JP3164012B2 - 産業車両のハンドル角補正装置及び産業車両 - Google Patents

産業車両のハンドル角補正装置及び産業車両

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JP3164012B2
JP3164012B2 JP09729797A JP9729797A JP3164012B2 JP 3164012 B2 JP3164012 B2 JP 3164012B2 JP 09729797 A JP09729797 A JP 09729797A JP 9729797 A JP9729797 A JP 9729797A JP 3164012 B2 JP3164012 B2 JP 3164012B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーステアリン
グ装置を備えたフォークリフト等の産業車両において、
ハンドル角と操舵輪の切れ角との位置関係のずれを補正
するハンドル角補正装置及び産業車両に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーステアリング装置として、
ハンドルの操作量に応じた油量の作動油をステアリング
シリンダに供給して操舵輪を操向させる全油圧式パワー
ステアリング装置が知られている。
【0003】例えばフォークリフト等の産業車両では、
荷役作業等の操作をしながら片手でハンドル操作できる
ようにハンドルにノブが設けられている。そのため、ノ
ブの位置が操舵輪の切れ角が直進姿勢にあるか否かの判
断の目安にされる場合がある。しかし、ハンドルの操作
量に応じて吐出される作動油が全てステアリングシリン
ダの駆動に使用されるとは限らず、オービットロール効
率(実吐出量/理論吐出量)が低下したときには、ノブ
の位置と操舵輪の切れ角との位置関係にずれが発生する
ことになる。オービットロール効率の低下は、ハンドル
が遅い速度で操作されるときや、ステアリングシリンダ
等の油圧系におけるオイルリークなどにより引き起こさ
れる。
【0004】例えば特公平3−30544号公報、特公
平4−24270号公報等には、操舵輪の切れ角に対す
るハンドル角のずれを補正するハンドル角補正装置が開
示されている。図16は特公平4−24270号公報に
開示されたハンドル角補正装置を示したものである。
【0005】全油圧式のパワーステアリング装置51
は、ハンドル52により操作されるステアリングユニッ
ト53と、操舵輪(図示せず)を操向させるステアリン
グシリンダ54と、ステアリングユニット53とステア
リングシリンダ54とを連結する油圧ライン55,56
とを備える。油圧ライン55,56は、ハンドル52の
操舵方向に応じて操舵時には一方のラインがステアリン
グ用油圧ポンプ57からの加圧作動油を給送する給送ラ
インとなり、他方のラインが作動油タンク58へ油を戻
す返送ラインとなる。両油圧ライン55,56を連結す
るドレーン油ライン59の途中には電磁切換弁60が設
けられている。
【0006】制御手段61には、ハンドル回転角センサ
62からのハンドル回転角信号θabs と、シリンダ位置
センサ63からのシリンダストローク信号sとが入力さ
れる。制御手段61はマップを用いてハンドル回転角信
号θabs から目標シリンダストロークxgを求め、シリ
ンダストローク信号sから求められたシリンダストロー
クxと、目標シリンダストロークxgとの偏差が許容値
を超えるとソレノイド64を励磁させて電磁切換弁60
を開弁させるようにしていた。
【0007】電磁切換弁60が開弁されることにより、
油圧ライン55,56の一方の給送ラインから他方の返
送ラインに作動油の一部がドレーン油ライン59を通っ
て作動油タンク58に流出(還流)し、ハンドル位置が
タイヤ切れ角に応じた正規の位置に許容値内で補正され
るまでハンドル52が空転状態となり、ハンドルの位置
補正が実施される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ハンドル角
の補正を行うということは、オペレータがハンドルを操
作しているにも拘わらずハンドルを空転させることにな
る。従って、車両の走行中に前記補正動作が行われる
と、オペレータが進路変更(旋回走行あるいはカーブ走
行)を意図してハンドルを切った際、オペレータの意図
した割合より操舵角の増加割合が少なくなって違和感が
生じる。低速走行時では違和感があっても、その間に車
両の移動する距離が短いため、違和感をあまり感じない
が高速走行時ではその間に車両の移動する距離が長いた
め違和感が大きくなるという問題がある。
【0009】この違和感を解消するため、高速走行時に
前記補正動作を停止することが考えられる。しかし、補
正動作を停止するとノブずれが発生するという問題が生
じる。
【0010】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、高速走行時において違和感な
くハンドル操作を行うことができ、しかもハンドル角補
正を停止する必要がない産業車両のハンドル角補正装置
及び産業車両を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明では、全油圧式パワーステアリ
ング装置を備えるとともに、ハンドル角と操舵輪の切れ
角との位置関係に所定量以上のずれが生じた場合、ハン
ドルの操作時にハンドルを空転させることによりそのず
れを補正するハンドル角補正手段を備えた産業車両にお
いて、前記ハンドル角補正手段による単位時間当たりの
補正量を、高速走行時には低速走行時より少なくするよ
うにした。
【0012】請求項2に記載の発明では、ハンドルの操
作位置に応じた切れ角に操舵輪を駆動するための駆動手
段と、ハンドルの実位置を検出するハンドル角検出手段
と、前記操舵輪の切れ角を検出する舵角検出手段と、前
記切れ角から該切れ角に応じた正規のハンドルの位置で
ある目標位置を求める目標位置演算手段と、前記ハンド
ルの操作量に対する前記駆動手段の駆動量の変化割合を
減少させる補正手段と、車速を検出する車速検出手段
と、前記ハンドルの実位置と前記目標位置とのずれ量が
少なくとも許容範囲内に収まるように前記補正手段を駆
動制御するとともに、車速の増加に対応して前記補正手
段の単位時間当たりの補正量を少なくするように制御す
る制御手段とを備えた。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記駆動手段は、前記ハンドルの操
作量に応じた油量の作動油を吐出する作動油供給手段
と、該作動油供給手段からの作動油により駆動されて前
記操舵輪を駆動するための油圧式のアクチュエータとを
備えており、前記補正手段は、前記作動油供給手段から
吐出された作動油の一部を前記アクチュエータに供給さ
れる前にドレンタンクに還流可能な管路に設けられたデ
ューティ制御弁を備え、前記制御手段は車速に対応して
前記デューティ制御弁のデューティを変更するようにし
た。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記デューティ弁に代えてオン・オ
フソレノイド弁を使用し、前記制御手段が車速に対応し
て該オン・オフソレノイド弁を開状態に保持する時間を
変更するようにした。
【0015】請求項5に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記デューティ弁に代えて比例弁を
使用し、前記制御手段は車速に対応して該比例弁の開度
を変更するようにした。
【0016】請求項6に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記デューティ弁に代えて可変絞り
弁及び電磁切換弁を前記管路に設け、前記制御手段は車
速に対応して該可変絞り弁の開度を変更するようにし
た。
【0017】請求項7に記載の発明では、請求項2〜請
求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記制御
手段は、前記舵角検出手段により検出された前記切れ角
から前記目標位置をハンドルの相対角度で求める目標位
置演算手段を備え、前記ハンドル角検出手段がハンドル
