JP2004142277A - 隆起印刷方法 - Google Patents

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Toshiyuki Hayashi
林 利之
Takayuki Owada
大和田 隆之
Hideo Nagasawa
長澤 秀雄
Yuji Tazoe
田添 勇二
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Abstract

【課題】多種の固定情報を少量ずつ隆起印刷する場合や可変情報を隆起印刷する場合に適するとともに、容易に多色刷りの隆起印刷を行える隆起印刷方法を提供する。
【解決手段】基材にインキ滴を噴射して、該基材上にインキ画像を形成する工程(ステップS101)と、インキ画像が未乾燥のうちに、基材上に樹脂粉末を堆積させる工程(ステップS102)と、基材上に堆積させた樹脂粉末のうち、インキ画像が形成されていない領域上に堆積した分を除去する工程(ステップS103)と、基材を加熱して、インキ画像を隆起させる工程(ステップS104)とを有する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材の表面に文字や画像などを隆起させた状態で形成する隆起印刷方法に関し、特に、基材ごとに異なる文字や画像を基材から隆起させた状態で形成できる隆起印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録紙などの基材上に文字や画像など(以下、絵柄という)を隆起させた状態で形成する方法として「隆起印刷」がある。
隆起印刷を行う従来の方法としては、下記▲1▼〜▲3▼のような方法があった。
【0003】
▲1▼スクリーン印刷によって発泡インキを印刷する方法
この方法は、発泡性を持つ特殊なインキを用いて絵柄を印刷し、印刷を施した基材を加熱してインキ自体を膨張させて絵柄を隆起させる方法である。
【0004】
▲2▼スクリーン印刷によってインキを厚盛りする方法
この方法は、スクリーン印刷に用いる一般的なインクを通常の印刷時よりも厚く印刷する方法である。
【0005】
▲3▼フレキソ印刷などで印刷した部分に発泡パウダーを付着させる方法
この方法は、印刷したインキが乾燥してしまわない内に発泡パウダーを基材に振りかけて印刷した部分に吸着させ、不要な発泡パウダーを吸引除去した後に基材を加熱し、発泡パウダーを膨張させて絵柄を隆起させる方法である。
この方法の一例として特許文献1に開示される「印刷面の改善方法」や特許文献2に開示される「画像盛り上げ印刷方法」がある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭48−5515号公報
【特許文献2】
特開昭52−105013号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1や2に記載の発明を含め、上記▲1▼〜▲3▼の各方法はいずれも版を用いて絵柄を印刷しているため、単一の絵柄(以下、固定情報という)の印刷物を大量に製造する場合には適した方法であるが、多種の固定情報を少量ずつ印刷する場合や、基材ごとに異なる絵柄(以下、可変情報という)を印刷する場合には適切な方法とはいえなかった。
【0008】
換言すると、版を使用した印刷方法では、印刷する絵柄を変更するためには版自体を交換する必要がある。すなわち、固定情報を印刷する場合であっても、同一の固定情報について少量ずつ印刷しようとすると、固定情報の種類分だけの版を製版して用意しなければならないこととなる。しかも、多種の固定情報を少量ずつ印刷する場合には、版を交換する作業中を頻繁に行わなければならなくなる。
これらの問題は、可変情報を印刷しようとする場合には、さらに顕著に現れることとなる。
【0009】
