JP3163432U - 吊りクランプ - Google Patents

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篤生 廣田
篤生 廣田
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三木ネツレン株式会社
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Abstract

【課題】迅速かつ確実に係止爪による被吊上物のクランプが行え、作業性が向上し、安全性を高くする吊りクランプを提供する。【解決手段】クランプ本体1に中間部が枢着されて第1係止爪と被吊上物を係止可能となす第3係止爪4が先端内側に設けられた下側駆動リンク5と、下側駆動リンクの枢着点に一端6aが枢着された下側リンク6と、下側駆動リンクと下側リンクの他端6bに一端7a,7aが枢着され、他端7b,7b相互が枢着された上側リンク7,7に連繋する吊上手段9とを備え、下側駆動リンクに対する一方の上側リンクの一端と、下側リンクの他端6bに対する他方の上側リンクの一端との間にハンドル11を有する制御レバー12を枢着し、制御レバーに下側駆動リンクの一端に対する上側リンクの一端の枢着軸が固定、解放自在のL形摺動溝14を設ける。【選択図】図1

Description

本考案は吊りクランプに関し、特に俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊り上げるためのクランプ時に、縦方向および横方向において接触している隣接の被吊上物の接点相互に係止爪が邪魔されて干渉されることなく、迅速かつ確実に係止爪による被吊上物のクランプが行え、作業性が向上し、操作時および移送運搬時の安全性を高くしようとする。
従来、例えばパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊上げるための吊りクランプは、
中央部から先端にかけて外側に湾曲した左右対称構造の2本の下側挟持杆の略中央部を枢着し、この下側挟持杆の一端(上端)に2本の上側リンクの一端(下端)を枢着し、この上側リンクの他端(上端)を昇降子に枢着して昇降子をワイヤーロープによる索部材にて吊上可能に設けることにより、前記下側挟持杆と、前記上側リンクとにより変形自在な菱形部を設け、一方の前記下側挟持杆と、前記上側リンクとの枢着点と、他方の前記下側挟持杆と、他方の前記上側リンクとの枢着点との間に、一端にハンドルを有する操作レバーを枢着し、該操作レバーには前記ハンドルに隣接して前記下側挟持杆の一端に対する前記上側リンクの一端の枢着軸が固定されるか、および解放自在のL形摺動溝が設けられている構成のものがある。
そして、この従来の吊りクランプは、操作レバーに設けたL形摺動溝の縦状溝から下側挟持杆の一端に対する上側リンクの一端の枢着軸を脱係させ、操作レバーの固定を解放し、索部材を降下することにより、前記下側挟持杆と、前記上側リンクとによる菱形部を扁平に変形させ、中央部から先端にかけて外側に湾曲した左右対称構造の2本の前記下側挟持杆の先端側を略中央部の枢着軸を中心に開き、開かれた左右の下側挟持杆の間に被吊上物を挿入する。その後、索部材を引き上げることにより前記菱形部を縦長に変形させ、2本の下側挟持杆の先端側を略中央部の枢着軸を中心に閉じて被吊上物をクランプし、操作レバーのL形摺動溝の縦状溝に下側挟持杆の一端に対する上側リンクの一端の枢着軸を係入させてロックし、不用意に下側挟持杆が動かないようにして被吊上物を吊上、運搬するようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
実公昭49−6950号公報
ところで、上記特許文献1に記載の従来の吊りクランプは、単体のパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊上げる時には、操作レバーのハンドル近傍に設けたL形摺動溝の縦状溝から下側挟持杆の一端に対する上側リンクの一端の枢着軸を脱係させて固定を解放し、索部材を降下することにより、前記下側挟持杆と、前記上側リンクとによる菱形部を扁平に変形させ、中央部から先端にかけて外側に湾曲した左右対称構造の2本の下側挟持杆の先端側を略中央部に設置される枢着軸を中心に開き、次いで被吊上物を挿入し、その後、索部材を引き上げることにより菱形部を縦長に変形させ、2本の下側挟持杆の先端側を閉じて被吊上物をクランプし、操作レバーのL形摺動溝の縦状溝に下側挟持杆の一端に対する上側リンクの一端の枢着軸を係入させてロックを行って2本の下側挟持杆が不用意に開かないようにし、被吊上物を吊上、運搬するようにしたものである。
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の吊りクランプは、パイプ状または丸棒よりなる被吊上物が俵積みされている場合には、2本の下側挟持杆による被吊上物のクランプ時に、縦方向および横方向において接触している隣接の被吊上物の接点相互に邪魔され、干渉されることにより中央部から先端にかけて外側に湾曲した左右対称構造の2本の下側挟持杆の先端側の挿入が阻まれるため、2本の下側挟持杆による被吊上物のクランプが行えず、作業性が悪かった。しかも、2本の下側挟持杆による被吊上物のクランプ時に、下側挟持杆による被吊上物に対するクランプが不十分になることもあるので、被吊上物が吊上中に落下したり、荷崩れを生ずることもあり、安全性に欠ける。