の相対角度で検出した前記実位置と前記目標位置とのず
れ量が相対角度で許容値以下に収まるように前記ハンド
ルを位置補正する。
【0018】また、請求項8に記載の発明の産業車両
は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のハンド
ル角補正装置を備えている。上記構成により請求項1に
記載の発明では、ハンドル角と操舵輪の切れ角との位置
関係に所定量以上のずれが生じた場合、ハンドル角補正
手段が作動されてハンドルの操作時にハンドルが空転さ
れて、そのずれが補正される。そして、前記ハンドル角
補正手段による単位時間当たりの補正量が、高速走行時
には低速走行時に比較して少なくなる。
【0019】請求項2に記載の発明では、操舵輪はハン
ドルの操作に応じた切れ角に駆動手段により操舵され
る。ハンドルの実位置がハンドル角検出手段により検出
されるとともに、操舵輪の切れ角が舵角検出手段により
検出される。前記操舵輪の切れ角に応じたハンドルの正
規の位置である目標位置は、目標位置演算手段により前
記切れ角から求められる。そして、ハンドルの実位置と
前記操舵輪の切れ角に応じた目標位置とのずれ量が許容
値を超えるときには、制御手段により補正手段が駆動制
御される。その結果、ハンドルの操作量に対する駆動手
段の駆動量の変化割合が減少してハンドルが空転するこ
ととなり、ずれ量が少なくとも許容範囲内に収まるまで
ハンドルが位置補正される。また、車速が車速検出手段
により検出される。そして、制御手段は車速の増加に対
応して前記補正手段の単位時間当たりの補正量が少なく
なるように、補正手段を制御する。従って、ハンドル操
作時に単位時間当たりのハンドル角補正量が大きいと違
和感が生じ易い高速走行時にハンドル角補正が行われて
も、違和感が生じ難くなる。
【0020】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記駆動手段を構成する作動油供給
手段から、ハンドルの操作量に応じた油量の作動油が吐
出され、前記操舵輪を駆動するための油圧式のアクチュ
エータがその作動油により駆動される。補正手段は、前
記作動油供給手段から吐出された作動油の一部を、前記
アクチュエータに供給される前にドレンタンクに還流す
ることにより前記アクチュエータの駆動量の変化割合を
減少させる。そして、前記作動油の一部を、前記アクチ
ュエータに供給される前にドレンタンクに還流可能な管
路に設けられたデューティ制御弁が制御手段により制御
される。車速が大きくなるに従って、デューティが小さ
くなるように制御される。
【0021】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記デューティ弁に代えてオン・オ
フソレノイド弁が使用される。そして、車速が大きくな
るに従って、オン・オフソレノイド弁の一回当たりの開
状態の時間が短くなるように制御される。
【0022】請求項5に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記デューティ弁に代えて比例弁が
使用される。そして、車速が大きくなるに従って、比例
弁の開度が小さくなるように制御される。
【0023】請求項6に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記デューティ弁に代えて可変絞り
弁及び電磁切換弁が前記管路に設けられる。ハンドル角
補正を行う場合には、電磁切換弁が開状態に保持され
る。そして、車速が速くなるに従って、可変絞り弁の開
度が小さくなるように制御される。
【0024】請求項7に記載の発明では、請求項2〜請
求項6のいずれか一項に記載の発明において、ハンドル
の実位置がハンドル角検出手段によりハンドルの相対角
度で検出され、ハンドル位置補正に使用される目標位置
が目標位置演算手段によりハンドルの相対角度で操舵輪
の切れ角から求められる。ハンドル位置補正は、ずれ量
が相対角度で許容値内に収まるように行われる。ハンド
ルの位置補正が相対角度でのずれ量に基づいて行われる
ため、操舵輪に対してハンドルが360度以上ずれた場
合でも、1回転もしくは2回転分少ない360度未満の
補正量で済む。
【0025】請求項8に記載の発明では、産業車両には
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のハンドル角
補正装置が備えられているので、この産業車両において
は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明と
同様の作用が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0027】図3は、産業車両としてのフォークリフト
Fに装備されたパワーステアリング装置1を示す模式図
である。オペレータにより回転操作されるハンドル(ス
テアリングホイール)2には、その操作性を良くするた
めにノブ2aが設けられている。ハンドル2を支持する
ステアリングシャフト3はオービットロール4に連結さ
れている。
【0028】オービットロール4を構成するバルブユニ
ット5には、エンジン(図示せず)により駆動される油
圧ポンプ(荷役ポンプ)6からの作動油が供給される供
給管7と、ドレンタンク8に作動油を排出するための排
出管9とが接続されている。供給管7と排出管9とを接
続する管路10にはリリーフ弁11が介装され、リリー
フ弁11により油圧ポンプ6からバルブユニット5に圧
送される油圧が一定圧(設定圧)に保持されるようにな
っている。
【0029】バルブユニット5はステアリングシャフト
3により直接駆動されるものであって、ハンドル2の回
転量に比例した油量の作動油を、油圧式のアクチュエー
タとしてのステアリングシリンダ12に供給する機能を
有するものである。バルブユニット5とステアリングシ
リンダ12は2本の油圧ライン13,14で接続されて
いる。ハンドル2が右旋回された場合、油圧ライン13
が油圧ポンプ6からの作動油を給送する給送ラインとし
て機能し、油圧ライン14が油圧ポンプ6に作動油を戻
す返送ラインとして機能する。また、ハンドル2が左旋
回された場合、油圧ライン14が給送ラインとして機能
し、油圧ライン13が返送ラインとして機能する。オー
ビットロール4及び油圧ポンプ6により作動油供給手段
が構成されている。作動油供給手段及びステアリングシ
リンダ12により、ハンドル2の操作位置に応じた切れ
角に操舵輪19を駆動するための駆動手段が構成されて
いる。
【0030】ステアリングシリンダ12は、車体に固定
された円筒状のシリンダチューブ15と、その内部に往
復動可能に配置されたピストン16と、シリンダチュー
ブ15の両端部から突出した左右一対のピストンロッド
17a,17bとを備えている。各油圧ライン13,1
4は、ピストン16により2室に区画されたシリンダチ
ューブ15の各室に連通されている。
【0031】各ピストンロッド17a,17bの先端部
にはリンク機構18a,18bを介して左右の操舵輪
(後輪)19,19が連結されており、ステアリングシ
リンダ12が駆動されることにより両操舵輪19はキン
グピン20を中心に左右に操舵されるようになってい
る。
【0032】両油圧ライン13,14はバイパスライン
21で繋がっており、このバイパスライン21の途中に
補正手段としての電磁切換弁22及び絞り弁23が設け
られている。バイパスライン21は作動油供給手段から
吐出された作動油の一部をステアリングシリンダ12に
供給される前にドレンタンク8に還流可能な管路を構成
する。電磁切換弁22はバイパスライン21を介してド
レンタンク8に還流される作動油量を制御するためのも
のである。電磁切換弁22を開弁させて作動油の一部を
還流させることにより、ハンドル2の操作量に対するス
テアリングシリンダ12におけるピストン16の変位量
の割合を減少させてハンドル2の空転状態を作り出すよ
うになっている。ハンドル2の空転によりハンドル角を
操舵輪19の舵角(切れ角)に追いつかせることで、ハ
ンドル2の位置補正が行われる。
【0033】電磁切換弁22には二位置切換のデューテ
ィ弁が使用され、バイパスライン21を遮断する遮断位