また、版を用いて多色刷りを行う場合には、異なる色の単色刷りを複数回行わなければならない。例えば、フルカラー印刷を行う場合は、シアン、イエロー、マゼンタ及びブラックの4色の単色画像を重ねあわせる必要がある。このため、前段で印刷したインキが乾いてから後段の印刷を行わないと、前段で印刷した未乾燥のインキが版に付着して、後段での印刷色が変化しまうこととなる。よって、上記▲3▼の方法は、多色刷りの場合には図26に示すように最後段で印刷した色以外の色の絵柄を隆起させることはできない。
【0010】
仮に、上記▲3▼の方法において、図27に示すように、各色の絵柄を印刷直後に個別に隆起させようとしても、隆起したインキが存在する基材は版と密着しないため印刷不良を起こしてしまう。よって、各色の絵柄を個別に隆起させようとした場合は、最前段で印刷した色以外の色は絵柄が正しく印刷されなくなってしまう。これは、上記▲1▼の方法でも同様であり、最前段で印刷した発泡インキが乾燥(膨張)した後は、版が基材に密着せず、絵柄が正しく印刷されなくなる。
【0011】
また、上記▲2▼の方法でも、最前段の印刷でインキを厚盛りした後は、この上に絵柄を重ねて印刷することができなくなってしまう。
【0012】
このように、上記▲1▼〜▲3▼のいずれの方法も、多種の固定情報を少量ずつ隆起印刷する場合や可変情報を隆起印刷する場合に適した方法ではなく、また、多色刷りの隆起印刷を行える方法では無かった。
【0013】
本発明はかかる問題に鑑みて為されたものであり、多種の固定情報を少量ずつ隆起印刷する場合や可変情報を隆起印刷する場合に適するとともに、容易に多色刷りの隆起印刷を行える隆起印刷方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、基材にインキ滴を噴射して、該基材上にインキ画像を形成する工程と、インキ画像が未乾燥のうちに、基材上に樹脂粉末を堆積させる工程と、基材上に堆積させた樹脂粉末のうち、インキ画像が形成されていない領域上に堆積した分を除去する工程と、基材を加熱して、前記インキ画像を隆起させる工程とを有する隆起印刷方法を提供するものである。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、基材にインキ滴を噴射して、該基材上にインキ画像を形成する工程と、インキ画像が未乾燥のうちに、基材上に樹脂粉末を堆積させる工程と、基材上に堆積させた樹脂粉末のうち、インキ画像が形成されていない領域に堆積した分を除去する工程と、基材を加熱して、前記インキ画像を隆起させる工程との一連の工程を少なくとも2回行う隆起印刷方法を提供するものである。
【0016】
上記本発明の第2の態様においては、2以上の異なる色のインキ画像を形成することが好ましい。
【0017】
また、上記本発明のいずれの態様においても、基材に樹脂粉末を堆積させる前にインキ画像の少なくとも一部を間仕切りし、隆起させない部分には樹脂粉末を堆積させないことが好ましい。
【0018】
また、上記本発明のいずれの隆起印刷方法においても、樹脂粉末が、熱膨張性を有することが好ましい。
【0019】
また、上記本発明のいずれの隆起印刷方法においても、インキ滴が、界面活性剤を含有することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。本実施形態にかかる隆起印刷方法は、インクジェット方式で絵柄を印刷し、その絵柄を隆起させる方法である。
図1に本実施形態にかかる隆起印刷方法の処理の流れを示す。
まず、図2に示すように、記録紙などの基材1にインキ滴を噴射し、基材に触れることなくインキ2により絵柄を印刷する(ステップS101)。次に、印刷したインキ2が乾かないうちに、図3に示すように樹脂粉末3を基材1に堆積させる(ステップS102)。未乾燥のインキ2上に堆積した樹脂粉末3は、インキ2を吸い上げてダマ(塊)となり、基材1に付着する。
【0021】
その後、図4に示すように、基材1に堆積している余分な樹脂粉末3を吸引除去する(ステップS103)。例えば、絵柄が印刷されていない領域に堆積している分や絵柄が印刷されている領域に堆積していても、所定の隆起高さよりも高く堆積している分は余分である。
【0022】
