JP3164943B2 - 燃料スペーサ、燃料集合体及び燃料スペーサ用ばね部材 - Google Patents

燃料スペーサ、燃料集合体及び燃料スペーサ用ばね部材

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JP3164943B2
JP3164943B2 JP15853293A JP15853293A JP3164943B2 JP 3164943 B2 JP3164943 B2 JP 3164943B2 JP 15853293 A JP15853293 A JP 15853293A JP 15853293 A JP15853293 A JP 15853293A JP 3164943 B2 JP3164943 B2 JP 3164943B2
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loop
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泰博 相澤
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料スペーサ,燃料集合
体及び燃料スペーサ用ループ状ばね部材に係わり、特
に、丸セル型の燃料スペーサ、この燃料スペーサを有す
る沸騰水型原子炉用の燃料集合体、及びその燃料スペー
サ用ループ状ばね部材に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉に使用される燃料集合体
は複数本の燃料棒及び水ロッドを有し、これら燃料棒及
び水ロッドは複数個の燃料スペーサによって正方格子状
に束ねられ、かつ両端部が上部タイプレート及び下部タ
イプレートにより保持され燃料バンドルを構成してい
る。この燃料バンドルはチャンネルボックスに収納され
る。燃料スペーサは燃料棒及び水ロッドの水平方向間隔
を一定に保持すると共に、これらが横方向に振動しない
ように拘束する役割を持つ。
【0003】燃料スペーサの構造にはいくつかのタイプ
があり、その1つに、例えば特開昭59−65287 号公報,
特公平3−76879号公報等に記載のように、燃料棒を丸セ
ルと呼ばれる円筒部材内に挿入した状態で支持する丸セ
ル型の燃料スペーサがある。
【0004】丸セル型燃料スペーサは、燃料棒が挿入さ
れる複数の円筒部材(丸セル)を互いに接触させて格子
状に配置し、隣接した丸セル相互を溶接にて接合して構
成されている。丸セル内に挿入された燃料棒は、丸セル
の一部を内側に突出させて形成された2つの突起部及び
ループ状ばね部材によって半径方向に弾性的に支持され
ている。ループ状ばね部材は2つの丸セルが接触する位
置で丸セルに設けられ、両方の丸セル内に突出してい
る。このループ状ばね部材は、特開昭59−65287号公報
の図4、特公平3−76879号公報の図26等に示すよう
に、そのループ状ばね部材の対向する2つの側壁を形成
する一対の板ばね部及びこれらの上端部及び下端部をつ
なぐ弓形の連結部を有している。また、燃料棒と同じ外
径の水ロッドを用いる場合には、水ロッドも丸セルに挿
入し、同様のループ状板ばね部部材により半径方向に弾
性的に支持される。
【0005】一方、近年、燃料棒の配列ピッチよりも大
きな外径を有する太径水ロッドを使用することが考えら
れており、この太径水ロッドを使用した場合の燃料スペ
ーサによる水ロッドの支持に関する従来技術として、米
国特許4,686,079 号がある。この従来技術の燃料スペー
サは、両端を丸セル外周に溶接で連結され、対角状に対
向する4枚のサポートプレートを有し、対向するサポー
トプレートの一方には突起を設け、他方にはループ状板
ばね部材を保持し、この突起とループ状板ばね部材によ
り水ロッドが半径方向に弾性的に支持される。ループ状
板ばね部材には、上記した燃料棒を支持するループ状板
ばね部材と同じものが使用される。
【0006】燃料スペーサの丸セル型以外のタイプとし
て、板材を格子状に組んで燃料棒の挿入スペースを形成
した格子型の燃料スペーサがある。この格子状燃料スペ
ーサにおいても燃料棒を弾性的に支持するのにばね部材
が用いられており、特開昭48−17096 号公報に記載の燃
料スペーサでは、ばね部材として上記と同様なループ状
ばね部材を用い、その上下端の連結部には燃料棒の軸方
向に開口した偏平形状の金輪を設け、この金輪を格子状
板材の舌状突起に挿入しばね部材を格子状板材に連結し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の燃料スペーサには次のような問題がある。燃料スペ
ーサは、前述したように燃料棒及び水ロッドの水平方向
間隔を一定に保持すると共に、これらが横方向に振動し
ないように拘束する役割を持っており、この機能を果た
すために燃料スペーサは十分な強度を有することが必要
である。また、燃料スペーサは、燃料集合体の熱水力特
性上、冷却材流れに対する抵抗(通常、スペーサの冷却
材圧力損失という)が可能な限り少ないことが望まれ
る。しかし、特開昭59−65287号公報,特公平3−76879
号公報,米国特許4,686,079号等に記載の燃料スペーサ
では、ループ状ばね部材の両端部に位置する弓形の連結
部が燃料集合体内の冷却材流れに直角な方向に面し、か
つ投影面積が大きいため、燃料集合体の内部を流れる冷
却材の流路を閉塞し、流れを阻害する構造となってい
た。このため、ばね部材に流入してくる冷却材は連結部
に当り減速された後、ばね部材の外側に2分割されるよ
うに流れの向きを変え、その後、燃料棒又は水ロッドと
の狭い間隙を通過する際に流速が加速される現象が生じ
る。このような流路の閉塞により生じる流れの減速,加
速及び流れの乱れは、圧力損失の増加をもたらす。
【0008】特開昭48−17096 号公報に記載の燃料スペ
ーサは、上記のようにループ状ばね部材の上下端の連結
部に偏平形状の金輪を設け、この金輪を格子状板材の舌
状突起に挿入しばね部材を格子状板材に連結している。
即ち、金輪はループ状ばね部材と格子状板材との連結手
段として用いられ、冷却材通路に配置される構成ではな
く、丸セル型の燃料スペーサにループ状ばね部材を用い
た場合に生じる上記問題点を解決するものではない。
【0009】そこで本件出願人は、丸セル型燃料スペー
サの上記の問題点を解決するため特願平4−145330 号
(出願日:平成4年6月5日)にて、燃料スペーサのル
ープ状ばね部材が、一対の板ばね部と、燃料棒または水
ロッドの軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に形成
しかつ一対の板ばね部をつなぐ一対の連結部とを有する
燃料集合体を提案した。この構成により、冷却材は連結
部の冷却材通路をスムーズに流れ、燃料スペーサの圧力
損失を低減することに成功した。
【0010】しかし、本願発明者等の更なる検討の結
果、上記先願発明の構成では、水ロッドを支持するルー
プ状ばね部材について、製作の容易性、ばね力と強度と
の両立及び燃料スペーサの組立性の観点で十分でなく、
更に改善の余地があることが分かった。
【0011】本発明の第1の目的は、圧力損失を低減し
つつループ状ばね部材の製造を容易にしかつループ状ば
ね部材が十分なばね力と強度を持つ燃料スペーサ,燃料
集合体及びそのループ状ばね部材を提供することであ
る。
【0012】本発明の第2の目的は、圧力損失を低減し
つつループ状ばね部材の製造を容易にしかつ組立性に優
れた燃料スペーサ,燃料集合体及びそのループ状ばね部
材を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明によれば、燃料棒がそれぞれ挿入される
複数の円筒部材と、前記円筒部材に連結された少なくと
