JPH11334085A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法

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JPH11334085A
JPH11334085A JP14901098A JP14901098A JPH11334085A JP H11334085 A JPH11334085 A JP H11334085A JP 14901098 A JP14901098 A JP 14901098A JP 14901098 A JP14901098 A JP 14901098A JP H11334085 A JPH11334085 A JP H11334085A
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JP
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ink
discharge port
recording head
mask
jet recording
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JP14901098A
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English (en)
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Isao Imamura
功 今村
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吐出口面上への撥インク剤層の均一な
形成を課題とする。 【解決手段】 マスク19を介して流路壁形成材料層5
を露光して吐出口14aに相当する孔を形成したのち、
マスク19よりも被覆面積の小さいマスク20を介して
撥インク剤層7を露光し、未硬化部分を除去する。その
後、流路型材を完全に除去することにより吐出口14a
に連通するインク流路12aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式でインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録ヘッドとしては、複
数の微小なインク吐出口とこの吐出口に連通するインク
流路とこのインク流路内に配されインクを上記吐出口か
ら吐出するのに必要な吐出エネルギを発生する吐出エネ
ルギ発生素子を含む構造のものが知られている。このよ
うなインクジェット記録ヘッドは、記録データに基づき
記録媒体の記録面に対してインクを吐出することで所望
の画像を形成することができる。
【0003】図3は、上述のインクジェット記録ヘッド
の一例を示す概略斜視図である。図3において符号10
0はインクジェット記録ヘッドであり、二点鎖線で示さ
れたインクタンクTが装着されるインク供給部200
と、図示が省略されるキャリッジ部に電気的に接続され
キャリッジ部からの駆動制御信号群が入力される入力端
子部300とからなる本体部400と、本体部400の
インク供給部200における被接合面に接合される記録
素子基板500と、記録素子基板500に電気的に接続
され入力端子部300からの駆動制御信号群を供給する
プリント配線基板600とから構成されている。
【0004】ここで、かかるヘッド1の要部を図4
(a)および(b)を参照して説明する。図4(a)は
図3のIV−IV線に沿う縦断面図であり、図4(b)
は図4(a)の拡大断面図である。
【0005】インク供給部200の中央部分には、図4
(a)に示すように、インクタンクTからインクを導く
ために一方の端部がインクタンクTに連結されたインク
供給路2aが設けられている。このインク供給路2aの
他方の端部は、例えばアルミニウム合金からなるブロッ
ク片700の被接合面7aに到達している。このブロッ
ク片700の被接合面7aの上には、上記インク供給路
2aを覆うように記録素子基板500が搭載されてい
る。
【0006】この記録素子基板500は、図4(b)に
示すように、基板10と、この基板10上に配された流
路形成部材12と、この流路形成部材12の上に配され
たオリフィスプレート14とから概略構成されている。
基板10の中央部分には、インク供給路2aの上部と連
通する共通液室10aが形成され、基板10の上部には
共通液室10aを隔てた両側に電気配線10bと共にヒ
ータ部10cが形成されている。上記共通液室10aは
上記基板10と流路形成部材12とオリフィスプレート
14によって形成されるインク流路12aを介してオリ
フィスプレート14は形成されたインク吐出口14aに
連通している。このインク吐出口14aは上記ヒータ部
10cに対向する位置に形成されており、上記記録ヘッ
ドはヒータ部10c上のインクにバブルを急激に発生さ
せ、そのバブルを対向する吐出口14aに向けて成長さ
せることで、その成長の圧力で押し出された所定量のイ
ンクを吐出する、いわゆるサイドシュータタイプのもの
である。なお、図3に示すように、上記記録ヘッドのイ
ンク吐出口14aは互いに平行な2列に配列されてい
る。
【0007】上述のように構成されたインクジェット記
録ヘッドにあっては、図4(b)に示したオリフィスプ
レート14の上表面に撥インク処理を施すことが従来よ
り行っていた。この撥インク処理は、吐出済のインク滴
等が上記オリフィスプレート14の上表面に溜まると、
そのインク滴がインク吐出口14aの一部または全部を
塞ぐおそれがあり、もし一部において閉塞されるとイン
ク吐出方向の偏向、吐出ヨレあるいは不吐出現象が発生
