JP3165027B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP3165027B2
JP3165027B2 JP6693896A JP6693896A JP3165027B2 JP 3165027 B2 JP3165027 B2 JP 3165027B2 JP 6693896 A JP6693896 A JP 6693896A JP 6693896 A JP6693896 A JP 6693896A JP 3165027 B2 JP3165027 B2 JP 3165027B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にプリンタ、フ
ァクシミリ、デジタル複写機等に供される記録装置に関
し、特に記録紙にインク像を転写する記録装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】上記の記録装置に用いられる方式には、
大きく分けて、液体状のインクをドットに対応するノズ
ルから吹き出し、紙に付着させるインクジェット方式
と、多数の発熱体を一列に並べたサーマルヘッドを使っ
て固体インクを加熱し、紙に転写する感熱転写方式とが
ある。このうち感熱転写方式には、染料系のインクを加
熱することによって昇華させ、紙に転写する昇華型と、
インクを加熱溶融させて紙に付着させる溶融型の二つの
方式がある。ただし、専用紙にしか印刷できない昇華型
感熱転写方式と異なり、溶融型感熱転写方式には、普通
紙にもカラー印刷を実現できるという特徴がある。その
ため、溶融型感熱転写方式は、近年、プリンタ、ファク
シミリ、デジタル複写機等の記録装置に幅広く用いられ
ている。
【0003】溶融型感熱転写方式において、インクリボ
ンは、一度印字すると、印字した部分のインクが普通紙
に転写されるため、印字部分のインクが抜けた状態(イ
ンク抜け状態)となる。このままでは、インクリボンを
再使用することはできないため、使い捨てにせざるをえ
ず、経済性が極めて悪い。そこで、例えば、特開昭61
−95961号公報においては、インクリボンを再生し
て繰り返し利用する感熱転写記録装置が提案されてい
る。
【0004】図10は、その感熱転写記録装置の概略断
面図である。図10において、エンドレスリボン50
は、ベースフィルム51と、インク保有層である微細多
孔層52とからなる。ベースフィルム51の材料として
は、ポリエステル、ポリイミド、セロハン(登録商標)
等があげられる。微細多孔層52の材料としては、ビニ
ル系、アクリル系、繊維系等の樹脂があげられる。イン
ク供給装置53は、インク供給ローラ54と、インクタ
ンク55とから構成されている。このインク供給装置5
3は、インク供給ローラ54により、インクタンク55
内のインク56を、微細多孔層52に供給する。
【0005】紙送りローラ57、リボン送りローラ58
a及び58b、インク塗布対向ローラ59は、記録紙6
0とエンドレスリボン50とが等速度で動くように回転
する。エンドレスリボン50の内側において、記録紙6
0と対向する位置には、電力が供給されると発熱するサ
ーマルヘッド61が、ベースフィルム51に接触するよ
うに備えられている。
【0006】次に、記録紙60へのインクの転写動作を
説明する。インク塗布対向ローラ59とインク供給ロー
ラ54に挟まれた位置において、インク供給ローラ54
から微細多孔層52にインク56が供給される。サーマ
ルヘッド61には、形成しようとする像に応じて選択的
に電力が供給される。サーマルヘッド61は、電力が供
給されると発熱し、ベースフィルム51を通して、微細
多孔層52に保持されたインク56を局部的に溶融し
て、該インク56を記録紙60上に転写する。転写後、
エンドレスリボン50は、インク塗布対向ローラ59と
インク供給ローラ54に挟まれた位置まで移動し、イン
ク供給ローラ54によりインク56が微細多孔層52に
再塗布されるので、再度サーマルヘッド61で加熱する
ことにより印字を繰り返すことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、インク保有層に、印字の最小単位、すなわ
ち、ドット単位の境界がない。そのため、サーマルヘッ
ドにより、インク保有層の1ドットに相当する部分を加
熱すると、インク保有層内の熱拡散のために、インク保
有層の隣接ドットに相当する部分まで熱が伝わってしま
う。そのため、1つのドットの印字濃度が、隣接するド
ットの印字状況によって異なってしまうという問題点が
ある。
【0008】また、多色印字を行う場合には、複数の感
熱転写記録装置を使用し、記録紙上において、複数のイ
ンクを融解することにより色を表現していた。このと
き、この記録紙上における融解、つまり混色が十分でな
い場合には、最後に転写した色が下の色を隠してしまう
ことや、転写するインクの比率により決まる色を、記録
紙上において忠実に発現することができないことがある
などの問題点がある。さらに、記録紙に一旦転写された
インクが、他の色のインク保有層に転移する結果、イン
クリボンを汚してしまうという別の問題点も抱えてい
る。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、1つのドットの印字濃度が、隣接する
ドットの印字状況によって異なることがない、高品位印
刷が可能な記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る記
録装置は、上記の課題を解決するために、インク供給手
段(例えば、インクローラ及びインクタンク)からイン
クが供給される表面層を有し、記録信号に対応してイン
