JP3364913B2 - 染料気化型プリンタ - Google Patents

染料気化型プリンタ

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JP3364913B2
JP3364913B2 JP02415394A JP2415394A JP3364913B2 JP 3364913 B2 JP3364913 B2 JP 3364913B2 JP 02415394 A JP02415394 A JP 02415394A JP 2415394 A JP2415394 A JP 2415394A JP 3364913 B2 JP3364913 B2 JP 3364913B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオカメラに
よる撮像画像、テレビジョン画像等の各種画像における
静止画像を、気化性染料を用いて印画紙上に転写するレ
ーザ気化型プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の気化型又は昇華型プリンタは、
昇華性染料が塗布された昇華性インクリボンと感熱ヘッ
ドとが用いられ、前記昇華性インクリボンを印画紙上に
重ね合わせ、画像情報に応じた電気エネルギーを感熱ヘ
ッドに印加し、この感熱ヘッドから発生する熱エネルギ
ーにより、インクリボン上の昇華性染料を印画紙上に昇
華転写させるものである。
【0003】前記従来例においては、インクリボンと感
熱ヘッドとを用いているため、インクリボンの巻取機構
及び感熱ヘッドの放熱機構が必要であり、装置が小型化
及び低コスト化が図れないばかりでなく、3原色(イエ
ロー、マゼンタ、シアン)の重ね印画を行うため、3回
の動作を繰り返して行なわなければならず作業性が悪
く、また使用済みインクリボンの処分においても環境上
の問題があった。
【0004】[先行技術]前記従来例の問題点を解決す
るため、インクリボン及び感熱ヘッドを使用しないレー
ザ気化型又は昇華型プリンタを、本発明と同一出願人に
よって既に複数件の特許出願をしている。この先願の発
明は、特願平4−300587号、特願平5−1124
1号及び特願平5−12106号である。
【0005】前記先行技術におけるレーザ気化型プリン
タの構成は、ヘッドが固定式のものと、ヘッドが1ライ
ン毎に移動するものとに分けられ、概ね図8及び図9に
示した構成を有している。図8はヘッドが固定式のもの
であり、レーザ気化型カラープリンタ1は、外筐2aで
覆われたフレームシャーシ2上に印画紙50を入れる給
紙トレー3と印画用の平面ベース4とを有している。
【0006】前記外筐2a内の印画紙排出口2b側に
は、モータ5等により駆動する紙送り駆動ローラ6a
と、該紙送り駆動ローラとの間で印画紙50を軽圧力で
挟持する圧接従動ローラ6bとが設けられると共に、外
筐2a内の給紙トレー3の上方にはヘッド駆動回路基板
7とDC電源8を設けてある。このヘッド駆動回路基板
7と平面ベース4上に配設されたヘッド部10とは、フ
レキシブルハーネス7aによって接続されている。
【0007】図9はヘッドが移動式のものであり、一対
のヘッド部10a,10bがヘッド送り軸3aとヘッド
支持軸3bとにより支持され、ヘッド送り軸3aは全体
がスクリュウネジ状に形成されており、該ヘッド送り軸
3aを所定の駆動部により正転又は逆転方向に選択的に
駆動させることにより、印画紙50の送り方向Xに対し
て、直交するZ軸方向に移動するようになっている。
【0008】このプリンタにおいても、ヘッド部10
a,10bが位置する部位に平面ベース4が設けられる
と共に、各ヘッド部10a,10bはフレキシブルハー
ネス7aを介して、前記同様のヘッド駆動回路基板に接
続されている。また、印画紙50は紙送りローラ6aと
圧接従動ローラ6bとで挟持されて送られるようになっ
ている。
【0009】いずれのプリンタに使用されているヘッド
部10,10a,10b(以下総称して符号10で示
す)も、概ね図10〜図12に示した構成を有してい
る。
【0010】即ち、ヘッド部10は、イエロー(Y)と
マゼンタ(M)とシアン(C)の固形気化性染料として
の固形粉末状の各気化性染料12Y,12M,12C
(以下総称して符号12で示す)を収納する各固形気化
性染料収納部11Y,11M,11C(以下総称して符
号11で示す)と、下側に位置する高強度材からなる耐
摩耗性の耐熱断熱壁13と、上側に位置するガラス製、
透明セラミック製等のヘッドベース部材14とで外郭が
形成されている。