余分な樹脂粉末3を除去した後、基材1を加熱して樹脂粉末3を膨張させ、インキ2を隆起させる(隆起したインキ4を形成する)。すなわち、これにより図5に示すように絵柄が隆起する(ステップS104)。以上の工程によって隆起印刷が完成する。
【0023】
本実施形態にかかる隆起印刷方法に適用する装置について説明する。インクジェットプリンタとしては、水性インキをインキ滴として基材に噴射して絵柄を印刷する従来と同様のものを適用できる。これは、シート状の基材(例えば、A4の記録紙)に対して印刷する方式のものであっても良いし、ロール状の基材(例えば、ロール紙)に対して連続的に印刷する方式(ロール・トゥ・ロール)のものであっても良い。また、モノクロ印刷用、カラー印刷用のいずれも適用可能である。
また、印刷に用いるインキ2は、有彩色インキや無彩色インキの他、透明インキも適用できる。
【0024】
基材1としては、記録紙、プラスチックフィルム、プラスチックカードなどを適用できる。ただし、従来インクジェット方式での印刷用に用いられてきたインクジェット記録紙は、本実施形態にかかる隆起印刷方法の基材としては好ましくない。
【0025】
図6の(a)に示すように、インクジェット記録紙は、インクの滲みを防止するためのコーティングが紙の表面に施されており、(b)に示すように、付着したインク滴が速やかにコーティング層内に吸収されるようになっている。
しかし、本実施形態にかかる隆起印刷方法では、先に説明したように、未乾燥のインキで基材1の表面が塗れている間に樹脂粉末3を堆積させる必要がある。このため、印刷したインキ2がすぐにコーティング層に吸収されてしまう従来のインクジェット記録紙は、樹脂粉末3が基材に吸着しなかったり、絵柄上に均一に堆積しない場合があり、本実施形態にかかる隆起印刷方法に適用する基材1としては好ましくない。
【0026】
また、紙の表面に白色顔料を塗布したアート紙やコート紙の場合は、図7(a)に示すように、付着したインキ2が紙に吸収されにくく、十分に乾燥させないと印刷した絵柄が(b)のように滲んでしまいやすいため、従来はインクジェット方式の印刷に不向きであった。
しかし、本実施形態にかかる隆起印刷方法においては、(c)に示すようにインキ2が乾燥する前に樹脂粉末3を堆積させるため、(d)に示すように未乾燥のインキ2は樹脂粉末3に吸い上げられ滲みを抑えることができる。
このため、本実施形態にかかる隆起印刷方法においては、アート紙やコート紙は基材1として好適である。
【0027】
普通紙の場合も同様に、印刷したインキ2を吸収しにくい紙質であるほど基材1として好適である。同様に、インキ2が浸透しないプラスチックフィルムなども本実施形態にかかる隆起印刷方法においては基材1として好適である。
【0028】
樹脂粉末3は、加熱されると発泡するとともに硬化する性質のある松脂を主成分とした従来と同様のものを適用でき、有彩色、無彩色及び透明色のいずれでもよい。また、主成分である松脂に合成樹脂を添加することにより、隆起させたインキに透明感や光沢感を与えたり、凹凸を形成したり、つや消し効果を与えたりすることが可能である。
なお、隆起したインキ4の色は、基材1の色、インキ2の色及び樹脂粉末3の色の組合せに応じた色となる。例を挙げると、白色の基材1に青色のインキ2で絵柄を印刷し、透明な樹脂粉末3を用いて隆起させた場合は、隆起したインキ4は青色となる。また、別の例を挙げると、白色の基材1に白色のインキ2で絵柄を印刷し、黒色の樹脂粉末3を用いて隆起させた場合は、隆起したインキ4は黒色又は灰色となる。
【0029】
樹脂粉末3を膨張させるために基材1を加熱する装置としては、樹脂粉末3が付着した基材1を高温雰囲気にさらす装置、すなわちオーブンが好適である。
【0030】
なお、本発明の他の実施形態においても本実施形態と同様の装置や材料を適用できる。
【0031】
本実施形態にかかる隆起印刷方法では、インクジェット方式で絵柄を印刷するため絵柄を印刷するための版を製版する必要がない。このため、印刷する絵柄を変更することが容易であるだけでなく、絵柄を変更するために版を交換する作業を行う必要すらない。よって、多種の固定情報を少量ずつ印刷したり、可変情報を印刷したりすることが容易である。
