JP3163466B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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Description
ヤに関し、特にウェット性能を悪化させることなく車外
騒音を低減する乗用車用空気入りラジアルタイヤに関す
る。
は、その排水性(ウェット性能)をよくするため、トレ
ッド面にタイヤ周方向に延びる複数本の直線状主溝を設
けると共に、特にトレッド中央部に区分されるセンター
リブのリブ幅を狭くし、さらに外観向上のため、そのセ
ンターリブにラグ溝を設けるようにしたものがある。し
かし、このようなトレッドパターンを有するラジアルタ
イヤは、タイヤ回転時に主溝と接地面との間に閉じ込め
られた空気が振動し、車外騒音の主たる要因となる気柱
共鳴音を発生する。
平化が進み、それに伴ってトレッドが広幅化するに従っ
て、上記トレッドパターンにしたタイヤが発生するパタ
ーン騒音はさらに増大し、近年次第に厳しくなってきた
騒音規制に対応することが非常に難しくなってきた。上
述したトレッドパターンによる気柱共鳴音の音圧は、主
溝幅を狭くすれば下げることができるが、主溝幅を狭く
すると、主溝本来の特性である排水性が低下するため、
上記ラジアルタイヤのウェット性能、特にウェットコー
ナリング特性(操縦安定性)の低下を招くことになる。
したがって、このようにタイヤ周方向に直線状主溝を配
置するトレッドパターンを有するタイヤでは、パターン
騒音特性とウェット性能との改善は互いに相反する関係
にあり、これらを両立させる方法は見出されていなかっ
た。
のようにタイヤ周方向に複数本の直線状主溝を配置した
タイヤにおいて、主溝に基づく本来のウェット性能を低
下させることなく、車外騒音を低減可能にする空気入り
ラジアルタイヤを提供することにある。
明は、トレッド面にタイヤ周方向に延びる複数本の直線
状主溝を配置し、少なくともトレッド中央部に前記直線
状主溝により区分されたセンターリブを形成した空気入
りラジアルタイヤにおいて、前記センターリブのリブ幅
WR のトレッド接地幅Wに対する比WR /W、前記セン
ターリブにタイヤ周方向に設けた直線状細溝の溝幅Wc
の該センターリブのリブ幅WR に対する比Wc /WR 、
前記センターリブに設けたラグ溝の体積の総和VG の該
センターリブの体積VR に対する比VG /VR 、前記複
数本の直線状主溝の溝幅の総和WG のトレッド接地幅W
に対する比WG /Wを、それぞれ下記のように設定した
ことを特徴とするものである。
け、そのトレッド中央部にセンターリブを形成したタイ
ヤが接地回転するときに発生する気柱共鳴音について詳
細に検討した結果、センターリブに隣接する主溝におけ
る気柱共鳴音が特に大きいこと、特に両ショルダー部に
それぞれタイヤ幅方向の副溝を配置してブロック列を形
成するようにしたものでは、センターリブに隣接する主
溝での気柱共鳴音が目立つようになることを知見した。
そして、その原因がタイヤの接地回転時にセンターリブ
が振動することによって主溝内の空気振動を増幅し、気
柱共鳴音を著しく増大するためであることを知見した。
ヤ接地回転時のセンターリブの振動を、主溝の排水性を
犠牲にしない範囲で可及的に抑制し、主溝内空気の振動
増幅作用を小さくするようにしたのである。すなわち、
従来のトレッドパターンでは、排水性向上のためにセン
ターリブのリブ幅が狭めになっており、また外観向上の
点からラグ溝等が設けられていたりするため、そのリブ
剛性が全体的に低くなっており、それがリブ振動を引き
起こし易くしていることがわかったのである。そのた
め、上記のようにセンターリブのリブ幅WR をトレッド
接地幅Wに対して、従来のトレッドパターンよりも大き
めに設定し、しかも、この大きめに設定したリブ幅WR
に対し、これに設けられる細溝やラグ溝を全く設けない
か、或いは設ける場合にも、その幅や体積を少なくし、
それによってセンターリブのリブ剛性を増大させ、振動
の抑制を行っているのである。また、主溝の溝幅の総和
WGは従来のトレッドパターン並みに確保することによ
り良好な排水性を維持し、ウェット性能の低下を抑制す
るようにしている。
周方向に延在する2本の直線状主溝の間に存在し、かつ