クによって形成される像を、上記表面層から記録媒体
(例えば、用紙)へ転写する中間転写体を備えた記録装
置において、上記表面層は、インク供給手段のインク保
有層に対峙しており、部分的かつ選択的に凸変形できる
部材(例えば、ポリイミドフィルム)で形成されている
ことを特徴としている。
【0011】上記の構成によれば、中間転写体の表面層
はインク保有層に対峙しているので、表面層を部分的に
凸変形させれば、凸変形した部分の頂部は、インク保有
層に接近する。そこで、表面層とインク保有層との対向
間隔を適宜選択することによって、凸変形した部分の頂
部をインク保有層に接触させ、該頂部にインクを付着さ
せることができる。
【0012】さらに、表面層の部分的な凸変形を、記録
信号に対応して選択的に行わせれば、所望のインク像に
対応するように、凸変形した部分の各頂部にそれぞれイ
ンクを付着させることができる。この状態で、表面層に
用紙などの記録媒体を圧接すれば、表面層から記録媒体
へインク像が転写される。
【0013】このように、表面層においてインクを付着
させたい部分のみを凸変形させることは、凸変形した部
分の各頂部に対するインクの付着が互いに独立的に行わ
れることを意味する。すなわち、従来の溶融型感熱転写
方式のように、隣接ドット間で印字状態が互いに熱的に
干渉し合うという問題の解決を図ることができる。した
がって、凸変形した部分の1つの頂部に1つのドットを
対応させることで、1つのドットの印字濃度は、隣接す
るドットの印字状況によって異なるということがなくな
り、高品位印刷を実現することができる。
【0014】請求項2の発明に係る記録装置は、請求項
1記載の中間転写体が、内部に複数の気室を備えてお
り、該気室の体積を選択的に増加させることにより、上
記中間転写体の表面層を部分的かつ選択的に凸変形させ
ることを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、気室とは、少なくと
も気体を充満させ得る仕切られた空間を意味しており、
しかも、気室の体積増加によって上記表面層を凸変形さ
せるようになっている。したがって、気室をドット単位
に形成することにより、例えば気室内の気体の体積を増
大させるという簡便な手法によって、表面層の凸変形
を、ドット単位で選択的かつ部分的に行わせ、その頂部
にインクを付着させることができる。
【0016】上記のように気室内の気体の体積を増大さ
せるには、気室内に気体そのものを注入する手法、気室
に熱を与え、気室内の気体を膨張させる手法、あるいは
気室内に低融点の液体を少量密封し、この液体に熱を与
えて気化させる手法等が考えられる。また、各気室に
は、従来のサーマルヘッドのような発熱体を対置すれば
よく、上記した手法の中から、最も熱効率の良い手法を
選択すればよい。
【0017】なお、気室内に熱媒体としての液体や固体
を充填することもできるが、優れた熱効率で気室の体積
増加を得るには、気室内に少なくとも気体を充満させる
方がよい。また、気体は、液体や固体に比べて温度を調
節することにより、その体積を広範囲に制御することが
可能である。
【0018】請求項3の発明に係る記録装置は、請求項
2記載の構成に加えて、複数の発熱体(例えば、サーマ
ルヘッド)を有し、上記各気室の内部には液体(例え
ば、低級アルコール、メチルエチルケトン、トリエチル
アミン)が密封されており、上記気室を上記発熱体で選
択的に加熱することにより、上記液体を気化させて、上
記気室の体積を増加させることを特徴としている。
【0019】上記の構成によれば、等物質量当たりの体
積を比較したときに、気体の体積は、液体の体積に比べ
て極めて大きいため、加熱により上記気室内の液体が気
化すると、気室の体積が増大し、その気室上の表面層を
効率良く凸変形させることができる。
【0020】また、複数の気室は互いに独立して設けら
れているので、1つの気室に与えた熱は、隣接する気室
に伝導されにくい。すなわち、従来の溶融型感熱転写方
式のように、1つのドットに対応する発熱体からインク
層に与えられた熱が、インク層そのものを介して、隣接
するドットのインク層に伝導されるという熱干渉の問題
が緩和される。したがって、本発明の中間転写体は、ド
ット間の熱的独立性が従来に比べて高い、あるいはドッ
ト間の熱的独立性を保証し得る構成となっている。
【0021】もちろん、ドット間の熱的独立性をより一
層高めるためには、中間転写体を断熱性の高い材料で形
成するとよい。
【0022】また、複数の気室に対応する複数の発熱体
を、集積化の容易な従来のサーマルヘッドで構成するこ
とができるので、高精細な印刷が可能になる。
【0023】さらに、気室内に密封する液体を低沸点の
液体から選択すれば、その液体の気化及び凝縮を速やか
に行わせることができるので、凸変形の応答性が良好と
なる。したがって、インク層自体を加熱する従来の溶融
型感熱転写方式に比べて、高速印刷を実現することがで
きる。
【0024】請求項4の発明に係る記録装置は、請求項
1、2、又は3記載の中間転写体の形状が、ドラム、又
は、無限軌道であることを特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、中間転写体は、イン
ク供給手段に対して循環する形状を備えているので、中
間転写体を繰り返し使用することができ、ランニングコ
ストを抑えることができる。また、中間転写体を繰り返
し使用する構成としたことにより、例えば、記録媒体へ
の転写を終えた使い捨てのインクリボンを一時的に格納
するための廃棄用空間を設ける必要がない。さらに、中
間転写体が平板状であれば、中間転写体を移動させるた
めに、中間転写体の長さと同じ程度のスペースが必要と