【0032】
さらに、インクジェット方式の印刷では、印刷時に版と基材とを接触させる必要がないため、複数色のインキを未乾燥の状態で基材上に配置できる。よって、多色刷りの場合でも、特定の1色のみならず任意の色を隆起させることが可能となる。
【0033】
このように、本実施形態にかかる隆起印刷方法によれば、多種の固定情報を少量ずつ隆起印刷する場合や、可変情報を隆起印刷する場合に好適であるとともに、多色刷りの隆起印刷を行える。
【0034】
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。本実施形態にかかる隆起印刷方法は、第1の実施形態と同様に、インクジェット方式で絵柄を印刷し、その絵柄を隆起させる方法である。
本実施形態にかかる隆起印刷方法の処理の流れは第1の実施形態にかかる隆起印刷方法と同様である。しかし、本実施形態にかかる隆起印刷方法においては、インクジェットプリンタによって基材1へ噴射するインキ2に界面活性剤を添加している。
【0035】
図8(a)に示すように、基材1に噴射するインキ2の表面張力が高い場合は、インク滴が絵柄上に均等に分散せず、インク滴がまだらに(梨地状に)基材1に付着してインキ層の厚さにムラが生じる場合がある。インキ層の厚さにムラがあるにも関わらず樹脂粉末3を堆積させると、樹脂粉末3が絵柄上に均一に付着せず、(b)に示すように隆起したインキ4には凹凸が生じてしまう。
【0036】
本実施形態では、基材1に噴射するインキ2に界面活性剤を添加して表面張力を低下させたことにより、噴射したインクの濡れが良くなり、基材1の印刷領域に均等に分散する。また、インキ2に界面活性剤を添加したことにより、樹脂粉末3を堆積させた際にインキ2が速やかに樹脂粉末3に吸い上げられ、ムラが発生することがない。
【0037】
このように、本実施形態にかかる隆起印刷方法は、第1の実施形態と同様に、多種の固定情報を少量ずつ隆起印刷する場合や、可変情報を隆起印刷する場合に好適であるとともに、多色刷りであっても隆起印刷を行える。
さらに、インキや樹脂粉末を印刷領域に均等に配置できるため、印刷した領域をムラ無く隆起させることができる。
【0038】
〔第3の実施形態〕
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。本実施形態にかかる隆起印刷方法は、インクジェット方式で絵柄を印刷し、その一部分のみを隆起させる方法である。
図9に、本実施形態にかかる隆起印刷方法の流れを示す。まず記録紙などの基材1にインク滴を噴射して、図10に示すようにインキ2で絵柄を印刷する(ステップS201)。そして、印刷した絵柄のうち、隆起させたくない部分をマスクする。
例えば、図11に示すように、遮蔽物5を基材1の印刷面に近接させることにより、隆起させたくない部分を間仕切りする。連続印刷の場合には、基材1の幅方向(基材1の送り方向に対して垂直な方向)から遮蔽物5を基材1の表面に近接させる。
【0039】
その後、印刷したインキ2が乾かないうちに、図12に示すように樹脂粉末3を基材1の隆起させたい部分に堆積させる(ステップS202)。未乾燥のインキ2上に堆積した樹脂粉末3は、インキ2を吸い上げてダマ(塊)となり、基材1に付着する。
なお、図13に示すように、隆起させる必要のない領域は仕切(遮蔽物5)によって隔てられているため、樹脂粉末3は基材1には堆積しない。
【0040】
その後、図14に示すように、基材1に堆積している余分な樹脂粉末3を吸引除去する(ステップS203)。例えば、絵柄が印刷されていない領域に堆積している分や絵柄が印刷されている領域に堆積していても、所定の隆起高さよりも高く堆積している分の樹脂粉末3は余分である。
【0041】
余分な樹脂粉末3を除去した後、基材1を加熱して樹脂粉末3を膨張させ、インキ2を隆起させる(隆起したインキ4を形成する)。すなわち、これにより図15に示すように絵柄が隆起する(ステップS204)。以上の工程によって隆起印刷が完成する。
