JP3163261B2 - 印字装置 - Google Patents

印字装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリ、複
写機、プリンタ、印刷機等の画像や文字の印刷を行う印
字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の印字装置は、パーソナルユースの
プリンタではインクをノズルから吐出させて印字するイ
ンクジェット方式が主流となっており、インク室内のイ
ンク圧力を増す方法には、インク室の壁をインク室外部
に設置された圧電素子により機械的に変形させるもの
や、インク室内にヒータを設けてインクを気化させる所
謂バブルジェット方式が代表的なものである。
【0003】通常インクジェットプリンタでは水性のイ
ンクを用いるが、加熱することにより溶融する熱溶融性
インクを用いることもある。また、高粘度インクを使用
した凹版印刷は凹孔の深さを変えることによってインク
量を変えた階調表現により高画質の印字を可能にしてい
る。この方法は、版を用いての印刷なので同じ内容のも
のを大量に印刷するには優れた方法である。
【0004】また、ラフ紙に対してドットかけのない印
字を得る方法として、特開昭63−317377号公報
が公知である。これは加熱により膨張する熱膨張層をイ
ンクリボン内に設けてインク層を突出させ凹凸のある紙
にも転写かけのないようにしたインクリボンに関するも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット方式は、インク径がインク吐出オリフィス径よ
りも大きくなることや、飛翔速度10m/s程度のイン
ク滴を紙面に衝突させることによる記録ドット径の広が
りおよび形状の乱れ、インクを吐出させるという方式の
本質として、インク本滴の他にサテライトと呼ばれる本
滴に付随した小滴の発生と、階調表現が難しい等の点で
満足のいくものができなかった。特に、水性インクを用
いるインクジェットは、インクのにじみや耐水性に劣っ
ているという問題があった。
【0006】凹版印刷は、凹孔の深さを変えることによ
って階調表現が可能で高画質の印字ができるが、版を用
いる印刷に共通の問題として、同一内容の印刷物を大量
に生産するには向いているが、色々な内容のドキュメン
トを夫々少量ずつプリントするには不向きである。ま
た、紙面の凹凸が大きいと凹孔内のインクが紙面に接触
せず良好な印字が得られないという問題があった。
【0007】また、ラフ紙対応の熱転写用インクリボン
を用いた印字方法は、確かに凹凸のある紙にドット欠け
なく印字できるが、熱転写方式全般の欠点として階調表
現が難しいという問題がある。また、インク層から紙へ
の転写インク量を変えることが通常できないため、階調
表現はドット面積によって行う所謂面積階調を用いる
が、ただでさえ解像度が低い熱転写方式において面積階
調表現を行うことはカラー画像の印字品位を著しく低下
させることになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに請求項1記載の印字装置は、多数の凹型のインク孔
が形成され、当該インク孔を構成する側面または底部の
壁の少なくとも一部を変形可能に形成したプレートと、
該プレートのインク孔に熱溶融性インクを充填するイン
ク充填手段と、上記プレートのインク孔のうち転写画素
に対応するインク孔のインクを溶融状態にする発熱体
と、上記プレートのインク孔のうち転写画素に対応する
インク孔の側面または底部の壁を熱溶融性インクの転写
時に変形させる壁変形手段を備えている。
【0009】請求項2記載の印字装置は、上記プレート
のインク孔を構成する変形可能な側面または底部の壁を
熱変形部材で形成し、上記発熱体は、熱溶融性インクの
溶融及び上記熱変形部材の変形を行う。
【0010】請求項3記載の印字装置の上記壁変形手段
は、上記インク充填手段によるインク充填時に、被印字