【0011】そして、ヘッド部10の内部は、上記各固
形気化性染料収納部11内の固形粉末状の気化性染料1
2をヘッドベース部材14側に取り付けられた電気抵抗
体からなるヒータ(発熱体)16により加熱液化して収
納する挟路状の各液体気化性染料導入部15Y,15
M,15C(以下総称して符号15で示す)と、この各
液体気化性染料導入部15から導かれた液化気化性染料
12′を気化させる各気化部17Y,17M,17C
(以下総称して符号17で示す)と、上記ヘッドベース
部材14に支持盤19を介して取付けられ、各気化部1
7にレーザ光Lを照射する各半導体レーザチップ(レー
ザ光源)18Y,18M,18C(以下総称して符号1
8で示す)とが設けられている。
【0012】上記各気化部17内には、ヘッドベース部
材14に取付けられた透明断熱層20と、この透明断熱
層20に積層され、レーザ光Lの光を吸収して熱に変換
する光熱変換層(体)21と、この光熱変換層(体)2
1に積層され、液化した液化気化性染料12′を保持す
る液体気化性染料保持層22とを配設してある。
【0013】前記透明断熱層20は透明な芳香族ポリア
ミド樹脂により形成し、前記光熱変換層21は金属の薄
膜でニッケル・コバルト合金を蒸着或はスパッタするこ
とにより形成し、前記液体気化性染料保持層22は光熱
変換層21の上に直接金属薄膜を形成し、この金属薄膜
をエッチング加工などで網目状(メッシュ状)に加工し
たものである。
【0014】尚、上記発熱体16は固形粉末状の気化性
染料12を加熱液化しながら液体気化性染料保持層22
まで案内して移行させるためのものであり、例えばカー
ボン又はシリコン系化合物で形成され、通電によって5
0〜300°Cの熱を発する透明または不透明な発熱体
を使用している。
【0015】そして、前記したようにヘッド部10には
3色分(Y,M,C)に対応する半導体レーザチップか
らなるレーザ光源18(18Y,18M,18C)が画
素分だけ多数個並び、各液体気化性染料導入部15(1
5Y,15M,15C)から夫々加熱液化されて各気化
部17に定量供給される。
【0016】即ち、各固形気化性染料収納部11内の固
体粉末状の気化性染料12は発熱体16により融解点ま
で加熱されて融解(液化)され、この各液化した気化性
染料12′を各液体気化性染料導入部15の毛管現象に
よって各気化部17の気化穴17a内の液体気化性染料
保持層22に定量供給する。
【0017】この状態より、1枚の印画紙50が紙送り
駆動ローラ6aと圧接従動ローラ6bに挟持されると1
ラインづつ且つ一色づつ1ドット信号がヘッド部10に
送られて、各半導体レーザチップ18により発生したレ
ーザ光Lが各光熱変換層21により熱に変換される。
【0018】この熱により、各液体気化性染料保持層2
2に保持されている各液化気化性染料12′が気化さ
れ、この各気化されたY,M,Cの気化性染料12″
が、平面ベース4と保護層13間に送られ且つ所定の温
度(略150°C)に加熱された印画紙50の染料受容
層50aにY→M→Cと順次転写されてカラープリント
される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術におけるプリンタは、印画紙と気化穴とが密着し
ているため、気化部において染料が加熱されて気化する
ときに、所謂膨張現象が生じ、液体気化性染料と気化穴
と印画紙で囲まれた空間の圧力(気圧)が上昇し、同じ
量の染料を気化させるのに、気化面が開放の場合に比べ
て、より多くの気化エネルギーを必要とし、エネルギー
損失と云う問題点を有している。
【0020】また、印画紙とヘッド部とが所定の押圧力
で接触しているため、印画時に、ヘッド部の表面と印画
紙との間に常時摩擦が生じている。従って、気化染料を
印画紙表面に転写した直後の気化染料が定着する前に印
画紙の移動又はヘッド部の移動がなされると、気化穴の
外周縁のエッジ部で紙面を擦るようになり、転写された
気化染料が外乱によりみだれ、鮮明な転写ができないと
云う問題点を有している。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記先行技術の有する課
題を解決する具体的手段として本発明は、固形気化性染
料を収納する染料収納部と、固形気化性染料を加熱液化
する手段で液化し気化部へ導く液体気化性染料導入部
と、気化部に導かれた液体気化性染料を加熱して気化
させる手段とを有し、その気化した染料を前記気化部の
気化穴に接触した状態の印画紙に転写させるヘッド部を