なり、記録装置が大型化してしまうが、中間転写体をド
ラム状または無限軌道状としたことにより、中間転写体
を円軌道または長円軌道に沿って循環させることがで
き、円軌道の直径または長円軌道の長径と同じ程度のス
ペースを必要とするだけなので、記録装置本体の小型化
を図ることができる。
【0026】請求項5の発明に係る記録装置は、請求項
1、2、又は3記載のインクが、常温では固体であり加
熱によって溶融するホットメルトインクであることを特
徴としている。
【0027】上記の構成によれば、インク供給手段から
中間転写体の凸変形の頂部に加熱されて液状になったイ
ンクが供給され付着したとしても、液状のインクは、中
間転写体によって熱を奪われ、速やかに凝固する。これ
により、記録媒体への転写前に、中間転写体上でインク
が流れて1ドットあたりのインク像が不鮮明になった
り、隣接ドットのインク像を汚染して印字品位を損なう
ことがなくなる。
【0028】請求項6の発明に係る記録装置は、請求項
1、2、又は3記載の構成に加えて、互いに異なる融点
及び色を持ち、常温では固体であり加熱すると溶融する
ホットメルトインクを保持した複数のインク保有層を、
融点の高い順に、上記表面層に対峙するように配設した
ことを特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、複数のインク保有層
を、融点の高い順に、上記表面層に対峙するように配設
したので、中間転写体には融点の高い順にインクを付着
させることができる。したがって、カラー画像に対応す
る色別の記録信号に基づいて、上記表面層が複数のイン
ク保有層に対峙する毎に、対峙した表面層を凸変形させ
るように構成すれば、同一の凸変形の頂部に融点の高い
インクから順に積層的に付着させることができる。
【0030】この場合、融点の高いインクの上に融点の
低いインクが付着するため、付着済みのインクを融解さ
せることのないよう、複数のインク保有層の温度調節を
することが可能になる。これにより、インク保有層に、
そのインク保有層が保持する色以外の色のインクが転移
することがない。そのため、インク保有層が、そのイン
ク保有層が保持している色を、変色することなく中間転
写体に供給することができ、高品位のカラー印刷を実現
できる。
【0031】また、複数のインクを、中間転写体上にお
いて重ね合わせた後に、記録媒体に1度に転写するた
め、色ずれの恐れがない。さらに、記録媒体への転写
は、全てのインクが十分に溶融する温度で加熱転写する
ようにすれば、画素ごとの混色を十分に行うことができ
る。このため、画素ごとに、転写するインクの比率によ
り決まる色を、記録媒体上において忠実に発現すること
ができ、高品位のカラー印刷を実現できる。
【0032】請求項7の発明に係る記録装置は、請求項
2又は3記載の気室の体積増加量を調節することによ
り、上記表面層の凸変形量を制御することを特徴として
いる。
【0033】上記の構成によれば、気室の体積増加量を
大きくすることにより、表面層の凸変形量を大きくする
ことができる。表面層の凸変形量が大きくなると、イン
ク保有層に接触する凸変形頂部の面積が大きくなるた
め、凸変形頂部に対するインクの付着面積が大きくな
る。すなわち、1ドットあたりのインク像の径が大きく
なる。一方、表面層の凸変形量が小さくなると、この逆
の結果となる。このように、気室の体積増加量を調節す
ることで、1ドットあたりのインク像の大きさを変化さ
せることができる。
【0034】これにより、画像における濃色の領域に対
して、対応する気室の体積増加量を大きくし、薄色の領
域に対して、対応する気室の体積増加量を小さくすると
いう制御によって、本発明に係る記録装置は、濃淡の階
調表現を実現できる。
【0035】請求項8の発明に係る記録装置は、請求項
3記載の構成に加えて、1画素に、1つの発熱体を対応
させると共に、1つの発熱体で複数個の気室が加熱され
るように、1つの発熱体に複数個の気室を対応させたこ
とを特徴としている。
【0036】ここで、画素とは、印字するかしないかを
選択できる最小単位のことであり、これまでの説明に用
いたドットとは、1つの凸変形によって印字される印字
の最小単位のことである。
【0037】上記の構成によれば、1画素に複数個の気
室を対応させているので、1画素を複数ドットで表現す
ることができる。この場合の利点としては、1つの発熱
体に対する複数個の気室の配置の仕方によって、1画素
の形を任意に調整できるということである。例えば、1
画素の形が正方形に近くなるように、1つの発熱体に対
して複数個の気室を配置すれば、記録媒体上に転写され
た文字のエッジが、1画素を1ドットで表現した場合と
比べて、よりシャープに表現される。これにより、印字
品位を向上させることができる。
【0038】請求項9の発明に係る記録装置は、請求項
4記載の構成に加えて、インク像を記録媒体に転写後
に、上記表面層に残留するインクを除去するクリーニン
グ手段を備えていることを特徴としている。
【0039】上記の構成によれば、表面層にインクが残
留したままの状態で、次の印字動作を行うと、残留イン
クによる画像の汚れが発生するが、クリーニング手段を
備えたことにより、表面層の汚れによる画質の低下を生
じることなく、中間転写体を繰り返し使用することがで
きる。これにより、本発明に係る記録装置は、中間転写
体を繰り返し使用しても高品位印刷を維持することがで
きる。
【0040】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕発明の実施の一形態について図1乃至
図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0041】図2は本発明に係る記録装置の構成図であ