媒体に転写不必要な画素に対応するインク孔の側面また
は底部の壁をインク孔の体積を減少させる方向に変形さ
せている。
【0011】請求項4記載の印字装置の上記壁変形手段
は、転写必要な画素に対応する各インク孔の体積を各画
素の濃度に応じた分だけ減少させる方向に側面または底
部の壁を変形させている。
【0012】請求項5記載の印字装置の製造方法は、フ
ォトマスクを介してドライフィルムレジストをフォトリ
ソグラフィーにより多数のインク孔を形成して多孔板を
形成し、該多孔板に発熱体を内蔵した上記インク孔に対
向した部分に熱により変形する坐屈体を有した基板を貼
着している。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の印字装置の実施の形態1
を図1乃至図10とともに説明する。
【0014】実施の形態1の印字装置の概要を図1乃至
図4とともに説明する。
【0015】印字装置は、図1に示すように多数のイン
ク孔7があるインク孔プレート1の上方に、インクタン
ク2が設置されている。インクタンク2内には熱溶融性
インク3が入れられ、インク溶融用のヒータ5が設けら
れている。また、インクタンク2にドクターブレード9
が一体に構成されている。
【0016】まず、図1に示すインク供給工程では、イ
ンク孔プレート1上にインクタンク2から熱溶融性イン
ク3を供給する。図2に示す転写工程では、インク孔7
の内転写すべきインク孔10の壁を変形させてインクを
インク孔10から盛り上げ、転写ローラ32a,32b
の間に挟まれた被印字媒体である紙6とインク孔プレー
ト1が押圧されインクが紙6に転写される。そして、図
3に示すように、転写後のインク孔プレート1には転写
されなかったインクのみが残る。
【0017】本実施の形態1の印字装置の基本部分は図
4に示すように、インク孔プレート1と、インクタンク
2と、ドクターブレード9からなるインク供給装置と、
転写ローラ32a,32bの転写部と、廃インクタンク
40の4個の構成要素からなっている。
【0018】次に、本実施の形態1の印字装置について
詳細に説明する。
【0019】図5に示すように多数のインク孔7がある
インク孔プレート1の上方に、インクタンク2が設置さ
れている。インクタンク2内には熱溶融性インク3が入
れられ、インク溶融用のヒータ5が設けられている。ま
た、インクタンク2には熱溶融性インク3が流れ出るイ
ンク供給口13が設けられている。インクタンク2にド
クターブレード9が一体に構成されている。
【0020】図6に示すようにインクタンク2内の熱溶
融性インク3をヒータ5により溶かし、インクタンク2
をインク孔プレート1に対して相対的に移動させながら
インク供給口13から溶けた熱溶融性インク3を多数の
インク孔7の穿設されたインク孔プレート1上に一様に
流す。
【0021】図7に示すようにインク供給装置は2本の
平行棒45により支持されていて、供給装置搬送用ベル
ト42を回転させることにより、矢印方向に移動する。
ドクターブレード9は、インクタンク2と一体になって
いるのでインクタンク2と一緒に移動しながらインク孔
プレート1上の余分なインクを取り除き、インク孔7に
のみ熱溶融性インク3を充填する。
【0022】この後、図4に示したようにインク供給装
置はインク孔プレート1の端点まで移動し、余分なイン
クを廃インクタンク40に排出する。
【0023】図9(a),(b)に示すように、各イン
ク孔の内部または壁面または外部に設けられたインク加
熱用ヒータ8によりインク孔7内のインク3を溶融状態
に保てるようになっている。インク3をインク孔7に充
填した後、転写する必要がない画素に対応するインク孔
11のインク加熱用ヒータ8には通電せず、転写する必
要のある画素に対応するインク孔10のインク加熱用ヒ
ータ8には通電を行いインクを溶融状態に保っておく。
ヒータ8に通電していないインク孔11内のインク3は
インク孔プレート1が搬送されるうちに融点以下の温度