置(図3の状態)と、バイパスライン21を連通させる
連通位置との二位置に高速(例えば、1〜2ミリ秒)で
切換可能になっている。電磁切換弁22を構成するスプ
ール(図示せず)はスプリング24により遮断位置側に
付勢されており、電磁切換弁22はソレノイド25が励
磁されたときに連通位置に配置され、ソレノイド25が
消磁されたときに遮断位置に配置される。ソレノイド2
5はコントローラ26と電気的に接続されており、コン
トローラ26からの制御信号に基づいてデューティ制御
される。なお、絞り弁23は、電磁切換弁22が故障等
により開弁のままとなっても、ハンドル操作による操舵
輪19の操舵が可能となるように、バイパスライン21
の流量を絞るためのものである。
【0034】コントローラ26には、ハンドル角検出手
段及び操作方向検出手段を構成するロータリエンコーダ
27及び舵角検出手段としてのポテンショメータ28が
電気的に接続されている。ロータリエンコーダ27はス
テアリングシャフト3に一体回転可能に設けられた円盤
29と、円盤29に形成されたスリット29a,29b
(図6を参照)を検出するための三組のフォトカプラを
備えたハンドル角センサ30とを備えている。ハンドル
角センサ30の検出信号はコントローラ26に入力され
るようになっている。
【0035】図3,図6に示すように、円盤29には周
方向に沿って複数(この実施の形態では40)個のスリ
ット29aが等間隔に形成されるとともに、その周縁部
の1箇所に較正用のスリット29b(図6にのみ図示)
が形成されている。ハンドル角センサ30は前記各フォ
トカプラを構成する3個のフォトトランジスタである第
1トランジスタ31、第2トランジスタ32及び補正ト
ランジスタ33(いずれも図4に図示)を内蔵してい
る。
【0036】第1トランジスタ31及び第2トランジス
タ32は、スリット29aを通り抜けた光を検出するた
めのものであり、ハンドル2の1回転で40回ずつオン
・オフを繰り返す検出信号(デジタル信号)SS1,S
S2(図5に示す)をそれぞれ出力する。両信号SS
1,SS2はその位相が電気的に90°ずれるように、
即ち1/4周期ずれるように設定されている。そして、
両信号SS1,SS2のエッジを検出して計数すること
で、ハンドル2の1回転を160分割した分解能でハン
ドル2の回転角(以下、ハンドル角θという)が検出可
能となっている。ハンドル角θは後述する操舵カウンタ
44(図4を参照)に、ハンドル相対角度に相当するカ
ウント値Cとして計数されるようになっている。
【0037】また、補正トランジスタ33は位置補正用
のスリット29bを通り抜けた光を検出するためのもの
であり、ハンドル2が中立位置に配置されたときにオン
する検出信号(デジタル信号)SSC(図5に示す)を
出力する。補正トランジスタ33からのオン信号は、操
舵カウンタ44のカウント値Cを較正をするために用い
られる。
【0038】ポテンショメータ28は右側の操舵輪19
を支持するキングピン20に配設されており、キングピ
ン20の回動量を検出して操舵輪19の切れ角に相当す
るタイヤ切れ角信号Rをコントローラ26に出力するよ
うになっている。
【0039】駆動輪(図示せず)に回転を伝達するフロ
ントデフリングギヤ34の近傍には車速検出手段として
の車速センサ35が設けられており、車速センサ35か
ら車速に相当する車速信号vがコントローラ26に入力
されるようになっている。
【0040】図4に示すように、コントローラ26は、
マイクロコンピュータ36、ハンドル角検出手段を構成
するエッジ検出回路37、AD変換回路38,39及び
制御手段を構成する駆動回路40等を備えている。マイ
クロコンピュータ36は中央処理装置(CPU)41、
読出し専用メモリ(ROM)42、読出し書替え可能メ
モリ(RAM)43、操舵カウンタ44、制御周期カウ
ンタ45、クロック回路46、入力インタフェイス47
及び出力インタフェイス48を備えている。ポテンショ
メータ28及び車速センサ35は、AD変換回路38,
39にそれぞれ接続されている。CPU41は制御手段
及び目標位置演算手段を構成するとともに目標方向検出
手段として機能する。ROM42は目標位置演算手段を
構成する。操舵カウンタ44はハンドル角検出手段を構
成する。
【0041】CPU41はROM42に記憶された各種
プログラムデータに基づき各種演算処理を実行し、その
演算結果等をRAM43に記憶する。ROM42には図
1及び図2にフローチャートで示すノブ位置補正制御処
理のプログラムデータ等が記憶されている。これらのフ
ローチャートにおいて、ステップS30が目標位置演算
手段、S40が目標方向検出手段、S100がデューテ
ィ値演算手段、S210〜S290が操作方向検出手段
をそれぞれ構成している。
【0042】第1トランジスタ31、第2トランジスタ
32及び補正トランジスタ33からの各検出信号SS
1,SS2,SSCは、CPU41とエッジ検出回路3
7とに入力されるようになっている。エッジ検出回路3
7は各検出信号SS1,SS2,SSCの立ち上がり・
立ち下がりのエッジを検出するためのものであり、エッ
ジ検出時にエッジ信号SE1,SE2,SECを出力す
る。
【0043】操舵カウンタ44はハンドル2のハンドル
角θをカウントするためのものである。CPU41はエ
ッジ信号SE1,SE2を入力する度、つまりハンドル
2が1/160回転(=2.25°)される度に操舵カ
ウンタ44のカウント値Cを「1」ずつ変更する。操舵
カウンタ44にはハンドル相対角度で表されたノブ2a
の位置(ハンドル角θ)が「0〜159」のカウント値
Cとして計数されるようになっている。操舵カウンタ4
4はノブ2aが中立位置に配置されたときのカウント値
Cが「80」となるように設定されている。カウント値
Cはノブ2aが中立位置を通過する度にエッジ検出回路
37から出力されるエッジ信号SECに基づいて、ノブ
2aが中立位置に配置された時が「80」となるように
割込み処理により較正されるようになっている。
【0044】制御周期カウンタ45は、ノブ位置補正制
御処理の実行回数を計数するためのものであり、操舵カ
ウンタ44のカウント値Cが変更される度、つまりハン
ドル2が1/160回転される度にクリアされる。その
ため、操舵カウンタ44のカウント値Cの変更時の制御
周期カウンタ45のカウント値C1を見ることで、ハン
ドル2が1/160回転されるのに要した経過時間が間
接的に分かるようになっている。制御周期カウンタ45
のカウント値C1は、ハンドル操作が停止であるか否か
の判断に用いられる。
【0045】また、CPU41はクロック回路46から
のクロック信号に基づいて所定時間to (例えば10ミ
リ秒)間隔で図1に示すノブ位置補正制御処理を実行す
る。但し、エッジ信号SE1,SE2を入力したときに
は図2に示す割込みルーチンを優先して実行し、エッジ
信号SECを入力したときには操舵カウンタ44のカウ
ント値の較正を割り込み処理で実行する。
【0046】図2に示す割込みルーチンは、エッジ信号
SE1,SE2のいずれかの入力時に優先的に割込みで
実行されるものである。この割込みルーチンでは、ハン
ドル2の回転方向(以下、操舵方向という)の判定処
理、操舵カウンタ44のカウント処理、制御周期カウン
タ45のクリア処理、ハンドル操作停止判定等が行われ
る。
【0047】ハンドル2の操舵方向は、検出されたエッ
ジ信号SE1,SE2の立ち上がり・立ち下がりのエッ
ジの種別と、そのエッジ信号の出力元でない方のトラン
ジスタの出力レベル(信号SS1,SS2のレベル)と
の2つの判定データから判定される。即ち、図5に示す
ように、例えば信号SS1が「立ち上がりエッジ」の時
には、信号SS2がHレベルであれば「右操舵」、信号
SS2がLレベルであれば「左操舵」と判定する。信号
SS1が「立ち下がりエッジ」のときには、信号SS2
の出力レベルと操舵方向の関係が立ち上がり時と逆にな
る。また、信号SS2が「立ち上がりエッジ」のときに
は、信号SS1がLレベルであれば「右操舵」、信号S
S1がHレベルであれば「左操舵」と判定する。信号S
S2が「立ち下がりエッジ」のときには、信号SS1の
出力レベルと操舵方向の関係が立ち上がり時と逆にな
る。
【0048】ポテンショメータ28からのタイヤ切れ角
