JP3163969B2 - 集光型太陽電池装置 - Google Patents
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Description
効率的な発電が可能な集光型太陽電池装置の改良に関す
る。
れており、比較的大電力の発電にも利用が検討されてい
る。このように、太陽電池を利用して大電力の発電シス
テムを構成する場合、太陽電池セルの発電量を増加させ
る必要があるが、このために太陽電池セルに対する入射
光量を増加させることが望まれる。入射光量を増加させ
るための手段としては集光型太陽電池装置が提案されて
いる。これによれば、太陽光をレンズを用いて集光する
ことで入射光量が増加するので、高価な太陽電池セルの
使用面積を小さくすることができ、システムを低コスト
にすることができる。
を10〜1000倍程度に集光して太陽電池セルに照射
する。このため、必要な太陽電池セルの面積は1/10
〜1/1000となり、太陽電池セルのコストは大幅に
低減する。但し、このような集光を行うために、大きな
集光レンズが必要になり、またこれを支える架台も大き
くなる。
図15に示されるように、集光レンズ10により太陽光
24が集光されて集光レンズ10の焦点又はその近傍す
なわち焦点を含む一定範囲の領域に集光スポット60が
形成される。そこで、この集光スポット60の位置に太
陽電池セル14を設置することによって、太陽電池セル
14は、良好な発電が行える。
め、太陽光24の集光レンズ10への入射方向は時々刻
々変化する。そこで、太陽光24と集光レンズ10の角
度関係によっては、図16に示されるように、集光スポ
ット60が太陽電池セル14から離れてしまう場合があ
る。そして、このような状態になると、太陽電池セル1
4における発電量は著しく減少する。
射光量を確保しようとすれば、集光レンズ10および太
陽電池セル14を太陽に向ける必要がある。
−5315号公報に開示されている。この従来技術によ
れば、図17に示されるように、追尾機構(図示せず)
によって集光レンズ10および太陽電池セル14が太陽
の方に向けられる。このため、集光スポット60が太陽
電池セル14上に形成され、常に良好な発電を行うこと
ができる。
装置では、集光レンズ10および太陽電池セル14の両
方を動かさなければならず、これらを支持する架台も動
かすことになる。従って、大型の部品を動かすために大
型の機構が必要になり、コストが上昇する。さらに、追
尾機構の駆動エネルギーも大きくなってしまい、発電し
たエネルギーを一部駆動エネルギーに消費することにな
るためシステムとしての発電効率が悪くなってしまうと
いう問題点があった。
の据え置き用途には比較的適用が容易であったが、自動
車等の移動体への適用は、移動体表面に突出部を形成す
ることになるため空気抵抗の増加等をもたらし問題が多
かった。
動車の走行中に一時的に日陰に入り太陽光が遮られ次に
太陽光の照射が再開された場合には、その照射角度が大
きく変わってしまうことが考えられるが、このような太
陽光の角度の変化に十分に対応することができないとい
う問題もあった。
のであり、その目的は、装置コストや追尾のための駆動
エネルギーを大幅に低減でき、小型軽量で、集光スポッ
トの位置検出精度が高く、太陽光の照射角度の大きな変
化に対応できる集光型太陽電池装置を提供することにあ
る。
に、第1の発明は、平面視で矩形状であり、太陽光を集
めるための複数の固定された集光レンズと、前記各集光
レンズの焦点又はその近傍に形成された集光スポットの
位置に配置された太陽電池セルと、前記太陽電池セルを
載置する架台とを備えた集光型太陽電池装置であって、
前記集光レンズに対応して前記架台に設けられた位置検
出センサと、前記位置検出センサの中央に前記集光レン
ズからの集光ビームが照射され集光スポットが形成され
るように前記架台を移動させる架台駆動手段と、を有す
ることを特徴とする。
太陽電池装置において、前記集光レンズは隙間なく詰め
られて配置されていることを特徴とする。
太陽電池装置において、前記架台駆動手段は前記架台を
3次元方向に移動可能とされており、前記集光スポット
が前記太陽電池セルの表面に一致するよう前記架台を駆
動することを特徴とする。
の発明のいずれかの集光型太陽電池装置において、前記
架台の原点からの移動量が、前記矩形状の集光レンズの
縦及び横方向に対して、それぞれ集光レンズの縦及び横
の長さの1/2以下とされていることを特徴とする。
太陽電池装置において、前記位置検出センサの大きさを
前記集光レンズ以上であり、隣接する前記太陽電池セル
に接触しない大きさとし、かつ前記位置検出センサの中
央部を凸状としたことを特徴とする。