る。図2に示すように、この記録装置は、表面層を選択
的に凸変形できる部材で形成した中間転写体1と、上記
中間転写体1上に備えられた、クリーニング装置2(ク
リーニング手段)、インク供給装置3及び定着装置4、
該中間転写体1を挟んでインク供給装置3と対置された
サーマルヘッド5及び中間転写体送りローラ7より構成
されており、すべて、記録紙6よりも十分に大きな幅を
持っているものとする。
【0042】上記記録装置は、先ず、インク供給装置3
により供給されたホットメルトインク14を用いて、イ
ンク像を中間転写体1上に作り、該中間転写体1上のイ
ンク像を、定着装置4において記録紙6に転写すること
を特徴としている。中間転写体1は、無限軌道となって
おり、記録紙への転写を終えた中間転写体1をクリーニ
ング装置2により清浄な状態に戻すことで、繰り返し使
用することができるようになっている。
【0043】クリーニング装置2は、クリーニングロー
ラ8、クリーニングブレード9、廃インク溜め10によ
り構成されている。クリーニングローラ8は加熱されて
おり、記録紙への転写を終えた後に中間転写体1に残留
した固体状のインクを溶融して拭き取る。クリーニング
ローラ8上のインクが中間転写体1に再付着することを
防ぐために、クリーニングローラ8上のインクは、クリ
ーニングブレード9によって除去され、廃インク溜め1
0に回収される。
【0044】インク供給装置3は、請求項に記載のイン
ク供給手段に相当しており、転写ローラ11(インク保
有層)と、インクローラ12と、インクタンク13とを
備えている。
【0045】図3は、このインク供給装置3の詳細断面
図である。インクタンク13には上述のホットメルトイ
ンク14(以下、インク14と略称する)が入ってい
る。ここで、ホットメルトインクとは、常温では固体で
あり、加熱によって溶融するインクのことをいう。この
インク14は、ヒータ15で加熱されて適当な粘度でイ
ンクローラ12に供給される。インクローラ12は加熱
されており、インク14が供給されると、これを適当な
粘度に保持しつつインク膜16を形成する。そして、イ
ンク膜16は、転写ローラ11にインク14を供給す
る。
【0046】転写ローラ11もまた加熱されており、イ
ンク14がインク膜16により供給されると、これを適
当な粘度に保持しつつ、膜厚が一定であるインク膜17
を形成する。そして、インク膜17は、中間転写体1の
後述する変形部18が凸状に変形したとき、該変形部1
8にインク14を付着させる。なお、この機構について
は後に詳細に述べる。
【0047】図2の定着装置4は、定着ローラ19と、
前側記録紙ガイド20aと、後側記録紙ガイド20bと
により構成されている。インク供給装置3において形成
した中間転写体1上のインク像は、中間転写体1がイン
ク供給装置3から定着装置4に移動するまでの間に、冷
えて固化しているが、定着ローラ19は加熱されている
ため、中間転写体1上のインク像を溶融して、記録紙6
に転写することができる。なお、低融点インクを使用す
ることにより、液状のまま転写する構成にして、定着ロ
ーラ19の加熱を省略することも可能である。
【0048】図1は、上記中間転写体1の部分拡大図で
ある。中間転写体1は、ベースフィルム21と、多数の
小穴22があけられたメッシュフィルム23と、転写フ
ィルム24(表面層)とから構成されている。ベースフ
ィルム21上にメッシュフィルム23が積層され、その
上に各小孔22の開口部を覆う転写フィルム24が積層
されている。
【0049】べースフィルム21は、サーマルヘッド5
と直接接触するため、例えばポリイミドのような耐熱性
のある樹脂がよい。また、転写フィルム24について
も、溶融されたインク14が載るため、例えばポリイミ
ドのような耐熱性のある樹脂が好ましい。
【0050】次に、メッシュフィルム23の小穴22
は、感光性樹脂にメッシュ形状をパターニング後、エッ
チングして作製したり、ポリイミド等の樹脂にエキシマ
レーザを使用して穴を開けて作製したりすることができ
る。この小穴22の配列パターンは、中間転写体1の進
行方向(図1中に矢印で示す)に対し直角を成す方向に
1列の小穴22が整列され、さらに中間転写体1の進行
方向に複数列が形成されるように構成されている。この
ような配列パターンにより、中間転写体1の進行方向に
対し直角に設けられたサーマルヘッド5と、1列の小穴
22とが同時に対向し得るようになっており、この際、
サーマルヘッド5が備える複数の発熱素子と小穴22と
が1対1に対応するようになっている。さらに、中間転
写体1の進行と共に、各列の小穴22が順次サーマルヘ
ッド5上を通過していく構成となっている。
【0051】また、好ましくは、上記中間転写体1を製
造する際に、ベースフィルム21、メッシュフィルム2
3、転写フィルム24を積層した後に圧力をかけて、転
写フィルムの小穴22上の凸状に変形することができる
部分(前述の変形部18)に少したるみを作っておくと
よい。このようにすれば、変形部18が変形しやすくな
る。
【0052】小穴22は、積層の結果、べースフィルム
21及び転写フィルム24により囲まれることになり、
密閉され独立した空間である気室25を形成する。この
気室25には、低沸点の液体26が入っている。この液
体26は、ベースフィルム21とメッシュフィルム23
とを接着した後、転写フィルム24を接着する前に封入
される。封入する低沸点の液体26としては、エタノー
ル、IPA(イソプロピルアルコール)のような低級ア
ルコールや、メチルエチルケトン、トリエチルアミン等
の有機化合物が好ましい。
【0053】上記の構成において、上記中間転写体1へ