信号RはAD変換回路38を介して8ビットのAD値
(0〜255)としてCPU41に入力され、CPU4
1は入力したAD値をタイヤ切れ角Rとして取り込む。
ポテンショメータ28からの入力値はAD値=「12
8」がタイヤ切れ角R=「0°」に対応付けられてお
り、AD値<128(すなわちR値が「負」)のときを
左操舵(左切れ角)、AD値>128(すなわちR値が
「正」)のときを右操舵と認識する。
【0049】車速センサ35からの車速信号vはAD変
換回路39を介して8ビットのAD値(0〜255)と
してCPU41に入力されるようになっている。また、
電磁切換弁22をデューティ制御する制御信号が、出力
インタフェイス48に接続された駆動回路40を介して
CPU41から出力されるようになっている。
【0050】ROM42には図9に示すマップM2が記
憶されている。マップM2は、ノブ2aを位置補正する
うえでの目標位置となる目標ハンドル角θgをタイヤ切
れ角Rから求めるためのものである。マップM2には、
目標ハンドル角θgがタイヤ切れ角Rに応じたハンドル
相対角度で決まるように、操舵輪19のストロークエン
ドRE,LE間の全操舵範囲において、タイヤ切れ角R
と目標ハンドル角θgとを関連付けた制御目標ラインL
が設定されている。この制御目標ラインLは、オービッ
トロール効率(実吐出量/理論吐出量)100%を前提
とした制御理想ラインである。この実施の形態では、ノ
ブ2aが中立位置にあるときをハンドル角θ=0°(カ
ウント値C=80)に設定している関係から、目標ハン
ドル角θgの「−180°〜180°」が目標操舵カウ
ント値Cgの「0〜159」に対応付けて設定されてい
る。
【0051】ノブ位置補正制御処理では、CPU41は
ハンドル角θと、タイヤ切れ角Rから求めた目標ハンド
ル角θg とのずれ量Δθを算出し、このずれ量Δθが許
容値θo (例えば約5°)以下に収まるようにノブ位置
補正を実行する。ここでいうずれ量Δθとは、図7
(a),(b)に示すように現在ノブ位置と目標ノブ位
置との最短経路でのずれ量を意味し、ノブ2aの実際の
ずれ量Δθs が180°を超えたときには、ずれ量Δθ
が「360°−Δθs 」で表されるものである。
【0052】ノブ位置補正は、図7(a),(b)に示
すようにずれ量Δθが所定角度A°以下であるか否かで
補正実行条件が異なっている。すなわち、ずれ量Δθが
A°以下である場合(つまり、実際のずれ量Δθs がΔ
θs ≦AあるいはΔθs ≧(360−A)°)は、ハン
ドル2が操作される操作方向が、現在ノブ位置が目標ノ
ブ位置に至るのに最短経路を通って近づく方向(以下、
目標方向という)に一致するときに限りノブ位置補正が
実行される。また、ずれ量Δθが所定角度A°を超える
場合(つまり、実際のずれ量Δθs がA°<Δθs <
(360−A)°)には、ハンドル操作方向に関係なく
ノブ位置補正が常に実行されるようになっている。
【0053】ここで、所定値Aは、ずれ量が所定値以上
に大きくなったときには、ハンドル2が目標方向と反対
方向に操作されているときに補正を実行しても、ずれ量
の拡大よりもむしろ縮小することの確率の方が高くなる
ことを期待して設定した境界値である。本実施形態で
は、所定値A°として80°〜120°の範囲内の値が
設定されている。
【0054】また、CPU41はハンドル角補正(ノブ
位置補正)を実行する場合、電磁切換弁22をデューテ
ィ制御するようになっている。CPU41は、検出され
た車速に対応するデューティ値を図8に示すマップM1
から演算する。そして、算出したデューティ値で電磁切
換弁22をデューティ制御する制御信号が、出力インタ
フェイス48に接続された駆動回路40を介して電磁切
換弁22に出力される。
【0055】次に、前記のように構成されたパワーステ
アリング装置1の作用について説明する。フォークリフ
トFの運転時には、オペレータはノブ2aを握ってハン
ドル2を操作する。ハンドル2が操作されてステアリン
グシャフト3が回転駆動されると、バルブユニット5か
らハンドル2の操作量に応じた油量の作動油が吐出さ
れ、ハンドル2の操作量に応じてステアリングシリンダ
12を介して操舵輪19が操舵される。ハンドル操作速
度が遅いときや、ステアリングシリンダ12等の油圧系
のオイルリーク等が原因でオービットロール効率が低下
した場合、ノブ2aが正規の位置からずれる場合があ
る。そのため、ノブ2aの位置をタイヤ切れ角に応じた
正規の位置に補正するノブ位置補正制御が行われる。
【0056】以下、CPU41が実行するノブ位置補正
制御を図1及び図2に示すフローチャートに従って説明
する。なお、初期状態では電磁切換弁22が遮断位置に
配置されている、即ち電磁切換弁22が停止されている
ものとする。
【0057】フォークリフトFのエンジン駆動中、CP
U41には各トランジスタ31,32,33からの検出
信号SS1,SS2,SSCと、エッジ検出回路37か
らのエッジ信号SE1,SE2,SECと、ポテンショ
メータ28からのタイヤ切れ角信号Rと、車速センサ3
5からの車速信号vとが入力される。
【0058】CPU41は所定時間to (例えば10ミ
リ秒)毎に図1に示すノブ位置補正制御処理を実行す
る。また、エッジ信号SE1,SE2を入力すると図2
に示す割込みルーチンを優先して実行する。この割込み
ルーチンでは、ノブ位置補正制御を実行するうえで必要
なデータを適宜適切な値に変更するため、操舵カウンタ
44のカウント処理や、ハンドル2の操舵方向を判定す
るための演算処理、ハンドル操作停止判定処理、制御周
期カウンタ45のクリア処理を実行する。なお、図1に
示すノブ位置補正制御処理の実行開始時(ステップ1
0)に、制御周期カウンタ45のカウント値C1をイン
クリメントするカウント処理が行われ、制御周期カウン
タ45のカウント値C1は当該処理の実行周期to 毎に
「1」ずつ加算される。
【0059】まず、図2に示す割込みルーチンから説明
する。CPU41はエッジ信号SE1,SE2を入力す
ると割込みルーチンを優先的に実行する。このルーチン
において、S210〜S290の処理は信号SS1,S
S2,SE1,SE2を用いてハンドル2の操舵方向を
判定するための処理であり、当該ルーチンを実行する基
礎となったエッジ信号の種別(立ち上がりエッジ・立ち
下がりエッジ)と、このエッジ信号の出力元でない他方
のトランジスタの出力レベルとの2つの判定データによ
り、ハンドル2の操舵方向を決定する。
【0060】まずステップ210では、エッジ信号の出
力元が第1トランジスタ31及び第2トランジスタ32
のどちらであるかを判断する。ステップ220及びステ
ップ230では、エッジ信号の出力の基礎となった信号
(SS1又はSS2)のエッジが立ち上がりエッジであ
るか否かを判断する。この判断処理では、エッジ信号の
出力元別に用意されたエッジフラグが利用される。エッ
ジフラグには、前回までの割込みルーチンにおいて判定
された、そのときのエッジ信号の出力元のトランジスタ
の出力レベルから決まる次回の検出エッジの種別の情報
(出力レベルがHレベルであれば「立ち下がりエッ
ジ」、Lレベルであれば「立ち上がりエッジ」とする)
が保存されている。そのため、今回のルーチンの基礎と
なったエッジ信号の出力元に対応するエッジフラグが
「0」であれば今回の検出エッジは「立ち下がりエッ
ジ」、「1」であれば「立ち上がりエッジ」と判断す
る。
【0061】S240〜S270の処理は、エッジ信号
の出力元のトランジスタでない他方のトランジスタの出
力レベルを判定する処理であり、判定された出力レベル
と、先に判定されたエッジの種別とにより、信号SS
1,SS2の進角・遅角の位相関係がハンドル2の操舵
方向に依って逆転することを利用し、ハンドル2の操舵
方向が決定される(S280,S290)。この操舵方
向の判定結果は操舵方向フラグにセットされ、操舵方向
フラグには左方向のときには「0」、右方向のときには
「1」がセットされる。
【0062】ステップ300では、操舵カウンタ44を
操舵方向の判定結果に応じてカウント処理する。すなわ
ち、操舵方向が「右方向」であるときにはカウント値C
をインクリメントし、操舵方向が「左方向」であるとき
にはカウント値Cをデクリメントする。但し、インクリ
