JP3164249B2 - 茶飲料の殺菌処理方法 - Google Patents

茶飲料の殺菌処理方法

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JP3164249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、茶の抽出液に含まれる
細菌・細菌胞子等の微生物類を、抽出液の品質を損なう
ことなく殺菌処理する方法に関し、特に加温加圧方法を
用いた茶飲料の殺菌処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、茶飲料を汚染している微生物類を
殺菌する方法として通常加熱殺菌方法(レトルト殺菌
法,UHT殺菌法等)が使用されてきている。例えば、
レトルト殺菌法は121℃で7分間または同等の効果条
件で行う殺菌法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法は簡
便かつ安全的ではある反面、100℃以上で加熱するた
め処理した茶飲料の風味や機能性成分を著しく劣化させ
てしまう点で問題があった。
【0004】上記風味等の劣化の主原因は、一つには高
温下での二重結合基を持つ化合物(ビタミン、カテキ
ン、脂質、揮発性成分等)の酸化分解、熱分解或いは重
合によるものであり、二つには高温多水系での不揮発性
高分子化合物(フラボン、テルペン類等の配糖体等)の
加水分解による揮発性成分への変化等であり、これらが
主原因となって、新しい臭気成分を形成し、茶飲料の風
味バランスを崩すことによるものである。
【0005】上記問題の解決策として、上記の如き高温
加熱を行わず、高圧下において100℃以下の加温によ
る微生物殺菌の可能性が研究されており、この方法が実
用化されれば茶飲料の品質が改善され、その需要拡大に
役立つものである。この着眼から、加温加圧殺菌に関す
る発明を本出願人は特願平3−234111号として提
示した。しかしながら、高圧殺菌方法は、微生物類中の
細菌,カビを殺菌するには明らかに有効であるが、細菌
胞子を一層確実かつ充分に殺菌するために改善余地があ
る。
【0006】本発明は、上記を踏まえ、従来公知の加熱
殺菌法に代える殺菌法として、確実かつ充分な成果が出
ると共に安全性が高く、かつ品質保存が可能な100℃
未満での茶飲料の殺菌方法を提供せんとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は検討をかさねた結果、茶抽出液を加温加
圧処理、好ましくは所定の温度及び圧力下で所定時間処
理した後、マイクロ波照射処理、好ましくは所定の出力
・時間でマイクロ波処理することにより、茶抽出液中の
各種細菌類を、その殺菌処理のために従来必要とされて
いるよりも低い温度で殺菌でき、この際、マイクロ波処
理は従来の加熱処理するよりも極く短時間で温度を上げ
ることができることから、茶の風味や機能性を損なわず
に十分な殺菌効果が得られることを見出し、本発明に至
ったものである。
【0008】本発明の特徴は、茶抽出液を加温加圧処理
した後に、マイクロ波照射して殺菌処理をするものであ
る。マイクロ波の照射は、茶抽出液を約80℃乃至10
0℃未満で殺菌処理が可能なように行われるのが好まし
く、このためにはマイクロ波を約2Kw以上の出力で照
射するのが、効果的である。
【0009】上記茶抽出液の加温加圧処理は、茶抽出液
を約60〜100℃好ましくは100℃未満の温度領域
で、約3000気圧以上の圧力を加えて行い、さらには
この処理を約20分間以上行うのが好ましい。
【0010】本発明に適用される茶は、紅茶等の発酵
、ウーロン茶や包茶等の半発酵茶、緑茶やほうじ茶等
の不発酵茶である。茶抽出液を加温殺菌するには、10
0℃以上の高温殺菌では高温になるほど100℃以下好
ましくは100℃未満の加温殺菌に比してビタミン等の
茶機能性成分が減少し、水色が損なわれ、風味香味共に
劣化するので、100℃以下特に好ましくは100℃未
満に温度制御して行う。
【0011】加圧は、上記温度制御のもとで、殺菌効果
が顕著となる約3000気圧以上に設定し、高圧値を限
定する理由はないが約7000気圧までが経済性を含め
て実用的である。また、上記温度域で上記範囲の加圧を
約20分間以上行うことにより、殺菌効果は著しく向上
する。上記加温加圧殺菌に関しては、前記した特願平3
−234111号においてその作用効果を開示した。
【0012】而して、上記加温加圧処理を所定時間行っ
た後、一般に使用されているマイクロ波例えば2450
±30MHzのマイクロ波を、茶抽出液が約80℃から
100℃未満に加温されるまで照射して本発明による殺
菌が行われる。
【0013】マイクロ波照射は、従来方法による伝熱加
熱処理に比して極く短時間の内に、抽出液の中心部、周
辺部を含めて同時的に加温処理ができるため、茶抽出液
の機能性成分の減少、水色、風味香味の劣化を効果的に
防止し得る。マイクロ波照射は、約2.0Kw以上の出
力、好ましくは約3.0Kw以上で行うことにより顕著
な効果を奏し得る。
【0014】上記本発明の殺菌方法によれば、殺菌抵抗
が特に強く食中毒菌、腐敗菌でもある細菌胞子を形成す
る細菌類(バチルス属,クロストリディウム属)であっ
ても、確実かつ充分に殺菌される。なお、クロストリデ
ィウム属は、茶抽出物茶抽出液中に存在するカテキン類
の抗菌作用によって生育できず、したがって毒素の生成
もないことが明かとなっている。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明の殺菌処理方法
は、茶抽出液を加温加圧することによって細菌胞子に生
体的変化を与えて耐圧性を低下させた後に、マイクロ波
処理によって、100℃未満の温度範囲で極く短時間で
完全殺菌する殺菌処理方法であるので、従来の加熱殺菌
処理では殺菌できない細菌胞子まで確実かつ充分に殺菌
し、しかも品質を損なわせることがなく、茶に含まれる
有用成分を損なうことなく品質の良い茶飲料を長期間保