のインク14の転写を、図4を用いて説明する。
【0054】最初に、図4(a)に示すように、転写ロ
ーラ11の配設位置あるいはその少し手前に配されたサ
ーマルヘッド5により、中間転写体1の進行方向(図4
中に矢印で示す)に対し直角を成す方向に配列された1
列の気室25に対し、選択的に加熱を開始する。する
と、図4(b)に示すように、サーマルヘッド5の熱に
より、加熱された気室25内の液体26が気化して、気
室25が膨張し、転写フィルム24の変形部18が、転
写ローラ11に向かって凸状に変形する。
【0055】変形部18は、凸状に変形しない状態で
は、転写ローラ11のインク膜17に接触しないが、凸
状に変形すると、中間転写体1及び転写ローラ11間の
間隔設定によって、インク膜17に接触する(図4
(c))。この結果、図4(d)に示すように、凸状に
変形した変形部18の頂部にインク14が付着する。こ
のような凸状の変形は、記録信号に対応して選択的に行
われるので、中間転写体1上に記録信号に対応したイン
ク像が形成される。
【0056】なお、変形部18は、インク14の付着
後、気室25へのサーマルヘッド5による加熱が無くな
るため、図4(e)に示すように、気室25内の気化し
ていた液体26が冷えて凝縮する結果、直ぐに元の形状
に戻る。このような変形部18の変形の応答速度は、液
体26に与えられる熱量を一定とすれば、液体26の沸
点が低い方が良好となる。ただし、記録装置の使用環境
温度によって気化してしまうことのない液体から選択す
る必要が有る。
【0057】次に、サーマルヘッド5に供給する電力量
を制御することにより、サーマルヘッド5が放出する熱
量を変化させることができるため、これを利用して画像
の濃度を階調表現することができる。図5にその様子を
示す。図5(b)では、図5(a)よりもサーマルヘッ
ド5が、気室25内の液体26に与える熱量が小さいた
め、気化する液体が少なく、変形部18の変形量が小さ
くなる。したがって、図5(a)と比較し、図5(b)
の方が、転写ローラ11上のインク膜17に接触する変
形部18の頂部の面積が小さくなるため、中間転写体1
上のインクドット(図中の黒丸)の半径が小さくなる。
このように、気室25に与える熱量を調整し、変形部1
8の変形量を変えることによって、インクドットの面積
を変化させることができるので、インクドットの面積変
化による画像濃度の階調表現、すなわち面積階調を実現
することができる。
【0058】ここまでの説明では、サーマルヘッド5の
1つの電極対に1つの気室25を対応させ、図6(a)
に示すように、1つの変形部18を印字の最小単位であ
る1ドットに対応させていた。この場合、印字するかし
ないかを選択できる画像形成の最小単位を意味する画素
と、印字の最小単位であるドットとが、いずれも1つの
変形部18に対応することになる。
【0059】これに対し、サーマルヘッド5の各発熱素
子に隣合う複数の気室25を対応させ、1つの発熱素子
で複数の変形部18を凸変形させることにより、図6
(b)に示すように、1画素を複数ドットで表現するよ
うに構成してもよい。さらに、気室25をより細かく多
数形成して、1ドットの大きさをより小さくした上で、
例えば1画素を正方形の4隅に配された4つのドットで
表現すれば、印字品位を向上させることができる。
【0060】すなわち、インク14は定着するとき、図
6(a)(b)に示すように、ドット中央を中心として
紙に広がり、気室の間に対応する部分にも広がるが、こ
のとき、図6(b)のドット配置の方が、1画素の形状
が正方形に近くなるため、文字のエッジをシャープに表
現できるからである。なお、ここでは、1つのサーマル
ヘッドに、4つの気室を対応させたが、対応させる気室
の数については、これに限るものではない。
【0061】以上のように、本実施の形態に係る記録装
置において、中間転写体1へのインク14の転写は、熱
的に独立した気室25の膨張により、該気室25上の変
形部18を、インク膜17に接触させることにより行わ
れる。したがって、1つの気室をサーマルヘッド5によ
り加熱したときに、その熱拡散が隣接する気室25には
及ばない。つまり、中間転写体1を部分的かつ選択的に
凸変形させることができる。これにより、1つのドット
の印字濃度が、隣接するドットの印字状況によって異な
るということがなく、高品位印刷を実現できる。
【0062】また、変形部18の変形、元の状態への復
帰は、気室25内の液体26の気化及び気化した気体の
凝縮により行われるため、高速印刷にも対応できる。
【0063】さらに、中間転写体1の形状は無限軌道で
あり、インク14の転写後に中間転写体1上の残留イン
クを加熱除去するクリーニング装置2を備えているた
め、中間転写体1の汚れによる画質の低下を招くことな
く、一つの中間転写体1を繰り返し使用可能である。し
たがって、ランニングコストの削減及び高品位印刷が可
能である。
【0064】さらに、気室25内の液体の気化は、サー
マルヘッド5の加熱により行われる構成である。サーマ
ルヘッド5は集積化が容易なので、高精細な印刷が可能
である。また、サーマルヘッド5の発熱量は、入力電力
の大きさによって制御することができる。これにより、
該発熱量に応じて液体26の気化する量を調節し、変形
部18の凸変形量を変えることにより、面積階調表現に
も対応できる。
【0065】そして、サーマルヘッド5の1つの発熱素
子に複数の気室25を対応させることにより、1つの画
素の形を正方形に近くなるように配置すれば、1つの画
素を1つのドットで表現した場合と比べて、文字のエッ
ジがよりシャープに表現されるので、印字品位を向上さ
せることができる。
【0066】本実施の形態に係る記録装置は、インク1