するために、かかる現象を防止するために行われてい
る。
【0008】特開平5−124199号公報は、吐出口
内部に撥インク剤が入らず、吐出口面に精度良く撥イン
ク面を設けることのできるホトリソグラフィーによる撥
インク層の作成方法を開示する。
【0009】次に、図5(a)〜(e)および図6
(a)〜(e)を参照して従来の撥インク層の作成方法
を工程順に説明する。図5(a)〜(e)は従来のイン
クジェット記録ヘッドの製造方法の各工程を示す平面図
であり、図6(a)〜(e)は図5(a)〜(e)にお
ける矢視断面図である。
【0010】まず、例えばSi基板21の上に例えばH
fB2 等からなるヒータ部22を形成したのち、この上
にポジ方レジスト材料等からなる流路型材23を積層す
る(図5(a)および図6(a)参照)。この流路型材
23の上方に第1のマスク24を配置したのち、この第
1のマスク24を介して流路型材23を露光する。これ
により露光された部分のみを除去することで、図6
(b)に示すように所定形状、所定寸法の流路型材23
を得る(流路型材現像工程)。
【0011】次に、この流路型材23および基板21の
上にネガ型レジスト材料等からなる流路壁形成材料層2
5を積層したのち(図5(b)参照)、この層25の上
方に第2のマスク26を配置する(図6(b)参照)。
このマスク26を介して流路壁形成材料層25を露光す
ることにより、露光された部分のみを硬化させ、未硬化
部分を除去する。この除去により、上記流路型材23の
上表面の一部が露出する。除去されて残った空間はイン
ク吐出口に相当する。
【0012】次に、上記流路型材23の一部露出部分お
よび上記流路壁形成材料層25の上に感光性の撥インク
剤層27を積層したのち、この層27の上方に上記第2
のマスク26と同等の第3のマスク28を配置する(図
5(c)および図6(c)参照)。このマスク28を介
して撥インク剤層27を露光することにより、露光され
た部分のみを硬化させ、未硬化部分を除去する(図5
(d)および図6(d)参照)。この除去により、上記
流路型剤23の上表面の一部が露出する。除去されて残
った空間はインク吐出口14aに相当する。
【0013】次に、マスクを使わずに全面照射を行うこ
とにより、流路型材23をすべて除去する(図5(e)
および図6(e)参照)。この除去によりヒータ部22
をインク吐出口14aに連通するインク流路12aが形
成される。
【0014】以上のような工程を経て製造されるインク
ジェット記録ヘッドにあっては、インク吐出口14aを
含む面のみに撥インク剤層27が形成されるに止まり、
インク吐出口14aの内壁面には形成されていない。こ
れは、工程中に用いられるマスクのうち、吐出口形成用
のマスクとしての第2のマスク26と撥インク剤層規定
用のマスクとしての第3のマスク28とは寸法、形状等
の諸条件が同一になっているからである。
【0015】一方、上記のようなインクジェット記録ヘ
ッドを用いるプリンタ等のインクジェット記録装置にお
いては、近時、特に高画質化および高精細化が求められ
ている。このため、インクジェット記録ヘッドのインク
吐出口も微細化される傾向にある。
【0016】このような微細化の要請に応えるために
は、上述の従来の製造方法において、第2のマスク26
と第3のマスク28とをより微細化する必要がある。ま
た、一般に、このようなパターニングのオートアライメ
ント精度の関係から数百nmのズレが生じることもあ
る。
【0017】しかしながら、上述の従来の製造方法で
は、上記第2のマスク26と第3のマスク28とを同一
寸法、同一形状等としているため、マスクのアライメン
ト時に生じるズレによりインク吐出口14aの近傍で撥
インク剤層27が不均一となることがある。この場合、
撥インク剤層27による撥インク性が十分に発現されず
に周辺部にインク溜まりが生じたインク吐出口14aの
インク吐出特性は低下し、高画質化等の要請とは逆に印
字品位の低下を招くおそれがある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造時にお
けるパターニングのアライメント精度等の誤差を十分に
考慮し、インク吐出口面上への撥インク剤層の均一な形
成という課題を解決しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、インクを吐出するための吐出口を含む面
を有するインクジェット記録ヘッドであって、前記吐出
口を含む面のうち、少なくとも前記吐出口を囲繞する面
および前記吐出口の内壁面に撥インク性の表面層が形成
されていることを特徴とする。
【0020】ここで、前記撥インク層は、前記吐出口の
内部側の撥インク性よりも前記吐出口を含む面側の撥イ
ンク性が強い傾斜性を有してもよい。
【0021】また、本発明は、インクを吐出するための
吐出口を含む面を有するインクジェット記録ヘッドの製
造方法であって、前記吐出口を形成したのちに、前記吐
出口を含む面のうち少なくとも前記吐出口を囲繞する面
および該吐出口の内壁面に撥インク性の感光性材料を塗
布し、前記吐出口の寸法よりも小さい寸法のマスクを介
して露光し現像することを特徴とする。
【0022】ここで、前記吐出口に対応する前記マスク
の開口部の面積が前記吐出口の開口面積より小さくて
も、前記吐出口に対応する前記マスクの被覆部の面積が
前記吐出口の開口面積より小さくてもよい。
【0023】本発明においては、アライメント精度の関
係で対象物とマスクとに多少の位置ズレが生じたとして
も、そのズレをマスクと対象物との寸法差で吸収するこ
とができるため、吐出口面に均一に撥インク剤層を形成
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明のイ