備えたプリンタであって、前記気化穴の周囲で、少なく
とも該気化穴の一辺に連通させて、前記染料の気化時に
生ずる前記気化穴内の気圧上昇を緩和するためのエア調
整部を設けたことを特徴とする染料気化型プリンタを提
供するものであり、前記エア調整部が、溝又は凹部であ
り、そのエア調整部が、前記気化穴における印画方向の
少なくとも後方位置に設けてあること、及びそれらのエ
ア調整部が、エア抜き溝によって復数個連通状態にする
と共に、エア調整部を連通するエア抜き溝を外部に開放
させるか、又はエア調整部として複数の気化穴の開口部
が連通するように気化部の印画紙と接触する面に形成し
た凹部スペースであること、その凹部スペースに、外部
に連通するエア抜き溝を設けることも含むものであっ
て、これらエア調整部は、ヘッド部における気化部の印
画紙と接触する面に設けられた保護層に形成されている
ものである。
【0022】
【作用】ヘッド部の気化穴にエア調整部を設けたことに
より、気化時の加熱による気化穴内の膨張現象による気
圧上昇が解消され、染料の気化が速やかに行われて、印
画紙への転写が良好になること、及びヘッド部が印画紙
に接触状態で順次気化染料を転写しながら移動しても、
エア調整部が印画方向に対して後方に設けられているこ
とにより、染料の定着時間が確保され、外乱によって染
料のみだれが生じないようになり、印画紙への転写が鮮
明になることである。
【0023】
【実施例】次に、本発明を図示のいくつかの実施例に基
づき更に詳しく説明する。尚、理解を容易にするため先
行技術と同一部分には同一符号を付して説明する。図1
乃至図3は本発明に係る第1実施例におけるヘッド部1
0を示すものである。このヘッド部10の構成は、概ね
従来例と略同一であり、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)及びシアン(C)の固形粉末状の気化性染料12
を収納する固形気化性染料収納部11と、その固形気化
性染料を加熱して液状化した染料を収納する液体気化性
染料導入部15が形成され、該液体気化性染料導入部1
5に隣接し液化した液体気化性染料12′が供給される
気化部17が形成されている。
【0024】ここで、本発明で云う気化性染料とは、固
形気化性染料、液化気化性染料、気化性染料、昇華性染
料及び分散染料等の総称であり、25°Cから分解温度
までの温度範囲において、その蒸気圧が0.01パスカ
ル以上となる温度領域が存在する染料を気化性染料と定
義する。ただし、気相において染料分子が平均会合数n
で会合している場合には、上記蒸気圧をその平均会合数
nで割った0.01パスカル以上とする。この定義に当
て嵌まる実用染料としては、例えば市販のHSR−20
31、ESC−155及びESC−655等である。
【0025】前記液体気化性染料導入部15及び気化部
17は、その周囲及び下部が耐熱断熱壁からなる保護層
13で形成され、前記液体気化性染料導入部15内は液
化した気化性染料、即ち液体気化性染料12′を毛管現
象等の適宜の保持手段で保持する構成になっている。
【0026】保護層13の上部にはスペーサ14aによ
って液体気化性染料導入部15及び気化部17が形成さ
れ、更にその上部にガラス製又は透明セラミック製等の
ヘッドベース部材14が配設され、該ベース部材14の
下面側に、気化性染料を液化するための発熱体16が配
設されている。尚、実質的にスペーサ14aとヘッドベ
ース14とは同一材料で一体的に形成することもでき
る。
【0027】この発熱体16は、一種のヒータであり、
通電によって加熱されるものであって、例えばニッケル
又はコバルトを主体とする酸化被膜を適宜のフィルム表
面に蒸着又はスパッタリング等の手段により層状に形成
したものでも良い。そして、発熱体として、不透明、半
透明又は透明な状態で形成することができ、その用途に
応じて選択される。
【0028】ヘッドベース部材14には、支持部材19
を介してレーザ光源18(半導体レーザチップ)が取り
付けられている。このレーザ光源18は、各気化部17
に臨ませて、対応する数だけ取り付けられる。
【0029】気化部17内には、ヘッドベース部材14
に取付けられた耐熱性の透明断熱層20と、この透明断
熱層20に積層され、レーザ光Lの光を吸収して熱に変
換する光熱変換層(体)21と、この光熱変換層(体)
21に積層され、液化した液化気化性染料12′を保持
する液体気化性染料保持層22とを配設してある。
【0030】前記透明断熱層20は例えば透明な芳香族
ポリアミド樹脂により形成し、前記光熱変換層21は一