太陽電池装置において、前記位置検出センサの大きさを
前記集光レンズ以上であり、隣接する前記太陽電池セル
に接触しない大きさとし、かつ前記位置検出センサの中
央部分を囲んでV字あるいはU字等の溝が形成されたテ
クスチャー部が形成されたことを特徴とする。
太陽電池装置において、前記位置検出センサの大きさを
前記集光レンズ以上であり、隣接する前記太陽電池セル
に接触しない大きさとし、かつ前記位置検出センサの中
央部を太陽電池セルとしたことを特徴とする。
太陽電池装置において、前記位置検出センサの中央部の
太陽電池セルに光が照射された場合に、前記位置検出セ
ンサに流れる電流を停止することを特徴とする。
太陽電池装置において、前記太陽電池セルの作動中に所
定時間光が遮られた場合に、前記架台駆動手段が前記架
台を原点に復帰させることを特徴とする
を図面に基づいて説明する。
型太陽電池装置の実施形態1の構成図が示される。図1
において、太陽光を集めるための複数の集光レンズ10
が固定配列されて設けられており、複数の集光レンズ1
0に対向する位置には架台12が設けられている。架台
12上において、各集光レンズ10の焦点又はその近傍
に形成される集光スポットの位置には、各集光レンズ1
0に対応して複数の太陽電池セル14が設けられてい
る。
10は、有効受光面積を上げるために、平面視で矩形状
望ましくは正方形であるのがよく、更に、隙間なくつめ
られて配置されるのがよい。また、低コスト化のため
に、図1に示されるような複数の集光レンズ10は、樹
脂製として一体成形されるのが望ましい。
に架台12を移動させるX方向駆動手段16と、縦方向
(図1のY軸方向)に架台12を移動させるためのY方
向駆動手段18とが設けられている。これらのX方向駆
動手段16及びY方向駆動手段18により本発明の架台
駆動手段が構成される。これらの架台駆動手段は、それ
ぞれX方向及びY方向の制御モータ20により駆動され
る構成となっている。もちろんこれらはモータ駆動とせ
ずに、例えば電磁石等を使用した駆動手段とすることも
できる。
2の上に設けられた複数の太陽電池セル14のうちの1
つの位置に位置検出センサ22を設けた点にある。図1
に示された例においては、位置検出センサ22は架台1
2のほぼ中央に位置しており、太陽電池セル14と同様
に集光レンズ10の1つに対応してその集光スポットの
位置に設けられている。
池装置の動作の説明図が示される。
ら照射されている場合には、各集光レンズ10の真下に
ある各太陽電池セル14及び位置検出センサ22の表面
すなわち受光面に集光レンズ10による集光スポットが
形成される。これにより各太陽電池セル14では、それ
ぞれ発電動作が行われる。また、この際には集光レンズ
10による集光スポットが位置検出センサ22の中央に
形成されるように位置検出センサ22の位置が決められ
ている。ここで、位置検出センサ22の中央とは、位置
検出センサ22の受光面の中心及びその周辺領域をい
う。
の経過と共に太陽が移動すると、太陽光24の集光レン
ズ10への入射方向は時事刻々変化し、集光スポットの
位置も変化することになる。そこで、本実施形態におい
ては、位置検出センサ22の中央に常に集光スポットが
形成されるように、X方向駆動手段16及びY方向駆動
手段18によって架台12の位置を制御している。位置
検出センサ22の中央部分は、太陽電池セル14の位置
に対応しているので、上述のような架台12の位置制御
により、各太陽電池セル14にも集光レンズ10によっ
て集光された太陽光24の集光スポットが当たることに
なる。
サ22の例が示される。なお、この位置検出センサ22
は、太陽光24がどの方向から入ってきても、集光レン
ズ10による集光スポットが必ず位置検出センサ22内
のどこかに形成されるように、集光レンズ10と同じか
あるいはそれよりも大きい面積に形成されている。ま
た、この大きさの上限は、隣接する太陽電池セル14に
接触しない程度の大きさである。
えば位置検出素子(以下、PSD素子という)により構
成されており、その表面には、X軸方向の位置を検出す
るための電極x1 、x2 が形成され、また裏面にはY軸
方向の位置を検出するための電極y1 、y2 が形成され
ている。
センサ22の表面のA点に集光スポットが当たった場合
には、X方向の2つの電極x1 、x2 にはそれぞれA点
から各電極までの距離X1 、X2 に反比例した起電力V
x1 、Vx2 が生ずる。本実施形態においては、これら
の起電力の大小を比較し、大きな起電力が発生している
電極の方向にX方向駆動手段16によって架台12を移
動させる。
Y方向の2つの電極y1 、y2 までの距離Y1 、Y2 に