4として、常温では固体であり加熱によって溶融するホ
ットメルトインクを用いている。これにより、中間転写
体1上にインク像を形成した後、記録紙6への転写まで
の間は、インク像のインクが冷却されて凝固しているの
で、中間転写体1上でインク14が流れて周りの画素を
汚染して印字品位を損なうことがない。
【0067】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について、図7乃至図9に基づいて、以下に説明する。
なお、説明の便宜上、前記の実施の形態の図面に示した
部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
して、その説明を省略する。
【0068】図7は、図8に示すイエローのインク27
Y、マゼンタのインク27M、シアンのインク27C、
ブラックのインク27Bをそれぞれ供給するインク供給
装置3Y、3M、3C、3Bを、中間転写体1の表面近
傍に備えることによりカラー印刷を可能とした記録装置
の一例である。各インク供給装置3Y、3M、3C、3
Bは、転写ローラ11Y、11M、11C、11Bを個
別に備え、各転写ローラ11Y、11M、11C、11
Bに、サーマルヘッド5Y、5M、5C、5Bがそれぞ
れ対置されている。
【0069】このとき、4つのインク供給装置3Y、3
M、3C、3Bは、インク27Y、27M、27C、2
7Bについて、融点の高いものから順に中間転写体1上
に転写できるように並べられている。すなわち、融点
は、イエローのインク27Yの融点TY が最も高く、マ
ゼンタのインク27Mの融点TM 、シアンのインク27
Cの融点TC と低くなり、ブラックのインク27Bの融
点TB が最も低い(TY>TM >TC >TB )。また、
それぞれの転写ローラ11Y、11M、11C、11B
は、中間転写体1上に転写済みのインクを融解させるこ
とがないような温度、つまり、直前の転写ローラが保持
するインクの融点よりも低い温度で、インク27Y、2
7M、27C、27Bをそれぞれ保持しているものとす
る。
【0070】図8は、図7に示した感熱記録装置の転写
ローラ11Y、11M、11C、11B付近の断面図で
ある。以下に、図8にしたがって、上記の4色を中間転
写体1上に転写する一工程を説明する。転写ローラ11
Yで転写されたインク27Yは、空気中や中間転写体1
に放熱することによって、次の転写ローラ11Mを通過
するまでに凝固する。次の転写ローラ11Mでインク2
7Mをインク27Y上に載せるとき、インク27Mの温
度は、インク27Mの融点TM よりも高いが、1番目に
転写したインク27Yの融点TY よりは低くなるように
転写ローラ11Mの加熱温度が制御されているので、最
初に転写したインク27Yを融解させることなく、2番
目のインク27Mを中間転写体1上に転写できる。
【0071】このようにして、あるインクを中間転写体
1上に転写するときには、そのインクの温度が、そのイ
ンクの融点よりは高いが、それ以前に中間転写体1上に
転写済みのインクの融点よりも低い温度になるように、
インク27Y、27M、27C、27Bが順に中間転写
体1上の同一部分に重ねられる。最後に、図7の定着ロ
ーラ19は、全てのインク27Y、27M、27C、2
7Bの融点よりも高い温度に保たれているので、重ねら
れたインク27Y、27M、27C、27Bは全て溶融
し、互いによく混ざり合った状態で記録紙6に転写され
る。
【0072】また、本発明の中間転写体は図9のように
ドラム状に構成することも可能である。ドラム状の中間
転写体1’の周りに、中間転写体1’の回転方向(図中
に矢印で示す)に沿って、クリーニング装置2、インク
供給装置3Y、3M、3C、3B、定着ローラ19を配
設する。また、インク供給装置3Y、3M、3C、3B
に対応する中間転写体1の内側にサーマルヘッド5Y、
5M、5C、5Bを配置する。このように構成すること
により、中間転写体1の形状を無限軌道とした場合と比
べて、記録装置のコンパクト化を図ることができる。
【0073】以上のように、本実施の形態に係る記録装
置においては、中間転写体1上に転写するインクの融点
を色毎に異ならせ、各インクを、融点の高いインクより
順に、中間転写体1上に転写済みのインクを融解させる
ことがないよう、中間転写体1上に転写していく。この
ため、転写ローラ11Y、11M、11C、11Bの各
々のインク膜に、該インク膜が保持する色以外の色のイ
ンクが転移することがない。したがって、記録装置は、
その記録装置が保持している色を、変色することなく中
間転写体1に転写することができるので、高品位のカラ
ー印刷を実現できる。
【0074】また、複数のインクを、中間転写体1上に
おいて重ね合わせた後に、記録紙6に1度に転写する構
造なので、従来のように複数回の記録紙への転写を経て
カラー印刷を行う場合と異なり、高速印刷が実現でき、
また色ずれの心配がない。
【0075】さらに、中間転写体1から記録紙6に転写
するときは、重ね合わせた複数のインクを、定着ローラ
19で、全てのインクが十分に溶融する温度で加熱転写
するために、画素ごとに、転写するインクの比率により
決まる色を、記録紙6上において忠実に発現することが
できる。
【0076】
【発明の効果】請求項1の発明に係る記録装置は、以上
のように、記録信号に対応してインクによって形成され
る像を、記録媒体へ転写する中間転写体の表面層が、イ
ンク供給手段のインク保有層に対峙しており、部分的か
つ選択的に凸変形できる部材で形成されている構成であ
る。
【0077】それゆえ、中間転写体の表面層において、
記録信号に対応してインクを付着させたい部分のみを凸
変形させるので、凸変形した部分の各頂部に対するイン