メントする前のカウント値Cが「159」であるときに
はカウント値Cを「0」とし、デクリメントする前のカ
ウント値Cが「0」であるときにはカウント値Cを「1
59」とする。こうして操舵カウンタ44には、ハンド
ル相対角度で表されたハンドル角θに相当するカウント
値Cが計数される。
【0063】ステップ310では、制御周期カウンタ4
5のカウント値(制御周期カウント値)C1が、ハンド
ル操作停止の判断のために設定された設定値Co 以上で
あるか否かが判断される。制御周期カウンタ45のカウ
ント値C1は、割込みルーチンが実行される度、つまり
ハンドル2が1/160回転(2.25°)操作される
度にクリアされ(S330)、ノブ位置補正制御処理の
実行周期to (例えば10ミリ秒)毎にインクリメント
(図1のS10参照)されるものである。そのため、制
御周期カウンタ45のカウント値C1は、ハンドル2が
1/160回転操作されるまでの経過時間に相当する値
を表すものとなっており、カウント値C1が設定値Co
以上であればハンドル操作は停止と見なされる。
【0064】制御周期カウンタ45のカウント値C1が
設定値Co 以上であれば、「ハンドル操作停止判定」を
下して操舵停止判定フラグに「1」をセットした(S3
20)後、制御周期カウンタ45をクリアする(S33
0)。また、カウント値C1が設定値Co 未満であれ
ば、操舵停止判定フラグを変更せず「0」のままで、制
御周期カウンタ45をクリアする(S330)。
【0065】こうしてノブ位置補正制御処理の実行中に
は、操舵カウンタ44のカウント値Cを見ることにより
現在のハンドル角θが分かり、操舵方向フラグを見るこ
とにより現在のハンドル操作方向が分かり、さらに操舵
停止判定フラグを見ることによりハンドル操作が停止状
態であるか否かが分かることになる。
【0066】次に、ノブ位置補正制御処理について図1
のフローチャートに基づいて説明する。まずステップ1
0において、制御周期カウンタ45をインクリメントす
る。ステップ20では、ハンドル角θとタイヤ切れ角R
を読み込む。ハンドル角θは操舵カウンタ44のカウン
ト値Cから読み出される。
【0067】ステップ30では、図9に示すマップM2
を用いてタイヤ切れ角Rから目標ハンドル角θgを算出
する。この目標ハンドル角θgは目標操舵カウント値C
gとして求められる。
【0068】ステップ40では、ノブずれ補正を実行す
る目標方向を演算する。すなわち、現在ノブ位置から目
標ノブ位置に至るのに左右どちらの方向が最短経路とな
るかを判断する。現在の操舵カウンタ44のカウント値
Cと目標操舵カウント値Cgとの偏差ΔC=|C−Cg
|を算出し、偏差ΔCが「80」以下(つまり、ハンド
ル角換算で偏差|θ−θg|≦180°)である場合に
は、C<Cgの成立時に目標方向を「右方向」、C>C
gの成立時に目標方向を「左方向」と判定する。また、
偏差ΔCが「80」を超える(つまり、ハンドル角換算
で偏差|θ−θg|>180°)場合には、C<Cgの
成立時に目標方向を「左方向」、C>Cgの成立時に目
標方向を「右方向」と判定する。この目標方向の判定結
果は目標方向フラグにセットされ、目標方向が「左方
向」のときには「0」、「右方向」のときには「1」が
セットされる。
【0069】ステップ50では、現在ノブ位置と目標ノ
ブ位置とのずれ量Δθを算出する。すなわち、ハンドル
角換算で偏差|θ−θg|が180°以下である場合に
は、Δθ=|θ−θg|とし、偏差|θ−θg|が18
0°を超える場合には、Δθ=360°−|θ−θg|
とする。こうして現在ノブ位置と目標ノブ位置との最短
経路でのずれ量Δθが求められる。このずれ量Δθは処
理上はカウント値C,Cgを用いてカウント値C換算で
算出される。
【0070】ステップ60では、ハンドル操作停止であ
るか否かを判断する。すなわち、操舵停止判定フラグを
見て「1」がセットされているか否かを調べ、「1」が
セットされていればハンドル操作停止であると判断す
る。操舵停止判定フラグが「1」であれば、ステップ1
20に移行してバルブ停止指令を実行する。従って、電
磁切換弁22は駆動されず、遮断位置に保持される。そ
のため、ハンドル操作停止中は常にノブ位置補正が実行
されない。一方、ハンドル操作停止でなければ、ステッ
プ70に移行する。
【0071】次のステップ70では、ずれ量Δθが許容
値θo 以下であるか否かを判断する。ずれ量Δθが許容
値θo 以下であればステップ120に移行し、バルブ停
止指令を実行する。そのため、ずれ量Δθが許容値θo
以下であるときにはノブ位置補正が実行されない。一
方、ずれ量Δθが許容値θo を超えるときにはステップ
80に移行する。ステップ80ではずれ量Δθが所定値
A°以下であるか否かを判断する。ずれ量Δθが所定値
A°を超えるようであればステップ100に移行する。
ステップ100では車速vに対応するデューティ値を図
8に示すマップM1から演算する。そして、ステップ1
10に移行して、ステップ110で電磁切換弁22をデ
ューティ制御する制御信号を出力するバルブ駆動指令を
実行する。そのため、図7(b)に示すようにずれ量Δ
θが所定値A°を超えるときには、ハンドル2の操作方
向が左方向(b方向)であっても右方向(c方向)であ
っても、ノブ位置補正が実行され、ノブ2aは現在位置
から目標位置に向かって接近することになる。ハンドル
2がc方向に操作されるときは最長経路を通る補正とな
るが、元々のずれ量ΔθがA°を超えて大きいので、多
くの場合、ずれ量Δθが拡大するよりも縮小することと
なり、ノブ位置補正の実施の機会が事実上増え、A°を
超えるずれ量のまま放置されることが極力回避される。
【0072】一方、ステップ80でΔθ≦A°の成立時
にはステップ90に移行し、操舵方向と目標方向とが一
致するか否かを判断する。この判断は操舵方向フラグと
目標方向フラグの両フラグ値が一致するか否かで判断す
る。操舵方向=目標方向の成立時にはステップ100に
移行して車速vに対応するデューティ値を求めた後、ス
テップ110でバルブ駆動指令を行う。また、操舵方向
=目標方向の不成立時にはステップ120に移行してバ
ルブ停止指令を行う。
【0073】従って、ノブ2aが図7(a)における実
線位置に位置するときには、ノブ2aが目標位置に最短
経路で接近するa1方向(左方向)にハンドル2が操作
されたときにノブ位置補正が実行され、ノブ2aが目標
位置から離れる(つまり最長経路で接近する)x1方向
(右方向)にハンドル2が操作されたときにはノブ位置
補正が実行されない。また、ノブ2aが正規の位置から
(360−A)°以上ずれた図7(a)の鎖線位置にあ
るときには、ノブ2aが目標ノブ位置に最短経路で接近
するa2方向(右方向)にハンドル2が操作されたとき
にノブ位置補正が実行され、ノブ2aが目標位置から離
れるx2方向(左方向)にハンドル2が操作されたとき
にはノブ位置補正が実行されない。また、実際にずれた
量が360°以上であっても、相対角度が考慮されるだ
けなので、補正量は常に360°未満となる。例えばノ
ブ2aが実際には1回転もしくは2回転分ずれていて
も、オペレータから見てノブ2aの位置が合っていれば
ノブ位置補正は実行されない。
【0074】また、ノブ位置補正が行われる場合は、単
位時間当たりの補正量が車速vに応じて変更され、車速
が増大するほど単位時間当たりの補正量が少なくなるよ
うに電磁切換弁22がデューティ制御される。その結
果、高速走行中にハンドル操作を行った場合には、ノブ
位置補正が実行されても単位時間当たりの補正量が少な
くなるため、オペレータが進路変更(旋回走行あるいは
カーブ走行)を意図してハンドルを切った際に、ノブ位
置補正が実行されてもオペレータに違和感を与えること
がなくなる。
【0075】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) ハンドル角補正手段による単位時間当たりの補
正量が、高速走行時には低速走行時に比較して少なくな
るので、高速走行時に進路変更を行う場合に、ハンドル
追従性が悪くなることが防止され、オペレータに違和感
を与えることを防止できる。また、ハンドル角補正(ノ
ブ位置補正)が必要な場合は補正が実行されるため、ノ
ブずれの拡大を防止できる。