も1つのサポートプレートと、前記サポートプレートに
保持され、水ロッドを弾性的に支持するループ状ばね部
材とを備えた燃料スペーサにおいて、前記ループ状ばね
部材は、一対の板ばね部と、前記水ロッドの軸方向に冷
却材を導く冷却材通路を内部に形成しかつ前記一対の板
ばね部をつなぐ一対の連結部とを有し、前記一対の板ば
ね部の少なくとも一方は、該板ばね部の両端付近に位置
し前記サポートプレートに接触して板ばねの支点となる
第1の屈曲部と、該板ばね部の中央付近に位置し前記水
ロッドと接触して板ばねの力点となる第2の屈曲部とを
有し、かつその一方の板ばね部は、前記連結部につなが
る両端部分に、その両端部分以外の本体部分及び前記連
結部より板幅が狭い幅狭部を有し、前記板ばねの支点と
なる第1の屈曲部は前記幅狭部に位置していることを特
徴とする燃料スペーサが提供される。
【0014】上記燃料スペーサにおいて、好ましくは、
前記ループ状ばね部材の前記連結部の外端から前記板ば
ねの支点となる第1の屈曲部までの長さはループ状ばね
部材の全長の10〜15%である。
【0015】また好ましくは、前記ループ状ばね部材の
前記板ばね部の幅狭部は前記連結部の幅よりループ状ば
ね部材を構成する板材の板厚の約4倍以上板幅が狭い。
【0016】また好ましくは、前記ループ状ばね部材の
前記板ばね部の幅狭部の長さは前記ループ状ばね部材の
全長の5〜10%である。
【0017】また好ましくは、前記ループ状ばね部材の
前記本体部分の板幅は前記連結部の幅とほぼ等しい。
【0018】更に好ましくは、前記板ばねの支点となる
第1の屈曲部は前記幅狭部の前記本体部分との境界付近
に位置している。
【0019】また好ましくは、前記板ばねの力点となる
第2の屈曲部は内側に向けて突出した凸部である。
【0020】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明によれば、燃料棒がそれぞれ挿入される複数の円筒
部材と、前記円筒部材に連結された少なくとも1つのサ
ポートプレートと、前記サポートプレートに保持され、
水ロッドを弾性的に支持するループ状ばね部材とを備え
た燃料スペーサにおいて、前記ループ状ばね部材は、一
対の板ばね部と、前記水ロッドの軸方向に冷却材を導く
冷却材通路を内部に形成しかつ前記一対の板ばね部をつ
なぐ一対の連結部とを有し、前記一対の板ばね部の少な
くとも一方は、該板ばね部の両端付近に位置し前記サポ
ートプレートに接触して板ばねの支点となる第1の屈曲
部と、該板ばね部の中央付近に位置し前記水ロッドと接
触して板ばねの力点となる第2の屈曲部とを有し、かつ
その一方の板ばね部は、前記連結部につながる両端部分
に、その両端部分以外の本体部分及び前記連結部より板
幅が狭い幅狭部を有し、前記板ばねの力点となる第2の
屈曲部は前記本体部分に位置し、かつこの本体部分の板
幅が前記連結部の幅とほぼ等しいことを特徴とする燃料
スペーサが提供される。
【0021】また、上記第1及び第2の目的を達成する
ため、本発明によれば、上記燃料スペーサにおいて、隣
接した一対の円筒部材内に位置する燃料棒を弾性的に支
持する第1のループ状ばね部材を更に備え、水ロッドを
弾性的に支持する前記ループ状ばね部材を第2のループ
状ばね部材とし、前記第1のループ状ばね部材は、それ
ぞれ、一対の板ばね部と、前記燃料棒の軸方向に冷却材
を導く冷却材通路を内部に形成しかつ前記一対の板ばね
部をつなぐ一対の連結部とを有することを特徴とする燃
料スペーサが提供される。
【0022】更に、上記第1及び第2の目的を達成する
ため、本発明によれば、複数本の燃料棒及び少なくとも
1本の水ロッドと、これら燃料棒及び水ロッドの相互の
間隔を保持する上記燃料スペーサとを備えた燃料集合体
が提供される。
【0023】また上記第1及び第2の目的を達成するた
め、本発明によれば、燃料スペーサの構造部材に保持さ
れ、ロッド状部材を弾性的に支持する燃料スペーサ用ル
ープ状ばね部材において、上記の構成を持つループ状ば
ね部材が提供される。
【0024】
【作用】流れ場における圧力損失(圧損)は、一般に流
れの縮小・拡大,スムーズな流れの阻害によって生じ
る。流れ場に物体が存在すれば圧損は避けられないもの
であるが、特に流れに直角に物体が存在する場合大きな
圧損が生じ易い。しかし、当該物体に単数又は複数の貫
通孔を設ければ、該貫通孔が流路となってスムーズな流
れが確保できるため、圧損低減に効果がある。即ち、流
れに対して流路を開放することが圧損低減に寄与でき
る。
【0025】以上のことから、従来の燃料スペーサのル
ープ状ばね部材において、両端部が流れの方向に直角に
配置される構造を、流れの方向に開口した構造に改良す
ることによって、圧損低減を図ることが期待できる。
【0026】本発明は、以上の知見により、ループ状ば
ね部材の一対の板ばね部をつなぐ連結部を、水ロッドの
軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に形成する構造
としており、これにより燃料スペーサに流入する冷却材
はループ状ばね部材の連結部に阻害されることなくスム
ーズに通過でき、流れの減速・加速及び乱れが低減され
るため、ループ状ばね部材による圧損が低減される。
【0027】燃料棒支持用のループ状ばね部材は両側の
板ばね部で隣接する2つの燃料棒を支持するのに対し
て、水ロッドを支持するループ状ばね部材は片側の板ば
ね部で水ロッドを支持し、反対側の板ばね部は遊ぶ形と
なる。このため、本発明では、一対の板ばね部の少なく
とも一方は、板ばね部の両端付近に第1の屈曲部を形成
し、この第1の屈曲部をサポートプレートに接触させて
当該部位を板ばねの支点として作用させる。
【0028】また、板ばね部の連結部に上記のように冷
却材通路を形成する場合、連結部は好ましくは板材を曲
げ成形加工することで作られる。本発明では、連結部に
つながる板ばね部の両端部分に連結部より板幅が狭い幅
狭部を設けており、これにより曲げ成形加工が容易とな
る。
【0029】板ばね部の両端付近に支点となる第1の屈
曲部を位置させ、しかもその両端部分には幅狭部がある
場合、ばね力及びばね強度(特に幅狭部の強度)の観点
で両立するように板ばね部の第1の屈曲部(支点)の位
置を設定する必要がある。
【0030】本願発明者等の検討によれば、支点の板幅
が板ばね部本体部分の板幅とほぼ等しいと、幅狭部の連
結部付根の荷重負担が増し応力が増加し、強度的に不利
となり、支点の板幅が幅狭部と同じ板幅になると、幅狭
部の連結部付根と支点で荷重負担が分散し、連結部付根
の応力は低減し、強度的に有利になることが分かった。
【0031】本発明では、以上の知見により、板ばねの
支点となる第1の屈曲部を幅狭部に位置させており、こ
れにより連結部の曲げ加工を容易にするため幅狭部を形
成し、しかもばね強度を大きく低下させることがない。
また、ループ状ばね部材の連結部の外端から板ばねの支
点となる第1の屈曲部までの長さを適切に設定すれば、
幅狭部の応力を過度に増大させることなく十分なばね力
を得ることができる。
【0032】以上により本発明は、燃料スペーサの圧力
損失を低減しつつ、ループ状ばね部材の製造を容易にし
かつループ状ばね部材に十分なばね力と強度を持たせる
ことができる。
【0033】板ばねの支点となる第1の屈曲部を幅狭部
に位置する場合、板ばね部のばね力と幅狭部の連結部付
根の応力は、ループ状ばね部材の連結部の外端から第1
の屈曲部までの長さに依存して変化する。本願発明者等
の検討によれば、ループ状ばね部材の連結部の外端から
板ばねの支点となる第1の屈曲部までの長さをループ状
ばね部材の全長の10〜15%とすれば、ばね力及びば
ね強度(応力)の観点で十分であることが分かった。