【0042】
以上のように、印刷した絵柄のうち隆起させたくない部分を仕切で隔てて樹脂粉末3を付着させないことにより、印刷した絵柄の所望の部分のみ隆起させることが可能である。また、間仕切りした各領域で異なる種類のパウダーを付着させることもでき、間仕切りの枚数によって2種以上の隆起印刷が可能となる。
【0043】
〔第4の実施形態〕
本発明を好適に実施した第4の実施形態について説明する。本実施形態にかかる隆起印刷方法は、インクジェット方式で印刷した絵柄を隆起させた後に、別の絵柄をインクジェット方式で印刷し、その絵柄を隆起させる方法である。
図16に、本実施形態にかかる隆起印刷方法の流れを示す。まず第1の実施形態と同様にして、隆起印刷を行う(ステップS301〜S304)。
続いて、図17に示すように、隆起したインキ4が表面に存在する基材1に対してインキ2’で別の絵柄を印刷する(ステップS305)。ステップS305において絵柄の印刷に用いるインキは、ステップS301において用いたものと同じ色であっても良いし、異なる色であってもよい。その後、図18に示すように、印刷したインキ2’が乾かないうちに樹脂粉末3’を基材1に堆積させる(ステップS306)。ステップS306において基材1に堆積させる樹脂粉末3’は、ステップS302で用いた樹脂粉末3と同じものであっても良いし、異なるものであってもよい。未乾燥のインキ2’上に堆積した樹脂粉末3’は、インキ2’を吸い上げてダマ(塊)となり、基材1に付着する。
【0044】
その後、図19に示すように、基材1に堆積している余分な樹脂粉末3’を吸引除去する(ステップS307)。例えば、絵柄が印刷されていない領域に堆積している分や絵柄が印刷されている領域に堆積していても、所定の隆起高さよりも高く堆積している分の樹脂粉末3’は余分である。
【0045】
余分な樹脂粉末3’を除去した後、基材1を加熱して樹脂粉末3’を膨張させ、図20に示すように、絵柄を隆起させる(ステップS308)。以上の工程によって隆起印刷が完成する。
【0046】
なお、ここでは、異なる絵柄を2回に分けて隆起させる場合を例に説明を行ったが、3回以上に分けて隆起させることも可能である。
【0047】
インクジェット方式の印刷は、印刷時に版と基材とを接触させる必要がないため、基材上に隆起したインキが存在していても、絵柄を印刷することが可能である。
本実施形態にかかる隆起印刷方法は、同一の基材1に対して、インクジェット印刷→樹脂粉末の堆積・除去→加熱を複数回繰り返し行うことにより、隆起印刷の自由度を高めることができる。
【0048】
例えば、絵柄を2回に分けて隆起させる場合、1回目に基材1に付着させる樹脂粉末3の量と2回目に基材に付着させる樹脂粉末3’の量とを変えることで、1回目で隆起させたインキ4と2回目で隆起させたインキ4’とで高さに差を設けることができる。
また、1回目に基材1に付着させる樹脂粉末3と2回目に基材1に付着させる樹脂粉末3’とを別の色とすれば、単色印刷のインクジェットプリンタを用いて多色刷りの隆起印刷を行える。
【0049】
このように、本実施形態にかかる隆起印刷方法は、第1の実施形態と同様に、多種の固定情報を少量ずつ隆起印刷する場合や、可変情報を隆起印刷する場合に好適であるとともに、多色刷りであっても隆起印刷を行うことができる。
【0050】
〔第5の実施形態〕
本発明を好適に実施した第5の実施形態について説明する。本実施形態にかかる隆起印刷方法は、最初に下地となる絵柄を印刷して乾燥させ、その後で、インクジェット方式で別の絵柄を印刷し、これを隆起させる方法である。
【0051】
図21に、本実施形態にかかる隆起印刷方法の処理の流れを示す。
まず、下地となる絵柄を基材1にインキ2で絵柄を印刷し、乾燥させる(ステップS401)。なお、下地の印刷は必ずしもインクジェット方式で行う必要はない。続いて、図22に示すように、下地となる絵柄がインキ2で印刷された基材1に対して、インキ2’で別の絵柄をインクジェット方式により印刷する(ステップS402)。その後、印刷したインキ2’が乾かないうちに、図23に示すように、樹脂粉末3を基材1に堆積させる(ステップS403)。未乾燥のインキ2’上に堆積した樹脂粉末3は、インキ2’を吸い上げてダマ(塊)となり、基材1に付着する。