となり固体化する。
【0024】充填工程を終えたインク孔プレート1は、
図8に示すようにプレート搬送用ベルト43を回転させ
ることにより、図中の矢印方向へインク孔プレート1が
搬送され転写部に導かれる。
【0025】被印字媒体とインク孔プレート1が接触す
る前に、図9(c),(d)に示すように、転写すべき
インク孔10の壁をインク孔10の体積が減少するよう
に変形させる。本実施の形態では坐屈変形用ヒータ12
の加熱による坐屈変形により転写すべきインク孔10の
体積が減少するように構成されている。
【0026】即ち、坐屈変形用ヒータ12のすぐ上部の
インク孔10の底面が温められる。インク孔10の底面
を構成する金属は熱膨張をし、内部応力が高まる。更
に、加熱し内部応力が坐屈限界を越えると、坐屈し変形
する。坐屈した後も坐屈変形用ヒータ12に通電し続け
インク孔10の底面を一定温度に保っておくことによ
り、変形した状態に維持する。転写すべきインク孔10
の体積が減少するとインク孔10内の溶けたインク3が
表面張力によってインク孔10から凸型に突出する。
【0027】この状態を保ちながら図2に示したように
インク孔プレート1と紙6を転写ローラ32a,32b
で加圧する。この転写工程で必要な画素に対応するイン
ク孔10内のインクは、溶融・突出しているので被印字
媒体である紙6に転写されるが、転写不要なインク孔1
1内のインクはヒータ8に通電しないため固体のままで
あり、充填後融点以下になっていてインクは固体化した
状態のままなので紙6に転写されることはない。
【0028】上記のとおり転写する必要のある画素に対
応するインク孔10のインクはインク加熱用ヒータ8に
より溶融状態にたもったままでもよいし、一旦、インク
加熱用ヒータ8への通電を遮断してから転写部に搬送さ
れるまでにヒータ8に通電を行い、転写時までに溶融状
態にされていればその効果は同じである。
【0029】また、上記図9(a)〜(d)には、イン
ク加熱用ヒータと坐屈変形用ヒータの2個のヒータを用
いているが微小スペースに2個のヒータを設けて配線を
施すのを避けるために、図10(a)〜(d)に示すよ
うな1個の変形・坐屈兼用ヒータ46で各状態を制御す
ることも可能である。
【0030】その場合には、図9(a)〜(d)の2個
のヒータの状態と図10(a)〜(d)の1個の変形・
坐屈兼用ヒータの状態を次のように対応させる。
【0031】
【表1】
【0032】即ち、図9(a),(d)に相当するの
は、図10(a),(d)に示したoffで、図9
(b)の坐屈変形はさせないがインクを温めているのに
相当するのは図10(b)に示す弱電流を流している時
で、図9(d)のインクを溶かし尚且つ坐屈変形させる
のは図10(d)に示す強電流を流している場合に相当
する。
【0033】次に、印字装置の製造方法1を図11乃至
図18とともに説明する。
【0034】図11で示す工程でアルミニウムの基板1
5の片側に保護膜16として例えばSiO2,SiNを
スパッタ法などで成膜する。それから他方の面にアルミ
ニウムを蒸着やスパッタ等の方法で成膜する。このアル
ミニウムをパターニングして犠牲層17とする。
【0035】図12の工程でその上に第一絶縁層18例
えばSiO2やSiNをスパッタ等で成膜してから、ヒ
ータ層28として、NiやTiを成膜する。このヒータ
層28をエッチングによりパターニングして所望の坐屈
変形用内部ヒータ21を作製する。該坐屈変形用内部ヒ
ータ21の上にさらに第二絶縁層19、例えばSiO2
やSiNを成膜する。
【0036】図13の工程では、メッキの下地となるニ
ッケルをスパッタ等により形成してから電気メッキによ
りニッケル層20を形成する。次に、図14に示すよう
にフォトレジスト23を所望のインク孔形状にパターニ
ングする。それから、図15のように、Niの電気メッ
キを施し、インク孔の壁部22を積層する。図16の工
程では、フォトレジスト23を剥離液で除去して、孔部
は完成する。