反比例した起電力Vy1 、Vy2 が発生しているので、
この場合にも大きな起電力が発生している方向にY方向
駆動手段18を使用して架台12を移動させる。
12は、位置検出センサ22の2組の電極(x1 、
x2 )、(y1 、y2 )にそれぞれ等しい起電力が発生
する位置、すなわち位置検出センサ22の中央に光スポ
ットが形成される位置に常に制御されることになる。こ
れらの制御においては、各電極に発生する起電力の大小
を比較しているだけなので、簡易な構成で高い検出精度
を得ることができる。また、一般に位置検出センサ22
においては、その中央部よりも周辺部において位置の検
出精度が低下する傾向があるが、本実施形態のように、
常に光スポットが位置検出センサ22の中央に当たるよ
うな制御を行うことにより高精度の位置制御を行うこと
が可能となる。
電池セル14、X方向駆動手段16、Y方向駆動手段1
8、位置検出センサ22によって構成される集光型太陽
電池装置のモジュールは応用範囲を広げるためにその厚
みがなるべく小さい方がよい。このためには、焦点距離
Lfが短いレンズを集光レンズ10として使用する必要
がある。
レンズの材質及び曲率を変えずに相似形を保ったままレ
ンズ寸法Dを小さくすることが考えられる。相似形を保
ったままレンズ寸法Dを小さくしても、互いに相似であ
る大きなレンズと小さなレンズの互いに対応する位置に
おける光の屈折の程度は等しいので、焦点の位置もレン
ズの縮小率に応じてレンズ側に接近し、焦点距離Lfが
短くなる。また第2に、カーブ曲率の大きいレンズを使
用することも考えられる。カーブ曲率が大きくなると、
レンズの各位置における光の屈折の程度が大きくなるの
で焦点の位置がレンズ側に接近し、焦点距離Lfが短く
なる。
レンズの肉厚が増し、光の吸収が増加するので、集光レ
ンズ10での光の吸収を小さくするために、レンズ寸法
Dの小さいものを使用することが望ましい。
ンズ10の最適寸法は異なるが、例えば移動体に搭載す
ることを考えると、前述のモジュールの厚みとしては2
00mmより小さい値が望ましい。この場合、架台駆動
手段に使用される駆動モータ20等の設置を考えると、
集光レンズ10の焦点距離Lfとしては、50〜100
mm程度がよく、また、レンズ寸法Dとしては、20〜
50mmがよい。
100倍程度が太陽電池セル14の電池特性、熱特性、
コスト等を考慮して妥当であると考えられる。このこと
から、使用される太陽電池セル14としては、2〜10
mm角程度のものが望ましい。
型太陽電池装置の実施形態2の構成例が示される。
設けられた架台12は、その四隅を集光レンズ10の焦
点距離Lfと等しい長さのワイヤー26によって吊り下
げられた構成となっている。
共に変化していくと、例えば、図の実線で示される、架
台12に垂直に入射していた太陽光24も、破線で示さ
れるように、架台12に対して斜めの方向から入射して
くるようになる。太陽光が斜めに入射しても、焦点距離
自体は変わらないため、焦点位置は焦点距離を半径とし
た円弧運動をする。
架台12を横方向のみに移動しただけでは集光レンズ1
0によって形成される集光スポット60の位置は、太陽
電池セル14及び位置検出センサ22よりも図の上方に
ずれてしまう。このため、太陽光が発散して、その一部
が太陽電池セル14からはみでて発電量が低下し、また
位置検出センサ22の広い面積に光があたって位置検出
精度も低下する。
円弧運動をさせることにより、集光スポット60の位置
ずれがなくなる。
る。上述のように、太陽光24が架台12に対して斜め
から入射した場合に、前述した架台駆動手段によって適
切な位置まで架台12が横方向に移動するが、架台12
は支点28からワイヤー26によって吊り下げられてお
り、このワイヤーの長さは、集光レンズ10の焦点距離
Lfと等しくなっているので、斜め入射により焦点が図
の上方にずれた分だけ架台12も上方に移動できること
になる。すなわち、本実施形態の構成によれば、架台1
2は図1に示されたX、Y方向に加えてこれに垂直なZ
方向にも移動でき、3次元方向に移動可能となる。
出センサ22の位置を常に集光レンズ10の集光スポッ
トの位置に置くことができ、高い発電量及び位置検出精
度を維持することができる。
示される。
ル14の中央にワイヤー26を取り付け、各集光レンズ
10と直接連結する。この場合、集光レンズ10と太陽
電池セル14との距離は集光レンズ10の焦点距離Lf
と等しくしておく。尚、ワイヤー26は、光の吸収を避
けることが望ましいため、微細な径でかつ強度のあるガ
ラスファイバが良好である。
とが常に90度の角度を保つようにしておけば、図5
(b)に示されるように、太陽光24が斜めから入射し