【0052】
その後、図24に示すように、基材1に堆積している余分な樹脂粉末3を吸引除去する(ステップS404)。例えば、絵柄が印刷されていない領域に堆積している分や絵柄が印刷されている領域に堆積していても、所定の隆起高さよりも高く堆積している分の樹脂粉末3は余分である。
【0053】
余分な樹脂粉末3を除去した後、基材1を加熱して樹脂粉末3を膨張させ、インキ2を隆起させる(隆起したインキ4を形成する)。すなわち、これにより図25に示すように絵柄が隆起する(ステップS405)。以上の工程によって隆起印刷が完成する。
【0054】
本実施形態にかかる隆起印刷方法によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られることに加え、下地として印刷した絵柄とは全く異なる別の絵柄を隆起させることが可能となる。
例えば、白色の記録紙に黒色のインキで文章を印刷して乾燥させ、下地の絵柄とし、その後、下地として印刷した文章と同じ内容の点字を、透明インキを用いて印刷し、このインキが乾燥する前に透明の樹脂粉末を基材に振りかけて堆積させ、余分を取り除いた後に加熱する。このようにして隆起印刷を施した記録紙は、視力が正常な者及び盲人がともにその文章の内容を判読できる。点字本は、多種の固定情報を少量ずつ隆起印刷させる場合の好適な実施例である。
【0055】
なお、上記各実施形態は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、加熱すると発泡する性質を備えた樹脂粉末を用いてインキを隆起させているが、発泡性のない樹脂粉末を用いてインキを隆起させることも可能である。例えば、熱硬化性の樹脂粉末を用いて、絵柄の上に体積させた樹脂粉末を加熱により硬化させてもよい。又は、熱可塑性の樹脂粉末を用い、絵柄の上に堆積させた樹脂粉末を加熱によって溶融させ、基材に固着させてもよい。
また、インキを隆起させるために基材を加熱する方法は、高温雰囲気に基材をさらす方法に限定されるものではなく、熱風乾燥などの方法を適用してもよい。さらに、印刷した基材の一部をマスクする遮蔽物は、図面に示した形状に限定されることはない。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、多種の固定情報を少量ずつ隆起印刷する場合や可変情報を隆起印刷する場合に適するとともに、容易に多色刷りの隆起印刷を行える隆起印刷方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を好適に実施した第1の実施形態にかかる隆起印刷方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】第1の実施形態にかかる隆起印刷方法において、基材に絵柄を印刷した状態を示す図である。
【図3】第1の実施形態にかかる隆起印刷方法において、絵柄を印刷した基材に樹脂粉末を堆積させた状態を示す図である。
【図4】第1の実施形態にかかる隆起印刷方法において、余分な樹脂粉末を基材から除去した状態を示す図である。
【図5】第1の実施形態にかかる隆起印刷方法において、絵柄を隆起させた状態を示す図である。
【図6】インクジェット紙のコーティング層にインキ滴が吸収されることを示す図である。
【図7】第1の実施形態にかかる隆起印刷方法をアート紙・コート紙に対して適用した場合を示す図である。
【図8】表面張力の高いインキを用いてインクジェット印刷を行った場合に、隆起したインキに凹凸が生じた状態を示す図である。
【図9】本発明を好適に実施した第3の実施形態にかかる隆起印刷方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態にかかる隆起印刷方法において、基材に絵柄を印刷した状態を示す図である。