【0076】(ロ) 補正手段による単位時間当たりの
補正量を、車速の増加に対応して少なくするようにした
ので、車速に対応した適正な補正量でハンドル角補正
(ノブ位置補正)が実行され、オペレータに違和感を与
えることをより確実に防止できる。また、ハンドル角補
正(ノブ位置補正)が効率よく行われる。
【0077】(ハ) 補正手段としてデューティ制御さ
れる電磁切換弁22が使用されているため、デューティ
値を変更することにより単位時間当たりの補正量を簡単
に変更できる。
【0078】(ニ) タイヤ切れ角基準で目標ハンドル
角θgを求める方法にしたので、目標ハンドル角θgを
ハンドルの相対角度で設定することができるようにな
り、ハンドルの相対角度を合わせるノブ位置補正を実現
させることができる。従って、実際のずれ量が360°
以上であっても例えば1回転もしくは2回転少ない補正
量で済ませることができる。従って、ハンドル2の無駄
な空転を無くすことができる。
【0079】(ホ) バイパスライン21に絞り弁23
が設けられているため、電磁切換弁22が故障等により
開弁のままとなっても、ハンドル操作による操舵輪19
の操舵が可能となる。
【0080】(ヘ) ずれ量ΔθがA°以下であるとき
には、最短経路を通る方向にハンドル2が操作されたと
きに限り補正が実行されるので、相対角度に基づく補正
方法を採用しても、ずれ量を縮小させる補正を実行させ
ることができる。また、実際のずれ量が例えば280°
であっても75°(許容値θo =5°を考慮した場合)
の補正量で済み、実際のずれ量がA°を超えて360°
未満の場合においても、実際のずれ量よりも小さな補正
量で済ませることができる。その結果、ノブ位置補正に
必要なハンドル2の空転量をさらに一層少なくすること
ができる。
【0081】(ト) ハンドル角θの検出にロータリエ
ンコーダ27を用いたので、ノブ2aの位置に相当する
ハンドル相対角度での検出値(カウント値C)をハンド
ル2の1回転(360°)全域に亘って検出することが
できる。その結果、回転式のポテンショメータを用いた
場合と異なり、ハンドル2がどの位置にあってもノブ位
置補正を行うことができる。従って、補正に要するハン
ドル操作量が減って補正が早く終了し、操舵輪19を直
進姿勢に戻したときのノブ2aの中立位置への収束性を
高めることができる。
【0082】(第2の実施の形態)次ぎに第2の実施の
形態を図10及び図11に従って説明する。この実施の
形態では補正手段として機能する電磁切換弁22とし
て、デューティ弁に代えて、オン・オフソレノイド弁を
使用する点が前記実施の形態と異なっている。その他の
ハードウエアの構成は前記実施の形態と同じであり、ノ
ブ位置補正制御プログラムの一部と、電磁切換弁22を
駆動するときのソレノイド25の励磁時間を設定するマ
ップが前記実施の形態と異なっている。前記実施の形態
と同一部分は同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0083】デューティ弁はその応答性が1〜2ms
(ミリ秒)程度と速いのに対して、オン・オフソレノイ
ド弁はその応答性が10〜20ms程度と一桁遅い。従
って、デューティ弁のように高速でオン・オフ制御する
ことにより、短時間における見かけの上の開度を細かく
調整することは、オン・オフソレノイド弁では難しい。
そこで、この実施の形態では数十〜百ミリ秒程度を1周
期として、その間におけるソレノイド25の通電時間を
調整することにより、電磁切換弁22の見かけの上の開
度調整を行って補正量を調整するようになっている。
【0084】例えば、電磁切換弁22の応答性が20m
sで、1制御周期を100msとした場合、ソレノイド
25の連続励磁時間(連続通電時間)を変更することに
より、図11(a)〜(d)に示すように、見かけの上
の開度が20%、40%、60%、80%と変更され
る。なお、各グラフの横軸は通電時間を表す。(a)は
ソレノイド25に20ms通電(オン)して80msオ
フした場合、(b)はソレノイド25に40ms通電
(オン)して60msオフした場合、(c)はソレノイ
ド25に60ms通電(オン)して40msオフした場
合、(d)はソレノイド25に80ms通電(オン)し
て20msオフした場合をそれぞれ示す。また、1周期
の間連続通電した場合は開度100%になる。
【0085】この実施の形態では前記開度の微調整は難
しいため、車速vに対応する補正量を求めるためのマッ
プM3は、図10に示すように、不連続な線で表される
グラフとなる。なお、図10において、縦軸は電磁切換
弁22の制御周期の1周期における連続通電時間の割合
を%で表す。
【0086】この実施の形態では、ノブ位置補正制御プ
ログラムは前記実施の形態のものと基本的に同じである
が、図1のフローチャートにおいて、ステップ100で
車速に対応するデューティ値をマップM1から演算する
代わりに、図10のマップM3を使用して車速vに対応
する電磁切換弁22の連続通電時間を求める。そして、
ステップ110では電磁切換弁22を所定時間連続通電
させる制御信号を出力するバルブ駆動指令を実行する。
【0087】従って、この実施の形態においても、前記
実施の形態と同様な効果を発揮する。しかし、前記実施
の形態の方が補正量の調整をより適正な状態で行うこと
ができるとともに、1回のノブ位置補正の制御周期を短
くできる。
【0088】この実施の形態の場合は、デューティ弁に
比較して低価格の電磁切換弁22を使用できるため、装
置全体の製造コストを低減できる。 (第3の実施の形態)次に第3の実施の形態を図12に
従って説明する。この実施の形態では補正手段として機
能する電磁切換弁22に代えて、比例弁を使用する点が
第1の実施の形態と異なっている。その他のハードウエ
アの構成は第1の実施の形態と同じであり、ノブ位置補
正制御プログラムの一部と、比例弁を駆動するときの開
度を設定するマップが第1の実施の形態と異なってい
る。従って、第1の実施の形態と異なる部分についての
み説明する。
【0089】図12は車速vに対応する比例弁の開度を
求めるためのマップM4を示すグラフである。比例弁は
弁開度が連続的に調整可能なため、マップM4は連続し
た線として表される。なお、縦軸は比例弁の開度(比例
弁の駆動電流の大きさ)を示す。
【0090】この実施の形態では、ノブ位置補正制御プ
ログラムは第1の実施の形態のものと基本的に同じであ
るが、図1のフローチャートにおいて、ステップ100
で車速に対応するデューティ値をマップM1から演算す
る代わりに、図12のマップM4を使用して車速vに対
応する比例弁の開度を求める。そして、ステップ110
では比例弁を所定開度で駆動する駆動電流を供給する制
御信号を出力するバルブ駆動指令を実行する。
【0091】従って、この実施の形態においても、第1
の実施の形態と同様な効果を発揮する。しかし、この実
施の形態の場合は比例弁を使用しているため、デューテ
ィ弁に比較してより確実に所定の開度に調整できる。
【0092】(第4の実施の形態)次に第4の実施の形
態を図13及び図14に従って説明する。この実施の形
態では補正手段として電磁切換弁22と可変絞り弁とを
組み合わせて使用している点が第1の実施の形態と異な
っている。また、ノブ位置補正制御プログラムの一部
と、可変絞り弁を駆動するときの開度を設定するマップ
が第1の実施の形態と異なっている。第1の実施の形態
と同一部分は同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0093】図14に示すように、バイパスライン21
の途中に電磁切換弁22及び可変絞り弁49が設けられ
ている。電磁切換弁22及び可変絞り弁49により補正
手段が構成されている。電磁切換弁22にはオン・オフ
ソレノイド弁が使用されている。可変絞り弁49は全開
時における流量が、第1の実施の形態の絞り弁23の流
量とほぼ同じものが使用されている。電磁切換弁22及
び可変絞り弁49はコントローラ26に設けられた駆動
回路40を介して駆動制御される。CPU41はノブ位
置補正を行う場合、電磁切換弁22を開状態に保持する
とともに、可変絞り弁49を車速vに対応する所定の開
度に保持するための制御信号を駆動回路40を介して出
力する。