た場合に、集光スポットの位置に合わせて太陽電池セル
14を移動すると、常に太陽光24に対して太陽電池セ
ル14の受光面が直交することになる。これにより、太
陽電池セル14の受光面に対して太陽光24が斜めに入
射する場合に比べて集光スポットの面積を小さくでき、
集光スポットが受光面からはみ出しにくくなる。この場
合、位置検出センサ22も太陽電池セル14と同様にワ
イヤー26で集光レンズ10に連結しておいてもよい。
サ22の位置を移動させる手段としては、例えば、図5
(b)に示されるように、各太陽電池セル14をワイヤ
ー30によって連結し、さらに位置検出センサ(図示せ
ず)もワイヤー30に連結してこのワイヤー30を適当
な駆動手段によって所定方向に引く構成とすることがで
きる。この場合は、図1に示された架台12は不要とな
る。
置検出センサ22の位置を移動させる手段の例が示され
る。図6において、各太陽電池セル14は、集光レンズ
10からワイヤー26によって吊り下げられており、湾
曲した受け皿32の中に収容されている。太陽電池セル
14は、この受け皿32の中でスムーズに動けるように
構成しておく。また、各受け皿32は、ワイヤー30で
連結しておく。図6では、位置検出センサ22は集光レ
ンズ10から吊り下げられてはおらず、ワイヤー30に
よって受け皿32に連結されている。
手段36にかけられループ状に構成されている。
10が形成する太陽光24の集光スポットの位置を検出
すると、その位置に合わせて駆動手段36が駆動され、
ワイヤー30によって各受け皿32の位置が制御され
る。これにより、太陽光24の集光スポットが形成され
る位置に太陽電池セル14が移動される。この時、上述
したように各太陽電池セル14はワイヤー26に対して
常に90度を保つように構成されているので、入射して
くる太陽光24に対して太陽電池セル14の受光面が常
に直交し、太陽光24が受光面に斜めに入射する場合に
比べて集光スポットの面積を小さくでき、集光スポット
が受光面からはみ出しにくくなる。
例が示される。図7には、本変形例の平面図が、また図
8には、図7のVIII−VIII線に沿った断面図がそれぞれ
示される。
セル14は、4つのへら38の上に載せられている。へ
ら38の先端部は、それぞれ移動ステージ40に回動可
能に連結されている。また、へら38の他端は、固定台
42に設けられたへら押し上げ用しきり44の上に摺動
可能に載せられている。
8(a)に示されるように、当初太陽電池セル14が水
平になるように配置されていたものが、例えば時間の経
過と共に太陽光の集光スポットが図の右側にずれた場合
に、所定の駆動手段により移動ステージ40も図の右方
向に移動される。この場合、へら38のへら押し上げ用
しきり44との当接面が傾斜面となっているので、図8
(b)に示されるように、図の右側のへら38は、へら
押し上げ用しきり44の作用により右端が持ち上げられ
た状態となる。上述したように、へら38は移動ステー
ジ40に回動可能に取り付けられているので、これによ
り右上がりに傾き、この結果太陽電池セル14の右端を
持ち上げることになる。移動ステージ40が図の右側に
動いたということは、太陽の位置が図の左側に移動した
ということを意味するので、上述のような動作により、
太陽光に対してその入射してくる向きに太陽電池セル1
4の受光面を傾けることができる。
方向及び上下方向に移動用ステージ40が動いた場合に
同様に行われる。従って、太陽の位置が時間の経過と共
に変化した場合に、集光レンズ10から太陽電池セル1
4に入射してくる光も傾くことになるが、この太陽光の
向きに太陽電池セル14の受光面を傾けるので、集光ス
ポットもこの受光面からはみ出しにくくなる。本変形例
においても、太陽電池セル14は、固定台42に対して
水平方向に加えて垂直方向にも移動することができ、3
次元方向の移動が可能となっている。また、太陽電池セ
ル14だけでなく、位置検出センサ22も同様にへら3
8に乗せておけば、位置検出精度も高く維持することが
できる。
太陽電池セル14が設けられている実施形態において
は、太陽の位置の変化に応じて、架台12を水平方向に
移動させる必要があった。このため、図9(a)に示さ
れるように、モジュールの端部に架台12を移動させる
ための所定の長さLdのデッドスペースを設ける必要が
あった。このため、その分だけ集光レンズ10の設置面
積を減らす必要があった。
1に示されたX方向及びY方向への架台12の移動量
を、集光レンズ10のX方向及びY方向のレンズ寸法D
の2分の1に設定している。従って、架台12の大きさ
を、集光レンズ10の設置面よりX方向及びY方向とも
レンズ寸法の2分の1だけ小さくしておけば、図9