【0037】さらに、図17のように、裏側の保護膜1
6の一部をドライエッチングにて穴を開け、プレート全
体をKOH液に入れて基板のSiと犠牲層17のアルミ
ニウムを取り除き、その上部の第一絶縁層18からニッ
ケル層20間での積層部分を可動とする。第一絶縁層1
8からニッケル層20間での可動な積層部分を坐屈体1
4と呼ぶこととする。このとき、同時に引き出し電極4
3の通る孔も開けておく。
【0038】次に、図18に示すように、基板の反対側
にTFT(Thin Film Transisto
r)44を形成し、各インク孔に設けられたヒータを順
次走査し、必要な箇所のヒータのみ発熱させることが可
能となる。
【0039】以上の工程によりヒータ21を内蔵した可
動なインク孔の底面を構成するインク孔プレート1が製
造される。
【0040】本実施の形態での印字のプロセスでは、熱
溶融性インク3をインク孔7に充填した後、ヒータ21
に通電してインク3を溶融状態に保ったままインク孔プ
ロセス1を搬送する。その後、図18に示すように、転
写すべきインク孔10のインク3の転写時に坐屈体14
を坐屈温度にまで加熱してインク孔のインクを溶融させ
ると共に、坐屈体14をインク孔開放面に向かって坐屈
させ、転写するインク孔10のインク3をインク孔プレ
ート1から盛り上げる。
【0041】そして、図4のように、インク孔プレート
1に紙6の紙面を当て転写ローラ32a,32bで押圧
してインク32を転写する。
【0042】印字装置の製造方法2を図19乃至図22
とともに説明する。
【0043】まず、図19に示すようにフォトマスク2
4を介してドライフィルムレジスト26のインク孔を形
成する部分だけ紫外線25で露光して現像し、露光され
た部分のみ取り除き所望のインク孔7のパターンを持つ
多孔板31を作製する。
【0044】次に、上記製造方法1とほぼ同様の方法で
ヒータ12を内蔵した坐屈体14を有する基板30を製
造して、図20に示すような多孔板31と基板30とが
用意される。この2個の部材を図21のように貼り合わ
せることにより、図22のようなインク孔プレート1が
完成する。
【0045】印字装置の製造方法3を図23乃至図26
とともに説明する。
【0046】まず、図23に示すように、インク孔に対
応する部分に貫通孔を開けたニッケル板28の上面に貫
通孔のないアルミ板29を重ねて拡散接合して基板とす
る。その後の工程は上記製造方法1とほぼ同様の方法に
して図24のようなアルミ犠牲層17、第一絶縁層1
8、ヒータ層8、第二絶縁層19、Ni層20が形成さ
れる。
【0047】最後に、途中まで孔が開いている基板をア
ルミのエッチング液に浸してアルミニウム犠牲層を除去
して図26のようなインク孔プレート1が完成する。
【0048】上記製造方法3により製造された印字装置
は、アルミニウム犠牲層を除去するときに孔の開いてい
ないアルミ板29をエッチングするエッチング液を用い
ることにより、プレートの途中からエッチングすること
と同様の効果を持ち、横方向への不要なエッチング幅を
減少させることができる。
【0049】これにより、インク孔プレート1の剛性が
増し、転写プロセスでの押圧力を上げることができるの
で、凹凸の大きいラフ紙にでもドット欠けのない転写を
行うことができ、印字品位を向上させることができる。
また、インク孔プレートの剛性が増すことにより、製
造、輸送途中での破損が減りコストを下げることがで
き、使用中の破損を防止することができる。
【0050】印字装置の実施の形態2を図27乃至図3
0とともに説明する。
【0051】本実施の形態2においては、図27に示す
ように、インク充填工程において転写すべき画素に対応
するインク孔10と転写不要の画素に対応するインク孔
11の坐屈変形が可能な壁の変形量を変えてインクの充
填を行う。
【0052】そして、転写すべき画素に対応するインク
孔10の壁は変形させず、転写不要の画素に対応するイ
ンク孔11の壁をインク孔内の体積が減少するように変