隣接する2本の直線状主溝間を連結するタイヤ幅方向の
副溝を有さないような陸部のことをいう。ただし、この
陸部には、タイヤ周方向に延在する直線状溝を有してい
ても、その溝幅が5mm以内の細溝であれば、この細溝
を含めて1本のリブと称し、その全幅をリブ幅として解
釈するものとする。
mmを超えるものをいい、上記細溝とは区別される。ま
た、センターリブの体積VR とは、ラグ溝の体積を含め
た体積をいうものとする。以下、本発明を図面に示す実
施例を参照して説明する。
ジアルタイヤのトレッドパターンである。トレッド表面
には、それぞれ溝幅WG1,WG2,WG3及びWG4を有する
4本の直線状主溝1がタイヤ周方向に沿って設けられて
いる。トレッド中央部には、溝幅WG2とWG3の2本の直
線状主溝1,1の間にリブ幅WR のセンターリブ2が形
成されている。このセンターリブ2の幅方向中央部には
溝幅Wc の直線状細溝6が形成されている。また、左右
両側のショルダー部には、それぞれ直線状主溝1と副溝
3で区分されたブロック4が形成され、2列のブロック
列を形成している。
ンターリブ2のリブ幅WR はトレッド接地幅Wの0.1
5倍以上、0.30倍以下に設定されている(0.15
≦WR /W ≦0.30)。従来のトレッドパターンで
は排水性の重視から、このリブ幅WR はトレッド接地幅
Wに対して0.12前後に設定されていたので、かなり
広幅になっている。リブ幅WR を、このように広幅にす
ることによりリブの剛性を増大し、タイヤ接地回転時の
振動を起こり難くすることができる。このため、主溝1
内の空気振動がセンターリブ2の振動によって増幅され
ず、気柱共鳴音を低減することができる。しかし、リブ
幅WR がトレッド接地幅Wの0.30倍を超えると、接
地中央域の排水性が悪化してウェット性能の低下を来
す。
は、ラグ溝5や細溝6は設けないことが望ましいが、限
定された範囲にすれば、外観向上やウェット時の操縦安
定性確保のため、これらラグ溝5及び/又は直線状細溝
6を設けてもよい。ラグ溝5を設ける限定としては、ラ
グ溝5の体積の総和VG をセンターリブの体積VR に対
して0.04倍以下になるようにする。この範囲にすれ
ば気柱共鳴音の低減効果を悪化させることはない。ま
た、直線状細溝6を設ける限定としては、その溝幅Wc
をセンターリブ2のリブ幅WR に対して0.15倍以下
にする。この範囲にすることによって、気柱共鳴音の低
減効果を確保するリブ剛性を維持することができる。
を確保するため、それらの溝幅WG1,WG2,WG3及びW
G4の総和WG をトレッド接地幅Wに対して0.18倍超
になるようにする。しかし、主溝の溝幅の総和WG を大
きくしすぎると、気柱共鳴音が増加してしまうのでトレ
ッド接地幅Wの0.25倍未満(0.18<WG /W<
0.25)とする。
レッドパターンを有する空気入りラジアルタイヤの車外
騒音及びウェット性能と、センターリブ2のリブ幅
WR 、センターリブ2に設けた細溝6の溝幅Wc 、ラグ
溝5の体積の総和VG 並びに直線状主溝1の溝幅の総和
WG との関係をそれぞれ調べた実験結果を示している。
これら実験は、タイヤサイズを205/55R15 8
7V、トレッドパターンを図1、トレッド接地幅Wを1
62mmとし、WR /W、Wc /WR 、VG /VR 及び
WG /Wをそれぞれ下記の通りとしたものを基準タイヤ
にして行った。
=0.08,VG /VR =0.05, WG /W=
0.22 図2は、上記基準タイヤのセンターリブ幅WR のトレッ
ド接地幅Wに対する比WR /Wだけをいくつかの水準に
振り、他の条件を固定したものである。すなわち、Wc
/WR =0.08,VG /VR =0.05,WG /W=
0.22はそれぞれ同一条件とし、センターリブの幅W
R /Wだけを変更したときの車外騒音とウェット性能
(操縦安定性)を評価した結果である。
する比Wc /WR だけを変化させ、他の条件はWR /W
=0.16,VG /VR =0.05,WG /W=0.2
2にそれぞれ同一にしたときの車外騒音を評価した結果
である。また、図4は、ラグ溝の体積の総和VG のセン
ターリブ体積VR に対する比VG /VR だけを変化さ
せ、他の条件はWR /W=0.16,Wc /WR =0.