【0034】本発明では、以上の知見により、ループ状
ばね部材の連結部の外端から板ばねの支点となる第1の
屈曲部までの長さをループ状ばね部材の全長の10〜1
5%としており、これにより板ばね部に上記作用の幅狭
部を設けつつ、十分なばね力とばね強度を確保すること
ができる。
【0035】圧力損失低減に効果のある上記のループ状
ばね部材を曲げ成形加工で製作する場合、連結部には曲
げ部が形成される。この曲げ部は曲げ半径が小さくなる
と歪みが増大し、曲げ部に割れが生じるなど適切な曲げ
加工が困難になる。曲げ加工を容易にする最小曲げ半径
は板材の材質に依存する。本願発明者等は、試作を重ね
た結果、ニッケル基合金の板材からなるループ状ばね部
材の場合、曲げ半径は板材の板厚以上あれば曲げ加工を
無理なく行えることが分かった。一方、連結部を曲げ加
工する場合、板ばね部を平坦に保つためには、板ばね部
の側縁部が連結部の側部内側面より曲げ半径以上の距
離、内側に後退していることが必要であり、したがって
板ばね部の板幅は連結部の幅よりも曲げ部半径の約4倍
相当分以上狭くなっている必要がある。
【0036】本発明では、以上の知見により、ループ状
ばね部材の板ばね部の幅狭部を連結部の幅よりループ状
ばね部材を構成する板材の板厚の約4倍以上狭くしてお
り、これにより連結部の曲げ部半径を板厚以上にして
も、板ばね部の幅狭部の板幅は連結部の幅よりも曲げ部
半径の約4倍相当分以上狭くなり、板ばね部の平坦化を
保ちかつ連結部の曲げ加工を容易にできる。
【0037】支点となる第1の屈曲部を板ばね部の幅狭
部に位置させる場合、生じるばね力を最大とするために
は、支点となる第1の屈曲部を幅狭部の板ばね部本体部
分との境界付近に位置させることが有利であり、このた
め本発明では、当該第1の屈曲部を幅狭部の板ばね部本
体部分との境界付近に位置させている。
【0038】また、連結部の長さはループ状ばね部材の
全長の5%程度で十分に機能する。このため、ループ状
ばね部材の連結部の外端から板ばねの支点となる第1の
屈曲部までの長さをループ状ばね部材の全長の10〜1
5%とした場合、幅狭部の長さはループ状ばね部材の全
長の5〜10%となる。
【0039】ループ状ばね部材で水ロッドを支持する場
合、例えば地震時等において、水ロッドがその軸に垂直
な方向に過大な加速度を受けループ状ばね部材の方向に
移動すると、ループ状ばね部材の反水ロッド側は拘束物
がないので、この水ロッドの過大な移動に起因してルー
プ状ばね部材が押し潰されるような塑性変形が生じる可
能性がある。本発明では、板ばねの力点となる第2の屈
曲部を内側に向けて突出した凸部で構成しており、これ
により地震時において水ロッドが過度に移動しようとし
ても、その移動は剛性の大きい凸部によって阻止される
ので、板ばね部の塑性変形を防止できる。
【0040】板ばね部を連結部より幅狭にする場合、板
ばね部の全長を幅狭にしても曲げ加工を容易にする観点
では目的を達成できる。しかし、サポートプレートを溶
接して燃料スペーサを組立てる際、ループ状ばね部材が
移動しないように治具で固定する必要がある。この場
合、板ばね部の全長を連結部より幅狭にすると、燃料ス
ペーサの組立後の治具取外しが困難になる。
【0041】本発明では、以上の知見により、連結部と
板ばね部の本体部分の幅を等しくしており、これにより
治具が板ばね部を保持しても、治具は容易に上下方向に
移動可能となり、したがって確実にループ状ばね部材を
固定し、かつ燃料スペーサ組立後の治具取外しの容易性
が確保される。
【0042】以上により本発明は、燃料スペーサの圧力
損失を低減しつつ、ループ状ばね歩合の製造を容易にし
かつ燃料スペーサを組立性に優れた構造とすることがで
きる。
【0043】また、本発明では、燃料棒を弾性的に支持
するループ状ばね部材の一対の板ばね部をつなぐ連結部
を、水ロッドを支持するループ状ばね部材と同様に、燃
料棒の軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に形成す
る構造としており、これにより燃料スペーサに流入する
冷却材は、このループ状ばね部材の連結部にも阻害され
ることなくスムーズに通過できるため、燃料スペーサの
圧力損失が更に低減する。
【0044】
【実施例】以下、本実施例の一実施例を図面により説明
する。図2において、1は本実施例の燃料集合体であ
り、燃料集合体1は、複数の燃料棒2及び太径の水ロッ
ド3を有し、これら燃料棒2及び水ロッド3は複数個の
燃料スペーサ4によって正方格子状に束ねられ、かつ上
端部及び下端部が上部タイプレート5及び下部タイプレ
ート6により保持され燃料バンドルを構成している。こ
の燃料バンドルは上部タイプレート5に取り付けられた
チャンネルボックス7に収納される。燃料スペーサ4は
燃料バンドルの軸方向に7個設けられ、燃料棒2及び水
ロッド3の水平方向間隔を一定に保持すると共に、これ
らが横方向に振動しないように拘束する役割を持つ。
【0045】燃料スペーサ4は、図3に示すように、複
数の丸セル10を格子状に配置し、最外周に位置する丸
セル10の外側をバンド11にて取り囲んで構成され
る。隣接している丸セル10は、溶接にて接合されてい
る。バンド11も、丸セル10に溶接にて取り付けられ
る。各丸セル10は、この側壁の一部を内側に突出させ
た突起部12を有する。第1のループ状ばね部材13
が、2個の丸セル10が隣接する位置に設けられる。丸
セル10内に挿入された燃料棒2は、2つの突起部12
及び1つのループ状ばね部材13によって支持される。
燃料スペーサ4の横断面中央部には、水ロッド3を挿入
するために、ちょうど4個の丸セル10を取り除いた状
態の空間が形成される。この空間に面する丸セル10
は、隣接するものが2個ずつ、板状の架橋部材からなる
サポートプレート15によって結合される。サポートプ
レート15は4個ある。
【0046】ループ状ばね部材13は、図4に示す形状
を有する。即ち、ループ状ばね部材13は、2つの対向
する側壁を形成する一対の板ばね部19、これらの板ば
ね部19の両端部をそれぞれ連結する2つの連結部20
を備える。板ばね部19は、中央に外側に突出し燃料棒
2と点接触する凸部19Aを有する。連結部20は、横
断面が矩形で丸セル10の軸方向に伸びる筒である。こ
のため、連結部20内には、その軸方向に伸びる開口2
1が形成される。このようなループ状ばね部材13は、
ばね材として優れた耐熱耐食超合金、例えばニッケル基
合金(例えば、0.08wt%以下のC,1.00wt以
下%のMn,0.05wt%以下のSi,14.00〜1
7.00wt%のCr,0.70〜1.20wt%のN
b,2.25〜2.75wt%のTi,0.40〜1.00w
t%のAl,5.00〜9.00wt%のFe、及び残部
がNiであるニッケル基合金)の冷間引き抜きの角筒材
又は圧延板材(厚さ約0.3mm)を加工することによって
作られる。ループ状ばね部材13は、丸セル10の側壁
を貫通するように隣接した2つの丸セル10に設置され
る。即ち、ループ状ばね部材13は、丸セル10にコの
字形の切り込みを入れて形成された突片(例えば、特開
昭59−65287 号公報の図5に示された突片69及び特公
平3−76879号公報の図10に示された突片8C)がルー
プ状ばね部材13内に挿入されることによってその突片
で支持される。この隣接した2つの丸セル10にループ
状ばね部材13を取り付けた状態を図5に示す。図5は
その状態を上方より見たもので、開口21が上方に向か
って開いている。
【0047】サポートプレート15は隣接する2個のサ
ポートプレート15Aと隣接する他の2個のサポートプ
レート15Bの2種類からなる。サポートプレート15
Aは、図6に示すようにその側壁の一部を水ロッド3側
に突出させた突起部27を有する。サポートプレート1