【図11】第3の実施形態にかかる隆起印刷方法において、絵柄を印刷した基材の一部をマスクした状態を示す図である。
【図12】第3の実施形態にかかる隆起印刷方法において、一部分をマスクした基材に樹脂粉末を堆積させた状態を示す図である。
【図13】第3の実施形態にかかる隆起印刷方法において、樹脂粉末を堆積させた基材のマスクを除去した状態を示す図である。
【図14】第3の実施形態にかかる隆起印刷方法において、余分な樹脂粉末を基材から除去した状態を示す図である。
【図15】第3の実施形態にかかる隆起印刷方法において、絵柄の一部を隆起させた状態を示す図である。
【図16】本発明を好適に実施した第4の実施形態にかかる隆起印刷方法の処理の流れを示す図である。
【図17】第4の実施形態にかかる隆起印刷方法において、絵柄を隆起させた基材に別の絵柄を印刷した状態を示す図である。
【図18】第4の実施形態にかかる隆起印刷方法において、隆起させた絵柄と異なる絵柄を印刷した基材に樹脂粉末を堆積させた状態を示す図である。
【図19】第4の実施形態にかかる隆起印刷方法において、隆起させた絵柄と異なる絵柄を印刷した基材から余分な樹脂粉末を除去した状態を示す図である。
【図20】第4の実施形態にかかる隆起印刷方法において、絵柄を隆起させた状態を示す図である。
【図21】本発明を好適に実施した第5の実施形態にかかる隆起印刷方法の処理の流れを示す図である。
【図22】第5の実施形態にかかる隆起印刷方法において、下地が印刷された基材に別の絵柄を印刷した状態を示す図である。
【図23】第5の実施形態にかかる隆起印刷方法において、別の絵柄を印刷した機材に樹脂粉末を堆積させた状態を示す図である。
【図24】第5の実施形態にかかる隆起印刷方法において、余分な樹脂粉末を除去した状態を示す図である。
【図25】第5の実施形態にかかる隆起印刷方法において、絵柄を隆起させた状態を示す図である。
【図26】版を用いて印刷した多色刷りの絵柄を隆起させる場合の処理を説明するための図である。
【図27】版を用いて印刷した多色刷りの絵柄を隆起させる場合の別の処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基材
2、2’ インキ
3、3’ 樹脂粉末
4、4’ 隆起したインキ
5 遮蔽物

Claims (6)

  1. 基材にインキ滴を噴射して、該基材上にインキ画像を形成する工程と、
    前記インキ画像が未乾燥のうちに、前記基材上に樹脂粉末を堆積させる工程と、
    前記基材上に堆積させた前記樹脂粉末のうち、前記インキ画像が形成されていない領域上に堆積した分を除去する工程と、
    前記基材を加熱して、前記インキ画像を隆起させる工程とを有する隆起印刷方法。
  2. 基材にインキ滴を噴射して、該基材上にインキ画像を形成する工程と、
    前記インキ画像が未乾燥のうちに、前記基材上に樹脂粉末を堆積させる工程と、
    前記基材上に堆積させた樹脂粉末のうち、前記インキ画像が形成されていない領域に堆積した分を除去する工程と、
    前記基材を加熱して、前記インキ画像を隆起させる工程との一連の工程を少なくとも2回行う隆起印刷方法。
  3. 2以上の異なる色のインキ画像を形成することを特徴とすることを特徴とする請求項2記載の隆起印刷方法。
  4. 前記基材に前記樹脂粉末を堆積させる際に前記インキ画像の少なくとも一部を間仕切りし、隆起させない部分には前記樹脂粉末を堆積させないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の隆起印刷方法。
  5. 前記樹脂粉末が、熱膨張性を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の隆起印刷方法。
  6. 前記インキ滴が、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の隆起印刷方法。
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