種の金属の薄膜で、例えばニッケル・コバルト合金を蒸
着或はスパッタすることにより形成し、前記液体気化性
染料保持層22は種々の構成のものが適用できるが、こ
の実施例では例えば光熱変換層21の上に直接金属薄膜
を形成し、この金属薄膜をエッチング加工などで網目状
(メッシュ状)に加工したものが使用されている。
【0031】また、上記発熱体16は、固形粉末状の気
化性染料12を加熱液化しながら液体気化性染料保持層
22まで案内して移行させるためのものであり、例えば
カーボン又はシリコン系化合物で形成され、通電によっ
て50〜300°Cの熱を発する透明または不透明な発
熱体を使用している。
【0032】ヘッド部10には、先願発明と同様に3色
分(Y,M,C)の半導体レーザチップからなるレーザ
光源18が3列に画素分だけ多数個並び、各液体気化性
染料導入部12(12Y,12M,12C)から夫々加
熱液化されて各気化部17に定量供給される構成になっ
ている。
【0033】即ち、各固形気化性染料収納部11内の固
体粉末状の気化性染料12は発熱体16により融解点ま
で加熱(略150°C)されて融解(液化)され、この
各液化した気化性染料12′を各液体気化性染料導入部
15の毛管現象によって各気化部17内の液体気化性染
料保持層22に定量保持される構成である。そして、従
来例と相違する構成部分はヘッド部10の印画紙50と
接触する表面、即ち保護層13にある。
【0034】この保護層13には、図2に示したように
従来例と同様に、各色の染料に対応する複数の気化部1
7(17Y,17M,17C)に対応して、気化穴17
aが夫々設けられており、その各気化穴17aに隣接し
て、エア調整部30を設けた点に構成上の特徴がある。
【0035】このエア調整部30は、溝又は凹部であ
り、気化穴17aの少なくとも一辺に隣接した状態で形
成される。この場合に、ヘッド部10の移動方向、又は
ヘッド部10が固定の場合には印画紙50の移送方向、
即ち両方に共通して印画方向Pに対して少なくとも後方
部分に相当する辺にエア調整部30が形成される。この
印画方向Pはプリンタによって種々異なる場合が考えら
れる。
【0036】このエア調整部30は、気化穴17aに隣
接した溝又は凹部で充分であるが、図1及び図3に示し
たように、その凹部の1つの側面、即ち気化穴17aの
辺と対峙する側面を、テーパー面30aに形成した方が
より一層良好である。つまり、テーパー面に形成するこ
とでその側面のエッジが急峻に立たない状態になり、印
画紙50に転写した染料を削る等の不慮のトラブルが生
じなくなる。
【0037】また、ヘッド部10を往復させて転写させ
る場合には、図4に示した第2実施例のものが使用され
る。即ち、気化穴17aに対して、印画方向Pが往復方
向になるので、それに対応して気化穴17aの対峙する
辺に夫々エア調整部30が形成される。この場合も、エ
ア調整部30の1つの側面をテーパー面30aに形成し
たほうが良い。
【0038】更に、第3実施例を図5に示してある。こ
の実施例においては、気化穴17aの周囲にエア調整部
30を形成したものであり、ヘッド部10の印画方向に
全方向性をもたせたものである。つまり、使用されるプ
リンタに対して、汎用性のあるヘッド部10が提供でき
るのである。この場合でも、エア調整部30の外周に位
置する側面をテーパー面に形成することができる。
【0039】図6に示した第4実施例も、プリンタにお
ける印画方向に対し、ヘッド部10に全方向性をもたせ
たものである。即ち、エア調整部30となる凹部を広く
形成した凹部スペースとし、復数個の気化穴17aに渡
ってエア調整部30で囲い、該エア調整部30によって
復数個の気化穴17aの開口部が連通するように形成し
たものである。
【0040】このように、エア調整部30を広い凹部ス
ペースに形成することで、ヘッド部10における印画紙
50との接触面が必然的に減少することになるが、エア
調整部30を設けることによって生ずる周囲枠部13a
が印画紙50の押さえとなって、印画紙50の浮き上が
りを防止し、適正な転写が遂行できるようになる。
【0041】尚、エア調整部30を広い凹部スペースに
形成することで、プリント時においてY色列の複数の気
化穴17aが同時に加熱されて膨張現象があっても、そ
の膨張現象は他の広い範囲にわたるエア調整部30の凹
部で吸収し、気圧の上昇は実質的に見られないのであ
る。
【0042】複数個の気化穴17aの同時加熱による内
部膨張及び気圧上昇を完全に回避する手段としては、周
囲枠部13aの一部にエア抜き溝31を設けて凹部スペ