形させる。この状態でインクタンク2をインク孔プレー
ト11に対して相対的に図中破線矢印の方向へ移動させ
ながら、インクタンク2から溶けた熱溶融性インク3を
インク孔プレート1上に一様に塗布する。
【0053】図28に示すように、ドクターブレード9
にて余分なインクを廃インクタンク40に掃き出しイン
ク充填工程を終了すると、全てのインク孔の表面までイ
ンク3が充填される、坐屈変形している壁をドクターブ
レード9が通った後で初期状態に戻すと、図29に示す
ように多量のインクが充填された転写すべき画素に対応
するインク孔10と少量のインクが充填された転写不要
のがそに対応するインク孔11の2種類が混在すること
になる。
【0054】インク量の多い転写されるべきインク孔1
0のヒータ8には通電したままでインクを溶融状態に保
っておき、インク量の少ない転写不要のインク孔11の
ヒータ8には通電をしない。したがって、後者のインク
孔内のインク3のみが融点以下になり、インク孔の表面
より低い位置で固体化する。
【0055】転写工程では図30に示すように、転写ロ
ーラ32aの直前に位置したとき転写されるべきインク
孔10の壁のみ坐屈変形するように、ヒータ電源の電圧
を上げ、インク3を突出させ、転写ローラ32aとイン
ク孔プレート1の間に搬送された紙6に転写ローラ32
aにて加圧され転写されるべきインク孔10内のインク
3のみが転写される。
【0056】上述の方法により、インク孔10内のイン
ク量に多寡を生じせしめ、インク孔プレート1から紙6
へのインクの転写を行う際、不必要なインクの転写を防
ぐことができる。
【0057】印字装置の実施の形態3を図31乃至図3
3とともに説明すると、図31に示すように、まずイン
ク孔7の体積を減少させるように壁を変形させる。但
し、このときの変形量は記録時に各インク孔から押し出
されるインク量に反比例させておく。
【0058】即ち、高濃度のドットを形成するインク孔
33の壁は少量の変形にとどめておき、中間の濃度のド
ットを形成するインク孔34の壁は変形量を大きくして
おく。印字させる必要のない画素に対応するインク孔1
1は坐屈体を変形させなくともよいが、幾らか変形させ
ておくことが望ましい。さらに望ましくは印字させる必
要のない画素に対応するインク孔11の壁の変形量を最
大としておく。このような状態で、インクをすべてのイ
ンク孔に流し込みドクターブレード9にてプレート上に
はみ出た余分なインク3を廃インクタンク40に落と
す。
【0059】その後に、初期状態に回復する。この状態
でインクの温度が融点以下になると、図32に示すよう
にインク充填時の各インク孔の壁の変形量に応じて違っ
た量のインクが各孔に充填されることとなる。
【0060】転写工程では、図33のように、転写不要
の画素に対応するインク孔11以外のインク3のみヒー
タで溶融させ、同時に各インク孔の壁面をインク孔内の
インク量に反比例させて変形させてインク3を突出させ
てから転写ローラ32aで加圧し転写を完了する。
【0061】本実施の形態3では、インク量を3段階に
制御したが、インクの量をより多段階に制御することも
可能で、各インク孔のインク量を画像データに応じて変
えておくことにより、一度の転写工程で濃淡の画素ごと
の転写インク量を制御できる。したがって、特に画素を
印刷する際に鮮やかな印刷物を得ることができる。
【0062】印字装置の実施の形態4を図34及び図3
5とともに説明する。
【0063】本実施の形態4は、ユニモルフ型アクチュ
エータでインク孔プレート1のインク孔底面を押圧して
インク孔体積を減少させている。
【0064】図34に示すように、弾性板35に適当な
金属例えばニッケルや銅を用いPZT等の圧電効果を有
する部材36を積層し、その上に電極37となる金属例
えばニッケルを蒸着してユニモルフ型アクチュエータを
構成する。
【0065】このアクチュエータに電圧を印加すること
により、先端部の突起がインク孔7の体積を減少させ、