本考案は上記従来の問題点を解決するとともに、特に俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊り上げるためのクランプ時に、縦方向および横方向において接触している隣接の被吊上物の接点相互に第1係止爪、および第2係止爪、第3係止爪の各係止爪が邪魔されて干渉されることなく、迅速かつ確実に各係止爪による被吊上物のクランプが行え、作業性が向上し、また、安全性が高い吊りクランプを提供することを目的とする。
本考案は上記課題に鑑みてなされ請求項1に記載の考案は、
俵積みされたパイプ状、または丸棒よりなる被吊上物を順次、吊上げ可能に、その外周に係止可能に当接される第1係止爪、および第2係止爪が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体と、
前記クランプ本体にその中間部が枢着されて前記第1係止爪と協働して前記被吊上物を係止可能となす第3係止爪が先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンクと、
前記下側駆動リンクのクランプ本体に対する枢着点に一端が枢着された下側リンクと、
前記下側駆動リンク、および前記下側リンクの他端に一端が枢着されるとともに、他端が相互に枢着された1対の上側リンクと、
該上側リンクに連繋して吊上可能な索部材を有する吊上手段と、を備え、
前記下側駆動リンクの一端に対する一方の前記上側リンクの一端の枢着点と、前記下側リンクの他端に対する他方の前記上側リンクの一端の枢着点との間に一端にハンドルを有する制御手段としての制御レバーを枢着し、該制御レバーには前記ハンドルに隣接して前記下側駆動リンクの一端に対する前記上側リンクの一端の枢着軸が固定されるか、および解放自在のL形摺動溝が設けられている
ことを特徴とする。
また、本考案の請求項2に記載の考案は、
俵積みされたパイプ状、または丸棒よりなる被吊上物を順次、吊上げ可能に、その外周に係止可能に当接される第1係止爪、および第2係止爪が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体と、
前記クランプ本体にその中間部が枢着されて前記第1係止爪と協働して前記被吊上物を係止可能となす第3係止爪が先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンクと、
前記下側駆動リンクのクランプ本体に対する枢着点に一端が枢着された下側リンクと、
前記下側駆動リンク、および前記下側リンクの他端に一端が枢着されるとともに、他端が相互に枢着された1対の上側リンクと、
該上側リンクに連繋して吊上可能な索部材を有する吊上手段と、を備え、
前記クランプ本体に設けられた前記下側駆動リンクと、前記下側リンクと、1対の前記上側リンクとは長手方向に対向して設けられ、
前記第1係止爪、および前記第2係止爪は、前記クランプ本体間に長手方向へ平行に架設された下側連結杆に複数対が固定され、
前記吊上手段は、前記上側リンクの他端が相互に枢着されている枢着点に一端が固定された連結プレートと、該連結プレート間に架設される上側連結杆と、該上側連結杆に一端が取付られる索部材とにより構成され、
前記上側連結杆には前記第1係止爪と前記第3係止爪とが協働して被吊上物をクランプするのに応動して制御を行う制御手段が前記下側連結杆に連繋して設けられている
ことを特徴とする。
また、本考案の請求項3に記載の考案は、請求項1または2の何れかにおいて、俵積みされた前記被吊上物に係止される前記下側駆動リンクの先端に設けられた前記第3係止爪と該第3係止爪と協働して前記被吊上物に係止される前記第1係止爪とは前記被吊上物に対するクランプ時に、俵積みされた前記被吊上物の縦方向および横方向における隣接する接点に対して非干渉位置でクランプされることを特徴とする。
また、本考案の請求項4記載の考案は、請求項2において、前記制御手段が、上側連結杆に昇降可能に取付けられて内側面には、縦状の案内溝、および該案内溝の上端に上側一側に円弧状案内部、該円弧状案内部に隣接して移動規制突起部、終端に前記案内溝に連なる前下がりの脱退斜面部を有する循環拡大溝部が連設され、該循環拡大溝部の略中心部には上面に前下がりの係止凹部を有する係留突起が設けられた略有天状の案内ボックスと、
下端が軸体により前記下側連結杆に揺動可能に枢着されて上方部が前記案内ボックス内に遊挿されることにより上端近傍には前記案内溝および前記循環拡大溝部の内形状に倣って案内移動可能となるとともに、前記係止凹部内に係脱可能になるピン体を設けた遊動リンクと、により構成されていることを特徴とする 。
本考案の請求項1に記載の考案によれば、俵積みされたパイプ状、または丸棒よりなる被吊上物を順次、吊上げ可能に、その外周に係止可能に当接される第1係止爪、および第2係止爪が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体と、前記クランプ本体にその中間部が枢着されて前記第1係止爪と協働して前記被吊上物を係止可能となす第3係止爪が先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンクと、前記下側駆動リンクのクランプ本体に対する枢着点に一端が枢着された下側リンクと、前記下側駆動リンク、および前記下側リンクの他端に一端が枢着されるとともに、他端が相互に枢着された1対の上側リンクと、該上側リンクに連繋して吊上可能な索部材を有する吊上手段と、を備え、前記下側駆動リンクの一端に対する一方の前記上側リンクの一端の枢着点と、前記下側リンクの他端に対する他方の前記上側リンクの一端の枢着点との間に一端にハンドルを有する制御手段としての制御レバーを枢着し、該制御レバーには前記ハンドルに隣接して前記下側駆動リンクの一端に対する前記上側リンクの一端の枢着軸が固定されるか、および解放自在のL形摺動溝が設けられているので、俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊り上げるためのクランプ時に、縦方向(上下方向)および横方向(左右方向)において接触している隣接の被吊上物の接点相互にクランプ本体の下部に対向して設けられた正面視略V字状の第1係止爪、および第2係止爪、そして略中間部から先端側に向けて湾曲された下側駆動リンクの先端内側に設けられた第3係止爪は邪魔されて干渉されることなく、被吊上物の外周面に当接する。