5Bは突起部を有しておらず、代わりに図7に示すよう
に第2のループ状ばね部材22が取り付けられる。
【0048】燃料スペーサ4内に挿入された水ロッド3
は、2個のサポートプレート15Aに設けられえた各突
起部27及び2個のサポートプレート15Bに設けられ
た各ループ状ばね22によって半径方向に弾性的に支持
される。燃料棒2の配列ピッチよりも大きな外形を有す
る水ロッド3の燃料スペーサ4内への挿入は、米国特許
4,686,079 のコラム4、22〜37行及び図3に示され
ている。燃料スペーサ4は、水ロッド3に設けられた図
示しない支持部によって、軸方向で支持される。
【0049】ループ状ばね部材22は、図1及び図8に
示す形状を有する。即ち、ループ状ばね部材22は、一
対の対向する側壁を形成する一対の板ばね部32、これ
らの板ばね部32の両端部をそれぞれ連結する一対の連
結部33を備える。
【0050】板ばね部32は、連結部33につながる両
端部分を除いた本体部分32aと、その両端部分に位置
し本体部分32a及び連結部33より板幅が狭い幅狭部
32bとを有している。板幅変化部に過度の荷重負担が掛
からないように、幅狭部32bから本体部分32aに向か
って、板幅を連続的に増加させた滑らかな形状にしてあ
る。また、板ばね部32はその両端付近に第1の屈曲部
として内側に突出した凸部34を有し、中央付近に第2
の屈曲部として内側に突出した凸部35を有している。
凸部34は幅狭部32bに位置しており、特に本実施例
ではばね力を最大限に確保するため、凸部34は幅狭部
34bの本体部分32aとの境界部近傍に位置してい
る。凸部35は本体部分32aの長手方向中央に位置し
ている。水ロッド3側に位置する板ばね部32の凸部3
4はサポートプレート15Bに接触して板ばねの支点と
なり、凸部35により水ロッド3側に形成される2つの
凸部35aは水ロッド3と点接触して板ばねの力点とな
る。
【0051】連結部33の外端から板ばねの支点となる
凸部34までの長さL1はループ状ばね部材22の全長
L0の10〜15%である。また、連結部33の長さL
2はループ状ばね部材22の全長L0の5%程度で十分
に機能するため、幅狭部32bの長さL3はループ状ばね
部材22の全長L0の5〜10%である。また、連結部
33とばね部32の本体部分32aの幅はW0で同じで
あり、幅狭部32bの板幅W1は連結部33の幅W0よ
りループ状ばね部材22を構成する板材の板厚の約4倍
以上狭い。
【0052】連結部33は、横断面が矩形で水ロッド3
の軸方向に伸びる筒である。このため、連結部33内に
はその軸方向に伸びる開口36が形成される。図9にル
ープ状ばね部材22をサポートプレート15Bに取り付
けた状態を示す。図9はその状態を上方より見たもの
で、開口36が上方に向かって開いている。
【0053】ループ状ばね部材22は、ループ状ばね部
材13と同様にばね材として優れた耐熱耐食超合金、例
えばニッケル基合金で作られており、特にこのループ状
ばね部材22の場合は、ニッケル基合金の板材(厚さ約
0.3mm)を曲げ成形加工し、このとき連結部33の一部
が重なるようにし、その重なり部分を溶接にて接合する
ことにより製作される。
【0054】丸セル型燃料スペーサ4のループ状ばね部
材13及び22以外の部分はジルコニウム合金(例え
ば、ジルカロイ−2)で作られる。なお、連結部20及
び33の横断面の形状は、円形または楕円形等にしても
よい。
【0055】次に、以上のように構成した本実施例の作
用効果を説明する。まず、本実施例の燃料スペーサによ
る圧力損失低減の作用効果を従来の燃料スペーサと比較
して説明する。
【0056】図10は、特公平3−76879号公報に記載の
従来の丸セル型燃料スペーサに用いられるループ状ばね
部材100を示し、このループ状ばね部材100は、そ
のループ状ばねの対向する2つの側壁を形成する2つの
板ばね部101及びこれらの板ばね部101の上端部及
び下端部を連結する弓形の連結部102を有する。この
ループ状ばね部材100の使用状態を図11に示す。ル
ープ状ばね部材100は隣接する2個の丸セル10の側
壁に組み込まれ、丸セル10内に挿入された燃料棒2を
支持している。
【0057】ループ状ばね部材100は、上記したよう
に対向する2つの側壁を形成する2つの板ばね部101
及びこれらの板ばね部101を連結する弓型の連結部1
02を有する。板ばね部101は、燃料棒2を半径方向
に押圧するために燃料棒2と接触する凸部103を有す
る。連結部102は凸部104を有する。これらの凸部
104の高さ(丸セル10の内面からの距離)は凸部1
03のそれよりも低く、凸部104は、通常、燃料棒2
と接触しない。しかし、例えば地震時等において、燃料
棒がその軸に垂直な方向に過大な加速度を受けてループ
状ばね部材100の方向に移動する。凸部104は、この
燃料棒2の過大な移動に起因する凸部103の押し潰さ
れるような塑性変形を防止し、ループ状ばね部材100
の機能消失を防止する役割を持つ。このような凸部10
4の機能はその剛性が大きいほど向上する。凸部104
の剛性を大きくするために、連結部102には図11に
示すように直線部が形成される。
【0058】本願発明者等は、このような構成を有する
丸セル型燃料スペーサの丸セル内における冷却材の流れ
について詳細に検討したところ、ループ状ばね部材10
0の上下端部での冷却材流の乱れが圧力損失の増加をも
たらすことに気付いた。この検討結果を、以下に説明す
る。
【0059】燃料棒2間を上昇する冷却材の流れ112
の一部は丸セル10内に流入し、ループ状ばね部材10
0の連結部102、特に丸セル10の長手方向に垂直に
なっている連結部102の直線部に当って急激に曲げら
れ、燃料棒2側に向かう流れになる。特に、丸セル10
の内面に沿って上昇した流れ112の一部は、連結部1
02の直線部の下面に当り燃料棒2側に向う横方向の流
れとなる。このような冷却材の流れによって、丸セル1
0とこの丸セル10内に挿入された燃料棒2との間に形
成される狭い領域内において、渦を伴う横方向の乱れた
冷却材流が発生する。また、ループ状ばね部材100の
上端部においても、ループ状ばね部材100と丸セル1
0によって囲まれた空間113内に流入した冷却材は、
上昇して連結部102の直線部の下面に当って横方向に
向かう流れとなる。この流れによっても、丸セル10と
燃料棒2との間に形成される狭い領域内において、渦を
伴う横方向の乱れた冷却材流が発生する。
【0060】上記のような渦を伴う冷却材流の発生は、
丸セル10内の冷却材流路の圧力損失、すなわち丸セル
型燃料スペーサの圧力損失を増大させる。特に、燃料集
合体の上部の気液二層流部分に位置する丸セル型燃料ス
ペーサでは、上記のようなループ状ばね部材100の連
結部102の直線部に起因して生じる渦を伴う冷却材流
(蒸気及び冷却液の混合流)により、圧力損失がより大
きくなる。
【0061】水ロッドを支持するループ状ばね部材につ
いても同様である。図12は、米国特許4,686,079 号に
記載の従来技術において、上記と同様のループ状ばね部
材120で太径の水ロッド3を支持している状態を示
す。ループ状ばね部材120はサポートプレート121
にコの字形の切り込みを入れて形成された突片122に
挿入され、保持されている。この場合も、ループ状ばね
部材120の上端部及び下端部に位置する連結部123
が冷却材の流れ124の抵抗となり、圧力損失を増大さ
せる。
【0062】以上の従来技術に対し、上記の構成を有す
る本実施例では、燃料スペーサ4の丸セル10に設けら
れるループ状ばね部材13及びサポートプレート15B
に設けられるループ状ばね部材22は上下端部に筒状の
連結部20,33を有するので、従来例でループ状ばね