クの付着を互いに独立的に行わせることができる。すな
わち、凸変形した部分の1つの頂部に1つのドットを対
応させることで、1つのドットの印字濃度は、隣接する
ドットの印字状況によって異なるということがなくな
る。この結果、従来の溶融型感熱転写方式のように、隣
接ドット間で印字状態が互いに熱的に干渉し合うという
問題の解決を図ることができ、高品位印刷を実現するこ
とができるという効果を奏する。
【0078】請求項2の発明に係る記録装置は、以上の
ように、請求項1記載の中間転写体が、内部に複数の気
室を備えており、該気室の体積を選択的に増加させるこ
とにより、上記中間転写体の表面層を部分的かつ選択的
に凸変形させる構成である。
【0079】それゆえ、気室の体積増加によって上記表
面層を凸変形させるようになっているので、中間転写体
内の気室をドット単位に形成することにより、表面層の
凸変形を、ドット単位で選択的かつ部分的に行わせるこ
とができる。また、例えば気室内の気体の体積を増大さ
せるという簡便な手法によって、高品位印刷を実現する
ことができるという効果を、請求項1の発明による効果
に加えて奏する。
【0080】請求項3の発明に係る記録装置は、以上の
ように、請求項2記載の構成に加えて、複数の発熱体を
有し、上記各気室の内部には液体が密封されており、上
記気室を上記発熱体で選択的に加熱することにより、上
記液体を気化させて、上記気室の体積を増加させる構成
である。
【0081】それゆえ、液体の気化による体積膨張を利
用することによって、その気室上の表面層を効率良く凸
変形させることができる。また、複数の気室は互いに独
立して設けられているので、1つの気室に与えた熱は、
隣接する気室に伝導されにくい。すなわち、本発明の中
間転写体は、ドット間の熱的独立性を従来に比べて高め
ることができる、あるいはドット間の熱的独立性を保証
し得る構成となっている。さらに、複数の発熱体を、従
来どおり、集積化の容易なサーマルヘッドで構成するこ
とができるので、高精細な印刷が可能である。その上、
気室内に密封する液体を低沸点の液体から選択すれば、
その液体の気化及び凝縮を速やかに行わせることができ
るので、凸変形の応答性が良くなり、従来に比べて、高
速印刷を実現することもできるという種々の効果を、請
求項2の発明による効果に加えて奏する。
【0082】請求項4の発明に係る記録装置は、以上の
ように、請求項1、2、又は3記載の中間転写体の形状
が、ドラム、又は、無限軌道である構成である。
【0083】それゆえ、中間転写体をインク供給手段に
対して循環させ、繰り返し使用することができる。ま
た、中間転写体が平板状であれば、中間転写体を移動さ
せるために、中間転写体の長さと同じ程度のスペースが
必要となり、記録装置が大型化してしまうが、中間転写
体をドラム状または無限軌道状としたことにより、中間
転写体を円軌道または長円軌道に沿って循環させること
ができ、円軌道の直径または長円軌道の長径と同じ程度
のスペースを必要とするだけで済む。したがって、請求
項1、2、又は3の発明による効果に加えて、ランニン
グコストを抑えることができ、かつ、記録装置本体の小
型化を図ることができるという効果を併せて奏する。
【0084】請求項5の発明に係る記録装置は、以上の
ように、請求項1、2、又は3記載のインクが、常温で
は固体であり加熱によって溶融するホットメルトインク
である構成である。
【0085】それゆえ、溶融したインクの熱を中間転写
体に奪わせ、中間転写体上でインクを速やかに凝固させ
ることができるので、記録媒体への転写前に、中間転写
体上でインクが流れて1ドットあたりのインク像が不鮮
明になったり、周りの画素を汚染するということがない
ため、請求項1、2、又は3の発明による効果に加え、
更なる印字品位の向上という効果を奏する。
【0086】請求項6の発明に係る記録装置は、以上の
ように、請求項1、2、又は3記載の構成に加えて、互
いに異なる融点及び色を持ち、常温では固体であり加熱
すると溶融するホットメルトインクを保持した複数のイ
ンク保有層を、融点の高い順に、上記表面層に対峙する
ように配設する構成である。
【0087】それゆえ、複数のインク保有層の温度調節
によって、表面層に付着済みの融点の高いインクを融解
させないように、その上に融点の低いインクを重ねるこ
とができる。したがって、インク保有層に、そのインク
保有層が保持する色以外の色のインクが転移することが
ない。また、複数のインクを、中間転写体上において重
ね合わせた後に、記録媒体に1度に転写するため、色ず
れの恐れがない。さらに、記録媒体への転写は、全ての
インクが十分に溶融する温度で加熱転写するようにすれ
ば、画素ごとの混色を十分に行うことができる。これに
より、画素ごとに、転写するインクの比率により決まる
色を、記録媒体上において忠実に発現することができ
る。したがって、請求項1、2、又は3の発明による効
果に加え、高品位のカラー印刷を実現できるという効果
を奏する。
【0088】請求項7の発明に係る記録装置は、以上の
ように、請求項2又は3記載の気室の体積増加量を調節
することにより、上記表面層の凸変形量を制御する構成
である。
【0089】それゆえ、気室の体積増加量を変化させる
と、インク保有層に接触する凸変形頂部の面積が変わる
ので、1ドットあたりのインク像の大きさを変化させる
ことができる。したがって、画像における濃色の領域に
対して、対応する気室の体積増加量を大きくし、薄色の
領域に対して、対応する気室の体積増加量を小さくする
という制御によって、濃淡の階調表現を実現できるとい
う効果を、請求項2又は3の発明による効果に加えて奏
する。
【0090】請求項8の発明に係る記録装置は、以上の