(a)に示されるようなデッドスペースLdを設ける必
要がなくなる。
ので、図9(b)に示されるように、太陽光24が斜め
から入射して集光スポットが大きく移動した時に、架台
12を集光スポットの位置の変化分だけ移動できない場
合がでてくる。そのため、垂直方向から太陽光24が入
射した場合の対応する太陽電池セル14ではなく、これ
に隣接あるいは更にその隣の太陽電池セル14に集光ス
ポットを形成し、その太陽電池セル14によって発電す
る様に構成している。従って、架台12の位置制御も、
隣接あるいは更にその隣の太陽電池セル14に集光スポ
ットを形成できるように行われ、結果として架台12を
大きく移動させなくても集光スポットの位置にいずれか
の太陽電池セル14の位置を合わせることができる。
おいて、図の左端の太陽電池セル14は太陽光24が図
の左側から入射する場合には光が照射されなくなる。こ
のような光が照射されない太陽電池セル14は高抵抗と
なるため、バイパスダイオードにより短絡させ、全体と
して発電動作がとぎれないようにしておく。また、図9
(b)の右端の集光レンズ10で集光された太陽光は、
その太陽光を受光する太陽電池セル14がないが、その
ような状態は朝夕のもともと太陽光が弱い時間帯におい
てのみ発生するので、1日を通しての発電量としてはさ
ほど問題にはならない。
(a)に示されるようなデッドスペースLdを設ける必
要がなくなった分だけ集光レンズ10の設置面積を増や
すことができ装置全体としての発電量を大幅に向上する
ことができる。
角の集光レンズを使用し、外寸法が30cm角である集
光型太陽電池装置のモジュールを製作する場合、デッド
スペースLdとしては最低でも1cm程度必要となる。
この場合、実際の有効受光面積は、28cm×28cm
=784cm2 となり、総受光面積(30cm×30c
m=900cm2 )に対する有効受光面積の割合は87
%となる。これを、本実施形態ではほぼ100%とする
ことができる。
ルにおける発電量と、図9(a)等のデッドスペースを
設けた場合の実施形態の発電量との比較が示される。
して1m2 を採用し、そのうちの有効受光面積が本実施
形態の場合が0.98m2 であり、その他の場合が0.
8m2 であった。また、太陽電池セルのセル効率はいず
れも15%であった。
て、表1に示されるような天候条件の下で各時間帯にお
ける発電量(ワット,W)の変化を測定した。表1に示
されるように、本実施形態においては、朝夕の時間帯で
発電に寄与しない入射光があるので、午前9時及び午後
5時における発電量はその他の例の場合よりも少ない
が、これ以外の時間帯においてはいずれも本実施形態に
係るモジュールの方が約2割程度発電量が上回ってい
る。しかも、本実施形態に係るモジュールが発電量で上
回っている時間帯は、太陽の照射量も多い時間帯なの
で、1日全体の発電量を考えた場合には、本実施形態に
係るモジュールのほうがその他の例に係るモジュールよ
りも大幅に発電量が増加している。
る位置検出センサ22の例が示される。
が斜めから入射してきた場合には、集光レンズ10によ
る集光スポットも図の上方にずれることになる。このと
きに、図10に示されるように、位置検出センサ22の
中央部を凸状に形成しておけば、太陽光24が斜めから
入射した場合に、集光レンズ10によって形成される集
光スポットの位置にこの中央部が凸状の位置検出センサ
22を移動させれば、凸状部46の最上部に集光スポッ
トが形成されることになる。
ンサ22の位置を上下方向に動かすことなく水平方向に
動かすだけで集光スポットの位置に位置検出センサ22
の中央を配置することができ、上述の実施形態に比べて
より容易に検出誤差を低減することができる。
が真上から入射する場合には、集光スポットが位置検出
センサ22の凸状部46の最上部より若干下に位置する
ことになるが、この場合には太陽光24が斜めから入射
する場合よりも集光スポットの面積が小さくなるので位
置の検出誤差は大きくならない。
る位置検出センサ22の例が示され、図11(a)には
断面図が、図11(b)には平面図がそれぞれ示され
る。
(b)に示されるように、PSD素子により構成された
位置検出センサ22の中央部分48の周囲に、V字、U
字、その他の形状の溝が形成されたテクスチャー部50
が設けられている。このテクスチャー部50の溝は、例
えばSiウエハの場合には、(100)面からの選択性
エッチング技術により形成することができる。
中央部分48の位置は、架台12に形成された太陽電池
セル14に相当する位置となっている。
れた場合には、図11(a)に示されるように、例えば
X軸方向の電極x1 、x2 に発生する起電力Vx1 、V