上記の実施の形態3と同様にインク孔の体積をインクの
濃淡に応じて変形させることができる。また、印加電圧
により変形量を厳密に制御することができ、印刷物のイ
ンク濃度を多段階に良好に階調表現することができる。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載の印字装置によれば、プレ
ートと被印字媒体とを接触させインクを転写するので、
インクジェット方式では解決困難なインクの飛び散りや
サテライトの発生が確実に抑えられ、良質の印字品質を
得ることができる。さらに、インク孔の少なくとも一部
を変形させて内部のインクを外部に突出させて転写する
ので、被印字媒体に凹凸があるラフ紙のような場合で
も、良好な印字状態を得ることができる。
【0067】請求項2記載の印字装置によれば、熱溶融
性インクの溶融及びインク孔の側面または底部の壁を構
成する熱変形部材を同一の発熱体で加熱しているので、
印字装置の構造を簡略化するとともに、小型化すること
ができる。
【0068】請求項3記載の印字装置によれば、被印字
媒体への転写時に被印字媒体に転写に不必要なインク孔
のインクが触れることが確実になくなり、不必要な転写
による汚れ等のない良好な印字状態を得ることができ
る。しかも、隣接する発熱体によりインクが溶融されて
も、不必要ながそのインクが被印字媒体に接触すること
がないので、インク孔の密度を高くすることができ、印
字品位を向上させることができる。
【0069】請求項4記載の印字装置によれば、各画素
の濃度に応じてインク孔の体積を減少させインク量を調
整しているので、豊かな階調表現を行うことができる。
【0070】請求項5記載の印字装置によれば、ドライ
フィルムレジストを露光、エッチングしてインク孔を形
成するので、1回のプロセスでインク孔を精度よく作成
することができ、ドライフィルムレジストの膜厚でイン
ク孔の深さを決定することができ、インク孔に充填され
るインク量と多孔板と被印字媒体との間隔を精度よく制
御することができ印字品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印字装置の実施の形態1のインク充填
時を示す断面図である。
【図2】本発明の印字装置の実施の形態1の転写時を示
す断面図である。
【図3】本発明の印字装置の実施の形態1の転写後の状
態を示す断面図である。
【図4】本発明の印字装置を示す断面図である。
【図5】本発明の印字装置の実施の形態1の斜視図であ
る。
【図6】本発明の印字装置の実施の形態1のインク充填
時を示す斜視図である。
【図7】本発明の印字装置のインクタンクの駆動時を示
す斜視図である。
【図8】本発明の印字装置のインク孔プレートの駆動時
を示す斜視図である。
【図9】本発明の印字装置のインク加熱用ヒータと坐屈
変形用ヒータとを備えたインク孔の変形状態を示し、
(a)はインク充填時の非転写部分のインク孔11の概
略斜視図、(b)はインク充填時の転写部分のインク孔
10の概略斜視図、(c)は転写時の非転写部分のイン
ク孔11の概略斜視図、(d)は転写部分のインク孔1
0の概略斜視図である。
【図10】本発明の印字装置のインク加熱用と坐屈変形
用とを兼用したヒータを備えたインク孔の変形状態を示
し、(a)はインク充填時の非転写部分のインク孔11
の概略斜視図、(b)はインク充填時の転写部分のイン
ク孔10の概略斜視図、(c)は転写時の非転写部分の
インク孔11の概略斜視図、(d)は転写部分のインク
孔10の概略斜視図である。
【図11】本発明の印字装置の製造方法1の工程1を示
す断面図である。
【図12】本発明の印字装置の製造方法1の工程2を示
す断面図である。
【図13】本発明の印字装置の製造方法1の工程3を示
す断面図である。
【図14】本発明の印字装置の製造方法1の工程4を示
す断面図である。
【図15】本発明の印字装置の製造方法1の工程5を示
す断面図である。
【図16】本発明の印字装置の製造方法1の工程6を示