08,WG /W=0.22にそれぞれ同一にしたときの
車外騒音を評価した結果である。
ド接地幅Wに対する比WG /Wだけを変化させ、他の条
件はWR /W=0.16,Wc /WR =0.08,VG
/VR =0.05にそれぞれ同一としたときの車外騒音
とウェット性能を評価した結果である。これら実験例に
おける車外騒音とウェット性能は下記方法により評価し
た。
れている方法に準じて、15×6・1/2JJのリムに
リム組みし、226kPa(2.30kgf/cm2 )
の空気圧を充填したテストタイヤを排気量2000cc
の車両に装着し、10mの区間を60km/hの速度で
通過する際の音圧レベル(dB)を、車両から7.5
m、路面から1.2mの高さに配置したマイクにより測
定した。
数を100とし、この従来タイヤにおいてトレッドに溝
を設けてないスムーストレッドタイヤの音圧レベルの逆
数を200としたときの各試験タイヤの性能を指数で表
示した。この指数115以上の場合に有意な車外騒音の
低減効果が認められることを示す。ウェット性能 :車外騒音の試験方法に使用したタイヤを
装着した同一車両を、水深約1mmとなるように撒水し
たアスファルト路面上で、操縦安定性性能試験を行った
時のウェットコーナリング性を10点法によりフィーリ
ング評価した。ウェットフィーリングの点数が6点以上
であれば実用上合格とされている。
WR のトレッド接地幅Wに対する比WR /Wを0.15
〜0.30にし、また主溝幅の総和WG のトレッド接地
幅Wに対する比WG /Wを0.18〜0.25にするこ
とにより、ウェット性能を維持しながら従来タイヤに比
べて車外騒音を低減させることができることが判る。ま
た、図3と図4から、センターリブに細溝やラグ溝を設
ける場合は、細溝については、その溝幅Wc のリブ幅W
R に対する比Wc /WR を0.15以下にし、ラグ溝に
ついては、その体積の総和VG のリブ体積VR に対する
比VG /VR を0.20以下にすることにより、センタ
ーリブによる車外騒音の低減効果を維持できることが判
る。
ヤに適用する場合に効果が顕著であり、その偏平率とし
て65%以下のラジアルタイヤに適用するのがよい。ま
た、その偏平率の下限としては、実用可能な範囲として
30%まで適用可能である。
幅Wをそれぞれ上述の実験例のタイヤと同じにし、セン
ターリブ幅WR /W,細溝幅Wc /WR ,ラグ溝の体積
の総和VG /VR ,主溝幅の総和WG /Wをそれぞれ表
1に示す通り異ならせた本発明タイヤ、比較タイヤ1〜
6、従来タイヤを製作した。
方法により車外騒音及びウェット性能をそれぞれ評価し
た。その結果は表1に示す通りであった。 表1から、本発明タイヤは従来タイヤと同等の実用上の
ウェット性能を保有すると共に、従来タイヤに比べて車
外騒音が著しく低減していることが判る。
はウェット性能は合格するものの、車外騒音の低減効果
が小さい。また、比較タイヤ2,6は車外騒音の低減効
果は大きいがウェット性能が不合格であることが判る。
方向に延在する複数本の直線状主溝を配置し、少なくと
もトレッド中央部にセンターリブを形成した空気入りラ
ジアルタイヤにおいて、センターリブのリブ幅WR を特
定の範囲で大きめに設定してリブ剛性を増大させ、か
つ、この大きめに設定したリブに設ける細溝の溝幅Wc
とラグ溝の体積を特定の大きさに制限するか、又は全く
設けないようにすることによって、タイヤ接地回転時の
センターリブの振動を抑制し、気柱共鳴音に起因する車
外騒音を低減することができる。しかも、前記主溝の溝
幅の総和WG を特定の範囲にすることにより良好な排水
性を確保し、ウェット性能の低下を抑制することができ
る。
のトレッドパターンである。
ト性能との関係を示すグラフである。
ラフである。
関係を示すグラフである。
性能との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 トレッド面にタイヤ周方向に延びる複数
本の直線状主溝を配置し、少なくともトレッド中央部に
前記直線状主溝により区分されたセンターリブを形成し
た空気入りラジアルタイヤにおいて、 前記センターリブのリブ幅WR のトレッド接地幅Wに対
する比WR /W、前記センターリブにタイヤ周方向に設
けた直線状細溝の溝幅Wc の該センターリブのリブ幅W
R に対する比Wc /WR 、前記センターリブに設けたラ
グ溝の体積の総和VG の該センターリブの体積VR に対
する比VG /VR 、前記複数本の直線状主溝の溝幅の総
和WG のトレッド接地幅Wに対する比WG /Wを、それ
ぞれ下記のように設定した空気入りラジアルタイヤ。 0.15≦WR /W ≦0.30 0≦Wc /WR ≦0.15 0≦VG /VR ≦0.04 0.18<WG /W <0.25
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-
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