x2の比をより大きくすることが可能となる。また、こ
のことはY軸方向の電極についても同様である。
の入射点と電極との距離に反比例するが、位置検出セン
サ22の表面にテクスチャー部50の溝が形成されてい
ると、光がテクスチャー部50の上あるいはその外側に
入射した場合、光の入射点と電極との距離の比をテクス
チャー部50がない場合より大きくすることができる。
このため、それぞれの電極に発生する起電力の出力比を
大きくすることが可能となる。
の周囲に58mm幅で、山の高さが200μm〜250
μmのテクスチャー部50を形成した場合、テクスチャ
ー部50がない場合に比べて位置検出センサ22の読取
り誤差すなわち中央部分48から太陽光の集光スポット
が外れた場合に中央部分48に復帰するまでの時間を2
0%〜30%低減することが可能となった。
る位置検出センサ22の例が示され、図12(a)には
断面図が、図12(b)には平面図がそれぞれ示され
る。
出センサ22の中央部に太陽電池セル14を形成したこ
とである。
成する場合には、一般にPSD素子が単結晶Siウエハ
から作られているので、同一基板状に太陽電池セル14
も形成することが可能となる。
ャリア寿命を長くするため不純物濃度の低い高抵抗のp
型Si基板が用いられている。この基板52の表面側
に、例えばリン拡散により形成されたn型Si層54が
設けられている。このn型Si層54の上からパターニ
ングし、中央の太陽電池セル14に相当する部分を表面
から選択性アルカリエッチングによって形成する。この
場合、基板52は300μm〜400μm程度の厚さで
あり、太陽電池セル14に相当する部分は50μm〜1
00μm程度の厚さである。
うに、位置検出センサ22の表面側すなわちn型Si層
54が形成された表面側にはX方向の電極x1 、x2 が
形成され、位置検出センサ22の裏面側の両端には、Y
方向の位置を検出する電極y1 、y2 が形成されてい
る。
中央部に形成された太陽電池セル14の部分の拡大図が
示される。図13において、p型基板52の裏面側にn
+ −Siとp+ −Siとを交互に形成し、n+ −Siに
は−電極を、p+ −Siには+電極を形成してお互いが
短絡しないように配線し、太陽電池を構成する。
ては、キャリアライフタイムが長い1×1014〜1×1
015cm-3ボロンドープ程度の低不純物濃度品が用いら
れるのがよいが、PSD素子に使われるi型Si(不純
物なし)層がその条件に近い。本発明者らが実験した結
果、PSD素子のi型Si層を、そのまま流用すること
が可能であることが判明した。
の中央部に太陽電池セル14を形成したので、面積当た
りの発電量すなわちトータルの変換効率を向上すること
が可能となる。例えば、縦横5個ずつ太陽電池セル14
を並べたモジュールにおいては、トータル出力を5%向
上することが可能となった。
圧として20V程度の電圧を素子にかけておく必要があ
り、このためにPSD素子には常にわずかながら電流が
流れることになる。この電流はそのまま発電ロスとな
る。従って、図12に示された位置検出センサ22のセ
ンサ部に光が当たっているときのみすなわち位置検出動
作を行っているときのみ位置検出センサ22のバイアス
電圧をONとし、中央部の太陽電池セル14に太陽光が
照射されている間はこのバイアス電圧が入らないように
しておくことにより、さらに省エネルギー運転が可能と
なる。このためには、中央部の太陽電池セル14に光が
照射されたときに、この太陽電池セル14による発電を
検知して位置検出センサ22のバイアス電圧をOFFと
するような光スイッチ機構を集光型太陽電池装置のモジ
ュール内に設けておけばよい。
装置を車載した場合には、ビル等の影やトンネル内に入
った時等に太陽光が遮断される場合が考えられる。この
ようなときに右折あるいは左折をして自動車の向きが大
きく変化すると、架台12は遮断される前の太陽光の位
置に合わせて原点位置から移動した状態となり、次に太
陽光が入射してきたときに位置検出センサ22の外側に
太陽光の集光スポットが当たり、うまく太陽光を追尾で
きない可能性がある。また、自動車が高速でカーブした
ような場合にも、太陽光を追尾し切れなくなり、位置検
出センサ22の外に集光スポットが当たってしまう場合
も考えられる。
検出センサ22に当たらなくなった時には、架台12を
一旦原点に戻し、その位置から太陽光の追尾を再開する
必要がある。原点においては、太陽がどの位置にあって
もその集光スポットは位置検出センサ22のどこかに当
たるように構成されているからである。
を含めた本発明に係る架台駆動手段による架台12の位
置制御のフローチャートが示される。
源がONとされると本シーケンスがスタートし、図3に