そして、制御手段としての制御レバーに設けたL形摺動溝の縦状溝から下側駆動リンクの一端に対する上側リンクの一端の枢着軸を脱係させて固定を解放し、索部材を降下することにより、下側駆動リンクと、下側リンクと、2個の上側リンクとで構成される菱形部を扁平に変形させ、下側駆動リンクの先端側を略中央部の枢着軸を中心に開き、第1係止爪と第3係止爪との間に被吊上物を挿入する。その後、索部材を引き上げることにより前記菱形部を縦長に変形させ、下側駆動リンクの先端側を略中間部の枢着軸を中心に回動させて閉じ、パイプ状または丸棒よりなる被吊上物を下側駆動リンクの先端内側に設けられた第3係止爪と、クランプ本体の下部に固定されている第1係止爪とによりクランプし、制御レバーに設けられたL形摺動溝の縦状溝に下側駆動リンクの一端に対する上側リンクの一端の枢着軸を係入させてロックを行い、被吊上物を吊上げる。従って、被吊上物のクランプが迅速かつ確実に行え、作業性が向上する。また、前述のように、被吊上物のクランプ時に、下側駆動リンクの第3係止爪とクランプ本体の下部に固定された第1係止爪とにより被吊上物に対するクランプが十分かつ確実になるので、被吊上物が吊上中に落下したり、荷崩れを生ずることがなく、安全性が高くなる。
また、被吊上物の吊上、移動が行われた後に、制御レバーに設けたL形摺動溝の縦状溝から下側駆動リンクの一端に対する上側リンクの一端の枢着軸を脱係させることにより固定を解放し、索部材を降下すると、下側駆動リンクと、下側リンクと、2個の上側リンクとで構成された菱形部は扁平に変形され、下側駆動リンクの先端側を略中央部の枢着軸を中心に開き、被吊上物の吊上げは解放され、作業が終了される。そして、制御手段としての被吊上物の縦状溝から下側駆動リンクの一端に対する上側リンクの一端の枢着軸を係入し、固定したり、脱係させて解放することにより下側駆動リンクを開いて被吊上物のクランプの準備、被吊上物の挿入、被吊上物のクランプ、被吊上物の解放の各動作を容易かつ確実に制御できる。
また、本考案の請求項2記載の考案によれば、俵積みされたパイプ状、または丸棒よりなる被吊上物を順次、吊上げ可能に、その外周に係止可能に当接される第1係止爪、および第2係止爪が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体と、前記クランプ本体にその中間部が枢着されて前記第1係止爪と協働して前記被吊上物を係止可能となす第3係止爪が先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンクと、前記下側駆動リンクのクランプ本体に対する枢着点に一端が枢着された下側リンクと、前記下側駆動リンク、および前記下側リンクの他端に一端が枢着されるとともに、他端が相互に枢着された1対の上側リンクと、該上側リンクに連繋して吊上可能な索部材を有する吊上手段と、を備え、前記クランプ本体に設けられた前記下側駆動リンクと、前記下側リンクと、1対の前記上側リンクとは長手方向に対向して設けられ、前記第1係止爪、および前記第2係止爪は、前記クランプ本体間に長手方向へ平行に架設された下側連結杆に複数対が固定され、前記吊上手段は、前記上側リンクの他端が相互に枢着されている枢着点に一端が固定された連結プレートと、該連結プレート間に架設される上側連結杆と、該上側連結杆に一端が取付られる索部材とにより構成され、前記上側連結杆には前記第1係止爪と前記第3係止爪とが協働して被吊上物をクランプするのに応動して制御を行う制御手段が前記下側連結杆に連繋して設けられているので、俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊り上げるためのクランプ時に、索部材を降下すると、この索部材の一端が取付けられ、上側リンクの他端が相互に枢着されている枢着点に一端が固定された連結プレート間に架設されている上側連結杆も降下するため、正面略V字状に第1係止爪、および第2係止爪を複数対設けているクランプ本体の下部間に架設された下側連結杆と連繋して前記上側連結杆に設けた制御手段により上側連結杆の両端が取付けられている連結プレートを介して下側駆動リンクは略中間部の枢着点を中心に応動して回動され、開かれる。また、索部材を吊上げると、上側連結杆は上昇し、制御手段により上側連結杆の両端が取付けられている連結プレートを介して下側駆動リンクは略中間部の枢着点を中心に応動して回動され、閉じる。このため、その下側駆動リンクの先端内側に設けられた前記第3係止爪がクランプ本体の下部に対向して設けられた正面視略V字状の第1係止爪、および第2係止爪のうちの前記第1係止爪と協働して俵積みされて縦方向(上下方向)および横方向(左右方向)において接触している隣接のパイプ状または丸棒よりなる被吊上物の接点相互に邪魔されて干渉されずに、迅速かつ確実に被吊上物のクランプが行え、作業性が向上する。
また、前述のように、被吊上物のクランプ時に、下側駆動リンクの第3係止爪とクランプ本体の下部に固定された第1係止爪とにより被吊上物に対するクランプが十分になるので、被吊上物が吊上中に落下したり、荷崩れを生ずることがなく、安全性が高くなる。