ように、請求項3記載の構成に加えて、1画素に、1つ
の発熱体を対応させると共に、1つの発熱体で複数個の
気室が加熱されるように、1つの発熱体に複数個の気室
を対応させた構成である。
【0091】それゆえ、1つの発熱体に対する複数個の
気室の配置の仕方により、1つの画素の形を任意に調整
することができるので、例えば、印刷した文字のエッジ
をよりシャープに表現することができる。したがって、
請求項3の発明による効果に加え、更なる印字品位の向
上を実現できるという効果を奏する。
【0092】請求項9の発明に係る記録装置は、以上の
ように、請求項4記載の構成に加えて、インク像を記録
媒体に転写後に、上記表面層に残留するインクを除去す
るクリーニング手段を備えている構成である。
【0093】それゆえ、中間転写体の汚れによる画質の
低下を生じることなく、中間転写体を繰り返し使用する
ことができる。したがって、請求項4の発明による効果
に加え、中間転写体を繰り返し使用しても高品位印刷を
維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すものであり、中間
転写体の一部断面を有する要部拡大図である。
【図2】上記実施の形態における中間転写体を設けた記
録装置を示す構成図である。
【図3】図2に示すインク供給装置の細部を模式的に示
す断面図である。
【図4】(a)〜(e)は、上記実施の形態における転
写過程を示す説明図である。
【図5】(a)(b)は、上記実施の形態における階調
表現を示す説明図である。
【図6】(a)は、1画素に1ドットを対応させた場合
の画素形状を示す説明図、(b)は、1画素に複数ドッ
トを対応させた場合の画素形状を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示すものであり、カ
ラー記録装置を示す構成図である。
【図8】上記カラー記録装置によるカラー印刷過程を示
す説明図である。
【図9】上記カラー記録装置の他の構成例を示す説明図
である。
【図10】従来例に係る記録装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 中間転写体 1’ 中間転写体 2 クリーニング装置(クリーニング手段) 3 インク供給装置(インク供給手段) 3Y インク供給装置(インク供給手段) 3M インク供給装置(インク供給手段) 3C インク供給装置(インク供給手段) 3B インク供給装置(インク供給手段) 5 サーマルヘッド(発熱体) 5Y サーマルヘッド(発熱体) 5M サーマルヘッド(発熱体) 5C サーマルヘッド(発熱体) 5B サーマルヘッド(発熱体) 6 記録紙(記録媒体) 11 転写ローラ(インク保有層) 11Y 転写ローラ(インク保有層) 11M 転写ローラ(インク保有層) 11C 転写ローラ(インク保有層) 11B 転写ローラ(インク保有層) 14 ホットメルトインク 18 変形部 24 転写フィルム(表面層) 25 気室 26 液体 27Y インク 27M インク 27C インク 27B インク

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク供給手段からインクが供給される表
    面層を有し、記録信号に対応してインクによって形成さ
    れる像を、上記表面層から記録媒体へ転写する中間転写
    体を備えた記録装置において、 上記表面層は、インク供給手段のインク保有層に対峙し
    ており、部分的かつ選択的に凸変形できる部材で形成さ
    れていることを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】上記中間転写体は、内部に複数の気室を備
    えており、該気室の体積を選択的に増加させることによ
    り、上記中間転写体の表面層を部分的かつ選択的に凸変
    形させることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】複数の発熱体を有し、上記各気室の内部に
    は液体が密封されており、 上記気室を上記発熱体で選択的に加熱することにより、
    上記液体を気化させて、上記気室の体積を増加させるこ
    とを特徴とする請求項2記載の記録装置。
  4. 【請求項4】上記中間転写体の形状が、ドラム、又は、
    無限軌道であることを特徴とする請求項1、2、又は3
    記載の記録装置。
  5. 【請求項5】上記インクが、常温では固体であり加熱に
    よって溶融するホットメルトインクであることを特徴と
    する請求項1、2、又は3記載の記録装置。
  6. 【請求項6】互いに異なる融点及び色を持ち、常温では
    固体であり加熱すると溶融するホットメルトインクを保
    持した複数のインク保有層を、融点の高い順に、上記表
    面層に対峙するように配設したことを特徴とする請求項
    1、2、又は3記載の記録装置。
  7. 【請求項7】上記気室の体積増加量を調節することによ
    り、上記表面層の凸変形量を制御することを特徴とする
    請求項2又は3記載の記録装置。
  8. 【請求項8】1画素に、1つの発熱体を対応させると共
    に、1つの発熱体で複数個の気室が加熱されるように、
    1つの発熱体に複数個の気室を対応させたことを特徴と
    する請求項3記載の記録装置。
  9. 【請求項9】インク像を記録媒体に転写後に、上記表面
    層に残留するインクを除去するクリーニング手段を備え
    ていることを特徴とする請求項4記載の記録装置。
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