示された位置検出センサ22のX方向の位置を検出する
ための電極x1 、x2 及びY方向の位置を検出するため
の電極y1 、y2 の4つの電極のいずれかの起電力Vx
1 、Vx2 、Vy1 、Vy2 の値が正すなわち電極に起
電力が発生しているか否かが判断される(S1)。位置
検出センサ22に集光スポットが当たっている場合に
は、4つの電極x1 、x2 、y1 、y2 のいずれかに起
電力Vx1 、Vx2 、Vy1 、Vy2 が発生するのでそ
の値が0より大きくなる。
っている場合には、X方向の電極x1 、x2 の起電力V
x1 、Vx2 の値が等しいか否かが判断される(S
2)。
等しくない場合には、どちらの値が大きいかが判断され
る(S3)。
場合には、架台駆動手段により架台12が電極x2 の方
向に2mm移動される(S4)。
合には架台12は電極x1 の方向に2mm移動される
(S5)。
において太陽光の集光スポットが2つの電極x1 、x2
のちょうど中央に位置し、電極x1 、x2 の起電力Vx
1 、Vx2 の値が等しくなる。
生する起電力Vy1 、Vy2 が等しいかどうかが判断さ
れる(S6)。
ちらの値が大きいかが判断される(S7)。
場合には、架台駆動手段により架台12が電極y2 の方
向に2mm移動される(S8)。
い場合には、架台駆動手段により架台12が電極y1 の
方向に2mm移動される(S9)。
において太陽光の集光スポットが2つの電極y1 、y2
のちょうど中央に位置し、電極y1 、y2 の起電力Vy
1 、Vy2 の値が等しくなる。
は、位置検出センサ22の中央に位置されることにな
り、シーケンスは再びS1に戻る。太陽光の集光スポッ
トが、位置検出センサ22に常に当たっている場合には
以上の動作によって架台12の位置の制御が行われる。
光スポットが位置検出センサ22の受光面から外れた場
合には、4つの位置検出用の電極x1 、x2 、y1 、y
2 には起電力Vx1 、Vx2 、Vy1 、Vy2 が発生し
なくなるのでその値が正ではなくなる(S1)。
4つの電極x1 、x2 、y1 、y2の起電力Vx1 、V
x2 、Vy1 、Vy2 が正となっているか否かが判断さ
れる(S11)。2秒待機する理由は、例えば自動車が
走行中に、木の影などによって極めて短時間光が遮られ
るようなことはしばしば起こるので、その都度架台12
を原点に復帰させると、かえって架台12の位置制御を
乱すことになるので、短時間太陽光が遮られた場合に
は、架台12の位置を動かさないようにするためであ
る。
x2 、y1 、y2 の起電力Vx1 、Vx2 、Vy1 、V
y2 が正となっている場合には、S2に戻って架台12
の通常の位置制御を行うようにしている。
れの電極における起電力も正となっていない場合には、
ビルの影やトンネル等によって比較的長い時間太陽光が
遮られていると考えられ、車の右折、左折等により太陽
光の集光スポットが位置検出センサ22の受光面から外
れたままになる可能性があるので、架台駆動手段により
架台12をその原点位置に復帰させる(S12)。
電極の起電力の発生の有無を監視し通常のシーケンスに
戻る。
台12の位置制御方法が構成されている。
機構は公知の方法を使用することができる。
重量の大きな集光レンズではなく、小型軽量な太陽電池
セルを動かすことにより太陽光を追尾するように構成し
たので、装置コストや追尾のための駆動エネルギーを大
幅に低減することができる。
光レンズの焦点位置付近に位置検出センサの中央を移動
させることができるので、位置検出センサの端部による
位置検出が不要となり、その分位置検出精度を向上させ
ることができる。この結果、太陽電池セルから集光スポ
ットが外れることがなくなり、発電量の増大を図ること
ができる。
れているので、この点でも入射光を効率よく捕捉するこ
とができる。
向に移動可能なので、太陽電池セルの受光面が太陽光と
常に垂直となる向きに制御できるので、太陽電池セルの
受光面に対して太陽光が斜めに入射する場合に比べて集
光スポットの面積を小さくでき、集光スポットが受光面
からはみ出しにくくなる。
が所定量ずれた場合には隣の太陽電池セルで光を捕捉す
るよう構成したので、架台を移動させるためのデッドス
ペースが不要となり、有効受光面積の割合を上げること
ができ、発電量の増大を図ることができる。
し、斜め入射光が凸部の頂点に当たるよう構成している
ので、検出精度を向上させることができる。
でテクスチャー部を形成したので、太陽光の集光スポッ
トが位置検出センサの中央部からずれた場合にすばやく
その位置を中央部に戻すことができる。この結果、太陽
電池セルから集光スポットが外れることがなくなり、発
電量の増大を図ることができる。