さらに、被吊上物の吊上、移動が行われた後に、再び索部材を降下すると、下側駆動リンクと、下側リンクと、2個の上側リンクとで構成される菱形部は扁平に変形され、下側駆動リンクは先端側が略中央部の枢着軸を中心に開き、被吊上物の吊上げは解放され、作業が終了される。
また、本考案の請求項3記載の考案によれば、請求項1または2において、俵積みされた前記被吊上物に係止される前記下側駆動リンクの先端に設けられた前記第3係止爪と該第3係止爪と協働して前記被吊上物に係止される前記第1係止爪とは前記被吊上物に対するクランプ時に、俵積みされた前記被吊上物の縦方向および横方向における隣接する接点に対して非干渉位置でクランプされるので、俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊り上げるためのクランプ時に、索部材を降下すると、クランプ本体に枢着されている下側駆動リンクは略中間部の枢着点を中心に先端側が応動して回動され、開かれる。そして、今度は索部材を吊上げると、クランプ本体に枢着されている下側駆動リンクは略中間部の枢着点を中心に応動して先端側が回動され、閉じる。このため、その下側駆動リンクの先端内側に設けられた前記第3係止爪がクランプ本体の下部に対向して設けられた正面視略V字状の第1係止爪、および第2係止爪のうちの前記第1係止爪と協働して俵積みされて縦方向(上下方向)および横方向(左右方向)において接触している隣接のパイプ状または丸棒よりなる被吊上物の接点相互に邪魔されて干渉されることなく、迅速かつ確実に所望の被吊上物のクランプが行え、作業性が向上される。
また、本考案の請求項4記載の考案によれば、請求項2において、前記制御手段が、上側連結杆に昇降可能に取付けられて内側面には、縦状の案内溝、および該案内溝の上端に上側一側に円弧状案内部、該円弧状案内部に隣接して移動規制突起部、終端に前記案内溝に連なる前下がりの脱退斜面部を有する循環拡大溝部が連設され、該循環拡大溝部の略中心部には上面に前下がりの係止凹部を有する係留突起が設けられた略有天状の案内ボックスと、下端が軸体により前記下側連結杆に揺動可能に枢着されて上方部が前記案内ボックス内に遊挿されることにより上端近傍には前記案内溝および前記循環拡大溝部の内形状に倣って案内移動可能となるとともに、前記係止凹部内に係脱可能になるピン体を設けた遊動リンクと、により構成されているので、俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊り上げるためのクランプ時に、索部材を降下して行くと、この索部材の一端が取付けられ、上側リンクの他端が相互に枢着されている枢着点に一端が固定された連結プレート間に架設された上側連結杆は降下するため、この上側連結杆に取付けられている案内ボックスは、下端が軸体により前記下側連結杆に揺動可能に枢着されて上方部が前記案内ボックス内に遊挿されている遊動リンクに対して上側連結杆の降下に伴い降下して行く。
そして、遊動リンクの上端近傍に設けられたピン体は、前記案内ボックスの内側面に有する縦状の案内溝の上端に連設されている循環拡大溝部の略中心部に設けた係留突起の上面の係止凹部内に係止されることにより、正面略V字状に第1係止爪、および第2係止爪が設けられて軸長方向に対向してクランプ本体の下部間に架設された下側連結杆に対して前記上側連結杆の降下は規制されるとともに、この上側連結杆の両端が取付けられている連結プレートを介して下側駆動リンクは略中間部の枢着点を中心に応動して回動され、先端側の第3係止爪が第1係止爪に対して開かれたまま、被吊上物のクランプの準備状態になる。この状態において第3係止爪と、第1係止爪と、第2係止爪とは、俵積みされた最上部のパイプ状または丸棒よりなる被吊上物の所望の1本は、第1係止爪と、第2係止爪と、開かれた第3係止爪とで包囲されるように挿入される。
さらに、前述のように、前記案内ボックスの内側面に有する縦状の案内溝の上端に連設されている循環拡大溝部の略中心部に設けた係留突起の上面の係止凹部内に遊動リンクに設けられたピン体が係止されることにより第3係止爪が開かれたクランプの準備状態から、索部材を降下し、上側連結杆、および制御手段の案内ボックスを最下部に降下させると、遊動リンクの上端近傍に設けられたピン体が、循環拡大溝部の略中心に設けた前記係留突起の上面の係止凹部から脱係されるので、前記ピン体が循環拡大溝部内を脱退斜面部側へ退避されて移動が許容可能になる。
この状態で索部材を吊上げると、上側連結杆は上昇し、制御手段の案内ボックスが上側連結杆とともに遊動リンクに対して上昇することによりピン体は循環拡大溝部から縦状の案内溝内の内形状に倣って案内移動される。そして、上側連結杆の両端が取付けられている連結プレートを介して下側駆動リンクは略中間部の枢着点を中心に応動して回動され、閉じる。このため、その下側駆動リンクの先端内側に設けられた前記第3係止爪がクランプ本体の下部に対向して設けられた正面視略V字状の第1係止爪、および第2係止爪のうちの前記第1係止爪と協働して俵積みされて縦方向および横方向において接触している隣接のパイプ状または丸棒よりなる被吊上物の接点相互に邪魔されて干渉されることなく、迅速かつ確実に被吊上物のクランプが行え、作業性が向上する。
また、前述のように、被吊上物のクランプ時に、下側駆動リンクの第3係止爪とクランプ本体の下部に固定された第1係止爪とにより被吊上物に対するクランプが十分かつ確実になるので、被吊上物が吊上中に落下したり、荷崩れを生ずることがなく、安全性が高くなる。