【0094】図13は車速vに対応する可変絞り弁49
の開度を求めるためのマップM5を示すグラフである。
可変絞り弁49は弁開度が連続的に調整可能なため、マ
ップM5は連続した線として表される。なお、縦軸は可
変絞り弁49の開度(可変絞り弁の駆動電流の大きさ)
を示す。
【0095】この実施の形態では、ノブ位置補正制御プ
ログラムは第1の実施の形態のものと基本的に同じであ
るが、図1のフローチャートにおいて、ステップ100
で車速に対応するデューティ値をマップM1から演算す
る代わりに、図13のマップM5使用して車速vに対応
する可変絞り弁49の開度を求める。そして、ステップ
110では可変絞り弁49を所定開度で駆動する駆動電
流を供給し、電磁切換弁22を開状態にする制御信号を
出力するバルブ駆動指令を実行する。
【0096】従って、この実施の形態においても、第1
の実施の形態と同様な効果を発揮する。また、この実施
の形態の場合は可変絞り弁49を使用しているため、比
例弁を使用した第3の実施の形態と同様に、デューティ
弁に比較してより確実に所定の開度に調整できる。しか
し、電磁切換弁22が必要なため、第3の実施の形態に
比較して構造及び制御が若干複雑になる。
【0097】(第5の実施の形態)次に第5の実施の形
態を図15に従って説明する。この実施の形態では18
0°を境にして、目標位置に近づく方向にハンドル2が
操作される場合のみノブ位置補正を行う点が前記各実施
の形態と異なっている。ノブ位置補正制御プログラムは
基本的に前記各実施の形態に対応するものとそれぞれ同
じであるが、図1におけるフローチャートでステップ8
0が省略される点と、ステップ40で目標方向を演算す
る際の演算が若干異なる。
【0098】具体的には、ハンドル角θが180°以下
の場合と、180°を超える場合とで、ノブ位置補正処
理を行うか否かの判断条件が異なる。判断条件として、
ずれ量Δθの大きさがある。ハンドル角θが180°以
下の場合は、ハンドル操作を行った場合に目標に近づく
という条件を満足する目標位置は、図15(a)に示す
ように、現在ノブ位置に対して3種類の目標位置P1,
P2,P3が存在する。即ち、ずれ量Δθが180°以
下で現在位置より操舵カウンタ44のカウント値が小さ
い目標位置P1、ずれ量Δθが180°以下で現在位置
より操舵カウンタ44のカウント値が大きい目標位置P
3、ずれ量Δθが180°より大きくて現在位置より操
舵カウンタ44のカウント値が大きい目標位置P2があ
る。
【0099】そして、各目標位置P1,P2,P3に近
づくためのハンドル操舵方向は、目標位置P1及び目標
位置P2の場合は左方向、目標位置P3の場合は右方向
となる。また、ステップ40における目標方向の判定方
法により判定される各目標位置P1,P2,P3の目標
方向は、目標位置P1及び目標位置P2の場合は左方
向、目標位置P3の場合は右方向となる。即ち、3種類
の目標位置P1,P2,P3とも、目標方向とハンドル
操舵方向が一致した場合が目標に近づく操舵方向とな
る。
【0100】一方、ハンドル角θが180°より大きい
場合は、ハンドル操作を行った場合に目標に近づくとい
う条件を満足する目標位置は、図15(b)に示すよう
に現在ノブ位置に対して3種類の目標位置P1,P2,
P3が存在する。即ち、ずれ量Δθが180°以下で現
在位置より操舵カウンタ44のカウント値が小さい目標
位置P3、ずれ量Δθが180°以下で現在位置より操
舵カウンタ44のカウント値が大きい目標位置P2、ず
れ量Δθが180°より大きくて現在位置より操舵カウ
ンタ44のカウント値が小さい目標位置P1がある。
【0101】そして、各目標位置P1,P2,P3に近
づくためのハンドル操舵方向は、目標位置P1及び目標
位置P2の場合は右方向、目標位置P3の場合は左方向
となる。また、ステップ40における目標方向の判定方
法により判定される各目標位置P1,P2,P3の目標
方向は、目標位置P1及び目標位置P2の場合は右方
向、目標位置P3の場合は左方向となる。即ち、3種類
の目標位置P1,P2,P3とも、目標方向とハンドル
操舵方向が一致した場合が目標に近づく操舵方向とな
る。
【0102】従って、図1のフローチャートにおいて、
ステップ80を省略して、ステップ90において操舵方
向と目標方向が一致した場合に、ステップ100に移行
することにより、目標に近づく場合のみノブ位置補正が
実施される。その結果、ノブ位置補正(ハンドル角補
正)が実施されるときには必ずずれ量Δθを縮小させる
ことができる。また、前記各実施の形態では、ハンドル
2を小刻みに修正操舵する場合、ずれが拡大する虞があ
るが、この実施の形態では、一旦ずれが生じた状態から
ハンドル2を小刻みに操舵しても、ずれが拡大すること
なく徐々に収束していく。
【0103】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば次のように具体化することが
できる。 ○ 車速検出手段はフロントデフリングギヤ34の回転
を検出する車速センサ35に限らず、例えば駆動輪と一
体的に回転する他の部分の回転を検出する車速センサを
使用してもよい。
【0104】○ 車速の増加に対応して前記補正手段の
単位時間当たりの補正量を少なくする構成に代えて、高
速走行時に前記補正量を低速走行時より少なくするよう
にしてもよい。ここで高速走行時とは、例えばフォーク
リフトの場合、最高速度(20km/h程度)のほぼ7
〜8割以上の速度を意味する。この場合も高速走行時に
おいて違和感なくハンドル操作を行うことができ、しか
もハンドル角補正も行われる。また、制御が容易にな
る。
【0105】○ 補正手段として補正量を連続的に変更
可能な構成の弁を使用した場合においても、第2の実施
の形態のように補正量を車速に応じて段階的に変更する
ようにしてもよい。
【0106】○ ハンドル角を検出するロータリエンコ
ーダとしてインクリメントタイプのロータリエンーコー
ダに代えてアブソリュートタイプのロータリエンーコー
ダを使用してもよい。この場合、前回の制御周期におけ
るロータリエンコーダの検出角度と今回の制御周期にお
けるロータリエンコーダの検出角度からハンドル操作方
向が簡単に分かる。
【0107】○ ハンドル角を絶対角度で検出する構
成、例えば特開平4−24270号公報に開示された装
置のように、ハンドルを支持するステアリングシャフト
の回転をウォームギヤ等の減速機構を介して減速させて
その回動量をポテンショメータで検出する構成としても
よい。ハンドル角を絶対角度で検出する構成において
は、操舵輪の舵角が直進範囲にあるか否かをハンドル角
から判断してもよい。この場合、ハンドルのずれ量を加
味すれば正確な判断結果が得られる。
【0108】○ ハンドル角検出手段として回転式のポ
テンショメータを使用してもよい。この場合、360°
全域のうち一部に非検出領域が存在するが、検出可能領
域の中央でハンドル角「0°」が検出されるように設定
することにより、非検出領域が存在してもほとんど支障
がない。
【0109】○ フォークリフトに限らず、全油圧式の
パワーステアリング装置を備えるフォークリフト以外の
産業車両に適用してもよい。 ○ ノブがないハンドルの位置補正を目的として本発明
を実施してもよい。
【0110】なお、本明細書で言う「フォークリフト」
とは、荷役用アタッチメントとしてフォーク以外のアタ
ッチメント、例えばロール紙の運搬に使用するロールク
ランプ、ブロックの運搬や高積み作業に使用するブロッ
ククランプ、コイル状に巻かれたワイヤ及びケーブル等
コイル状あるいは円筒状の荷の運搬に使用するラム等を
装備したものを含む。
【0111】前記各実施の形態から把握され、請求項記
載以外の技術思想(発明)について、以下にその効果と
ともに記載する。 (1) 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発
明において、ハンドル角検出手段はステアリングシャフ
トと一体回転する円盤を有するロータリエンコーダを備
えている。この場合、回転式のポテンショメータを使用
した回転検出器を使用する場合と異なり、ハンドルの1
回転の全領域にわたって回転位置(角度)を検出でき、
ハンドルがどのような位置にあってもノブ位置補正を行
うことが可能になる。