ースのエア調整部30と外部とを連通状態にすれば良
い。
【0043】更に、図に示した第5実施例において
は、前記第1実施例で説明したエア調整部30を複数個
連通させるようにして、外部に開放するエア抜き溝31
を形成する。この場合に、エア抜き溝31は隣接状態に
ある気化穴17aを結ぶようにジグザグ状態で形成する
ことができるが、好ましくは、図示したように各列毎の
エア調整部30を直線状に連通させて形成する方が良
い。
【0044】いずれにしても、エア調整部30にエア抜
き溝31を設けることで、エア調整部30は実質的に外
気に開放された状態になり、気化部17において加熱に
よる気化染料の気化時に、内部膨張による気圧上昇の障
害もなく、速やかに予定した気化が行われるのである。
【0045】その動作について、図1を参照して説明す
ると、レーザ気化型カラープリンタの給紙トレー内から
印画紙50が平面ベース4とヘッド部10との間に供給
される。この状態において、例えば1ラインづつ且つ一
色づつ1ドット信号がヘッド部10に送られ、その信号
情報に基づいて対応する各半導体レーザチップ18が駆
動され、駆動された半導体レーザチップ18より発生し
たレーザ光Lが各光熱変換層21により熱に変換され
る。
【0046】この変換された熱により、各液体気化性染
料保持層22に保持されている各液化気化性染料12′
が気化され、この各気化されたY,M,Cの気化染料1
2″が、平面ベース4上に位置する印画紙50の染料受
容層50aにY→M→Cと順次転写されてカラープリン
トされる。
【0047】この場合に、ヘッド部10と印画紙50と
が接触の状態にあるため、レーザ光Lによって光熱変換
層21が加熱され、気化部17内の液体気化性染料1
2′が一時的に膨張し気化穴17aの気圧に上昇現象が
生ずるが、エア調整部30の存在により、その気圧上昇
現象が緩和されるので、液体気化性染料12′の気化効
率が阻害されず、その気化した気化染料12″が印画紙
50の染料受容層50aに転写される。
【0048】そして、エア調整部30が気化穴17aに
隣接して設けられ、しかも印画方向Pに対して少なくと
も後方に設けられているので、ヘッド部10が印画紙5
0の上面に接触しながら移動しても、エア調整部30の
存在によって、染料の定着時間がとれると同時に気化穴
17aの外周縁、即ちエッジ部で付着直後の染料を削る
ような外乱作用もなくなり、その間に印画紙50の染料
受容層50aに気化性染料を定着させ、鮮明なカラープ
リントが得られるのである。
【0049】また、他の第2〜4実施例においても、エ
ア調整部30が前記第1実施例と同様に作用するので、
気化染料の気化効率が阻害されず、しかも気化染料の定
着時間がとれるので外乱現象が生じない点で共通するの
である。
【0050】特に、印画方向が全方向性の第3実施例及
び第4実施例においては、使用されるプリンタのどのよ
うな種類のものにでも適用でき、汎用性に優れたものと
なっているのである。尚、前記実施例においてはカラー
プリントについて説明したが、白黒のプリンタの場合で
も適用できることは云うまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る染料気
化型プリンタは、固形気化性染料を収納する染料収納部
と、固形気化性染料を加熱液化する手段で液化し気化部
へ導く液体気化性染料導入部と、気化部に導かれた液
体気化性染料を加熱して気化させる手段とを有し、その
気化した染料を前記気化部の気化穴に接触した状態の
画紙に転写させるヘッド部を備えたプリンタであって、
前記気化穴の周囲で、少なくとも該気化穴の一辺に連通
させて、前記染料の気化時に生ずる前記気化穴内の気圧
上昇を緩和するためのエア調整部を設けた構成としたこ
とにより、ヘッド部が印画紙に接触していて気化穴が密
閉状態であっても、気化部を加熱して染料を気化させ、
印画紙に染料を転写させる際に生ずる内部の膨張現象
を、前記エア調整部で吸収して気圧上昇が解消され、そ
れによって速やかな気化がなされ、転写効率が阻害され
ないと云う優れた効果を奏する。
【0052】また、エア調整部が、個々の気化穴の周囲
に隣接して、且つ印画方向の少なくとも後方又は複数の
気化穴全体にわたって設けられたことにより、ヘッド部
が印画方向に移動しても、または印画紙が供給方向に移
動しても、エア調整部の存在により、気化して印画紙表
面に転写された染料の定着時間がとれるため、気化穴の
外周縁で転写直後の染料を削るなどの外乱現象が解消さ
れ、常に鮮明なプリントができると云う優れた効果を奏
する。