セルとすることにより、集光型太陽電池装置全体として
の発電量を向上させることができる。
セルに光が照射された場合には、光スイッチ機構によ
り、位置検出センサへのバイアス電圧をOFFとするの
で、省エネルギーを図ることができる。
が一時的に遮断された場合、あるいは移動体の急旋回等
で入射光を捕捉できなくなった場合に、架台の位置を原
点に復帰させることにより、入射光が再び照射された場
合にスムーズな位置制御の立上がりを確保することがで
きる。
置の構成図である。
めの動作説明図である。
の構成を示す構成図である。
2の動作を説明する動作説明図である。
2の変形例を示す図である。
である。
2の他の変形例を示す図である。
ある。
3の構成例を示す図である。
態4の位置検出センサを示す図である。
態5の位置検出センサを示す図である。
態6の位置検出センサを示す図である。
に設けられた太陽電池セルの拡大断面図である。
態7の架台の位置制御方法を表すフローチャート図であ
る。
致している場合の位置関係の説明図である。
れている場合の位置関係の説明図である。
従来の追尾方法の説明図である。
置のみ移動させる追尾方法の説明図である。
16 X方向駆動手段、18 Y方向駆動手段、20
制御モータ、22 位置検出センサ、24 太陽光、2
6,30 ワイヤー、28 支点、32 受け皿、34
プーリ、36駆動手段、38 へら、40 移動ステ
ージ、42 固定台、44 へら押し上げ用しきり、4
6 凸状部、48 中央部分、50 テクスチャー部、
52基板、54 n型Si層、60 集光スポット。
Claims (9)
- 【請求項1】 平面視で矩形状であり、太陽光を集める
ための複数の固定された集光レンズと、前記各集光レン
ズの焦点又はその近傍に形成された集光スポットの位置
に配置された太陽電池セルと、前記太陽電池セルを載置
する架台とを備えた集光型太陽電池装置であって、 前記集光レンズに対応して前記架台に設けられた位置検
出センサと、 前記位置検出センサの中央に前記集光レンズからの集光
ビームが照射され集光スポットが形成されるように前記
架台を移動させる架台駆動手段と、 を有することを特徴とする集光型太陽電池装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の集光型太陽電池装置にお
いて、前記集光レンズは隙間なく詰められて配置されて
いることを特徴とする集光型太陽電池装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の集光型太陽電池装置にお
いて、前記架台駆動手段は前記架台を3次元方向に移動
可能とされており、前記集光スポットが前記太陽電池セ
ルの表面に一致するよう前記架台を駆動することを特徴
とする集光型太陽電池装置。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか一項記
載の集光型太陽電池装置において、前記架台の原点から
の移動量が、前記矩形状の集光レンズの縦及び横方向に
対して、それぞれ集光レンズの縦及び横の長さの1/2
以下とされていることを特徴とする集光型太陽電池装
置。 - 【請求項5】 請求項1記載の集光型太陽電池装置にお
いて、前記位置検出センサの大きさを前記集光レンズ以
上であり、隣接する前記太陽電池セルに接触しない大き
さとし、かつ前記位置検出センサの中央部を凸状とした
ことを特徴とする集光型太陽電池装置。 - 【請求項6】 請求項1記載の集光型太陽電池装置にお
いて、前記位置検出センサの大きさを前記集光レンズ以
上であり、隣接する前記太陽電池セルに接触しない大き
さとし、かつ前記位置検出センサの中央部分を囲んでV
字あるいはU字等の溝が形成されたテクスチャー部が形
成されたことを特徴とする集光型太陽電池装置。 - 【請求項7】 請求項1記載の集光型太陽電池装置にお
いて、前記位置検出センサの大きさを前記集光レンズ以
上であり、隣接する前記太陽電池セルに接触しない大き
さとし、かつ前記位置検出センサの中央部を太陽電池セ
ルとしたことを特徴とする集光型太陽電池装置。 - 【請求項8】 請求項7記載の集光型太陽電池装置にお
いて、前記位置検出センサの中央部の太陽電池セルに光
が照射された場合に、前記位置検出センサに流れる電流
を停止することを特徴とする集光型太陽電池装置。 - 【請求項9】 請求項1記載の集光型太陽電池装置にお
いて、前記太陽電池セルの作動中に所定時間光が遮られ
た場合に、前記架台駆動手段が前記架台を原点に復帰さ
せることを特徴とする集光型太陽電池装置。
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