ンクジェット記録ヘッドの製造方法の実施形態を説明す
る。
【0025】(実施形態1)図1(a)〜(d)は本発
明のインクジェット記録ヘッドの製造方法の一実施形態
における各工程を示す平面図であり、図2(a)〜
(d)は図1(a)〜(d)における矢視断面図であ
る。
【0026】まず、本発明においても、図5(a)およ
び図6(a)に示した従来の製造方法に従って、例えば
Si基板1の上に例えばHfB2 等からなるヒータ部2
を形成したのち、この上にポジ型レジスト材料(例えば
東京応化(株)製の商品名「ODUR1010」をスピ
ンコート等により塗布し、50℃〜150℃でベークす
ることで流路型材を積層する。次いで、この流路型材3
の上方に所定のマスクを配置したのち、このマスクを介
して所定形状、所定寸法の流路型材3をエネルギ密度4
000mJ/cm2 の光に露光し、露光部分を溶解して
除去する。この流路型材3および基板1の上に下記の組
成を有する流路壁形成材料 (1)EHPE−3158(商品名 ダイセル化学工業(株)製) 100重量部 (2)SP−170(商品名 旭電化工業(株)製) 1.5重量部 (3)ジエチレングリコールモノエチルエーテル 100重量部 をスピンコート等により塗布し、50℃〜140℃でベ
ークすることで流路壁形成材料層5を積層しておく。
【0027】次に、上記流路壁形成材料層5の上方に図
5(b)および図6(b)に示した第2のマスク2bと
同様のマスク19を配置する(図1(a)および図2
(a)参照)。このマスク19を介して流路壁形成材料
層5をエネルギ密度4000mJ/cm2 の光に露光す
る。この露光により、露光された部分は硬化し、未硬化
部分については除去する。この除去により、上記流路型
材3の上表面の一部が露出する。除去されて残った空間
はインク吐出口に相当する。
【0028】次に、流路壁形成材料層5等の上に下記の
組成を有する撥インク剤A: DEFENSA7710(商品名 大日本インキ工業
(株)製)100重量部 をスピンコート等により均一に塗布し、50℃〜80℃
でベークしたのち、インク吐出口14aに相当する部分
に対する被覆面積が上記マスク19よりも小さいマスク
20を介してエネルギ密度4000mJ/cm2 の光に
露光する(図1(b)および図2(b)参照)。この露
光により露光された部分は硬化し、未硬化部分について
は除去する。この除去により撥インク剤層7は複数のイ
ンク吐出口14aを含む面および各インク吐出口14a
の内壁面にも残って形成されている。
【0029】次に、マスクを使わずに全面照射を行うこ
とにより、流路型材をすべて除去する(図1(d)およ
び図2(d)参照)。この除去によりヒータ部2をイン
ク吐出口14aに連通するインク流蝋12aが形成され
る。
【0030】以上のような工程により製造されるインク
ジェット記録ヘッドにあっては、インク吐出口14aを
含む面および各インク吐出口14aの内壁面に撥インク
剤像7が形成されている。これは、上記マスク19およ
びマスク20による被覆面積の差に基づくものである。
本実施形態においては、インク吐出口を形成する際に用
いるマスク19よりも撥インク剤層7を形成する際に用
いるマスク20の被覆面積を小さくし、かつ、撥インク
剤層7を形成する感光性材料としてネガ型のものを用い
ている。逆に、撥インク剤層7を形成する感光性材料と
してポジ型のものを用い、かつ、上記マスク19よりも
上記マスク20の開口面積を小さくしてもよい。
【0031】(実施形態2)本実施形態と先の実施形態
1との相違は、図1(b)および図2(b)に示した撥
インク剤層7を形成する感光性材料の点だけである。本
実施形態では、下記の組成を有する撥インク剤Bを用い
ている。
【0032】 (1)EHPE−3158(商品名 ダイセル化学工業(株)製) 35重量部 (2)2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル) ヘキサフロロプロパン 25重量部 (3)1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフロロイソプロピル)ベンゼン 25重量部 (4)3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2− エポキシプロパン 16重量部 (5)A−187(商品名 日本ユニカー(株)製) 4重量部 (6)SP−170(商品名 旭電化工業(株)製) 1.5重量部 (7)ジエチレングリコールモノエチルエーテル 100重量部 (比較試験)図5(a)〜(e)および図6(a)〜
(e)に示した方法に従って、上記撥インク剤Aおよび
Bを用いてヘッドを製造した(比較例1および2)。こ
れら比較例1および2と先の実施形態1および2とを撥
インク剤層の均一性の観点で比較したところ、比較例
1,2ともに撥インク剤層に不均一の部分があり、これ
が原因とみられる吐出不良が観測された。これに対し、
実施形態1および2では撥インク剤層に不均一の部分が
存在せず、吐出不良は全く観測されなかった。
【0033】また、実施形態1および2をインクのメニ
スカス位置の観点で比較したところ、実施形態1では吐
出口面より内側に安定した位置にメニスカスを観測する
ことができたのに対し、実施形態2では吐出口とほぼ同
じ位置にメニスカスを観測することができた。これは実
施形態2では撥インク剤層7のうち吐出口面の位置にお
いて相対的に強い撥インク性を示し、ヒータ部側におい
て相対的に弱い撥インク性を示すという撥インク性の傾
斜性を有していることから、実施形態1に比べてメニス
カスが吐出口面の位置まで上昇し易くなるためである。
この傾斜性は、撥インク性材料の撥インク性を示す。フ