す断面図である。
【図17】本発明の印字装置の製造方法1の工程7を示
す断面図である。
【図18】本発明の印字装置の製造方法1の工程8を示
す断面図である。
【図19】本発明の印字装置の製造方法2の工程1を示
す断面図である。
【図20】本発明の印字装置の製造方法2の工程2を示
す断面図である。
【図21】本発明の印字装置の製造方法2の工程3を示
す断面図である。
【図22】本発明の印字装置の製造方法2の工程4を示
す断面図である。
【図23】本発明の印字装置の製造方法3の工程1を示
す断面図である。
【図24】本発明の印字装置の製造方法3の工程2を示
す断面図である。
【図25】本発明の印字装置の製造方法3の工程3を示
す断面図である。
【図26】本発明の印字装置の製造方法3の工程4を示
す断面図である。
【図27】本発明の印字装置の実施の形態2のインク充
填工程のインクタンク駆動時を示し、(a)は印字装置
の斜視図、(b)はインク孔の斜視図である。
【図28】本発明の印字装置の実施の形態2のインク充
填後を示し、(a)は印字装置の斜視図、(b)はイン
ク孔の斜視図である。
【図29】本発明の印字装置の実施の形態2のインク孔
のインク量を示す斜視図である。
【図30】本発明の印字装置の実施の形態2の転写時を
示す断面図である。
【図31】本発明の印字装置の実施の形態3のインク充
填時を示す断面図である。
【図32】本発明の印字装置の実施の形態3のインク孔
のインク量を示す断面図である。
【図33】本発明の印字装置の実施の形態3の転写時を
示す断面図である。
【図34】本発明の印字装置の実施の形態4を示す斜視
図である。
【図35】本発明の印字装置の実施の形態4を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 インク孔プレート 2 インクタンク 3 熱溶融性インク 5 ヒータ 6 紙 7 インク孔 8 インク加熱用ヒータ 12 坐屈変形用ヒータ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の凹型のインク孔が形成され、当該
    インク孔を構成する側面または底部の壁の少なくとも一
    部を変形可能に形成したプレートと、 該プレートのインク孔に熱溶融性インクを充填するイン
    ク充填手段と、 上記プレートのインク孔のうち転写画素に対応するイン
    ク孔のインクを溶融状態にする発熱体と、 上記プレートのインク孔のうち転写画素に対応するイン
    ク孔の側面または底部の壁を熱溶融性インクの転写時に
    変形させる壁変形手段を備えたことを特徴とする印字装
    置。
  2. 【請求項2】 上記プレートのインク孔を構成する変形
    可能な側面または底部の壁を熱変形部材で形成し、 上記発熱体は、熱溶融性インクの溶融及び上記熱変形部
    材の変形を行うことを特徴とする請求項1記載の印字装
    置。
  3. 【請求項3】 上記壁変形手段は、上記インク充填手段
    によるインク充填時に、被印字媒体に転写不必要な画素
    に対応するインク孔の側面または底部の壁をインク孔の
    体積を減少させる方向に変形させることを特徴とする請
    求項1記載の印字装置。
  4. 【請求項4】 上記壁変形手段は、転写必要な画素に対
    応する各インク孔の体積を各画素の濃度に応じた分だけ
    減少させる方向に側面または底部の壁を変形させること
    を特徴とする請求項1記載の印字装置。
  5. 【請求項5】 フォトマスクを介してドライフィルムレ
    ジストをフォトリソグラフィーにより多数のインク孔を
    形成して多孔板を形成し、 該多孔板に発熱体を内蔵した上記インク孔に対向した部
    分に熱により変形する坐屈体を有した基板を貼着したこ
    とを特徴とする印字装置の製造方法。
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