の上下端部の形状に基づく渦を伴う横方向の乱れた冷却
材流の発生が抑制される。これを、図13及び図14に
より詳細に説明する。
【0063】図13において、燃料棒2の相互間を上昇
する冷却材流40は、燃料スペーサ4の丸セル10内に
流入する。丸セル10の内面に沿って上昇した冷却材流
40は、下端部の連結部20によってさえぎられること
がなくその開口21を通って上昇し、上端部の連結部2
0の開口21を通ってループ状ばね部材13よりも上方
に達する。
【0064】図14において、丸セル10と水ロッド3
の間を上昇する冷却材流41の一部は、下端部の連結部
33によってさえぎられることがなくその開口36を通
って上昇し、上端部の連結部33の開口36を通ってル
ープ状ばね部材22よりも上方に達する。
【0065】このように、上下端部の各連結部20,3
3によって生じる冷却材流の乱れが、著しく少なくな
る。このため、冷却材通路の圧力損失は著しく減少す
る。これは、燃料スペーサ4の圧力損失、ひいては燃料
集合体1の圧力損失を著しく減少させることになる。な
お、図13において、28はループ状ばね部材13を支
持する突片であり、前述したように丸セル10にコの字
形の切り込みを入れて形成される。
【0066】次に、本実施例の燃料スペーサにおけるル
ープ状ばね部材13,22のその他の作用効果を説明す
る。
【0067】まず、ループ状ばね部材13について、横
断面が矩形の連結部20を設けることによってループ状
ばね部材13の上下端部での剛性が特公平3−76879号公
報の図26に示すループ状ばね部材のそれよりも大きく
なり、板ばね部19による燃料棒2への押し付け力が増
大する。このため、燃料棒2の振動が減少する。更に、
凸部19Aが燃料棒2と点接触をしているので、燃料棒
2が冷却材と接触する面積が増大し、燃料棒2の冷却効
率が大きくなる。また、ループ状ばね部材13の板ばね
部19は両端部が連結部20で連結され、板ばね部19
の中央部が外側に向かって張り出しているので、燃料集
合体1の組立て時において丸セル10内に燃料棒2を挿
入する操作が簡単に行える。更に、地震時において燃料
棒が過度に移動しようとしても、その移動は剛性の大き
い連結部20によって阻止されるので、ばね部19の塑
性変形を防止できる。
【0068】なお、前述のように、ループ状ばね部材1
3の上下端部での剛性が特公平3−76879号公報の図26
に示すループ状ばね(肉厚約0.3mm)のそれよりも大
きくなり板ばね部19のばね定数が増加するので、その
従来のループ状ばねにおける燃料棒の押しつけ力と同程
度の押し付け力を得る場合には、ループ状ばね部材13
の肉厚を約0.3mm から更に薄くできる。これは、丸セ
ル型燃料スペーサの圧力損失を更に低下させることにつ
ながる。
【0069】一方、ループ状ばね部材22についても、
肉厚が0.3mm であるので連結部33の投影面積は小さ
く、かつ開口36を有するので、ループ状ばね部材22
も燃料スペーサ4の圧力損失を低減させる。また、ルー
プ状ばね部材22の連結部33は、図1に示すように、
一部が重なるように溶接にて接合されている。連結部3
3をこのように一部重ねることにより、万一、溶接部に
はがれを生じた場合でも本来の形状を維持できる効果が
ある。更に、連結部33の溶接部(一部が重なっている
面)を図9及び図14に示すように水ロッド3と対向し
ない側に位置させることにより、水ロッド3を燃料スペ
ーサ4内に挿入するときに、その溶接部との接触により
水ロッド3の表面に疵がつくことを防止できる。
【0070】次に、ループ状ばね部材22に固有の作用
効果を説明する。圧力損失低減に効果のある前記構造の
ループ状ばね部材22は曲げ成形加工で製作される。こ
の場合、連結部33には、図15に示すような半径Rの
曲げ部が形成される。半径Rが小さくなると曲げ部の歪
みが増大し、曲げ部に割れが生じるなど適切な曲げ加工
が困難になる。曲げ加工を容易にする最小半径Rは板材
の材質に依存する。本願発明者等は、試作を重ねた結
果、ニッケル基合金の板材からなるループ状ばね部材2
2の場合、曲げ半径Rは板材の板厚t以上あれば曲げ加
工を無理なく行えることが分かった。一方、連結部33
を曲げ加工する場合、板ばね部32を平坦に保つために
は、板ばね部32の側縁部が連結部33の側部内側面よ
り曲げ半径R以上の距離、内側に後退していることが必
要であり、したがって板ばね部32の板幅は連結部33
の幅よりも曲げ部半径Rの約4倍相当分以上狭くなって
いる必要がある。
【0071】本実施例では、板ばね部32の幅狭部32
bの板幅W1は連結部33の幅W0よりループ状ばね部
材22を構成する板材の板厚tの約4倍以上狭くしてい
る。このため、連結部33の曲げ部半径Rを板厚t以上
にしても、板ばね部32の幅狭部32bの板幅W1は連
結部33の幅W0よりも曲げ部半径Rの約4倍相当分以
上狭くなり、板ばね部32の平坦化を保ちつつ連結部3
3の曲げ加工を容易に行うことができる。
【0072】ところで、板ばね部を連結部より幅狭にす
る場合、板ばね部の全長を幅狭にしても曲げ加工を容易
にする観点では目的を達成できる。しかし、丸セル10
及びサポートプレート15等の燃料スペーサ4の構造部
材を溶接して燃料スペーサ4を組立てる際、ループ状ば
ね部材22が移動しないように治具で固定する必要があ
る。この場合、板ばね部の全長を連結部より幅狭にする
と、燃料スペーサ4の組立後の治具取外しが困難にな
る。このことを図16により説明する。
【0073】図16において、丸セル10及びサポート
プレート15Bはスポット溶接45で接合され燃料スペ
ーサに組み立てられる。この溶接に際して、ループ状ば
ね部材22Aはサポートプレート15Bに挿入され、サ
ポートプレート15Bは治具46で固定される。また、
ループ状ばね部材22Aはスポット溶接の熱の影響を最
小にするため、サポートプレート15Bの中央位置に治
具46で保持される。ここで、治具46はループ状ばね
部材22Aの板ばね部32Aを保持する構造となってお
り、板ばね部32Aがその全長にわたって幅狭である場
合、治具46をループ状ばね部材22Aの長手方向即ち
上下方向(図16の紙面垂直方向)に移動させることが
できない。このため、サポートプレート15Bを溶接
後、治具46を上下方向に移動させることで取り外すこ
とが困難となる。
【0074】これに対し本実施例では、連結部33と板
ばね部32の本体部分32aの幅を等しくしているの
で、図17に示すように、治具46が板ばね部32を保
持しても、治具46は容易に上下方向に移動可能であ
り、したがって確実にループ状ばね部材22を固定し、
かつ燃料スペーサ4組立後の治具取外しの容易性が確保
される。
【0075】次に、板ばね部32の両端部分(幅狭部3
2b)の板幅の減少はループ状ばね部材22のばね力を
低下させる。必要なばね力を得るため、板ばね部32の
幅狭部32bの板幅を増加させると、上記の連結部33
の曲げ加工容易性の観点から連結部33の幅を増加させ
ることになり、燃料スペーサ4内の限られたスペースを
考慮すると現実的ではない。また、上記のように、確実
にループ状ばね部材22を固定しかつ燃料スペーサ4組
立後の治具取外しの容易性を考慮すると、連結部33と
板ばね部32の幅を等しくすることが望ましい。
【0076】即ち、ループ状ばね部材22自体の製造性
及び燃料スペーサ4の組立性を考慮すると、連結部33
の付根の板ばね部32(幅狭部32b)の板幅を狭く
し、この部分以外の板ばね部32(本体部分32a)の
板幅は連結部33の幅と等しくした、図8に示すような
ループ状ばね部材22の形状が望ましいことになる。
【0077】ところで、燃料棒支持用のループ状ばね部
材13は両側の板ばね部19で隣接する2つの燃料棒2