さらに、被吊上物の吊上、移動が行われた後に、再び索部材を降下すると、案内ボックスは下側連結杆にその下端が枢着されている遊動リンクに対して上側連結杆と一緒に降下するので、遊動リンクの上端近傍に設けられたピン体は案内ボックスの内側面に設けた縦状の案内溝内を上方へ案内移動され、その後、案内溝の上端に連設された循環拡大溝部内へと移動される。そして、下側駆動リンクと、下側リンクと、2個の上側リンクとで構成された菱形部は扁平に変形され、下側駆動リンクの先端側は略中間部の枢着軸を中心に開かれ、被吊上物の吊上げは解放される。そして、ピン体が、循環拡大溝部内の略中心部に設けた係留突起の上面の係止凹部内に係止されることにより、正面略V字状に第1係止爪、および第2係止爪を設けているクランプ本体の下部間に架設された下側連結杆に対して前記上側連結杆の降下が規制され、前記上側連結杆の両端が取付けられている連結プレートを介して下側駆動リンクは略中間部の枢着点を中心に応動して回動され、初期動作として第3係止爪が開かれたままの被吊上物に対するクランプの準備状態を採ることになる。
このように、索部材を昇降させて下側連結杆に対して上側連結杆を昇降させて下側連結杆に下端が枢着されている制御手段の遊動リンクに対して上側連結杆に取付けられている案内ボックスを上下動させ、遊動リンクに設けられた係止ピン体を案内ボックス内に設けられた案内溝内を案内移動させるとともに、案内溝の上端に連設された循環拡大溝部の中心に設置する係留突起の上面の係止凹部内に係止したり、脱係させることにより、クランプ本体の下側駆動リンクを開いて被吊上物のクランプの準備、被吊上物の挿入、被吊上物のクランプ、被吊上物の解放の各動作を容易かつ確実に制御できる。
図1は本考案の吊りクランプの実施形態1を示し、俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物をクランプした状態の正面図である。 図2は同じく被吊上物をクランプする状態を示す正面図である。 図3は同じく本実施形態の吊りクランプを示す斜視図である。 図4は同じく吊りクランプの側面図である。 図5は同じく本考案の吊りクランプの実施形態2を示し、俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物をクランプした状態の斜視図である。 図6は同じく俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物をクランプした状態の正面図である。 図7は被吊上物をクランプする状態の正面図である。 図8は同じく本実施形態2の吊りクランプを示す側面図である。 図9は本実施形態の制御手段を示し、被吊上物のクランプ準備時に遊動リンクのピン体が案内ボックス内に設けられた係留突起の係止凹部内に係留している状態の断面図である。 図10は同じく案内ボックスを下げ、遊動リンクのピン体が案内ボックス内に設けられた係留突起の係止凹部内から脱係させた状態を示す断面図である。 図11は同じくクランプ時にピン体を案内溝内に係入している状態を示す断面図である。
以下、図面に従って本考案を実施するための最良の形態ににつき、詳細に説明する。
<実施形態1>
本実施形態1は、俵積みされた図1、および図2に示すようにパイプ状、または図には示さないが丸棒よりなる被吊上物Wを順次、吊上げ可能に、その外周に係止可能に当接される第1係止爪2、および第2係止爪3が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体1と、前記クランプ本体1にその中間部が枢着されて前記第1係止爪2と協働して前記被吊上物Wを係止可能となす第3係止爪4の先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンク5と、前記下側駆動リンク5のクランプ本体1に対する枢着点に一端6aが枢着された短尺の下側リンク6と、前記下側駆動リンク5、および前記下側リンク6の他端6bに一端7a,7aが枢着されるとともに、他端7b,7bが相互に枢着された1対の上側リンク7,7と、該上側リンク7,7に連繋して吊上可能な索部材8を有する吊上手段9と、を備え、前記下側駆動リンク5の一端5aに対する一方の前記上側リンク7の一端7aの枢着点と、短尺の前記下側リンク6の他端6bに対する他方の前記上側リンク7の一端7aの枢着点との間に一端にハンドル11を有する制御手段10としての制御レバー12を枢着し、該制御レバー12には前記ハンドル11に隣接して前記下側駆動リンク5の一端に対する前記上側リンク7の一端7aの枢着軸J3が固定されるか、および解放自在のL形摺動溝14が設けられている。
前記吊上手段9を構成する前記索部材8としては、例えばチェーンC、ロープが使用される。
俵積みされた前記被吊上物Wに係止される前記下側駆動リンク5の先端に設けられた前記第3係止爪4と該第3係止爪4と協働して前記被吊上物Wに係止される前記第1係止爪2とは、前記被吊上物Wに対するクランプ時に、俵積みされた前記被吊上物W・・・の縦方向X(上下方向)および横方向Y(左右方向)における隣接する接点S1,S2,S3に対して非干渉位置でクランプされるようになっている。
15はクランプ本体1に設けられた案内長孔であり、この案内長孔15内に上側リンク7,7の他端7b,7b相互の枢着軸J1が昇降可能に遊挿されている。J2は前記クランプ本体1に枢着される下側駆動リンク5の中間部の枢着軸であり、この枢着軸J2には下側リンク6の一端6aが枢着される。J3、J4は前記下側駆動リンク5、および前記下側リンク6の他端6bに上側リンク7,7の一端7a,7aが枢着される枢着軸である。