存可能なものとして提供することができる。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕食中毒菌及び腐敗菌であるバチルス属の3
種の芽胞菌芽胞を使用して殺菌実験を行った。芽胞は次
のものである。
【0017】・バチルス ズブチリス(Bacillus subti
lis )=表では「S菌」と略す。 ・バチルス リケニフォルミス(Bacillus licheniform
is)=同「L菌」。 ・バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)=同
「C菌」。
【0018】市販の煎茶,ウ−ロン茶,紅茶,ほうじ茶
を常法により抽出して抽出液を得た。上記抽出は、茶原
料10gに対し湯1000mlの割合として、70±3
℃で行い、これを濾過して上記抽出液とした。この抽出
液に、それぞれ生菌数が約106 個/mlとなるように
各芽胞を懸濁し、次のような各処理条件を以て殺菌処理
を行った。対比殺菌は、従来のレトルト殺菌よりも殺菌
効果の高い加温加圧殺菌法とした。
【0019】・対比殺菌 =60℃、3000気圧の加
温加圧を20分間行った。 ・本発明殺菌=60℃、3000気圧の加温加圧を20
分間行った茶抽出液と、気圧以外同条件で7000気圧
の処理を行った抽出液とを、マイクロ波(2450MH
z、以下同じ)照射して90℃まで加温し、殺菌処理し
た。マイクロ波照射は、上記同条件の抽出液を分け、そ
れぞれに1.5Kw、2.0Kw、2.5Kw、3.0
Kwの各出力で行った。
【0020】上記殺菌処理した各茶抽出液に生存してい
る生菌数を測定した。結果は表1に示した通りである。
対比殺菌に比して本発明殺菌は顕著にすぐれた殺菌効果
を奏しており、特にマイクロ波の出力を2.0Kwより
も強くすることによって顕著な効果を得ることができ
た。
【0021】
【表1】
【0022】〔実施例2〕実施例1と同じ殺菌実験を殺
菌温度を80℃とし、その他は実施例1と同じ条件下で
行った。その結果を表2に示した。これによって明らか
なとおり、実施例1よりも一層すぐれた殺菌効果を奏し
た。特にマイクロ波の出力を2.0Kwよりも強くする
ことによって効果が顕著であった。
【0023】
【表1】
【0024】〔実施例3〕通常の茶抽出液に対し、対比
殺菌と本発明殺菌とを行い、一定期間保存した後の細菌
胞子の有無とpHを比較した。使用した芽胞菌芽胞は実
施例1と同じである(S菌、L菌、C菌)。実施例1と
同じ各茶抽出液に、各生菌数が約106 個/mlとなる
ように芽胞を懸濁し、次のような処理条件を以て殺菌処
理を行った。対比殺菌は、上記実施例1と同じ加温加圧
殺菌法によった。
【0025】・対比殺菌 =60℃、3000気圧の加
温加圧を20分間行った。 ・本発明殺菌=60℃、3000気圧の加温加圧を20
分間行った茶抽出液が、90℃となるようにマイクロ波
を3.0Kwの出力で照射し、この殺菌処理終了後、保
存環境温度35℃、55℃でいずれも7日間保存し、保
存後の生残生菌の有無とpHの変化を比較した。上記7
日間保存後に各茶抽出液に生存している生菌数とpHを
測定した。結果は表3に示した通りである。対比殺菌に
比して本発明殺菌は顕著にすぐれた殺菌効果を奏してお
り、細胞胞子の発生及び増殖はみられなかった。また、
pHの変化も対比殺菌に比して僅かであった。
【0026】
【表3】
【0027】〔実施例4〕実施例1同じ通常の茶抽出液
を未処理区として品質の基準とし、これに対して従来法
によるレトルト殺菌と本発明殺菌とを各別に実施して、
処理直後の品質劣化、即ちpH、Brix、水色の変化
を比較した。殺菌は次のような処理条件で行った。 ・レトルト殺菌=121℃、7分間行った。 ・本発明殺菌 =60℃、3000気圧の加温加圧を2
0分間行った茶抽出液が、90℃となるようにマイクロ
波を3.0Kwの出力で照射して殺菌処理した。
【0028】その結果は表4に示した通りである。これ
により、本発明殺菌を実施した茶抽出液は、未処理茶即
ち茶抽出液を加熱殺菌しない新鮮状態のものに比して、
pH、Brix、水色共に大きな変化は見られないこと
から、品質劣化が生じないことが明らかとなった。これ
に対して、レトルト殺菌方法による変化はかなり顕著で
あった。
【0029】
【表4】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秦野 徹 北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本 製鐵株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23F 3/16 A23L 3/01 A23L 3/015

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶抽出液を加温加圧処理した後にマイク
    ロ波照射して殺菌処理をすることを特徴とする茶飲料の
    殺菌処理方法。
  2. 【請求項2】 茶抽出液を加温加圧処理した後にマイク
    ロ波を照射して茶抽出液を約80℃乃至100℃未満で
    殺菌処理することを特徴とする茶飲料の殺菌処理方法。
  3. 【請求項3】 マイクロ波を約2Kw以上の出力で照射
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の茶飲料の
    殺菌処理方法。
  4. 【請求項4】 茶抽出液を約60〜100℃の温度領域
    で、約3000気圧以上の圧力を加えて加温加圧処理す
    るものである請求項1乃至3のいずれか一に記載の茶飲
    料の殺菌処理方法。
  5. 【請求項5】 上記加温加圧処理を約20分間以上行う
    ものである請求項1乃至4のいずれか一に記載の茶飲料
    の殺菌処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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