を支持するのに対して、ループ状ばね部材22の場合
は、図14に示すようにループ状ばね部材22の片側の
板ばね部32で水ロッド4を支持し、反対側の板ばね部
32は遊ぶ形となる。このため、板ばね部32の両端部
の連結部33の近傍で板ばね部32に凸部34を設け、
この凸部34をサポートプレート15Bに接触させて当
該部位を板ばねの支点として作用させている。この場
合、凸部34は板ばね部32の両端部近傍にあり、しか
もその両端部近傍には上記幅狭部32bがあるため、ば
ね力及びばね強度(特に前記幅狭部の強度)の観点で両
立するように板ばね部32の支点(凸部34)の位置を
設定し、調整する必要がある。
【0078】図18に、支点となる凸部34の位置を一
定として板ばね部32の幅狭部32bの長さを変えた場合
の板ばね部32の連結部33に対する付根(連結部付
根)Aと支点Bでの応力の変化について、本願発明者等
が行った検討結果を示す。図中、L0,L3はそれぞれ
前述したループ状ばね部材22の全長及び幅狭部32b
の長さであり、L4は固定した支点Bの連結部付根から
の距離である。I1,I2はそれぞれ板ばね部本体部分
32a及び幅狭部32bの断面二次モーメントであり、
I1/I2=0.76 とした。
【0079】図18から分かるように、幅狭部32bの
長さL3が支点Bの連結部付根からの距離L4よりも短
く、支点Bの板幅が水ロッド3と接して板ばねの力点と
なる部分の板幅、即ち本体部分32aの板幅とほぼ等し
いと、幅狭部32bの連結部付根Aの荷重負担が増し、
応力が増加する。長さL3が距離L4よりも長く、支点
Bの板幅が幅狭部32bと同じ板幅になると、幅狭部3
2bの連結部付根Aと支点Bで荷重負担が分散し、連結
部付根Aの応力は低減する。連結部付根Aの応力が増大
することは、ばね強度の観点で好ましくない。本実施例
では、支点となる凸部34は幅狭部32bに形成され、
支点Bの板幅が幅狭部32bと同じ板幅になっている。
このため、上記の連結部33の曲げ加工容易性の観点か
ら幅狭部32bを形成しかつばね強度を大きく低下させ
ることがない。
【0080】一方、板ばねの支点(凸部34)における
板幅が連結部付根Aの幅狭部32bと同じ板幅である場
合、板ばね部のばね力と連結部付根Aの応力は、ループ
状ばね部材22の端部(連結部33の外端)から板ばねの
支点Bまでの長さL1に依存して変化する。図19に、
支点となる凸部34を幅狭部32bの本体部分32aと
の境界部に位置させたまま幅狭部32bの長さL3を変
化させることで、ループ状ばね部材22の端部から板ば
ねの支点Bまでの長さL1を変えた場合の板ばね部32
のばね力と連結部付根Aの幅狭部32bの応力の変化に
ついて、本願発明者等が行った検討結果を示す。
【0081】図19から分かるように、ループ状ばね部
材22の端部から支点Bまでの長さL1が増加するにつ
れてばね力が増加する。一方、連結部付根Aの幅狭部3
2bの応力は長さL1が増加するにつれて減少する。し
かし、その減少割合は次第に小さくなり飽和する傾向に
ある。このことは、ループ状ばね部材22の端部から板
ばね支点Bまでの長さL1を増加することは、ばね力増
加及びばね応力低減の観点で効果的であるが、ある一定
値以上になると応力低減効果は少ないことを意味する。
また、ループ状ばね部材22の端部から板ばね部支点B
までの長さL1を増加すると、ループ状ばね部材22の
端部の水ロッド3側への変位が次第に増して、水ロッド
3とループ状ばね部材22の端部の間隙を減少させ、冷
却材流路を狭くする方向に作用するので、ループ状ばね
部材22の端部から板ばね部支点Bまでの距離を極端に
大きくすることは好ましくない。
【0082】図19から分かるように、ループ状ばね部
材22の両端からループ状ばね部材22全長L0の10
〜15%相当離れた板ばね中央寄りの位置をサポートプ
レート15Bに接触させ板ばねの支点Bとして作用させ
れば、ばね力及びばね強度(応力)の観点で十分であ
る。ループ状ばね部材22の端部から板ばね支点Bまで
の長さL1を全長L0の15%以上にする利点はないも
のと考えられる。
【0083】本実施例では、以上の知見により、ループ
状ばね部材22の端部から板ばねの支点Bまでの長さL
1をループ状ばね部材22の全長L0の10〜15%と
しており、これにより板ばね部32に幅狭部32bを設
けつつ、十分なばね力とばね強度を確保することができ
る。また、連結部33の長さL2はループ状ばね部材2
2の全長L0の5%程度で十分に機能するため、幅狭部
32bの長さL3はループ状ばね部材22の全長L0の
5〜10%となる。
【0084】更に、本実施例のループ状ばね部材22に
よれば次の効果も得られる。図12に示す従来のループ
状ばね部材120においては、例えば地震時等におい
て、水ロッド3がその軸に垂直な方向に過大な加速度を
受けループ状ばね部材120の方向に移動すると、ルー
プ状ばね部材120の反水ロッド側は拘束物がないの
で、この水ロッド3の過大な移動に起因する連結部12
3が押し潰されるような塑性変形が生じる可能性があ
る。これに対し、本実施例のループ状ばね部材22で
は、板ばね部32の中央部を内側に突出させることによ
り凸部35を形成し、板ばねの力点を与えている。この
ため、地震時において水ロッド3が過度に移動しようと
しても、その移動は剛性の大きい凸部35によって阻止
されるので、板ばね部32の塑性変形を防止できる。
【0085】以上のように本実施例によれば、燃料集合
体1の燃料スペーサ4における冷却材圧力損失を低減す
ることができると共に、水ロッド3を支持するループ状
ばね部材22が十分なばね力を持ちかつ強度的にも優
れ、しかもループ状ばね部材22自体の製造及び燃料ス
ペーサ4の組立が容易になる。
【0086】なお、以上の実施例では、ループ状ばね部
材22は水ロッドを支持するものとして説明した。しか
し、ループ状ばね部材の使用対象は水ロッドのみに限ら
れず、燃料棒が片側にしか存在しない状況ではその燃料
棒の支持に用いることもできる。例えば、普通長燃料棒
より短い部分長燃料棒を使用する燃料集合体において、
部分長燃料棒の上端より下方ではその部分長燃料棒とこ
れに隣接する普通長燃料棒を支持するのに図13に示す
ようなループ状ばね部材13を用いていたものが、部分
長燃料棒の上端より上方ではその普通長燃料棒のみを支
持しなければならなくなることがある。このような場
合、上記のループ状ばね部材22を用いて片側で燃料棒
を支持し、上記と同様の効果を得ることができる。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、燃料スペーサの圧力損
失を低減しつつ、ループ状ばね部材の製造を容易にしか
つループ状ばね部材に十分なばね力と強度を持たせるこ
とができる。
【0088】また、本発明によれば、燃料スペーサの圧
力損失を低減しつつ、ループ状ばね歩合の製造を容易に
しかつ燃料スペーサを組立性に優れた構造とすることが
できる。
【0089】更に、本発明によれば、水ロッド及び燃料
棒それぞれを支持するループ状ばね部材を通過する冷却
材の流れをスムーズにし、燃料スペーサの圧力損失を更
に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による燃料スペーサの水ロッ
ド支持用のループ状ばね部材の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による燃料スペーサを組み込
んだ燃料集合体の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例による燃料スペーサの平面図
である。
【図4】燃料スペーサの燃料棒支持用のループ状ばね部
材の斜視図である。
【図5】図4に示すループ状ばね部材の取付状態を示す