【0053】更に、エア調整部にエア抜き溝を設けて外
部と連通または開放させたことにより、気化部を常に外
気圧と同じに維持することができ、いかなる場合でも、
気化部内の気圧上昇が生じないことにより、前記転写効
率の阻害が完全に解消されると云う優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの要部である第1実施例
のヘッド部を示した略示的断面図である。
【図2】同プリンタのヘッド部の下面側を略示的に示し
た斜視図である。
【図3】同プリンタのヘッド部の一部を拡大して示した
略示的斜視図である。
【図4】本発明に係るプリンタの第2実施例におけるヘ
ッド部の一部を略示的に示した平面図である。
【図5】本発明に係るプリンタの第3実施例におけるヘ
ッド部の一部を略示的に示した平面図である。
【図6】本発明に係るプリンタの第4実施例におけるヘ
ッド部の下面側を略示的に示した斜視図である。
【図7】本発明に係るプリンタの第5実施例におけるヘ
ッド部の下面側を略示的に示した斜視図である。
【図8】先行技術の一例のプリンタを示した略示的斜視
図である。
【図9】先行技術の他の例のプリンタの要部のみを示し
た略示的斜視図である。
【図10】先行技術におけるヘッド部の一部を断面で示
した略示的拡大断面図である。
【図11】先行技術におけるヘッド部の要部を分離し且
つ一部を切り欠いて下面側を示した略示的斜視図であ
る。
【図12】同先行技術のヘッド部の下面側を示した略示
的斜視図である。
【符号の説明】
10 ヘッド部 11 固形気化性染料収納部 12 固形気化性染料 12′液化気化性染料 12″気化染料 14 ヘッドベース部材 14a スペーサ 15 液体気化性染料導入部 16 発熱体(ヒータ) 17 気化部 17a 気化穴 18 レーザ光源 19 支持部材 20 光透過性ベース材 21 光熱変換体(層) 22 液体気化性染料保持体 30 エア調整部 30a テーパー面 31 エア抜き溝 L レーザ光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−183860(JP,A) 特開 昭63−159064(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/015 B41J 2/175 B41J 2/325

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形気化性染料を収納する染料収納部
    と、固形気化性染料を加熱液化する手段で液化し気化部
    へ導く液体気化性染料導入部と、気化部に導かれた液
    体気化性染料を加熱して気化させる手段とを有し、その
    気化した染料を前記気化部の気化穴に接触した状態の
    画紙に転写させるヘッド部を備えたプリンタであって、前記気化穴の周囲で、少なくとも該気化穴の一辺に連通
    させて、前記染料の気化時に生ずる前記気化穴内の気圧
    上昇を緩和するための エア調整部を設けたことを特徴と
    する染料気化型プリンタ。
  2. 【請求項2】 前記エア調整部が、溝又は凹部である請
    求項1に記載の染料気化型プリンタ。
  3. 【請求項3】 前記エア調整部が、前記気化穴における
    印画方向の少なくとも後方位置に設けてある請求項1又
    は2に記載の染料気化型プリンタ。
  4. 【請求項4】 前記エア調整部が、エア抜き溝によって
    復数個連通状態にした請求項1、2又は3に記載の染料
    気化型プリンタ。
  5. 【請求項5】 前記エア調整部を連通するエア抜き溝を
    外部に開放させた請求項1、2、3又は4に記載の染料
    気化型プリンタ。
  6. 【請求項6】 前記エア調整部が、複数の気化穴の開口
    部が連通するように気化部の印画紙と接触する面に形成
    した凹部スペースである請求項1に記載の染料気化型プ
    リンタ。
  7. 【請求項7】 前記エア調整部の凹部スペースに、外部
    に連通するエア抜き溝を設けた請求項6に記載の染料気
    化型プリンタ。
  8. 【請求項8】 前記エア調整部は、ヘッド部における気
    化部の印画紙と接触する面に設けられた保護層に形成さ
    れている請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の
    染料気化式プリンタ。
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