ロッド16の他端側に押され、したがって、可動ロッド
17はこの非圧縮性物質19に押されて下方へ変位量Δ
l2 だけ変位することになる。このときの可動ロッド1
6,17の変位により、第1の矯正ローラ11及び第2
の矯正ローラ12は、図4(a),(b)の場合と同様
に作用し、原子燃料棒1に対する中心位置の矯正動作を
行う。
【0039】なお、上記実施形態では、検査方式が渦電
流法である場合につき説明したが、本発明が適用可能な
検査方式は特に渦電流法に限定されるわけではなく、移
動中の原子燃料棒の断面中心と、この原子燃料棒の周囲
を回転する探触子の回転中心との位置関係が問題となる
検査方式であれば、広く適用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、検査位
置付近の搬送ローラの内周面に当接している原子燃料棒
の中心が探触子の回転中心とずれている場合に、この原
子燃料棒にその半径方向の押圧力を加え、原子燃料棒を
半径方向に変位させることによりこれら双方の中心を一
致させるようにしているので、探触子の検査精度を向上
させることができ、さらに、原子燃料棒と探触子との接
触事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る原子燃料棒外観検査装
置の概略構成を示す側面図。
【図2】図1における原子燃料棒中心位置矯正装置10
の構成を示す説明図。
【図3】図2のB−B矢視図であり、(a)は原子燃料
棒1の周囲に4つのローラ組を放射状に配置した場合の
説明図、(b)は原子燃料棒1の周囲に3つのローラ組
を放射状に配置した場合の説明図。
【図4】原子燃料棒中心位置矯正装置10を構成する第
1及び第2の矯正ローラ11,12の動作についての説
明図であり、(a)は搬送ローラ7の内周面の中心C0
と原子燃料棒1の中心C1 とが一致した状態についての
説明図、(b),(c)は搬送ローラ7の内周面の中心
C0 と原子燃料棒1の中心C1 とがずれている状態につ
いての説明図。
【図5】本発明の他の実施形態に係る原子燃料棒中心位
置矯正装置の構成及び動作についての説明図であり、
(a)は搬送ローラ7の内周面の中心C0 と原子燃料棒
1の中心C1 とが一致した状態についての説明図、
(b)は搬送ローラ7の内周面の中心C0 と原子燃料棒
1の中心C1 とがずれている状態についての説明図。
【図6】従来の原子燃料棒外観検査装置の概略構成を示
す平面図。
【図7】従来装置における搬送ローラ7と、この搬送ロ
ーラ7により搬送される原子燃料棒1との位置関係をし
めした説明図であり、(a)は側面図、(b)は平面
図。
【図8】図7(b)のA−A矢視図であり、(a)は搬
送ローラ7の内周面の中心C0と原子燃料棒1の中心C1
とが一致した状態についての説明図、(b)は搬送ロ
ーラ7の内周面の中心C0 と原子燃料棒1の中心C1 と
がずれている状態についての説明図。
【符号の説明】
1 原子燃料棒 2 検査待ちテーブル 3 検査ライン 4 検査器 5 合格テーブル 6 不合格テーブル 7 搬送ローラ 8 駆動モータ 9 制御装置 10 原子燃料棒中心位置矯正装置 11 第1の矯正ローラ 11a 回転軸 12 第2の矯正ローラ 12a 回転軸 13 連結板 14 回動軸 15 コイルバネ 16 可動ロッド 17 可動ロッド 18 連結管 19 非圧縮性物質 C0 搬送ローラ7の内周面の中心 C1 原子燃料棒1の中心 R1 〜R4 ローラ組 Δl1 〜Δl3 変位量 d1 ,d2 距離

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子燃料棒の軸方向に沿って形成された検
    査ライン上に配設されており、所定の曲率半径を有する
    内周面で原子燃料棒を支持し、この内周面に当接する原
    子燃料棒を所定の検査位置まで搬送する複数の搬送ロー
    ラと、 前記検査位置に配設され、前記搬送ローラにより搬送さ
    れてきた前記原子燃料棒の周囲を回転しながら、この原
    子燃料棒表面の傷の有無を検査する探触子と、 を備えており、前記搬送ローラの内周面の中心と前記探
    触子の回転中心とが一致するように設定されている原子
    燃料棒外観検査装置において、前記検査ライン上に設けられ前記検査位置の上流側の搬
    送ローラを抜け出た原子燃料棒の表面に当接する第1の
    矯正ローラ、及びこの第1の矯正ローラの下流側に所定
    距離だけ離間して設けられた第2の矯正ローラと、 前記第1及び第2の矯正ローラに対して前記原子燃料棒
    の半径方向に向かう付勢力を持つ付勢手段と、 を有し、前記検査位置の前後に設けられた原子燃料棒中
    心位置矯正装置を備え、 前記原子燃料棒の中心が前記検査位置上流側の搬送ロー
    ラ内周面の中心とずれた状態で、この原子燃料棒が前記
    第1の矯正ローラと当接した場合に、この第1の矯正ロ
    ーラは、前記付勢手段からの付勢力に基づき、双方の中
    心のずれ量に応じて前記押圧力を原子燃料棒に加えると
    共に原子燃料棒の半径方向に変位し、 前記第2の矯正ローラは、前記第1の矯正ローラの変位
    方向と逆方向に変位した状態で原子燃料棒の表面に当接
    し、前記双方の中心のずれ量に応じた前記押圧力を原子
    燃料棒に加え、 これら第1及び第2の矯正ローラ並びに付勢手段によ
    り、前記検査位置付近の搬送ローラの内周面に当接して
    いる原子燃料棒の中心がこの搬送ローラの内周面の中心
    とずれている場合に、この原子燃料棒にその半径方向の
    押圧力を加え、原子燃料棒を半径方向に変位させること
    によりこれら双方の中心を一致させる、 ことを特徴とする原子燃料棒外観検査装置。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2の矯正ローラは、中間部
    が回動自在に軸支された連結板の両端部に軸装されてお
    り、 前記付勢手段は、この連結板に軸装された第1及び第2
    の矯正ローラに対して前記付勢力を与えるバネ部材によ
    り形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の原子燃料棒外観検査装
    置。
  3. 【請求項3】前記連結板中間部の軸支位置は、 第1の矯正ローラ及びこの軸支位置間の距離と、この軸
    支位置及び第2の矯正ローラ間の距離との比を所定値に
    する位置である、 ことを特徴とする請求項2記載の原子燃料棒外観検査装
    置。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の矯正ローラは、他端側
    が密閉室内に配設された各可動ロッドの一端側に取り付
    けられており、 前記付勢手段は、前記密閉室内に充填されて前記各可動
    ロッドの他端側に対して前記付勢力を与える非圧縮性物
    質により形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の原子燃料棒外観検査装
    置。
  5. 【請求項5】前記原子燃料棒中心位置矯正装置が、前記
    複数の搬送ローラの内周面の中心軸を結ぶ軸線と直交す
    る方向で且つ放射状に等角度で複数組配設されている、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の原
    子燃料棒外観検査装置。
  6. 【請求項6】前記複数組配設された各原子燃料棒中心位
    置矯正装置は、前記原子燃料棒の軸方向についての配設
    位置がそれぞれ異なっている、 ことを特徴とする請求項5記載の原子燃料棒外観検査装
    置。
  7. 【請求項7】前記探触子は、渦電流探触子である、 ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の原
    子燃料棒外観検査装置。
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