【0112】(2) 全油圧式パワーステアリング装置
を備えるとともに、ハンドル角と操舵輪の切れ角との位
置関係に所定量以上のずれが生じた場合、ハンドルの操
作時にハンドルを空転させることによりそのずれを補正
するハンドル角補正手段を備えた産業車両において、前
記ハンドル角補正手段による単位時間当たりの補正量を
変更可能にした産業車両のハンドル角補正装置。この場
合、産業車両の運転状況(例えば車速)に応じて補正量
を変更することにより、ハンドル操作時にオペレータに
違和感を与えることを回避することが可能になる。
【0113】(3) 請求項6に記載の発明において、
前記可変絞り弁は全開時の流量が、ハンドル操作による
操舵輪の操舵が可能となる値に設定されている。この場
合、電磁切換弁及び可変絞り弁が故障等により開弁のま
まとなっても、ハンドル操作による操舵輪の操舵が可能
となる。
【0114】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項7
に記載の発明によれば、高速走行時において違和感なく
ハンドル操作を行うことができ、しかもハンドル角補正
を停止する必要がない。
【0115】請求項2及び請求項8に記載の発明によれ
ば、補正手段による単位時間当たりの補正量を、車速の
増加に対応して少なくするようにしたので、車速に対応
した適正な補正量でハンドル角補正が実行され、オペレ
ータに違和感を与えることをより確実に防止できる。ま
た、ハンドル角補正が効率よく行われる。
【0116】請求項3及び請求項8に記載の発明によれ
ば、補正手段としてデューティ制御弁が使用されるた
め、デューティ値を変更することにより単位時間当たり
の補正量を簡単に変更できる。
【0117】請求項4及び請求項8に記載の発明によれ
ば、補正手段としてデューティ弁に比較して低価格の電
磁切換弁を使用できるため、装置全体の製造コストを低
減できる。
【0118】請求項5、請求項6及び請求項8に記載の
発明によれば、補正手段としてデューティ弁を使用した
場合に比較してより確実に所定の開度に調整できる。請
求項7及び請求項8に記載の発明によれば、操舵輪の切
れ角からハンドルの相対角度で求められた目標位置にハ
ンドルの実位置を補正するようにしたので、操舵輪に対
してハンドルが360度以上ずれた場合には、1回転も
しくは2回転分少ない360度未満の補正量で済み、ハ
ンドル位置補正に必要なハンドルの空転を相対的に少な
くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のノブ位置補正制御処理の
フローチャート。
【図2】 割り込みルーチンのフローチャート。
【図3】 パワーステアリング装置の模式図。
【図4】 ハンドル角補正装置の電気的構成を示すブロ
ック図。
【図5】 ロータリエンコーダからの出力信号のタイム
チャート。
【図6】 ロータリエンコーダを構成する円盤の部分模
式図。
【図7】 ノブ位置補正制御の説明図。
【図8】 補正量設定用のマップを示すグラフ。
【図9】 同じく目標位置設定用のマップを示すグラ
フ。
【図10】 第2の実施の形態の補正量設定用のマップ
を示すグラフ。
【図11】 同じく弁開度とオン時間の関係を示すグラ
フ。
【図12】 第3の実施の形態の補正量設定用のマップ
を示すグラフ。
【図13】 第4の実施の形態の補正量設定用のマップ
を示すグラフ。
【図14】 同じくパワーステアリング装置の模式図。
【図15】 第5の実施の形態のノブ位置補正制御の説
明図。
【図16】 従来装置の模式図。
【符号の説明】
1…パワーステアリング装置、2…ハンドル、4…駆動
手段及び作動油供給手段を構成するオービットロール、
6…同じく油圧ポンプ、8…ドレンタンク、12…駆動
手段を構成するアクチュエータとしてのステアリングシ
リンダ、19…操舵輪、21…管路としてのバイパスラ
イン、22…補正手段としてのデューティ弁としての電
磁切換弁、27…ハンドル角検出手段を構成するロータ
リエンコーダ、28…舵角検出手段としてのポテンショ
メータ、35…車速検出手段としての車速センサ、37
…ハンドル角検出手段を構成するエッジ検出回路、40
…制御手段を構成する駆動回路、41…制御手段及び目
標位置演算手段としてのCPU、44…ハンドル角検出
手段を構成する舵角カウンタ、F…車両としてのフォー
クリフト。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全油圧式パワーステアリング装置を備え
    るとともに、ハンドル角と操舵輪の切れ角との位置関係
    に所定量以上のずれが生じた場合、ハンドルの操作時に
    ハンドルを空転させることによりそのずれを補正するハ
    ンドル角補正手段を備えた産業車両において、 前記ハンドル角補正手段による単位時間当たりの補正量
    を、高速走行時には低速走行時より少なくするようにし
    た産業車両のハンドル角補正装置。
  2. 【請求項2】 ハンドルの操作位置に応じた切れ角に操
    舵輪を駆動するための駆動手段と、 ハンドルの実位置を検出するハンドル角検出手段と、 前記操舵輪の切れ角を検出する舵角検出手段と、 前記切れ角から該切れ角に応じた正規のハンドルの位置
    である目標位置を求める目標位置演算手段と、 前記ハンドルの操作量に対する前記駆動手段の駆動量の
    変化割合を減少させる補正手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記ハンドルの実位置と前記目標位置とのずれ量が少な
    くとも許容範囲内に収まるように前記補正手段を駆動制
    御するとともに、車速の増加に対応して前記補正手段の
    単位時間当たりの補正量を少なくするように制御する制
    御手段とを備えた産業車両のハンドル角補正装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、前記ハンドルの操作量
    に応じた油量の作動油を吐出する作動油供給手段と、該
    作動油供給手段からの作動油により駆動されて前記操舵
    輪を駆動するための油圧式のアクチュエータとを備えて
    おり、前記補正手段は、前記作動油供給手段から吐出さ
    れた作動油の一部を前記アクチュエータに供給される前
    にドレンタンクに還流可能な管路に設けられたデューテ
    ィ制御弁を備え、前記制御手段は車速に対応して前記デ
    ューティ制御弁のデューティを変更するようにした請求
    項2に記載の産業車両のハンドル角補正装置。
  4. 【請求項4】 前記デューティ弁に代えてオン・オフソ
    レノイド弁を使用し、前記制御手段が車速に対応して該
    オン・オフソレノイド弁を開状態に保持する時間を変更
    するようにした請求項3に記載の産業車両のハンドル角
    補正装置。
  5. 【請求項5】 前記デューティ弁に代えて比例弁を使用
    し、前記制御手段は車速に対応して該比例弁の開度を変
    更するようにした請求項3に記載の産業車両のハンドル
    角補正装置。
  6. 【請求項6】 前記デューティ弁に代えて可変絞り弁及
    び電磁切換弁を前記管路に設け、前記制御手段は車速に
    対応して該可変絞り弁の開度を変更するようにした請求
    項3に記載の産業車両のハンドル角補正装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記舵角検出手段によ
    り検出された前記切れ角から前記目標位置をハンドルの
    相対角度で求める目標位置演算手段を備え、前記ハンド
    ル角検出手段がハンドルの相対角度で検出した前記実位
    置と前記目標位置とのずれ量が相対角度で許容値以下に
    収まるように前記ハンドルを位置補正する請求項2〜請
    求項6のいずれか一項に記載の産業車両のハンドル角補
    正装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記
    載のハンドル角補正装置を備えている産業車両。
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