図3の部分拡大図である。
【図6】2種類のサポートプレートのうち一方のサポー
トプレートの取付状態を示す斜視図である。
【図7】2種類のサポートプレートのうち他方のサポー
トプレートの取付状態を示す斜視図である。
【図8】図1に示すループ状ばね部材の正面図である。
【図9】図1に示すループ状ばね部材の取付状態を示す
図3の部分拡大図である。
【図10】従来のループ状ばね部材の斜視図である。
【図11】従来のループ状ばね部材で燃料棒を支持した
場合の冷却材の流れを示す説明図である。
【図12】従来のループ状ばね部材で水ロッドを支持し
た場合の冷却材の流れを示す説明図である。
【図13】図4に示すループ状ばね部材で燃料棒を支持
した場合の冷却材の流れを示す説明図である。
【図14】図1に示すループ状ばね部材で水ロッドを支
持した場合の冷却材の流れを示す説明図である。
【図15】図1に示すループ状ばね部材の連結部の曲げ
成形加工での曲げ部の曲げ半径と板厚との関係を示す説
明図である。
【図16】図1に示すループ状ばね部材で板ばね部全長
を幅狭にした場合の治具の使用状態を示す説明図であ
る。
【図17】図1に示すループ状ばね部材による治具の使
用状態を示す説明図である。
【図18】図1に示すループ状ばね部材の支点と幅狭部
との位置関係による応力の変化を示す図である。
【図19】図1に示すループ状ばね部材の支点位置を変
えた場合のばね力及び応力の変化を示す図である。
【符号の説明】
1…燃料集合体、2…燃料棒、3…水ロッド、4…燃料
スペーサ、5…上部タイプレート、6…下部タイプレー
ト、7…チャンネルボックス、10…丸セル、13…ル
ープ状ばね部材、15,15A,15B…サポートプレ
ート、19…板ばね部、20…連結部、21…開口(冷
却材通路)、22…ループ状ばね部材、32…板ばね
部、32a…本体部分、32b…幅狭部、33…連結
部、34…凸部(支点)、35…凸部、35a…凸部
(力点)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安嶋 政吉 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平6−331772(JP,A) 特開 平4−294293(JP,A) 特開 平6−249987(JP,A) 特開 昭61−207991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/32 G21C 3/34

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料棒がそれぞれ挿入される複数の円筒部
    材と、前記円筒部材に連結された少なくとも1つのサポ
    ートプレートと、前記サポートプレートに保持され、水
    ロッドを弾性的に支持するループ状ばね部材とを備えた
    燃料スペーサにおいて、 前記ループ状ばね部材は、一対の板ばね部と、前記水ロ
    ッドの軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に形成し
    かつ前記一対の板ばね部をつなぐ一対の連結部とを有
    し、 前記一対の板ばね部の少なくとも一方は、該板ばね部の
    両端付近に位置し前記サポートプレートに接触して板ば
    ねの支点となる第1の屈曲部と、該板ばね部の中央付近
    に位置し前記水ロッドと接触して板ばねの力点となる第
    2の屈曲部とを有し、かつその一方の板ばね部は、前記
    連結部につながる両端部分に、その両端部分以外の本体
    部分及び前記連結部より板幅が狭い幅狭部を有し、前記
    板ばねの支点となる第1の屈曲部は前記幅狭部に位置し
    ていることを特徴とする燃料スペーサ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の燃料スペーサにおいて、前
    記ループ状ばね部材の前記連結部の外端から前記板ばね
    の支点となる第1の屈曲部までの長さはループ状ばね部
    材の全長の10〜15%であることを特徴とする燃料ス
    ペーサ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の燃料スペーサにおいて、前
    記ループ状ばね部材の前記板ばね部の幅狭部は前記連結
    部の幅よりループ状ばね部材を構成する板材の板厚の約
    4倍以上板幅が狭いことを特徴とする燃料スペーサ。
  4. 【請求項4】請求項1記載の燃料スペーサにおいて、前
    記ループ状ばね部材の前記板ばね部の幅狭部の長さは前
    記ループ状ばね部材の全長の5〜10%であることを特
    徴とする燃料スペーサ。
  5. 【請求項5】請求項1記載の燃料スペーサにおいて、前
    記ループ状ばね部材の前記本体部分の板幅は前記連結部
    の幅とほぼ等しいことを特徴とする燃料スペーサ。
  6. 【請求項6】請求項1記載の燃料スペーサにおいて、前
    記板ばねの支点となる第1の屈曲部は前記幅狭部の前記
    本体部分との境界付近に位置していることを特徴とする
    燃料スペーサ。
  7. 【請求項7】請求項1記載の燃料スペーサにおいて、前
    記板ばねの力点となる第2の屈曲部は内側に向けて突出
    した凸部であることを特徴とする燃料スペーサ。
  8. 【請求項8】燃料棒がそれぞれ挿入される複数の円筒部
    材と、前記円筒部材に連結された少なくとも1つのサポ
    ートプレートと、前記サポートプレートに保持され、水
    ロッドを弾性的に支持するループ状ばね部材とを備えた
    燃料スペーサにおいて、 前記ループ状ばね部材は、一対の板ばね部と、前記水ロ
    ッドの軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に形成し
    かつ前記一対の板ばね部をつなぐ一対の連結部とを有
    し、 前記一対の板ばね部の少なくとも一方は、該板ばね部の
    両端付近に位置し前記サポートプレートに接触して板ば
    ねの支点となる第1の屈曲部と、該板ばね部の中央付近
    に位置し前記水ロッドと接触して板ばねの力点となる第
    2の屈曲部とを有し、かつその一方の板ばね部は、前記
    連結部につながる両端部分に、その両端部分以外の本体
    部分及び前記連結部より板幅が狭い幅狭部を有し、前記
    板ばねの力点となる第2の屈曲部は前記本体部分に位置
    し、かつこの本体部分の板幅が前記連結部の幅とほぼ等
    しいことを特徴とする燃料スペーサ。
  9. 【請求項9】燃料棒がそれぞれ挿入される複数の円筒部
    材と、前記円筒部材により保持され、隣接した一対の円
    筒部材内に位置する燃料棒を弾性的に支持する第1のル
    ープ状ばね部材と、前記円筒部材に連結された少なくと
    も1つのサポートプレートと、前記サポートプレートに
    保持され、水ロッドを弾性的に支持する第2のループ状
    ばね部材とを備えた燃料スペーサにおいて、 前記第1のループ状ばね部材は、それぞれ、一対の板ば
    ね部と、前記燃料棒の軸方向に冷却材を導く冷却材通路
    を内部に形成しかつ前記一対の板ばね部をつなぐ一対の
    連結部とを有し、 前記第2のループ状ばね部材は、一対の板ばね部と、前
    記水ロッドの軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に
    形成しかつ前記一対の板ばね部をつなぐ一対の連結部と
    を有し、 前記第2のループ状ばね部材の前記一対の板ばね部の少