ッ素部分がエネルギ障害のない空気側方向に配列するた
めに発現するものと考えられる。
【0034】なお、上記実施形態においてはインクを吐
出するのに必要なエネルギを発生する吐出エネルギ発生
素子として電気熱変換素子であるヒータ部を用いたが、
ピエゾ素子等の電気・機械変換素子を用いることができ
る。
【0035】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0036】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0037】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0038】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0039】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0040】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0041】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0042】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0043】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アライメント精度の関係で対象物とマスクとに多少のズ
レが生じたとしても、そのズレをマスクと対象物との寸
法差で吸収することができるため、吐出口面に均一に撥
インク剤層を形成でき、印字品位を著しく向上させるこ
とができる。また、本発明は、近似の高精細化の要請に
伴う吐出口の微細化に対応して、撥インク剤層を精度良
く形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法の一実施形態の各工程を示す平面図で
ある。
【図2】(a)〜(d)は図1の(a)〜(d)におけ
るIIa-IIa 線、IIb-IIb 線、IIc-IIc 線およびIId-IId
線に沿う縦断面図である。
【図3】インクジェット記録ヘッドの一例を示す概略斜
視図である。
【図4】(a)は図3のIV-IV 線に沿う縦断面図であ
り、(b)は(a)の拡大断面図である。
【図5】(a)〜(e)は従来のインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法の各工程を示す平面図である。
【図6】(a)〜(e)は図5の(a)〜(e)におけ
るVIa-VIa 線、VIb-VIb 線、VIc-VIc 線、VId-VId 線お
よびVIe-VIe 線に沿う縦断面図である。
【符号の説明】
1,21 基板 2,22 ヒータ部 3,23 流路型材 5,25 流路壁形成材料層 7,27 撥インク剤層 19,20,24,26,28 マスク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための吐出口を含む面
    を有するインクジェット記録ヘッドであって、 前記吐出口を含む面のうち、少なくとも前記吐出口を囲
    繞する面および前記吐出口の内壁面に撥インク性の表面
    層が形成されていることを特徴とするインクジェット記
    録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記撥インク性の表面層は、前記吐出口
    の内部側の撥インク性よりも前記吐出口を含む面側の撥
    インク性が強い傾斜性を有することを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 インクを吐出するための吐出口を含む面
    を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法であっ
    て、 前記吐出口を形成したのちに、前記吐出口を含む面のう
    ち少なくとも前記吐出口を囲繞する面および該吐出口の
    内壁面に撥インク性の感光性材料を塗布し、前記吐出口
    の寸法よりも小さい寸法のマスクを介して露光し現像す
    ることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記吐出口に対応する前記マスクの開口
    部の面積が前記吐出口の開口面積より小さいことを特徴
    とする請求項3記載のインクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記吐出口に対応する前記マスクの被覆
    部の面積が前記吐出口の開口面積より小さいことを特徴
    とする請求項5記載のインクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101086356B1 (ko) 2004-05-25 2011-11-23 삼성전자주식회사 발수층을 갖는 잉크젯 헤드의 제조방법
JP2014054788A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッド及び画像形成装置

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KR101086356B1 (ko) 2004-05-25 2011-11-23 삼성전자주식회사 발수층을 갖는 잉크젯 헤드의 제조방법
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