本考案の実施形態1は以上の構成からなり、例えば図1、および図2に示すように俵積みされたパイプ状、または図には示さない丸棒よりなる被吊上物Wを順次、吊上げ可能に、被吊上物Wの外周に係止可能に当接される第1係止爪2、および第2係止爪3が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体1と、前記クランプ本体1にその中間部が枢着されて前記第1係止爪2と協働して前記被吊上物Wを係止可能となす第3係止爪4が先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンク5と、前記下側駆動リンク5のクランプ本体1に対する枢着点に一端6aが枢着された下側リンク6と、前記下側駆動リンク5、および前記下側リンク6の他端6bに一端7a,7aが枢着されるとともに、他端7b,7bが相互に枢着された1対の上側リンク7,7と、該上側リンク7,7に連繋して吊上可能な索部材8を有する吊上手段9と、を備えているので、俵積みされた図1、および図2に示すようにパイプ状または図には示されない丸棒よりなる被吊上物Wを吊り上げるためのクランプ時に、縦方向X(図において上下方向)および横方向Y(図において左右方向)にて接触している上下左右に隣接の被吊上物W・・・の接点S1,S2,S3相互にクランプ本体1の下部に対向して設けられた正面視略V字状の前記第1係止爪2と、および前記第2係止爪3と、そして、その略中間部から先端側に向けて外側に湾曲されて形成された下側駆動リンク5の先端内側に設けられた前記第3係止爪4とは邪魔されて干渉されず、被吊上物Wの外周面に当接することになる。
そして、制御手段としての制御レバー12に設けたL形摺動溝14の縦状溝14aから下側駆動リンク5の一端5aに対する上側リンク7の一端7aの枢着軸J3を脱係させて固定を解放し、索部材8を降下することにより、下側駆動リンク5と、下側リンク6と、2個の上側リンク7,7とで構成される菱形部Hを扁平に変形させ、下側駆動リンク5の先端側を略中央部の枢着軸J2を中心に開き、被吊上物Wを挿入する。
その後、索部材8を引き上げることにより前記菱形部Hを縦長に変形させ、下側駆動リンク5の先端側を略中間部の枢着軸J2を中心に回動させて閉じ、パイプ状または丸棒よりなる被吊上物Wを下側駆動リンク5の先端内側に設けられた第3係止爪4と、クランプ本体1の下部に固定されている第1係止爪2とによりクランプし、制御レバー12に設けられたL形摺動溝14の縦状溝14aに下側駆動リンク5の一端5aに対する上側リンク7の一端7aの枢着軸J3を係入させてロックを行い、被吊上物Wを吊上げる。従って、被吊上物Wのクランプが迅速かつ確実に行え、作業性が向上する。
この時、俵積みされた前記被吊上物W・・・に係止される前記下側駆動リンク5は先端側に湾曲されてその先端内側に設けられた前記第3係止爪4と該第3係止爪4と協働してクランプ本体1に固着される前記第1係止爪2とが、俵積みされた前記被吊上物W・・・の縦方向X(図において上下方向)および横方向Y(図において左右方向)における隣接する接点S1,S2,S3に対して非干渉位置に形成された構造なので、例えば特許文献1に記載された従来の吊りクランプでは、先端部側が外側に湾曲された左右対称形の2本の下側挟持杆による被吊上物のクランプ時に、下側挟持杆の先端部側が俵積みされた被吊上物の縦方向および横方向における隣接する接点に邪魔されて干渉され、挿入が阻まれ、被吊上物のクランプが行えず、作業性が悪かったのとは異なり、俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる所望の被吊上物Wを吊り上げるのに、クランプ本体1に固定された第1係止爪2、および第2係止爪3、およびクランプ本体1に枢軸部J2にて枢着された枢動可能な第3係止爪4はクランプ時に、縦方向Xおよび横方向Yにおいて接触している隣接のパイプ状または丸棒よりなる被吊上物W・・・の接点S1,S2,S3相互に邪魔されて干渉されることなく、第3係止爪4が第1係止爪2と協働して充分かつ確実にクランプされ、作業性が向上する。
また、前述のように、被吊上物Wのクランプ時に、下側駆動リンク5の先端側に設けられた第3係止爪4とクランプ本体1の下部に固定された第1係止爪2とにより被吊上物Wに対するクランプが十分かつ確実になるので、被吊上物Wが吊上中に落下したり、荷崩れを生ずることがなく、安全性が高くなる。
また、被吊上物Wの吊上、移動が行われた後に、制御レバー12に設けたL形摺動溝14の縦状溝14aから下側駆動リンク5の一端5aに対する上側リンク7の一端7aの枢着軸J3を脱係させることにより固定を解放し、索部材8を降下すると、下側駆動リンク5と、下側リンク7と、2個の上側リンク7,7とで構成される菱形部Hは扁平に変形され、下側駆動リンク5の先端側を略中央部の枢着軸Jを中心に開き、被吊上物Wの吊上げを解放し、作業が終了される。
そして、制御手段としての制御レバー12に設けたL形摺動溝14の縦状溝14aから下側駆動リンク5の一端5aに対する上側リンク7の一端7aの枢着軸を係入し、固定したり、脱係させて解放することにより下側駆動リンク5を開いて被吊上物Wのクランプの準備、被吊上物Wの挿入、被吊上物Wのクランプ、クランプからの被吊上物Wの解放の各動作を容易かつ確実に制御できる。
<実施形態2>
図5乃至図11に示すものは本考案の実施形態2である。この実施形態2では、前記実施形態1が、俵積みされたパイプ状、または丸棒よりなる被吊上物Wを順次、吊上げ可能に、その外周に係止可能に当接される第1係止爪2、および第2係止爪3が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体1と、前記クランプ本体1にその中間部が枢着されて前記第1係止爪2と協働して前記被吊上物Wを係止可能となす第3係止爪4が先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンク5と、前記下側駆動リンク5のクランプ本体1に対する枢着点に一端6aが枢着された短尺の下側リンク6と、前記下側駆動リンク5、および前記下側リンク6の他端6bに一端7a,7aが枢着されるとともに、他端7b,7bが相互に枢着された1対の上側リンク7,7と、該上側リンク7,7に連繋して吊上可能な索部材8を有する吊上手段9と、を備えた点はほぼ同様である。