    なくとも一方は、該板ばね部の両端付近に位置し前記サ
    ポートプレートに接触して板ばねの支点となる第1の屈
    曲部と、該板ばね部の中央付近に位置し前記水ロッドと
    接触して板ばねの力点となる第2の屈曲部とを有し、か
    つその一方の板ばね部は、前記連結部につながる両端部
    分に、その両端部分以外の本体部分及び前記連結部より
    板幅が狭い幅狭部を有し、前記板ばねの支点となる第1
    の屈曲部は前記幅狭部に位置していることを特徴とする
    燃料スペーサ。
  10. 【請求項10】燃料棒がそれぞれ挿入される複数の円筒
    部材と、前記円筒部材により保持され、隣接した一対の
    円筒部材内に位置する燃料棒を弾性的に支持する第1の
    ループ状ばね部材と、前記円筒部材に連結された少なく
    とも1つのサポートプレートと、前記サポートプレート
    に保持され、水ロッドを弾性的に支持する第2のループ
    状ばね部材とを備えた燃料スペーサにおいて、 前記第1のループ状ばね部材は、それぞれ、一対の板ば
    ね部と、前記燃料棒の軸方向に冷却材を導く冷却材通路
    を内部に形成しかつ前記一対の板ばね部をつなぐ一対の
    連結部とを有し、 前記第2のループ状ばね部材は、一対の板ばね部と、前
    記水ロッドの軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に
    形成しかつ前記一対の板ばね部をつなぐ一対の連結部と
    を有し、 前記第2のループ状ばね部材の前記一対の板ばね部の少
    なくとも一方は、該板ばね部の両端付近に位置し前記サ
    ポートプレートに接触して板ばねの支点となる第1の屈
    曲部と、該板ばね部の中央付近に位置し前記水ロッドと
    接触して板ばねの力点となる第2の屈曲部とを有し、か
    つその一方の板ばね部は、前記連結部につながる両端部
    分に、その両端部分以外の本体部分及び前記連結部より
    板幅が狭い幅狭部を有し、前記板ばねの力点となる第2
    の屈曲部は前記本体部分に位置し、かつこの本体部分の
    板幅が前記連結部の幅とほぼ等しいことを特徴とする燃
    料スペーサ。
  11. 【請求項11】複数本の燃料棒及び少なくとも1本の水
    ロッドと、これら燃料棒及び水ロッドの相互の間隔を保
    持する燃料スペーサとを備え、前記燃料スペーサが、前
    記燃料棒がそれぞれ挿入される複数の円筒部材と、前記
    円筒部材に連結された少なくとも1つのサポートプレー
    トと、前記サポートプレートに保持され、前記水ロッド
    を弾性的に支持するループ状ばね部材とを備えた燃料集
    合体において、 前記ループ状ばね部材は、一対の板ばね部と、前記水ロ
    ッドの軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に形成し
    かつ前記一対の板ばね部をつなぐ一対の連結部とを有
    し、 前記一対の板ばね部の少なくとも一方は、該板ばね部の
    両端付近に位置し前記サポートプレートに接触して板ば
    ねの支点となる第1の屈曲部と、該板ばね部の中央付近
    に位置し前記水ロッドと接触して板ばねの力点となる第
    2の屈曲部とを有し、かつその一方の板ばね部は、前記
    連結部につながる両端部分に、その両端部分以外の本体
    部分及び前記連結部より板幅が狭い幅狭部を有し、前記
    板ばねの支点となる第1の屈曲部は前記幅狭部に位置し
    ていることを特徴とする燃料集合体。
  12. 【請求項12】複数本の燃料棒及び少なくとも1本の水
    ロッドと、これら燃料棒及び水ロッドの相互の間隔を保
    持する燃料スペーサとを備え、前記燃料スペーサが、前
    記燃料棒がそれぞれ挿入される複数の円筒部材と、前記
    円筒部材に連結された少なくとも1つのサポートプレー
    トと、前記サポートプレートに保持され、前記水ロッド
    を弾性的に支持するループ状ばね部材とを備えた燃料集
    合体において、 前記ループ状ばね部材は、一対の板ばね部と、前記水ロ
    ッドの軸方向に冷却材を導く冷却材通路を内部に形成し
    かつ前記一対の板ばね部をつなぐ一対の連結部とを有
    し、 前記一対の板ばね部の少なくとも一方は、該板ばね部の
    両端付近に位置し前記サポートプレートに接触して板ば
    ねの支点となる第1の屈曲部と、該板ばね部の中央付近
    に位置し前記水ロッドと接触して板ばねの力点となる第
    2の屈曲部とを有し、かつその一方の板ばね部は、前記
    連結部につながる両端部分に、その両端部分以外の本体
    部分及び前記連結部より板幅が狭い幅狭部を有し、前記
    板ばねの力点となる第2の屈曲部は前記本体部分に位置
    し、かつこの本体部分の板幅が前記連結部の幅とほぼ等
    しいことを特徴とする燃料集合体。
  13. 【請求項13】燃料スペーサの構造部材に保持され、ロ
    ッド状部材を弾性的に支持する燃料スペーサ用ループ状
    ばね部材において、 一対の板ばね部と、前記ロッド状部材の軸方向に冷却材
    を導く冷却材通路を内部に形成しかつ前記一対の板ばね
    部をつなぐ一対の連結部とを有し、前記一対の板ばね部
    の少なくとも一方は、該板ばね部の両端付近に位置し前
    記燃料スペーサの構造部材に接触して板ばねの支点とな
    る第1の屈曲部と、該板ばね部の中央付近に位置し前記
    ロッド状部材と接触して板ばねの力点となる第2の屈曲
    部とを有し、かつその一方の板ばね部は、前記連結部に
    つながる両端部分に、その両端以外の本体部分及び前記
    連結部より板幅が狭い幅狭部を有し、前記板ばねの支点
    となる第1の屈曲部は前記幅狭部に位置していることを
    特徴とする燃料スペーサ用ループ状ばね部材。
  14. 【請求項14】燃料スペーサの構造部材に保持され、ロ
    ッド状部材を弾性的に支持する燃料スペーサ用ループ状
    ばね部材において、 一対の板ばね部と、前記ロッド状部材の軸方向に冷却材
    を導く冷却材通路を内部に形成しかつ前記一対の板ばね
    部をつなぐ一対の連結部とを有し、前記一対の板ばね部
    の少なくとも一方は、該板ばね部の両端付近に位置し前
    記燃料スペーサの構造部材に接触して板ばねの支点とな
    る第1の屈曲部と、該板ばね部の中央付近に位置し前記
    ロッド状部材と接触して板ばねの力点となる第2の屈曲
    部とを有し、かつその一方の板ばね部は、前記連結部に
    つながる両端部分に、その両端部分以外の本体部分及び
    前記連結部より板幅が狭い幅狭部を有し、前記板ばねの
    力点となる第2の屈曲部は前記本体部分に位置し、かつ
    この本体部分の板幅が前記連結部の幅とほぼ等しいこと
    を特徴とする燃料スペーサ用ループ状ばね部材。
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FR3007187B1 (fr) * 2013-06-17 2015-06-26 Technicatome Dispositif de maintien elastique de tubes de guidage d'un reacteur nucleaire de recherche
CN104200851B (zh) * 2014-09-16 2016-09-07 中国科学院合肥物质科学研究院 一种液态重金属冷却反应堆绕丝组件燃料棒的支撑格架

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