しかしながら、本実施形態2では前記下側駆動リンク5と、前記下側リンク6と、1対の前記上側リンク7,7とを有するクランプ本体1,1は、長手方向Iに対向して設けられ、前記第1係止爪2、および前記第2係止爪3は、前記クランプ本体1,1間に長手方向Iへ平行に架設された下側連結杆20に複数対が固定され、前記吊上手段9は、前記上側リンク7,7の他端7b,7bが相互に枢着されている枢着点に一端21aが固定された連結プレート21と、該連結プレート21,21間に架設される上側連結杆22と、該上側連結杆22に一端23a,23aが取付られる索部材23とにより構成され、前記上側連結杆22には前記第1係止爪2と前記第3係止爪4とが協働して被吊上物Wをクランプするのに応動して制御を行う制御手段24が前記下側連結杆20に連繋して設けられている。
また、前記制御手段24が、上側連結杆22に昇降可能に取付けられて内側面には、縦状の案内溝25、および該案内溝25の上端に上側一側に円弧状案内部26a、該円弧状案内部26aに隣接して移動規制突起部26b、終端に前記案内溝25に連なる前下がりの脱退斜面部26cを有する循環拡大溝部26が連設され、該循環拡大溝部26の略中心部には上面に前下がりの係止凹部27aを有する係留突起27が設けられた略有天状の案内ボックス28と、下端が軸体30により前記下側連結杆20に揺動可能に枢着されて上方部が前記案内ボックス28内に遊挿されることにより上端近傍には前記案内溝25および前記循環拡大溝部26の内形状に倣って案内移動可能となるとともに、前記係止凹部27a内に係脱可能になるピン体31を設けた遊動リンク29と、により構成されている。
そして、本実施形態2では俵積みされた図5、図6、図7に示すパイプ状または図には示されない丸棒よりなる被吊上物Wを吊り上げるためのクランプ時に、索部材23を降下して行くと、この索部材23の一端23a,23aが取付けられ、上側リンク7,7の他端7b,7bが相互に枢着されている枢着点に一端が固定された連結プレート21,21間に架設された上側連結杆22は降下するため、この上側連結杆22に取付けられている案内ボックス28は、下端が軸体30により前記下側連結杆20に揺動可能に枢着されて上方部が前記案内ボックス28内に遊挿されている遊動リンク29に対して上側連結杆22の降下に伴い降下して行く。
そして、図9に示されるように遊動リンク29の上端近傍に設けられたピン体31は、前記案内ボックス28の内側面に有する縦状の案内溝25の上端に連設されている循環拡大溝部26の略中心部に設けた係留突起27の上面の係止凹部27a内に係止されることにより、正面略V字状に第1係止爪2、および第2係止爪3が設けられて対向されたクランプ本体1の下部間に架設された下側連結杆20に対して前記上側連結杆22の両端が取付けられている連結プレート21,21を介して下側駆動リンク5,5は略中間部の枢着点を中心に応動して回動され、先端側の第3係止爪4,4が開かれ、被吊上物Wのクランプの準備状態になる。この状態において第3係止爪4,4と、第1係止爪2,2と、第2係止爪3,3とで包囲されるように俵積みされた最上部のパイプ状または丸棒よりなる被吊上物Wの所望の1本を挿入する。
さらに、図10に示すように、索部材23を降下し、上側連結杆22、および制御手段24の案内ボックス28を遊動リンク29に対して最下部に降下させると、遊動リンク29の上端近傍に設けられたピン体31が、循環拡大溝部26の略中心に設けた前記係留突起27の上面の係止凹部27aから脱係されるので、前記ピン体31が循環拡大溝部26内を脱退斜面部26c側へ退避されて移動が許容可能になる。
こうして、索部材23を吊上げると、上側連結杆22は上昇し、制御手段24の案内ボックス28が上側連結杆22とともに遊動リンク29に対して上昇することによりピン体31は循環拡大溝部26から縦状の案内溝25内の内形状に倣って案内移動される。そして、上側連結杆22の両端が取付けられている連結プレート21,21を介して下側駆動リンク5,5は略中間部の枢着点を中心に応動して回動され、閉じる。このため、その下側駆動リンク5,5の先端内側に設けられた前記第3係止爪4,4が、クランプ本体1,1の下部に対向して設けられた正面視略V字状の第1係止爪2,2、および第2係止爪3,3のうちの前記第1係止爪2,2と協働して俵積みされて縦方向Xおよび横方向Yにおいて接触している隣接のパイプ状または丸棒よりなる被吊上物Wの接点S1,S2,S3相互に邪魔されて干渉されることなく、迅速かつ確実に被吊上物Wのクランプが行える。
このように、索部材23を昇降させて下側連結杆20に対して上側連結杆22を昇降させて下側連結杆20に下端が枢着されている制御手段24の遊動リンク29に対して上側連結杆22に取付けられている案内ボックス28を上下動させ、遊動リンク29に設けられた係止ピン体31を案内ボックス28内に設けられた案内溝25内を案内させるとともに、案内溝25の上端に連設された循環拡大溝部26の中心に設置する係留突起27の上面の係止凹部27a内に係止したり、脱係させることにより、下側駆動リンク5を開いて被吊上物Wのクランプの準備、被吊上物Wの挿入、被吊上物Wのクランプ、被吊上物Wの解放の各動作を容易かつ確実に制御できる。
さらに、本実施形態2の吊りクランプは、クランプ本体1,1間に長手方向Iへ下側連結杆20が平行に架設され、上方には上側連結杆22が平行に架設されているので、構造堅牢であり、また、一端23a,23aが上側連結杆22に固定された索部材23により、左右均衡して安定に被吊上物Wを安定に移送・運搬できるという効果があるほかは、前記実施形態1と同様の構成、効果である。
本考案は、特に俵積みされたパイプ状または丸棒よりなる被吊上物を吊り上げるためのクランプ時に、縦方向および横方向において接触している隣接の被吊上物の接点相互に第1係止爪、および第2係止爪、第3係止爪の各係止爪が邪魔されて干渉されることなく、迅速かつ確実に係止爪による被吊上物のクランプが行え、作業性が向上し、また、安全性が高いという用途・機能に適する。
1 クランプ本体
2 第1係止爪
3 第2係止爪
4 第3係止爪
5 下側駆動リンク
6 下側リンク
7 上側リンク
8 索部材
9 吊上手段
10 制御手段
12 制御レバー
14 L形摺動溝
14a 縦状溝
20 下側連結杆
22 上側連結杆
24 制御手段
25 案内溝
26 循環拡大溝部
27 係留突起
28 案内ボックス
29 遊動リンク
30 軸体
31 ピン体
I 軸長方向
J1 枢着軸
J2 枢着軸
J3 枢着軸
S1 接点
S2 接点
S3 接点

Claims (4)

  1. 俵積みされたパイプ状、または丸棒よりなる被吊上物を順次、吊上げ可能に、その外周に係止可能に当接される第1係止爪、および第2係止爪が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体と、
    前記クランプ本体にその中間部が枢着されて前記第1係止爪と協働して前記被吊上物を係止可能となす第3係止爪が先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンクと、
    前記下側駆動リンクのクランプ本体に対する枢着点に一端が枢着された下側リンクと、
    前記下側駆動リンク、および前記下側リンクの他端に一端が枢着されるとともに、他端が相互に枢着された1対の上側リンクと、
    該上側リンクに連繋して吊上可能な索部材を有する吊上手段と、を備え、
    前記下側駆動リンクの一端に対する一方の前記上側リンクの一端の枢着点と、前記下側リンクの他端に対する他方の前記上側リンクの一端の枢着点との間に一端にハンドルを有する制御手段としての制御レバーを枢着し、該制御レバーには前記ハンドルに隣接して前記下側駆動リンクの一端に対する前記上側リンクの一端の枢着軸が固定されるか、および解放自在のL形摺動溝が設けられている
    ことを特徴とする吊りクランプ。
  2. 俵積みされたパイプ状、または丸棒よりなる被吊上物を順次、吊上げ可能に、その外周に係止可能に当接される第1係止爪、および第2係止爪が、正面視略V字状に対向して下部に設けられたクランプ本体と、
    前記クランプ本体にその中間部が枢着されて前記第1係止爪と協働して前記被吊上物を係止可能となす第3係止爪が先端内側に設けられて略中間部から先端側に向けて外側に湾曲された下側駆動リンクと、
    前記下側駆動リンクのクランプ本体に対する枢着点に一端が枢着された下側リンクと、
    前記下側駆動リンク、および前記下側リンクの他端に一端が枢着されるとともに、他端が相互に枢着された1対の上側リンクと、
    該上側リンクに連繋して吊上可能な索部材を有する吊上手段と、を備え、
    前記クランプ本体に設けられた前記下側駆動リンクと、前記下側リンクと、1対の前記上側リンクとは長手方向に対向して設けられ、
    前記第1係止爪、および前記第2係止爪は、前記クランプ本体間に長手方向へ平行に架設された下側連結杆に複数対が固定され、
    前記吊上手段は、前記上側リンクの他端が相互に枢着されている枢着点に一端が固定された連結プレートと、該連結プレート間に架設される上側連結杆と、該上側連結杆に一端が取付られる索部材とにより構成され、
    前記上側連結杆には前記第1係止爪と前記第3係止爪とが協働して被吊上物をクランプするのに応動して制御を行う制御手段が前記下側連結杆に連繋して設けられている
    ことを特徴とする吊りクランプ。
  3. 俵積みされた前記被吊上物に係止される前記下側駆動リンクの先端に設けられた前記第3係止爪と該第3係止爪と協働して前記被吊上物に係止される前記第1係止爪とは前記被吊上物に対するクランプ時に、俵積みされた前記被吊上物の縦方向および横方向における隣接する接点に対して非干渉位置でクランプされることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の吊りクランプ。
  4. 前記制御手段が、上側連結杆に昇降可能に取付けられて内側面には、縦状の案内溝、および該案内溝の上端に上側一側に円弧状案内部、該円弧状案内部に隣接して移動規制突起部、終端に前記案内溝に連なる前下がりの脱退斜面部を有する循環拡大溝部が連設され、該循環拡大溝部の略中心部には上面に前下がりの係止凹部を有する係留突起が設けられた略有天状の案内ボックスと、
    下端が軸体により前記下側連結杆に揺動可能に枢着されて上方部が前記案内ボックス内に遊挿されることにより上端近傍には前記案内溝および前記循環拡大溝部の内形状に倣って案内移動可能となるとともに、前記係止凹部内に係脱可能になるピン体を設けた遊動リンクと、により構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の吊りクランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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